JP2574855B2 - エレベーター群管理制御装置 - Google Patents

エレベーター群管理制御装置

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JP2574855B2
JP2574855B2 JP63053532A JP5353288A JP2574855B2 JP 2574855 B2 JP2574855 B2 JP 2574855B2 JP 63053532 A JP63053532 A JP 63053532A JP 5353288 A JP5353288 A JP 5353288A JP 2574855 B2 JP2574855 B2 JP 2574855B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エレベーターの制御装置及び制御方法、並
びにその制御装置の感性入力装置及び方法に係り、特に
群管理制御されるエレベーターに対する利用者の感性に
対応した制御を実現するのに好適な装置及び方法に関す
る。
〔従来の技術〕
従来、エレベーター群管理制御装置では、エレベータ
ーの運転効率向上、及び乗降客のサービス向上を目的
に、発生するホール呼びをオンラインで監視し、全体の
ホール呼びのサービス状況を加味して、最適なエレベー
ターに呼びを割当てることにより平均的な待時間を短か
くする方式が採用されている。最近では、複数台のエレ
ベーターのうちからホール呼びを割当てるエレベーター
を選択するに当つて、それぞれのエレベーターを評価す
るための評価関数に可変パラメータを付加し、交通需要
に応じて、前記可変パラメータ値を変化し、得られた結
果を用いて、予め設定した目標値を満足するパラメータ
値を学習しておき、エレベーターの運転状況に応じて前
記パラメーターを利用して呼び割当て制御を実行する方
式が特開昭58−52162号,特開昭58−63668号等で提案さ
れている。
この方式は、待時間と省エネルギーという2つの制御
目標値をスイツチやビル管理システムからのレベル指令
により設定できるようになつており、発生呼び附近の停
止呼びを評価し、この停止呼びを多く待つエレベーター
に発生ホール呼びを優先的に割当てる停止及び評価指標
を導入したものである。停止呼び評価指標の重み係数を
適当に変更することにより、待時間が最適となる重み複
数を得たり、逆にこの重み係数を大きくして行くと省エ
ネルギー効果が得られるなどの効果があつた。
一方、特公昭62−70号,特公昭62−71号にも待時間と
省エネルギーを考慮したものが記載され、他方、特公昭
58−56709号には満員予測を評価指標に加えたものが、
特公昭62−47787号には予報外れ確率及び満員確率のう
ち少なくとも1つを評価指標として加えたものが記載さ
れている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術のうち待時間と省エネルギーの2つの制
御目標を有するものなどは、平均的な待時間を短縮する
ことにより、乗降客の不満を解消できるものではある
が、それでもなおいくつかの問題を有していた。具体的
には、特定の階床でいつも同じ時間帯で長待ちが発生し
たり、待機エレベーターが近くにいるにもかかわらず、
遠くのエレベーターに呼びが割当てられたり、ワゴン等
の量の大きい荷物を運搬中にもかかわらず混雑したエレ
ベーターに割当てられたため、このエレベーターが出発
後再度呼びを発生しなければならない等、種々のクレー
ムが発生し、それがビルのオーナー,管理者などに伝え
られていた。
また、待時間と省エネルギー、待時間と満員確率(予
報外れ確率)以外の制御目標値については配慮がなされ
ておらず、他にも制御目標が多々あるにもかかわらず、
これらの制御をビルのオーナー,管理者等が指示して行
なわせるのは困難であり、また種々の組合せにかかる多
目標の制御はなし得なかつた。
一旦、納入したビルにおいて、種々のクレームに対応
するためには、ビルのオーナー,管理者等のエレベータ
ー利用者はエレベーター製造業者に改変を要求し、エレ
ベーター製造業者の側にてプログラムの変更や追加を行
なつてROMの焼き直しを施さなければならなかつた。こ
れは、多くの人手と時間を要するのが実情であり、更に
利用者である乗降客,ビルのオーナー,管理者等の多岐
に渡る要求を全て満足させることはできず、かつ利用者
に対して、プログラム変更後実際にエレベーターを稼動
したときの効果を提示するということが困難であるとい
つた問題点を有していた。
このように、各ビルにおいて利用できる資源,エレベ
ーター台数,定員、エレベーター速度などには制約があ
り、この制約内で実現できる希望値を入力するのには、
多くの試行錯誤や経験を必要とする。また、利用者の希
望を予め矛盾なく数値化しておくことは困難である。と
ころが、上記従来技術では、利用者の希望を入力すると
いう考えがないので、希望を矛盾なく決定する手法に関
しては何等配慮されておらず、設置するエレベーターの
個性に合せた制御を実現するのは困難であつた。
本発明の目的は、利用者の要望をわかりやすい形式で
入力し、それを直接制御系に取り入れて、直ちに制御に
反映させることにより、上記問題点を解決することにあ
る。更に、利用者の種々の要求項目の追加削除を容易に
行なうことのできるエレベーターの制御装置及び制御方
法を提供することにある。
また、本発明の目的は、利用の多様な要求に答え、そ
の利用者が感性というわかりやすい形式で妥当な要求入
力を行えるように支援できるエレベーターの制御装置の
感性入力装置及び感性入力方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の目的を達成するために次のような種々な特徴
を有する。
第1は、エレベーターの制御装置に関し、利用者の感
性を入力する手段と、この感性に応じて群管理制御を実
行する手段を備えたことを特徴とし、利用者の感性を群
管理制御へ反映させることができるものである。
また、感性を複数の制御目標に変換する手段を備えて
いれば、群管理制御への適用が容易となる。具体的に
は、感性入力手段にて、複数項目の感性目標とエレベー
ターの利用環境(エレベーターの運転状況,交通需要
等)を合わせて設定し、目標変換手段は、感性目標の所
定項目に対してエレベーターの利用環境等の変換関数
(フアジー制御のメンバーシツプ関数に相当するもの)
を知識ベースに備え、この変換関数を用いてエレベータ
ーの制御目標値に変換する。(制御目標の各項目間の重
み付け又は優先順位にも合せてAHP(Analytical Hierar
chy Process)などの手法を用いて決定する。) 第2はエレベーターの制御装置に関し、制御目標(少
なくとも、ホール待時間,乗車時間,予約変更率,輸送
能力,乗車人数,長待機,予約報知時間,かご呼び先着
率,かご通過回数,満員通過回数,情報案内量,騒音レ
ベル,省エネルギー,エレベーター起動回数,スケジユ
ール運転のうち2つ以上)を直接入力する手段と、これ
らの制御目標を用いて群管理制御を実行する手段を備え
たことを特徴とする。
第3は、エレベーターの制御装置に関し、第1又は第
2で得られた制御目標を達成するために制御方法を決定
する手段を備えたことを特徴とする。具体的には、制御
目標を達成するための制御方法の候補を少なくとも1つ
選択する手段と、選択された制御方法の候補について各
制御目標の予測達成値を求める手段と、これらの予測達
成値に基づいて制御方法を決定する手段とを備えたこと
を特徴としている。(シミユレーシヨンを行なつて予測
達成値を求めれば一層効率的である。) 第4はエレベーターの制御装置に関し、エレベーター
の運転状況又は時間帯に応じて運転方法を選択可能とす
る登録手段(デシジヨンテーブル)を設け、外部からの
信号により登録手段の内容の追加等を行なうことを特徴
とする。
第5は、エレベーターの制御方法に関し、感性入力
し、この感性より群管理の呼び割当て評価式及びパラメ
ーターを算出して、この評価式及びパラメーターに従つ
て群管理制御を実行することを特徴とする。
第6は、エレベーターの制御装置の感性入力装置に関
し、感性入力する手段と、複数の制御目標に変換する手
段を備えたことを特徴とする。
