JP2006156728A - 電気化学キャパシタ用電解液及び電気化学キャパシタ - Google Patents

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幸治 藤岡
Takao Mukai
孝夫 向井
Yasuyuki Ito
靖幸 伊藤
Nao Kobari
菜穂 小針
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Abstract

【課題】電気化学キャパシタの経時的な性能劣化を飛躍的に改善しうる電解液を提供する。
【解決手段】アミジン塩からなる電解質と、25℃における比誘電率が31〜200である、有機カーボネート、エステル及びスルホンからなる群より選ばれる少なくとも1種の主溶媒、並びに25℃における比誘電率が1〜30である、エステル、エーテル、ニトリル、ケトン及び炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種の副溶媒からなる溶媒とを含有することを特徴とする電気化学キャパシタ用電解液を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は電気化学キャパシタ用電解液、及びこれを用いた電気化学キャパシタに関する。さらに詳しくは、各種電子機器のメモリーバックアップ用及び大電流を必要とする電気自動車等の電力用として好適な電気化学キャパシタ、並びにそれに用いる電解液に関する。
プロピレンカーボネート溶媒に環状アミジニウム塩を溶解させた電気化学キャパシタ用非水電解液が知られている(特許文献1)。
国際公開WO95/15572パンフレット
従来の非水電解液は、耐電圧が十分でない場合があるため、この電解液を用いる電気化学キャパシタには経時的な性能劣化が著しい場合がある。
すなわち、本発明の目的は、電気化学キャパシタの経時的な性能劣化を飛躍的に改善しうる電解液を提供することである。
本発明の電気化学キャパシタ用電解液の特徴は、一般式(1)又は(2)で表されるアミジン塩である電解質(A)と、25℃における比誘電率が31〜200である、有機カーボネート、エステル及びスルホンからなる群より選ばれる少なくとも1種の主溶媒(b1)、並びに25℃における比誘電率が1〜30であるエステル、エーテル、ニトリル、ケトン及び炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種の副溶媒(b2)からなる溶媒(B)とを含有する点を要旨とする。
[式中、R1は水酸基,アミノ基,ニトロ基,シアノ基,カルボキシル基,エーテル結合を有する基及び/又はホルミル基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基又は水素原子であり、R2、R3、R4及びR5は、水酸基,アミノ基,ニトロ基,シアノ基,カルボキシル基,エーテル結合を有する基及び/又はホルミル基を有していてもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基であって、R1、R2、R3、R4及びR5の一部又は全部が結合して環を形成していてもよい。X-は、対アニオンを表す。]
本発明の電気化学キャパシタ用電解液は、耐電圧が高いので、経時的な性能劣化がわずかな電気化学キャパシタを製造し得る。また、本発明の電解液の耐電圧が高いため、本発明の電解液を用いることにより、電気化学キャパシタのエネルギー密度を著しく向上させることができる。
一般式(1)及び(2)について説明する。
1が環を形成していない場合、R1のうち、水酸基,アミノ基,ニトロ基,シアノ基,カルボキシル基,エーテル結合を有する基及び/又はホルミル基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基としては、直鎖脂肪族炭化水素基、分岐脂肪族炭化水素基脂、環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基等が含まれる。
直鎖脂肪族炭化水素基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−デシル、n−オクタデセニル、n−エイコシル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル及び2−ヒドロキシエチル、アミノメチル、アミノエチル、ニトロメチル、ニトロエチル、シアノメチル、シアノエチル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、メトキシメチル、メトキシエチル、ホルミルメチル及びホルミルエチル等が挙げられる。
