〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るサーバの機能的構成の一例を示すブロック図である。図2は、本実施形態に係るサーバのハードウェア構成と、該サーバを含むシステムの概要とを示す図である。
本実施形態に係るサーバ1(情報処理装置)は、一例として、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータであってよい。本実施形態に係るサーバ1は、一例として、外部装置からの指示に基づき、対象となるエレベータの運転形態を一定期間変更する場合の、好適な時間帯を特定する。「運転形態を一定期間変更する」とは、例えば、メンテナンスのために、エレベータにおけるかごの移動を一定期間停止することである。つまりサーバ1は、この例において、エレベータのメンテナンスのための好適な時間帯を特定する。
サーバ1を含むシステムは、図2に示すように、エレベータシステム2A、2B、2Zを含む複数のエレベータシステム、端末装置3A、3B、3Zを含む複数の端末装置を含む。以降、複数のエレベータシステムおよび複数の端末装置を区別しない場合、「エレベータシステム2」、「端末装置3」と記載する。
<サーバ1のハードウェア構成>
図2に示すように、サーバ1は、プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、通信入出力IF(interface)23を備える。サーバ1が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。
プロセッサ20は、サーバ1の全体の動作を制御する。プロセッサ20は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、およびGPU(Graphics Processing Unit)を含む。プロセッサ20は、ストレージ22からプログラムを読み出し、該プログラムをメモリ21に展開する。そして、プロセッサ20は、展開したプログラムを実行する。
メモリ21は主記憶装置である。メモリ21は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶装置で構成される。メモリ21は、プロセッサ20がストレージ22から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ20に作業領域を提供する。メモリ21は、プロセッサ20がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。なお、本実施形態において、プロセッサ20が実行するプログラムは、例えば、エレベータのメンテナンスのための好適な時間帯を特定するためのプログラムである。
ストレージ22は、補助記憶装置である。ストレージ22は、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置で構成される。ストレージ22には、例えば、エレベータのメンテナンスのための好適な時間帯の特定に関する各種データが格納される。ストレージ22は、これらデータのうちの一部を格納するものであってもよい。この場合、その他のデータは、例えば、サーバ1と通信可能に接続された記憶装置(外部記憶装置)に格納される。外部記憶装置は、いわゆる周辺機器であってもよいし、いわゆるクラウドサービスのサーバ(サーバ1と異なるサーバ)であってもよい。
通信入出力IF23は、サーバ1における各種データの送受信を制御する。通信入出力IF23は、例えば、無線LAN(Local Area Network)を介する通信、有線LAN、無線LAN、または携帯電話回線網を介したインターネット通信、並びに、近距離無線通信などを用いた通信を制御する。
サーバ1は、一例として、図2に示すように、通信入出力IF23を介してエレベータシステム2(外部装置)および端末装置3とデータの送受信を行う。エレベータシステム2Aは、ビルAに設置されたエレベータの運行を制御するエレベータシステムである。エレベータシステム2Bは、ビルBに設置されたエレベータの運行を制御するエレベータシステムである。エレベータシステム2Zは、ビルZに設置されたエレベータの運行を制御するエレベータシステムである。つまり、エレベータシステム2の各々は、複数のビルのうちのいずれかのビルにおいて、該ビルに設置されたエレベータの運行を制御する。図2に示すように、サーバ1は、エレベータシステム2の各々とデータの送受信を行う。エレベータシステム2は、一例として、制御対象となるエレベータの制御盤であってもよい。該制御盤は、複数のエレベータを制御する1つの制御盤であってもよいし、複数のエレベータの各々を制御する複数の制御盤であってもよい。
端末装置3Aは、エレベータメーカーの支店aに設置された端末装置である。端末装置3Bは、エレベータメーカーの支店bに設置された端末装置である。端末装置3Zは、エレベータメーカーの支店zに設置された端末装置である。なお、本実施形態においては、支店a、b、zはそれぞれ、ビルAに設置されたエレベータ、ビルBに設置されたエレベータ、ビルZに設置されたエレベータの保守を行うものとする。なお、各支店は、複数のビルに設置されたエレベータの保守を行うものであってもよい。例えば、支店aが、ビルAおよびビルBに設置されたエレベータの保守を行なってもよい。
また、通信入出力IF23は、サーバ1がデータの入力を受け付けるため、また、データを出力するためのインターフェースを含んでいてもよい。該インターフェースの一例としては、物理ボタン、マウス、キーボード、ディスプレイ、マイク、スピーカなどが挙げられる。また、該インターフェースの一例として、周辺機器との間でデータを送受信するための接続部を含んでもよい。
図示していないが、サーバ1は、入力操作を受け付ける入力部、処理結果に基づく画面を表示する表示部、音声の入力を受け付ける音声入力部、音声を出力する音声出力部などを備えていてもよい。
<サーバ1の機能的構成>
サーバ1は、第1の外部装置からデータを受信し、該データに基づき、エレベータのメンテナンスのための好適な時間帯を特定する処理を実行し、処理の結果、すなわち、特定した時間帯を第2の外部装置へ送信する機能を有する。第1の外部装置と第2の外部装置とは、同じ装置であってもよいし、異なる装置であってもよい。
サーバ1は、プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、通信入出力IF23等の協働によって、図2に示す制御部10および記憶部11として機能する。
(記憶部が格納するデータ)
記憶部11は、図1に示すように、利用情報データベース111、および、利用情報解析データ112(利用状況データ)を少なくとも格納する。これらのデータの詳細については後述する。
(制御部の構成)
制御部10は、プログラムを実行することにより、サーバ1を統括的に制御する。例えば、制御部10は、受信したデータに基づき、エレベータのメンテナンスのための好適な時間帯を特定し、特定した時間帯を出力する。
制御部10は、プログラムの記述に応じて、利用情報取得部101(取得部)、解析指示取得部102(特定情報取得部、時間範囲情報取得部、曜日情報取得部)、利用情報解析部103(利用履歴データ処理部)、シミュレーション実行部104(シミュレーション部)、メンテナンス日時決定部105(時間帯特定部)、解析結果提供部106として機能する。制御部10は、実行される処理の内容に応じて、図示しないその他の機能ブロックとしても機能することができる。