第7は、エレベーターの制御装置の感性入力装置に関
し、感性入力し制御目標に変換する手段と、制御方法を
推論して決定する手段と、エレベーターの制御装置へ制
御方法を登録する手段を備えたことを特徴とする。具体
的には、感性を入力し、複数の制御目標に変換する手段
は、予め設定された感性入力知識ベースと環境・交通需
要データベースを用いて推論機能により制御目標値を決
定し、制御目標の各項目間の重み付け又は優先順位をAH
Pにて決定するように構成し、また、制御方法を推論し
て決定する手段は、制御目標値及び各項目間の重み付け
又は先順位に基づき、環境・交通需要データベース及び
制御方法決定知識ベースを用いて制御方法を決定するよ
うに構成する。
第8は、エレベーターの制御装置の感性入力方法に関
し、利用者の定性的な感性を予め定められたガイダンス
形式で入力すること等を特徴とするものである。
〔作用〕
エレベーター運行への定性的な要求である感性目標
(すなわち、価値感,興味,し好,感覚,好悪など)の
入力については、平易な日本語やレーザチヤート等を用
いてエレベーター制御の専門家でなくても簡単に設定で
きるものとし、設定された感性目標を、一例としてアン
ケート調査等によつて得られた変数関数を用いて制御目
標値に変換する。得られた複数の制御目標値(及び必要
に応じて制御目標の各項目間の重み付け又は優先順位を
考慮する)について、項目ごとに相関のあるものについ
ては予め設定されたシールなどに基づき制御方法に置き
換えることにより、利用者の要望を十分取り入れ、ビル
ごとに個性のある群管理制御を実現できる。
また、ある程度、エレベーター運行に対する知識を有
する利用者に対しては、感性入力せず、直接制御目標を
入力させて制御方法を決定することもできる。
更に、感性を制御目標に変換せず、直接エレベーター
の制御装置に採り入れて群管理制御の呼び割当て評価式
やパラメーターを決定して実際の群管理制御に反映させ
ることも、入力条件の限定等を施せば可能である。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。第1
図〜第18図は本発明の一実施例を示している。
第1図は、本発明の一実施例にかかるエレベーターの
制御装置の全体構成を示したものである。本発明の群管
理制御にかかる制御装置は大きく3つのブロツクで構成
される。1つは利用者の感性目標値や、前記感性目標値
を達成すべくエレベーターの運転状況や交通需要等のエ
レベーターの利用環境を設定する感性目標設定手段2で
ある。本手段を設けることにより、エレベーターの専門
家でなくても、制御方法の変更や運転予約等を簡単に行
うことができるものである。本図ではキーボードとデイ
スプレイを組合せた入力端末(パソコン,ワークステー
シヨンなど)2−1を用いて、感性目標値などの所定の
条件2−2を入力するようにしているが、このかわりに
群管理制御装置本体1にデイツプスイツチ等を設けてお
き、スイツチの入切により直接設定条件(エレベーター
の制御目標)を変更することも可能である。更に、電話
回線を利用したり、ICカード等の記録媒体にて群管理制
御装置本体1に直接設定することも可能である。もう1
つのブロツクは前記感性目標設定手段2にて設定され
た、利用者の要望(感性目標値)を実際の制御系を用い
る数値に変換するもので、感性目標値を設定する時に合
わせて入力された、エレベーターの利用環境等のデータ
を用いて、それぞれの感性項目ごとに、予め利用者から
のアンケート調査等によつて得られているデータに基づ
き作成された目標変換関数を抽出し、その抽出された関
数を用いて実際の制御用の目標値を決定し、制御目標を
最も良く達成する制御方法を決定するために用いられ
る。これらの制御目標値は、それぞれの条件ごとに分類
したテーブルに格納される。尚、この目標変換手段3
は、群管理制御装置本体1の内部ではなく外部に設けた
り、感性目標設定手段2に一体として組み込んでもよ
い。次のブロツク(制御実行手段4)では、制御目標を
最も良く達成する制御方法を決定しホール呼び制御部5
や、各号機制御部6,7,8からのデータに基づきエレベー
ター等の運転状況を判断して、先に決定した制御方法
(呼び割当て方法などを取り出し実行し、その結果を各
号機に伝達する。このように本システムを構成すること
により、利用者の要望を速やかに制御に反映することが
でき、エレベーターの使い勝手が向上する。又、各号機
の実際の運転結果を目標変換手段3で逆に感性目標値に
変換することによつて利用者にどの程度設定した目標を
満足した動きをしたかを報知することも可能である。
第2図は感性目標設定手段2と目標変換手段3の動作
を説明する図である。感性目標設定手段3は、感性目標
値設定部2aと、前記感性目標値を達成しなければならな
いエレベーターの利用環境(例えば、時間帯,交通量、
等の利用状態やエレベーターを設置したビルの性質,エ
レベーターの仕様等)を設定するエレベーター利用環境
設定部2bとから構成される。ところで、感性目標値とは
利用者の希望する目標値を物理量で直接的に設定するの
ではなく、好みの強弱等のように心理的に感じる度合を
間接的に示したものである。すなわち、利用者の価値
観,興味,し好,感覚,好悪等により導かれるエレベー
ター運行への定性的な要求であるといえる。例えば、エ
レベーターの専門家(設計者,保守員など)でなけれ
ば、「早く乗りたい」と言つても、「○階床で○台並
設、速度が○○m/minのエレベーターでは待時間は○○
秒くらいが適当だから、この○○秒よりは早くしてもら
いたい」といつた定量化された数値で要求を出すのは一
般的に困難である。そこで、「空いたかごに乗りたい」
とか「早く乗りたい」という定性的な目標値を感性目標
値として導入して解決を図らんとしたのが本発明であ
る。また、感性の目標値とはエレベーターの制御状況を
観測できる制御データ(ホール待ち時間,乗車時間,予
約変更率,乗車人数,輸送人数,etc)に対する目標値
(制御目標値)を正規化してアナログ量(デジタル量)
で表わしたものともいえる。実際の制御目標値はビルの
種類(ホテル,デパート,一社占有事務所ビル,管公庁
ビル等)やサービス階床数やエレベーターの台数,定員
等のエレベーターの仕様,交通需要等の利用状況に応じ
て変動するが、感性目標は正規化されているため自由に
設定できるものである。正規化の一方法の例を示すと次
の様になる。例えば、一社占有ビルの混雑時間帯の、最
小サービス可能な平均待時間を25秒,最大の平均待時間
を70秒とすると、最少の平均待時間を100,最大の平均待
時間を0として正規化する。すなわち、感性目標値とし
て50の値が設定されれば、制御目標値は が得られ、この値より小さくするような制御方法が選択
されることとなる。更に感性とは、3つ以上の項目間の
大小を相対的に表現したものということもでき、エレベ
ーターの諸条件を勘案して、エレベーターの運転性能を
最小値と最大値の間で複数段階に分割して表現したもの
ということもできる。このように、直接エレベーターの
運行に対する制御目標値などを制御方式等を考慮した上
で定量化して具体的な数値で表わすことが困難な場合に
導入する搬送であり、その他種々の表現形式が可能であ
る。
しかし、エレベーターの利用者が「空いたかごに乗り
たい」「早く乗りたい」……等全ての入力項目を完全に
満たすように要求をしてきても、相反するような入力項
目(例えば、混雑時間帯に「空いたかごに乗りたい」と
いう希望と「早く乗りたい」という希望)を同時に満足
させることは運転効率等を考慮すると困難である。そこ
で、希際のどちらを優先させるかを予め設定しておく必
要があり、その順位付けを行なう。(この順位付けはい
くら定性的な目標値であろうと比較の問題なので可能で
ある。)この優先順位の決定方法として第1に入力順位
(感性目標を入力していく順序)を順位とする方法、第
2に感性目標値の設定時に同時に順位を設定してもらう
方法等が考えられる。この優先順位の他に重み付けをつ
けることも考えられ、優先順位と重み付けを併用すれば
更に効果的である。
さらに、感性目標値とは、先に述べたように定性的な
目標値であり、単に利用者の希望の大小を表現したもの
であるため、この入力された感性目標値を実際の制御目