分岐脂肪族炭化水素基としては、iso−プロピル、2−メチルプロピル、1−メチルプロピル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1−エチルプロピル、2−エチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、3−エチルブチル、4−エチルブチル、2−エチルヘキシル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、2−エチル−n−オクチル、2−エチル−n−ヘキサデセニル、2−エチル−n−オクタデセニル、2−ヒドロキシ−iso−プロピル及び1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−アミノ−iso−プロピル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−ニトロ−iso−プロピル、1−ニトロ−2−メチルプロピル、2−シアノ−iso−プロピル、1−シアノ−2−メチルプロピル、2−カルボキシ−iso−プロピル、1−カルボキシ−2−メチルプロピル、2−メトキシ−iso−プロピル、1−メトキシ−2−メチルプロピル、2−ホルミル−iso−プロピル及び1−ホルミル−2−メチルプロピル等が挙げられる。
環式炭化水素基としては、シクロヘキシル、1−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、1−ヒドロキシヘキシル、2−ヒドロキシヘキシル、3−ヒドロキシヘキシル及び4−ヒドロキシヘキシル、1−メトキシ−ヘキシル、2−メトキシヘキシル、3−メトキシヘキシル、4−メトキシヘキシル、1−ホルミル−ヘキシル、2−ホルミルヘキシル、3−ホルミルヘキシル及び4−ホルミルヘキシル等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル、トルイル及びベンジル等が挙げられる。
これらR1のうち、水素原子、直鎖脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基が好ましく、さらに好ましくは水素原子、メチル、エチル、メトキシエチル、n−ブチル、フェニル及びベンジル、特に好ましくは水素原子、メトキシエチル及びメチル、最も好ましくはメチルである。
水酸基,アミノ基,ニトロ基,シアノ基,カルボキシル基,エーテル結合を有する基もしくはホルミルを有していてもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基としては、環を形成していない場合、直鎖脂肪族炭化水素基、分岐脂肪族炭化水素基、環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基等が含まれる。
直鎖脂肪族炭化水素基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−デシル、アミノメチル、アミノエチル、ニトロメチル、ニトロエチル、シアノメチル、シアノエチル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、メトキシメチル、メトキシエチル、ホルミルメチル及びホルミルエチル等が挙げられる。
分岐脂肪族炭化水素基としては、iso−プロピル、2−メチルプロピル、1−メチルプロピル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1−エチルプロピル、2−エチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、3−エチルブチル、4−エチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、2−エチル−n−オクチル、2−アミノ−iso−プロピル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−ニトロ−iso−プロピル、1−ニトロ−2−メチルプロピル、2−シアノ−iso−プロピル、1−シアノ−2−メチルプロピル、2−カルボキシ−iso−プロピル、1−カルボキシ−2−メチルプロピル、2−メトキシ−iso−プロピル、1−メトキシ−2−メチルプロピル、2−ホルミル−iso−プロピル及び1−ホルミル−2−メチルプロピル等が挙げられる。
環式炭化水素基としては、シクロヘキシル、1−メチル−ヘキシル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、1−アミノ−ヘキシル、2−アミノヘキシル、3−アミノヘキシル、4−アミノヘキシル、1−シアノ−ヘキシル、2−シアノヘキシル、3−シアノヘキシル、4−シアノヘキシル、1−カルボキシ−ヘキシル、2−カルボキシヘキシル、3−カルボキシヘキシル、4−カルボキシヘキシル、1−メトキシ−ヘキシル、2−メトキシヘキシル、3−メトキシヘキシル、4−メトキシヘキシル、1−ホルミル−ヘキシル、2−ホルミルヘキシル、3−ホルミルヘキシル及び4−ホルミルヘキシル等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル、トルイル及びベンジル等が挙げられる。
これらのうち、直鎖脂肪族炭化水素基が好ましく、さらに好ましくはメチル、メトキシエチル及びエチル、特に好ましくはメチル及びエチルである。
1、R2、R3、R4及びR5の一部又は全部が結合して環を形成している場合、R1、R2、R3、R4及びR5の一部又は全部が結合して環を形成する基としては、アルキレン基、アリーレン基及びアルケニレン基等が含まれる。
アルキレン基としては、メチレン、エチレン、n−プロピレン、iso−プロピレン、n−ブチレン、1,2−ジメチルエチレン、n−ペンチレン及びn−ヘキシレン等が挙げられる。
アリーレン基としては、フェニレン等が挙げられる。
アルケニレン基としては、エチレニレン、n−プロピニレン、iso−プロピニレン、n−ブチレニレン及び1,2−ジメチルエチレニレン等が挙げられる。