利用情報取得部101は、外部装置からエレベータの利用に関する利用情報を取得し、利用情報データベース111に格納する。利用情報取得部101は、利用情報の一例として、エレベータシステム2からエレベータの運行における各イベントの発生の履歴であるエレベータ運行情報(利用履歴データ、以下、「運行情報」と記載する)を受信し、利用情報データベース111に格納する。エレベータシステム2は、一例として、所定の時刻(例えば24時)に、その日の0時から24時までの運行情報をサーバ1へ送信する。運行情報の送信タイミング、および、送信タイミングに、いつからいつまでの運行情報を送信するかは、この例に限定されない。
図3は利用情報データベース111の一具体例を示す図である。利用情報データベース111の各セルには、各運行情報が格納されている。運行情報は、一例として「日時、号機、イベント」のデータセットである。「日時」は、イベントの発生日時である。図3の例では、「日時」は、年、月、日、時、分、秒からなるが、この例に限定されない。「号機」は、イベントが発生したエレベータを示す情報である。図3の例では、「号機」は数字であるが、この例に限定されない。例えば、「号機」はアルファベットであってもよい。「イベント」は、発生したイベントの内容を示す情報である。
図3は、一例として、あるエレベータが乗場呼びボタンの押下で呼び出され、利用者を乗せて行先階(目的階)へ移動し、利用者が降りるまでの一連の流れにおける各イベントに対応する運行情報を示している。
セル41は、2019年2月26日8時13分25秒に、1階において、1階より上の階へ行くための乗場呼びボタンが押下された(ONとなった)ことを示す運行情報を格納している。該運行情報において、乗場呼びボタンが押下された時点では対象となるエレベータは決まっていないため、「号機」として「0」が格納されている。
セル42は、2019年2月26日8時13分26秒に、1階からの呼びに対応するエレベータが1号機に決定したことを示す運行情報を格納している。セル43は、2019年2月26日8時13分32秒に、1号機が5階にあることを示す運行情報を格納している。セル44は、2019年2月26日8時13分33秒に、1号機のかごが下方向に移動(下降)し始めたことを示す運行情報を格納している。
セル45は、2019年2月26日8時13分38秒に、1号機のかごが4階に到達したことを示す運行情報を格納している。セル46は、2019年2月26日8時13分43秒に、1号機のかごが3階に到達したことを示す運行情報を格納している。セル47は、2019年2月26日8時13分48秒に、1号機のかごが2階に到達したことを示す運行情報を格納している。セル48は、2019年2月26日8時13分53秒に、1号機のかごが1階に到達したことを示す運行情報を格納している。
セル49は、1号機のかごが1階に到達したことにより、2019年2月26日8時13分54秒に、1階からの乗場呼びボタンがOFFとなったことを示す運行情報を格納している。
セル51は、2019年2月26日8時13分56秒に、エレベータのドア(乗場およびかごに設置されたドア)が開いたことを示す運行情報を格納している。セル52は、2019年2月26日8時13分59秒に、かごの荷重値が変化したこと、すなわち、かご内に利用者が入ったことを示す運行情報を格納している。「LOAD_25%」とは、かごの荷重値が、エレベータの定員に対応する荷重の閾値の25%の値となったことを示している。
セル53は、2019年2月26日8時14分02秒に、かご内の呼びボタンのうち、4階を示すボタンが押下された(ONとなった)ことを示す運行情報を格納している。セル54は、2019年2月26日8時14分05秒に、エレベータのドアが閉まったことを示す運行情報を格納している。セル55は、2019年2月26日8時14分07秒に、1号機のかごが上方向に移動(上昇)し始めたことを示す運行情報を格納している。
セル56は、2019年2月26日8時14分12秒に、1号機のかごが2階に到達したことを示す運行情報を格納している。セル57は、2019年2月26日8時14分17秒に、1号機のかごが3階に到達したことを示す運行情報を格納している。セル58は、2019年2月26日8時14分22秒に、1号機のかごが4階に到達したことを示す運行情報を格納している。
セル59は、1号機のかごが4階に到達したことにより、2019年2月26日8時14分23秒に、かご内の呼びボタン(4階を示すボタン)がOFFとなったことを示す運行情報を格納している。セル61は、2019年2月26日8時14分25秒に、エレベータのドアが開いたことを示す運行情報を格納している。セル62は、2019年2月26日8時14分29秒に、かごの荷重値が変化したこと、すなわち、かごから利用者が出たことを示す運行情報を格納している。該運行情報は、「LOAD_0%」を含むため、1階から1号機のかごに乗った利用者が、すべて4階で降りたことを示している。セル63は、2019年2月26日8時14分34秒に、エレベータのドアが閉まったことを示す運行情報を格納している。
なお、図3には示していないが、一連の流れの間に、他の号機においてイベントが発生した場合、該イベントが発生した時間に応じて、セル41〜63の間に、該イベントに対応する運行情報が格納されてもよい。あるいは、利用情報データベース111は、号機別のデータベースであってもよい。
また、利用情報データベース111は、ビルごとの複数のデータベースからなる。また、ビルが複数のバンクを含む場合、該ビルのデータベースは、バンクごとの複数のデータベースである。また、バンクを含まないビルのデータベース、または、バンクを含むビルにおける、バンクのデータベースは、1つのデータベースであってもよいし、複数のデータベースからなるものであってもよい。後者の場合、複数のデータベースは、例えば、上述した号機別のデータベースであってもよいし、また、日付別のデータベースであってもよいし、週別、月別、年別などのデータベースであってもよい。あるいは、複数のデータベースは、例えば、号機ごとの、日付別のデータベースであってもよい。
解析指示取得部102は、外部装置から解析指示を取得する。解析指示取得部102は、一例として、メンテナンス日時を決定するための指示を、端末装置3から取得する。詳細については後述するが、該指示は、メンテナンス日時を決定するために使用される各種情報を含んでいてもよい。解析指示取得部102は、取得した指示を利用情報解析部103へ出力する。あるいは、解析指示取得部102は、取得した指示に基づき、利用情報解析部103に処理を実行させるための指示(情報、通知、信号)を出力する。
利用情報解析部103は、利用情報データベース111に格納された情報を解析する。この解析処理については後述するが、利用情報解析部103は、メンテナンス日時を決定するために使用する利用情報解析データ112を生成し、記憶部11に格納する。シミュレーション実行部104は、利用情報解析部103の指示に基づき、利用情報解析データ112を生成するためのシミュレーションを実行する。このシミュレーションの詳細についても後述する。利用情報解析部103は、利用情報解析データ112を記憶部11に格納すると、その旨をメンテナンス日時決定部105へ通知する。
