JP2020148702A - 発泡成形体の外観評価方法 - Google Patents

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倫之 吉田
津田 義博
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義博 津田
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重哉 中村
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Abstract

【課題】新規な発泡成形体の外観評価方法を提供すること。【解決手段】発泡成形体の外観評価方法は、評価領域を設定する工程と、評価領域の平均面を設定する工程と、平均面に平行し、平均面から深さxだけ深さ方向に移動した面を深さxにおける基準面に設定する工程と、各基準面を基準として、各基準面よりも低い領域の面積を基準面毎に求め、評価領域の面積に占める各基準面よりも低い領域の面積の割合を基準面毎に算出する工程と、基準面毎に算出された各基準面よりも低い領域の面積の割合の各々を、深さ0μmにおける基準面よりも低い領域の面積の割合で除して規格化された面積の割合を算出する工程と、基準面毎の規格化された面積の割合に基づいて発泡成形体の表面性状を判断する工程と、を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、発泡成形体の外観評価方法に関する。
ポリプロピレン系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂等の熱可塑性樹脂の射出発泡成形体は、軽量であり剛性に優れる観点から、自動車用の部材として使用されている。
射出発泡成形方法の一つとして、コアバック法がある。コアバック法とは、発泡剤を含む熱可塑性樹脂組成物を射出成形して金型内に熱可塑性樹脂組成物を充填させた後、可動側金型の位置をスライドさせることによりキャビティ容積を拡大させ、高倍率の成形品を得る方法である。この成形方法を用いれば、成形体の表層が非発泡層になり、成形体の内部が均一な高倍率の発泡層になる(例えば、特許文献等1参照。)。
射出発泡成形体がコンソールボックス、ドアトリム、デッキサイドトリム、バックドアトリム、インスツルメントパネル等の自動車内装部品として使用される場合、射出発泡成形体には、軽量、薄肉であり、かつ外観の良さが要求される。
しかしながら、射出発泡成形体の表面には、円形状又は楕円状の小さなくぼみ(以下、「アバタ」と称することがある。)が発生しやすく外観上問題となる場合があった。
特開2014−121793号公報
アバタの発生する原因の一つとして、発明者等は、発泡成形の際に金型内で発生したガス溜まりに起因すると推測している。そのため、熱可塑性樹脂組成物の材料物性がアバタの発生にどのように寄与するかを把握する必要がある。しかしながら、発泡成形体の表面に生じたアバタの発生の程度を客観的に評価する手法が確立できていない。現状の評価方法は、各人の目視による官能評価のみであり、定性的な評価でしかない。そのため、定量的で信頼性の高いアバタの評価方法を確立する必要があった。
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであり、新規な発泡成形体の外観評価方法を提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 樹脂と発泡剤とを含む樹脂材料を発泡させて成形された発泡成形体の外観評価方法であって、
前記発泡成形体の外観を評価する評価領域を設定する工程と、
前記評価領域の平均面を設定する工程と、
前記平均面に平行し、前記平均面から深さx(μm)だけ深さ方向に移動した面を深さx(μm)における基準面に設定する工程と、
前記深さx(μm)における基準面を基準として、前記深さx(μm)における基準面よりも低い領域の面積を前記深さx(μm)における基準面毎に求め、前記評価領域の面積に占める前記深さx(μm)における基準面よりも低い領域の面積の割合を前記深さx(μm)における基準面毎に算出する工程と、
