JP2020145315A - イオン液体、その製造方法及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】低粘度であり、かつ電気二重層キャパシタ用電解液として用いた際に高容量、低抵抗、低漏れ電流であるイオン液体、その製造方法、及び、当該イオン液体の種々の用途の提供。【解決手段】式(1):Q1+A−(1)[式中、Q1+は、オニウムカチオンを示し、A−はテトラフルオロホウ酸アニオンを示す。]で表される融点が50℃以上であるオニウム塩の少なくとも1種、及び式(2):Q2+B−(2)[式中、Q2+は、オニウムカチオンを示す。ただし、Q2+は、同時にQ1+と同一のカチオンとなることはない。B−はビス(フルオロスルホニル)イミドアニオンを示す。]で表される融点が50℃以上であるオニウム塩の少なくとも1種、を混合することを特徴とする、元のオニウム塩両者の融点よりも低い融点を有するイオン液体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、イオン液体、その製造方法、及びその用途に関する。
イオン液体は、キャパシタに代表される電気化学デバイスの電解液や、有機・無機反応、触媒反応、生化学的反応、液−液抽出分離における環境負荷の小さい溶媒として利用が検討されている。例えば、融点の低いオニウム塩を含有するイオン液体を電解液として用いた電気二重層キャパシタが知られている。
特許文献1には、ハロゲンアニオン及びハロゲン原子を有する化合物のアニオンからなる群より選ばれた少なくとも1種のアニオンと、金属カチオンおよび有機カチオンからなる群より選ばれた少なくとも1種のカチオンとを含む溶融塩を用いた電気二重層キャパシタが開示されている。特許文献2には、アニオン部位及び有機物であるカチオン部位がいずれも異なる2種類以上の有機塩の混合物からなる常温溶融塩、それを含む電解質又は電解液を用いた電気二重層キャパシタが記載されている。アニオン部位としては、ブレンステッド酸の共役塩基が記載されており、明細書中に好ましいアニオン部の記載がある。
特開2014−72400号公報 国際公開2003/106419号公報
特許文献1に記載の溶融塩を用いた電気二重層キャパシタは、小径の金属カチオンが電解液中の溶媒と溶媒和を形成することで電解液の粘性率が増大し、デバイスに適用した際に内部抵抗が高くなってしまう。また、特許文献2に記載のイオン液体は粘性率が十分に小さくならず、そのため該イオン液体を電解液に用いた電気二重層キャパシタは内部抵抗が高く、入出力特性に劣っている。これらを考慮し、本発明は、低粘度であり、かつ電気二重層キャパシタ用電解液として用いた際に高容量、低抵抗、低漏れ電流であるイオン液体、その製造方法、及び、当該イオン液体の種々の用途の提供を目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、以下の内容の本発明を完成した。
[1]式(1):
Q1 (1)
[式中、Q1は、オニウムカチオンを示し、Aはテトラフルオロホウ酸アニオンを示す。]で表される融点が50℃以上であるオニウム塩の少なくとも1種、及び式(2):
Q2 (2)
[式中、Q2は、オニウムカチオンを示す。ただし、Q2は、同時にQ1と同一のカチオンとなることはない。Bはビス(フルオロスルホニル)イミドアニオンを示す。]で表される融点が50℃以上であるオニウム塩の少なくとも1種、を混合することを特徴とする、元のオニウム塩両者の融点よりも低い融点を有するイオン液体の製造方法。
[2]Q1又はQ2の少なくとも1つが、下記式(3)
Figure 2020145315
(ただし、4つのRは各々独立した炭素数1〜3のアルキル基である。)で表される4級アンモニウムカチオンである[1]に記載のイオン液体の製造方法。
[3]Q1又はQ2の少なくとも1つが、下記式(4)
Figure 2020145315
(ただし、nは4〜6である。2つのRは各々独立した炭素数1〜4のアルキル基であるか、あるいは、2つのRが結合して炭素数4又は5のアルキレン基を形成している。)で表されるピロリジニウムカチオン又はピペリジニウムカチオンである[1]に記載のイオン液体の製造方法。
[4]Q1又はQ2の少なくとも1つが、下記式(5)
Figure 2020145315
(ただし、Zは水素原子又は炭素数1又は2のアルキル基である。2つのRは各々独立に炭素数1〜3のアルキル基である。)で表されるイミダゾリウムカチオンである[1]〜[3]のいずれか1つに記載のイオン液体の製造方法。
[5] 上記混合における上記オニウムテトラフルオロホウ酸塩(Q1)に対するオニウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩(Q2)のモル比が4/6〜8/2である[1]〜[4]のいずれか1つに記載のイオン液体の製造方法。
[6] 式(1):
