JP2507511B2 - エレベ―タ―の群管理制御装置 - Google Patents

エレベ―タ―の群管理制御装置

Info

Publication number
JP2507511B2
JP2507511B2 JP63016984A JP1698488A JP2507511B2 JP 2507511 B2 JP2507511 B2 JP 2507511B2 JP 63016984 A JP63016984 A JP 63016984A JP 1698488 A JP1698488 A JP 1698488A JP 2507511 B2 JP2507511 B2 JP 2507511B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control
target
input
elevator
group management
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63016984A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01192682A (ja
Inventor
敏光 飛田
雄三 森田
篤哉 藤野
中村  清
荘四郎 葛貫
健治 米田
孝明 上島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP63016984A priority Critical patent/JP2507511B2/ja
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority claimed from US07/301,973 external-priority patent/US5307903A/en
Priority to US07/301,973 priority patent/US5307903A/en
Priority to GB8901854A priority patent/GB2214662B/en
Priority to KR1019890000933A priority patent/KR960002418B1/ko
Publication of JPH01192682A publication Critical patent/JPH01192682A/ja
Priority to GB9103253A priority patent/GB2240641B/en
Priority to GB9103254A priority patent/GB2240196B/en
Priority to SG1336/92A priority patent/SG133692G/en
Priority to HK269/93A priority patent/HK26993A/xx
Priority to US08/134,803 priority patent/US5892190A/en
Publication of JP2507511B2 publication Critical patent/JP2507511B2/ja
Application granted granted Critical
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Elevator Control (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エレベーターの群管理制御装置に係り、特
に、エレベーターに対する利用者の多様な要望を実現す
るのに好適なエレベーターの群管理制御装置に関する。
〔従来の技術〕
従来のエレベーターの群管理制御においては、呼び割
り当てを行うための基準となる制御目標は、ホールで呼
びボタンを押してからエレベーターが乗り場に到着する
までの待ち時間が主であり、長年これを短くする努力が
なされてきた。制御目標としてこれ以外の評価項目を考
慮したものとしては、特公昭62−70号,特公昭62−71号
に記載されているように、エレベーターの消費電力を節
約し、かつ乗り場待ち客へのサービスも低下させないよ
うに待ち時間とのバランスを取るというものがある。こ
れは、ホール呼びに乗りかごを割りあてる際の評価項目
に、待ち時間だけでなく、消費電力の予測値を加えて省
エネルギーと乗場待ち客へのサービスの両立をはかつて
いるので、省エネルギーと待ち時間の短縮を同時に行う
という点では優れている。
しかしながら、予約変更回数や乗車人数,乗車時間な
ど他にも評価項目が多々あるにもかかわらず、他の評価
項目は考慮されておらず、また、省エネルギーと待ち時
間とのバランスはシステム側で決められてしまうので、
利用者の意見を反映させることができない。
更に、他の評価項目に関しては、例えば、満員予測を
評価項目に加えたものとして特公昭58−56709号、予報
外れ確率及び満員確率のうち少なくとも1つを評価項目
に加えたものとして特公昭62−47787号があるが、待ち
時間とのバランスをとる際に、利用者の希望を取り入れ