前記深さx(μm)における基準面毎に算出された前記深さx(μm)における基準面よりも低い領域の面積の割合の各々を、深さ0(μm)における基準面よりも低い領域の面積の割合で除して、前記深さx(μm)における基準面毎の規格化された面積の割合を算出する工程と、
前記深さx(μm)における基準面毎の規格化された面積の割合に基づいて、前記発泡成形体の表面性状を判断する工程と、
を有する発泡成形体の外観評価方法。
<2> 前記発泡成形体の表面性状を判断する工程が、前記深さx(μm)における基準面毎の規格化された面積の割合を、前記規格化された面積の割合をY軸とし、前記基準面の深さをX軸としてプロットし、前記プロットに基づいて判断する工程である<1>に記載の発泡成形体の外観評価方法。
本発明によれば、新規な発泡成形体の外観評価方法を提供することができる。
金型を備える成形装置の概略を説明するための図である。 実施例で得られた各プロットを直線でつないだ折れ線グラフを示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。
本開示において、各成分には、該当する物質が複数種含まれていてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において「層」との語には、当該層が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
<発泡成形体の外観評価方法>
本開示の発泡成形体の外観評価方法は、樹脂と発泡剤とを含む樹脂材料を発泡させて成形された発泡成形体の外観評価方法であって、前記発泡成形体の外観を評価する評価領域を設定する工程と、前記評価領域の平均面を設定する工程(以下、「平均面を設定する工程」と称することがある。)と、前記平均面に平行し、前記平均面から深さx(μm)だけ深さ方向に移動した面を深さx(μm)における基準面に設定する工程(以下、「基準面を設定する工程」と称することがある。)と、前記深さx(μm)における基準面を基準として、前記深さx(μm)における基準面よりも低い領域の面積を前記深さx(μm)における基準面毎に求め、前記評価領域の面積に占める前記深さx(μm)における基準面よりも低い領域の面積の割合を前記深さx(μm)における基準面毎に算出する工程(以下、「第一の算出工程」と称することがある。)と、前記深さx(μm)における基準面毎に算出された前記深さx(μm)における基準面よりも低い領域の面積の割合の各々を、深さ0(μm)における基準面よりも低い領域の面積の割合で除して、前記深さx(μm)における基準面毎の規格化された面積の割合を算出する工程(以下、「第二の算出工程」と称することがある。)と、前記深さx(μm)における基準面毎の規格化された面積の割合に基づいて、前記発泡成形体の表面性状を判断する工程(以下、「判断工程」と称することがある。)と、を有する。
本開示によれば、新規な発泡成形体の外観評価方法が提供される。本開示の発泡成形体の外観評価方法は、特に、発泡成形体の表面に発生したアバタを定量的に評価する場合に有効である。
以下、本開示の発泡成形体の外観評価方法について、詳細に説明する。
なお、本開示の発泡成形体の外観評価方法は、三角測距原理に基づく方法を実装した測定装置を用いて実施してもよい。なお、本開示で使用される測定装置に実装される測定原理は、三角測距原理に限定されるものではなく、従来から公知の測定原理を実装した測定装置を用いることができる。
三角測距原理に基づく方法を実装した測定装置としては、例えば、株式会社キーエンス製、3D形状測定機、VR−3200が挙げられる。VR−3200の高さ測定の分解能は0.1μmである。
VR−3200等の3D形状測定機は、測定対象の表面にスリット光を当ててできる段差を三角測量で測定する光切断法を用いていることから、高精度な3D測定が可能である。
−評価対象−
本開示の発泡成形体の外観評価方法で外観を評価される発泡成形体は、樹脂と発泡剤とを含む樹脂材料を発泡させて成形されたものである。樹脂材料は、樹脂及び発泡剤以外のその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、無機充填材、離型剤、改質剤等が挙げられる。
