JP2020146723A - 熱硬化性フラックス組成物および電子基板の製造方法 - Google Patents

熱硬化性フラックス組成物および電子基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】はんだ付け性に優れる熱硬化性フラックス組成物を提供すること。【解決手段】本発明の熱硬化性フラックス組成物は、(A)マレイミド化合物、(B)アリルフェノール化合物および(C)活性剤を含有し、前記(C)成分が、有機酸および有機酸アミン塩からなる群から選択される少なくとも1つを含有することを特徴とするものである。【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性フラックス組成物および電子基板の製造方法に関する。
電子機器の小型化および薄型化に伴い、はんだボールを有するパッケージ部品(例えばボールグリッドアレイパッケージ:BGAパッケージ)が用いられている。そして、このようなBGAパッケージにおいてもファインピッチのものが要求されているが、ファインピッチのBGAパッケージを実装基板に接合する場合には、はんだボールのみでは接合部分の強度が弱いという問題がある。そのため、通常は、アンダーフィルをBGAパッケージと実装基板との間に充填し硬化させることで接合部分を補強している。しかしながら、アンダーフィルを充填し硬化させるためには手間がかかるため、生産コストの点で問題がある。
一方、実装基板上にフラックス剤を含有する接着剤を予め印刷しておき、印刷部分にパッケージ部品を実装する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開平4−280443号公報
近年のはんだの鉛フリー化に伴い、高融点(例えば融点が200℃以上)のはんだ合金が用いられるようになってきている。しかしながら、特許文献1に記載の接着剤を用いる方法により、高融点のはんだ合金からなるはんだバンプのはんだ付けを行う場合には、接着剤の硬化が進み過ぎることで溶融はんだの流動を阻害するために、はんだ付け性を損なうという問題がある。
そこで、本発明は、はんだ付け性に優れる熱硬化性フラックス組成物、並びにそれを用いた電子基板の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決すべく、本発明は、以下のような熱硬化性フラックス組成物および電子基板の製造方法を提供するものである。
本発明の熱硬化性フラックス組成物は、(A)マレイミド化合物、(B)アリルフェノール化合物および(C)活性剤を含有し、前記(C)成分が、有機酸および有機酸アミン塩からなる群から選択される少なくとも1つを含有することを特徴とするものである。
本発明の熱硬化性フラックス組成物においては、前記(A)成分が、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2020146723
Figure 2020146723
前記一般式(1)において、Xは、前記一般式(1−1)および(1−2)で表される基、並びに、炭素数3〜12の直鎖状または分岐状のアルキレン基のうちのいずれか1つの基であり、前記一般式(1−1)において、RおよびRは、独立して、水素またはメチル基であり、R〜Rは、独立して、水素、メチル基またはエチル基であり、LおよびLは、独立して、単結合または−OAr−であり、Arは、フェニレンであり、前記一般式(1−2)において、LおよびLは、独立して、炭素数3〜40の直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、このアルキレン基は、環構造を有していてもよく、nは、1〜5である。
本発明の熱硬化性フラックス組成物においては、前記(B)成分が、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2020146723
前記一般式(2)において、RおよびRは、独立して、水素またはメチル基であり、mは、1〜15である。
本発明の熱硬化性フラックス組成物においては、前記(A)成分の配合量は、前記(A)成分および前記(B)成分の合計量100質量%に対して、40質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
本発明の第一の電子基板の製造方法は、配線基板上に、前記熱硬化性フラックス組成物を塗布する塗布工程と、はんだバンプを有する電子部品を前記配線基板の接合用ランド上に搭載する搭載工程と、前記電子部品が搭載された配線基板を加熱することにより、前記はんだバンプを溶融させ、前記はんだバンプを前記接合用ランドに接合するリフロー工程と、前記熱硬化性フラックス組成物を加熱して硬化させる熱硬化工程と、を備えることを特徴とする方法である。
本発明の第二の電子基板の製造方法は、配線基板上に、前記熱硬化性フラックス組成物を塗布する塗布工程と、はんだバンプを有する電子部品を前記配線基板の接合用ランド上に搭載する搭載工程と、前記電子部品を前記配線基板に熱圧着する熱圧着工程と、前記熱硬化性フラックス組成物を加熱して硬化させる熱硬化工程と、を備えることを特徴とする方法である。