Q1 (1)
[式中、Q1は、オニウムカチオンを示し、Aはテトラフルオロホウ酸アニオンを示す。]で表されるオニウム塩の少なくとも1種、及び式(2):
Q2 (2)
[式中、Q2は、オニウムカチオンを示す。ただし、Q2は、同時にQ1と同一のカチオンとなることはない。Bはビス(フルオロスルホニル)イミドアニオンを示す。]で表されるオニウム塩の少なくとも1種、の混合物からなり、元のオニウム塩両者の融点よりも低い融点を有するイオン液体。
[7]上記混合物のほかは融点が50℃未満である物質を含有しない[6]記載のイオン液体。
[8]電池の電解液、有機反応溶媒、抽出溶媒または電気化学デバイスの電解液である[6]又は[7]記載のイオン液体。
[9][6]〜[8]のいずれかに記載のイオン液体を電解液として有する電気二重層キャパシタ。
本発明によれば、2成分以上の電解質を混合、攪拌することにより、原料の電解質の融点よりも低い融点をもつイオン液体が得られる。本発明によれば、単一物質としてはイオン液体にはならないオニウム塩を用いたイオン液体が提供できる。一般的に、高い融点をもつオニウム塩は、低分子量で分子の対称性がよく、結晶性に優れていて、溶媒に溶解した場合に、優れたイオン伝導性を示すが、結晶性が高いため、単体でイオン液体とすることが難しかった。また、高い融点をもつオニウム塩は、常温でオニウム塩を融解しにくいため 、常温で駆動可能な電気二重層キャパシタとして用いることは困難と考えられていた。
本発明によれば、原料として用いるオニウム塩自体が高融点であっても、融点の低いイオン液体が得られる。このようにして得られるイオン液体は、使用するカチオンの分子量が小さいため、粘性も低くなる傾向があり、融点が低い溶融塩であるため、例えば常温で1mS/cmを超える高いイオン伝導度を達成し得る。本発明によって得られる溶融塩は混合組成によっては、0℃以下の低温でも液状を保つことができる。
本発明により得られたイオン液体を電解液として用いた電気二重層キャパシタは、電解液が低粘度・高イオン伝導度を呈するため、常温においても良好なレート特性を有し、かつ溶媒を用いなくてもよいので、揮発性がなく、難燃であり、安全性に優れる。
本発明では、オニウムテトラフルオロホウ酸塩と、オニウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩とが混合される。
オニウムテトラフルオロホウ酸塩は、BF をアニオンとしてもつオニウム塩である。オニウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩は、(SOF)をアニオンとしてもつオニウム塩である。
本発明では、オニウムテトラフルオロホウ酸塩は融点が50℃以上であるものが用いられ、オニウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩も融点が50℃以上であるものが用いられる。イオン液体はイオン(アニオン、カチオン)からなる液体の塩であり、本発明では融点が100℃以下のものをイオン液体と呼ぶ。イオン液体の融点は好ましくは65℃以下であり、より好ましくは、30℃以下である。本発明で得るイオン液体は、用いたオニウムテトラフルオロホウ酸塩の融点よりも融点が低く、また、同じく用いたオニウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩の融点よりも融点が低い。
本発明では融点が50℃以上であるオニウム塩を用いる。好適には、オニウムカチオン部分の分子量(式量)が150以下である。概略的には、分子が小さいことは、粘度が低くなり、イオン伝導度が高くなりがちであるが、分子が小さく分子構造の対称性が高いことは、固化する際の結晶性が高くなる傾向があるから、単一のオニウム塩での融点は高くなる。よって、小分子量のオニウム塩を混合してイオン液体化することは、得られるイオン液体の粘性の低下、導電性向上等に有効である。この観点からオニウム塩の融点は50℃以上であり、好ましくは55℃以上である。オニウム塩の融点の上限値は特に限定は無く、例えば400℃などが挙げられる。オニウムカチオン部分の分子量(式量)は好ましくは150以下、より好ましくは120以下であり、前記分子量(式量)の下限値は特に限定は無く、例えば70である。
オニウム塩におけるカチオンは、好ましくは、第四級アンモニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン又はイミダゾリウムカチオンである。
上記第四級アンモニウムカチオンは、好適には、上記式(3)で表されるカチオンである。式(3)における4つのRは各々独立に炭素数1〜3のアルキル基であり、分子構造の対称性の高さから好ましくは4つのRは全て同じアルキル基である。
