JP2020149531A - 診断装置、診断方法、及び診断プログラム - Google Patents

診断装置、診断方法、及び診断プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】取得したデータを効率的に蓄積し、ユーザが利用しやすい形でデータ提供を行う診断装置、診断方法、及び診断プログラムを提供する。【解決手段】対象装置200の動作に応じて変化する物理量を検知する検知部225から出力される検知情報を取得する第1の取得部112と、対象装置における複数の処理工程のうち、ユーザにより設定された監視対象の処理工程に対応する所定区間において取得された検知情報を抽出するデータ抽出部103aと、所定区間の検知情報に基づいて異常スコアを算出するスコア算出部102cと、所定区間の検知情報および異常スコアの少なくともいずれかを記憶装置に蓄積するデータ蓄積部103bと、蓄積された所定区間の検知情報および異常スコアの少なくともいずれかを出力装置(表示部)115に出力させる出力制御部(表示制御部)105と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、診断装置、診断方法、及び診断プログラムに関する。
処理対象物の処理を行う処理装置において、装置の異常等を検知するため、機械のモータの電流値の情報、振動、または力等の物理量を検知して出力する方法が既に知られている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、取得したデータの効率的な蓄積や、検知した異常をどのようにユーザに伝えるか等、ユーザが利用しやすい形でのデータ提供にうまく対応できていない。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、取得したデータを効率的に蓄積し、ユーザが利用しやすい形でデータ提供を行う診断装置、診断方法、及び診断プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の処理工程を含むサイクルを繰り返す対象装置の動作に応じて変化する物理量を検知する検知部から出力される検知情報を取得する第1の取得部と、前記対象装置を動作させる区間を示す信号を前記対象装置から取得する第2の取得部と、前記信号から前記対象装置における前記複数の処理工程のうち、ユーザにより設定された監視対象の処理工程に対応する所定区間を判別し、前記所定区間において取得された前記検知情報を抽出するデータ抽出部と、前記所定区間の前記検知情報に基づいて前記検知情報の異常が累積されたスコア値である異常スコアを算出するスコア算出部と、前記所定区間の前記検知情報および前記異常スコアの少なくともいずれかを記憶装置に蓄積するデータ蓄積部と、蓄積された前記所定区間の前記検知情報および前記異常スコアの少なくともいずれかを出力装置に出力させる出力制御部と、を備える。
本発明によれば、取得したデータを効率的に蓄積し、ユーザが利用しやすい形でデータ提供を行うことが可能となる。
図1は、実施形態にかかる診断システムの構成を概略的に示す図である。 図2は、実施形態にかかる加工機および診断装置の構成の一例を機能ブロックで示す図である。 図3は、実施形態にかかる加工機のハードウェア構成の一例を示す図である。 図4は、実施形態にかかる診断装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 図5は、実施形態にかかる加工機の検知情報およびラダー信号の一例を示す図である。 図6は、実施形態にかかる診断装置が検知情報から抽出した特徴情報を周波数成分で模式的に例示する図である。 図7は、実施形態にかかる診断装置におけるデータ取得に関わる処理の手順の一例を示すフロー図である。 図8は、実施形態にかかる診断装置における工具の設定操作について説明する図である。 図9は、実施形態にかかる診断装置における工具の設定操作について説明する図である。 図10は、実施形態にかかる診断装置における工具の設定操作について説明する図である。 図11は、実施形態にかかる診断装置における工具の設定操作について説明する図である。 図12は、実施形態にかかる診断装置における工具の設定操作について説明する図である。 図13は、実施形態にかかる診断装置における処理工程の設定操作について説明する図である。 図14は、実施形態にかかる診断装置における処理工程の設定操作について説明する図である。 図15は、実施形態にかかる診断装置における処理工程の設定操作について説明する図である。 図16は、実施形態にかかる診断装置における処理工程の設定操作について説明する図である。 図17は、実施形態にかかる診断装置における処理工程の設定操作について説明する図である。 図18は、実施形態にかかる診断装置におけるアラート閾値の設定操作について説明する図である。 図19は、実施形態にかかる診断装置におけるアラート閾値の設定操作について説明する図である。 図20は、実施形態にかかる診断装置におけるアラート閾値の設定操作について説明する図である。 図21は、実施形態にかかる診断装置が取得したデータの蓄積先を選択する処理の手順の一例を示すフロー図である。 図22は、実施形態にかかる診断装置におけるデータの蓄積先の設定操作について説明する図である。 図23は、実施形態にかかる診断装置におけるデータの蓄積先の設定操作について説明する図である。 図24は、実施形態にかかる診断装置によるデータ解析処理の手順の一例を示すフロー図である。 図25は、実施形態にかかる診断装置による異常スコアのグラフの更新について説明する図である。 図26は、実施形態にかかる診断装置による異常スコアのグラフの更新について説明する図である。 図27は、実施形態にかかる診断装置による異常スコアのグラフの更新について説明する図である。 図28は、実施形態にかかる診断装置によるアラートアイコンの表示について説明する図である。 図29は、実施形態にかかる診断装置によるアラートアイコンの表示について説明する図である。 図30は、実施形態にかかる診断装置によるアラートアイコンの表示について説明する図である。 図31は、実施形態にかかる診断装置によるアラートアイコンの表示について説明する図である。 図32は、実施形態にかかる診断装置によるアラートアイコンの表示について説明する図である。 図33は、実施形態にかかる診断装置における履歴データの表示処理の手順の一例を示すフロー図である。 図34は、実施形態にかかる診断装置により表示される履歴データ画面の一例を示す図である。 図35は、実施形態にかかる診断装置における異常スコアの表示処理の手順の一例を示すフロー図である。 図36は、実施形態にかかる診断装置による異常スコアのグラフ表示について説明する図である。 図37は、実施形態にかかる診断装置による異常スコアのグラフ表示について説明する図である。 図38は、実施形態にかかる診断装置による異常スコアのグラフ表示について説明する図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明にかかる診断装置、診断方法、及び診断プログラムの実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
(診断システムの全体構成)