本発明の電子基板の製造方法においては、前記はんだバンプが、融点が200℃以上のはんだ合金からなることが好ましい。
本発明の熱硬化性フラックス組成物によれば、はんだ付け性に優れる理由は必ずしも定かではないが、本発明者は以下のように推察する。
すなわち、熱硬化性フラックス組成物に対し、高温のリフロー工程を施す場合に、次のような現象が起こると本発明者は推察する。リフロー工程におけるプリヒート時には、熱硬化性フラックス組成物中のエポキシ樹脂と有機酸とが作用して、エポキシ樹脂の硬化が進み過ぎてしまう。このように、硬化が進み過ぎると、有機酸の活性作用が妨げられて、はんだ溶融性が低下するとともに、硬化物により溶融はんだによる接合が妨げられてしまう。
これに対し、本発明の熱硬化性フラックス組成物においては、(A)マレイミド化合物と(B)アリルフェノール化合物とを硬化させている。この硬化反応は、高温のリフロー工程を施しても、熱硬化性樹脂の硬化が進み過ぎてしまうことがない。一方で、本発明に用いる熱硬化性フラックス組成物は、リフロー工程後の熱硬化工程で、十分に硬化させることができるので、電子部品と配線基板との接続を十分に補強できる。
以上のようにして、上記本発明の効果が達成されるものと本発明者は推察する。
本発明によれば、はんだ付け性に優れる熱硬化性フラックス組成物、並びにそれを用いた電子基板の製造方法を提供できる。
以下、本発明の熱硬化性フラックス組成物および電子基板の製造方法の実施形態を説明する。
[熱硬化性フラックス組成物]
まず、本実施形態の熱硬化性フラックス組成物について説明する。
本実施形態の熱硬化性フラックス組成物は、以下説明する(A)マレイミド化合物、(B)アリルフェノール化合物および(C)活性剤を含有するものである。
[(A)成分]
本実施形態に用いる(A)マレイミド化合物は、1分子中に、マレイミド骨格を有する化合物である。
(A)成分としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020146723
一般式(1)において、Xは、2価の有機基であればよく、特に限定されない。ただし、Xは、下記一般式(1−1)および(1−2)で表される基、並びに、炭素数3〜12の直鎖状または分岐状のアルキレン基のうちのいずれか1つの基であることが好ましい。
Figure 2020146723
一般式(1−1)において、RおよびRは、独立して、水素またはメチル基である。RおよびRは、両方が水素であるか、或いは、両方がメチル基であることが好ましい。
〜Rは、独立して、水素、メチル基またはエチル基である。R〜Rは、全てが水素であってもよい。
およびLは、独立して、単結合または−OAr−であり、Arは、フェニレンである。LおよびLは、両方が単結合であるか、或いは、両方が−OAr−であることが好ましい。
一般式(1−1)で表される基を有するマレイミド化合物としては、4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、および2,2’−ビス−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンなどが挙げられる。より具体的には、下記構造式(1−1−1)〜(1−1−3)で表される化合物などが挙げられる。また、これらの中でも、熱硬化性フラックス組成物の硬化物の線膨張係数を下げるという観点からは、下記構造式(1−1−1)で表される化合物が好ましい。
これらの化合物の市販品としては、BMI、BMI−70およびBMI−80(ケイアイ化成社製)などが挙げられる。
Figure 2020146723
一般式(1−2)において、LおよびLは、独立して、炭素数3〜40の直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、このアルキレン基は、環構造を有していてもよい。LおよびLは、炭素数10〜40の分岐状で、環構造を有するアルキレン基であることが好ましく、炭素数36の分岐状で、環構造を有するアルキレン基であることが特に好ましい。
また、nは、1〜5であり、nの平均は、1以上2以下であることが好ましく、1以上1.5以下であることがより好ましい。
一般式(1−2)で表される基を有するマレイミド化合物として、具体的には、下記構造式(1−2−1)で表される化合物などが挙げられる。
これらの化合物の市販品としては、BMI−1500(Designer Molecules Inc社製)などが挙げられる。なお、BMI−1500においては、下記構造式(1−2−1)中のnの平均は1.3である。
Figure 2020146723
炭素数3〜12の直鎖状または分岐状のアルキレン基を有するマレイミド化合物としては、1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサンなどが挙げられる。より具体的には、下記構造式(1−3−1)で表される化合物などが挙げられる。
このマレイミド化合物において、アルキレン基は、炭素数6〜12の分岐状であることが好ましく、炭素数8〜12の分岐状であることがより好ましい。
これらの化合物の市販品としては、BMI−TMH(大和化成社製)などが挙げられる。
Figure 2020146723