樹脂材料に用いる樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂(PP)、複合ポリプロピレン系樹脂(PPC)、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アイオノマー系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS)及びポリカーボネート系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。この中でも、ポリプロピレン系樹脂(PP)、複合ポリプロピレン系樹脂(PPC)及びアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS)からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
また、発泡剤としては、アゾジカルボンアミド等の有機発泡剤、炭酸水素ナトリウム(別名、重炭酸ナトリウム、重曹)等の無機発泡剤などが挙げられる。現在、自動車用内装部品の発泡成形では、発泡剤として無機系の炭酸水素ナトリウムが主に用いられているが、塗膜性能(耐温水性等)の向上の観点からは、有機発泡剤が好ましい。
有機発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)等が挙げられ、アゾジカルボンアミド(ADCA)が好ましい。特に、外装塗装品を製造する場合は、アゾジカルボンアミド(ADCA)を用いることが好ましい。
アゾジカルボンアミド(ADCA)を使用することにより、耐温水性等が向上し、温水試験でのブリスターの発生が抑制される傾向にある。ブリスターとは、発泡成形体の表面(スキン層)に残存する未反応の発泡剤と水との反応により発生したガスが発泡成形体の表面を押し上げる不具合をいう。
発泡剤の総量中のアゾジカルボンアミド(ADCA)の含有率は、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。
発泡剤の分解温度は、50℃〜250℃であることが好ましく、50℃〜220℃であることがより好ましい。使用形態によって、発泡剤の分解温度は、130℃〜250℃であってもよい。
樹脂材料中の発泡剤の含有率は、発泡剤の種類等に応じて適宜設定することが好ましい。例えば、発泡剤としてアゾジカルボンアミド(ADCA)を用いる場合、発泡性、成形性及び塗膜性能の観点から、樹脂材料中のアゾジカルボンアミド(ADCA)の含有率は、0.05質量%〜2質量%の範囲内であることが好ましく、0.1質量%〜1.5質量%の範囲内であることがより好ましい。尚、ADCAの含有率は、後述する射出機のシリンダ投入前の混合物(組成物)での割合を意味する。
発泡成形体は、固定側金型と、固定側金型に対して開閉方向に移動可能とされ、固定側金型との間に空隙であるキャビティを形成する可動側金型とで構成される一組の金型におけるキャビティ内に発泡剤を含有する樹脂材料を射出する工程と、キャビティ内を樹脂材料で充填した後、金型を構成する固定側金型から可動側金型を開放方向に移動させて前記キャビティ内の容積を拡張する工程と、を経て製造することができるが、発泡成形体の製造工程は上記方法に限定されるものではない。
図1に、発泡成形体の製造に適用可能な成形装置の概略構成図を示す。図1に示される成形装置16は、固定側金型17と、固定側金型17に対して開閉方向に移動可能とされ、固定側金型17との間に空隙であるキャビティ18を形成する可動側金型19と、を備えている。
また、成形装置16は、キャビティ18まで固定側金型17を貫通するゲート21と、ゲート21を通じてキャビティ18に溶融状態の樹脂材料Rを射出充填する射出機22と、を備えている。射出機22は、図示しないホッパ(供給部)と図示しないシリンダとを備えている。この射出機22では、樹脂、発泡剤、及び必要に応じて用いられる添加剤等を含有する混合物がホッパ(供給部)からシリンダに供給され、シリンダ内にてスクリュー等で撹拌されて樹脂材料Rとして調製され、所定の圧力でゲート21を通じて樹脂材料Rをキャビティ18内に射出充填する。なお、射出機22は、ゲート21を通じてキャビティ18に溶融状態の樹脂材料Rを射出充填できれば、上記構成に限定されるものではない。
樹脂材料Rが熱可塑性樹脂を含む場合、樹脂材料Rは加熱して流動化させてキャビティ18内に供給される。