上記ピロリジニウムカチオン及び上記ピペリジニウムカチオンは、好適には、上記式(4)で表されるカチオンである。式(4)において、n=4である場合がピロリジニウムカチオンであり、n=5である場合がピペリジニウムカチオンである。式(4)における2つのRは各々独立に炭素数1〜3のアルキル基であるか、あるいは、2つのRが結合して炭素数4又は5のアルキレン基を形成する。分子構造の対称性の高さから好ましくは2つのRは同じアルキル基である。
上記イミダゾリウムカチオンは、好適には、上記式(5)で表されるカチオンである。式(5)におけるZは水素原子又は炭素数1又は2のアルキル基である。式(5)における2つのRは各々独立に炭素数1〜3のアルキル基である。分子構造の対称性の高さから好ましくは2つのRは同じアルキル基である。
これら好適なオニウムカチオンのより具体的な例として、非限定的に、テトラメチルアンモニウムカチオン、エチルトリメチルアンモニウムカチオン、ジエチルジメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、ジメチルピロリジニウムカチオン、エチルメチルピロリジニウムカチオン、ジエチルピロリジニウムカチオン、ジメチルピペリジニウムカチオン、エチルメチルピペリジニウムカチオン、ジエチルピペリジニウムカチオン、ジメチルイミダゾリウムカチオン、トリメチルイミダゾリウムカチオン、アゾニアスピロ[4.4]カチオン、アゾニアスピロ[4.5]カチオン、アゾニアスピロ[5.5]カチオン等が挙げられる。
オニウム塩の入手については、市販品を用いてもよいし、従来公知の製造方法を適宜参照してもよいし、例えば、後述の実施例に記載するように、所望のオニウムカチオンのハロゲン化物等と所望のアニオンのアルカリ金属塩等とを水溶液下で混合して、その後、有機溶媒で所望のオニウム塩を抽出してもよい。合成によりオニウム塩を得た場合には、再結晶法等による精製や、減圧乾燥などを施してもよい。
(混合工程)
本発明では、上述のオニウムテトラフルオロホウ酸塩とオニウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩とを混合してイオン液体を得る。混合においては、オニウムテトラフルオロホウ酸塩とオニウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩とが物理的若しくは化学的に接触し得るようにすればよく、例えば、乾式混合であってもよいし、適宜な溶媒等を用いた湿式混合であってもよい。湿式混合の場合は、好ましくは、混合後に溶媒を留去させる。本発明では、混合により、元のオニウムテトラフルオロホウ酸塩よりも低融点であり、かつ、元のオニウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩よりも低融点であり、さらに融点が100℃以下である混合物を得る。具体的な混合工程の非限定的な例は後述の実施例に記載する。
オニウムテトラフルオロホウ酸塩とオニウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩との混合により、低融点のイオン液体を得る際における、両塩の比率についての好適範囲は以下のとおりである。オニウムテトラフルオロホウ酸塩のモル量(M)とオニウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩のモル量(M)との比率は、好ましくは、M/Mが1/9〜7/3の範囲である。前記範囲内で、混合物の融点が効果的に低下することを本発明者らは見出した。
本発明では、オニウムテトラフルオロホウ酸塩及び/又はオニウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩は、二種以上を混合してもよい。換言すると、例えば、二種のオニウム塩と一種のオニウム塩とを混合することにより「三成分系」のイオン液体を得ることができる。 また、3種のうち1種の塩はリチウム塩やマグネシウム塩に代表される無機塩でも良い。
(イオン液体)
このようにして得られるイオン液体もまた本発明の実施の一形態である。換言すると、本発明のイオン液体は、融点が50℃以上であるオニウムテトラフルオロホウ酸塩と、融点が50℃以上であるオニウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩と、の混合物からなり、元のオニウムテトラフルオロホウ酸塩及びオニウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩の両者の融点よりも低くかつ100℃以下の融点を有する。本発明のイオン液体は好ましくは溶媒を含まない。ここで、「溶媒」は上記混合物以外の物質であって融点が50℃未満であるものをいう。溶媒を含まないことにより、イオン液体そのものの利点をより実効あらしめることができる。