標値(制御量)に変換しなければエレベーターの制御は
なし得ない。しかし、この目標変換に当つては感性目標
値だけでは一意に決定しないので、この感性目標値を入
力するのに合せて、エレベーター利用環境(エレベータ
ー台数や速度,定員等のエレベーターの仕様,ホテル,
一社専有,デパート,雑居ビル等のビルの仕様,季節,
時間帯(又は時間),階床,交通量等の利用状況)を入
力する。そして、このエレベーター利用環境に応じて目
標変換に使用する関数又はルールを目標変換手段3中の
制御目標決定部3aで決定すると共に、感性目標値に対応
する制御目標値を決定し、項目ごとにその値を制御目標
テーブル3bに記録する。この制御目標の変換の具体的方
法については後述する。
第2図では感性目標値を1〜5の数値で設定するよう
にしているが、この入力方式のかわりに第3図や、第4
図に示すようにレーダチヤートを用いてマウス等を用い
てアナログ的に設定することも可能である。第3図はホ
テルの感性目標例を示したもので、予め、設計者等がエ
レベーターの利用状況等から判断して設定したものであ
る。本図で示すようにホテルにおいて、宿泊客のエレベ
ーターを利用する時間帯は、なるべく、他人と顔を合せ
たくないとか、荷物等があるため空いたかごに乗りたい
という要望の他に、荷物をもつて移動する量をなるべく
少なくしたいという要望から「到着するかごを正しく知
らせてほしい」等の要望が大きく、「早く乗りたい」、
とか「多くの人を短時間で運びたい」という要求は小さ
い。しかし、ある時、イベント等が発生して、「多くの
人を短時間に運びたい」という要求が発生することもあ
る。この時は、「空いたかごに乗りたい」等を他の項目
の要求値を従来どうり満足することはできなくなる。こ
の変化の度合は、各項目ごとの要求量と重要度合に応じ
て変化する。この要求達成の重要度合については、第2
図では順位付けで入力してもらつているが、図のような
レーダチヤートでも、順位付けしてもらう方法や、設定
順位を重要性の順位と判断する方法も考えられる。第4
図は一社占有ビルの感性目標の例を示したものである。
本図の場合、仕事の効率を考えて、「予約かごを早く知
らせてほしい」,「多くの人を短時間に運びたい」,
「早く乗りたい」という項目の要求が小さくなる傾向が
ある。
ところで、感性入力時に合わせて、ビルの仕様を設定
する必要があるが、ビルの性質をレーダチヤートで示す
と第5図のように用途別にその性質に差が見られるのが
わかる。第5図の実線は一社占有ビルの性質を、(b)
の点線はホテルの性質を表わしたもので、この性質の違
いが、前述の感性目標値の違いになつているものであ
る。
第6図は設定された感性目標値を制御目標値に変換す
るための構成を示したものである。
先に述べたように、感性目標値を設定する際にエレベ
ーターの利用情報を合わせてエレベーター利用環境設定
部2bにて設定する。このエレベーターの利用情報は大別
するとビルの性質2b1とエレベーター仕様2b2と利用情報
2b3とに分けられる。エレベーターの仕様やビルの性質
は一度設定すれば大幅に変更することはないが、利用情
報2b3に関しては、利用者が新たな要求を設定する場合
には必ず再設定する必要のある項目を含んでいる(例え
ば、新規の要求を満たす必要のある交通量や時間帯,階
床等の項目)。感性目標設定部2a(図示せず)で設定さ
れた感性目標とエレベーター利用環境設定部2bで設定さ
れたエレベーター利用情報などは目標変換手段3の制御
目標設定部3aに送信される。目標変換手段3は制御目標
設定部3a(制御目標変換関数生成ルール3a1,変換関数デ
ータベース3a2,目標変換部3a3)と制御目標データテー
ブル3bとからなる。ここで制御目標変換関数生成ルール
3a1とは、エレベーターの利用情報から、ビルの性質ご
とに設定された変換関数選択ルールを起動し、変換関数
データ・ベース3a2に予め記録されている感性目標項目
に対応する変換関数項目S1,S2……Sn中の関数fs1……fs
mを選択するものである。
第7図に変換関数の一例を示す。これは、フアジー制
御のメンバーシツプ関数などに相当するものである。第
7図においては、例えば、「早く乗りたい」という感性
目標項目に対して、f1a(x1)もしくはf1b(x1)(ここ
で、f1a(x1)はホール情報案内装置がある場合の関
数、f1b(x1)はない場合の関数)の関数が選択され
る。すなわち、ホール情報案内装置がある、無いとのエ
レベーターの利用環境を考慮して、制御目標変換関数生
成ルール3a1で「IF ホール情報案内装置が無い、AND早
く乗りたい THEN f1(x)=f1b(x1)」とのルール
がサーチされ、制御目標変換関数f1b(x1)が選択され
る。同様にして「空いたかごに乗りたい」「早く着きた
い」との感性目標項目に対しても夫々のエレベーターの
利用環境を考慮して変換関数が選択される。
なお、第7図で示した例では分かりやすいように、エ
レベーターの利用環境の判定項目を一種類としている
が、実際には複数の項目の組合せによつて使用する変換
関数が決定するものである。
次に、先の変換関数を用いて、感性目標値を制御目標
値に変換する例を示す。
第7図で「早く乗りたい」という感性目標値が目標設
定時に4と設定されたとして、変換関数も生成ルールに
より、f1(x)=f1b(x1)が選択されたものとする
と、変換関数から制御目標値として待時間の目標値x1
具体的にx1=40秒と算出される。この算出された40秒と
いう値は許容最大の待時間(制限値)と判定され、制御
目標テーブル3bには待時間は40秒以下の値とするという
ように記録される。又、当然この制御目標を達成しなけ
ればならないエレベーターの利用環境や重み付け値も合
わせてこの制御目標テーブル3bに記録される。このよう
にして、定性的で間接的な感性目標値を定量的で直接的
な制御目標値に変換していく。
第8図に感性目標項目と対応する制御目標項目の一例
を示す。第8図では感性目標と制御目標が1対1に対応
しているように記述しているが、実際には1つの感性目
標が複数の制御目標に影響している(例えば、早く乗り
たいという項目を満足させるには、待時間だけではな
く、かご呼び先着率や、情報案内量等も大きく影響す
る)。
以上の方法にて決定した複数の制御目標値は制御実行
手段4に送信される(第1図参照)。第9図に示す制御
実行手段4では制御目標テーブル3bの情報に基づいて実
現できる可能性のある制御方法(例えば、最小待時間割
当て制御(Min)、最長待時間最小化割当て制御(Min−
Max)、平均待時間最小化割当て制御,フローテイング
サービス制御等)の候補をいくつか知識ベース4eにある
知識(制御方法選択ルール)を用いて導き出す。実現で
きる制御方法が1つならそれで制御方法は決定する。)
このようにして導き出されたいくつかの制御方法の候補
は、エレベーターの動きをソフト的に模擬した、エレベ
ーター模擬実験部4gに送られる。模擬実験部4gでは、交
通量,エレベーターの仕様等のデータを先の制御目標テ
ーブル3b中から取り出し、選択された複数の制御方法を
用いて模擬実験し、その結果を先の制御目標項目ごとに
整理し、各制御目標ごとの予測達成値を求める。求めら
れた予測達成値は多目標意志決定部4hに送信され、ここ
で、先に決定されている制御目標値と比較し、最も達成
度合のよい制御方法を選択する。
この優劣の比較は、例えば、全体としての目標値を各
制御目標の目標値(i=1……n)を要素としたベ
クトル で表わし、全体としての予測達成値を各制御目標の予測
達成値fi(i=1……n)を要素としたベクトルf=
(f1,f2……fn)で表わすこととし、目標値ベクトル からの予測達成値ベクトルfの距離に重み付けした値 で測ることにより行ない、この距離の最も小さい制御方
法を選択するものである。このようにして選択された制
御方法は、エレベーターの利用情報ごとに制御方法デー
タベース4fに格納される。
さて、次に、オンラインでの動作について説明する。
制御実行手段4において、各号機制御部6〜8からの信
号S2や、ホール呼び制御部5からの信号S1はエレベータ
ー運転データ収集部4aに入力される。エレベーター運転
データ収集部4aでは入力されたデータを用いて短時間
