JP2010147391A - 第4級アンモニウム塩電解質を用いた電解液および電気化学素子 - Google Patents

第4級アンモニウム塩電解質を用いた電解液および電気化学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】低温でも安定に使用可能な、長期安定性に優れた電気化学素子を提供する。
【解決手段】ある特定の化学式(1)で表される化合物(A)を含有してなる電解質(B)と、非水混合溶媒(H)を含有してなる電解液であって、非水混合溶媒(H)が、スルホラン、3−メチルスルホラン及び2,4−ジメチルスルホランからなる群より選ばれる少なくとも1種のスルホラン誘導体(S)と、ある特定の化学式(2)で表されるベンゼン誘導体(G)を含有してなることを特徴とする電気化学素子用電解液。
【選択図】なし

Description

本発明は第4級アンモニウム塩電解質を用いた電気化学素子用電解液に関する。
電気化学素子とは、電気化学的エネルギーを素子内部に蓄えるものであり、具体的には、素子内部に蓄えられた化学エネルギーを電気エネルギーとして外部に取り出すための電池、素子内部に蓄えられた静電エネルギーを電気エネルギーとして外部に取り出すためのキャパシタ、及び色素増感太陽電池等をいう。
従来、キャパシタの電解質にはテトラエチルアンモニウムのBF塩、トリエチルメチルアンモニウムのBF塩、または1−エチル−3−メチルイミダゾリウムのBF塩等が電解質として用いられている。特に過酷な条件下で、しかも大電流で使用されるハイブリッド電気自動車等の新しい用途分野では、低温でも安定に使用可能な、長期安定性に優れた電気化学素子が要望されており、このためそれを構成する部材である電解液にも、低温環境下で使用可能であり、かつ高耐電圧(電位窓が広い)である電解液の開発が急務となっている。
こうした状況の中、スルホランなどの耐分解性の高い溶媒を使用することで、耐電圧の高い電解液が開発されてきている(例えば、特許文献1、2)。
特開平08−306591 特開2005−260031
しかしながら、特許文献1、2記載の非水電解液を用いると、耐電圧は向上するが、−30℃以下の低温環境下では電解質の析出、または電解液の固化が起こるため使用が不可能であったり、凝固はしないまでも粘度の急激な上昇のため、電気電導度が低下するなどの電気化学素子用電解液としては致命的な欠陥を生じる場合があった。
すなわち、本発明の目的は、高い耐電圧性を維持したまま、低温環境下でも安定に使用可能な、長期安定性に優れた電気化学素子を提供することである。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、一般式(1)で表される化合物(A)を含有してなる電解質(B)と、非水混合溶媒(H)を含有してなる電解液であって、非水混合溶媒(H)が、スルホラン、3−メチルスルホラン及び2,4−ジメチルスルホランからなる群より選ばれる少なくとも1種のスルホラン誘導体(S)と、一般式(2)で表される分子量が400以下であるベンゼン誘導体(G)を含有してなることを特徴とする電気化学素子用電解液
Figure 2010147391
[式中、m及びnは3〜7を示し同じでも異なっていてもよい。Xは第一原理分子軌道計算によるHOMOエネルギーが、−0.60〜−0.20a.u.であるアニオンである。]
Figure 2010147391
[式中、Rは、ハロゲン原子、又は炭素数1〜7である有機基(g)、R及びRは水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜7である有機基(g)である。R、R及びRは同じでも異なっていてもよい。]
;及び該電解液を用いる電気化学素子である。
本発明の電気化学素子用電解液を用いた電気化学素子は、高い耐電圧性を維持したまま、低温環境下でも使用可能であり、長期安定性に優れる。
以下に本発明を詳細に説明する。
電解質(B)について説明する。
電解質(B)は一般式(1)で表される化合物(A)を含有してなる。
一般式(1)において、m及びnは3〜7であり、同じであっても異なってもよい。好ましくは3〜6であり、より好ましくは4〜5である。
m、nが2以下であると電解質(B)の化学的安定性が下がり、電解液の耐久性が低下する。
m、nが8以上であると電解質(B)の分子量が大きくなるため、電解液の電導度が低下する。また、電解液の溶媒への溶解性が下がり、低温で析出するなど低温性能が低下する。
化合物(A)のカチオンは、スピロ四級アンモニウムカチオンである。このスピロ四級アンモニウムカチオンをカチオンとする塩は、一般的に非水溶媒への溶解性に優れている。