ることは困難である。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、利用者やビル管理者の個々の希望を
群管理制御の主たる評価項目である待ち時間とのバラン
スをとつて実現させるという点では優れているが、複数
の評価項目間のバランスをとり、利用者やビル管理者が
満足できる制御方法を決定する手法については配慮され
ておらず、また、利用者やビル管理者が個々の評価項目
に対する制御目標値を設定したり、それらの制御目標の
予測達成率を知ることができないため、利用者やビル管
理者の希望全体にわたつて納得してもらえる制御が行え
ないという問題点があつた。
本発明の目的は、かかる不具合を解決し、利用者やビ
ル管理者の多様な要求にも答えられるエレベーターの群
管理制御装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、第1に、複数のエレベー
ターの制御目標(少なくとも、ホール待ち時間,乗車時
間,予約変更率,輸送能力,乗車人数,長待率、予約報
知時間,かご呼び先着率,かご通過回数,満員通過回
数,情報案内量,騒音レベル,省エネルギー,エレベー
ター起動回数,スケジユール運転のうち2つ以上)を入
力する手段と、これらの制御目標を達成するための制御
方法の候補を少なくとも1つ選択する手段と、選択され
た制御方法の候補について各制御目標の予測達成値を求
める手段と、これらの予測達成値に基づいて制御方法を
決定する手段を備えており、利用者や、ビル管理者の多
様な要求に応ずることができる。
第2に、各制御目標に対して達成可能な予測達成値を
表示する手段を備えており、利用者やビル管理者と対話
しながら納得のいく制御方法を決定できる。
第3に、各制御目標に対して、目標値,優先順位,重
みなどを入力し、交通需要若しくは環境,各制御目標、
及び複数の制御方法の関係を知識として予め蓄えてお
き、更に模擬実験により予測達成値を確認するので、処
理時間が短縮できると共に、予測の精度が向上するもの
である。
第4に、多目的計画法若しくは目標計画法などの数理
計画法によりパレート最適解を求め、制御方法を決定す
ることにより、簡易に制御方法が決定できる。
〔作用〕
入力手段によつて入力されたエレベーターの各制御目
標の目標値とそれらに対する優先順位や重み等の顧客の
要求をもとに、あらかじめ蓄えられた知識を用いて顧客
の要求を満足できると思われるエレベーターの制御方法
の候補を少なくとも1つ選択して導き出す。
この選択手段は、たとえば、顧客の要求が待ち時間と
乗車時間と省エネルギだけであるなら、知識として蓄え
られた、交通需要と制御方法とこれら顧客の要求間の関
係を表わした実験式や理論式などの関係式と、多目的計
画法や目標計画法などの手段によりパレート最適解と呼
ばれる解を得ることができる。しかしながら、交通需要
や制御方法と顧客の要求間の関係式が得られることは少
ないので、あらかじめ蓄えられた交通需要と制御方法と
顧客の要求間の関係を表わす知識により予測される交通
需要下で顧客の要求を満足する制御方法を前記知識を用
いて推論することによつていくつかの候補を導き出す。
これら導き出された制御方法の候補それぞれについ
て、予測される交通流のもとで各制御方法を用いてエレ
ベーターの制御した場合における各制御目標の予測達成
値を計算機内にエレベーターの動きを模擬した模擬実験
手段によつて求める。
これら各制御方法ごとの制御目標の予測達成値と入力
手段によつて入力された制御目標の目標値やこの目標値
に対する優先順位や重みからエレベーターの制御方法の
優劣を決定し、最も顧客の要求を満足させ得ると思われ
る制御方法を選び出す。
この選び出された制御方法とこの制御方法を用いた場
合に得られる各制御目標の予測達成値と入力手段によつ
て入力された制御目標の目標値とその優先順位や重みを
表示手段によつて顧客に提示し、顧客に納得ゆくまで以
上の手順を繰り返してもらう。このように、顧客の要求
とその予測達成値を顧客に提示し、対話的にエレベータ
ーの制御方法を決定して行くので、顧客の納得できる制
御を行うことができる。また、エレベーターの制御方法
を決定する際の条件となるエレベーターの最高速度や乗
車人数,各エレベーターのサービス階床の違いなども考
慮した知識を全て蓄え、それを用いて推論を行うのは、
多くの記憶容量を必要とし、推論にも多くの時間を必要
とするが、推論によつていくつかの解の候補を選びだ
し、模擬実験手段によつてそれらの中からより良い解を
選び出すようにすれば、実用上充分な解を実用的な時間
内で求めることが可能となる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図に従つて説明する。第1
図は、本発明の全体構成図である。入出力装置1から、
乗車人数や乗車時間,予約変更率,待ち時間(ホール呼
び継続時間)といつたエレベーターの制御目標の目標値
とそれらに対する重みを入力し、エレベーター個性化支
援部2に送る。これを受け取つたエレベーター個性化支
援部2内の多目標意志決定部21は、制御目標の目標値と
それらに対する重みを推論部24に送り、推論部24は交通
需要,環境データベース22から各時間ごとのエレベータ