図1は、実施形態にかかる診断システム1の構成を概略的に示す図である。図1に示すように、実施形態の診断システム1は、加工機200、診断装置100、及びクラウドサーバCSを備える。加工機200と診断装置100とは、通信回線CMを介して互いに接続されている。診断装置100は、ネットワークNTを介してクラウドサーバCSに接続されている。
図2は、実施形態にかかる加工機200および診断装置100の構成の一例を機能ブロックで示す図である。加工機200は、工具を用いて、加工対象に対して切削、研削または研磨等の加工を行う工作機械である。加工機200は、診断装置100による診断の対象となる対象装置の一例である。診断装置100は、加工機200に対して通信可能となるように接続され、加工機200の動作について異常の診断を行う装置である。
加工機200は、数値制御部201と、通信制御部221と、駆動制御部223と、駆動部224と、検知部225と、を有する。
数値制御部201は、駆動部224による加工を数値制御(NC:Numerical Control)により実行する機能部である。例えば、数値制御部201は、駆動部224の動作を制御する数値制御データを生成して出力する。また、数値制御部201は、工具を駆動させる駆動部224の動作状態を示すコンテキスト情報として、例えばラダー信号を通信制御部221に出力する。ラダー信号は加工実施の時間を示すON/OFF信号である。加工実施の時間は、工具の加工対象に対する送り動作の開始から実際の加工処理が終了するまでの区間である。コンテキスト情報とは、加工機200の動作の種類ごとに複数定められる情報である。コンテキスト情報は、上記のラダー信号のほか、例えば、加工機200の識別情報、工具の識別情報等の駆動部224の識別情報、駆動部224に駆動される工具の径、および工具の材質等のコンフィギュレーション情報、ならびに、駆動部224の動作状態、駆動部224の使用開始からの累積使用時間、駆動部224に加わる負荷、駆動部224の回転数、駆動部224の加工速度等の加工条件の情報等を示す情報を含んでいてもよい。
数値制御部201は、例えば、現在の加工機200の動作に対応するコンテキスト情報を、逐次、通信制御部221を介して診断装置100に送信する。数値制御部201は、加工対象を加工する際の処理工程に応じて、駆動する駆動部224の種類、または駆動部224の回転数、回転速度等の駆動状態を変更する。数値制御部201は、動作の種類を変更するごとに、変更した動作の種類に対応するコンテキスト情報を、通信制御部221を介して診断装置100に逐次送信する。
通信制御部221は、診断装置100等の外部装置との間の通信を制御する機能部である。通信制御部221は、例えば、現在の動作に対応するコンテキスト情報を診断装置100に送信する。
駆動制御部223は、数値制御部201により求められた数値制御データに基づいて、駆動部224を駆動制御する機能部である。
駆動部224は、駆動制御部223による駆動制御の対象となる機能部である。駆動部224は、駆動制御部223による制御によって工具を駆動する。駆動部224は、駆動制御部223によって駆動制御されるアクチュエータ(モータ)等である。なお、駆動部224は、加工に用いられ、数値制御の対象となるものであればどのようなアクチュエータであってもよい。また、駆動部224は、2以上備えられていてもよい。
検知部225は、加工機200で発生する物理量を検知し、検知した物理量の情報を検知情報として診断装置100へ出力する機能部である。加工機200で発生する物理量としては、加工機200で発生する振動または音等である。このような振動または音等は、例えば、加工機200に設置された工具と加工対象とが加工動作中に接触することにより発生する。または、このような振動または音等は、工具もしくは加工機200自体により発せられる。検知部225の個数は任意である。例えば、同一の物理量を検知する複数の検知部225を備えてもよいし、相互に異なる物理量を検知する複数の検知部225を備えてもよい。例えば、加工に用いる工具である刃の折れ、および、刃のチッピング等が発生すると、加工時の振動や音が変化する。このため、検知部225で振動データや音響データを検知し、正常な振動や音を判断するモデル等を用いて判断することにより、加工機200の動作の異常が検知可能となる。
診断装置100は、通信制御部111と、検知情報受信部112と、加工情報取得部101と、診断部102と、データ管理部103と、設定管理部104と、記憶部113と、入力部114と、表示制御部105と、表示部115と、を有する。
通信制御部111は、加工機200及びクラウドサーバCSと診断装置100との通信を制御する機能部である。例えば、通信制御部111は、加工機200から、通信制御部221を介して検知情報およびコンテキスト情報を受信する。また、通信制御部111は、これらの情報に基づくデータ等をクラウドサーバCSに送信する。
第1取得部としての検知情報受信部112は、加工機200に設置された検知部225から検知情報を受信する機能部である。検知情報受信部112は、受信した検知情報を、記憶部113を構成する1次記憶装置に一時的に格納する。
第2取得部としての加工情報取得部101は、加工機200から、通信制御部111により受信されたコンテキスト情報を取得する機能部である。加工情報取得部101は、取得したコンテキスト情報を、記憶部113を構成する1次記憶装置に一時的に格納する。
診断部102は、特徴抽出部102a、モデル生成部102b、及びスコア算出部102cを備え、これらの構成による検知情報の解析を行って、加工機200の動作の異常等を判定する機能部である。
特徴抽出部102aは、検知情報の特徴を示す特徴情報を検知情報から抽出する機能部である。特徴情報は、検知情報の特徴を示す情報であればどのような情報であってもよい。
モデル生成部102bは、加工が正常に行われたことの判定に用いられるモデルを生成する機能部である。モデルは、例えばコンテキスト情報ごとに生成される。なお、モデルを外部装置で生成する場合は、モデル生成部102bは備えられなくてもよい。
スコア算出部102cは、例えば特徴抽出部102aにより抽出された特徴情報と、モデル生成部102bにより生成されたコンテキスト情報ごとのモデルと、を用いて、抽出された特徴情報の異常が累積されたスコア値である異常スコアを算出する。換言すれば、異常スコアは、抽出された特徴情報がモデルからどれくらい乖離しているかを示すものであり、これにより、加工機200の動作が正常であるか否かの診断が可能となる。
データ管理部103は、データ抽出部103a及びデータ蓄積103b備え、検知情報、コンテキスト情報、特徴情報、および異常スコア等を管理する機能部である。
データ抽出部103aは、コンテキスト情報から加工機200における所定の処理工程に対応する所定区間を算出する。所定の処理工程は、例えばユーザにより設定された監視対象の処理工程である。また、データ抽出部103aは、検知情報受信部112により取得された検知情報のうち、上記の所定区間に取得された検知情報を抽出する。上記の診断部102は、例えば、抽出された所定区間の検知情報を用いて各種解析を行って加工機200の異常診断を行う。
データ蓄積部103bは、上記の所定区間の検知情報、コンテキスト情報、特徴情報、及び異常スコア等のデータを、記憶部113を構成する2次記憶装置およびクラウドサーバCS(図1参照)の少なくともいずれかに格納して蓄積していく。また、データ蓄積部103bは、ユーザからの指示にしたがい、蓄積したデータを2次記憶装置およびクラウドサーバCSから読み出す。