(A)成分の配合量は、熱硬化性フラックス組成物100質量%に対して、15質量%以上70質量%以下であることが好ましく、20質量%以上60質量%以下であることがより好ましく、40質量%以上55質量%以下であることが特に好ましい。(A)成分の配合量が前記範囲内であれば、電子部品と電子基板とのはんだ接合を十分に補強できる。また、(A)成分の配合量が前記下限以上であれば、熱硬化性フラックス組成物の硬化物のガラス転移温度を向上でき、線膨張係数を下げることができる。
[(B)成分]
本実施形態に用いる(B)アリルフェノール化合物は、1分子中に、1つ以上のアリル基を有するフェノール化合物である。
(B)成分としては、例えば、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020146723
一般式(2)において、RおよびRは、独立して、水素またはメチル基である。RおよびRは、両方が水素であるか、或いは、両方がメチル基であることが好ましい。
また、mは、1〜15である。
mが1であるアリルフェノール化合物としては、2,2−ジアリルビスフェノールAなどが挙げられる。より具体的には、下記構造式(2−1)で表される化合物などが挙げられる。
mが2〜15であるアリルフェノール化合物としては、アリルフェノールと、架橋基剤とを反応させることで得られるアリルフェノール重縮合物が挙げられる。ここで、アリルフェノールとしては、o−アリルフェノールが好ましい。架橋基剤としては、ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドなどが挙げられる。
これらの化合物の市販品としては、DABPA(大和化成社製)、MEH−8000H、およびMEH−8005(明和化成社製)などが挙げられる。
Figure 2020146723
(B)成分の配合量は、熱硬化性フラックス組成物100質量%に対して、15質量%以上75質量%以下であることが好ましく、20質量%以上60質量%以下であることがより好ましく、30質量%以上50質量%以下であることが特に好ましい。(A)成分の配合量が前記範囲内であれば、電子部品と電子基板とのはんだ接合を十分に補強できる。
本実施形態においては、(A)成分および(B)成分の組合せで用いることで、水溶性プリフラックス処理が施された配線基板に使用する場合でも、はんだ溶融性が優れる熱硬化性フラックス組成物が得られる。
また、(A)成分と(B)成分との配合比率を調整することにより、熱硬化性フラックス組成物の硬化物のガラス転移温度を向上でき、線膨張係数を下げることができる。
上記のような観点から、(A)成分の配合量は、(A)成分および(B)成分の合計量100質量%に対して、40質量%以上90質量%以下であることが好ましく、45質量%以上80質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上70質量%以下であることが特に好ましい。
[(C)成分]
本実施形態に用いる(C)活性剤は、有機酸および有機酸アミン塩からなる群から選択される少なくとも1つを含有する。リフロー工程では、有機酸または有機酸アミン塩と、(A)成分および(B)成分との硬化反応がそれほど進まないため、はんだ溶融性への悪影響が少ない。また、はんだ溶融性および保存安定性の観点から、有機酸および有機酸アミン塩を併用することがより好ましい。
有機酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸などの他に、その他の有機酸が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
モノカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチリック酸、バレリック酸、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、およびグリコール酸などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、およびジグリコール酸などが挙げられる。これらの中でも、熱硬化性フラックス組成物の硬化物の物性の観点から、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸が好ましい。
その他の有機酸としては、ダイマー酸、レブリン酸、乳酸、アクリル酸、安息香酸、サリチル酸、アニス酸、クエン酸、およびピコリン酸などが挙げられる。
有機酸アミン塩は、前記有機酸のアミン塩である。有機酸アミン塩におけるアミンとしては、適宜公知のアミンを用いることができる。このようなアミンは、芳香族アミンであってもよく、脂肪族アミンであってもよい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。このようなアミンとしては、有機酸アミン塩の安定性などの観点から、炭素数が3以上13以下のアミンを用いることが好ましく、炭素数が4以上7以下の1級アミンを用いることがより好ましい。
前記芳香族アミンとしては、ベンジルアミン、アニリン、1,3−ジフェニルグアニジンなどが挙げられる。これらの中でも、ベンジルアミンが特に好ましい。