これらのうち、アルキレン基及びアルケニレン基が好ましく、さらに好ましくはエチレン、iso−プロピレン、1,2−ジメチルエチレン、エチレニレン、iso−プロピニレン及び1,2−ジメチルエチレニレンである。
1、R2、R3、R4及びR5のうち、R1、R2、R3、R4及びR5の一部又は全部が結合して環を形成する基が好ましい。
1、R2、R3、R4及びR5の一部又は全部が結合して形成される環としては、イミダゾリン環、イミダゾール環及びテトラヒドロピリミジン環等が含まれる。これらのうち、イミダゾリン環及びイミダゾール環が好ましく、さらに好ましくはイミダゾール環である。
-はPF6 -、BF4 -、AsF6 -、SbF6 -、N(RfSO32 -、C(RfSO33 -、RfSO3 -(Rfは炭素数1〜12のフルオロアルキル基)、F-、ClO4 -、AlF4 -、AlCl4 -、TaF6 -、NbF6 -、SiF6 -、CN-又はF(HF)n -(nは1〜4の数を表し、1〜4の整数が好ましい)が好ましく、さらに好ましくは、耐電圧の観点等から、PF6 -、BF4 -又はN(RfSO32 -で表される対アニオン、特に好ましくはPF6 -又はBF4 -で表される対アニオン、最も好ましくはBF4 -で表される対アニオンである。 N(RfSO32 -、C(RfSO33 -又はRfSO3 -で表されるアニオンに含まれるRfは、炭素数1〜12のフルオロアルキル基を表し、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル及びノナフルオロブチルなどが挙げられる。これらのうち、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル及びヘプタフルオロプロピルが好ましく、さらに好ましくはトリフルオロメチル及びペンタフルオロエチル、特に好ましくはトリフルオロメチルである。
一般式(1)又は(2)で表されるアミジン塩に含まれるカチオン、すなわち、電解質(A)を構成するアミジニウムカチオンとしては、次のカチオン等が含まれる。
(i)イミダゾリニウムカチオン
1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−ヘプチルイミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−(−2’ヘプチル)イミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−(−3’ヘプチル)イミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−(−4’ヘプチル)イミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−ドデシルイミダゾリニウム、1,1−ジメチルイミダゾリニウム、1,1,2−トリメチルイミダゾリニウム、1,1,2,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,1,2,5−テトラメチルイミダゾリニウム及び1,1,2,4,5−ペンタメチルイミダゾリニウム等。
(ii)イミダゾリウムカチオン
1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−ヘプチルイミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(−2’ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(−3’ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(−4’ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−ドデシルイミダゾリウム、1,1−ジメチルイミダゾリウム、1,1,2−トリメチルイミダゾリウム、1,1,2,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,1,2,5−テトラメチルイミダゾリウム及び1,1,2,4,5−ペンタメチルイミダゾリウム等。
(iii)テトラヒドロピリミジニウムカチオン
1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネニウム、8−エチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム及び5−エチル−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネニウム等。