設定管理部104は、ユーザによる各種設定を管理する機能部である。設定管理部104は、ユーザが所定の工具を監視対象の工具として設定することを可能にする。また、設定管理部104は、ユーザが所定の処理工程を監視対象の処理工程として設定することを可能にする。また、設定管理部104は、ユーザによるこれらの設定内容を、記憶部113を構成する2次記憶装置に保存する。
記憶部113は、検知情報、特徴情報、モデル、及び異常スコアを、コンテキスト情報とそれぞれ関連付けて記憶する機能部である。また、記憶部113は、ユーザによる各種設定を保持する。
入力部114は、文字および数字等の入力、各種指示の選択、ならびにカーソルの移動等の操作を行う機能部である。
出力制御部としての表示制御部105は、表示部115の表示動作を制御する機能部である。具体的には、表示制御部105は、例えば、検知情報、特徴情報、モデル、及び異常スコア等の各種情報を、表示部115に表示させる。表示制御部105は、蓄積されたこれらの各種情報を、履歴情報として表示部115に表示させてもよい。表示部115は、表示制御部105による制御に従って各種情報を表示する機能部である。
なお、診断装置100および加工機200それぞれの機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、図2で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、図2の1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成してもよい。
また、加工機200と診断装置100とは、どのような接続形態で接続されてもよい。例えば、加工機200と診断装置100とは、専用の接続線、有線LAN(Local Area Network)等の有線ネットワーク、または、無線ネットワーク等により接続されていてもよい。
また、図2には1台の加工機200が診断装置100に接続されている例が示されているが、これに限定されるものではなく、複数台の加工機200が診断装置100に対して、それぞれ通信可能となるように接続されていてもよい。
(加工機のハードウェア構成)
次に、図3を用い、実施形態の加工機200のハードウェア構成例について説明する。図3は、実施形態にかかる加工機200のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示すように、加工機200は、CPU(Central Processing Unit)20と、ROM(Read Only Memory)20aと、RAM(Random Access Memory)20bと、通信I/F(インターフェース)21と、駆動制御回路23と、がバス2Bで通信可能に接続された構成となっている。
CPU20は、加工機200の全体を制御する演算装置である。CPU20は、例えば、RAM20bをワークエリア(作業領域)としてROM20a等に格納されたプログラムを実行することで、加工機200全体の動作を制御し、加工機能を実現する。図2の数値制御部201は、例えば、CPU20で動作するプログラムによって実現される。
通信I/F21は、診断装置100等の外部装置との通信に用いられるインターフェースである。通信I/F21は、例えば、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)に対応したNIC(Network Interface Card)等である。図2の通信制御部221は、例えば、通信I/F21、およびCPU20で動作するプログラムによって実現される。
駆動制御回路23は、モータ24の駆動を制御する回路である。モータ24は、加工に用いる工具24aを駆動する。工具24aには、ドリル、エンドミル、バイトチップ、砥石等、および、加工対象が載置され加工に合わせて移動されるテーブル等が含まれる。図2の駆動制御部223は、例えば、駆動制御回路23によって実現される。図2の駆動部224は、例えば、モータ24によって実現される。
センサ25は、例えば、マイクデバイス、振動センサ、加速度センサ、またはAE(Acoustic Emission)センサ等で構成され、例えば、振動または音等が検出できる工具の近傍に設置される。センサ25が接続されたセンサアンプ25aは、診断装置100に通信可能に接続されている。センサ25およびセンサアンプ25aは、加工機200に予め備えられていてもよく、または、完成機械である加工機200に対して後から取り付けられてもよい。また、センサアンプ25aは、加工機200に設置されることに限定されるものではなく、診断装置100側に設置されていてもよい。図2の検知部225は、例えば、センサ25及びセンサアンプ25aによって実現される。
なお、図3に示したハードウェア構成は一例であり、加工機200がすべての構成機器を備えている必要はなく、また、他の構成機器を備えていてもよい。例えば、図2に示す数値制御部201および通信制御部221は、図3に示すCPU20にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよく、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよく、または、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。
(診断装置のハードウェア構成)
次に、図4を用い、実施形態の診断装置100のハードウェア構成例について説明する。図3は、実施形態にかかる診断装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4に示すように、診断装置100は、CPU10と、ROM10aと、RAM10bと、通信I/F11と、センサI/F12と、補助記憶装置13と、入力装置14と、ディスプレイ15と、がバス1Bで通信可能に接続された構成となっている。
CPU10は、診断装置100の全体を制御する演算装置である。CPU10は、例えば、RAM10bをワークエリア(作業領域)としてROM10a等に格納された診断プログラム等のプログラムを実行することで、診断装置100全体の動作を制御し、診断機能を実現する。図2の加工情報取得部101、診断部102、データ管理部103、設定管理部104、および表示制御部105は、例えば、CPU10で動作するプログラムによって実現される。
通信I/F11は、加工機200等の外部装置との通信に用いられるインターフェースである。通信I/F11は、例えば、TCP/IPに対応したNIC等である。図2の通信制御部111は、例えば、図4に示す通信I/F11、およびCPU10で動作するプログラムによって実現される。
センサI/F12は、加工機200に設置されたセンサ25からセンサアンプ25aを介して検知情報を受信するインターフェースである。図2の検知情報受信部112は、例えば、センサI/F12、およびCPU10で動作するプログラムによって実現される。
補助記憶装置13は、診断装置100の設定情報、加工機200から受信された検知情報およびコンテキスト情報、OS(Operating System)、およびアプリケーションプログラム等の各種データを記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、またはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)等の不揮発性の記憶装置である。