前記脂肪族アミンとしては、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、シクロヘキシルアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
有機酸および有機酸アミン塩の合計の配合量は、熱硬化性フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、2質量%以上12質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上10質量%以下であることが特に好ましい。有機酸および有機酸アミン塩の合計の配合量が前記下限以上であれば、はんだ接合の不良をより確実に防止できる。また、有機酸および有機酸アミン塩の合計の配合量が前記上限以下であれば、熱硬化性フラックス組成物の絶縁性を確保できる。
(C)成分は、必要に応じて、有機酸および有機酸アミン塩以外の他の活性剤を含有してもよい。他の活性剤としては、非解離性のハロゲン化化合物からなる非解離型活性剤、およびアミン系活性剤などが挙げられる。
非解離性のハロゲン化化合物からなる非解離型活性剤としては、ハロゲン原子が共有結合により結合した非塩系の有機化合物が挙げられる。このハロゲン化化合物としては、塩素化物、臭素化物、フッ化物のように塩素、臭素、フッ素の各単独元素の共有結合による化合物でもよいが、塩素、臭素およびフッ素の任意の2つまたは全部のそれぞれの共有結合を有する化合物でもよい。これらの化合物は、水性溶媒に対する溶解性を向上させるために、例えばハロゲン化アルコールやハロゲン化カルボキシルのように水酸基やカルボキシル基などの極性基を有することが好ましい。ハロゲン化アルコールとしては、例えば2,3−ジブロモプロパノール、2,3−ジブロモブタンジオール、トランス−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ジブロモ−2−ブタノール、およびトリブロモネオペンチルアルコールなどの臭素化アルコール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、および1,4−ジクロロ−2−ブタノールなどの塩素化アルコール、3−フルオロカテコールなどのフッ素化アルコール、並びに、これらに類する化合物が挙げられる。ハロゲン化カルボキシルとしては、2−ヨード安息香酸、3−ヨード安息香酸、2−ヨードプロピオン酸、5−ヨードサリチル酸、および5−ヨードアントラニル酸などのヨウ化カルボキシル、2−クロロ安息香酸、および3−クロロプロピオン酸などの塩化カルボキシル、2,3−ジブロモプロピオン酸、2,3−ジブロモコハク酸、および2−ブロモ安息香酸などの臭素化カルボキシル、並びに、これらに類する化合物が挙げられる。
アミン系活性剤としては、アミン類(エチレンジアミンなどのポリアミンなど)、アミン塩類(エチルアミン、ジエチルアミン、トリメチロールアミン、シクロヘキシルアミン、およびジエチルアミンなどのアミンやアミノアルコールなどの有機酸塩や無機酸塩(塩酸、硫酸、臭化水素酸など))、アミノ酸類(グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびバリンなど)、および、アミド系化合物などが挙げられる。具体的には、エチルアミン臭化水素酸塩、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン塩(塩酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩、およびセバシン酸塩など)、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、および、これらのアミンの臭化水素酸塩などが挙げられる。
(B)成分の配合量としては、熱硬化性フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、2質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上12質量%以下であることが特に好ましい。(B)成分の配合量が前記下限以上であれば、はんだ接合の不良をより確実に防止できる。また、(B)成分の配合量が前記上限以下であれば、熱硬化性フラックス組成物の絶縁性を確保できる。
[硬化剤]
また、本実施形態に用いる熱硬化性フラックス組成物は、(A)成分〜(C)成分の他に、硬化剤をさらに含有してもよい。
本実施形態に用いる硬化剤としては、公知の硬化剤を適宜用いることができる。この硬化剤としては、イミダゾール系硬化剤、トリアゾール類、メラミン類、酸無水物類、およびジシアンジアミド類などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
イミダゾール系硬化剤としては、2−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、および2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンが挙げられる。
トリアゾール類としては、トリアゾール、およびベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
