JP2020147996A - 二重床構造 - Google Patents
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Abstract
Description
また、スラブ上に支持脚を介して床板構成部を設けた二重床構造が知られている(特許文献2参照)。
本発明は、木質の床及び木質の梁による逆梁工法に適用した二重床構造を提供するものである。
また、梁の上面と床板構成部との間に、遮音性能を有した材料により形成された床板構成部支持体を備えたことを特徴とするので、当該逆梁となる梁を介した下階への遮音性能を向上させることができる二重床構造を提供できる。
また、床板構成部支持体は、梁の上面と接触する面及び床板構成部と接触する面のうちの少なくとも一方の面が凹凸面に形成された板であることを特徴とするので、凹凸面が変形することにより、遮音性能が向上する。
また、床板構成部支持体は、複数の板が積層されて構成され、複数の板は、それぞれ異なる材料により形成された遮音性能が異なる板、あるいは、それぞれ同じ材料により形成されて遮音性能が異なる板であることを特徴とするので、遮音性能が異なる各板の組み合わせにより構成された床板構成部支持体となり、より広い周波数帯での遮音性能を向上させることができる。
また、床部と梁とが金属製の接合部材を介して接合され、接合部材は、梁の下面に沿って当該梁の材軸方向及び梁の幅方向に延長するとともに梁の幅方向において梁の側面よりも外方向に突出する床接合部を有した床接合板と、床接合板より延長するように設けられた梁接合板とを備え、梁接合板と梁とが接合手段により接合され、かつ、床接合板の床接合部と床部とが接合手段により接合されたことを特徴とするので、逆梁工法を採用する木造建物において、木質の床部と上部側が床部の上面よりも上方に突出するように配置される木質の梁とを簡単に接合できる。
また、木質の床部は、CLT又は集成材により形成された床部、あるいは、CLT又は集成材により形成された床部と当該床部の上面にコンクリートを打設して形成されたコンクリート床部とで構成された床部であることを特徴とするので、木質の床及び木質の梁による逆梁工法に適用した二重床構造を提供できる。
図1に示すように、実施形態1に係る二重床構造は、木質の床部1と、床部1と接合されて上部側が床部1の上面1tよりも上方に突出するように設けられた木質の梁2と、床部1の上に配置された複数の支持脚10,10…と、複数の支持脚10,10…上に設けられた床板構成部11と、梁2の上面2tと床板構成部11の下面11uとの間に設けられた床板構成部支持体12とを備えた構成とした。
尚、図1において、左端の梁2は例えば大梁であり、中央及び右端の梁2は例えば大梁又は小梁である。
また、図1において、100は例えば上部耐力壁、101は例えば間仕切壁、102はダクト、103は配管である。
また、本明細書においては、上、下、左、右は、図1に示した方向と定義して説明する。
しかしながら、梁2が後述のようにCLT又は集成材等を用いた木質の梁2であって、かつ、当該梁2が木質の床部1と接合されて梁2の上部側が床部1の上面1tよりも上方に突出する逆梁となる場合は、当該木質の床部1及び木質の梁2は鉄筋コンクリートの梁と比べて比重が約1/5と小さいため、当該逆梁となる梁2及び床部1を介して下階に音、特に、重量床衝撃音が伝播しやすい構造となる。
そこで、実施形態1においては、逆梁となる梁2の上面2tと床板構成部11の下面11uとの間に、遮音性能を有した材料により形成された床板構成部支持体12を設けることによって、当該逆梁となる梁2及び床部1を介した下階への音の遮音性能、特に、重量床衝撃音の遮音性能を向上させるようにした。
当該凹凸面の凹凸形状は、どのような形状であっても構わない。例えば、図2(b)に示すような断面矩形状の凹凸形状、あるいは、図2(c)に示すような断面湾曲面状の凹凸形状等であればよい。
尚、図2(b),図2(c)では、梁2の上面2tと接触する下面12aが凹凸面に形成された床板構成部支持体12を例示した。
このような下面12a及び面12bのうちの少なくとも一方の面が凹凸面に形成された床板構成部支持体12を用いれば、凹凸面が変形して遮音性能が向上する。
図3(b)に示す床板構成部支持体12としては、例えば、上側の平板12Bをゴム硬度50°のゴム板により構成し、下側の凹凸板12Aをゴム硬度70°のゴム板により構成し、上側の平板12Bと下側の凹凸板12Aとの間に挟み込まれた平板12Cを発泡倍率40倍の発泡ポリオレフィン樹脂板により構成した積層板により形成すればよい。
図3(c)に示す床板構成部支持体12としては、例えば、上側の凹凸板12Bを発泡倍率40倍の発泡ウレタン樹脂板により構成し、下側の凹凸板12Aを発泡倍率50倍の発泡ゴム板により構成し、上側の凹凸板12Bと下側の凹凸板12Aとの間に挟み込まれた平板12Cを発泡倍率30倍の発泡ポリエチレン樹脂板により構成した積層板により形成すればよい。