メンテナンス日時決定部105は、利用情報解析データ112に基づいてメンテナンス日時を決定する。メンテナンス日時決定部105は、決定したメンテナンス日時を、解析結果提供部106へ出力する。解析結果提供部106は、取得したメンテナンス日時を含む解析結果を、解析指示を送信した端末装置3へ送信する。なお、本実施形態において、メンテナンス日時決定部105が決定するメンテナンス日時は、メンテナンスを行う曜日および時間帯であるが、該メンテナンス日時はこの例に限定されない。
<処理の流れ>
図4は、本実施形態に係る制御部10が実行する、メンテナンス日時決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図5は、本実施形態に係る解析指示、利用情報解析データ112、解析結果の一具体例を示す図である。なお、メンテナンス日時決定処理の流れの説明にあたり、制御部10が実行する、各機能ブロックとしての処理については、各機能ブロックを主語として記載する。
解析指示取得部102は、端末装置3より解析指示を取得するまで待機する(ステップS1、以下、「ステップ」の記載を繰り返さない)。解析指示を取得すると(ステップS1でYES)、解析指示取得部102は、該指示を利用情報解析部103へ出力する。
図5の(a)は、解析指示の一具体例を示す図である。解析指示は、一例として、ビル名、バンク名(エレベータ特定情報)、メンテナンス作業時間、メンテナンスの候補曜日(曜日情報)、メンテナンスの候補時間帯(時間範囲情報)を含む。これらの情報は、一例として、エレベータメーカーの各支店の従業員が端末装置3を操作して入力する。
図5の例では、ビル名として「ビルA」、バンク名として「低層バンク」、メンテナンス作業時間として「1時間」、候補曜日として「月、水、金」、候補時間帯として「12:00〜19:00」が解析指示に含まれている。すなわち、図5の(a)の例において、メンテナンスの対象となるエレベータ(対象エレベータ)は、低層バンクのエレベータである。図5の(a)に示す解析指示は、例えば、支店aの作業員が端末装置3Aを操作して入力し、所定の送信操作を行うことにより、サーバ1へ送信される。
利用情報解析部103は、解析指示を取得すると、利用情報データベース111における該当するビル、または、該当するバンクのデータベースから、直近X日分の利用情報を取得する(S2)。図5の(a)の例の場合、利用情報解析部103は、記憶部11に格納されているビルAの低層バンクのデータベースから、直近X日分の運行情報を読み出す。本実施形態では、「直近X日」は、直近90日であるとするが、この例に限定されない。
利用情報解析部103は、読み出した直近90日分の運行情報から、候補曜日における候補時間範囲内の所定の時間帯ごとに、利用人数(利用者人数)、移動距離合計値(利用者移動距離合計)、平均待ち時間を算出する。所定の時間帯とは、例えば、「メンテナンス作業時間」単位で区切られた時間帯である。本実施形態では、一例として、8:20〜20:20を1時間ごとに区切った各時間帯を所定の時間帯とするが、所定の時間帯はこの例に限定されない。
図5の(a)の例の場合、利用情報解析部103は、直近90日分の運行情報から、月曜日、水曜日、金曜日の運行情報をそれぞれ特定する。そして、利用情報解析部103は、月曜日、水曜日、金曜日(候補曜日)の12:00〜19:00の範囲内(候補時間範囲内)の各所定の時間帯における、利用人数、移動距離合計値、平均待ち時間を算出する(S3)。この例における所定の時間帯は、12:20〜13:20、13:20〜14:20、14:20〜15:20、15:20〜16:20、16:20〜17:20、17:20〜18:20の6つの時間帯である。ここでは、利用人数、移動距離合計値、平均待ち時間の算出の詳細について、12:20〜13:20の時間帯を例に挙げて説明する。
利用情報解析部103は、月曜日、水曜日、金曜日の運行情報について、利用人数を算出する。利用情報解析部103は、一例として、かごの荷重値が変化したことを示す運行情報に基づいて、利用人数を算出する。例えば、図3に示すセル52の運行情報は、利用者がかご内に入ったことにより、荷重値が閾値の25%となっている。ここで、閾値が500kgであるとし、また、利用者の体重の推定値が60〜65kgであるとする。これらの情報は、例えば、記憶部11に格納されている。この場合、利用情報解析部103は、500×0.25=125kgを演算し、利用者の体重の推定値に基づき、利用者を2人と推定する。
利用情報解析部103は、月曜日の12:20〜13:20の運行情報のうち、かごの荷重値が変化したことを示す運行情報の全てについて、上述のとおり利用者の人数を推定する。そして、推定した利用者の人数を合計することにより、利用人数を算出する。利用情報解析部103は、月曜日の他の時間帯の運行情報についても同様の処理を行い、利用人数を算出する。また、利用情報解析部103は、水曜日の各時間帯の運行情報、金曜日の各時間帯の運行情報についても同様の処理を行い、利用人数を算出する。
また、利用情報解析部103は、月曜日、水曜日、金曜日の運行情報について、移動距離合計値を算出する。移動距離合計値とは、その時間帯の各利用者がエレベータで移動した距離の合計値である。利用情報解析部103は、一例として、かごの荷重値が変化したことを示す運行情報、かご内の呼びボタンがONとなったことを示す運行情報、該呼びボタンがOFFとなったことを示す運行情報に基づいて、移動距離合計値を算出する。
例えば図3に示す運行情報では、利用者2人が1階からエレベータに乗り、4階で降りている(セル42、52、53、59、62参照)。利用情報解析部103は、これらの運行情報に基づき、2×4=8を演算し、図3に示す一連の流れにおける移動距離を8階床と算出する。
利用情報解析部103は、月曜日の12:20〜13:20の運行情報における、利用者がエレベータに乗り、別の階で降りる一連の流れの全てについて、上述したように移動距離を算出し、算出した移動距離を合計することにより移動距離合計値を算出する。利用情報解析部103は、月曜日の他の時間帯の運行情報についても同様の処理を行い、移動距離合計値を算出する。また、利用情報解析部103は、水曜日の各時間帯の運行情報、金曜日の各時間帯の運行情報についても同様の処理を行い、移動距離合計値を算出する。
また、利用情報解析部103は、月曜日、水曜日、金曜日の運行情報について、平均待ち時間を算出する。平均待ち時間は、各時間帯における待ち時間の平均値であり、待ち時間とは、例えば、利用者がある階にて乗場呼びボタンを押してから、かごがその階に到達するまでにかかる時間である。利用情報解析部103は、一例として、乗場呼びボタンがONとなったことを示す運行情報と、該呼びボタンがOFFとなったことを示す運行情報とに基づいて、平均待ち時間を算出する。
例えば図3に示す運行情報では、乗場呼びボタンがONとなった時刻が8時13分25秒であり、OFFとなった時刻が8時13分54秒である(セル41、49参照)。利用情報解析部103は、これら2つの時刻の差、すなわち待ち時間である29秒を算出する。