ーの利用状況を示すエレベーターの交通需要,エレベー
ターごとのサービス階床,定格速度,定員といつたエレ
ベーターの性能,エレベーターの置かれているビルの種
類,ビルの近くに交差点や駅があるかといつたエレベー
ターの取り巻かれる環境を取り出し、多目標意志決定部
21から送られてきた制御目標の目標値とそれらに対する
重みをこれらの条件下で実現できる可能性のある制御方
法をいくつか知識ベース23にある知識を用いて導き出
す。ここで、制御方法とは、例えば待時間最小呼び割当
方式(Min)、最長待時間最小呼び割当方式(Min−Ma
x)、待時間分布割当方式等であり、これらの制御方式
を組合せたものも準備されている。このようにして導き
出されたいくつかの制御方法は、エレベーターの動きを
模擬するエレベーター模擬実験部25に送られる。模擬実
験部25は、交通需要,エレベーターの性能,エレベータ
ーの取り巻かれる環境を交通需要,環境データベース22
から取り出し、この条件下でそれぞれの制御方法を行つ
た場合について模擬実験をし、それぞれの制御方法を行
つた場合の各制御目標の予測達成値を求める。この各々
の制御方法と、それを採用した場合の各制御目標の予測
達成値は多目標意志決定部21に送られる。多目標意志決
定部21は、この制御方法および各制御方法を採用した場
合の各制御目標の予測達成値を、入出力装置1から入力
された制御目標の目標値とその重みを用いて比較し、最
良の制御方法を各制御目標の目標値および予測達成値と
ともに入出力装置1に表示する。この表示された予測達
成値と制御方法で納得できなければ、制御目標の目標値
やその重みを変更し、以上の手順を繰り返えす。納得で
きる結果が得られたなら、その制御方法を群管理制御装
置3に送る。群管理制御装置3は、この制御方法に従つ
て、ホール呼びボタン4からの呼びを評価し、各号機制
御装置5を制御する。
第2図は、エレベーター個性化支援部2を詳細に示し
た図である。入出力装置1から入力された制御目標の目
標値とその重みは、多目的意志決定部21の制御目標値テ
ーブル21aに送られる。第3図は制御目標値テーブル21a
の一例である。多目的意志決定入出力制御部2aは、施制
目標値テーブル21aの内容を推論部24に送る。推論部24
は、交通需要環境データベース22からの交通需要、エレ
ベーターの性能、エレベーターの取り巻かれる環境を取
り出し、知識ベース23から知識を取り出して推論する。
第4図に知識の一例を、第5図に交通需要テーブル、第
6図にエレベーターの性能・環境テーブルの一例を示
す。エレベーターの取り巻かれる環境が単純で、入出力
装置1からの制御目標の目標値が簡単なものであれば、
知識ベース23に知識として蓄えられている制御方法と制
御目標間の関係を記述した実験式を用いて数理計画法に
よつて解を求めることができる(尚、数式でなく表,グ
ラフ,アルゴリズム等であつてもよい。)この場合は、
推論部24は、多目標意志決定入出力制御部21cに実験式
を送り、多目標意志決定入出力制御部21cは、多目標意
志決定評価部21bにその実験式を送り、多目標意志決定
評価部21bは、多目的計画法によつてパレート最適解を
求めてその結果を多目標意志決定入出力制御部21cに戻
す。多目標意志決定入出力制御部21cは、結果として与
えられた制御方法を模擬実験部25に送る。模擬実験部25
は、この制御方法を用いた場合の各制御目標の予測達成
値を交通需要・環境データベース22から目的とするエレ
ベーターの交通需要・性能・取り巻かれる環境を用いて
算出し、予測達成値テーブル21dに返す。
第7図に予測達成値テーブルの一例を示す。多目標意
志決定評価部は、予測達成値テーブル21dと数理計画法
によつて求めた解を比較し、大きな差がなければ、予測
達成値テーブル21dの内容を多目標意志決定入出力制御
部21cに送り、多目標意志決定入出力制御部21cは、この
予測達成値テーブル21dの内容と、制御目標値テーブル2
1aの内容を入出力装置1に表示し、これで良いかどうか
の判断を仰ぐ。エレベーターの取り巻かれる環境が複雑
であつたり、制御目標の目標値が困難なものであれば、
数理計画法によつては解を求めることができない。この
場合は、推論部24は、交通需要,エレベーターの性能・
環境と制御目標の目標値を基に、知識ベース23に蓄えら
れている知識を用いて、各制御目標の目標値を達成する
可能性のある制御方法をいくつか選びだす。このように
して選び出された制御方法は、模擬実験部25に送られ、
模擬実験部25は、交通需要・環境データベース22の内容
を用いて予測達成値を各制御方法について算出し、これ
を予測達成値テーブル21dに送る。多目標意志決定評価
部21bは、この予測達成値テーブル21dの内容で各制御方
法の優劣の比較を行う。この優劣の比較は、例えば、目
標値を各制御目標の目標値、(i=1,…,n)を要素
とした であらわし、予想達成値を各制御目標の予想達成値fi
(i=1,…,n)を要素とした で表わすことにすれば、目標値ベクトルからの予想達成
値ベクトルの距離を重み付けlpノルム、 で測り、この距離が最も小さい制御方法を選択すれば良
い。これにより、なるべく制御目標に近くなるような制
御方法を得ることができる。エレベーターにおいては、