メラミン類としては、メラミン、アセトグアナミン、およびベンゾグアナミンなどが挙がられる。
酸無水物類としては、4,4’−オキシジフタル酸無水物などが挙げられる。
ジシアンジアミド類としては、ジシアンジアミド、およびNフェニルジシアンジアミドなどが挙げられる。
硬化剤を用いる場合、その配合量は、熱硬化性フラックス組成物100質量%に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。硬化剤の配合量が前記下限以上であれば、熱硬化性フラックス組成物の硬化性を向上できる。他方、硬化剤の配合量が前記上限以下であれば、熱硬化性フラックス組成物の保存安定性を確保できる。
[チクソ剤]
また、本実施形態に用いる熱硬化性フラックス組成物は、(A)成分〜(C)成分および硬化剤の他に、チクソ剤をさらに含有してもよい。
本実施形態に用いるチクソ剤としては、硬化ひまし油、アミド類、カオリン、コロイダルシリカ、有機ベントナイト、ガラスフリットなどが挙げられる。これらのチクソ剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
チクソ剤を用いる場合、その配合量は、熱硬化性フラックス組成物100質量%に対して、0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上3質量%以下であることがより好ましい。チクソ剤の配合量が前記下限以上であれば、十分なチクソ性が得られ、ダレを十分に抑制できる。また、チクソ剤の配合量が前記上限以下であれば、チクソ性が高すぎて、印刷不良となることはない。
[他の熱硬化性樹脂]
また、本実施形態に用いる熱硬化性フラックス組成物は、(A)成分〜(C)成分、硬化剤およびチクソ剤の他に、(A)成分以外の他の熱硬化性樹脂をさらに含有してもよい。
本実施形態に用いる他の熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、放置試験後のはんだ溶融性の観点から、フェノール樹脂が好ましい。これらの他の熱硬化性樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
他の熱硬化性樹脂を用いる場合、本発明の効果を妨げないという観点から、その配合量は、熱硬化性フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
[他の成分]
本実施形態に用いる熱硬化性フラックス組成物は、必要に応じて、(A)成分〜(C)成分、硬化剤、チクソ剤、および他の熱硬化性樹脂の他に、界面活性剤、カップリング剤、消泡剤、粉末表面処理剤、反応抑制剤、沈降防止剤、フィラーなどの添加剤を含有していてもよい。これらの添加剤の配合量としては、熱硬化性フラックス組成物100質量%に対して、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態に用いる熱硬化性フラックス組成物は、溶剤をさらに含有していてもよい。この溶剤により、塗布に適した粘度に調整できる。溶剤としては、公知の有機溶剤を適宜使用できる。溶剤の配合量は、塗布に適した粘度に応じて、適宜調整できる。
[熱硬化性フラックス組成物の物性]
本実施形態に用いる熱硬化性フラックス組成物は、その硬化物の物性が以下の条件を満たすことが好ましい。なお、ここで硬化条件は、熱硬化性フラックス組成物が十分に硬化する加熱条件であればよく、例えば、200℃の温度で3時間、加熱すればよい。
熱硬化性フラックス組成物の硬化物のガラス転移温度は、160℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることが特に好ましい。ガラス転移温度が前記下限以上であれば、はんだ接合の補強効果を更に高めることができる。
熱硬化性フラックス組成物の硬化物の線膨張係数は、70(10−6/℃)以下であることが好ましく、60(10−6/℃)以下であることがより好ましく、55(10−6/℃)以下であることが特に好ましい。線膨張係数が前記上限以下であれば、はんだ接合の補強効果を更に高めることができる。
ガラス転移温度および線膨張係数は、Thermal Mechanical Analysis(以降、TMAとも称する。)を用い、昇温速度10℃/min、温度範囲30〜300℃の条件下にて測定できる。
[熱硬化性フラックス組成物の製造方法]
本実施形態の熱硬化性フラックス組成物は、(A)成分〜(C)成分などを前記の所定の割合で配合し、撹拌混合することで製造できる。
[電子基板の製造方法]
次に、本実施形態の電子基板の製造方法について説明する。なお、本実施形態の熱硬化性フラックス組成物の使用方法が、本実施形態の電子基板の製造方法に限定されるわけではない。
本実施形態の第一の電子基板の製造方法は、前述した本実施形態の熱硬化性フラックス組成物を用いる方法であって、以下説明する塗布工程、搭載工程、リフロー工程および熱硬化工程を備える。
塗布工程においては、配線基板上に、前記熱硬化性フラックス組成物を塗布する。
配線基板としては、プリント配線基板、配線が設けられたシリコン基板などが挙げられる。