利用情報解析部103は、月曜日の12:20〜13:20の運行情報における、乗場呼びボタンがONとなったことを示す運行情報と、乗場呼びボタンがOFFとなったことを示す運行情報との組合せの全てについて、上述したように待ち時間を算出する。なお、乗場呼びボタンがONとなったことを示す運行情報と組み合わせられる、乗場呼びボタンがOFFとなったことを示す運行情報は、以下の条件を満たす運行情報である。(1)乗場呼びボタンがONとなったことを示す運行情報より日時が後、(2)乗場呼びボタンがONとなったことを示す運行情報の直近の日時、(3)乗場呼びボタンがONとなったことを示す運行情報と号機が同じ。
利用情報解析部103は、算出した待ち時間を合計し、組み合わせの数で除算することにより平均待ち時間を算出する。利用情報解析部103は、月曜日の他の時間帯の運行情報についても同様の処理を行い、平均待ち時間を算出する。また、利用情報解析部103は、水曜日の各時間帯の運行情報、金曜日の各時間帯の運行情報についても同様の処理を行い、平均待ち時間を算出する。
利用情報解析部103は、利用人数、移動距離合計値、平均待ち時間を算出すると、シミュレーション実行部104にシミュレーションの実行を指示する。シミュレーション実行部104は、該指示に従い、エレベータを1台減らしたシミュレーションを実行する(S4)。そして、シミュレーション実行部104は、シミュレーション結果に基づいて作業時平均待ち時間を算出する(S5)。作業時平均待ち時間とは、メンテナンス作業の実施により、エレベータが1台利用できない状況における、待ち時間の平均値である。
図5の(a)の例の場合、シミュレーション実行部104は、月曜日、水曜日、金曜日の各時間帯(上述の6つの時間帯)におけるシミュレーションを実行する。例えば、月曜日の12:20〜13:20の時間帯の場合、90日間中に月曜日は12または13回ある。つまり、該時間帯は、90日間に12または13回ある。シミュレーション実行部104は、この12または13回の時間帯のうち、いずれかの時間帯の運行情報に基づき、該時間帯におけるエレベータの利用をシミュレーションによって再現する。具体的には、乗場呼びボタンがONになったことを示す運行情報に含まれる時刻を、利用者の発生時刻とする。なお、発生時刻に発生する利用者の人数は、該運行情報より後かつ直近の時刻を含み、号機が同じである、かごの荷重値が変化したことを示す運行情報から推定する。
シミュレーション実行部104は、このシミュレーションを、エレベータの台数を1台減らして実行する。また、シミュレーション実行部104は、実行したシミュレーションにおける、各利用者の待ち時間を特定する。該待ち時間は、90日間に含まれる、ある月曜日の12:20〜13:20に、メンテナンスのためにエレベータを1台停止させた場合の各利用者の待ち時間に相当する。
シミュレーション実行部104は、90日間に含まれる他の月曜日の12:20〜13:20の運行情報に基づいて同様のシミュレーションを実行し、各利用者の待ち時間を特定する。そして、シミュレーション実行部104は、各待ち時間(90日間に含まれるすべての月曜日の12:20〜13:20に発生したすべての待ち時間)の合計値を、待ち時間の数で除算することにより、作業時平均待ち時間を算出する。
また、シミュレーション実行部104は、月曜日の他の時間帯、並びに、水曜日および金曜日の各時間帯についても、同様の処理を行い、作業時平均待ち時間を算出する。シミュレーション実行部104は、算出した作業時平均待ち時間を利用情報解析部103へ出力する。なお、シミュレーション実行部104が実行する上記シミュレーションは、例えば、既存のエレベータに関するシミュレーションプログラム(シミュレーションソフト)を用いて実現することができる。
利用情報解析部103は、算出した利用人数、移動距離合計値、平均待ち時間、および、取得した作業時平均待ち時間に基づいて、利用情報解析データ112を生成する(S6)。利用情報解析データ112は、一例として、利用人数、移動距離合計値、平均待ち時間、および作業時平均待ち時間の多寡の時間帯に応じた変化を示すデータである。利用情報解析部103は、一例として、曜日ごとの利用情報解析データ112を生成し、記憶部11に格納する。そして、利用情報解析部103は、利用情報解析データ112を生成した旨を、メンテナンス日時決定部105へ通知する。
図5の(b)は、利用情報解析データ112の一具体例を示す図である。図5の(b)は、図5の(a)に示す解析指示に基づき、月曜日の12:20〜18:20における1時間毎の、利用人数、移動距離合計値、平均待ち時間、および作業時平均待ち時間の多寡の変化を示す。換言すれば、各時間帯に、その時間帯の利用人数、移動距離合計値、平均待ち時間、および作業時平均待ち時間が対応付けられている。図示していないが、水曜日および金曜日の利用情報解析データ112も、図5の(b)に示す月曜日の利用情報解析データと同様である。すなわち、水曜日および金曜日の利用情報解析データ112も、12:20〜18:20における1時間毎の、利用人数、移動距離合計値、平均待ち時間、および作業時平均待ち時間の多寡の変化を示す。
メンテナンス日時決定部105は、利用情報解析部103からの通知を受けると、記憶部11から利用情報解析データ112を読み出す。そして、メンテナンス日時決定部105は、利用情報解析データ112に基づいてメンテナンス日時を決定する。具体的には、メンテナンス日時決定部105は、移動距離合計値が最も小さい時間帯を特定し、該時間帯をメンテナンス日時として決定する(S7)。なお、ここでの時間帯は、曜日を含むものである。
図5の(b)の例では、移動距離合計値が最も小さい時間帯は、14:20〜15:20であり、その移動距離合計値は92階床である。そして、この例において、水曜日および金曜日には、移動距離合計値が92階床未満である時間帯は無いとする。この場合、メンテナンス日時決定部105は、月曜日の14:20〜15:20をメンテナンス日時として決定する。
メンテナンス日時決定部105は、利用情報解析データ112の、特定した時間帯を含むレコード121の各情報を、解析結果として解析結果提供部106へ出力する。解析結果提供部106は、端末装置3(図5の例の場合、端末装置3A)へ、特定した時間帯を含む解析結果を送信する(S8)。
図5の(c)は、端末装置3に送信される解析結果の一具体例を示す図である。解析結果は、一例として、メンテナンス日時決定部105が特定した時間帯(すなわち、メンテナンスを行う曜日および時間帯)、該時間帯の利用人数、移動距離合計値、平均待ち時間、および作業時平均待ち時間を含む。
<作用効果>
以上のとおり、本実施形態に係るサーバ1は、エレベータシステム2より、エレベータの運行情報を取得する利用情報取得部101を備える。また、サーバ1は、運行情報に基づき、利用人数、移動距離合計値、平均待ち時間、作業時平均待ち時間の多寡の時間帯に応じた変化を示す利用情報解析データ112を生成する利用情報解析部103を備える。また、サーバ1は、利用情報解析データ112に基づき、移動距離合計値が最も小さい時間帯を、エレベータのメンテナンスにおける好適な時間帯として特定するメンテナンス日時決定部105を備える。
移動距離合計値が最も小さい時間帯は、利用者が少ないと予想することができる時間帯であるとともに、エレベータを用いた長距離の移動が少ないと予想することができる時間帯である。つまり、エレベータがメンテナンスにより利用できない場合に、階段を移動の代替手段として利用しやすいと判断することができる時間帯である。エレベータメーカーの従業員は、取得した解析結果に基づき、この点を客先(該エレベータが設置されたビルの管理者など)に示すことで、メンテナンスの日時を円滑に決定することができる。また、従業員は、併せて、利用人数、平均待ち時間、作業時平均待ち時間を示すことで、利用者への影響の度合いが明確となる。特に、平均待ち時間と作業時平均待ち時間とを同時に示すことで、メンテナンスによる利用者の待ち時間の増加量が明確となる。この結果、提案した日時について、客先からの同意を得やすくなる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