化合物(A)のスピロ四級アンモニウムカチオンの好ましい具体例としては、スピロ−(1,1’)−ビアデチジニウムイオン、アザシクロプロパン−1−スピロ−1’−アザシクロブチルイオン、アザシクロプロパン−1−スピロ−1’−アザシクロペンチルイオン、アザシクロプロパン−1−スピロ−1’−アザシクロヘキシルイオン、アザシクロプロパン−1−スピロ−1’−アザシクロオクチルイオン、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムイオン、ピペリジン−1−スピロ−1’−ピロジニウムイオン、アザシクロブタン−1−スピロ−1’−アザシクロヘキシルイオン、アザシクロブタン−1−スピロ−1’−アザシクロヘプチルイオン、アザシクロブチル−1−スピロ−1’−アザシクロオクチルイオン、スピロ−(1,1’)−ビピペリジニウムイオン、アザシクロペンタン−1−スピロ−1’−アザシクロヘキシルイオン、アザシクロペンタン−1−スピロ−1’−アザシクロヘプチルイオン、アザシクロペンタン−1−スピロ−1’−アザシクロオクチルイオン、スピロ−(1,1’)−ビヘキサメチレニウムイオン、アザシクロヘキサン−1−スピロ−1’−アザシクロヘプチルイオン、アザシクロヘキサン−1−スピロ−1’−アザシクロオクチルイオン、スピロ−(1,1’)−ビヘプタメチレンイミニウムイオン、が挙げられる。これらのうち、電気化学安定性の観点からスピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムイオン、アザシクロブタン−1−スピロ−1’−アザシクロペンチルイオン、スピロ−(1,1’)−ビピペリジニウムイオンが好ましい。
一般式(1)で示される化合物(A)のアニオン成分(対アニオンX)について説明する。Xは、第一原理分子軌道計算によるHOMOエネルギー(以下、HOMOエネルギーと略記する。) が、−0.60〜−0.20a.u.の範囲であり、好ましくは−0.60〜−0.25a.u.の範囲である対アニオンである。ここで、第一原理分子軌道計算によるHOMO(最高占有分子軌道;highe st occupied molecular orbital)エネルギーは、計算するアニオンに対して力場計算により配座解析を行い、半経験的分子軌道法であるAM1により構造最適化ののち、基底関数を6−31G(d)としてHartreeFock法で計算される値である。計算を行うプログラムは、Gaussian03(ガウシアン社製)が用いられる(参考文献1:「電子構造論による化学の探求(第二版)James B.Foresman、AEleen Frisch共著、田崎健三訳、ガウシアン社」)。
上記の方法によって、計算されるHOMOエネルギーが、−0.60〜−0.20a.u.の範囲である対アニオンXの具体例としては、BF 、PF 、AsF 、PCl 、BCl 、AsCl 、SbCl 、TaCl 、NbCl 、PBr 、BBr 、AsBr 、AlBr 、TaBr 、NbBr 、SbF 、AlF 、ClO 、AlCl 、TaF 、NbF 、CN、F(HF) (当該式中、nは1以上4以下の数値を表す)、N(RfSO 、C(RfSO 、RfSO 、RfCO2 等が挙げられる。
N(RfSO 、C(RfSO 、RfSO 又はRfCO2 で表されるアニオンに含まれるRfは、炭素数1〜12のフルオロアルキル基を表し、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル及びノナフルオロブチルなどが挙げられる。これらのうち、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル及びヘプタフルオロプロピルが好ましく、さらに好ましくはトリフルオロメチル及びペンタフルオロエチル、特に好ましくはトリフルオロメチルである。
以上の対アニオンのうち、電気化学的安定性の観点等から、第一原理分子軌道計算によるHOMOエネルギーが小さい対アニオンが好ましくBF 、PF 又はN(RfSO で表される対アニオン、さらに好ましくはPF 又はBF で表される対アニオン、特に好ましくはBF で表される対アニオンである。
対アニオンは、HOMOエネルギーが小さいほうが好ましいが、−0.60a.u.(以下、a.u.を省略して記載することがある。) を下回る化合物は知られておらず、実質的に、PF6−(HOMOエネルギー=−0.39)、BF (HOMOエネルギー=−0.35)、CFSO (HOMOエネルギー=−0.27)が好ましい。逆に、HOMOエネルギーが−0.20a.u.より大きい(マイナスの数値が小さい)対アニオン、例えば、蟻酸、酢酸、安息香酸(HOMOエネルギー=−0.18)、フタル酸、コハク酸(HOMOエネルギー=−0.18)などのカルボン酸アニオン、I(HOMOエネルギー=−0.16)、Cl(HOMOエネルギー=−0.12)、F(HOMOエネルギー=−0.08)などの無機アニオンでは、電解質の電気化学的安定性が低いため、電解液として用いた場合、耐電圧が低く、長期信頼性に劣り、電気化学素子として有用ではない。
化合物(A)(カチオン成分+アニオン成分)の好ましい例としては、 スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムイオンのBF塩、ピペリジン−1−スピロ−1’−ピロリジニウムのBF塩、スピロ−(1、1’)−ビピペリジニウムのBF塩、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムイオンのPF塩、ピペリジン−1−スピロ−1’−ピロリジニウムのPF塩、スピロ−(1、1’)−ビピペリジニウムのPF塩である。