(新規ホール呼びが発生する10分程度前から)のエレベ
ーター利用情報データ(交通需要データ,エレベーター
の位置及び方向,受待ち呼び,かご内乗客数(乗客
数),etc)を作成する。ここで求められたデータは学習
系4bに送信S3される。学習系ではこのデータを基に時間
帯別の交通需要や、待時間、その他のデータを学習す
る。これらの学習した情報S5とデータ収集部4aで作成さ
れた短時間の利用情報S3とを用いて、制御方法選択部4d
でエレベーターの運転状況を判定する。さらに、この制
御方法選択部4dでは先に説明したように、予め入力され
た複数の制御目標値に対して制御方法選択の知識ベース
4eと模擬実験部4g及び多目標意志決定部4hで決定された
制御方法の格納されている制御方法データベース4fから
実際のエレベーターの運転状況に見合つた制御方法を制
御方法選択ルールを用いて選択する。ここで選択された
制御方法は群管理制御系4cへ送信S4されここで、送信さ
れた制御方法を用いて各号機の評価を行い選択号機を決
定し、新規ホール呼が割当て指令を選択号機に送信S2
るものである。
第10図に呼び割当ての制御方法選択ルールの一例を示
す。図示のようにルールテーブルは3つの部分から構成
されている。T11は各階の方向別に適用すべきルールが
定義されているかどうかを示す登録ルールテーブルであ
り、同中○印を付けてあるところにルールが定義されて
いる。この例では1階の上昇呼びに対してはルール3が
登録されており、3階の上昇呼びに対してはルール1と
ルール3が登録されていることを示している。他の○印
の付いている部分は前記の説明と同様それぞれのルール
が登録されていることを示したものである。T12は各ル
ールの条件部を記録したルール条件テーブルである。条
件としては、エレベーターの利用情報に相当する曜日,
時刻,交通需要等の指定と、制御目標値(待時間,乗車
率,呼び報知時間etc)が設定される。これらの条件は
全てAND条件扱われ、OR条件で扱うときは別のルールと
して登録される。この各々のデータは判定条件式で書か
れている。例えば、乗車率が30%以下という条件は、 WEIGHT(K)=<SEKISAI(K)*0.3 …(1) 但し、WEIGHT(K):K号機の乗車人員 SEKISAT(K):K号機の定員 のように記述される。
T13は各ルールの条件が成立したときの実行部を記録
したルール実行テーブルであり、評価式または、割当て
号機番号が記録されている。例えば、定員が30%以下の
エレベーターの中から、最も早く到着できるエレベータ
ーを選択するという評価式は、 ASIGN=K FOR MINE[VALUE(K)] …(3) 但し、VALUE(K):評価値の配列 K:号機に対応する変数 ASIGN:割当て号機 MAX:最大値 のように記述される。実際に各テーブルに記録されるデ
ータは、上記各式はマイコンが実行可能な2進データに
変換したものである。また空欄は条件がないことを意味
している。
以上、これまで述べた動作をフローチヤートで表わす
と第11図となる。まず、エレベーターの利用環境を設定
する(E10)。引き続きE10に対応する感性目標項目を選
択し目標値を設定する(E20)。設定されたエレベータ
ー利用環境と感性目標に応じて、制御目標変換関数生成
ルールを起動し、変換関数を求める(E30)。但し、制
御目標値が一意に決定する場合は生成ルールにて制御目
標値を決定する。引き続きE30で選択された変換関数を
用いて感性目標値を制御目標値に変換する(E40)。変
換された制御目標値は制御目標テーブルへ記録される
(E50)。ここから、制御実行手段4に作業が移管され
る。制御目標テーブルの値を用い、予め設定した専門家
の知識を用いて制御方法の候補を選択する(G10)。選
択された複数の制御方法は模擬実験部へ送信され、ソフ
ト的にエレベーターの動作模擬したシステムを用い、設
定された条件に従つて模擬的に運行させる(G20)。こ
の運行結果より各制御項目ごとの予測達成値を算出する
(G30)。それぞれの制御方法の予測達成値を多目標意
志決定手段を用いて入力された目標値と比較し目標達成
度合の最も良い制御方法を選択する(G40)。尚、制御
方法を利用者に提示し、納得しなければ感性目標設定E2
0〜G30の処理を繰り返し行ない、最良の制御方法を選択
するようにしてもよい。選択された制御方法はエレベー
ター利用情報と合わせて制御方法データテーブルへ格納
される(G50)。以上、E10〜E50,G10〜G50までの処理は
エレベーターの制御からみるとオフライン処理で可能で
ある。
次に、エレベーター制御実行開始指令L10によつてエ
レベーターの運転制御が開始される。まず、各乗り場の
呼び信号の処理すなわち乗り場呼び入力処理を実行する
(L20)。さらに、各号機制御系からの各種データのや
り取りを行う通信処理が実行される(L30)。これらの
データ等に基づいて利用情報を求め、求められた利用情
報を用いて制御方式データベースから使用する制御方法
を選択する(L40)。次に選択された制御方法によつて
最適呼び割当てかごを決定し呼び割当て処理を実行する
(L50)。各ホール呼び割当て情報及びエレベーター到
着予測時間等によつて各乗場の案内表示器の案内内容の
決定,報知処理を行なう(L60)。以上の処理の他に各
種データの出力や表示等の処理(L70)を実行する。次
にこの一連の作業終了後引き続き運転を実行するかどう
かを判定し(L80)、運転を続行する場合にはL20の処理
を再び繰り返し、運転を終了する場合は終了となる。
第12図を用いて先の第11図に示したフローのうち利用
者が目に見える部分の処理の概略フローを示す。まず、
利用者がスイツチを入れると初相の感性目標を設定した
画面(例えば第3図,第4図)が表示される(E0)。次
に、初期設定された画面に対し、変更したい目標の目標
値を利用者がマウス等を用いて入力する(E20)。全て
の変更値を入力し終る(変更終了信号を送信する)と感
性目標を変換関数等の手段を用いて制御目標に変換する
(E40)。次に各制御目標を最も良く達成できそうな制
御方法の候補を制御目標テーブルと知識ベースを用いて
選択する(G10)。ここで選択された制御方法の候補が
1つの場合も複数個の場合もあり得るので、1つだけか
複数個あるかを決定し(G15)、1つだけであれば、そ
の方法が直ちに模擬実験部G20′へ送られる。模擬実験
部G20′では、感性目標入力時に設定した交通流データ
等を用いてシミユレーシヨンを実行する。その実験結果
から、先に設定した制御目標の予測達成値を求める(G3
0′)。その結果は、感性目標に逆変換され先に利用者
が設定した感性目標と合わせて表示される(G45′)。
これに対し、複数の制御方法が選択された場合には、
それぞれの制御方法について模擬実験が行なわれ(G2
0)、その結果は、制御方法ごとに各制御目標の予測目
標達成値が算出される(G30)。次に、算出された予測
目標達成値と目標値とが比較され、制御方法ごとに総合
達成度が算出される(G35)。この総合達成度を各制御
方法ごとに比較し、達成度の最も大きなもの(あるいは
小さいもの)を最適制御方法と決定する(G40)。この
選択された制御方法の予測目標達成値を感性目標値へ逆
変換し、先に利用者の設定した感性目標値と合わせて表
示する(G45)。利用者はこの表示画面により、システ
ムの決定した制御方法でよいと判断すれば(G60)、そ
の方法を制御方法テーブルへ送信する(G70)。もしそ
の方法でよくないと判断すると、再度E20から繰り返え
す。
さて、次に、感性目標入力から制御方法をデータテー
ブルに記録するまでのオフライン的に動作する処理を具
体例に基づいて説明する。
まず、エレベーターの利用環境のビル仕様としてホテ
ル,エレベーター仕様(台数,速度,サービス階床等)
が第13図に示したように設定され、さらに、エレベータ
ーの利用情報として、基準階(フロント階)で、交通量
普通で、チエツクインの時間帯等が設定されたとする
(第11図E10)。
この時、感性目標項目を第14図に示した6項目とする
と、実線の値が初期値として予めシステム側で設定され
ていたとする。(勿論、利用者がダイレクトに設定する
ように構成してもよいことは言うまでもない。)利用者