エレベータシステム2が運行を制御するエレベータは、乗場行先階登録システムを採用したエレベータであってもよい。乗場行先階登録システムとは、エレベータの利用者に、乗るべきかご(すなわち、複数のエレベータのうち、利用者がどの号機に乗るべきか)を通知する(指定する)システムである。この通知処理は、利用者が、エレベータのかごに乗る前に、出発階および行先階(あるいは、行先階のみ)を所定の入力装置に入力することにより行われる。該システムは、利用者が入力した出発階および目的階の情報と、エレベータの動作状況(各かごの位置、移動方向、かごを待っている人数など)とに基づいて、該利用者にとって最適な号機を特定し、通知する。最適な号機の特定は、例えば、エレベータシステム2が行う。換言すれば、エレベータシステム2は、乗場行先階登録システムに含まれる。
所定の入力装置は、例えば、乗場に設置された据え置き型の装置であってもよいし、利用者の携帯端末装置(スマートフォンなど)であってもよい。後者の場合、利用者は例えば、スマートフォンを、上記入力装置として使用するためのアプリケーションをスマートフォンにインストールする。該アプリケーションは、例えば、出発階および目的階を入力し、乗場行先階登録システムへ送信し、最適な号機を示す情報を受信するためのアプリケーションである。
利用情報取得部101は、乗場行先階登録システムを管理する管理装置から、利用情報として、利用者が上記入力装置に入力した出発階および行先階を含む情報(以下、登録システム利用情報と称する)も取得する。そして、すなわち、利用情報取得部101は、登録システム利用情報と、エレベータシステム2から取得した運行情報とを、利用情報として利用情報データベース111に格納する。
図6は、利用情報データベース111の別の具体例を示す図である。具体的には、図6は、利用情報データベース111のデータベースのうちの、登録システム利用情報のデータベースの一具体例である。「登録日時」のカラムには、利用者が入力装置に入力した出発階および行先階を、乗場行先階登録システムへ送信した日時を示す情報が格納される。
「ID」のカラムには、利用者を示す情報が格納される。入力装置が据え置き型の装置である場合、例えば、利用者は、出発階および行先階を入力する前に、該装置に自身のID(ユーザIDなど)が記録されたICカードを読み取らせる。これにより、入力装置は、利用者を示す情報を取得することができる。一方、入力装置が携帯端末装置である場合、該携帯端末装置は、出発階および行先階を示す情報を管理装置に送信する際に、利用者を示す情報(例えば、アプリケーションを使用する際に入力するユーザIDなど)を共に送信すればよい。
「出発階」のカラムには、利用者が入力装置に入力した出発階を示す情報が格納される。「行先階」のカラムには、利用者が入力装置に入力した行先階を示す情報が格納される。「割当号機」のカラムには、管理装置から取得した出発階および行先階を示す情報に基づき、エレベータシステム2が特定した、利用者が乗るべき号機を示す情報が格納される。
「階段利用困難者」のカラムには、各利用者が、階段の利用が困難である利用者(特定の属性に該当する利用者)であるか否かを示す情報(属性情報)が格納される。「階段の利用が困難である利用者」とは、例えば、車いす、杖、ベビーカー、シルバーカーを使用している利用者、所定の年齢以上の利用者(老人)、妊娠中の利用者などであるが、この例に限定されない。入力装置が据え置き型の装置である場合、階段の利用が困難である利用者である旨の情報は、ユーザIDとともにICカードに記録しておき、入力装置がICカードから読み取ればよい。入力装置が携帯端末装置である場合、ユーザは、階段の利用が困難である利用者である旨を、アプリケーションにおいて予め設定しておけばよい。携帯端末装置は、出発階および行先階を示す情報、利用者を示す情報とともに、階段の利用が困難である利用者である旨を示す情報を管理装置に送信すればよい。
なお、図6の例では、階段利用困難者である利用者のセルに「○」が格納されており、階段利用困難者でない利用者のセルには何も格納されていないが、これらのセルに格納される情報はこの例に限定されない。例えば、階段利用困難者である利用者のセルに「1」を、階段利用困難者でない利用者のセルに「0」を格納してもよい。
本実施形態に係る利用情報解析部103は、利用人数の算出に、登録システム利用情報を用いる。具体的には、利用情報解析部103は、「登録日時」のカラムに格納された情報を参照し、候補曜日における候補時間範囲内の各時間帯のうち、いずれかの時間帯の登録システム利用情報を特定する。例えば、利用情報解析部103は、月曜日の12:20〜13:20の登録システム利用情報を特定する。利用情報解析部103は、特定した登録システム利用情報の数を利用人数とする。また、利用情報解析部103は、移動距離合計値の算出の際、登録システム利用情報を用いて算出した利用人数を用いる。
また、利用情報解析部103は、特定した登録システム利用情報に、階段利用困難者がエレベータを利用したことを示す登録システム利用情報、すなわち、「階段利用困難者」のセルに「○」が格納された登録システム利用情報があるか否かを判定する。
図7は、本実施形態に係る利用情報解析データ112、および、解析結果の一具体例を示す図である。上述したとおり、利用情報解析データ112に含まれる、利用人数および移動距離合計値は、登録システム情報から算出される。また、図7の(a)に示すように、本実施形態に係る利用情報解析データ112は、「階段利用困難者」のカラムを含む。利用情報解析部103は、一例として、特定した登録システム利用情報に、「階段利用困難者」のセルに「○」が格納された登録システム利用情報がある場合、利用情報解析データ112における該当する時間帯の「階段利用困難者」のセルに「○」を格納する。
図7の(a)の例において、「階段利用困難者」のセルに「○」が格納されていない時間帯は、「階段利用困難者」のセルに「○」が格納された登録システム利用情報が、特定した登録システム利用情報に無いことを示す。なお、利用情報解析データ112の「階段利用困難者」のセルに格納される情報はこの例に限定されない。例えば、階段利用困難者である利用者のセルに「1」を、階段利用困難者でない利用者のセルに「0」を格納してもよい。
本実施形態に係るメンテナンス日時決定部105は、利用情報解析データ112を読み出してメンテナンス日時を決定する際、「階段利用困難者」のセルに「○」が格納された時間帯は、メンテナンス日時の候補から除外する。換言すれば、メンテナンス日時決定部105は、「階段利用困難者」のセルに「○」が格納されていない時間帯から、メンテナンス日時を決定する。メンテナンス日時決定部105は、一例として、「階段利用困難者」のセルに「○」が格納されていない時間帯のうち、移動距離合計値が最も小さい時間帯を特定し、該時間帯をメンテナンス日時として決定する。
