JP2020147550A - ジチオリン酸亜鉛の製造方法およびジチオリン酸亜鉛の腐食性改善方法 - Google Patents

ジチオリン酸亜鉛の製造方法およびジチオリン酸亜鉛の腐食性改善方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、腐食性が改善されたジチオリン酸亜鉛を得るためのジチオリン酸亜鉛の製造方法を提供する。【解決手段】本発明は、五硫化二リンと、炭素数4〜14の炭化水素基を有するアルコール化合物および酸化亜鉛を用いて合成された、腐食性を有するジチオリン酸亜鉛に特定のエポキシ化合物を一定条件下で混合することを含むジチオリン酸亜鉛の製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、腐食性が改善されたジチオリン酸亜鉛の製造方法および、ジチオリン酸亜鉛の腐食性改善方法に関する。
潤滑油、加工油、グリース、燃料油等の分野においては、各種流体の潤滑性や耐摩耗性等を改善するための添加剤として、ジチオリン酸亜鉛が用いられている。ジチオリン酸亜鉛は、そのアルキル基構造の調整等により優れた耐摩耗性を発揮できることから、さまざまな構造のジチオリン酸亜鉛が開発されてきた(例えば、特許文献1〜3)。
しかし、ジチオリン酸亜鉛は、添加剤として高い酸化防止性能や耐摩耗性を発揮する一方で、通常の合成方法では銅板腐食性を有するジチオリン酸亜鉛が得られてしまうなどの実用上の課題があった。このような課題への対策として、特許文献4に記載の方法のように、各原料の構造や特性を厳密に選定して反応を制御して、材料混合や反応を氷冷環境下で行う等の方法により改善を図る方法が提案されている。しかしこのような方法を用いた場合、使用する原材料の調達コストが嵩んだり、反応過程において生じる硫化水素の処理のための機器設備が大規模化したりするなど実用面で問題があった。
特公昭48−37251号公報 特開昭47−32005号公報 特開平3−223295号公報 特開平11−322771号公報
従って、本発明は、腐食性が改善されたジチオリン酸亜鉛の簡便な製造方法及び簡便な手段でジチオリン酸亜鉛の腐食性を改善する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の工程を含むジチオリン酸亜鉛の製造方法により、腐食性が改善されたジチオリン酸亜鉛が得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、五硫化二リンと、炭素数4〜14の炭化水素基を有するアルコール化合物とを反応させる第1の工程と、
第1の工程で得られた生成物に酸化亜鉛を添加して中和する第2の工程と、
第2の工程で得られた生成物に、炭素数6〜14のα−オレフィンオキサイド、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキルグリシジルエーテルおよびこれらの混合物からなる群から選択されるエポキシ化合物を添加し、20〜130℃で10分〜10時間混合する第3の工程と、を含むジチオリン酸亜鉛の製造方法である。
また、本発明は、ジチオリン酸亜鉛に、炭素数6〜14のα−オレフィンオキサイド、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキルグリシジルエーテルおよびこれらの混合物からなる群から選択されるエポキシ化合物を添加し、20〜130℃で10分〜10時間混合する、ジチオリン酸亜鉛の腐食性改善方法も提供する。
本発明によれば、特定のエポキシ化合物を混合するという簡便な方法で腐食性が改善されたジチオリン酸亜鉛の製造方法を提供することができる。また、本発明では、腐食性を有するジチオリン酸亜鉛に、特定のエポキシ化合物を混合するという簡便な手段でその腐食性を改善する方法を提供する。
本発明は、第1の工程として、五硫化二リンと、炭素数4〜14の炭化水素基を有するアルコール化合物とを反応させる。この第1の工程により得られる生成物はジチオリン酸である。五硫化二リンと炭素数4〜14の炭化水素基を有するアルコール化合物とを反応させる方法としては特に限定されず、例えば、特公昭48−37251号、特開昭47−32005号、特開平11−322771号等に記載のジチオリン酸の合成方法において、原料として五硫化二リンと炭素数4〜14の炭化水素基を有するアルコール化合物を用いる方法等が挙げられる。本発明に用いる五硫化ニリンとしては特に限定されず、公知のものを用いることができる。
第1の工程としてジチオリン酸を合成する工程に用いる炭素数4〜14の炭化水素基を有するアルコール化合物としては、例えば、炭素数4〜14のアルキル基を有するアルコール化合物、炭素数6〜14のアリール基を有するアルコール化合物等が挙げられ、得られるジチオリン酸亜鉛の耐摩耗性、腐食性の観点からは、アルコール化合物として少なくとも1種の炭素数4〜14のアルキル基を有するアルコール化合物を用いることが好ましい。このような炭素数4〜14のアルキル基を有するアルコール化合物としては、例えば、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、イソヘプタノール、オクタノール、イソオクタノール、ノナノール、イソノナノール、デカノール、イソデカノール、ウンデカノール、イソウンデカノール、ドデカノール、イソドデカノール、トリデカノール、イソトリデカノール、テトラデカノール、イソテトラデカノール等が挙げられ、これらの中でも、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルコール化合物を少なくとも用いることがより好ましく、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルコール化合物のみを用いることが更により好ましく、炭素数8または12のアルキル基を有するアルコール化合物のみを用いることが特に好ましい。本発明においては、アルコール化合物として、炭素数4〜14の炭化水素基を有する1種のアルコール化合物を用いても、炭素数4〜14の炭化水素基を有する2種以上のアルコール化合物を用いてもよい。
ジチオリン酸の合成に用いる五硫化二リンと炭素数4〜14の炭化水素基を有するアルコール化合物の使用量は特に制限されないが、ジチオリン酸亜鉛の収率および得られるジチオリン酸亜鉛の諸特性の観点から、例えば、五硫化ニリン1モルに対してアルコール化合物を3.8〜4.8モル、好ましくは4.0〜4.4モル用いることが好ましい。