本発明のイオン液体には、上述のオニウムテトラフルオロホウ酸塩とオニウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩との混合物に加えて、必ずしも好ましいとはいえないが、他の成分が含まれていてもよい。そのような他の成分としては、非限定的に、アセトニトリル、エチレンカーボネート、スルホラン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ビニレンカーボネートなどが挙げられる。上述のオニウムテトラフルオロホウ酸塩とオニウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩とを混合してなる塩が本発明のイオン液体に占める割合は、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上である。もっとも好ましくは、イオン液体は上述のオニウムテトラフルオロホウ酸塩とオニウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩とを混合してなるもののみからなる。
本発明では、イオン液体は、電気二重層キャパシタの電解質、電解液として単独又は溶媒と混合して用いることができる。用いることのできる溶媒は特に限定は無く、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、t−ブチロラクトン、ジメトキシエタン、酢酸メチル、蟻酸メチル等の公知の非水有機溶媒が非限定的に挙げられる。本発明では、電解質として上述のイオン液体を用いてもよいし、これをポリマーマトリックスで固定したゲル電解質として用いてもよい。電気二重層キャパシタの具体的な構造は従来技術を適宜参照することができ、例えば、分極性電極、セパレータなどは、公知のものをそのまま使用してもよいし、キャパシタの形状としては、例えば、円筒型、角型、コイン型、フィルム状等を挙げることができる。より具体的には、分極性電極材料として、例えば、活性炭粉末、活性炭繊維等の多孔性炭素材料や、金属酸化物材料、あるいは導電性高分子材料等が用いられ、多孔性炭素材料が好ましい。セパレータとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等の高分子材料の多孔膜などが挙げられる。集電体の材料としては、例えば、銅、アルミ、ステンレススチール、チタン、ニッケル、タングステン鋼、炭素材料等が用いられ、その形状は、箔、網、不織布、パンチドメタル等が挙げられる。後述の実施例ではコイン型電気二重層キャパシタの製造例が挙げられる。
本発明では、イオン液体は、種々の有機合成反応の溶媒として用いることができる。上述のイオン液体は、水への溶解性が低く、例えば、水相及びイオン液体からなる二相系反応場を構築することもできる。本発明では、上述のイオン液体を、極性の低い有機溶媒/水/常温溶融塩からなる三相系反応場の構築のために用いてもよい。トルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテル等の極性の低い有機溶媒に対してイオン液体は難溶性であるからである。なお、本発明では、イオン液体を反応溶媒として用い、しかる後に、分離精製用の抽出溶媒として利用してもよい。以下の実施例では、電気二重層キャパシタの製造例が示される。
本発明では、上述のイオン液体を有機合成反応における分離精製用の抽出溶媒として用いてもよい。例えば、金属触媒等を用いた反応混合液から反応溶媒を留去し、得られる残渣にエーテル及びイオン液体を加えると、反応生成物をエーテル相に保持させ、金属触媒等はイオン液体に保持させることができる。このようにして二相系をつくると、生成物及び触媒の分離精製が極めて容易となる。本発明では、上述のイオン液体をメッキの電解液として利用してもよい。本発明で得られるイオン液体は耐熱性が高く、液体状態の温度範囲が広く、イオン伝導性が高いため、好適である。その他、本発明では、イオン液体を、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ電解液、電気粘性流体、蓄熱媒体、触媒などとして使用してもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は、本実施例により何ら限定されるものではない。
実施例で用いる化合物について以下の記載では次の略語を用いる。
DMI−FSI:ジメチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド
EMI−FSI:エチルメチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド
SBP−BF:5−アゾニアスピロ[4,4]ノナンテトラフルオロボレート
EiPS:エチルイソプロピルスルホン
ETMA−TFSI:エチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド
DMI−TFSI:ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド
DMI−PF:ジメチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート
(実施例1)
この実施例では、以下のようにして、DMI−FSIとSBP−BFとを混合してなるイオン液体を製造した(モル比、6:4)。
<イオン液体の調製>
まず、4つ口フラスコに水に溶解させたジメチルイミダゾリウムクロライドと、三菱マテリアル電子化成(株)製カリウムビス(フルオロスルホニル)イミドを投入し、70℃で30分間攪拌を行い、その後室温まで冷却した。そこに酢酸エチルを投入し、合成したジメチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミドを有機層に抽出した。有機層を水で洗浄した後、溶媒を留去してジメチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミドを得た。
次に、4つ口フラスコにDMI−FSIとSBP−BFとのモル比が6:4となるように、日本カーリット(株)製5−アゾニアスピロ[4,4]ノナンテトラフルオロボレートと、合成したジメチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミドとを投入し、室温で緩やかに攪拌を行った。混合粉体は攪拌開始直後から緩やかに液状へ変化し、一晩攪拌後、均一な無色透明液体としてイオン液体(常温溶融塩)を得た。
(実施例2)
DMI−FSIとSBP−BFとのモル比を5:5に変えたことの他は実施例1と同様にイオン液体を製造した。
(比較例1、2)
DMI−FSIとSBP−BFとの混合を後述の化合物に変えた他は実施例1と同様にイオン液体を製造した。
(比較例3)
4つ口フラスコにDMI−FSIとSBP−BFとのモル比が6:4となるように、日本カーリット(株)製5−アゾニアスピロ[4,4]ノナンビス(テトラフルオロメチルスルホニル)イミド(SBP−TFSI)と、日本カーリット(株)製5−アゾニアスピロ[4,4]ノナンテトラフルオロボレート(SBP−BF)とを投入し、室温で緩やかに攪拌を行った。混合粉体は一晩攪拌しても液体にはならず、固体の混合物として得られたことを確認した。
(比較例4、5)
比較例3に記載のSBP−TFSIとSBP−BFとの混合物を後述の化合物に変えたことの他は比較例3と同様にして作製し、固体の混合物をとして得られたことを確認した。
<融点測定>
セイコーインスツルメンツ(株)製示差走査熱量分析DSC装置Exstar6000を用いた。試料1〜5mgを露点−40℃以下に管理されたドライルーム内でSUS316製容器に入れて密閉した。測定条件は30℃保持3minの後、400℃まで10℃/minで昇温させ、その際のリファレンスに対する熱量変化から融点を求めた。
30℃以下で液状のものは−20℃恒温槽にて24時間保持して、液状を保持する場合は−20℃未満であると判断し(後述の表では「<−20」と表記)、液状を保持しない場合には−20℃〜30℃であると判定した(後述の表では「<30」と表記)。
混合する前の単一の電解質の融点の測定結果は以下の通りである。

電解質 融点(℃)
SBP−BF 178.8
SBP−FSI 195.6
DMI−FSI 57.2
DMI−TFSI 22.1
(粘度測定)
(株)トキメック製E型粘度計を用いた。まず、JS50標準液にて粘度計を校正した。その後、恒温槽を25℃に設定、装置に試料1mlを注入し、25℃における試料の粘度を測定した。25℃において固体を呈するものについての粘度は測定できなかった。
各実施例・比較例の混合物の内容と粘度測定結果は以下のとおりである。

混合物(モル比) 粘度
実施例1 DMI−FSI/SBP−BF(6:4) 45mPa・s
実施例2 DMI−FSI/SBP−BF(5:5) 48mPa・s
比較例1 DMI−TFSI/SBP−BF(6:4) 70mPa・s
比較例2 DMI−TFSI/SBP−FSI(6:4) 65mPa・s
比較例3 SBP−TFSI/SBP−BF(6:4) 固体
比較例4 ETMA−TFSI/SBP−BF(6:4) 固体
比較例5 DMI−PF6/SBP−BF(6:4) 固体
各実施例・比較例の融点測定結果は以下のとおりである。

融点(℃)
実施例1 <−20
実施例2 <−20
比較例1 <30
比較例2 <30
以下の実施例・比較例では、電気二重層キャパシタを製造して評価した。
(実施例3)