ホールでの待ち時間などはある目標値に近いことが重要
ではなく、目標値以下になる制御方法の方がより望まし
い。これは、乗車人数についても同様である。また、輸
送量は、目標値以上である方が望ましい。このような目
標値を超過した場合と不足した場合での評価に差がある
ときには という補助変数を導入し、 を最小にする制御方法を選べば良い。ここで、▲d+ i
と▲d- i▼はそれぞれi番目の目標値に対する超過達成
と不足達成を表わし、変異変数と呼ばれる。▲w+ i▼と
▲w- i▼は、▲d+ i▼,▲d- i▼の重み係数であり、 であるので、待ち時間や乗車人数などのように目標値以
下であれば良いような場合には、▲w+ i▼を入出力装置
1によつて入力された重みを用い、▲w- i▼を0にすれ
ば良く、輸送量などのように目標以上であることが望ま
しい場合には、▲w+ i▼を0にし、▲w- i▼に入出力装置
1によつて入力された重みを用いれば良い。
このようにして選択された制御方法とその制御目標の
予測達成値および目標値を入出力装置1に表示し、これ
で良いかどうかの判断を仰ぐ。良くなければ、制御目標
の目標値およびその重みを変更し、以上の手順を繰り返
す。もし良ければ、多目標意志決定入出力制御部21c
は、この制御方法を実行できるように群管理制御装置3
内のデシジヨンテーブル3bを書き換える。第8図にデシ
ジヨンテーブの一例を示す。交通流は時間によつて変化
するので、それぞれの交通流に対処するためにデシジヨ
ンテーブルは複数あり、それぞれのデシジヨンテーブル
の使用開始時刻および使用終了時刻が示されている。
複数の制御目標間の調整をして顧客が納得できる制御
を行うという問題は、多目標計画問題として次のように
定式化できる。
目的関係 を制約条件 のもとで最小もしくは、最大にするという問題になる。
ここでは最小にする場合について説明するが、最大にす
る場合も−1を両辺に掛ければ、同様に扱うことができ
る。
ここで、 はn次元決定変数ベクトル はk次元ベクトル関数、 はk次元目標値ベクトル、 はm次元ベクトル制約関数である。すなわち、多目標計
画問題は、m個の不等式制約条件のもとでk個の目的関
数を同時に最小にするn次元の決定変数ベクトルを求め
るという問題になる。エレベーターの群管理制御におい
ては、決定変数 は、制御方法に相当し、 は、交通需要やエレベーターの性能・取り巻かれる環境
に相当する。また、目標値 の成分f1,f2,…,fnは各制御目標の目標値である。
第9図,第10図は、多目標計画問題の解の概念を表わ
した図である。ここで簡単のために目標値 としている。第9図は、単一目的の場合の概念をそのま
ま拡張した完全最適解について説明した図である。ここ
で目標関数が2つの場合を表わしている。ここで、 は、目的関数空間における実行可能領域である。(1)
は目的関数空間を表わし、点aでf1,f2ともに最小とな
つている。(2)はf1,f2で表わしたものでf1,f2とも点aで極小となつている。
このように、完全最適解は、すべての目的関数f1,f2
…,fnが同時に最小となる場合にだけ存在し、目的関数
が競合するような場合には一般には存在しない。このよ
うな場合には、ある目的関数の値を改善するためには、
少なくとも他の1つの目的関数の値を改悪せざるを得な
いような解が定義でき、これをパレート最適解と呼ぶ。
第10図はパレート最適解の説明図である。(1)は目的
関数空間で表わした場合で、点b,点cはそれぞれf1,f2
の最小点である。同じパレート最適解であつても、点b
では目的関数f1は最小であるが、目的関数f2はパレート
最適解の中では最悪である。同様に、点cにおいては、
目的関数f2は最小であるが、目的関数f1は最悪になる。
(2)は目的関数f1,f2で表わしたものである。目的関数f1は点bで極小値をと
り、目的関数f2は点cで極小値をとる。したがつて、点
bからcまでのいずれのxも一方を改善するにはもう一
方を改悪せざるを得ないパレート最適解である。このよ
うに、同じパレート最適解であつても個々の目的関数は
異なつた値を持つので、意志決定者の最も好ましい解を
決定するために、前述のように各々の目的関数に重みを
付ける必要があり、また、解を求めるためには、多目標
計画問題をスカラー化して単一目的の問題にする必要が
ある。ここでは、多目標計画問題の目的関数 に対して設定された からの距離を重み付けノルムlpを最小にするという問題
になる。このようなスカラー化を行い、数理計画法によ
つて解を求める場合は一般には局所的なパレート最適解
しか求めることができない。第11図は、2変数の場合の
大域的最適解と局所的最適解について説明した図であ
る。図中、a,b,cは、いずれも局所的最適解であり、こ
のうちcは大域的な最適解でもある。通常の数理計画法
的手段や、パラメータを少しずつ変更してより良い解を
求めて行くような方法では、aのよな局所的最適解は求
まるが、cにより良い大域的最適解が存在することはわ
からない。また、すべての点についてしらみつぶしに調
べて行くには膨大な時間がかかる。そこで、このような
場合には、局所最適解が存在する領域があらかじめわか