五硫化二リンと炭素数4〜14の炭化水素基を有するアルコール化合物とを反応させる条件等は特に限定されないが、例えば、窒素ガスを吹き込みながら、常圧下、40〜200℃、より好ましくは60〜160℃で1〜12時間反応させることにより、硫化水素を副生しながらジチオリン酸を得る方法等を用いることができる。ジチオリン酸を合成する工程においては、上述した方法を用いることで、本発明に好適に用いることができるジチオリン酸を合成することができる。
本発明は、第2の工程として、第1の工程で得られた生成物、すなわち、ジチオリン酸に酸化亜鉛を添加して中和することによりジチオリン酸亜鉛を合成する工程を含む。この工程で得られるジチオリン酸亜鉛は腐食性を伴い、本発明の最終的な目的物である、腐食性が改善されたジチオリン酸亜鉛とは異なる。
本発明のジチオリン酸亜鉛の製造方法の第2の工程であるジチオリン酸亜鉛を合成する工程は、前述したジチオリン酸の合成工程により得られたジチオリン酸に酸化亜鉛を添加して中和する工程である。ジチオリン酸に酸化亜鉛を添加して中和する条件等としては特に限定されず、例えば、特公昭48−37251号、特開昭47−32005号、特開平11−322771号等に記載の条件等を用いることができ、具体的には、例えば、酸化亜鉛1モルに対して得られたジチオリン酸を1.0〜2.0モル、より好ましくは1.1〜1.9モル、更により好ましくは1.2〜1.8モル使用し、常圧下、20〜120℃、より好ましくは40〜100℃、更により好ましくは60〜80℃で3〜12時間反応させることにより、ジチオリン酸亜鉛を合成することができる。ジチオリン酸を酸化亜鉛で中和する際、酸化亜鉛に加えて水酸化亜鉛、炭酸亜鉛などの亜鉛化合物を併用してもよく、また反応性の制御等のために、水、硝酸亜鉛等の反応促進剤等を添加してもよい。また、反応後、副生する水を減圧により留去したり、未反応の酸化亜鉛等の固形物をろ過により除去したりしてもよい。
本発明は、第3の工程として、第2の工程で得られた生成物である、腐食性を伴うジチオリン酸亜鉛に、炭素数6〜14のα−オレフィンオキサイド、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキルグリシジルエーテルおよびこれらの混合物からなる群から選択されるエポキシ化合物を添加し、20〜130℃で10分〜10時間混合する工程である。
なおα−オレフィンオキサイドとは、直鎖または分岐オレフィンにおいて主鎖末端にエポキシ基を有する化合物を表し、アルキルグリシジルエーテルとは、モノアルキルグリセリルエーテルの2つの水酸基が1つのエポキシ基に置き換わった化合物を表す。
本発明の第3の工程に用いることができるエポキシ化合物である炭素数6〜14のα−オレフィンオキサイド、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキルグリシジルエーテルとしては特に限定されないが、例えば、炭素数6のα−オレフィンオキサイド、炭素数7のα−オレフィンオキサイド、炭素数8のα−オレフィンオキサイド、炭素数9のα−オレフィンオキサイド、炭素数10のα−オレフィンオキサイド、炭素数11のα−オレフィンオキサイド、炭素数12のα−オレフィンオキサイド、炭素数13のα−オレフィンオキサイド、炭素数14のα−オレフィンオキサイド、ブチルグリシジルエーテル、ペンチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、シクロヘキシルグリシジルエーテル、ヘプチルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、エチルヘキシルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル等が挙げられる。本発明において、理論には制限されないが、第3の工程としてこのようなエポキシ化合物を用いることにより、得られるジチオリン酸亜鉛の耐摩耗性、酸化防止性といった諸特性を維持したまま腐食性を改善することができる。
本発明の第3の工程においては、エポキシ化合物として、1種または2種以上の炭素数6〜14のα−オレフィンオキサイド、1種または2種以上の炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキルグリシジルエーテル、またはこれらの混合物を用いることができる。最終目的物であるジチオリン酸亜鉛の腐食性改善および諸特性の維持の観点から、前記エポキシ化合物としては、炭素数8〜14のα−オレフィンオキサイドのいずれか1種、または炭素数6〜10のアルキル基を有するアルキルグリシジルエーテルのいずれか1種を必ず用いることが好ましく、炭素数8〜12のα−オレフィンオキサイドのいずれか1種、または炭素数6〜8のアルキル基を有するアルキルグリシジルエーテルのいずれか1種を必ず用いることがより好ましい。
本発明の第3の工程に用いるエポキシ化合物は、市販品を用いてもよいし、公知の製造方法により製造してもよい。このうち、炭素数6〜14のα−オレフィンオキサイドの製造方法としては、例えば、油化学第8巻第8号333−339頁(1959)に記載の過酸によるオレフィンのエポキシ化等の方法を用いることができ、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキルグリシジルエーテルの製造方法としては、例えば、特開昭52−000214号公報等に記載のアルコールとエピクロロヒドリンとを反応させる方法等を用いることができる。
本発明の第3の工程における、第2の工程の生成物であるジチオリン酸亜鉛へのエポキシ化合物の添加量は特に限定されないが、最終目的物であるジチオリン酸亜鉛の腐食性改善および諸特性の維持の観点から、第2の工程の生成物であるジチオリン酸亜鉛100質量部に対し、エポキシ化合物の添加量が0.01〜10.0質量部であることが好ましく、0.1〜5.0質量部であることがより好ましく、0.5〜3.0質量部であることが更により好ましい。
本発明の第3の工程は、第2の工程の生成物であるジチオリン酸亜鉛へエポキシ化合物を添加し、20〜130℃で10分〜10時間混合する工程である。本発明においては、このような条件で混合することにより、理論には制限されないが、最終目的物であるジチオリン酸亜鉛の耐摩耗性、酸化防止性といった諸特性を維持したまま腐食性を改善することができる。このとき、最終目的物であるジチオリン酸亜鉛の腐食性をより改善する観点からは、減圧〜加圧環境下で、好ましくは60〜120℃、より好ましくは90〜110℃で、好ましくは1時間〜7時間、より好ましくは2時間〜5時間混合してもよい。また、この工程は常圧下で行うことが好ましい。