なお、補助記憶装置13は、診断装置100が備えるものとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、診断装置100の外部に設置された記憶装置であってもよく、または、診断装置100とデータ通信可能なクラウドサーバCS(図1参照)等のサーバ装置が備えた記憶装置であってもよい。
図2の記憶部113は、例えば、RAM10b及び補助記憶装置13等によって実現される。ここで、RAM10bは、例えば検知情報受信部112が取得した検知情報等を一時的に記憶する1次記憶装置として機能する。また、補助記憶装置13のうち、HDD、SSD,またはEEPROM等は、所定区間の検知情報、コンテキスト情報、特徴情報、及び異常スコア等のデータを長期的に記憶する2次記憶装置として機能する。また、補助記憶装置13のうちのクラウドサーバCSも、所定区間の検知情報、コンテキスト情報、特徴情報、及び異常スコア等のデータを長期的に記憶する機能を備える。
入力装置14は、文字および数字等の入力、各種指示の選択、ならびにカーソルの移動等の操作を行うマウスまたはキーボード等の入力装置である。図2の入力部114は、例えば、入力装置14によって実現される。
ディスプレイ15は、文字、数字、および各種画面および操作用アイコン等を表示するCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display)、または有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。図2の表示部115は、例えば、ディスプレイ15によって実現される。
なお、図4に示したハードウェア構成は一例であり、診断装置100がすべての構成機器を備えている必要はなく、また、他の構成機器を備えていてもよい。例えば、図2に示した診断装置100の各機能部(加工情報取得部101、診断部102、データ管理部103、設定管理部104、および表示制御部105)は、CPU10にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよく、IC等のハードウェアにより実現してもよく、または、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。また、診断装置100が加工機200の診断動作に特化し、診断結果を外部のサーバ装置等に送信する場合、入力装置14およびディスプレイ15は備えられていない構成としてもよい。
(診断装置の機能例)
次に、図5および図6を用い、診断装置100の機能例について説明する。
図5は、実施形態にかかる加工機200の検知情報およびラダー信号の一例を示す図である。図5に示すように、検知情報には、非加工区間を示す波形部分、および加工区間を示す波形部分が含まれる。非加工区間は、工具が加工対象に対する送り動作を開始する前後の区間である。加工区間は、工具が加工対象に接触して切削等の加工処理を行っている区間である。つまり、加工区間とは実際に加工を行っている期間である。
一方、加工機200は、例えば、工具による加工動作の開始時にラダー信号をONにし、工具を加工対象まで送る送り動作をさせ、実際の加工処理が終了したときにラダー信号をOFFとする。つまり、図5の、ラダー信号がON状態となっている区間が加工実施の時間である。そして、この加工実施の時間には、工具が加工対象に接触していない区間である非加工区間と、工具が加工対象に接触して加工処理を行っている加工区間とが含まれる。
所定の加工品を複数製作する場合などには、加工機200では複数の処理工程P1〜P3を含むサイクルが繰り返し行われることがある。このとき、ラダー信号等のコンテキスト情報とともに、加工機200における振動や音等のセンサデータ、つまり、検知情報が、診断装置100によって取得される。データ管理部103のデータ抽出部103aは、各処理工程P1〜P3に対応する加工実施の時間をラダー信号から判別し、さらに、ユーザの設定に基づく所定の処理工程に対応する加工実施の時間に取得された検知情報を抽出する。診断部102は、抽出された区間の検知情報を様々に解析して加工機200の異常診断を行う。
図6は、実施形態にかかる診断装置100が検知情報から抽出した特徴情報を周波数成分で模式的に例示する図である。図6に示す区間は、例えばユーザにより監視対象に設定された処理工程P2に対応する加工実施の時間である。
特徴抽出部102aは、検知情報が振動センサやマイクデバイスにより収集された周波数データである場合、エネルギー、周波数スペクトル、および、MFCC(メル周波数ケプストラム係数)等を特徴情報として抽出する。図6に示すように、本実施形態では、抽出される特徴情報は周波数スペクトルであるものとして説明する。
特徴抽出部102aは、例えば、検知情報に対してフレームごとにフーリエ変換を行うことによって特徴情報を抽出する。ここで、フレームとは、検知情報の所定時間、例えば20[ms]、40[ms]等のデータ量を示し、特徴情報が、検知情報に対してフーリエ変換されることにより得られる周波数スペクトルである場合の窓長のデータ量に相当する。図6に示す特徴情報は、対応する検知情報のフレームの時間に関連付けられている。
モデル生成部102bは、加工機200の正常動作時に検知情報から特徴抽出部102aにより抽出された特徴情報の各処理工程ごとの相関分析や、特徴情報を用いた機械学習または深層学習等により、例えばコンテキスト情報ごとにモデルを生成する。
スコア算出部102cは、異常判定対象の検知情報について異常スコアを算出する。具体的には、スコア算出部102cは、モデル生成部102bが生成したモデルと、異常判定対象の検知情報から抽出された特徴情報とを比較して、その特徴情報の異常の累積値、つまり、その特徴情報がモデルからどれくらい乖離しているかを示す異常スコアを算出する。そして、スコア算出部102cは、算出した異常スコアを所定のアラート閾値と比較し、異常スコアがアラート閾値以下であれば加工機200は正常であると判定する。また、スコア算出部102cは、異常スコアがアラート閾値を超えていたら加工機200は異常であると判定する。
なお、スコア算出部102cは、モデルを用いることなく、加工機200の正常動作時に得られた特徴情報と、異常判定対象の検知情報から得られた特徴情報とを比較することで、異常スコアを算出してもよい。あるいは、スコア算出部102cは、加工機200の正常動作時に得られた検知情報と、異常判定対象の検知情報とを比較することで、異常スコアを算出してもよい。
(診断装置における設定処理の例)
診断装置100により加工機200の異常診断を行うにあたり、ユーザは、診断装置100に対して幾つかの設定を行うことができる。以下に、診断装置100における設定処理の例について、図7〜図23を用いて説明する。
図7は、実施形態にかかる診断装置100におけるデータ取得に関わる処理の手順の一例を示すフロー図である。図7に示すように、ユーザは診断装置100に対し、工具、処理工程、及びアラート閾値の設定を行うことができる。
具体的には、診断装置100の設定管理部104は、表示制御部105が表示部115に表示させた工具の設定画面において、ユーザが、所定の工具を監視対象として設定した内容を受け付ける(ステップS101)。
また、診断装置100の設定管理部104は、表示制御部105が表示部115に表示させた処理工程の設定画面において、ユーザが、監視対象として設定した工具を用いる処理工程のうち、所定の処理工程を監視対象として設定した内容を受け付ける(ステップS102)。