がこの図中のうち「早く乗りたい」という感性目標値を
マウス等の入力手段を用いて1の値から4の値へ設定変
更したとする(第11図E20)。この設定変更と同時期に
達成の優先順位も合わせて入力する。もし、達成の優先
順位が初期設定されている場合と同じで、設定変更要求
のある項目の優先順位が低くければ、実現可能な制御方
法も変わりないため、顧客に優先順位の変更をうなが
す。ここでは、設定変更で初期設定値より目標値が大き
くなるような場合、優先順位を一番に持つていき、小さ
くなるような場合は優先順位を6番目(最後)に持つて
行くものとする。
次に、「早く乗りたい」という感性目標値を制御用の
目標値に変換するため、制御目標変換関数生成ルールが
起動される。このルール(ホテル用)の一例を下記に示
す。
1)早く乗りたいという項目のルール群 ルール1 IFホテルANDチエツクインの時間 THENf1(x)=f1h(x1) ルール2 IFホテルAND昼食時間 THENf1(x)=f1h(x2) …………………… 前記ルールに合致する条件の目標変換関数が選択され
る(第11図E30)。この選択された目標変換関数(ここ
では第15図のf1h(x1)が選択されたものとする)は目
標変換手段3に送られ、ここで制御目標が算出される。
すなわち、初期設定された感性目標値は1であつたため
これまでは待時間は40秒以下と設定されていたが、今回
の設定によつて感性目標値が4に設定されたため、この
目標値は25秒以下と設定される(第11図E40)。この目
標値によつて先に設定されている制御目標テーブル値を
変更する(第11図E50)。この時、制御目標テーブルの
重みも合わせて変更する。今回の制御目標の変更前と変
更後の状態を第16図に示す。
これらの制御目標を満足する制御方法の候補を予め専
門家の知識等によつて設定してある知識ベースを用いて
選択する(第11図G10)。この選択ルールの1例を下記
に示す。
ルール1 IF時間帯=T1 and交通量≧a andフロント階 THENφ=T1 ルール2 IF時間帯=T1 and交通量≧a and一般階 THENφ=T2 …………………… ここでT1はチエツクインの時間帯,交通量a人/台・
5分を示したもので、T1,T2は呼び割当て方法を示して
いる。ここで、呼び割当て方法T1は待時間最小割当て方
法(Min)でその評価値は次式で求まる。
φ=TK−α・TAK+α′・TBK …(4) T1=min(φ1,……φ) …(5) ここで、φK:K号機のホール待時間評価値 TK:K号機が新規割当てホール呼び階へ到着するまでの時
間 TAK:K号機の割当て済ホール呼びやかご呼びを配慮した
停止呼び評価値 TBK:エレベーター状態に応じた負荷集中評価値 α,α′:重み係数 である。次にT2は最長待時間最小呼び割当て方法(Min
−Max)であり、次式で求められる。
φKi=TKi+TPi−α・TAKi+α′TBKi …(5) φKi:K号機に割当てられたi階ホール呼びの評価値 TKi:K号機が現時刻からi階へ到着するまでの時間 TPi:i階ホール呼びが発生してからの継過時間 TAKi:K号機の停止呼び評価値 TBKi:エレベーター状態に応じた負荷集中評価値 α,α′:重み係数 φ=max(φK1,……φKi) …(6) T2=min(φ1……φ) …(7) となる。すなわち、各号機ごとに割当てられたホール呼
び1つ1つの評価値を求め((5)式)、その最大の評
価値を選択し((6)式)、その評価値の最小のものに
呼びを割当てるものである。
この他、平均待時間割当評価方法,待時間分布割当評
価方法,等間隔かご割当評価方法及びこれら評価方法を
組合せた評価方法等、定式化された割当て評価方法を選
択するルールが知識ベースに準備されている。
さて、この制御方法選択ルールでは呼び割当て方法の
他に、各種運転仕様も合わせて選択するようにする。前
述のホテルの例では基準階に呼びの受け持たないエレベ
ーターを戻すロビー制御方式を合わせて指令する。ここ
で、利用者が感性目標値を入力した結果、待時間最小評
価方法と、平均待時間評価方法の2つが実現できそうな
制御方法として導き出されたものとする。なお、システ
ム側の初期設定では長待ち発生を抑制する最長待時間最
少呼び割当て方法によつて、初期設定された目標値を得
ていた。しかし、待時間最少割当評価方法と平均待時間
割当評価方法が候補として選択されたので、選択された
2種類の呼び割当評価方法と運転仕様は模擬実験部に送
信され模擬実験が行なわれる(第11図G20)。この結果
前記2種類の割当評価方法及びその他の運転仕様を用い
た場合の結果が得られる。今回は割当評価方法だけを変
化させるものとすれば、各制御目標の予測達成値が第17
図のように得られる(第11図G30)。この結果から、先
に説明した目標達成値の評価手法の1つである多目標意
志決定手法により、ノルム を用いて、それぞれの割当方法に対するlPを求めること
とする。今回は、この目標達成値の評価の方法として、
設定された目標値を満足した項目の値は零と評価し、未
達成値に各重み係数値を掛け合わせて、目標未達成値の
大小で求める。また、重み係数ωを各制御目標設定時
に設定された重みとする。前記条件によつてノルム の式にて、先に模擬実験によつて得られた第17図の制御
方法ごとに達成度を求める。例えば、待時間最少方法に
ついての達成度lP1は次式のようになる。
lP1=8(40−30)+7(5−3)+6(3−3) +9(25−25)+5(−35+30) +4(0.1−1) 上記式で1項目は乗車率,2項目は予約変更率,3項目は
かご呼び先着率,4項目はホール待時間,5項目は輸送能
力,6項目は予約報知時間である。ここで5項目の輸送能
力の目標値は30人/min以上であり、目標値より大きけれ
ば良く、残りの項は目標値より小さいほど良いため、加
減の式が異なつている。前記の条件によりlP1を求め
る。
lP1=8×10+7×2+6×0+9×0 +5×0+4×0=94 となる。同様にして平均待時間方法を演算すると、lP2
=147となる。以上のように今回は、説明をわかりやす
くするため、負の項を零としたが、実際には各評価項目
ごとの重み係数ωを、各制御項目を平潤化する係数と
し、今回零と置いた達成率のよい値も評価値に加えて評
価する方法もある。
この結果、小さい方の待時間最少呼び割当て方法が選
択される。この選択された制御方法の制御目標値は再び
感性目標に逆変換されレーダチヤートの形で、初期設定
値と合わせて表示される(第14図の点線)。ここで利用
者がこの方法で良いと判断すれば、選択された制御方法
が登録され、制御方法データテーブルへ記録されるもの
である。
以上、第11図のE10〜G50までの処理を具体的事例を用
いて説明した。今までの説明は全ての処理が群管理制御
装置内で行なわれるものとした場合である。
本発明の一実施例の変形を第18図に示す。本実施例は
感性目標設定支援システム9と群管理制御装置1とから
なり、群管理制御装置は先に説明した制御実行手段4の
多目標意志決定手段4h、模擬実験部4g、及び知識ベース
4eを除いた部分同じである。すなわち、オフライン動作
部分を外に取り出し別装置としたものである。
感性目標設定支援システム9は、先の感性目標設定手
段2に相当する感性目標の入出力部2a′と、エレベータ
ー利用環境入力設定部2b′と目標変換手段3に相当する
制御目標変換関数生成ルール3a1と変換関数データベー
ス3a2、及び目標変換部3a3及び、制御実行手段4に含ま
れていた、多目的意志決定部と知識ベースとを組合せた
制御方式選択ルール4he、及び模擬実験部4g及び制御方
法データベース部4fからなる。ここでは、入力された複
数の感性目標を満足する制御方法を決定し、その決定し
た制御方法を群管理制御装置内の制御方法データベース
へ記録する働きをするものである。このように構成すれ
ば群管理制御装置本体とは全く別個に利用者の要求を感
性という形で入力し、制御値まで変換しておけるので、
例えば感性目標設定支援システムをハンデイタイプのパ
ソコン(ラツプトツプなど)や、各種端末装置にてエレ
ベーターの設置ビルとは全く離れた場合で利用者と打合
せを行なえる等の効果がある。
さらに、他の変形として、予め制御目標値が直接入力