塗布装置としては、スピンコータ、スプレーコータ、バーコータ、アプリケータ、ディスペンサ、およびスクリーン印刷機などが挙げられる。なお、塗布装置として、スピンコータ、スプレーコータなどを用いる場合には、熱硬化性フラックス組成物を溶剤にて希釈して用いることが好ましい。
溶剤としては、ケトン類(メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノンなど)、芳香族炭化水素類(トルエンおよびキシレンなど)、アルコール類(メタノール、イソプロパノールおよびシクロヘキサノールなど)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキサンなど)、石油系溶剤類(石油エーテルおよび石油ナフサなど)、セロソルブ類(セロソルブおよびブチルセロソルブなど)、カルビトール類(カルビトールおよびブチルカルビトールなど)、および、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、エチルジグリコールアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、およびジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなど)などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
塗布膜の厚み(塗布膜厚)は、適宜設定できる。
搭載工程においては、はんだバンプを有する電子部品を前記配線基板の接合用ランド上に搭載する。
はんだバンプを有する電子部品としては、例えば、BGAパッケージ、およびチップサイズパッケージなどが挙げられる。
はんだバンプは、融点が200℃以上のはんだ合金からなることが好ましく、融点が200℃以上240℃以下のはんだ合金からなることがより好ましい。融点が200℃以上240℃以下のはんだ合金としては、Sn−Ag−Cu系、およびSn−Ag系などのはんだ合金が挙げられる。また、このようなはんだ合金においては、銀含有量が通常4質量%以下であり、銅の含有量が通常1質量%以下である。
搭載工程で用いる装置としては、公知のチップマウント装置を適宜用いることができる。
また、接合用ランドの材質としては、公知の導電性材料(銅、銀および金など)を適宜用いることができる。なお、接合用ランドには、予め、はんだプリコートが形成されていることが好ましい。はんだプリコートとは、例えば、接合用ランドの銅などの酸化を防止するといった目的のために、接合用ランド上に設けられるはんだ薄膜のことである。このはんだプリコートにより、接合部における接合強度を更に向上できる。はんだプリコートを形成する方法としては、(i)はんだ組成物を接合用ランド上に印刷し、リフロー処理を施す方法、(ii)はんだメッキによる方法、および(iii)ホットエアレベラーによる方法などが挙げられる。
リフロー工程においては、前記電子部品が搭載された配線基板を加熱することにより、前記はんだバンプを溶融させ、前記はんだバンプを前記接合用ランドに接合する。
ここで用いる装置としては、公知のリフロー炉を適宜用いることができる。
リフロー条件は、はんだの融点に応じて適宜設定すればよい。例えば、Sn−Au−Cu系のはんだ合金を用いる場合には、プリヒートを温度150〜180℃(好ましくは、150〜160℃)で60〜120秒間行い、ピーク温度を220〜260℃(好ましくは、230〜250℃)に設定すればよい。
熱硬化工程においては、前記熱硬化性フラックス組成物を加熱して硬化させる。
加熱条件としては、加熱温度が、140℃以上220℃以下であることが好ましく、150℃以上210℃以下であることがより好ましい。加熱温度が前記範囲内であれば、熱硬化性フラックス組成物を十分に硬化させることができ、電子基板に搭載された電子部品への悪影響も少ない。
加熱時間は、10分間以上3時間以下であることが好ましく、1時間以上2時間以下であることがより好ましい。加熱時間が前記範囲内であれば、熱硬化性フラックス組成物を十分に硬化させることができ、電子基板に搭載された電子部品への悪影響も少ない。
以上のような第一の電子基板の製造方法によれば、熱硬化性フラックス組成物の硬化物により、はんだバンプによる接合部を補強できる。
次に、本実施形態の第二の電子基板の製造方法について説明する。ただし、第二の電子基板の製造方法は、リフロー工程を熱圧着工程に変更した以外は、前述した第一の電子基板の製造方法と同様なので、熱圧着工程以外の説明は省略する。
熱圧着工程においては、前記電子部品を前記配線基板に熱圧着する。
熱圧着時の温度は、はんだの融点よりも高い温度(より好ましくは10℃以上高い温度)とすることが好ましい。熱圧着時の温度が、はんだの融点よりも高い温度とすれば、はんだを十分に溶融させることができる。
例えば、Sn−Ag−Cu系のはんだ合金を用いる場合には、熱圧着時の温度は、200℃以上250℃以下とすることが好ましい。
熱圧着時の圧力は、特に限定されないが、はんだ付け性と基板へのストレスとのバランスの観点から、0.05MPa以上4MPa以下とすることが好ましく、0.1MPa以上2MPa以下とすることがより好ましく、0.3MPa以上1MPa以下とすることが特に好ましい。