これらのなかで、特に好ましいものは、電気化学的安定性の観点から、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムイオンのBF塩、ピペリジン−1−スピロ−1’−ピロリジニウムのBF塩、スピロ−(1、1’)−ビピペリジニウムのBF塩である。
電解質(B)は化合物(A)を好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%含有する。
電解質(B)は化合物(A)の他に、化合物(A)と異なる他の有機塩化合物(D)等を含有していてもよい。他の有機塩化合物(D)としては、アルキルアンモニウム塩、アミジニウム塩(イミダゾリウム塩等)等である。具体的には、例えば、アルキルアンモニウムのBF塩及びPF塩、イミダゾリウムのBF塩及びPF塩等である。例えばテトラエチルアンモニウムBF塩、トリエチルメチルアンモニウムBF塩、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムBF塩及び1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムBF塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムBF塩等が挙げられる。他の有機塩化合物(D)の量は、化合物(A)の重量に対して好ましくは0〜50重量%、より好ましくは5〜25重量%である。
また、電解質(B)は種々の添加剤(E)を含有してもよい。添加剤(E)としては、LiBF、LiPF、リン酸類及びその誘導体(リン酸、亜リン酸、リン酸エステル類、ホスホン酸類等)、ホウ酸類及びその誘導体(ホウ酸、酸化ホウ酸、ホウ酸エステル類、ホウ素と水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物との錯体等)、硝酸塩(硝酸リチウム等)及びニトロ化合物(ニトロ安息香酸、ニトロフェノール、ニトロフェネトール、ニトロアセトフェノン、芳香族ニトロ化合物等)等があげられる。電気化学的安定性と導電性の観点から、添加剤(E)量は、好ましくは化合物(A)の重量に対して50重量%以下であり、さらに好ましくは20重量%以下である。
本発明の非水混合溶媒(H)は、スルホラン、3−メチルスルホラン及び2,4−ジメチルスルホランからなる群より選ばれる少なくとも1種のスルホラン誘導体(S)と、上記一般式(2)で表されるベンゼン誘導体(G)を含有する。
スルホラン誘導体(S)は、スルホラン単独、スルホランと3−メチルスルホランとの混合溶媒、又はスルホランと2,4−ジメチルスルホランとの混合溶媒が好ましい。
スルホラン誘導体(S)は電解液用の溶媒としては、高粘度であることから電導度が小さく、電気化学素子を作成した場合、内部抵抗が高いという問題があったが、ベンゼン誘導体(G)を使用することで、電解液の粘度を下げられ、結果として電解液の電導度が向上し、電気化学素子の内部抵抗を下げることができる。従来の4級アンモニウム系の電解質は、非水混合溶媒(H)へは不溶、または低温で析出するといった課題があったが、化合物(A)は、非水混合溶媒(H)への溶解性が高いため、低温においても電解質の析出が起こりにくく、広い温度範囲で安定に性能を発揮することができる。ベンゼン誘導体は一般に粘度が低いため、電解液の高電導度化が可能であり、また活性炭電極との親和性も高いため、活性炭内孔への浸透性も高い。ベンゼン誘導体を溶媒として使用した電気化学キャパシタは、電解液の電導度から予測される以上に、内部抵抗が小さくなる傾向がある。
本発明で用いられるベンゼン誘導体(G)は、上記一般式(2)で表わされ、分子量が400以下であるものである。(G)の分子量は好ましくは300以下、さらに好ましくは92〜200である。(G)の分子量が400を超えると(G)の粘度が上昇し、溶媒として適さず、92未満の(G)は存在しない。
は、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、あるいは炭素数1〜7である有機基(g)である。
有機基(g)の炭素数が8以上であればベンゼン誘導体(G)が室温において固体となるため、電解液溶媒に適さない。
及びRは水素原子、ハロゲン原子、あるいは炭素数1〜7である有機基(g)である。R、R及びRは同じでも異なっていてもよい。有機基(g)の炭素数が8以上であればベンゼン誘導体(G)が室温において固体となるため、電解液溶媒に適さない。
ベンゼン誘導体(G)の有機基(g)は、例えば、ニトリル基、オルガノシリル基、パーフルオロアルキル基、又はエステル結合、エーテル結合、炭酸エステル結合、スルホニル結合、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ニトリル基、オルガノシリル基を有していてもよいアルキル基等であって、炭素数1〜7であるものである。これらの中で好ましいものは、ニトリル基、オルガノシリル基、パーフルオロアルキル基、又はエステル結合、エーテル結合、炭酸エステル結合、スルホニル結合、ニトリル基を有していてもよいアルキル基である。
エステル結合を有するアルキル基の例としては−C(=O)OCH