本発明の第3の工程に用いるエポキシ化合物としては、最終目的物であるジチオリン酸亜鉛の腐食性改善および諸特性の維持の観点から、用いる炭素数6〜14のα−オレフィンオキサイドの炭素数と、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキルグリシジルエーテルのアルキル基の炭素数との平均炭素数が4〜12であることが好ましい。この平均炭素数(以下、「エポキシ化合物の平均炭素数」と記載することがある)は、使用した炭素数6〜14のα−オレフィンオキサイドの炭素数と、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキルグリシジルエーテルのアルキル基の炭素数と、エポキシ化合物中の各化合物のモル比率に基づき算出することができる。また、エポキシ化合物として1種または2種以上の炭素数6〜14のα−オレフィンオキサイドのみを用いる場合は、各α−オレフィンオキサイドの炭素数および各化合物のモル比率に基づきエポキシ化合物の平均炭素数を算出することができ、また、エポキシ化合物として1種または2種以上の炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキルグリシジルエーテルのみを用いる場合は、各アルキルグリシジルエーテルのアルキル基の炭素数及び各化合物のモル比率に基づきエポキシ化合物の平均炭素数を算出することができる。
本発明のジチオリン酸亜鉛の製造方法においては、最終目的物であるジチオリン酸亜鉛の腐食性改善および諸特性の維持の観点から、アルコール化合物として少なくとも1種の炭素数4〜14のアルキル基を有するアルコール化合物を用いることが好ましく、このとき、炭素数4〜14のアルキル基を有するアルコール化合物のアルキル基の平均炭素数と、第3の工程で用いるエポキシ化合物の平均炭素数との差が、8以下であることが好ましい。本発明においては、このような構成とすることで、ジチオリン酸亜鉛の諸特性をより高い水準で維持することができる。なお本発明において、2種以上のアルコール化合物を使用した場合は、使用した各アルコール化合物のアルキル基の炭素数とモル比率に基づき算出した平均炭素数をアルコール化合物の平均炭素数として扱う。本発明においては、ジチオリン酸亜鉛の諸特性の維持の観点からは、ジチオリン酸の製造工程で用いるアルコール化合物のアルキル基の平均炭素数と、第3の工程で用いるエポキシ化合物の平均炭素数との差は0以上6以下がより好ましく、0以上4以下が更により好ましい。
本発明のジチオリン酸亜鉛の腐食性改善方法は、ジチオリン酸亜鉛に、炭素数6〜14のα−オレフィンオキサイド、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキルグリシジルエーテルおよびこれらの混合物からなる群から選択されるエポキシ化合物を添加し、20〜130℃で10分〜10時間混合する方法である。本発明のジチオリン酸亜鉛の腐食性改善方法に用いるジチオリン酸亜鉛は、亜鉛元素に2つのチオリン酸基またはそのアルキル誘導体が配位した構造であれば特に限定されないが、例えば、下記の一般式(1)で表されるジチオリン酸亜鉛が挙げられる。
Figure 2020147550
一般式(1)のR〜Rは、それぞれ独立して炭素数4〜14の炭化水素基を表す。このような基としては、例えば、炭素数4〜14の直鎖アルキル基、炭素数4〜14の分岐アルキル基、炭素数4〜14の直鎖アルケニル基、炭素数4〜14の分岐アルケニル基、炭素数4〜14の脂環式炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基等が挙げられる。本発明においては、一般式(1)で表される1種または2種以上のジチオリン酸亜鉛を用いることができる。これらの中でも、ジチオリン酸亜鉛の諸特性の観点から、R〜Rはそれぞれ独立して炭素数4〜14の直鎖アルキル基または炭素数4〜14の分岐アルキル基であることが好ましく、具体的には、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、オクチル基、エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、イソウンデシル基、ドデシル基、イソドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、イソテトラデシル基であることが好ましい。
一般式(1)のR〜Rは、それぞれ同一の炭化水素基であっても異なる炭化水素基であってもよいが、腐食性改善の観点から、RとR、RとRがそれぞれ同一の炭化水素基であることが好ましく、R〜Rがすべて同一の基であることが特に好ましい。このようなジチオリン酸亜鉛は、市販品を用いてもよく、公知の方法、例えば前述したようなジチオリン酸亜鉛の合成方法(前記第1および第2の工程)により合成してもよい。
本発明のジチオリン酸亜鉛の腐食性改善方法に用いる炭素数6〜14のα−オレフィンオキサイド、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキルグリシジルエーテルは、例えば、炭素数6のα−オレフィンオキサイド、炭素数7のα−オレフィンオキサイド、炭素数8のα−オレフィンオキサイド、炭素数9のα−オレフィンオキサイド、炭素数10のα−オレフィンオキサイド、炭素数11のα−オレフィンオキサイド、炭素数12のα−オレフィンオキサイド、炭素数13のα−オレフィンオキサイド、炭素数14のα−オレフィンオキサイド、ブチルグリシジルエーテル、ペンチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、シクロヘキシルグリシジルエーテル、ヘプチルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、エチルヘキシルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル等が挙げられる。本発明においては、このようなエポキシ化合物うち1種または2種以上を用いることにより、ジチオリン酸亜鉛の耐摩耗性、酸化防止性といった諸特性を維持したまま腐食性を改善することができる。これらの中でも、腐食性改善効果をより高める観点からは、エポキシ化合物として、炭素数8〜14のα−オレフィンオキサイドのいずれか1種、または炭素数6〜10のアルキル基を有するアルキルグリシジルエーテルのいずれか1種を必ず用いることが好ましく、炭素数8〜12のα−オレフィンオキサイドのいずれか1種、または炭素数6〜8のアルキル基を有するアルキルグリシジルエーテルのいずれか1種を必ず用いることがより好ましい。