つていれば、個々の局所最適解を求めて比較すれば大域
的最適解を求めることができる。すなわち、知識ベース
23の知識を用いて推論部24が局所最適解のある領域を推
論し、数理計画的手段により局所最適解を求め、多目標
意志決定評価部21bでこれらの局所最適解を比較すれば
良い。ところが、エレベーターの群管理制御では、目的
関数を数式で表わすことが困難な場合が多く、また、エ
レベーターの設置状態などによつて目的関数が変化す
る。そこでこのような場合には、推論部24で局所最適解
のある領域を推論し、この領域内のパラメーターをいく
つか用いて模擬実験部25で各制御目標の予測達成値を求
め、これを多目標意志決定評価部21bで比較し、これを
解とする。このような手段では、パレート最適解である
かどうかは保障されないが、実用上さしつかえない解を
得ることができる。
推論部24で制御方法を推論する方法の一例を第4図の
知識を用いて説明する。ビルの種類は実務所ビルで出勤
時かつ制御目標の予約変更率に対する重みは小さく、長
待ちに対する重みは大きいとする。事務所ビルであるこ
とでルール1が選択され、利用者は慣れていることがわ
かり、この利用者が慣れているという条件と、予約変更
率の重みが小さいことからルール2が選択され長待ちの
時は予約変更することにする。また、事務所ビルである
ことと、出勤時であるという条件からルール5が選択さ
れ基準階に集中サービスすることにする。以上により、
エレベーターの制御方式としては、基準階に集中サービ
スし、長待ちが生じそうなときは頻繁に予約変更を行う
ことにする。以上は入出力装置1から入力した制御目標
や環境条件に関する推論について説明したが、さらに、
これらの条件と交通需要・環境データベース22からの詳
細な交通需要データやエレベーターの性能を基に推論
し、エレベーターの具体的な割当評価式やそれぞれのパ
ラメータの範囲を求め。これを模擬実験部25に送り、予
測達成値を求める。
第12図は、本発明の使用例を示す概略のフローチヤー
トである。まず、エレベーターの置かれている環境条件
や交通需要を入出力装置1から入力する(201)。次
に、制御目標および重みを入出力装置1から入力する
(202)。次に、多目標意志決定部21および推論部24で
制御方法の候補をいくつか選び出し(203)、与えられ
た交通需要およびエレベーターの置かれている環境のも
とで、(203)で選び出した各制御方法を用いた場合の
模擬実験を行う(204)。その後、この模擬実験の結果
を用いて多目的意志決定部21で各制御方法ごとに比較
し、最良の解を求める(205)。この選ばれた制御方法
とその制御方法を用いた場合の各制御項目の予測達成値
を入出力装置1に表示する(206)。この結果で良いか
どうかの判断を仰ぎ(207)、良くなければ(202)に戻
り、良ければその制御方法を行うためのパラメータを群
管理制御装置3に書き込む(208)。
第13図、第14図は、各制御目標の目標値と予測達成値
を一緒に表わした画面の例である。第13図は、各目標値
と予測達成値を六角形のレーダーチヤートで表わした場
合の実施例で、実線で目標値を、破線で予測達成値を表
わす。この方式によれば、各制御目標間のバランスがよ
くわかる。第14図は、各目標値と予測達成値を棒グラフ
で表わした場合の実施例で、実線が目標値を、破線が予
測達成値を表わすのは、第13図と同様である。この方式
によれば、各制御目標の目標値に対してどれだけ達成で
きるかを見るのが見やすい。これらの実施例では、ビル
の種類ごとに決まる標準値に対する割合を5段階で表示
するようにしているが、実際の待ち時間の秒数や予約変
更率の%で表示しても良い。
第15図は、各制御目標の目標値とその重みを問答形式
で入力する場合の実施例である。本実施例によれば、個
々の重みを入力するので細かな設定が可能になるが、入
力方法は繁雑となる。第16図は、各制御目標の目標値と
その優先順位を入力する場合の実施例で、本実施例によ
れば、細かな設定は、目標値を変えることによつてしか
行えなくなるが、入力が簡便に行える。第17図は、目標
値の六角形の形を入力することによつて目標値を入力す
る場合の実施例で、六角形の形は、マウスや表示装置と
一体化したタツチパネルなどの座標入力装置によつて入
力する。本実施例によれば、操作性が改善でき、さら
に、各制御目標の目標値を変化した時の他の制御目標へ
の影響も把握しやすい。第18図は、カーソルによつて各
制御目標の目標値や重みを入力する場合の実施例であ
る。本実施例によれば、特別な座標入力装置を用いなく
ともキーボードだけで第17図の実施例に近い効果を期待
できる。
第19図は、エレベーター個性化支援部2から群管理制
御装置3へデシジヨンテーブルの内容を直列伝送する場
合の伝送フオーマツトであり、第20図は、入出力装置と
エレベーター個性化支援部2を管理人室や事務室に置い
て機械室内の群管理制御装置3との間はモデムと電話回
線で結ぶ場合の実施例である(同符号は第1図と同じも
のを意味する)。6は通信用のモデム、7は電話回線で
ある。本実施例によれば、管理人室や事務室などのよう
に離れた場所からも群管理制御の設定を変更できる。
尚、入力装置として、ICカード等の記録媒体を用い