−C(=O)OC、−CHOC(=O)CH、−CHC(=O)OCH
等が挙げられる。
エーテル結合を有するアルキル基の例としてはメトキシ基、エトキシ基、メトキシメチル基等が挙げられる。
炭酸エステル結合を有するアルキル基の例としては−OC(=O)OCH
−OC(=O)OCHCH、−CH−OC(=O)OCHなどが挙げられる。
スルホニル結合を有するアルキル基の例としては、
−S(=O)−CH、−S(=O)−CHCH等が挙げられる。
ニトリル基を有するアルキル基の例としては、−CH−CNなどが挙げられる。
オルガノシリル基の例としては−CH−Si(CH、−Si(CHなどが挙げられる。
ベンゼン誘導体(G)の具体例としては以下のものが挙げられる。
トルエン、キシレン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、2−クロロトルエン、3−クロロトルエン、4−クロロトルエン、2,3−ジクロロトルエン、2,4−ジクロロトルエン、フルオロベンゼン、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、1−クロロ−2−フルオロベンゼン、1−クロロ−2−フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ベンゾトリフルオリド、2−メチルベンゾトリフルオリド、4−クロロベンゾトリフルオリド、ベンゾニトリル、フタロニトリル、2−フルオロベンゾニトリル、4−シアノベンゾトリフルオリド、フェニルアセトニトリル、塩化ベンジル、臭化ベンジル、α−クロロ−o−キシレン、フタル酸ジアルキルエステル(例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸エチルメチル、フタル酸ジエチル等)、o−トルイル酸メチル、m−トルイル酸メチル、p−トルイル酸メチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、メトキシベンゼン、メトキシメチルベンゼン、メチルフェニルカーボネート、メチルフェニルスルホン、トリメチルフェニルシランなど。
ベンゼン誘導体(G)は25℃以上で液体であることが好ましい。
また、ベンゼン誘導体(G)の20℃における粘度(ブルックフィールド粘度計で測定される粘度。例えば、東機産業製(株)TV−22型粘度形により測定することが出来る。)は好ましくは0.1mPa・s〜6mPa・s、さらに好ましくは0.2mPa・s〜2mPa・sである。
上記のうちでトルエン、クロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド、ベンゾニトリルが好ましい。
非水混合溶媒(H)は、スルホラン誘導体(S)、ベンゼン誘導体(G)以外の溶媒(J)を含有していてもよい。溶媒(J)の含有量は、スルホラン誘導体(S)とベンゼン誘導体(G)の合計重量に対して、好ましくは0〜50重量%、さらに好ましくは10〜20重量%である。
溶媒(J)の具体例としては以下のものが挙げられる。
・エーテル類:鎖状エーテル[炭素数2〜6(ジエチルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなど);炭素数7〜12(ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなど)]、環状エーテル[炭素数2〜4(テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサンなど);炭素数5〜18(4−ブチルジオキソラン、クラウンエーテルなど)]。
・アミド類:N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、ヘキサメチルホスホリルアミド、N−メチルピロリドンなど。
・炭酸エステル類:エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど。
・スルホキシド類:ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホンなど。
・ニトロ化合物:ニトロメタン、ニトロエタンなど。
・複素環式溶媒:N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリジノンなど。
・ケトン類:アセトン、2,5−ヘキサンジオン、シクロヘキサノンなど。
・リン酸エステル類:トリメチルリン酸、トリエチルリン酸、トリプロピルリン酸など。
が挙げられる。
非水混合溶媒(H)の中で、スルホラン誘導体(S)の含有量(重量%)は、スルホラン誘導体(S)とベンゼン誘導体(G)の合計重量に対して、20〜80重量%がよく、30〜70重量%がさらに好ましく、40〜60重量%が最も好ましい。スルホラン誘導体(S)の含有量がこれらの範囲内である場合、低温での性能が特に優れており、容量、電導度ともに高い電解液とすることができる。またベンゼン誘導体(G)は、2つ以上の溶媒の混合物でもよい。
非水混合溶媒(H)の好ましい例としては以下の例が挙げられる。
(1)スルホランとトルエンの混合溶媒。