本発明のジチオリン酸亜鉛の腐食性改善方法においては、ジチオリン酸亜鉛の諸特性をより高い水準で維持する観点からは、ジチオリン酸亜鉛の4つのアルキル基の平均炭素数(例えば、式(1)のR〜Rの平均炭素数)と、炭素数6〜14のα−オレフィンオキサイドの炭素数と、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキルグリシジルエーテルのアルキル基の炭素数との平均炭素数との差が8以下であることが好ましく、0以上6以下であることがより好ましく、0以上4以下であることが更により好ましい。
本発明のジチオリン酸亜鉛の腐食性改善方法における、ジチオリン酸亜鉛へのエポキシ化合物の添加方法は特に限定されないが、例えば、ジチオリン酸亜鉛100質量部に対し、0.01〜10.0質量部のエポキシ化合物を0〜130℃、常圧下を含む減圧〜加圧環境下で添加する方法等が挙げられる。このとき、得られるジチオリン酸亜鉛の腐食性改善および諸特性の維持の観点からは、エポキシ化合物の添加量はジチオリン酸亜鉛100質量部に対して0.1〜5.0質量部であることが好ましく、0.5〜3.0質量部であることが更により好ましい。
本発明のジチオリン酸亜鉛の腐食性改善方法は、前述した方法等によりジチオリン酸亜鉛へエポキシ化合物を添加した後、20〜130℃、常圧下を含む減圧〜加圧環境下で10分〜10時間混合する方法である。本発明においては、このような方法を用いることで、ジチオリン酸亜鉛の耐摩耗性、酸化防止性といった諸特性を維持したまま腐食性を改善することができる。得られるジチオリン酸亜鉛の腐食性をより改善する観点から、60〜120℃で混合することが好ましく、90〜110℃で混合することが好ましい。また、得られるジチオリン酸亜鉛の腐食性改善および諸特性の維持の観点から、1時間〜7時間混合することが好ましく、2時間〜5時間混合することがより好ましい。なお、エポキシ化合物を常圧下で混合することが好ましい。
本発明のジチオリン酸亜鉛の製造方法および、ジチオリン酸亜鉛の腐食性改善方法を用いて得られたジチオリン酸亜鉛はそれぞれ、酸化防止剤、腐食防止剤、耐摩耗剤等として各種用途に用いることができ、例えば、エンジン油、ギヤ油、タービン油、作動油、難燃性作動液、冷凍機油、コンプレッサー油、真空ポンプ油、軸受油、金属加工油、塑性加工油、絶縁油、しゅう動面油、ロックドリル油、金属加工油、塑性加工油、熱処理油、グリース等の潤滑油組成物や各種燃料油組成物に使用することができる。これらの中でも、エンジン油、金属加工油、塑性加工油、軸受油、グリースに使用することが好ましく、エンジン油、金属加工油、塑性加工油に使用することが最も好ましい。
本発明により得られるジチオリン酸亜鉛を含む潤滑油組成物に使用できる基油としては特に限定されず、使用目的や条件に応じて適宜、鉱物基油、化学合成基油、動植物基油及びこれらの混合基油等から選択できる。
鉱物基油としては、例えば、パラフィン基系原油、ナフテン基系原油又は中間基系原油を常圧蒸留するか、或いは常圧蒸留の残渣油を減圧蒸留して得られる留出油又はこれらを常法に従って精製することによって得られる精製油、具体的には溶剤精製油、水添精製油、脱ロウ処理油及び白土処理油等が挙げられる。
化学合成基油としては、例えば、ポリ−α−オレフィン、ポリイソブチレン(ポリブテン)、モノエステル、ジエステル、ポリオールエステル、ケイ酸エステル、ポリアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、シリコーン、フッ素化化合物、アルキルベンゼン及びGTL基油等が挙げられ、これらの中でも、ポリ−α−オレフィン、ポリイソブチレン(ポリブテン)、ジエステル及びポリオールエステル等は汎用的に使用することができ、ポリ−α−オレフィンとしては例えば、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン及び1−テトラデセン等をポリマー化又はオリゴマー化したもの、或いはこれらを水素化したもの等が挙げられ、ジエステルとしては例えば、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸及びドデカン二酸等の2塩基酸と、2−エチルヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール及びトリデカノール等のアルコールのジエステル等が挙げられ、ポリオールエステルとしては例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びトリペンタエリスリトール等のポリオールと、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸等の脂肪酸とのエステル等が挙げられる。
動植物基油としては、例えば、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、コーン油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、ひまわり油、綿実油及びヤシ油等の植物性油脂、牛脂、豚脂、乳脂、魚油及び鯨油等の動物性油脂が挙げられる。
上記基油のいずれか1種を用いても2種以上を用いてもよい。また必要に応じ、これらの基油を高度に精製し硫黄等の不純物量を低減させた高度精製基油を用いてもよい。
本発明の製造方法により得られる、または、本発明の腐食性改善方法で処理したジチオリン酸亜鉛を含む潤滑油組成物における、前述したジチオリン酸亜鉛の含有量は特に限定されないが、耐摩耗性等の観点から、例えば潤滑油組成物がその全量に対してジチオリン酸亜鉛をリン元素量で0.001〜10質量%含有することが好ましく、0.01〜5質量%含有することがより好ましい。