て、入力することも可能である。
〔発明の効果〕
本発明によれば、ホールでの待ち時間や省エネルギー
といつた従来の制御項目だけでなく乗車時間や予約変更
率,乗車人数といつた多数の項目に対する要求について
調和のとれた制御方法を行うことができ、かつ、その制
御方法を採用した場合の予測達成値を提示して顧客が納
得行くまで変更してもらうことができるので、顧客の満
足できるエレベーターの運行が可能となる。
また、推論によつて解を求めるだけでなく模擬実験に
よつて予測達成値を確認するので、予測の精度が向上す
る。さらに、交通需要の細かな変化や、サービス階床の
喰い違いなどといつたエレベーターの群管理の多様さに
よる困難さについても、いくつかの制御方法の候補を選
びだし、模擬実験した結果を比較してより良い方法を選
ぶことにより解消しているので、知識ベースをあまり大
きくせずに実用上さしつかえない解を実用的な時間で求
めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の全体構成図、第2図は、エ
レベーター個性化支援部の詳細図、第3図は制御目標テ
ーブルの一例を示す図、第4図は知識の一例を示す図、
第5図は交通需要テーブルの一例を示す図、第6図はエ
レベーターの性能環境テーブルの一例を示す図、第7図
は予測達成値テーブルの一例を示す図、第8図はデシジ
ヨンテーブルの一例を示す図、第9図は完全最適解の説
明図、第10図はパレート最適解の説明図、第11図は大域
的最適解と局所最適解の説明図、第12図は本発明の使用
法の概略フローチヤート、第13図,第14図は制御目標の
目標値と予測達成値を表示した画面の一例を示す図、第
15図,第16図は制御目標を問答形式で入力する一例を示
す図、第17図,第18図は制御目標を座標で入力する一例
を示す図、第19図はデシジヨンテーブルを伝送する際の
伝送フオーマツトを示す図、第20図はエレベーター個性
化支援部と群管理制御装置を電話回線で接続する例を表
わした図である。 1……入出力装置、2……エレベーター個性化支援装
置、3……群管理制御装置、4……ホール呼びボタン、
5……号機制御装置、21……多目標意志決定部、22……
交通需要・環境データベース、23……知識ベース、24…
…推論部、25……模擬実験部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 清 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 葛貫 荘四郎 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 米田 健治 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日 立製作所水戸工場内 (72)発明者 上島 孝明 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日 立製作所水戸工場内 (56)参考文献 特開 昭59−39669(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多階床間に就役する複数台のエレベーター
    を群管理制御するエレベーターの群管理制御装置におい
    て、複数のエレベーターの制御目標及びその目標値と前
    記制御目標の優先順位又は重みとを入力する入出力装置
    と、前記入力された内容に基づいて前記複数の制御目標
    を達成するための制御方法の候補を選択する推論部と、
    選択された制御方法の候補について前記各制御目標の予
    測達成値を求める模擬実験部と、これらの予測達成値に
    基づいて制御方法を決定する多目標意志決定部とを備え
    たことを特徴とするエレベーターの群管理制御装置。
  2. 【請求項2】多階床間に就役する複数台のエレベーター
    を群管理制御するエレベーターの群管理制御装置におい
    て、複数のエレベーターの制御目標及びその目標値と前
    記制御目標に対応した優先順位又は重みとを入力する入
    出力装置と、交通需要若しくは環境、前記各制御目標、
    及び複数の制御方法を予め蓄えておく知識ベースと、前
    記入出力装置からの入力信号により前記知識ベースを用
    いて、前記各制御目標を達成するための制御方法の候補
    を推論して選択する推論部と、選択された制御方法の候
    補について前記各制御目標の予測達成値を模擬実験によ
    り求める模擬実験部と、これらの予測達成値に基づいて
    制御方法を決定する多目標意志決定部とを備えたことを
    特徴とするエレベーターの群管理制御装置。
  3. 【請求項3】多階床間に就役する複数台のエレベーター
    を群管理制御するエレベーターの群管理制御装置におい
    て、複数のエレベーターの制御目標及びその目標値と前
    記制御目標に対応した優先順位又は重みとを入力する入
    出力装置と、交通需要若しくは環境、前記各制御目標、
    及び複数の制御方法を予め蓄えておく知識ベースと、前