これらのうち、(ii)イミダゾリウムカチオンが好ましく、さらに好ましくは1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム及び1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、2−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、4−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、3−エチル−1,4−ジメチルイミダゾリウム、3−エチル−1,5−ジメチルイミダゾリウム、1,2,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、特に好ましくは1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム及び1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、最も好ましくは1−エチル−3−メチルイミダゾリウム及び1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムである。
電解質(A)として好ましいものを例示すると、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,3−ジエチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、2−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、4−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、3−エチル−1,4−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、3−エチル−1,5−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,2,4,5−テトラメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、これらの電解質のうち、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート及び1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートが特に好ましく、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート及び1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートが最も好ましい。
電解液中に占める電解質(A)の含有量(重量%)は、電解液の重量に基づいて、5〜70が好ましく、さらに好ましくは10〜60、特に好ましくは15〜50、最も好ましくは20〜40である。すなわち、電解液中に占める電解質(A)の含有量(重量%)の下限は、電解液の重量に基づいて、5が好ましく、さらに好ましくは10、特に好ましくは15、最も好ましくは20であり、また同様に上限は70が好ましく、さらに好ましくは60、特に好ましくは50、最も好ましくは40である。この範囲であると、低温での塩析出が起こりにくくなり、さらに良好な比電導度となる。
主溶媒(b1)は、25℃における比誘電率(以下、ε25と略記する。)が31〜200である有機カーボネート、エステル及びスルホンからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、このε25は、39〜100が好ましく、さらに好ましくは43〜65である。ε25がこの範囲であると、電解液の比電導度がさらに高くなる(この範囲未満であると、低温で塩が析出しやすいため電解液の比電導度が低下する傾向があり、この範囲を越えると低温で粘度が上昇するため電解液の比電導度が低下する傾向がある)。
ε25が31〜200である有機カーボネートとしてはエチレンカーボネート(ε25:95)、プロピレンカーボネート(ε25:65)及びブチレンカーボネート(ε25:53)等が挙げられ、同様にエステルとしてはγ−ブチロラクトン(ε25:42)及びα−メチル−γ−ブチルラクトン(ε25:43)等が挙げられ、同様にスルホンとしてはスルホラン(ε25:43)及びメチルスルホラン(ε25:44)等が挙げられる。これらのうち、好ましくはプロピレンカーボネート、スルホラン及びγ−ブチロラクトン、さらに好ましくはプロピレンカーボネート及びスルホラン、最も好ましくはプロピレンカーボネートである。
副溶媒(b2)としては、ε25が1〜30である、エステル、エーテル、ニトリル、ケトン及び炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、このε25は好ましくは1.5〜25、さらに好ましくは2.0〜20である。ε25がこの範囲であると、電解液の比電導度がさらに高くなる(この範囲未満であると、低温で塩が析出しやすいため電解液の比電導度が低下する傾向があり、この範囲を越えると経時的な性能劣化を抑制する効果が小さくなる)。