熱圧着時の時間は、特に限定されないが、1秒間以上60秒間以下であることが好ましく、2秒間以上20秒間以下であることがより好ましく、3秒間以上15秒間以下であることが特に好ましい。
以上のような第二の電子基板の製造方法によれば、熱硬化性フラックス組成物の硬化物により、はんだバンプによる接合部を補強できる。
なお、本実施形態の熱硬化性フラックス組成物、および電子基板の製造方法は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例および比較例にて用いた材料を以下に示す。
((A)成分)
マレイミド化合物A:構造式(1−1−1)で表されるマレイミド化合物、4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、商品名「BMI」、ケイアイ化成社製
マレイミド化合物B:構造式(1−1−2)で表されるマレイミド化合物、ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、商品名「BMI−70」、ケイアイ化成社製
マレイミド化合物C:構造式(1−1−3)で表されるマレイミド化合物、2,2’−ビス−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、商品名「BMI−80」、ケイアイ化成社製
マレイミド化合物D:構造式(1−3−1)で表されるマレイミド化合物、1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、商品名「BMI−TMH」、大和化成社製
マレイミド化合物E:構造式(1−2−1)で表されるマレイミド化合物、商品名「BMI−1500」、Designer Molecules Inc社製
((B)成分)
アリルフェノール化合物A:アリルフェノール重縮合物(2−アリルフェノールとホルムアルデヒドとの重縮合物)、商品名「MEH−8000H」、明和化成社製
アリルフェノール化合物B:アリルフェノール重縮合物、商品名「MEH−8005」、明和化成社製
アリルフェノール化合物C:2,2−ジアリルビスフェノールA、商品名「DABPA」、大和化成社製
((C)成分)
活性剤A:アジピン酸
活性剤B:n−ブチルアミンアジピン酸塩
((D)成分)
はんだ粉末:粒子径分布20〜38μm(平均粒子径:30μm)、はんだ融点217〜220℃、はんだ合金Sn−Au3.0−Cu0.5
(他の成分)
エポキシ樹脂A:ビスフェノールF型エポキシ樹脂、商品名「EPICLON EXA−830LVP」、DIC社製
エポキシ樹脂B:ナフタレン型エポキシ樹脂、商品名「EPICLON HP−4032D」、DIC社製
溶剤:ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(DEH)
チクソ剤:商品名「ゲルオールD」、新日本理化社製
[実施例1]
マレイミド化合物A45質量%、アリルフェノール化合物A45質量%、活性剤A4質量%、活性剤B5質量%およびチクソ剤1質量%を容器に投入し、粉砕混合機にて、粉砕し混合し分散させて熱硬化性フラックス組成物を得た。
次に、はんだバンプを有するチップ部品を搭載できる基板(導体の材質:銅、水溶性プリフラックス処理あり)を準備し、この基板の電極端子上に、メタルマスク印刷機により熱硬化性フラックス組成物を印刷した。塗膜の厚みは、150μmであった。次に、はんだバンプを有するチップ部品(大きさ:1.2mm×2.1mm、パンプ直径:90μm、バンプピッチ:180μm、はんだ合金:Sn−Ag3.0−Cu0.5、はんだの融点:217℃〜220℃)を、塗膜形成後の基板の電極端子上に搭載し、リフロー炉(タムラ製作所社製)に通して加熱した。ここでのリフロー条件は、プリヒート温度が150〜180℃(60秒間)で、温度220℃以上の時間が50秒間で、ピーク温度が245℃である。その後、リフロー後の基板を、加熱炉に投入し、温度200℃にて2時間の加熱処理を施して、評価用基板を作製した。
[実施例2〜11および比較例1〜3]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、熱硬化性フラックス組成物および評価用基板を得た。
<熱硬化性フラックス組成物の評価>
熱硬化性フラックス組成物の評価(はんだ付け性、ガラス転移温度、線膨張係数、放置試験後のはんだ付け性)を以下のような方法で行った。得られた結果を表1に示す。
(1)はんだ付け性
評価用基板を目視にて観察し、下記の基準に従って、はんだ付け性を評価した。
◎:全てのバンプが接合し、十分にはんだがぬれた状態である。
○:全てのバンプが接合した状態である。
×:一部のバンプは接合した状態であるが、一部にバンプが接合していない箇所がある。
××:バンプが接合せず、はんだがぬれていない状態である。
(2)ガラス転移温度および(3)線膨張係数
厚み100μmの銅フィルムを準備し、これに熱硬化性フラックス組成物をその厚みが100〜200μmとなるようにアプリケータを用いて塗布した。塗布後の各銅フィルムについて、熱硬化性フラックス組成物が十分に硬化する加熱条件(200℃の温度で3時間)にて加熱し、銅フィルム上に熱硬化性フラックス組成物の硬化物を形成した。次いで得られた硬化物を銅フィルムより剥離し、縦40mm×横5mmの大きさにカットした。そして、Thermal Mechanical Analysisを用い、昇温速度10℃/min、温度範囲30〜300℃の条件下にて、熱硬化性フラックス組成物の硬化物のガラス転移温度とCTE(線膨張係数)を測定した。