次いで、可動側金型19を固定側金型17に対して開放方向(型開き方向)に所定量開き(コアバック)、固化していない樹脂材料Rを発泡させて発泡成形体内に発泡層を形成する。その後、固定側金型17と可動側金型19を型開きし、発泡成形体を可動側金型19から取り外すことで、発泡成形体が得られる。
−評価領域を設定する工程−
評価領域を設定する工程では、発泡成形体の外観を評価する領域が設定される。
評価領域は、発泡成形体の全面であってもよいし、一部の領域であってもよい。評価領域は、発泡成形体におけるアバタの生じやすい箇所として経験的に知られている箇所であってもよい。
−平均面を設定する工程−
平均面を設定する工程では、評価領域の平均面が設定される。
平均面とは、JIS B0601(2013)に規定される二次元の算術平均粗さ(Ra)における平均線に対応する概念で、評価領域における凸部(平均面よりも高い部分)の体積と凹部(平均面よりも低い部分)の体積とが同じとなる面をいう。
なお、発泡成形体の表面には、評価領域の平均面及び後述する基準面を設定する際の障害となる、発泡成形体の表面の反り、波打ち等が生じている場合がある。評価領域の平均面等を設定する際には、発泡成形体の表面の反り、波打ち等を打ち消すための補正を行ってもよい。補正の方法としては、カットオフを応用したうねり除去、最小二乗傾き補正、曲率補正等が挙げられる。
−基準面を設定する工程−
基準面を設定する工程では、平均面に平行し、平均面から深さx(μm)だけ深さ方向に移動した面を、深さx(μm)における基準面(以下、深さx(μm)における基準面を「基準面(xμm)」と称することがある。)に設定する。
なお、基準面(0μm)は、平均面に一致する。
各基準面(xμm)の間隔は特に限定されるものではなく、アバタの数、深さ等に鑑みて適宜設定することができる。例えば、各基準面(xμm)の間隔は測定装置の分解能以上1μm以下の範囲であることが好ましく、0.2μm〜0.8μmの範囲であることがより好ましい。また、各基準面(xμm)の間隔は同じであっても異なっていてもよい。
基準面(xμm)の最大深さは特に限定されるものではなく、アバタ深さ等に鑑みて適宜設定することができる。例えば、基準面(xμm)の最大深さは、2μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。基準面(xμm)の最大深さは、10μm以下であってもよく、6μm以下であってもよい。
−第一の算出工程−
第一の算出工程では、基準面(xμm)を基準として、基準面(xμm)よりも低い領域の面積を基準面(xμm)毎に求め、評価領域の面積に占める基準面(xμm)よりも低い領域の面積の割合を基準面(xμm)毎に算出する。
例えば、各基準面(xμm)の間隔が0.5μmで基準面(xμm)の最大深さが2μmに設定された場合、第一の算出工程では下記面積及び面積の割合が算出される。
始めに、基準面(0μm)を基準として基準面(0μm)よりも低い領域の面積、基準面(0.5μm)を基準として基準面(0.5μm)よりも低い領域の面積、基準面(1.0μm)を基準として基準面(1.0μm)よりも低い領域の面積、基準面(1.5μm)を基準として基準面(1.5μm)よりも低い領域の面積、及び、基準面(2.0μm)を基準として基準面(2.0μm)よりも低い領域の面積が各々算出される。
次いで、評価領域の面積に占める基準面(0μm)よりも低い領域の面積の割合、評価領域の面積に占める基準面(0.5μm)よりも低い領域の面積の割合、評価領域の面積に占める基準面(1.0μm)よりも低い領域の面積の割合、評価領域の面積に占める基準面(1.5μm)よりも低い領域の面積の割合、及び、評価領域の面積に占める基準面(2.0μm)よりも低い領域の面積の割合が各々算出される。
上述のように、アバタは円形状又は楕円状の小さなくぼみであるため、評価領域に存在するアバタの数が多くなるにつれて、評価領域の面積に占める基準面(xμm)よりも低い領域の面積の割合が大きくなる傾向にある。
−第二の算出工程−
第二の算出工程では、基準面(xμm)毎に算出された基準面(xμm)よりも低い領域の面積の割合の各々を、基準面(0μm)よりも低い領域の面積の割合で除して、基準面(xμm)毎の規格化された面積の割合を算出する。