ε25が1〜30であるエステルとしては酢酸メチル(ε25:7)、酢酸エチル(ε25:6)、酢酸イソプロピル(ε25:5)、酢酸ブチル(ε25:5)、ギ酸メチル(ε25:9)及びプロピオン酸メチル(ε25:6)等が挙げられ、同様にエーテルとしては1,2−ジメトキシエタン(ε25:7)、テトラヒドロフラン(ε25:8)、2−メチルテトラヒドロフラン(ε25:6)、1,4−ジオキサン(ε25:2)、1,3−ジオキソラン(ε25:7)及び4−メチル−1,3−ジオキソラン(ε25:4)等が挙げられ、同様にニトリルとしてはプロピオニトリル(ε25:29)、ブチロニトリル(ε25:25)、イソブチロニトリル(ε25:20)及びベンゾニトリル(ε25:25)等が挙げられ、同様にケトンとしてはアセトン(ε25:21)、2−ペンタノン(ε25:23)、アセトフェノン(ε25:17)、アセチルアセトン(ε25:26)、ヘキサンジオン(ε25:26)、メチルエチルケトン(ε25:22)及びメチルイソブチルケトン(ε25:15)等が挙げられ、同様に炭化水素としては、ヘキサン(ε25:2)、ヘプタン(ε25:2)、オクタン(ε25:2)及びシクロヘキサン(ε25:2)が挙げられる。これらのうち、好ましくは酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ギ酸メチル、プロピオン酸メチル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メトキシテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、イソブチロニトリル、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンであり、さらに好ましくは酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ギ酸メチル、プロピオン酸メチル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ヘキサン、シクロヘキサンである。
本発明において、25℃における比誘電率は、JIS C2101−1999「誘電正接試験及び比誘電試験」に準拠して誘電率(ε)を測定し{試料充填前の空の静電容量C0(pF)と、試料充填時の等価並列静電容量Cx(pF)を測定し、次式により誘電率εを算出する。}、この誘電率(ε)と空気の比誘電率1.000585との積で与えられる。
ε = Cx/C0
主溶媒(b1)と副溶媒(b2)との好ましい組合せを表1に示した。
これらの例示のうち、主溶媒をプロピレンカーボネート又はスルホランとする組み合わせ(1)〜(8)がさらに好ましい。
本発明において、電解液の溶媒(B)は主溶媒(b1)と副溶媒(b2)とからなり、副溶媒(b2)の含有量(重量%)は、主溶媒(b1)と副溶媒(b2)との合計重量に基づいて5〜50が好ましく、さらに好ましくは10〜45、特に好ましくは20〜40である。すなわち、この含有量の下限は、(b1)と(b2)との合計重量に基づいて、経時的な性能劣化を抑制する効果の観点等から5が好ましく、さらに好ましくは10、特に好ましくは20であり、また同様に上限は電解液の比電導度の観点等から50が好ましく、さらに好ましくは45、特に好ましくは40である。
電解液中に占める溶媒(B)の含有量(重量%)は、電解液の重量に基づいて、30〜95が好ましく、さらに好ましくは40〜90、特に好ましくは50〜85、最も好ましくは60〜80である。この範囲であると、低温での塩析出が起こりにくくなりさらに良好な比電導度となる
本発明の電解液中の含水量(ppm)は、電気化学的安定性の観点から、電解液の重量に基づいて、300以下が好ましく、さらに好ましくは100以下、特に好ましくは50以下である。この範囲であると、電気化学キャパシタの経時的な性能低下を抑制できる。
電解液中の含水量はカールフィッシャー法(JIS K0113−1997、電量滴定方法)で測定することができる。
電解液中の含水量を上記の範囲にする方法としては、あらかじめ十分に乾燥した電解質(A)と、あらかじめ十分に脱水した溶媒(B)とを使用する方法等が挙げられる。
電解質の乾燥方法としては、減圧下加熱乾燥(例えば20Torr減圧下で150℃で加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法等が挙げられる。
溶媒の脱水方法としては、減圧下加熱脱水(例えば100Torr、120℃で加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法、モレキュラーシーブ(ナカライテスク製、3A 1/16等)、活性アルミナ粉末などの除水剤を使用する方法等が挙げられる。
また、これらの他に、電解液を減圧下加熱脱水(例えば100Torr減圧下で100℃で加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法、モレキュラーシーブ、活性アルミナ粉末などの除水剤を使用する方法等が挙げられる。これらの方法は、それぞれ単独で行ってもよいし、組み合わせて行ってもよい。これらのうち、電解質(A)を減圧下加熱乾燥する方法、電解液にモレキュラーシーブを加える方法が好ましい。
本発明の電解液は電気化学キャパシタに用いることができる。電気化学キャパシタは、基本構成物品として、電極、集電体、セパレーターを備えるとともに、キャパシタに通常用いられるケース、ガスケットなどを任意に備えるものである。電解液は、アルゴンガス雰囲気(露点−50℃)のグローブボックス内等で電極及びセパレーターに含浸される。本発明の電解液は、電気化学キャパシタのうち、電気二重層コンデンサ(電極に分極性電極、例えば活性炭等を使用するもの)に好適である。