図7の(a)の例では、メンテナンス日時決定部105は、14:20〜15:20の時間帯、および、15:20〜16:20の時間帯は、「階段利用困難者」のセルに「○」が格納されているため除外する。残りの時間帯のうち、移動距離合計値が最も小さい時間帯は13:20〜14:20であるため、メンテナンス日時決定部105は、該時間帯をメンテナンス日時として決定する。なお、この例において、水曜日および金曜日には、移動距離合計値が112階床未満であり、かつ、「階段利用困難者」のセルに「○」が格納されていない時間帯は無いとする。
換言すれば、14:20〜15:20の時間帯は、月曜日においては移動距離合計値が最も小さい時間帯であるが、「階段利用困難者」のセルに「○」が格納されているため、メンテナンス日時として決定されない。
メンテナンス日時決定部105は、利用情報解析データ112の、特定した時間帯を含むレコード122の各情報を、解析結果として解析結果提供部106へ出力する。解析結果提供部106は、端末装置3へ図7の(b)に示す解析結果を送信する。
<作用効果>
以上のとおり、本実施形態に係るサーバ1の利用情報取得部101は、登録システム利用情報、すなわち、利用者が入力装置に入力した出発階および行先階を含む情報を、利用情報として取得する。そして、利用情報解析部103は、利用人数および移動距離合計値を、該情報を用いて算出する。
つまり、利用人数は、荷重値に基づく推定値ではなく実際の利用人数となる。よって、サーバ1は、利用人数および移動距離合計値を正確に特定することができ、メンテナンス日時をより適切なものとすることができる。
また、利用情報取得部101は、利用者が階段利用困難者であることを示す情報も利用情報として取得する。メンテナンス日時決定部105は、階段利用困難者がエレベータを利用している時間帯を、メンテナンス日時の候補から除外する。
これにより、車いすを使用しているなどの、階段を利用することが難しい利用者がエレベータを利用する時間帯に、エレベータがメンテナンス中で使用できないといった状況を防ぐことができる。この構成は、エレベータが1台のみの建物におけるメンテナンス日時の決定に特に好適である。また、この構成は、乗場行先階登録システムを採用したエレベータへの適用に限定されない。例えば、ICカードを読取機に読み取らせてからエレベータを利用させる構成とすれば、乗場行先階登録システムを採用していないエレベータ、すなわち、行先階などを入力する入力装置がないエレベータであっても、この構成を採用することができる。
〔実施形態3〕
本発明のさらなる別の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
利用情報解析部103が生成する利用情報解析データ112は、利用人数、利用者合計値、平均待ち時間、作業時平均待ち時間のすべてを含むものに限定されない。例えば、利用情報解析部103は、利用人数および移動距離合計値の算出を行わなくてもよい。
つまり、メンテナンス日時決定部105は、移動距離合計値に基づいてメンテナンス日時を決定する構成に限定されない。本実施形態に係るメンテナンス日時決定部105は、一例として、作業時平均待ち時間と、階段利用困難者の有無とに基づいて、メンテナンス日時を決定する。
<処理の流れ>
図8は、本実施形態に係る制御部10が実行する、メンテナンス日時決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図9は、本実施形態に係る利用情報解析データ112および解析結果の一具体例を示す図である。
解析指示取得部102は、端末装置3より解析指示を取得するまで待機する(ステップS11)。解析指示を取得すると(ステップS11でYES)、解析指示取得部102は、該指示を利用情報解析部103へ出力する。解析指示は、図5の(a)に示す解析指示であるとする。
利用情報解析部103は、解析指示を取得すると、利用情報データベース111における該当するビル、または、該当するバンクのデータベースから、直近X日分の利用情報を取得する(S12)。該利用情報は、実施形態1で説明した運行情報と実施形態2で説明した登録システム利用情報とを含むものとする。
利用情報解析部103は、月曜日、水曜日、金曜日の運行情報の各々において、12:00〜19:00の範囲内の各所定の時間帯における、平均待ち時間を算出する(S13)。この平均待ち時間の算出方法は、実施形態1で説明した算出方法を利用できるため、ここでは説明を繰り返さない。
シミュレーション実行部104は、利用情報解析部103からの指示に従い、エレベータを1台減らしたシミュレーションを実行する(S14)。そして、シミュレーション実行部104は、シミュレーション結果に基づいて作業時平均待ち時間を算出する(S15)。シミュレーションの詳細は、実施形態1で説明したシミュレーションと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。また、作業時平均待ち時間の算出方法は、実施形態1で説明した算出方法を利用できるため、ここでは説明を繰り返さない。
また、利用情報解析部103は、月曜日、水曜日、金曜日(候補曜日)の12:00〜19:00の範囲内(候補時間範囲内)の各所定の時間帯に、階段利用困難者がエレベータを利用しているか否かを判定する(S16)。利用情報解析部103は、登録システム利用情報の「登録日時」のカラムに格納された情報を参照し、候補曜日における候補時間範囲内の各時間帯のうち、いずれかの時間帯の登録システム利用情報を特定する。例えば、利用情報解析部103は、月曜日の12:20〜13:20の登録システム利用情報を特定する。そして、特定した登録システム利用情報に、階段利用困難者がエレベータを利用したことを示す登録システム利用情報、すなわち、「階段利用困難者」のセルに「○」が格納された登録システム利用情報があるか否かを判定する。
利用情報解析部103は、算出した平均待ち時間、および、取得した作業時平均待ち時間、および解題利用困難者の有無の判定結果に基づいて、利用情報解析データ112を生成する(S17)。図9の(a)は、利用情報解析データ112の一具体例を示す図である。本実施形態に係る利用情報解析データ112は、図9の(a)に示すように、12:20〜18:20における1時間毎の、平均待ち時間、作業時平均待ち時間の多寡の変化と、階段利用困難者の有無とを示す。利用情報解析部103は、一例として、曜日ごとの利用情報解析データ112を生成し、記憶部11に格納する。そして、利用情報解析部103は、利用情報解析データ112を生成した旨を、メンテナンス日時決定部105へ通知する。
メンテナンス日時決定部105は、利用情報解析部103からの通知を受けると、記憶部11から利用情報解析データ112を読み出す。そして、メンテナンス日時決定部105は、利用情報解析データ112に基づいてメンテナンス日時を決定する。具体的には、メンテナンス日時決定部105は、階段利用困難者がエレベータを利用していない時間帯のうち、作業時平均待ち時間が最も短い時間帯を特定し、該時間帯をメンテナンス日時として決定する(S18)。なお、ここでの時間帯は、曜日を含むものである。
換言すれば、メンテナンス日時決定部105は、階段利用困難者がエレベータを利用している時間帯、すなわち、「階段利用困難者」のセルに「○」が格納された時間帯を、メンテナンス日時の候補から除外する。そして、メンテナンス日時決定部105は、残った時間帯のうち、作業時平均待ち時間が最も短い時間帯を、メンテナンス日時として決定する。