基準面(xμm)よりも低い領域の面積の割合は、基準面の深さx(μm)が深くなるにつれて一般に値が小さくなる。この操作により、基準面(0μm)の規格化された面積の割合は1となり、基準面(xμm)(x>0μm)の規格化された面積の割合は通常1未満の値を示す。
基準面(xμm)よりも低い領域の面積の割合は、基準面(0μm)よりも低い領域の面積の割合に影響を受けやすい。例えば、基準面(0μm)よりも低い領域の面積の割合が相対的に大きな値を示す場合、基準面(xμm)よりも低い領域の面積の割合も相対的に大きな値を示す傾向にある。従って、基準面(xμm)よりも低い領域の面積の割合を基準面(0μm)よりも低い領域の面積の割合で除することで、基準面(0μm)よりも低い領域の面積の割合の大きさの影響を排除することができる。
−判断工程−
判断工程では、基準面(xμm)毎の規格化された面積の割合に基づいて、発泡成形体の表面性状を判断する。
判断工程では、基準面(xμm)毎の規格化された面積の割合を、規格化された面積の割合をY軸とし、基準面の深さをX軸としてプロットし、このプロットに基づいて発泡成形体の表面性状を判断してもよい。
例えば、規格化された面積の割合についての予め定められた基準値を設定しておき、規格化された面積の割合が、予め定められた基準値となる時の深さx(μm)を求め、その値に基づいて、発泡成形体の表面にアバタが発生しているか否かを判断してもよい。深さx(μm)の値に基づいて、発泡成形体の表面の評価領域におけるアバタの発生の程度を、客観的に判断することが可能となる。
予め定められた基準値は、発泡成形体の表面にアバタが発生しているか否かを判別するのに適した値とすることが望ましい。予め定められた基準値は、経験則により定められた値であってもよい。
予め定められた基準値を経験則により定める方法は特に限定されるものではない。例えば、後述の実施例に記載のように、目視によりアバタの発生している試験片及び目視によりアバタの発生していない試験片についてのプロットを作成し、このプロットから目視によりアバタの発生している試験片と目視によりアバタの発生していない試験片とを区別可能となる基準値を決定し、この基準値を予め定められた基準値に設定してもよい。
予め定められた基準値は、0.1〜0.5の範囲に設定してもよく、0.15〜0.3の範囲に設定してもよい。
後述の実施例に記載のように、規格化された面積の割合についての予め定められた基準値が0.2に設定されてもよい。規格化された面積の割合が0.2となる時の基準面の深さx(μm)の大小に基づいて、アバタの発生の有無を判断することができる。例えば、後述の実施例に記載のように、予め定められた基準値を0.2と設定した場合に、規格化された面積の割合が0.2となる時の基準面の深さx(μm)が1.5μm以下となる試験片は、アバタが発生していないと判断することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<試験片の作製>
発泡成形体の製造に用いた樹脂材料は以下の通りである。
(樹脂)
PP−A(ポリプロピレン、品名「MX01HX」、230℃でのメルトフローレート(MFR):41g/10min、サンアロマー株式会社)
(発泡剤)
アゾジカルボンアミド(ADCA)
(添加剤)
分岐鎖ポリプロピレン(品名「039N」、230℃でのMFR:60g/10min、株式会社カネカ)
(発泡成形体の作製)
PP−A、発泡剤及び必要に応じて添加剤を含む樹脂材料をホッパからシリンダに供給し、シリンダ内にてスクリューを用いて200℃の条件にて樹脂材料を100回転/分で撹拌した。
PP−A100質量部に対して、発泡剤を1質量部添加した。また、添加剤の添加量は、PP−Aに対して0質量%、3質量%、5質量%、7質量%及び9質量%とした。
次に、溶融状態の樹脂材料を60℃に調節した金型内に樹脂圧10MPa、射出速度90mm/sで注入した。注入後、冷却時間10秒の条件にて、樹脂材料を冷却固化させた。そして、可動側金型を固定側金型に対して開放方向(型開き方向)に2.5mm開き、固化していない樹脂材料を発泡させて発泡層を形成した。その後、固定側金型と可動側金型を型開きし、8cm×15cm×2.5mmの発泡成形体を取り出した。
<外観評価>
−目視評価−