電気二重層コンデンサの基本構造としては、2つの分極性電極の間にセパレーターを挟み、電解液を含浸させたものである。分極性電極の主成分は、電解液に対して電気化学的に不活性で、かつ、適度な電気伝導度を有することから活性炭、グラファイト、ポリアセン系有機半導体などの炭素質物質が好ましく、上記のように、正極と負極の少なくとも一方は炭素質物質である。電荷が蓄積する電極界面が大きい点から、窒素吸着法によるBET法により求めた比表面積が10m2/g以上の多孔性炭素物質(例えば活性炭)がさらに好ましい。多孔性炭素物質の比表面積は、目的とする単位面積あたりの静電容量(F/m2)と、高比表面積化に伴う嵩密度の低下を勘案して選択されるが、窒素吸着法によるBET法により求めた比表面積が30〜2,500m2/gのものが好ましく、体積あたりの静電容量が大きいことから、比表面積が300〜2,300m2/gの活性炭が特に好ましい。
本発明の電気化学キャパシタ用電解液は、アルミ電解コンデンサにも用いることができる。アルミ電解コンデンサの基本構造としては、電極となるアルミ箔の表面に電気化学処理で酸化膜をつくってこれを誘電体とし、もう一方の電極となるアルミ箔との間に電解液を含浸させた電解紙を挟んだものである。
本発明の電気化学キャパシタの態様としては、コイン型、捲回型、角形のものがあげられる。本発明の電気化学キャパシタ用電解液は、いずれの電気二重層コンデンサ又はいずれのアルミ電解コンデンサにも適用できる。
実施例
以下、実施例及び比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、特に記載のないかぎり、「部」は「重量部」を意味する。
<純度>
純度は以下の条件で高速液体クロマトグラフ法(以下、HPLCと記載)で測定した。
HPLCは、装置(型名LC−10A、島津製作所製)、カラム(CAPCELL PAC UG120C18(4.6mmφ×25cm)、資生堂)、移動相(リン酸の濃度10mmol/l、過塩素酸ナトリウムの濃度100mmol/lの水溶液)、流速(0.8ml/min)、検出器(UV(210nm))、注入量(20μl)、カラム温度(40℃)を用いて測定した。
<実施例1>
1−エチルイミダゾール96部、ジメチル炭酸135部及びメタノール192部を冷却コンデンサ付きステンレス製オートクレーブに仕込み均一に溶解させた。ついで130℃まで昇温し反応を開始した。圧力は最初約4.5kg/cm2であったが、炭酸ガスの発生で徐々に上昇したので、適宜冷却コンデンサの上部からガス抜きを行い、圧力を約7kg/cm2以下に調節した。60時間後30℃まで冷却して、反応液を1H−NMR分析した結果、1−エチルイミダゾールが消失し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩がほぼ定量的に生成していることがわかった。得られた1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩/メタノール/ジメチル炭酸溶液415部に、攪拌下に42重量%ホウフッ化水素酸水溶液205部を25℃で約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い、炭酸ガスの泡が発生した。滴下が終了して泡の発生がおさまった後、20Torr、150℃で、溶媒を全量留去して、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMI・BF4)194部(純度99%)を得た。
プロピレンカーボネート(ε25:65)80部と酢酸メチル(ε25:7)20部とを均一混合して混合溶媒1を調製し、この混合溶媒1に1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート20部を25℃にて均一混合溶解させ、混合溶液を得た。この混合溶液100部に対してモレキュラーシーブを3部を加えて25℃で60時間放置して乾燥して本発明の電解液1を得た。この電解液1の水分は10ppmであった。
<実施例2>
1−エチルイミダゾール96部に換えて1−エチル−2−メチルイミダゾール110部を用いた以外実施例1と同様にしてジメチル炭酸と反応させた後、反応液を1H−NMR分析した結果、1−エチル−2−メチルイミダゾールが消失し、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩がほぼ定量的に生成していることがわかった。
ついで、実施例1と同様にしてホウフッ化水素酸と反応させて、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EDMI・BF4)208部(純度99%)を得た。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMI・BF4)20部を、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EDMI・BF4)20部に換えた以外実施例1と同様にして本発明の電解液2を得た。電解液2の水分は10ppmであった。
<実施例3>
プロピレンカーボネート80部と酢酸メチル20部との混合溶媒1を、プロピレンカーボネート(ε25:65)90部と1,2−ジメトキシエタン(ε25:7)10部との混合溶媒2に換えた以外は実施例1と同様にして混合溶媒2に1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EDMI・BF4)20部を均一溶解させた。次いで実施例1と同様にして乾燥して本発明の電解液3を得た。電解液3の水分は8ppmであった。