また、診断装置100の設定管理部104は、表示制御部105が表示部115に表示させたアラート閾値の設定画面において、ユーザが、監視対象として設定した処理工程における異常スコアのアラート閾値の設定を受け付ける(ステップS103)。
図8〜図12は、実施形態にかかる診断装置100における工具の設定操作について説明する図である。
図8に示すように、工具設定の初期画面においては、加工機200が備える各種工具の工具名の一覧が表示される。ユーザは、「Load Delete」ボタンを押下して、この中から所望の工具の設定内容の一覧をロードさせることができる。
図9に示すように、ユーザがロードした工具の設定内容の一覧が表示される。ユーザは、所定の設定内容を選択して「Load」ボタンを押下することで、この中から所望の設定内容をロードさせることができる。
図10に示すように、ユーザは、「OK」ボタンを押下することで、ロードした設定内容を、診断装置100における以降のデータ取得に反映させることができる。
図11に示すように、ユーザは、所望の工具について所望の設定内容が存在しない場合には、その工具についての設定を新しく作成することができる。その工具についての新たな設定内容を入力後、ユーザは、その設定内容を示す名前を入力して「OK」ボタンを押下することで、新たに入力した設定内容を保存することができる。換言すれば、設定管理部104は、例えば診断装置100が備えるHDD等の2次記憶装置に新たな設定内容を保存する。2次記憶装置に保存された設定内容は図9の一覧に追加される。
図12に示すように、ユーザは、所望の工具についての不要となった設定内容を削除することもできる。図9の一覧画面で所定の設定内容を選択して「Delete」ボタンを押下し、さらに、図12の画面で「OK」ボタンを押下することで、その設定内容が削除される。削除された設定内容は図9の一覧からも削除される。
図13〜図17は、実施形態にかかる診断装置100における処理工程の設定操作について説明する図である。
図13に示すように、処理工程設定の初期画面においては、上記の工具の設定画面で設定された監視対象の工具が使用される処理工程の一覧が表示される。ユーザは、「Load Delete」ボタンを押下して、この中から所望の処理工程の設定内容の一覧をロードさせることができる。
図14に示すように、ユーザがロードした処理工程の設定内容の一覧が表示される。ユーザは、所定の設定内容を選択して「Load」ボタンを押下することで、この中から所望の設定内容をロードさせることができる。
図15に示すように、ユーザは、「OK」ボタンを押下することで、ロードした設定内容を、診断装置100における以降のデータ取得に反映させることができる。つまり、診断装置100は、これ以降、ユーザにより選択された処理工程に対応する加工実施の時間の検知情報について解析処理等を行う。
図16に示すように、ユーザは、所望の処理工程について所望の設定内容が存在しない場合には、その処理工程についての設定を新しく作成することができる。その処理工程についての新たな設定内容を入力後、ユーザは、その設定内容を示す名前を入力して「OK」ボタンを押下することで、新たに入力した設定内容を保存することができる。換言すれば、設定管理部104は、例えば診断装置100が備えるHDD等の2次記憶装置に新たな設定内容を保存する。2次記憶装置に保存された設定内容は図14の一覧に追加される。
図17に示すように、ユーザは、所望の処理工程についての不要となった設定内容を削除することもできる。図14の一覧画面で所定の設定内容を選択して「Delete」ボタンを押下し、さらに、図17の画面で「OK」ボタンを押下することで、その設定内容が削除される。削除された設定内容は図14の一覧からも削除される。
図18〜図20は、実施形態にかかる診断装置100におけるアラート閾値の設定操作について説明する図である。
図18に示すように、ユーザは、過去に取得したデータの解析結果の表示画面等において「Alert Settings」ボタンを押下することで、アラート閾値の設定画面を表示させることができる。図18に示す解析画面は、スコア算出部102cが所定データについて算出した異常スコアをグラフ化して表示した画面である。
図19に示すように、ユーザは、アラート閾値の設定画面において、「Alert」を「Enable」とし、「Alert Threshold」に所定値を入力し、「OK」ボタンを押下することで、所望のアラート閾値を設定することができる。
図20に示すように、ユーザにより所定のアラート閾値が設定されると、過去データである異常スコアのグラフにアラート閾値を示す線分ATが表示される。図20の例では、異常スコアの値1.2がアラート閾値として設定されている。これにより、ユーザは、設定したアラート閾値を、診断装置100における以降のデータ取得に反映させることができる。つまり、診断装置100は、これ以降、監視対象となっている処理工程において、異常スコアが、設定されたアラート閾値を超えた場合には、加工機200に異常が発生したと判定する。また、診断装置100は、例えば表示部115にアラートアイコンを表示して、ユーザに加工機200の異常を通知する。
図21は、実施形態にかかる診断装置100が取得したデータの蓄積先を選択する処理の手順の一例を示すフロー図である。上述のように、診断装置100は、一時的なデータの格納先としては、記憶部113を構成するRAM10b等の1次記憶装置を使用する。図21に示すように、ユーザは診断装置100に対し、長期的なデータの蓄積先を設定することができる。
具体的には、診断装置100の設定管理部104は、表示制御部105が表示部115に表示させたデータの蓄積先の設定画面において、ユーザが、データの蓄積先として選択した内容を受け付ける(ステップS201)。ユーザは、データの蓄積先として、例えば、診断装置100の記憶部113を構成するHDD等の2次記憶装置、または、診断装置100とネットワークNTにより接続されるクラウドサーバCSのいずれかを選択することができる。
診断装置100は、ユーザにより選択された2次記憶装置またはクラウドサーバCS等の記憶装置との疎通および記憶装置の容量の確認を行って、記憶装置にデータの書き込みが可能であるか否かを判定する(ステップS202)。
例えば蓄積先の記憶装置に空き容量が無い場合等、データの書き込みができない状態にあるときは(ステップS202:No)、表示制御部105は、ユーザに他の記憶装置を選択させる画面表示等を行って問題の解消を図らせる。
データの書き込みが可能な状態であれば(ステップS202:Yes)、ユーザによるデータの蓄積先の設定を有効にする(ステップS203)。
図22および図23は、実施形態にかかる診断装置100におけるデータの蓄積先の設定操作について説明する図である。
図22に示すように、初期設定画面において、ユーザは、「External Output」を「Enable」とし、「Select」ボタンを押下することで、データの格納先の候補を表示させることができる。
図23に示すように、データの格納先の候補を表示した画面で、ユーザは、HDD等の2次記憶装置またはクラウドサーバCSのいずれかを選択し、データの蓄積先として設定することができる。診断装置100は、これ以降に取得したデータのうち、ユーザの設定した処理工程に対応する加工実施の時間の検知情報、その検知情報に基づく特徴情報、モデル、異常スコア等を、ユーザが選択した蓄積先に格納する。
以上により、診断装置100において、データを取得し、解析し、かつ、蓄積していくための前提となる設定処理が終了する。