重量比は、スルホラン:トルエンが20:80〜80:20、好ましくは30:70〜70:30のもの。
(2)スルホランとクロロベンゼンの混合溶媒。
重量比は、スルホラン:クロロベンゼンが20:80〜80:20、好ましくは30:70〜70:30のもの。
(3)スルホランとベンゾトリフルオリドの混合溶媒。
重量比は、スルホラン:ベンゾトリフルオリドが20:80〜80:20、好ましくは30:70〜70:30のもの。(4)スルホランとベンゾニトリルの混合溶媒
重量比は、スルホラン:ベンゾニトリルが20:80〜80:20、好ましくは30:70〜70:30のもの。
本発明の電解液中の含水量は、電気化学的安定性の観点から、電解液の重量に基づいて300ppm以下が好ましく、さらに好ましくは100ppm以下、特に好ましくは50ppm以下である。この範囲であると、電気化学キャパシタの経時的な性能低下を抑制できる。
電解液中の含水量はカールフィッシャー法(JIS K0113−1997、電量滴定方法)で測定することができる。
電解液中の水分を上記の範囲にする方法としては、あらかじめ十分に乾燥した電解質(B)と、あらかじめ十分に脱水した非水溶媒とを使用する方法等が挙げられる。
乾燥方法としては、減圧下加熱乾燥(例えば20Torr減圧下、150℃で加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法、再結晶等が挙げられる。
脱水方法としては、減圧下加熱脱水(例えば100Torrで加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法、モレキュラーシーブ(ナカライテスク製、3A 1/16等)、活性アルミナ粉末などの脱水剤を使用する方法等が挙げられる。
また、これらの他に、電解液を減圧下加熱脱水(例えば100Torr減圧下、100℃で加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法、モレキュラーシーブ、活性アルミナ粉末などの除水剤を使用する方法等が挙げられる。これらの方法は、それぞれ単独で行ってもよいし、組み合わせて行ってもよい。これらのうち、再結晶で電解質(B)を高純度化した後に、さらに(B)を減圧下加熱乾燥する方法、非水混合溶媒(H)又は電解液にモレキュラーシーブを加える方法が好ましい。
本発明の電解液は電気化学素子に用いることができる。電気化学素子とは電気化学キャパシタ、二次電池、色素増感太陽電池等を示す。電気化学キャパシタは、基本構成物品として、電極、集電体、セパレーターを備えるとともに、キャパシタに通常用いられるケース、ガスケットなどを任意に備えるものである。電解液は、例えばアルゴンガス雰囲気(露点−50℃)のグローブボックス内等で電極及びセパレーターに含浸される。本発明の電解液は、電気化学キャパシタのうち、電気二重層キャパシタ(電極に分極性電極、例えば活性炭等を使用するもの)に好適である。
電気二重層キャパシタの基本構造としては、2つの分極性電極の間にセパレーターを挟み、電解液を含浸させたものである。分極性電極の主成分は、電解液に対して電気化学的に不活性で、かつ、適度な電気伝導度を有することから活性炭、グラファイト、ポリアセン系有機半導体などの炭素質物質が好ましく、上記のように、正極と負極の少なくとも一方は炭素質物質である。電荷が蓄積する電極界面が大きい点から、窒素吸着法によるBET法により求めた比表面積が10m2/g以上の多孔性炭素物質(例えば活性炭)がさらに好ましい。多孔性炭素物質の比表面積は、目的とする単位面積あたりの静電容量(F/m2)と、高比表面積化に伴う嵩密度の低下を勘案して選択されるが、窒素吸着法によるBET法により求めた比表面積が30〜2,500m2/gのものが好ましく、体積あたりの静電容量が大きいことから、比表面積が300〜2,300m2/gの活性炭が特に好ましい。
本発明の電気化学キャパシタ用電解液は、アルミ電解コンデンサにも用いることができる。アルミ電解コンデンサの基本構造としては、電極となるアルミ箔の表面に電気化学処理で酸化膜をつくってこれを誘電体とし、もう一方の電極となるアルミ箔との間に電解液を含浸させた電解紙を挟んだものである。
本発明の電気化学キャパシタの態様としては、コイン型、捲回型、角形のものがあげられる。本発明の電気化学キャパシタ用電解液は、いずれの電気二重層キャパシタ又はいずれのアルミ電解コンデンサにも適用できる。
実施例
次に本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、特に記載のないかぎり、「部」は「重量部」を意味する。
以下の実施例において、1H−NMR、19F−NMR及び13C−NMRの測定は、下記の方法で行った。
1H−NMRの測定条件 機器:AVANCE300(日本ブルカー株式会社製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz。
19F−NMRの測定条件 機器:AL−300(日本電子製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz
13C−NMRの測定条件 機器:AL−300(日本電子製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz
化合物(A)の含有量を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量した。検量線は、晶析して純度を上げた化合物(A)を標品として使用して作成することができる。
本発明の電解液をHPLCに用いる移動相で500倍希釈し、この溶液を0.20μmの親水性フィルター(ADVANTEC社:DISMIC−13JP, PTFE non−sterile)で濾過し、濾液を測定用サンプルとした。
<製造例1>
電解質(B−1)の製造
ピロリジン100部、炭酸カリウム97部をテフロン(登録商標)コーティングしたオートクレーブに仕込み、1,4−ジクロロブタン179部を加え、90℃で8時間反応を行った。この反応溶液に42重量%のホウフッ化水素酸水溶液294部を25℃で約30分かけて徐々に滴下した。滴下が終了して、泡の発生がおさまった後、20Torr、100℃で、溶媒を全量留去して、固体195部が得られた。この固体にエタノール50部、2−プロパノール1950部を加えて、80度に昇温して1時間攪拌し、室温に冷却する晶析操作を3回行い、テトラフルオロホウ酸スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムの化合物(A−1)(白色固体)46部を得た。化合物(A−1)を1H−NMR、19F−NMR、13C−NMR及びHPLC分析した結果、99.99mol%であった。HPLC分析の測定条件は上記に記載したとおりである。
化合物(A−1)を電解質(B−1)とした。
以下の合成例についても同じである。
<製造例2>
製造例1のホウフッ化水素酸水溶液を60重量%のヘキサフルオロリン酸水溶液342部に換えた以外は同様で、固体245部が得られた。この固体に対して製造例1と同様の晶析操作を3回行い、ヘキサフルオロリン酸スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウム、の化合物(A−2)(白色固体)48部を得た。化合物(A−2)を1H−NMR、19F−NMR、13C−NMR及びHPLC分析した結果、99.99mol%であった。HPLC分析の測定条件は上記に記載したとおりである。化合物(A−2)を電解質(B−2)とした。
<製造例3>
ピロリジン100部、炭酸カリウム97部をテフロンコーティングしたオートクレーブに仕込み、1,5−ジクロロペンタン198部を加え、90℃で8時間反応を行った。この反応溶液に42重量%のホウフッ化水素酸水溶液294部を25℃で約30分かけて徐々に滴下した。滴下が終了して、泡の発生がおさまった後、20Torr、100℃で、溶媒を全量留去して、固体200部が得られた。この固体に対して製造例1と同様の晶析操作を3回行い、テトラフルオロホウ酸ピペリジン−1−スピロ−1’−ピロジニウムの化合物(A−3)(白色固体)155部を得た。化合物(A−3)を1H−NMR、19F−NMR、13C−NMR及びHPLC分析した結果、99.99mol%であった。HPLC分析の測定条件は上記に記載したとおりである。化合物(A−3)を電解質(B−3)とした。
<製造例4>
製造例3のホウフッ化水素酸水溶液を60重量%のヘキサフルオロリン酸水溶液342部に換えた以外は同様で、固体260部が得られた。この固体に対して製造例1と同様の晶析操作を3回行い、ヘキサフルオロリン酸ピペリジン−1−スピロ−1’−ピロジニウムの化合物(A−4)(白色固体)185部を得た。化合物(A−4)を1H−NMR、19F−NMR、13C−NMR及びHPLC分析した結果、99.99mol%であった。HPLC分析の測定条件は上記に記載したとおりである。化合物(A−4)を電解質(B−4)とした。
・電解液溶媒の脱水
以下で使用する電解液用溶媒はすべて、以下の脱水処理をしてから使用した。
使用する溶媒100部に対してそれぞれモレキュラーシーブ3部を加えて25℃で60時間放置して乾燥を行った後、モレキュラーシーブを濾別し、脱水溶媒を得た。
<実施例1>
脱水したスルホラン50部と、脱水したクロロベンゼン50部と、電解質(B−1)18部を25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は32ppmであった。
<実施例2>
脱水したスルホラン50部と、脱水したクロロベンゼン50部と、電解質(B−2)23部を25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は32ppmであった。
<実施例3>
脱水したスルホラン50部と、脱水したクロロベンゼン50部と、電解質(B−3)19部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は20ppmであった。
<実施例4>
脱水したスルホラン50部と、脱水したクロロベンゼン50部と、電解質(B−4)24部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は29ppmであった。