できる場合には、感性目標値設定と制御目標への変換部
を取り除いた構成とすることも可能である。
第19図以降に、他の実施例を示す。これな、第18図で
説明した感性目標設定支援システム9と群管理制御装置
1とほぼ同様の構成であるが、特に、感性目標(制御目
標)間の調整をAHP(Analytic Hierarchy Process)な
どの手法を用いて行なう点等に特徴がある。
第19図は全体構成図であり、個性化支援装置9′は先
の第18図における実施例の感性目標設定支援システム9
とほぼ同様の構成を採つている。すなわち、利用者の感
性目標値や、感性目標値を達成すべきエレベーターの運
転状況等のエレベーターの利用環境を入力端末I(これ
は第2図における2−1と同様)を用いて入力し、感性
入力知識ベース9′−4、環境・交通需要データベース
9′−5などを用いて制御目標値(及び、重み付け又は
優先順位)に変換する感性入力部9′−1と、環境・交
通需要データベース9′−5や制御方法決定知識ベース
9′−6を用いて制御方法を推論により選択決定する制
御方法推論部9′−2よりなつている。また、群管理制
御装置1′は、個性化支援装置9′により得られた制御
方法を格納するデータテーブル(通常デイシジヨンテー
ブルなどと称される。図示せず)を有し、かつ各号機の
号機制御装置6′−1〜4からの信号や各号ホールの信
号に基づき、エレベーターの運行状況を判定し、データ
テーブル内の制御方法を取り出し制御を実行するもので
あり、例えば、待時間や乗客数などの利用状況のデータ
を収集し、特徴モードを判定する学習系1′−1、新た
な特徴モードを生成して新たな運転プログラムを作成す
る知能系1′−2などを備えている(特開昭59−48369
号参照)。
第20図に、個性化支援装置9′に知識獲得部9′−3
を設けた例を示す。
群管理制御装置1′の学寺系1′−1で収集された、
各制御目標に対する実行結果及びそのときの状況を個性
化支援装置9′に送信し、制御目標値に対する達成度の
低い場合には、制御方法決定知識ベースの見直しを要請
したり、環境・交通需要データが設定されているものよ
り大幅に異なる場合には、新規データとして登録許可を
要請する知識獲得部9′−3を付加することによつて、
個性化支援装置9′における制御方法選択決定の精度の
向上を図ることができる。
次に個性化支援装置9′の具体的動作を説明する。
第21図は感性入力部9′−1と感性入力知識ベース
9′−4などの動作説明図である。
利用者(顧客)はパソコンあるいはタツチパネル付デ
イスプレイ等の入力端末Iを介して、まずビルの種類
(例えば、(1)事務所ビル,(2)ホテル,(3)デ
パート,(4)病院,(5)官公庁,(6)雑居ビル,
等)を選択する。第21図では事務所ビルが選択されたも
のとして説明する。次に、このビルの種類に基づいて第
22図に示すような代表的なエレベーターの仕様が提示さ
れる。もし、仕様の変更が必要な場合にはキーボード又
はマウス等を用いて入力端末Iから修正を行えばよい。
この修正が終了後、必要に応じて環境・交通需要も入力
する。そして、問答形式(ガイダンス形式)にて利用者
の感性を入力する。この感性入力の一例として、第23図
に示すようなものがある。すなわち、「Q.1 早くエレ
ベーターに乗りたいですか?」などという感性目標の項
目毎の問に対して「1)特に 2)やや 3)普通
4)それほどでも、5)気にしない」という5段階の解
答が用意しておき、この解答として4) (感性目標値
に相当)が選択されると、個性化支援装置9′の感性入
力知識ベース9′−4(9b′)を用いて推論を行ない、
ルール1が選択され、待時間40秒以下という具体的な制
御目標の制御目標値に変換する。(この例では感性目標
の項目と制御目標の項目とが1対1に対応している。) このような感性入力の方法以外には種々の方法が考え
られ、先の実施例でも説明したようにレーダチヤートな
どを用いても入力可能である。例えば、設定されたビル
の種類,仕様,利用環境などに応じて感性目標の項目や
目標値の標準的なパターンをレーダチヤートにて提示し
てやり、そのパターンに基づいて、利用者の希望の大小
を設定(修正)する方法は、エレベーター制御に熟知し
ておらず、不慣れな利用者に対しては効果的である(事
務所(一社占有)ビルのレーザチヤートの例は第4図参
照)。また、感性入力した全項目に渡つて最適な希望を
叶えるのは不可能であるため、(1)その項目で変更し
得る目標値の範囲を知らせてやる(例えば、「待時間は
30〜40秒の範囲で設定可能です」の表示を行なう。色分
けしたゾーンで示す等)、(2)利用者に総合の持ち点
(例えば20点)を与え、各項目待で利用者に按分させ
る、等の工夫を施し、制御目標値を求めることも考えら
れる。勿論、設定可能な利用者に対しては利用者の感性
に従い、入力項目や目標値を直接設定させてもよい。
ところで、この感性目標とは先に述べたように、機械
で使用する言葉を一般の人が理解できる言葉で表わした
もので、この値はエレベーターの制御状況を観測できる
制御データ(ホール待ち時間,乗車時間,予約変更率,
満員通過率,乗車人数,輸送人数,etc)に対する目標値
(制御目標値)を正規化(5段階に分割等)して、アナ
ログ量、あるいはデイジタル量で表わしたもの等といえ
る。又、1つの感性目標は2つ以上の制御目標を含む場
合もある。
尚、入力された感性目標値及び、要求を達成しなけれ
ばならない環境・交通需要を考慮して第21図の感性入力
知識ベース9′−4(9′b)を用いて推論を行ない制
御目標値を求めるわけであるが、第21図の感性入力知識
ベース9′−4(9′b)に示したプロダクシヨンルー
ルでは先の実施例にて説明した変換関数や変換テーブル
(第7図等)を用いることなく制御目標値に変換するの
に対し、不確実な要素(気候なども含む)に対しては専
用の変換関数や変換テーブルを使用して制御目標値に変
換する必要がある。(この点の説明は先の実施例と同様
なので割愛する。) このような方法にて定性的な感性目標から定量的な制
御目標へ変換されるわけであるが、感性目標項目と制御
目標項目が1対1に対応しているとは限らず、実際には
感性目標項目が複数の制御目標項目に影響している場合
が多い。例えば というような感性目標の項目が入力された場合には、待
時間を短縮してほしいという要求と、乗つている時間
(乗車時間)を短縮してほしいという要求の他に長く待
ちたくない(長待率の低減)に対する要求等種々の要求
が含まれている。そこで、感性目標の項目を複数の制御
目標の項目に振り分け、さらに夫々の目標値を求めるこ
とが必要となる。一例として、感性の要求に対する相互
の関連度合をエレベーターの利用環境・交通需要に応じ
て予めシミユレーシヨン等の手段により求め、第24図に
示す関連度テーブル(感性入力知識ベース9′−4など
の格納されている)に応じて、前記要求を振り分けるこ
とについて説明す例えば、 という要求が、る。0〜5の正規化された数値で、4と
入力されたとする。この時の利用環境が第24図の関連度
テーブルのとすると、この例では関連度を0〜5まで
の数値で表わしているため、前記感性目標値に対して、
各制御目標に対する要求の度合は、 のように感性目標値を再設定し、この値を用いて、先に
説明した手法で制御目標値に変換する。
また、2段階に分けて制御目標値を求めなくても、関
連度から一意に制御目標値を求めることも感性入力知識
データベース9′−4を駆使することにより可能であ
る。
以上のように感性目標から制御目標値が求められるわ
けであるが、制御目標値を全て満足するような制御が不
可能な場合もあり、群制御を行なう制御方法が一意に決
定できず、設定された制御目標値が十分反映されないと
いう事態が十分に想定される。そこで、制御目標(感性
目標)毎に何を重要視しているかという重み付け又優先
順位を設定する必要が生じてくる。この重み付け等は先
の実施例で説明したように利用者の側で直接決定してい
くとこも勿論可能だが、AHP(Analytic Hierarchy Proc
ess)とい手法を用いると効果的である。
このAHPについて第25図及び第26図を用いて説明す
る。利用客の要求として、「早く乗りたい(待時
間)」,「多くの人を運びたい(輸送能力)」,「乗つ