(診断装置のデータ解析処理の例)
次に、図24〜図32を用い、診断装置100によるデータ解析処理の例について説明する。図24は、実施形態にかかる診断装置100によるデータ解析処理の手順の一例を示すフロー図である。
図24に示すように、診断装置100は、ユーザから収録開始ボタンの押下を受け付けると(ステップS301)、加工機200からの情報の取得を開始する(S302)。すなわち、診断装置100の検知情報受信部112は、加工機200から検知情報を取得する。加工情報取得部101は、加工機200からコンテキスト情報を取得する。
検知情報受信部112及び加工情報取得部101は、記憶部113を構成するRAM10b等の1次記憶装置の空き容量を確認し(ステップS303)、空き容量がなければ(ステップS303:No)古いデータを削除する(ステップS304)。
空き容量があるとき(ステップS303:Yes)、または古いデータの削除後、検知情報受信部112及び加工情報取得部101は、取得した検知情報およびコンテキスト情報を、一時的に1次記憶装置に保存する(ステップS305)。
データ抽出部103aは、1次記憶装置に一時的に保存されたコンテキスト情報に含まれるラダー信号に基づき、取得された検知情報に加工実施の時間が含まれているか否かを判定する(ステップS306)。加工実施の時間が含まれていない場合には(ステップS306:No)、ステップS302に戻って次の情報が取得されるのを待つ。
加工実施の時間が含まれていた場合には(ステップS306:Yes)、データ抽出部103aは、コンテキスト情報に基づき、その加工実施の時間が、ユーザにより設定された監視対象の処理工程に対応する加工実施の時間であるか否かを判定する(ステップS307)。監視対象の処理工程に対応する加工実施の時間でない場合には(ステップS307:No)、ステップS302に戻って次の情報が取得されるのを待つ。
監視対象の処理工程に対応する加工実施の時間であった場合には(ステップS307:Yes)、データ抽出部103aは、その加工実施の時間に取得された検知情報を抽出する。データ蓄積部103bは、記憶部113を構成するHDD等の2次記憶装置またはクラウドサーバCSのうち、ユーザがデータの蓄積先として設定した方に、対応するコンテキスト情報と共に、抽出された検知情報を保存する(ステップS308)。
また、診断部102は、データ抽出部103aが抽出した検知情報を様々に解析する(ステップS309)。すなわち、特徴抽出部102aは検知情報から特徴情報を抽出する。モデル生成部102bは特徴情報からモデルを生成する。データ蓄積部103bは、ユーザがデータの蓄積先として設定した2次記憶装置またはクラウドサーバCSに、対応するコンテキスト情報と共に、特徴情報およびモデル等の解析情報を保存する(ステップS310)。
また、スコア算出部102cは、特徴情報等から異常スコアを算出する(ステップS311)。データ蓄積部103bは、ユーザがデータの蓄積先として設定した2次記憶装置またはクラウドサーバCSに、対応するコンテキスト情報と共に、算出された異常スコアを保存する(ステップS312)。
また、スコア算出部102cは、算出した異常スコアがアラート閾値を超えているか否かを判定する(ステップS313)。異常スコアがアラート閾値を超えていない場合には(ステップS313:No)、ステップS302に戻って次の情報が取得されるのを待つ。
異常スコアがアラート閾値を超えていた場合には(ステップS313:Yes)、スコア算出部102cは、監視対象の加工実施の時間に生成された検知情報が異常である、つまり、加工機200に異常が起きていると判定する(ステップS314)。
スコア算出部102cにより異常判定がなされると、表示制御部105は、表示部115にアラートアイコンを表示させる(ステップS315)。
以上のように、診断装置100は、逐次、加工機200から検知情報およびコンテキスト情報を取得し、監視対象の加工実施の時間の検知情報を解析する。また、診断装置100は、逐次、監視対象の加工実施の時間の検知情報を2次記憶装置またはクラウドサーバCSに蓄積していく。また、診断装置100は、逐次、解析結果である特徴情報、モデル、及び異常スコアを更新し、2次記憶装置またはクラウドサーバCSに蓄積していく。
図25〜図27は、実施形態にかかる診断装置100による異常スコアのグラフの更新について説明する図である。
図25に示すように、診断装置100の表示制御部105は、ユーザの指示にしたがい、例えば表示部115に異常スコアのグラフを表示させる。異常スコアのグラフ表示画面では、これまでに取得され、解析された検知情報に基づく異常スコアがプロットされている。
図26に示すように、異常スコアのプロットがグラフの右端まで到達した状態で、新たに追加すべき異常スコアのデータが生成されると、表示制御部105は、グラフ領域の横幅に対して所定の比率で、異常スコアのプロット表示を縮小させて左にシフトさせる。異常スコアのデータ追加は、例えば監視対象の加工実施の時間が終了したタイミング、つまり、ラダー信号がOFFとなったタイミングで行われる。
図27に示すように、表示制御部105は、新たに生成された異常スコアを、グラフの空き領域に追加する。新たな異常スコアのプロット追加のため、所定比率までプロット表示が縮小された後は、それ以上、プロット表示が縮小されることなく、新たなページが追加されていく。
図28〜図32は、実施形態にかかる診断装置100によるアラートアイコンの表示について説明する図である。
図28に示すように、本例では、アラート閾値は例えば異常スコアの値1.2に設定されている。当初、異常スコアは1.2未満に保持されており、異常検知はなされていない。
図29に示すように、所定のサイクル回数を経た後、異常スコアの値が1.2を超えると、例えば画面右上にアラートアイコンAIが表示される。これにより、加工機200に異常が発生したことが、ユーザに通知される。
図30に示すように、ユーザは、アラートアイコンAIにより加工機200の異常を確認した後、図29の画面で「Turn Off Alert」ボタンを押下し、さらに、図30の画面で「OK」ボタンを押下することで、アラートをオフにしてアラートアイコンを非表示にすることができる。
図31に示すように、ユーザによりアラートがオフにされると、アラートアイコンAIが非表示となる。ただし、これ以降、新たにアラート閾値を超える異常スコアを有するデータが取得されたときは、再び、アラートアイコンAIが表示される。
図32に示すように、次のサイクルのデータが取得され、再び、アラート閾値を超える異常スコアが算出されて、アラートアイコンAIが再表示されている。
(記憶装置からのデータ読み出し処理の例)
ユーザは、上記のような異常スコアのグラフやその他の解析結果を診断装置100に任意に表示させることができる。また、2次記憶装置またはクラウドサーバCSに蓄積された履歴データを診断装置100に任意に表示させることができる。次に、図33〜図38を用いて、診断装置100からのデータの読み出し処理の例について説明する。
図33は、実施形態にかかる診断装置100における履歴データの表示処理の手順の一例を示すフロー図である。
図33に示すように、診断装置100の表示制御部105は、ユーザの指示にしたがい、表示部115の表示を所定の画面から履歴画面に遷移させる(ステップS401)。
データ蓄積部103bは、履歴画面からのユーザの選択にしたがい、検知情報や解析結果を、データ蓄積先の2次記憶装置またはクラウドサーバCSから読み出す(ステップS402)。