<実施例5>
脱水したスルホラン60部とベンゾトリフルオリド40部と、電解質(B−1)18部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は21ppmであった。
<実施例6>
脱水したスルホラン40部とベンゾトリフルオリド60部と、電解質(B−2)23部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は21ppmであった。
<実施例7>
脱水したスルホラン60部と4−クロロベンゾトリフルオリド40部と、電解質(B−1)18部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は20ppmであった。
<実施例8>
脱水したスルホラン80部とトルエン20部と、電解質(B−2)23部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は19ppmであった。
<実施例9>
脱水したスルホラン20部と安息香酸メチル80部と、電解質(B−1)20部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は43ppmであった。
<実施例10>
脱水したスルホラン50部とベンゾニトリル50部と、電解質(B−1)20部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は43ppmであった。
<実施例11>
脱水したスルホラン50部とベンジルメチルエーテル50部と、電解質(B−1)20部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は28ppmであった。
<実施例12>
脱水したスルホラン30部と3−メチルスルホラン10部、クロロベンゼン60部と、電解質(B−1)18部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は19ppmであった。
<実施例13>
脱水したスルホラン40部と2,4−ジメチルスルホラン20部、ベンゾトリフルオリド40部と、電解質(B−2)23部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は19ppmであった。
<比較例1>
脱水したスルホラン50部とクロロベンゼン50部と、電解質としてテトラエチルアンモニウムBF(東京化成工業社製)(B−5’)20部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は21ppmであった。
<比較例2>
脱水したスルホラン50部とクロロベンゼン50部と、電解質としてトリエチルメチルアンモニウムBF(東京化成工業社製)(B−6’)17部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は21ppmであった。
<比較例3>
脱水したプロピレンカーボネート100部と、電解質(B−1)18部を25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は22ppmであった。
<比較例4>
脱水したプロピレンカーボネート100部と、電解質(B−2)23部を25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は22ppmであった。
<比較例5>
脱水したスルホラン40部とプロピレンカーボネート60部と、電解質(B−1)18部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は24ppmであった。
<比較例6>
脱水したスルホラン100部と、電解質(B−1)18部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は21ppmであった。
上記電解液の特性を評価するため、電解液を室温から−30℃に冷却し3時間静置して、目視で電解液の固化、電解質の析出の有無を確認した。
また、グラッシーカーボン電極(BAS社製、外径6mm、内径1mm)を用い、5mV/secの走査電位速度で、分極測定を行った。10μA/cm2 の電流が流れる時のAg/Ag+ 参照電極に対する電位を酸化電位、−10μA/cm2 の電流が流れる時のAg/Ag+ 参照電極に対する電位を還元電位とし、酸化電位と還元電位の値の差から電位窓を算出した。電解液の電位窓は、電解液の電気化学的に安定な範囲を示す。電位窓の広い電解液を用いた電気化学素子は幅広い電圧範囲での使用が可能となる。すなわち耐電圧が高いと言える。
結果を表1に示す。−30℃における目視確認で電解液が固化した場合は「固化」、もしくは析出物の発生が観察されたものは「析出」、凝固や析出が観察されない場合は「変化なし」と表記した。
Figure 2010147391
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜13の電解液は、−30℃の低温において固化もしくは析出物の発生がなく、かつ電位窓が6.3V以上と大きいことから、−30℃の低温でも使用可能であり、かつ耐電圧も高いことが示された。比較例1、2は、低温で電解質の析出が起こることから低温で使用できない。また比較例6は、−30℃では固化していることから低温で使用できない。