本発明により得られるジチオリン酸亜鉛を含む潤滑油組成物は、摩擦特性、摩耗特性、酸化安定性、温度安定性、保存安定性、清浄性、防錆性、腐食防止性、取扱い性等の観点等から、さらに使用目的に応じて公知の添加剤を含んでいてもよい。例えば、摩擦低減剤、耐摩耗剤、酸化防止剤、油性向上剤、清浄剤、分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、防錆剤、腐食防止剤、金属不活性化剤、消泡剤などの1種又は2種以上が含有されていてもよく、これらの添加剤は合計で、潤滑油組成物全量に対し、例えば0.01〜50質量%の量で含有され得る。
摩擦低減剤としては、例えば、モリブデンジチオカルバメート、モリブデンジチオフォスフェート等の有機モリブデン化合物が挙げられる。モリブデンジチオカルバメートとしては、例えば炭素数1〜20の炭化水素基を有するモリブデンジチオカルバメートが挙げられ、これらの中でも、炭素数3〜15の飽和脂肪族炭化水素基を有するモリブデンジチオカルバメートが好ましい。モリブデンジチオカルバメートの好ましい配合量は、潤滑油組成物中のモリブデン含量が50〜3000質量ppmとなる量であり、より好ましくは100〜2000質量ppmとなる量であり、さらに好ましくは200〜1500質量ppmとなる量である。
耐摩耗剤としては、例えば、硫化油脂、オレフィンポリスルフィド、硫化オレフィン、ジベンジルスルフィド、エチル−3−[[ビス(1−メチルエトキシ)フォスフィノチオイル]チオ]プロピオネート、トリス−[(2、又は4)−イソアルキルフェノール]チオフォスフェート、3−(ジ−イソブトキシ−チオホスホリルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸、トリフェニルフォスフォロチオネート、β−ジチオホスフォリル化プロピオン酸、メチレンビス(ジブチルジチオカーバメイト)、O,O−ジイソプロピル−ジチオフォスフォリルエチルプロピオネート、2,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブタンチオ)1,3,4−チアジアゾール、及び2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール等の硫黄系耐摩耗剤;モノオクチルフォスフェート、ジオクチルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、モノブチルフォスフェート、ジブチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、モノフェニルフォスフェート、ジフェニルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、モノイソプロピルフェニルフォスフェート、ジイソプロピルフェニルフォスフェート、トリイソプロピルフェニルフォスフェート、モノターシャリーブチルフェニルフォスフェート、ジ−tert−ブチルフェニルフォスフェート、トリ−tert−ブチルフェニルフォスフェート、トリフェニルチオフォスフェート、モノオクチルフォスファイト、ジオクチルフォスファイト、トリオクチルフォスファイト、モノブチルフォスファイト、ジブチルフォスファイト、トリブチルフォスファイト、モノフェニルフォスファイト、ジフェニルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、モノイソプロピルフェニルフォスファイト、ジイソプロピルフェニルフォスファイト、トリイソプロピルフェニルフォスファイト、モノ−tert−ブチルフェニルフォスファイト、ジ−tert−ブチルフェニルフォスファイト、及びトリ−tert−ブチルフェニルフォスファイト等のリン系化合物;ナフテン酸金属塩、脂肪酸金属塩、リン酸金属塩、リン酸エステル金属塩、及び亜リン酸エステル金属塩等の有機金属化合物(ただし本発明により得られるジチオリン酸亜鉛を除く);その他、ホウ素化合物、モノ及びジヘキシルフォスフェートのアルキルアミン塩、リン酸エステルアミン塩、及びトリフェニルチオリン酸エステルとtert−ブチルフェニル誘導体の混合物等が挙げられる。耐摩耗剤の好ましい配合量は、潤滑油組成物全量に対して0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜3質量%である。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−ターシャリブチルフェノール(以下、ターシャリブチルをt−ブチルと略記する。)、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸オクチル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ステアリル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸オレイル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ドデシル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸デシル、テトラキス{3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオニルオキシメチル}メタン、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸グリセリンモノエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸とグリセリンモノオレイルエーテルとのエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ブチレングリコールジエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸チオジグリコールジエステル、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)サルファイド、トリス{(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル}イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4―ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、ビス{2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル}サルファイド、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラフタロイル−ジ(2,6−ジメチル−4−t−ブチル−3−ヒドロキシベンジルサルファイド)、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−{ジエチル−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)}プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシナミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル−リン酸ジエステル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)サルファイド、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス{3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グリコールエステル等のフェノール系酸化防止剤;1−ナフチルアミン、フェニル−1−ナフチルアミン、p−オクチルフェニル−1−ナフチルアミン、p−ノニルフェニル−1−ナフチルアミン、p−ドデシルフェニル−1−ナフチルアミン、フェニル−2−ナフチルアミン等のナフチルアミン系酸化防止剤;N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジイソブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、ジオクチル−p−フェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニルオクチル−p−フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン系酸化防止剤;ジピリジルアミン、ジフェニルアミン、p,p’−ジ−n−ブチルジフェニルアミン、p,p’−ジ−t−ブチルジフェニルアミン、p,p’−ジ−t−ペンチルジフェニルアミン、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、p,p’−ジノニルジフェニルアミン、p,p’−ジデシルジフェニルアミン、p,p’−ジドデシルジフェニルアミン、p,p’−ジスチリルジフェニルアミン、p,p’−ジメトキシジフェニルアミン、4,4’−ビス(4−α,α−ジメチルベンゾイル)ジフェニルアミン、p−イソプロポキシジフェニルアミン、ジピリジルアミン等のジフェニルアミン系酸化防止剤;フェノチアジン、N−メチルフェノチアジン、N−エチルフェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、フェノチアジンカルボン酸エステル、フェノセレナジン等のフェノチアジン系酸化防止剤等が挙げられる。これら酸化防止剤の好ましい配合量は、潤滑油組成物全量に対して0.01〜5質量%、より好ましくは0.05〜4質量%である。
油性向上剤としては、例えば、オレイルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類;オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸類;オレイルグリセリンエステル、ステアリルグリセリンエステル、ラウリルグリセリンエステル等のエステル類;ラウリルアミド、オレイルアミド、ステアリルアミド等のアミド類;ラウリルアミン、オレイルアミン、ステアリルアミン等のアミン類が挙げられる。これら油性向上剤の好ましい配合量は、潤滑油組成物全量に対して0.1〜5質量%、より好ましくは0.2〜3質量%である。
清浄剤としては、例えば、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどのスルフォネート、フェネート、サリシレート、フォスフェート及びこれらの過塩基性塩が挙げられる。これらの中でも過塩基性塩が好ましく、過塩基性塩の中でもTBN(全塩基価)が30〜500mgKOH/gのものがより好ましい。更に、リン及び硫黄原子のないサリシレート系の清浄剤が好ましい。これらの清浄剤の好ましい配合量は、潤滑油組成物全量に対して0.5〜10質量%、より好ましくは1〜8質量%である。
無灰分散剤としては、潤滑剤に用いられる無灰分散剤であれば特に制限なく用いることができるが、例えば、炭素数40〜400の直鎖、若しくは分枝状のアルキル基、又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有する含窒素化合物、又はその誘導体等が挙げられる。具体的には、コハク酸イミド、コハク酸アミド、コハク酸エステル、コハク酸エステル−アミド、ベンジルアミン、ポリアミン、ポリコハク酸イミド及びマンニッヒ塩基等が挙げられ、その誘導体としては、これら含窒素化合物にホウ酸、ホウ酸塩等のホウ素化合物、チオリン酸、チオリン酸塩等のリン化合物、有機酸及びヒドロキシポリオキシアルキレンカーボネート等を作用させたもの等が挙げられる。アルキル基又はアルケニル基の炭素数が40未満の場合は化合物の基油に対する溶解性が低下する場合があり、一方、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が400を越える場合は、潤滑油組成物の低温流動性が悪化する場合がある。これらの無灰分散剤の好ましい配合量は、潤滑油組成物全量に対して0.5〜10質量%、より好ましくは1〜8質量%である。
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリ(C1〜18)アルキル(メタ)アクリレート、(C1〜18)アルキルアクリレート/(C1〜18)アルキル(メタ)アクリレート共重合体、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート/(C1〜18)アルキル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン/(C1〜18)アルキル(メタ)アクリレート共重合体、ポリイソブチレン、ポリアルキルスチレン、エチレン/プロピレン共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体、スチレン/イソプレン水素化共重合体等が挙げられる。あるいは、分散性能を付与した分散型もしくは多機能型粘度指数向上剤を用いてもよい。重量平均分子量は10,000〜1,500,000程度である。これらの粘度指数向上剤の好ましい配合量は、潤滑油組成物全量に対して0.1〜20質量%、より好ましくは0.3〜15質量%である。