ている時間を少なくしたい(乗車時間)」,「正確に予
約かごを知らせてほしい(予測的中率)」,「空いたか
ごに乗りたい(かご内混雑度)」の5項目があるとす
る。これら要求に対して第25図に示すように各要求間の
重要度を一対比較で対話的に入力してもらう。この設定
された値から、第26図のような一対比較表を作成し、こ
の表から一対比較行列Aをつくりこの一対比較行列Aの
固有ベクトルVを求めることによつて、それぞれの要求
項目に対する重要度(重み係数値)を決定する。
上記例で、ホールでの待時間については0.513乗車時
間については0.261というようになる。
尚、第23図に示した関連度テーブルを用いれば、重み
はその関連度の値に含まれるためAHPなどの新たな重み
付けは又は優先順位の設定は必要ない。更に、感性入力
の際に目標値の範囲を限定したり、持ち点を与える方法
等を採用した場合にも重み付け又は優先順位の設定が省
略できる場合がある。
以上の手法により、第21図における顧客要求テーブル
9′cが作成される。この顧客要求テーブル9′cには
制御目標値と重み付け(優先順位)が格納されるが、次
に制御方法推論部9′−2にてこの制御目標値を満足す
るような制御方法を決定する(第20図参照)。
この選択決定に当つては、まずビル種ごとに選定され
た各種運転方法(例えば急行ゾーンを設けた運転,1階お
き又は複数階おきにサービスするスキツプ運転,特定階
までの直行運転,出力順序を予め設定した運転,特定階
を優先的にサービスする運転,etc)を決定するルールが
選択される。例えば事務所ビルの出勤時間帯において輸
送能力を重視した要求が入力されると、6台のエレベー
ターが設置されている場合3台は低階床用残り3台は高
階床ゾーンのように振り分けて使用したり、基準階で複
数台待機している場合は出発順序を決めておき乗車人数
やある一定時間間隔で出発させることにより輸送能力を
向上させた運転が可能である。この運転方法のうち1つ
あるいは2つ以上を組み合わせた運転方法を決定するこ
とも可能である。次に、決定された運転方法の呼び割当
て制御方法と使用するパラメーターを選択する。これら
制御方法の選択に当つては環境・交通需要データテーブ
ル9′−5を参照し第27図に示すような制御方法決定知
識ベース9′−6(ルール)を用いて選択するものであ
る。この選択された運転方法及び呼び割当て制御方法と
使用するパラメーターを用いた場合の予測達成値を推定
し、感性入力部9′−1で感性目標に逆変換し入力端末
Iに表示する。すなわち、顧客に予測達成値を提示し、
顧客の承認をもらつた後に第28図に示す群管理制御装置
1′内に設けたデシイジヨンテーブル1′−3に記録す
る。なお第28図は時間帯を基準として表わしてあるが、
これを交通流パターン別に区分したものも合せて作成す
ることも可能であり、また運転方向も同テーブルに記録
可能である。群管理制御装置側では学習系で学習した交
通流パターンや、内蔵した時計を用いて、状況を判断し
て、それぞれの状況に対応するデシイジヨンテーブルを
呼び出し、その内容に合つた制御を実行するものであ
る。
以上述べた本発明の他の実施例の変形として、次のよ
うなことも適宜可能である。
まず、第20図に示したように個性化支援装置9′内に
知識獲得部9′−3を設けたことである。
群管理制御装置1′で実際にエレベーターを制御した
結果の各制御目標に対応するデータを学習系1′−1で
収集し、各環境・交通需要ごと、及び1日単位,1週間単
位に統計処理した結果を記録しておく。又、この学習系
1′−1では顧客要求には直接関連はしないが、間接的
に影響する事項例えば乗車拒否率や階高測定用の走行時
間,異常長が待ちの発生とその時のエレベーターの状
態,長時間停止の発生等のデータも合わせて学習してお
く。以上の学習データは個性化支援装置9′を介して顧
客に提示できる構成となつている。また、個性化支援装
置9′内では学習データを受けとり、知識獲得部9′−
3で、先に感性入力に基づいて作成した制御目標値と学
習データを比較し、目標値を満足していれば実測結果の
顧客の理解できる感性の形に逆変換しレーダーチヤート
等を用いて提示する。もし、目標値も満足していない項
が発生している場合に、その時の利用状況で特異現象が
発生していないか(例えば乗車拒否が頻発していない
か,予測以外の階の利用率が高くなついないか等)を調
べ、その現象が発生している場合には他の制御方法を前
記利用環境データを用いて制御方法推論部9′−2で選
択し直す。もし利用環境データに合う選択ルールがない
場合には、最も近い利用環境データで推論する。
この推論によつて得られた制御方法やパラメーターを
前回のものと比較し、もし、前回のものと同一であれ
ば、新規ルールを作成するように報知する。もし、異な
る制御方法やパラメーターが選択された場合、前記実測
利用環境で用いてよいかどうかを顧客に提示し、許可を
受けて群管理制御装置1′の知能系1′−2内に設けた
デシジヨンテーブル1′−3へ記録する。なお、この知
識獲得部9′−3では群管理制御装置1′の学習系1′
−1で新規の環境や交通需要データが発生したことを検
出した場合には新たなデータとして環境・交通需要デー
タベースに追加する機能と追加したことを報知する手段
をもつている。
さらに他の変形例として、第29図に示すように個性化
支援装置9′内に模擬実験(シミユレータ)機能9′−
7を付加し知識獲得部9′−3で、感性入力部9′−1
にて設定された制御目標値に対し、達成度を求め、この
達成度が小さければ(あるいは大きければ)、実測した
環境・交通需要データを用いて、制御方法推論部9′−
2で、制御方法を選択し直し、シミユレータを用い実行
結果を予測し、制御目標を満足することを確認した上で
群管理制御装置1′内のデシジヨンテーブル1′−3へ
制御方法を送信するものである。
また、前記制御方法推論部9′−2で、再選択された
制御方法や評価用のパラメータが実際の制御に用いたも
のと同一のものが選択された場合、各制御目標のうち、
目標値を満足しなかつた項に関係する制御パラメーター
を抽出し、抽出された制御パラメーターを変化させシミ
ユレーシヨンを実行し、目標値に最も良く合う値を新規
パラメーターとして登録する。
次に全体の処理フロー例を第30,31図を用いて説明す
る。
個性化支援装置でまずビルの種類を設定する(10
1)。次に同ビル種の代表的エレベーター仕様等を提示
し(102)、前記提示仕様の修正が必要かどうか顧客が
判定し(103)、もし修正が必要ならば仕様修正を実行
する(104)。次に顧客の感性目標を入力してもらう(1
05)。入力された目標を感性入力知識ベースを用いて制
御目標値へ変換する(106)。次に各制御目標値間の優
先順位が顧客側で設定できるかどうかを問い合せ(10
7)、もし設定できなければAHPにより一対比較で、2つ
の目標間で相対比較値を設定してもらう(108)。この
入力結果に基づき一対比較行列を作成し固有値を算出す
る(109)。この固有値をそのまま重みとする。又、重
み決つていれば、顧客に重みを入力してもらう(11
0)。ここで決定した制御目標値と重みを顧客要求テー
ブルとして制御目標ごとに記録する(111)。次にこの
テーブルを制御方法推論部へ送る(112)。制御方法推
論部では、制御方法知識ベースや環境・交通需要データ
ベースを用いて制御方法を選択する(113)。選択され
た制御方法が一種類であれば最良の制御方法が決定され
(116)、選択された制御方法を利用者(感性入力者)
の了解のもとに制御装置へ送信する(117)。もし、複
数あると判定された場合には(114)、シミユレーシヨ
ンにより各制御目標値の予測達成値を求め(115)、こ
の値を先に決定された制御目標値と比較し最も達成度合
の高い制御方法を、最適制御方法と決定する(116)。
この決定した制御方法の予測達成値を顧客に提示し、顧
客の了解のもとに群管理制御装置内に設けたデシジヨン
テーブルに送信するものである(117)。
また、第31図は知識獲得部の動体を示したものであ
る。まず群管理制御装置で実測したデータを読み込む
(201)。次に読み込んだデータのうち利用環境・交通
需要のデータを先に目標値を設定した環境・交通需要と
比較する(202)。この比較結果から新規状態であるか