上述のようにして得られた各発泡成形体の試験片の固定側金型に接した面を目視観察することにより、アバタの発生の有無を評価した。その結果、添加剤の添加量が0質量%、3質量%又は5質量%の試験片でアバタの発生が確認され、添加剤の添加量が7質量%又は9質量%の試験片でアバタの発生が確認されなかった。
−外観評価方法による評価−
以下のようにして、発泡成形体の外観を評価した。評価装置として、株式会社キーエンス製、3D形状測定機、VR−3200を用いた。
上述のようにして得られた各発泡成形体の試験片の固定側金型に接した面に、7mm×7mmの範囲で外観を評価する評価領域を設定した。
次いで、評価領域の平均面を設定し、平均面に平行し平均面から深さ0μm、0.5μm、1.0μm、1.5μm、2.0μm、2.5μm、2.75μm、3.0μm、3.25μm、3.5μm及び3.75μmだけ深さ方向に移動した面を、各深さにおける基準面に設定した。
次いで、上述のように設定した各基準面を基準として、基準面よりも低い領域の面積を基準面毎に求め、評価領域の面積に占める基準面よりも低い領域の面積の割合を基準面毎に算出し、これを規格化した。
図2に、各試験片についての基準面(xμm)毎の規格化された面積の割合を、規格化された面積の割合をY軸とし、基準面の深さをX軸としてプロットし、各プロットを直線でつないだ折れ線グラフを示す。
各試験片についての折れ線グラフと、X軸に平行で任意の規格化された面積の割合(Y軸の値)を示す直線と、の交点における基準面の深さの値は、アバタの発生が確認された試験片についての値に比較してアバタの発生が確認されていない試験片についての値のほうが小さい。例えば、X軸に平行で規格化された面積の割合(Y軸の値)が0.2である直線は、アバタの発生が確認されていない試験片についての折れ線グラフと0.9μm付近(添加剤の添加量が9質量%)又は1.2μm付近(添加剤の添加量が7質量%)で交差する一方、アバタの発生が確認されている試験片についての折れ線グラフとは、2.5μm付近で交差する。また、X軸に平行で規格化された面積の割合(Y軸の値)が0.4である直線は、アバタの発生が確認されていない試験片についての折れ線グラフと0.5μm付近(添加剤の添加量が9質量%)又は0.7μm付近(添加剤の添加量が7質量%)で交差する一方、アバタの発生が確認されている試験片についての折れ線グラフとは、1.2μm〜1.5μm付近で交差する。
そのため、規格化された面積の割合が所定の値以下となる時の基準面の深さx(μm)の値の大小で、試験片の表面にアバタが発生しているか否かを判定することが可能になる。
16 成形装置
17 固定側金型
18 キャビティ
19 可動側金型
21 ゲート
22 射出機

Claims (2)

  1. 樹脂と発泡剤とを含む樹脂材料を発泡させて成形された発泡成形体の外観評価方法であって、
    前記発泡成形体の外観を評価する評価領域を設定する工程と、
    前記評価領域の平均面を設定する工程と、
    前記平均面に平行し、前記平均面から深さx(μm)だけ深さ方向に移動した面を深さx(μm)における基準面に設定する工程と、
    前記深さx(μm)における基準面を基準として、前記深さx(μm)における基準面よりも低い領域の面積を前記深さx(μm)における基準面毎に求め、前記評価領域の面積に占める前記深さx(μm)における基準面よりも低い領域の面積の割合を前記深さx(μm)における基準面毎に算出する工程と、
    前記深さx(μm)における基準面毎に算出された前記深さx(μm)における基準面よりも低い領域の面積の割合の各々を、深さ0(μm)における基準面よりも低い領域の面積の割合で除して、前記深さx(μm)における基準面毎の規格化された面積の割合を算出する工程と、
    前記深さx(μm)における基準面毎の規格化された面積の割合に基づいて、前記発泡成形体の表面性状を判断する工程と、
    を有する発泡成形体の外観評価方法。
  2. 前記発泡成形体の表面性状を判断する工程が、前記深さx(μm)における基準面毎の規格化された面積の割合を、前記規格化された面積の割合をY軸とし、前記基準面の深さをX軸としてプロットし、前記プロットに基づいて判断する工程である請求項1に記載の発泡成形体の外観評価方法。
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