(4)放置試験後のはんだ付け性
温度23℃、湿度60%の雰囲気下にて、熱硬化性フラックス組成物を開封状態で、5日間放置する放置試験を行った。そして、この放置試験後の熱硬化性フラックス組成物を使用して、上記(1)はんだ付け性の試験を行い、同様の基準に従って、放置試験後のはんだ付け性を評価した。
Figure 2020146723
表1に示す結果からも明らかなように、本発明の熱硬化性フラックス組成物を用いた場合(実施例1〜11)には、はんだ付け性、および放置試験後のはんだ付け性が良好であることが確認された。従って、本発明によれば、はんだ付け性に優れることが確認された。
これに対し、(A)マレイミド化合物および(B)アリルフェノール化合物の少なくともいずれかを含有しない場合(比較例1〜3)には、はんだ付け性、および放置試験後のはんだ付け性のいずれか1つ以上が不十分となることが分かった。
また、実施例1および実施例4などでは、熱硬化性フラックス組成物の硬化物におけるガラス転移温度が高くなり、線膨張係数が低くなっていることが分かった。
本発明の熱硬化性フラックス組成物は、電子機器のプリント配線基板などの電子基板に電子部品を実装するための技術として特に好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. (A)マレイミド化合物、(B)アリルフェノール化合物および(C)活性剤を含有し、
    前記(C)成分が、有機酸および有機酸アミン塩からなる群から選択される少なくとも1つを含有する
    ことを特徴とする熱硬化性フラックス組成物。
  2. 請求項1に記載の熱硬化性フラックス組成物において、
    前記(A)成分が、下記一般式(1)で表される化合物である
    ことを特徴とする熱硬化性フラックス組成物。
    Figure 2020146723

    Figure 2020146723

    (前記一般式(1)において、Xは、前記一般式(1−1)および(1−2)で表される基、並びに、炭素数3〜12の直鎖状または分岐状のアルキレン基のうちのいずれか1つの基であり、
    前記一般式(1−1)において、RおよびRは、独立して、水素またはメチル基であり、R〜Rは、独立して、水素、メチル基またはエチル基であり、LおよびLは、独立して、単結合または−OAr−であり、Arは、フェニレンであり、
    前記一般式(1−2)において、LおよびLは、独立して、炭素数3〜40の直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、このアルキレン基は、環構造を有していてもよく、nは、1〜5である。)
  3. 請求項1または請求項2に記載の熱硬化性フラックス組成物において、
    前記(B)成分が、下記一般式(2)で表される化合物である
    ことを特徴とする熱硬化性フラックス組成物。
    Figure 2020146723

    (前記一般式(2)において、RおよびRは、独立して、水素またはメチル基であり、mは、1〜15である。)
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の熱硬化性フラックス組成物において、
    前記(A)成分の配合量は、前記(A)成分および前記(B)成分の合計量100質量%に対して、40質量%以上90質量%以下である
    ことを特徴とする熱硬化性フラックス組成物。
  5. 配線基板上に、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の熱硬化性フラックス組成物を塗布する塗布工程と、
    はんだバンプを有する電子部品を前記配線基板の接合用ランド上に搭載する搭載工程と、
    前記電子部品が搭載された配線基板を加熱することにより、前記はんだバンプを溶融させ、前記はんだバンプを前記接合用ランドに接合するリフロー工程と、
    前記熱硬化性フラックス組成物を加熱して硬化させる熱硬化工程と、を備える
    ことを特徴とする電子基板の製造方法。
  6. 配線基板上に、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の熱硬化性フラックス組成物を塗布する塗布工程と、
    はんだバンプを有する電子部品を前記配線基板の接合用ランド上に搭載する搭載工程と、
    前記電子部品を前記配線基板に熱圧着する熱圧着工程と、
    前記熱硬化性フラックス組成物を加熱して硬化させる熱硬化工程と、を備える
    ことを特徴とする電子基板の製造方法。
  7. 請求項5または請求項6に記載の電子基板の製造方法において、
    前記はんだバンプが、融点が200℃以上のはんだ合金からなる
    ことを特徴とする電子基板の製造方法。
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