実施例1で得たイオン液体をそのまま電気二重層キャパシタの電解液として用いた。分極性電極として、活性炭粉末(粒径20μm、比表面積2000m2/g)80質量%と導電性補助剤であるケッチェンブラック10質量%とポリテトラフルオロエチレン粉末10質量%とをロールで混練、圧延して厚さ0.4mmのシートを作製した。このシートを、直径13mmφに打ち抜いて、円板状電極を作製した。円板状電極2枚でポリプロピレン製セパレータを挟み込み、上記電解液を真空含浸させた後、ステンレス製外装ケースに収容して、定格電圧3.2V、静電容量1.5Fのコイン型電気二重層キャパシタを完成した。
(比較例6)
比較例6では溶媒をEiPSとするSBP−BFの15質量%溶液に変えたことの他は、実施例3と同様にコイン型電気二重層キャパシタを製造した。
(静電容量の測定)
50mA/Cellで、定格電圧2.5Vにて30分充電した後、放電電流:2mA/Cellで放電させ、2.0V〜1.0V間、つまり印加電圧の80%〜40%の放電カーブより静電容量を算出した(雰囲気温度:20℃)。
各アイテムの静電容量の測定結果は以下のとおりである。
実施例3:1.753F
比較例6:1.583F
(内部抵抗の測定)
50mA/Cellで2.5Vにて30min充電した後、放電電流:100mA/Cellで放電させた際の、300μsec間のI−Rドロップより内部抵抗を算出した(雰囲気温度:20℃)。
各アイテムの静電容量の測定結果は以下のとおりである。
実施例3:1.553Ω
比較例6:1.939Ω
(漏れ電流)
静電容量の測定と同様に、定格電圧2.5Vにて30分充電した後、回路中に直列接続した定格1kΩの精密抵抗の抵抗間電圧を測定することで漏れ電流を算出した(雰囲気温度:20℃)。
各アイテムの漏れ電流の測定結果は以下のとおりである。
実施例3:0.105mA
比較例6:0.210mA
以上のように、本発明によれば、低粘度のイオン液体が得られ、高容量、低抵抗、低漏
れ電流の電気二重層キャパシタに適した電解液が得られた。

Claims (9)

  1. 式(1):
    Q1 (1)
    [式中、Q1は、オニウムカチオンを示し、Aはテトラフルオロホウ酸アニオンを示す。]で表される融点が50℃以上であるオニウム塩の少なくとも1種、及び式(2):
    Q2 (2)
    [式中、Q2は、オニウムカチオンを示す。ただし、Q2は、同時にQ1と同一のカチオンとなることはない。Bはビス(フルオロスルホニル)イミドアニオンを示す。]で表される融点が50℃以上であるオニウム塩の少なくとも1種、を混合することを特徴とする、元のオニウム塩両者の融点よりも低い融点を有するイオン液体の製造方法。
  2. Q1又はQ2の少なくとも1つが、下記式(3)
    Figure 2020145315

    (ただし、4つのRは各々独立した炭素数1〜3のアルキル基である。)で表される4級アンモニウムカチオンである請求項1に記載のイオン液体の製造方法。
  3. Q1又はQ2の少なくとも1つが、下記式(4)
    Figure 2020145315

    (ただし、nは4〜6である。2つのRは各々独立した炭素数1〜4のアルキル基であるか、あるいは、2つのRが結合して炭素数4又は5のアルキレン基を形成している。)で表されるピロリジニウムカチオン又はピペリジニウムカチオンである請求項1に記載のイオン液体の製造方法。
  4. Q1又はQ2の少なくとも1つが、下記式(5)
    Figure 2020145315
    (ただし、Zは水素原子又は炭素数1又は2のアルキル基である。2つのRは各々独立した炭素数1〜3のアルキル基である。)で表されるイミダゾリウムカチオンである請求項1〜3のいずれか1項に記載のイオン液体の製造方法。
  5. 上記混合における上記オニウムテトラフルオロホウ酸塩(Q1)に対するオニウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩(Q2)のモル比が4/6〜8/2である請求項1〜4のいずれか1項に記載のイオン液体の製造方法。
  6. 式(1):
    Q1 (1)
    [式中、Q1は、オニウムカチオンを示し、Aはテトラフルオロホウ酸アニオンを示す。]で表されるオニウム塩の少なくとも1種、及び式(2):
    Q2 (2)
    [式中、Q2は、オニウムカチオンを示す。ただし、Q2は、同時にQ1と同一のカチオンとなることはない。Bはビス(フルオロスルホニル)イミドアニオンを示す。]で表されるオニウム塩の少なくとも1種、の混合物からなり、元のオニウム塩両者の融点よりも低い融点を有するイオン液体。
  7. 上記混合物のほかは融点が50℃未満である物質を含有しない請求項6記載のイオン液体。
  8. 電池の電解液、有機反応溶媒、抽出溶媒または電気化学デバイスの電解液である請求項6又は7記載のイオン液体。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載のイオン液体を電解液として有する電気二重層キャパシタ。
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