流動点降下剤としては、例えば、ポリアルキルメタクリレート、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルスチレン、ポリビニルアセテート等が挙げられ、重量平均分子量は1000〜100,000である。これらの流動点降下剤の好ましい配合量は、潤滑油組成物全量に対して0.005〜3質量%、より好ましくは0.01〜2質量%である。
防錆剤としては、例えば、亜硝酸ナトリウム、酸化パラフィンワックスカルシウム塩、酸化パラフィンワックスマグネシウム塩、牛脂脂肪酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアミン塩、アルケニルコハク酸又はアルケニルコハク酸ハーフエステル(アルケニル基の分子量は100〜300程度)、ソルビタンモノエステル、ノニルフェノールエトキシレート、ラノリン脂肪酸カルシウム塩等が挙げられる。これらの防錆剤の好ましい配合量は、潤滑油組成物全量に対して0.01〜3質量%、より好ましくは0.02〜2質量%である。
腐食防止剤、金属不活性化剤としては、例えば、トリアゾール、トリルトリアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール又はこれら化合物の誘導体である、2−ヒドロキシ−N−(1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ベンズアミド、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)−[(1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]アミン、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)−[(1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]アミン及び2,2’−[[(4又は5又は1)−(2−エチルヘキシル)−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−メチル]イミノ]ビスエタノール等が挙げられ、他にもビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスフィン酸、ヒドロキシホスホノ酢酸、テトラアルキルチウラムジサルファイド、N’1,N’12−ビス(2−ヒドロキシベンゾイル)ドデカンジハイドラジド、3−(3,5−ジ−t−ブチル−ヒドロキシフェニル)−N’−(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキシフェニル)プロパノイル)プロパンハイドラジド、テトラプロぺニルコハク酸と1,2−プロパンジオールのエステル化物、ジソディウムセバケート、(4−ノニルフェノキシ)酢酸、モノ及びジヘキシルフォスフェートのアルキルアミン塩、トリルトリアゾールのナトリウム塩及び(Z)−N−メチルN−(1−オキソ9−オクタデセニル)グリシン等が挙げられる。これら腐食防止剤、金属不活性化剤の好ましい配合量は、潤滑油組成物全量に対して0.01〜3質量%、より好ましくは0.02〜2質量%である。
消泡剤としては、例えば、ポリジメチルシリコーン、ジメチルシリコーンオイル、トリフルオロプロピルメチルシリコーン、コロイダルシリカ、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルメタクリレート、アルコールエトキシ/プロポキシレート、脂肪酸エトキシ/プロポキシレート及びソルビタン部分脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの消泡剤の好ましい配合量は、潤滑油組成物全量に対して0.001〜0.1質量%、より好ましくは0.001〜0.01質量%である。
以下、実施例及び比較例により本発明の詳細を説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。なお、以下の実施例等において、%は特に記載がない限り質量基準である。
<ジチオリン酸亜鉛1の合成>
攪拌棒、攪拌シール、温度計、還流冷却管及び窒素導入管を取り付け、硫化水素吸収用苛性ソーダ水トラップ瓶を接続したフラスコに、n−ブタノール296g(4.0モル)を、続いて五硫化二リン222g(1.0モル)を、硫化水素の発生に伴う発泡および発熱に注意しながら仕込み、100〜110℃に加熱して窒素を吹き込みながら5時間還流反応させた後、冷却した。計算量の硫化水素が発生し、ジブチルジチオリン酸484g(2.0モル)を得た(第1の工程)。得られたジブチルジチオリン酸242g(1.0モル)に、酸化亜鉛24g(0.3モル)を仕込み、60〜80℃で2時間常圧で反応させた後、100〜110℃、10Torr以下で1時間脱水することで、一般式(1)においてR〜Rがいずれも炭素数4の直鎖アルキル基であるジチオリン酸亜鉛1を合成した(第2の工程)。
<ジチオリン酸亜鉛2の合成>
n−ブタノールの代わりに2−ブタノール(3.0モル)と4−メチル−2−ペンタノール(1.0モル)を用いた(用いたアルコール化合物のアルキル基の平均炭素数は4.5)こと以外はジチオリン酸亜鉛1の製造と同様の方法により、一般式(1)においてR〜Rとして炭素数4の分岐アルキル基と炭素数6の分岐アルキル基を3:1の比率で有するジチオリン酸亜鉛2を合成した。
<ジチオリン酸亜鉛3の合成>
n−ブタノールの代わりに2−エチルヘキサノール(4.0モル)を用いたこと以外はジチオリン酸亜鉛1の製造と同様の方法により、一般式(1)においてR〜Rがいずれも炭素数8の分岐アルキル基であるジチオリン酸亜鉛3を合成した。
<ジチオリン酸亜鉛4の合成>
n−ブタノールの代わりにn−ドデカノール(4.0モル)を用いたこと以外はジチオリン酸亜鉛1の製造と同様の方法により、一般式(1)においてR〜Rがいずれも炭素数12の直鎖アルキル基であるジチオリン酸亜鉛4を合成した。
<使用したエポキシ化合物>
エポキシ化合物1:炭素数8の直鎖α−オレフィンオキサイド
エポキシ化合物2:炭素数12の直鎖α−オレフィンオキサイド
エポキシ化合物3:炭素数14の直鎖α−オレフィンオキサイド