一般に、ゴム硬度が小さいゴム(固いゴム)や発泡倍率が小さい発泡体(沈み込み量が小さい発泡体)は、重量床衝撃音に対する遮音性能が高い傾向がある。逆に、ゴム硬度が大きいゴム(柔らかいゴム)や発泡倍率が大きい発泡体(沈み込み量が大きい発泡体)は、軽量床衝撃音に対する遮音性能が高い傾向がある。
従って、重量床衝撃音及び軽量床衝撃音に対する遮音性能を向上させるためには、同じ材料であっても例えばゴム硬度の違いで遮音性能がそれぞれ異なる板を用いることが好ましく、さらに、下面12a及び面12bのうちの少なくとも一方の面が凹凸面に形成された床板構成部支持体12を用いれば、さらに遮音性能が向上する。
また、床板構成部支持体12を、複数の板が積層されて構成された積層板により構成する場合は、複数の板として、それぞれ異なる材料により形成された板を用いることによって、遮音性能が異なる各板の組み合わせにより構成された床板構成部支持体12となり、より広い周波数帯での遮音性能を向上させることができるようになる。
支柱10bの上部の外周面は図外の雄ねじ部に形成される。
台座10cは、例えば、パーティクルボード、あるいは、構造用合板で形成される。
台座10cは、台座10cの上下面に貫通する図外の貫通孔を備え、この貫通孔内には当該貫通孔を上下に貫通する図外の筒体が固定され、当該筒体の内周面は図外の雌ねじ部に形成される。
つまり、支持脚10は、支柱10bの上部の外周面に形成された雄ねじ部の雄ねじと図外の筒体の内周面に形成された雌ねじ部の雌ねじとのねじ嵌合により、台座10cが支柱10bに対して上下に移動可能に構成され、台座10cのレベル(高さ)を調整して床板構成部11のレベル(高さ)を調整できる構成となっている。
床板構成部11の下面11u(下地材11Aの下面11u)と支持脚10の台座10cの上面との間には基材11Zが介在するように設けられる。
そして、梁2の上面2tと床板構成部11の下面11uとの間には、基材11Zの代わりに床板構成部支持体12が介在するように設けられる。
基材11Zは、複数の支持脚10の台座10c上に載置されて水平面を形成するように並べられ、固定手段により台座10cに固定された複数の板材により構成される。
基材11Zを構成する板材としては、例えば、パーティクルボード、構造用合板等を用いる。
下地材11Aは、基材11Z及び床板構成部支持体12の上に載置されて水平面を形成するように並べられ、固定手段により基材11Zに固定された複数の板材により構成される。下地材11Aを構成する板材としては、例えば、パーティクルボード、強化パーティクルボード(通常のパーティクルボードよりもプレス圧を大きくして硬く形成されたパーティクルボード)、構造用合板、石膏ボード、珪酸カルシウム板、ガラス繊維不織布入り石膏ボード等を用いる。
下地材11Aの上面に床仕上げ材11Bが取付けられる。床仕上げ材11Bは、フローリング床材、カーペット、タイル、絨毯、石板、畳等により構成される。
接合部材3は、梁2の下面20に沿って当該梁2の材軸方向及び梁2の幅方向に延長するとともに梁2の幅方向において梁2の側面21,21よりも外方向に突出する床接合部31,31を有した床接合板32と、床接合板32より延長するように設けられた梁接合板33とを備え、床接合板32の床接合部31と床部1とが接合手段により接合され、かつ、梁接合板33と梁2とが接合手段により接合された構成である。
尚、CLTとは、農林水産省告示第3079号に規定されたように、「ひき板又は小角材(これらをその繊維方向を互いにほぼ平行にして長さ方向に接合接着して調整したものを含む。)をその繊維方向を互いにほぼ平行にして幅方向に並べ又は接着したものを、主としてその繊維方向を互いにほぼ直角にして積層接着し3層以上の構造を持たせた一般材」である。
即ち、CLTは、張り合わせる板の繊維方向が直交するように複数の板を張り合わせて構成された木材であり、直交集成板と呼ばれている。
また、集成材は、張り合わせる板の繊維方向が並行方向となるように複数の板を張り合わせて構成された木材である。
即ち、連結軸挿入用貫通孔4は、T形鋼30の縦板により構成された梁接合板33と、梁接合板33の一方の板面33aと対向面2aとが接触するように設置された一方の梁構成部材2Aと、梁接合板33の他方の板面33bと対向面2aとが接触するように設置された他方の梁構成部材2Bとに連続するように形成された貫通孔4A,4C,4Bとで構成される。
一方の大径部41は、連結軸挿入用貫通孔4の一端開口より延長して一方の梁構成部材2Aの対向面2aと対向する側面21に開口する大径孔に形成される。
同様に、他方の大径部41は、連結軸挿入用貫通孔4の他端開口より延長して他方の梁構成部材2Bの対向面2aと対向する側面21に開口する大径孔に形成される。
即ち、一方の梁構成部材2Aの下面20と梁接合板33で区切られた床接合板32の一方の上面32aとを接触させるとともに、他方の梁構成部材2Bの下面2uと梁接合板33で区切られた床接合板32の他方の上面32bとを接触させた状態に設定する。
その後、連結軸5を連結軸挿入用貫通孔4に挿入し、連結軸挿入用貫通孔4の両端側に位置される大径部41,41にそれぞれナット6を挿入して当該ナット6を連結軸5の端部のねじ部51に螺着して締結することにより、一方の梁構成部材2Aと梁接合板33と他方の梁構成部材2Bとが接合され、図5(b)に示すような、梁2の側面21,21よりも外方向に突出する床接合部31,31を備えた梁2が構成される。