    記入出力装置からの入力信号により前記知識ベースを用
    いて、多目標計画法若しくは目標計画法によりパレート
    最適解を求め、前記各制御目標を達成するための制御方
    法を決定する多目標意志決定部とを備えたことを特徴と
    するエレベーターの群管理制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1、請求項2、又は請求項3におい
    て、予測達成値を求める模擬実験部により求められた達
    成可能な予測達成値を前記入出力装置に表示することを
    特徴とするエレベーターの群管理制御装置。
  5. 【請求項5】前記制御目標は、少なくともホール待ち時
    間、乗車時間、予約変更率、輸送能力、乗車人数、長待
    率、予約報知時間、かご呼び先着率、かご通過回数、満
    員通過回数、情報案内量、騒音レベル、省エネルギー、
    エレベーター起動回数、スケジュール運転のうち少なく
    とも2つ以上である請求項1、請求項2、または請求項
    3記載のエレベーターの群管理制御装置。
  6. 【請求項6】前記入出力装置への表示は、前記各目標値
    と前記各予測達成値をレーダチャートおよび棒グラフの
    いずれかにより表示する請求項5記載のエレベーターの
    群管理制御装置。
  7. 【請求項7】管理人室及び事務室に設置された前記入出
    力装置とエレベーター個性化支援部とが機械室に設置さ
    れた群管理制御部が通信回線で接続されている請求項
    4、請求項5及び請求項6記載のエレベーター群管理制
    御装置。
JP63016984A 1988-01-29 1988-01-29 エレベ―タ―の群管理制御装置 Expired - Lifetime JP2507511B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63016984A JP2507511B2 (ja) 1988-01-29 1988-01-29 エレベ―タ―の群管理制御装置
US07/301,973 US5307903A (en) 1988-01-29 1989-01-26 Method and system of controlling elevators and method and apparatus of inputting requests to the control system
GB8901854A GB2214662B (en) 1988-01-29 1989-01-27 An elevator control system
KR1019890000933A KR960002418B1 (ko) 1988-01-29 1989-01-28 엘리베이터의 제어방법 및 장치
GB9103253A GB2240641B (en) 1988-01-29 1991-02-15 An elevator control system
GB9103254A GB2240196B (en) 1988-01-29 1991-02-15 An elevator control system
SG1336/92A SG133692G (en) 1988-01-29 1992-12-29 An elevator control system
HK269/93A HK26993A (en) 1988-01-29 1993-03-25 An elevator control system
US08/134,803 US5892190A (en) 1988-01-29 1993-10-12 Method and system of controlling elevators and method and apparatus of inputting requests to the control system

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63016984A JP2507511B2 (ja) 1988-01-29 1988-01-29 エレベ―タ―の群管理制御装置
US07/301,973 US5307903A (en) 1988-01-29 1989-01-26 Method and system of controlling elevators and method and apparatus of inputting requests to the control system

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01192682A JPH01192682A (ja) 1989-08-02
JP2507511B2 true JP2507511B2 (ja) 1996-06-12

Family

ID=26353442