図9の(a)の例では、メンテナンス日時決定部105は、階段利用困難者がエレベータを利用している、12:20〜13:20、14:20〜15:20、15:20〜16:20をメンテナンス日時の候補から除外する。メンテナンス日時決定部105は、残った時間帯のうち、作業時平均待ち時間が最も短い(28秒)時間帯である13:20〜14:20をメンテナンス日時として決定する。なお、この例において、水曜日および金曜日には、階段利用困難者がエレベータを利用していない時間帯であって、かつ、作業時平均待ち時間が28秒未満である時間帯は無いとする。
メンテナンス日時決定部105は、利用情報解析データ112の、特定した時間帯を含むレコード123の各情報を、解析結果として解析結果提供部106へ出力する。解析結果提供部106は、端末装置3へ、特定した時間帯を含む解析結果を送信する(S19)。
図9の(b)は、端末装置3に送信される解析結果の一具体例を示す図である。本実施形態に係る解析結果は、一例として、メンテナンス日時決定部105が特定した時間帯(すなわち、メンテナンスを行う曜日および時間帯)、該時間帯の平均待ち時間、および作業時平均待ち時間を含む。
<作用効果>
以上のとおり、本実施形態に係るサーバ1は、乗場行先階登録システムの管理装置より、登録システム利用情報を取得する利用情報取得部101を備える。また、サーバ1は、登録システム利用情報に基づき、階段利用困難者であるか否かを示す情報を参照しつつ、階段利用困難者に該当する利用者の利用時間帯を示す利用情報解析データ112を生成する利用情報解析部103を備える。また、サーバ1は、利用情報解析データ112に基づき、階段利用困難者に該当する利用者が利用していない時間帯を、エレベータのメンテナンスにおける好適な時間帯として特定するメンテナンス日時決定部105を備える。
これにより、車いすを使用しているなどの、階段を利用することが難しい利用者がエレベータを利用する時間帯に、エレベータがメンテナンス中で使用できないといった状況を防ぐことができる。この構成は、エレベータが1台のみの建物におけるメンテナンス日時の決定に特に好適である。また、この構成は、乗場行先階登録システムを採用したエレベータへの適用に限定されない。例えば、ICカードを読取機に読み取らせてからエレベータを利用させる構成とすれば、乗場行先階登録システムを採用していないエレベータ、すなわち、行先階などを入力する入力装置がないエレベータであっても、この構成を採用することができる。
〔変形例〕
上述した各実施形態では、エレベータの運転形態を一定期間変更することの具体例として、エレベータのメンテナンスのためにエレベータを利用禁止にすることを説明した。しかしながら、エレベータの運転形態を一定期間変更することは、エレベータのメンテナンスのためのエレベータの運行停止に限定されない。エレベータの運転形態を一定期間変更することには、エレベータの利用者の制限、エレベータの運行停止、運行再開、かごの移動速度、停止階、移動方向の制限などが含まれる。例えば、エレベータの運転形態を一定期間変更することは、引っ越しの作業中、複数あるエレベータのうちの1台を、引っ越し業者および転居者(あるいは入居者)のみが利用できるようにすることであってもよい。また、エレベータの運転形態を一定期間変更することは、利用者が増加する期間のみ、通常使用していないエレベータを動かすことであってもよい。また、エレベータの運転形態を一定期間変更することは、複数台のエレベータのうちの一部が、各階に停止可能なエレベータであり、残りが、一部の階のみに停止可能なエレベータである場合に、時間帯に応じて、前者と後者の割合を変更することであってもよい。
エレベータの運転形態を一定期間変更することの対象となるエレベータ(対象エレベータ)の台数は、特に限定されない。すなわち、該台数は、1台であってもよいし、複数台であってもよい。
上述した各実施形態では、解析指示は、メンテナンス日時を決定するために使用される各種情報を含むものとして説明した。具体的には、実施形態1において、解析指示が、ビル名、バンク名、メンテナンス作業時間、メンテナンスの候補曜日、メンテナンスの候補時間帯を含む例を説明した。しかしながら、解析指示は、これらの情報のうちの一部を含むものであってもよいし、これらの情報と異なる情報を含むものであってもよいし、メンテナンス日時を決定するために使用される各種情報を含まないものであってもよい。
例えば、解析指示がメンテナンスの候補曜日を含まない場合、利用情報解析部103は、読み出した直近X日分の全曜日の利用情報を用いる。また、解析指示がメンテナンスの候補時間帯を含まない場合、利用情報解析部103は、読み出した直近X日分の全時間帯の利用情報を用いる。
また、或る支店が保守を行うエレベータが1台に特定できる、または、バンクが1つに特定できる場合、解析指示は、ビル名およびバンク名に代えて、支店を示す情報を含んでもよい。
利用情報解析データ112が示す情報は、上述した各実施形態の例に限定されない。例えば、利用情報解析データ112は、移動距離合計値の多寡の時間帯に応じた変化のみを示すものであってもよい。また、例えば、利用情報解析データ112は、利用人数の多寡の時間帯に応じた変化のみを示すものであってもよい。後者の場合、メンテナンス日時決定部105は、利用人数の多寡の時間帯に応じた変化に基づいて、メンテナンス日時を決定する。例えば、メンテナンス日時決定部105は、利用人数が最も少ない時間帯をメンテナンス日時に決定する。
メンテナンス日時決定部105が決定するメンテナンス日時、換言すれば、エレベータの運転形態を一定期間変更する場合の、好適な時間帯は、1つの時間帯でなくてもよい。一例として、メンテナンス日時決定部105は、3つの時間帯をメンテナンス日時の候補として決定してもよい。換言すれば、端末装置3のユーザは、メンテナンス日時の候補として、3つの時間帯を取得してもよい。メンテナンス日時決定部105は、例えば、移動距離合計値の小さい順に3つ特定することにより、該3つの時間帯を決定してもよい。
実施形態3において、利用情報解析データ112が示す情報は、階段利用困難者の有無のみであってもよい。この場合、メンテナンス日時決定部105は、階段利用困難者がエレベータを利用している時間帯を、メンテナンス日時の候補から除外する処理を実行するものであってもよい。すなわち、サーバ1は、メンテナンス日時を端末装置3のユーザが決定するにあたり、階段利用困難者がエレベータを利用していない時間帯を端末装置3のユーザに提供するものであってもよい。
また、実施形態2および3において、エレベータの利用者の属性を示す情報は、階段利用困難者であるか否かを示す情報に限定されない。該情報は、階段利用困難者であるか否かを示す情報に代えて、あるいは、加えて、例えば、VIP(very important person)であるか否かを示す情報を含んでもよい。これにより、メンテナンス日時決定部105は、VIPがエレベータを利用する時間帯を、メンテナンス日時の候補から除外することができる。