エポキシ化合物4:ヘキシルグリシジルエーテル
エポキシ化合物5:エチルヘキシルグリシジルエーテル
エポキシ化合物6:シクロヘキシルグリシジルエーテル
<比較例に使用した化合物>
比較化合物1:エチルヘキシルアルコール
比較化合物2:ヘキシルグリコール
比較化合物3:エポキシ化アマニ油(株式会社ADEKA製 アデカサイザーO−180A。アルキル鎖の末端以外のみにエポキシ基を有する化合物)
<実施例1>
合成したジチオリン酸亜鉛1を99.0gフラスコに仕込み、そこへエポキシ化合物1を1.0g添加し、90℃、常圧で5時間混合することで、ジチオリン酸亜鉛を製造した。このとき、ジチオリン酸の合成工程で用いたアルコール化合物のアルキル基の平均炭素数は4であり、この実施例で用いたエポキシ化合物の平均炭素数は8であり、よってジチオリン酸の合成工程で用いたアルコール化合物のアルキル基の平均炭素数と、この実施例で用いたエポキシ化合物の平均炭素数との差は4であった。
<実施例2〜15、比較例1〜10>
用いたジチオリン酸亜鉛およびエポキシ化合物の種類及び添加量を、表1の通りに変更した以外は同様の方法により、実施例2〜15、比較例1〜10のジチオリン酸亜鉛を製造した。表中において、<10torrとは、混合を10Torr未満の圧力で行ったことを表す。なお比較例1〜4は第3の工程(エポキシ化合物の添加及び混合)を行わなかった例を表し、比較例5、6は第3の工程においてエポキシ化合物を添加しなかった例を表し、比較例7〜9は本発明に用いるエポキシ化合物以外の化合物を用いて第3の工程を行った例を表す。
Figure 2020147550
Figure 2020147550
Figure 2020147550
<腐食性の評価>
実施例1〜15、比較例1〜10で製造したジチオリン酸亜鉛について、CCT試験(銅板腐食試験)により腐食性の評価を行った。具体的には、JIS K 2513(2000)に記載の方法において、150℃、1時間の試験時間後の銅板の変色の程度を1a〜4cの12段階で評価した。各評価結果を表1〜3に示す。なお評価結果が1a〜2eであれば実用性を有する。
<極圧性の評価>
製造したジチオリン酸亜鉛について、ASTM D 2596に記載の方法に準拠して最大非融着荷重(LNSL)を測定し、各結果に基づき極圧性の評価を行った。具体的には、まず比較例1〜4のジチオリン酸亜鉛(本発明の第3の工程を行わなかったジチオリン酸亜鉛)について、シェル式高速4球試験機を用いて下記条件にて試験球が融着する直前の荷重である最大非融着荷重(LNSL)を測定した。なお最大非融着荷重とは、試験球への荷重を30kgfずつ増加(初期荷重=30kgf)して試験を行っていったときの、試験球が融着した荷重の1ステップ前の荷重を言う。次に、実施例1〜15、比較例5〜10で製造したジチオリン酸亜鉛についても同様の方法によりLNSLを測定した。そして、実施例1〜15、比較例5〜10の各ジチオリン酸亜鉛のLNSLの値と、それぞれ対応する第3の工程を行わなかったジチオリン酸亜鉛(比較例1〜4)のLNSLの値とを比較し、下記評価基準に基づき評価を行うことで、極圧性を評価した。結果をそれぞれ表4に示す。
<融着荷重の試験条件>
回転数:1768rpm
測定時間:10秒間
測定温度:室温
<極圧性の評価基準>
○:第3の工程を行わなかったジチオリン酸亜鉛のLNSL値と同値
△:第3の工程を行わなかったジチオリン酸亜鉛のLNSL値より1〜30kgf低い
×:第3の工程を行わなかったジチオリン酸亜鉛のLNSL値より31kgf以上低い
Figure 2020147550
上記の結果から、本発明の方法により得られたジチオリン酸亜鉛は、簡便な方法でその腐食性を改善することができ、かつ耐摩耗剤等としての性能を維持したジチオリン酸亜鉛であった。

Claims (8)

  1. 五硫化二リンと、炭素数4〜14の炭化水素基を有するアルコール化合物とを反応させる第1の工程と、
    第1の工程で得られた生成物に酸化亜鉛を添加して中和する第2の工程と、
    第2の工程で得られた生成物に、炭素数6〜14のα−オレフィンオキサイド、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキルグリシジルエーテルおよびこれらの混合物からなる群から選択されるエポキシ化合物を添加し、20〜130℃で10分〜10時間混合する第3の工程と、
    を含むジチオリン酸亜鉛の製造方法。
  2. 前記エポキシ化合物の添加量が、第2の工程で得られた生成物の質量100質量部に対して0.01〜10.0質量部である、請求項1に記載のジチオリン酸亜鉛の製造方法。
  3. 前記アルコール化合物が、炭素数4〜14のアルキル基を有するアルコールを含む、請求項1又は2に記載のジチオリン酸亜鉛の製造方法。
  4. 前記アルコール化合物のアルキル基の平均炭素数と、α−オレフィンオキサイドの炭素数とアルキルグリシジルエーテルのアルキル基の炭素数の平均炭素数との差が8以下である、請求項3に記載のジチオリン酸亜鉛の製造方法。
  5. ジチオリン酸亜鉛に、炭素数6〜14のα−オレフィンオキサイド、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキルグリシジルエーテルおよびこれらの混合物からなる群から選択されるエポキシ化合物を添加し、20〜130℃で10分〜10時間混合する、ジチオリン酸亜鉛の腐食性改善方法。
  6. 前記ジチオリン酸亜鉛が、五硫化二リンと、炭素数4〜14の炭化水素基を有するアルコール化合物とを反応させることによりジチオリン酸を合成する工程と、該ジチオリン酸に酸化亜鉛を添加して中和することにより合成されたジチオリン酸亜鉛である、請求項5に記載のジチオリン酸亜鉛の腐食性改善方法。
  7. 前記エポキシ化合物の添加量が、ジチオリン酸亜鉛の質量100質量部に対して0.01〜10.0質量部である、請求項5または6に記載のジチオリン酸亜鉛の腐食性改善方法。
  8. 前記ジチオリン酸亜鉛が、下記の一般式(1)で表されるジチオリン酸亜鉛である、請求項5〜7のいずれか1項に記載のジチオリン酸亜鉛の腐食性改善方法。
    Figure 2020147550
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立して炭素数4〜14の炭化水素基を表す)
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