どうか判定する(203)。もし新規状態であれば、制御
目標値と実測データを比較し(204)、目標値を満足し
ているかどうか判定する。もし目標値を満足していなけ
れば、新規利用環境を環境・交通需要データベースへ記
録する(206)。次に制御方法推論部で新規利用環境デ
ータを用いて制御方法を選択する(207)。選択された
制御方法が複数かどうかを判定する(208)。複数の制
御方法が選択された場合にはシミユレーシヨンをそれぞ
れの方法について、実測した新規利用環境データを用い
て行う(209)。その結果と、制御目標値と比較し、目
標達成度の最も大きい制御方法を選択する(210)。ま
た、先の制御方法選択結果が単一の制御方法の場合、前
回の制御方法と異なつていれば(211)その制御方法が
最良の制御方法と考え、その制御方法を群管理制御装置
のデシジヨンテーブルへ送信する(212)。また、利用
環境が環境・交通需要データベースと一致していれば
(203)、制御目標値と実測データとを比較し(213)、
目標値を満足していれば(214)、知識獲得部の作業は
終了する。もし満足していなければ、目標値を満足しな
い目標項目を抽出(215)し、その目標項目に関係する
ルールを抽出し、ルールに記載されたパラメーターを変
化させシミユレーシヨンを実行し(217)、最も目標を
満足するパラメーターを新規ルールとして登録し旧ルー
ルを削除する。また、(205)において目標を満足して
いれば、新規利用環境及びその時の制御方法を登録する
(218)。
以上のように、実際の運行結果に基づく新規環境、ル
ールの修正のために満足しないルールを抽出が可能とな
り、きめ細かな運転制御が実現できる。
最後に、本発明は群管理エレベーターを対象として説
明してきたが、単独エレベーターなどに対しても適用可
能である。すなわち、運転制御方法(例えば、急行ゾー
ンや不停止階の設定、VIPサービスなどの実現)や、最
近増加してきたホームインフオメーシヨンに対する案内
表示、ドア開閉速度等の制御に対しても、いわゆる利用
者の感性を導入して制御を実現したり、支援ツールを導
入してマンマシン性を向上させたりすることもできる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、エレベーター利用者の感性目標(定
性的な量)を実際の制御目標に自動的に変換するため、
エレベーターの専門家の手をかりずに、希望する制御方
法を実行することが可能となる。
又、納入後、実際にエレベーターを稼動した結果につ
いても、先に利用者の希望した制御を実行しているかど
うか、稼動データを用いて逆に感性目標又は制御目標値
に逆に変換しかつ提示でき、エレベーター利用情況の診
断も可能である。さらに、制御実行手段で使用される制
御方法は利用者が納得した上で採用されるため、利用者
の使い勝手は向上される。
その他、実施例で説明したように、感性という表現を
用いなくても利用者に対してそのエレベーターの個性に
あつた制御を種々実現できると共に、制御装置に対する
入力装置及び入力方法としても従来にはない優れた効果
を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の全体構成図、第2図は感性
目標設定手段と目標変換手段の動作説明図、第3図およ
び第4図は感性目標の設定例、第5図はビルの性質を示
したレーザチヤート、第6図は制御目標変換の方法の説
明図、第7図は目標変換関数の一例、第8図は感性目標
と制御目標の対応図、第9図は制御実行手段の動作説明
図、第10図は制御方法選択ルールの一例、第11図は本発
明の一実施例の動作フローチヤート、第12図は利用者が
目に見える部分のフローチヤート、第13図はエレベータ
ー仕様の設定例、第14図は感性目標設定変更例、第15図
は目標変換関数の一例、第16図は制御目標テーブル例、
第17図は予測達成値の一例、第18図は本発明の一実施例
の変形にかかる全体構成図、第19図は本発明の他の実施
例の全体構成図、第20図は他の実施例の変形にかかる全
体構成図、第21図は他の実施例の感性入力部の動作説明
図、第22図は感性入力時の代表的な仕様の一例、第23図
は感性目標の入力方法を示す図、第24図は感性目標から
複数の制御目標を求めるための関速度テーブル例、第25
図はAHPによる重みの入力方法を示す図、第26図はAHPに
よる一対比較を示す図、第27図は制御方法設定知識ベー
スのルール例、第28図はデシジヨンテーブルの一例、第
29図は他の実施例の変形にかかる全体構成図、第30図及
び第31図は他の実施例の処理フローチヤートである。 1……群管理制御装置、1′……群管理制御装置、2…
…感性目標設定手段、3……目標変換手段、4……制御
実行手段、5……ホール呼び制御部、6,7,8……号機制
御部、9′……個性化支援装置、9′−1……感性入力
部、9′−2……制御方法推論部、9′−3……知識獲
得部、9′−4……感性入力知識ベース、9′−5……
環境・交通需要データベース、9′−6……制御方法決
定知識ベース、9′−7……シミユレータ部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 清 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 葛貫 荘四郎 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 米田 健治 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日 立製作所水戸工場内 (56)参考文献 特開 平1−226677(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多階床間を就役する複数台のエレベーター
    に対する利用者の定性的な感性を入力する入力手段と、
    前記入力手段により入力された感性を複数の制御目標に
    変換する変換手段と、前記各制御目標を達成するため
    に、前記制御目標、及び各項目間の重みまたは優先順位
    と、環境、交通需要データベース及び制御方法決定知識
    ベースを用い制御方法を推論して決定する制御方法決定
    手段と、前記制御方法決定手段で決定した制御方法を前
    記複数台のエレベーターの運行を制御を実行する制御装
    置に登録する手段と、前記制御装置は登録された制御方
    法を実行し、前記制御装置で実行した運行時の実測デー
    タと、前記環境、交通需要データベースを比較し、一致
    しない場合実測データを新規データとして前記環境、交
    通需要データベースに登録する知識獲得手段とを備えた
    エレベーター群管理制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記制御方法決定手段
    が前記制御目標値を達成する制御方法を2つ以上選択し
    た場合は、シミュレータにより模擬実験を行ない、得ら
    れた実験結果のデータの基づき制御目標達成後の状態の
    良い制御方法を最適制御方法として決定するように構成
    したことを特徴とするエレベーター群管理制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記実測データが前記
    制御目標値を達成しない場合、前記実測データの環境・
    交通需要データベースのデータを用いて前記制御方法決
    定手段にて、制御方法を再選択し、選択された制御方法
    についてシミュレータを用いて予測達成値を求め、その
    結果を利用者に提示して承認を得た後、前記制御装置に
    登録する様に構成したことを特徴とするエレベーター群
    管理制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記変換手段は、入力
    された感性を一対比較し、それぞれの制御目標の重み付
    けまたは優先順位を決定することを特徴とするエレベー
    ター群管理制御装置。
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