表示制御部105は、読み出されたデータを履歴データとして表示部115に表示させる(ステップS403)。
図34は、実施形態にかかる診断装置100により表示される履歴画面の一例を示す図である。図34に示すように、履歴画面において、ユーザは、波形や周波数スペクトル等、表示させるグラフやデータの種類を選択することができる。また、ユーザは、番号を指定して、表示させるデータの処理工程を選択することができる。図34の例では、全処理工程における検知情報の波形が選択され、表示されている。
図35は、実施形態にかかる診断装置100における異常スコアの表示処理の手順の一例を示すフロー図である。
図35に示すように、診断装置100の表示制御部105は、ユーザの指示にしたがい、表示部115の表示を所定の画面から解析画面に遷移させる(ステップS501)。
データ蓄積部103bは、解析画面からのユーザの選択にしたがい、対象となる異常スコアを、データ蓄積先の2次記憶装置またはクラウドサーバCSから読み出す(ステップS502)。
表示制御部105は、読み出された異常スコアを例えばグラフ化して表示部115に表示させる(ステップS503)。
図36〜図38は、実施形態にかかる診断装置100による異常スコアのグラフ表示について説明する図である。
図36に示すように、解析結果を表示させる初期画面では、これまでに取得した解析結果を示すデータ番号の一覧が表示される。データ番号の右横に表示される「!」マークは、そのデータがアラート閾値を超える異常スコアを含んでいることを示している。データ番号の右横に表示されるチェックマークは、そのデータにはアラート閾値を超える異常スコアが含まれず、異常が発生していないことを示している。データ番号の右横に何も表示されていない場合には、そのデータに対してアラート閾値が設定されていないことを示している。ユーザは、これらの中から、任意のデータ番号のアイコンを押下して、所望のデータの異常スコアを表示させることができる。なお、画面右上のアラートアイコンAIは、一覧中のデータのうち、少なくともいずれかのデータで異常が発生していることを示している。
図37に示すように、ユーザにより、例えばデータ番号「2001」のデータが選択されると、そのデータの異常スコアのグラフが表示される。データ番号「2001」は、チェックマークの付いた、異常の発生していないデータである。このため、異常スコアのプロットは、全てアラート閾値以下に保持されている。画面右上にアラートアイコンAIが表示されているのは、他のデータにおいて異常が発生しているためである。
図38に示すように、ユーザにより、例えばデータ番号「1115」のデータが選択されると、そのデータの異常スコアのグラフが表示される。データ番号「1115」は、「!」マークの付いた、異常の発生しているデータである。確かに、グラフの右端において、異常スコアのプロットがアラート閾値を超えている。画面右上にアラートアイコンAIが表示されているのは、現在表示中のデータを含む幾つかのデータにおいて異常が発生しているためである。
以上のように、図7、図21、図24、図33、及び図35における一連の処理により、診断装置100による診断処理が実行される。
例えば、特許文献1においては、工作機械の加工時の異常を検出する目的で、音波の変換手段と、収録したデータの記憶装置と、異常信号の出力手段とを備えた異常検出装置が開示されている。しかしながら、特許文献1の異常検出装置では、取得したデータを選別することなく記憶するのみで、効率的に蓄積することができない。また、ユーザへの異常の通知手法についても、何らGUI(Graphical User Interface)における改善がなされておらず、ユーザが利用しやすい形でデータを提供することができない。
実施形態の診断装置100においては、ユーザが監視対象の処理工程を設定することができ、その監視対象の処理工程に対応する検知情報等が抽出されて蓄積される。つまり、加工実施の時間の、特にユーザが指定した区間を判別し、必要なデータは2次記憶装置またはクラウドサーバCSへ転送し、不要なデータは即時で廃棄される。これにより、取得したデータのうち、ユーザが特に重要と考えるデータを効率的に蓄積することができる。よって、記憶部113等における限られたリソースを有効活用することができ、また、ユーザがこれらのデータを任意に読み出し可能とすることで、ユーザに即時にデータを提示することができる。
実施形態の診断装置100においては、ユーザが選択した蓄積先である2次記憶装置またはクラウドサーバCS等にデータを蓄積する。これにより、データを長期的に保存しておくことができ、後からデータ解析をまとめて行いたい場合などにも対応することができる。
実施形態の診断装置100においては、監視対象の検知情報について異常スコアが算出されて表示される。これにより、ユーザにわかりやすく、利用しやすい形で解析結果を提供することができる。解析結果をユーザにわかり易く伝えることで、加工機200における生産性の向上や工具折損時のダウンタイム削減に寄与することができる。
実施形態の診断装置100においては、異常スコアがグラフ表示される。また、蓄積されたデータの履歴を表示させることもできる。これにより、例えば工具等の消耗品の消耗時期を予測することができ、工具の交換時期をスケジュールに組み込むなどして、ダウンタイムを削減することができる。
実施形態の診断装置100においては、異常スコアに所定のアラート閾値を設定することができる。これにより、ユーザは、異常が発生した場合に、即刻、気づくことができる。
実施形態の診断装置100においては、ユーザが設定した工具の設定内容および処理工程の設定内容が保存され、かつ、ユーザがそれらの設定内容を読み出すことができる。これにより、ユーザの手間をかけずに、以前の設定等を用いることができる。
(変形例)
上述の実施形態では、ユーザが監視対象に設定した処理工程に対応する加工実施の時間の検知情報等を長期的に保存し蓄積することとしたが、これに限られない。上記加工実施の時間以外の検知情報、つまり、例えば検知情報受信部112が取得した検知情報がそのまま、対応するコンテキスト情報と紐づけられて、長期に保存され蓄積されてもよい。
上述の実施形態では、診断装置100の表示制御部105が表示部115に各種データを表示させるものとしたが、データの出力手法はこれに限られない。診断装置100に接続されるプリンタ等に、各種データがプリントアウトされるようにしてもよい。診断装置100に接続されるスピーカ等により、アラート閾値超えにより警報が発報されるなど、各種データが音声データとして出力されるようにしてもよい。
上述の実施形態では、検知情報は、例えば、振動データまたは音響データ等であるとしたが、モータの電流値、負荷、トルク等、他のデータであっても検知情報として用いることができる。
上述の実施形態では、種々の検知情報を用いて加工機200の診断を行うこととしたが、実加工区間である加工区間のみを解析に利用して、スコアの積算及び記憶を行ってもよい。
上述の実施形態では、診断対象の装置を例えば加工機200であるとしたが、組立機等の他の工作機械、測定機、検査機、または洗浄機等の機械が対象装置であってもよい。
なお、上述の実施形態および各変形例の診断システム1で実行される診断プログラム等のプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供するように構成してもよい。