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63016984A Expired - Lifetime JP2507511B2 (ja) 1988-01-29 1988-01-29 エレベ―タ―の群管理制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2507511B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106006248A (zh) * 2016-08-03 2016-10-12 广州广日电梯工业有限公司 一种基于远程监控的电梯群控系统和方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2644906B2 (ja) * 1990-04-18 1997-08-25 株式会社日立製作所 群管理エレベーター
JP4657794B2 (ja) 2005-05-06 2011-03-23 株式会社日立製作所 エレベータの群管理システム
ES2279721B1 (es) * 2006-02-02 2008-07-16 Universidad De Sevilla Sistema y procedimiento para seleccionar un sistema de ascensores.
JP6485648B2 (ja) * 2016-03-29 2019-03-20 三菱電機株式会社 エレベーター群管理装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5939669A (ja) * 1982-08-25 1984-03-05 株式会社日立製作所 エレベ−タ−の交通情報収集装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106006248A (zh) * 2016-08-03 2016-10-12 广州广日电梯工业有限公司 一种基于远程监控的电梯群控系统和方法
CN106006248B (zh) * 2016-08-03 2018-09-11 广州广日电梯工业有限公司 一种基于远程监控的电梯群控系统和方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01192682A (ja) 1989-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR930009339B1 (ko) 복수케이즈 엘리베이터의 군관리 제어방법 및 장치
Cortés et al. Genetic algorithm for controllers in elevator groups: analysis and simulation during lunchpeak traffic
Cheng A knowledge-based airport gate assignment system integrated with mathematical programming
JP4870863B2 (ja) エレベータ群最適管理方法、及び最適管理システム
JP2860261B2 (ja) エレベーターの群管理制御方法
US5306878A (en) Method and apparatus for elevator group control with learning based on group control performance
GB2240196A (en) Elevator group control responding to car crowding.
Lee Fuzzy rule generation for adaptive scheduling in a dynamic manufacturing environment
JP2507511B2 (ja) エレベ―タ―の群管理制御装置
Shih et al. Fuzzy inference-based multiple criteria FMS scheduling
Strang et al. Context-aware elevator scheduling
JP2574855B2 (ja) エレベーター群管理制御装置
JP2570208B2 (ja) エレベーターの群管理制御装置
Hamdi et al. Prioritised A* search in real-time elevator dispatching
JP2574876B2 (ja) エレベータの群管理制御装置
JP4454979B2 (ja) エレベータ群管理システム、エレベータ群管理方法、およびエレベータ群管理プログラム
KR960002418B1 (ko) 엘리베이터의 제어방법 및 장치
CN115023716A (zh) 激发用于客运群组控制的偏好
KR950001901B1 (ko) 엘리베이터 그룹 제어방법 및 그 장치
JPH03297764A (ja) エレベーターのサービス性能予測装置およびサービス性能予測方法
JP2574842B2 (ja) エレベーターの群管理制御装置
CN114664123B (zh) 一种用于管制扇区岗位的动态配置方法
JPH0798624B2 (ja) エレベーターの群管理制御システム
CN113811915B (zh) 用于在线共享出行平台的统一订单派发和车队管理
JPH08104472A (ja) エレベータの群管理制御装置