本発明の電解液及び比較例の電解液を使用して3電極式電気二重層キャパシタ(パワーシステム(株)社製、図1)を作成した。このキャパシタを用いて充放電サイクル試験を行い静電容量、抵抗について評価した。
粉状の活性炭(関西熱化学(株)製 「MSP−20」)をカーボンブラックおよびポリテトラフルオロエチレン粉(PTFE)と混合した。重量比は、10:1:1とした。
得られた混合物を乳鉢にて5分程度練り、これをロールプレスで圧延して活性炭シートを得た。活性炭シートの厚さは、400μmとした。この活性炭シートを20mmΦのディスク状に打ち抜き、活性炭電極を得た。
得られた活性炭電極(正極、負極及び参照極)を用いて、3電極式電気二重層キャパシタ(パワーシステム(株)社製)を組み立てた。これらセルを真空中170℃で7時間乾燥し、30℃まで冷却した。乾燥雰囲気中で<実施例1〜13>、<比較例1〜6>の電解液をセルに注入し、ついで真空含浸を行い電気二重層キャパシタを作製した。
作成した電気二重層キャパシタに充放電試験装置(パワーシステム(株)製、「CDT-5R2-4」)を接続し、設定電圧まで25mAにて定電流充電を行い、充電開始から7200秒後に25mAにて定電流放電を行った。これを設定電圧3.3V、45℃で50サイクル実施し、セルの初期及び50サイクル後の静電容量値と静電容量の保持率(%)、初期及び50サイクル後の内部抵抗及び内部抵抗の増加率(%)、を測定し、長期信頼性の指標とした。試験結果を表2に示す。
Figure 2010147391
表2から明らかなように、本発明の実施例1〜13の電解液を使用した電気二重層コンデンサは、比較例3〜5の電解液を使用した電気二重層キャパシタに比べてサイクル試験後の容量保持率が高く、内部抵抗増加率が低いことがわかる。比較例1,2,6は実施例1〜13と同様にサイクル試験後の容量保持率は高く、内部抵抗増加率は低いが、−30℃において電解質が析出するため、低温では使用できない。
よって本発明の電解液を使用した電気化学キャパシタは、耐久性が高く高信頼性の電気化学素子を構成できること、さらに低温においても安定に使用可能な電気化学素子を構成できることが明らかである。
本発明の電気化学素子用電解液を使用した電気化学素子は、電気化学キャパシタ、二次電池、色素増感太陽電池等に適用可能である。
3電極式電気二重層キャパシタ

Claims (7)

  1. 一般式(1)で表される化合物(A)を含有してなる電解質(B)と、非水混合溶媒(H)を含有してなる電解液であって、非水混合溶媒(H)が、スルホラン、3−メチルスルホラン及び2,4−ジメチルスルホランからなる群より選ばれる少なくとも1種のスルホラン誘導体(S)と、一般式(2)で表される分子量が400以下であるベンゼン誘導体(G)を含有してなることを特徴とする電気化学素子用電解液。
    Figure 2010147391
    [式中、m及びnは3〜7を示し同じでも異なっていてもよい。Xは第一原理分子軌道計算によるHOMOエネルギーが、−0.60〜−0.20a.u.であるアニオンである。]
    Figure 2010147391
    [式中、Rは、ハロゲン原子、又は炭素数1〜7である有機基(g)、R及びRは水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜7である有機基(g)である。R、R及びRは同じでも異なっていてもよい。]
  2. ベンゼン誘導体(G)の有機基(g)が、ニトリル基、パーフルオロアルキル基、オルガノシリル基、又はエステル結合、エーテル結合、炭酸エステル結合、スルホニル結合、ニトリル基を有していてもよいアルキル基である請求項1に記載の電解液。
  3. スルホラン誘導体(S)とベンゼン誘導体(G)の合計重量に対して、スルホラン誘導体(S)の重量が20〜80重量%、ベンゼン誘導体(G)の重量が80〜20重量%である請求項1又は2に記載の電解液。
  4. 一般式(1)において、対イオンXが、BF 、PF 、AsF 、SbF 、N(RfSO 、C(RfSO およびRfSO (Rfは炭素数1〜12のフルオロアルキル基)からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解液。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解液を用いることを特徴とする電気化学素子。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解液を用いることを特徴とする電気化学キャパシタ。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解液を用いることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
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