また、上述の実施形態および各変形例の診断システム1で実行される診断プログラム等のプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD−R(Compact Disk−Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータ・プログラム・プロダクトとして提供するように構成してもよい。
また、上述の実施形態および各変形例の診断システム1で実行される診断プログラム等のプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態および各変形例の診断システムで実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
また、上述の実施形態および各変形例の診断システム1で実行される診断プログラム等のプログラムは、上述した各機能部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUがROMからプログラムを読み出して実行することにより上述の各機能部が主記憶装置上にロードされ、各機能部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
1 診断システム
1B バス
10 CPU
10a ROM
10b RAM
11 通信I/F
12 センサI/F
13 補助記憶装置
14 入力装置
15 ディスプレイ
2B バス
20 CPU
20a ROM
20b RAM
21 通信I/F
23 駆動制御回路
24 モータ
24a 工具
25 センサ
25a センサアンプ
100 診断装置
101 加工情報取得部
102 診断部
102a 特徴抽出部
102b モデル生成部
102c スコア算出部
103 データ管理部
103a データ抽出部
103b データ蓄積部
104 設定管理部
105 表示制御部
111 通信制御部
112 検知情報受信部
113 記憶部
114 入力部
115 表示部
200 加工機
201 数値制御部
221 通信制御部
223 駆動制御部
224 駆動部
225 検知部
特開平6−11387号公報

Claims (12)

  1. 複数の処理工程を含むサイクルを繰り返す対象装置の動作に応じて変化する物理量を検知する検知部から出力される検知情報を取得する第1の取得部と、
    前記対象装置を動作させる区間を示す信号を前記対象装置から取得する第2の取得部と、
    前記信号から前記対象装置における前記複数の処理工程のうち、ユーザにより設定された監視対象の処理工程に対応する所定区間を判別し、前記所定区間において取得された前記検知情報を抽出するデータ抽出部と、
    前記所定区間の前記検知情報に基づいて前記検知情報の異常が累積されたスコア値である異常スコアを算出するスコア算出部と、
    前記所定区間の前記検知情報および前記異常スコアの少なくともいずれかを記憶装置に蓄積するデータ蓄積部と、
    蓄積された前記所定区間の前記検知情報および前記異常スコアの少なくともいずれかを出力装置に出力させる出力制御部と、を備える、
    診断装置。
  2. 前記第1の取得部が取得した前記検知情報を一時的に記憶する1次記憶装置を備える、
    請求項1に記載の診断装置。
  3. 情報が蓄積される前記記憶装置は2次記憶装置である、
    請求項1または請求項2に記載の診断装置。
  4. 情報が蓄積される前記記憶装置は2次記憶装置またはクラウドサーバであり、
    前記データ蓄積部は、ユーザの選択に応じて前記情報を前記2次記憶装置または前記クラウドサーバに振り分けて蓄積する、
    請求項1または請求項2に記載の診断装置。
  5. 前記ユーザによる前記監視対象の処理工程に関する設定内容を前記記憶装置に格納する設定管理部を備える、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の診断装置。
  6. 前記対象装置は複数の工具を備え、
    前記監視対象の処理工程では、ユーザにより設定された所定の工具が使用され、
    前記設定管理部は、前記ユーザによる前記所定の工具に関する設定内容を前記記憶装置に格納する、
    請求項5に記載の診断装置。
  7. 前記出力制御部は、前記異常スコアが、ユーザにより設定されたアラート閾値を超えたときはアラートを前記出力装置に出力させ、
    前記設定管理部は、前記ユーザによる前記アラート閾値に関する設定内容を前記記憶装置に格納する、
    請求項5または請求項6に記載の診断装置。
  8. 前記出力制御部は、前記異常スコアをグラフ化して前記出力装置に出力させる、
    請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の診断装置。
  9. 前記出力制御部は、前記記憶装置に蓄積された情報の履歴を前記出力装置に出力させる、
    請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の診断装置。
  10. 前記記憶装置には、ユーザの選択に応じて、前記所定区間の前記検知情報に限らず前記第1の取得部が取得した前記検知情報が蓄積される、
    請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の診断装置。
  11. 複数の処理工程を含むサイクルを繰り返す対象装置の動作に応じて変化する物理量を検知する検知部から出力される検知情報を取得する第1の取得ステップと、
    前記対象装置を動作させる区間を示す信号を前記対象装置から取得する第2の取得ステップと、
    前記信号から前記対象装置における前記複数の処理工程のうち、ユーザにより設定された監視対象の処理工程に対応する所定区間を判別し、前記所定区間において取得された前記検知情報を抽出するデータ抽出ステップと、
    前記所定区間の前記検知情報に基づいて前記検知情報の異常が累積されたスコア値である異常スコアを算出するスコア算出ステップと、
    前記所定区間の前記検知情報および前記異常スコアの少なくともいずれかを記憶装置に蓄積するデータ蓄積ステップと、
    蓄積された前記所定区間の前記検知情報および前記異常スコアの少なくともいずれかを出力装置に出力させる出力制御ステップと、を含む、
    診断方法。
  12. コンピュータに、
    複数の処理工程を含むサイクルを繰り返す対象装置の動作に応じて変化する物理量を検知する検知部から出力される検知情報を取得する第1の取得ステップと、
    前記対象装置を動作させる区間を示す信号を前記対象装置から取得する第2の取得ステップと、
    前記信号から前記対象装置における前記複数の処理工程のうち、ユーザにより設定された監視対象の処理工程に対応する所定区間を判別し、前記所定区間において取得された前記検知情報を抽出するデータ抽出ステップと、
    前記所定区間の前記検知情報に基づいて前記検知情報の異常が累積されたスコア値である異常スコアを算出するスコア算出ステップと、
    前記所定区間の前記検知情報および前記異常スコアの少なくともいずれかを記憶装置に蓄積するデータ蓄積ステップと、
    蓄積された前記所定区間の前記検知情報および前記異常スコアの少なくともいずれかを出力装置に出力させる出力制御ステップと、を実行させるための、
    診断プログラム。
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