上述した実施形態1および2では、利用情報解析部103が、運行情報に基づいて特定した各利用者の移動距離そのものを合計することにより、移動距離合計値を算出する例を説明した。これに対し、利用情報解析部103は、移動距離に対し重み付けを行い、重み付けを行った移動距離を合計することにより、移動距離合計値を算出してもよい。例えば、利用情報解析部103は、上方向への移動の移動距離に1より大きい係数(例えば、1.1)を乗算し、下方向への移動距離に1より小さい係数(例えば0.9)を乗算し、乗算後の値を合計してもよい。これにより、階段での移動がより大変な上方向の移動が多い時間帯は移動距離合計値が大きくなるため、メンテナンス日時として決定されづらくなる。換言すれば、下方向の移動が多い時間帯が、メンテナンス日時として決定されやすくなる。また、例えば、利用情報解析部103は、移動距離を二乗した値を合計してもよい。これにより、長距離の移動が多い時間帯は移動距離合計値が大きくなるため、メンテナンス日時として決定されづらくなる。
利用情報解析部103は、利用人数、移動距離合計値、平均待ち時間、および作業時平均待ち時間を、特定、算出、または推定するものであればよい。例えば、移動距離合計値や平均待ち時間が既に算出されている場合(例えば、サーバ1とは別の装置でこれらの算出処理を行う場合)、利用情報解析部103はこれらを特定するものとなる。
上述した各実施形態では、サーバ1は、決定したメンテナンス日時を含む解析結果を端末装置3へ送信していたが、利用情報の解析に基づく情報の出力先は、端末装置3に限定されない。一例として、該出力先は、エレベータシステム2であってもよい。例えば、サーバ1は、決定したメンテナンス日時に、エレベータの運行停止指示をエレベータシステム2へ送信し、エレベータシステム2にエレベータの運行を停止させてもよい。
サーバ1は、メンテナンス日時として決定した時間帯にエレベータを利用していた利用者に対し、メンテナンスが実行されることを通知してもよい。例えば、実施形態2および3において、サーバ1は、登録システム利用情報に含まれるIDから、該IDが示す利用者のメールアドレスを特定し、特定したメールアドレスに、メンテナンスが実行されることを示すメールを送信してもよい。具体的には、サーバ1は、登録時間がメンテナンス日時として決定された時間帯に含まれる登録システム利用情報を特定する。そして、特定した登録システム利用情報の各々に含まれるIDが示す利用者のメールアドレスにメールを送信する。
該メールの内容として、メンテナンスが行われる日付および時間帯が含まれていてもよい。メンテナンスが行われる日付は、端末装置3のユーザが、端末装置を用いてサーバ1へ送信してもよい。
また、利用者のメールアドレスは、IDと関連付けられて乗場行先階登録システムの管理装置の記憶部に格納しておけばよい。サーバ1は、管理装置からメールの送信対象者のメールアドレスを取得してメールを送信してもよいし、管理装置にメールの送信対象者のIDを通知し、管理装置にメールを送信させてもよい。また、利用者のメールアドレスが、IDに代えて、または加えて、登録システム利用情報に含まれていてもよい。
上述の実施形態では、所定の時間帯を、12:20〜13:20、13:20〜14:20、14:20〜15:20、15:20〜16:20、16:20〜17:20、17:20〜18:20の6つの時間帯としていた。一方、所定の時間帯の区切り方は、この例に限定されない。例えば、前の時間帯および後ろの時間帯の少なくとも一方と、一部が重なる時間帯があってもよい。
図10は、本変形例に係る解析指示、利用情報解析データ、解析結果の一具体例を示す図である。なお、図10の(a)に示す解析指示は、図5の(a)に示す解析指示と同一であるため、ここでは説明を繰り返さない。
本変形例の所定の時間帯は、図10の(b)に示すように、上記6つの時間帯に加え、12:50〜13:50、13:50〜14:50、14:50〜15:50、15:50〜16:50、16:50〜17:50、17:50〜18:50の6つの時間帯をさらに含む。図10の(b)に示すように、時間帯の区切り方を変えると、利用人数、移動距離合計値、平均待ち時間、作業時平均待ち時間などの算出結果が異なる。
図10の(b)の例では、新たに6つの時間帯を設定したことにより、移動距離合計値が最も小さい時間帯が、図5の例から変わっている。すなわち、メンテナンス日時決定部105は、移動距離合計値が最も小さい13:50〜14:50の時間帯をメンテナンス日時として決定し、図10の(c)に示す解析結果を生成し、端末装置3へ送信する。なお、この例において、水曜日および金曜日には、移動距離合計値が84階床未満である時間帯は無いとする。
以上のように、所定の時間帯をより多くする、例えば、図10の(b)に示すように、時間帯の一部の重複を許して時間帯を設定すると、メンテナンスに好適な曜日および時間帯をより正確に特定することができる。なお、図10に示す時間帯の設定は一例であり、各時間帯の開始時刻および終了時刻、並びに、所定の時間帯の数は、この例に限定されない。
図11は、本発明の変形例に係るサーバが取得する解析指示、該サーバが出力する解析結果の一具体例を示す図である。図11に示すように、解析結果は表形式のデータであってもよい。より具体的には、解析結果は、利用情報解析データと同様のデータであってもよい。なお、図11の(a)に示す解析指示は、図5の(a)に示す解析指示と同一であるため、ここでは説明を繰り返さない。また、本変形例に係る利用情報解析データは、図11の(b)に示す利用情報解析データと同一であるため、図示を省略している。
メンテナンス日時決定部105は、利用情報解析部103から利用情報解析データを取得すると、一例として、利用情報解析データの各レコードを、移動距離合計値が小さい順に並び替え、並び替えた後の利用情報解析データを解析結果とする。換言すれば、解析結果は、各レコードが、移動距離合計値が昇順となるようにソートされた利用情報解析データである。なお、図示してはいないが、本変形例のメンテナンス日時決定部105は、月曜日以外の利用情報解析データ、すなわち、水曜日および金曜日の利用情報解析データからも解析結果を生成する。これらの解析結果も、各レコードが、移動距離合計値が昇順となるようにソートされた利用情報解析データである。メンテナンス日時決定部105は、生成したすべての解析結果を端末装置3へ送信する。
これにより、移動距離合計値が最も小さいレコードが表の一番上のレコードとなるので、端末装置3のユーザは、解析指示に含まれる各曜日について、移動距離合計値が最も小さい時間帯、すなわちメンテナンスの時間帯として最も好適な時間帯をすぐに確認することができる。さらに、端末装置3のユーザは、最も好適な時間帯以外の利用人数、移動距離合計値、平均待ち時間、作業時平均待ち時間なども確認することができる。
なお、メンテナンス日時決定部105が利用情報解析データから解析結果を生成するにあたり、利用情報解析データの各レコードを、移動距離合計値の昇順にソートすることは一例である。例えば、メンテナンス日時決定部105は、作業時平均待ち時間の昇順に利用解析データの各レコードをソートし、解析結果としてもよい。また、例えば、利用情報解析データをどのように変更して解析結果とするかを示す情報が、解析指示に含まれていてもよい。つまり、図11の例においては、解析指示に、利用情報解析データの各レコードを、移動距離合計値の昇順にソートする旨の指示が含まれていてもよい。
〔ソフトウェアによる実現例〕
サーバ1の制御ブロック(特に制御部10)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、サーバ1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。