また、図4に示すように、梁接合板33を構成する縦板の高さ寸法が、一方の梁構成部材2Aの及び他方の梁構成部材2Bの梁せいの高さ(上下高さ)寸法よりも小さい場合には、梁2の上面に開口する対向面2a,2a間の間隙に例えば木製の板2Cを挟みこむようにしてもよい。尚、当該板2Cは必ずしも設けなくともよい。
さらに、一方の梁構成部材2Aに形成された貫通孔4Aと梁接合板33に形成された貫通孔4Cと他方の梁構成部材2Bに形成された貫通孔4Bとを一致させた連結軸挿入用貫通孔4を形成し、当該連結軸挿入用貫通孔4に貫通させた連結軸5の両端側のねじ部51,51にそれぞれナット6を螺着して締結する。
以上により、梁2の下面20において梁幅方向及び材軸方向に延長して梁2の側面21,21よりも外方向に突出する床接合部31を有した梁2が構成される。
尚、床部1に形成された貫通孔40Aの上端側には、ナット6の径に対応して当該ナット6の径より若干大きい寸法の径に形成された大径部42を備えている。
連結軸50としては、例えばボルトを用いればよい。
即ち、逆梁工法を採用する木造建物において、床部1と上部側が床部1の上面1tよりも上方に突出するように配置される木質の梁2とを簡単に接合できる梁床接合構造を提供できる。
図1に示すように、床部は、上述したCLT又は集成材により形成された木質の床部1と、当該床部1の上面にコンクリートを打設して形成されたコンクリート床部1Cとで構成された床部1Aであってもよい。
実施形態1,2によれば、逆梁となる木質の梁2の上面2tと床板構成部11の下面11uとの間に、遮音性能を有した材料により形成された床板構成部支持体12を設けた構成としたが、複数の支持脚10の台座10c上、及び、梁2の上面2tに、基材11Zを載置し、この基材11Zの上に床板構成部11を設けた構成の二重床構造としてもよい。
即ち、梁2の上面2tと床板構成部11の下面11uとの間に設けられる床板構成部支持体12の代わりに基材11Zを設けるようにしてもよい。
この場合、例えば、基材11Zの下面と木質の梁2の上面2tとを接触させた状態で、基材11Zと梁2とを、例えば、釘、スクリュー釘、タッカー針、ビス等の固定手段によって固定すればよい。
実施形態1,2によれば、逆梁となる木質の梁2の上面2tと床板構成部11の下面11uとの間に、遮音性能を有した材料により形成された床板構成部支持体12を設けた構成としたが、逆梁となる木質の梁2の上面2tと床板構成部11の下面11uとを接触させた構成の二重床構造としてもよい。
この場合、例えば、床板構成部11の下地材11Aの下地の下面11uと木質の梁2の上面2tとを接触させた状態で、下地材11Aと梁2とを、例えば、釘、スクリュー釘、タッカー針、ビス等の固定手段によって固定すればよい。
また、これら接合手段の数は、部材の大きさ等に応じて決めればよい。
12 床板構成部支持体、30 T形鋼(接合部材)、31 床接合部、
32 床接合板、33 梁接合板。
Claims (6)
- 木質の床部と、
床部と接合されて上部側が床部の上面よりも上方に突出するように設けられた木質の梁と、
床部の上に配置された複数の支持脚と、
複数の支持脚及び梁の上に設けられた床板構成部と、
を備えたことを特徴とする二重床構造。 - 梁の上面と床板構成部との間に、遮音性能を有した材料により形成された床板構成部支持体を備えたことを特徴とする請求項1に記載の二重床構造。
- 床板構成部支持体は、梁の上面と接触する面及び床板構成部と接触する面のうちの少なくとも一方の面が凹凸面に形成された板であることを特徴とする請求項2に記載の二重床構造。
- 床板構成部支持体は、複数の板が積層されて構成され、
複数の板は、それぞれ異なる材料により形成された遮音性能が異なる板、あるいは、それぞれ同じ材料により形成されて遮音性能が異なる板であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の二重床構造。 - 床部と梁とが金属製の接合部材を介して接合され、
接合部材は、梁の下面に沿って当該梁の材軸方向及び梁の幅方向に延長するとともに梁の幅方向において梁の側面よりも外方向に突出する床接合部を有した床接合板と、床接合板より延長するように設けられた梁接合板とを備え、
梁接合板と梁とが接合手段により接合され、かつ、床接合板の床接合部と床部とが接合手段により接合されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の二重床構造。 - 木質の床部は、CLT又は集成材により形成された床部、あるいは、CLT又は集成材により形成された床部と当該床部の上面にコンクリートを打設して形成されたコンクリート床部とで構成された床部であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の二重床構造。
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