<実施例4>
プロピレンカーボネート80部と酢酸メチル20部との混合溶媒1を、γ−ブチロラクトン(ε25:42)80部とベンゾニトリル(ε25:25)20部との混合溶媒3に換えた以外は実施例1と同様にして混合溶媒3に1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EDMI・BF4)20部を均一溶解させた。次いで実施例1と同様にして乾燥して本発明の電解液4を得た。電解液4の水分は3ppmであった。
<実施例5>
プロピレンカーボネート80部と酢酸メチル20部との混合溶媒1を、スルホラン(ε25:43)90部とメチルイソブチルケトン(ε25:15)10部との混合溶媒4に換えた以外は実施例1と同様にして混合溶媒4に1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EDMI・BF4)20部を均一溶解させた。次いで実施例1と同様にして乾燥して本発明の電解液5を得た。電解液5の水分は3ppmであった。
<比較例1>
プロピレンカーボネート(ε25:65)100部に1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMI・BF4)20部を均一溶解させた後、実施例1と同様にして乾燥して比較用の電解液6を得た。電解液6の水分は10ppmであった。
<比較例2>
プロピレンカーボネート(ε25:65)100部に1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EDMI・BF4)20部を均一溶解させた後、実施例1と同様にして乾燥して比較用の電解液7を得た。電解液7の水分は10ppmであった。
<比較例3>
γ−ブチロラクトン(ε25:39)100部に1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EDMI・BF4)20部を均一溶解させた後、実施例1と同様にして乾燥して比較用の電解液8を得た。電解液8の水分は10ppmであった。
<比較例4>
スルホラン(ε25:43)100部に1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EDMI・BF4)20部を均一溶解させた後、実施例1と同様にして乾燥して比較用の電解液9を得た。電解液9の水分は10ppmであった。
<比較例5>
プロピレンカーボネート80部と酢酸メチル20部との混合溶媒1を、プロピレンカーボネート(ε25:65)80部とアセトニトリル(ε25:36)20部との混合溶媒5に換えた以外は実施例1と同様にして混合溶媒5に1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMI・BF4)20部を均一溶解させて、比較用の電解液10を得た。電解液10の水分は10pmであった。
<比較例6>
プロピレンカーボネート80部と酢酸メチル20部との混合溶媒1を、ジメチルカーボネート(ε25:3)80部と酢酸エチル(ε25:6)20部との混合溶媒6に換えた以外は実施例1と同様にして混合溶媒6に1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMI・BF4)20部を均一溶解させて比較用の電解液11を得た。電解液11の水分は10pmであった。
本発明の電解液1〜5及び比較用の電解液6〜11を使用して、捲回形の電気化学キャパシタを作製し、自己放電特性及び容量保持率について評価し、これらの結果を表2に示した。
(1)自己放電特性
実施例1〜5の電解液と比較例1〜6の電解液を用いて、11種類の捲回形電気化学キャパシタ(サイズ;φ18mm×L50mm,定格電圧;2.3V、正極及び負極;活性炭)を作製し、この捲回形電気化学キャパシタを使用して、自己放電特性を測定し、これを電解液の耐電圧とした。
<自己放電特性の測定方法>
捲回形電気化学キャパシタを25℃で2.5Vで24時間充電した後、25℃で50時間放置した。その後、この捲回形電気化学キャパシタの端子間電圧を測定した。この測定で得られた端子間電圧(残存電圧)を自己放電特性とした。残存電圧が高いほど自己放電特性(耐電圧)が良好(高い)であり、低いほど自己放電特性(耐電圧)が悪い(低い)ことを意味する。
(2)容量保持率
(1)で作製した捲回形電気化学キャパシタを用いて、70℃、2.0V、1000時間の高温負荷試験を行い、1000時間経過後の容量(C1000)と初期の容量(C0)とから、容量保持率を次式で算出した。容量保持率は、値が高いほど耐電圧が良好であり電気化学キャパシタのエネルギー密度が大きくなり、逆に値が低いほど耐電圧が悪く電気化学キャパシタのエネルギー密度が小さくなることを意味する。
(容量保持率)(%)=[(C1000/(C0)]×100
<容量測定方法>
捲回形電気化学キャパシタを25℃で2.5Vで1時間充電した後、定電流負荷装置を用いて1Aで定電流放電を行い、捲回形電気化学キャパシタの端子間電圧が1.7Vから1.3Vへ変化する間の時間を測定し、次式から容量を算出した。
C=i×Δt/ΔV
なお、この式はQ=i×t=C×Vの関係から導き出され、Qは放電電荷量(C),iは放電電流(A),tは放電時間(sec),Cは容量(F),Vは電圧(V)であり、i=1(A),ΔV=1.7−1.3=0.4(V)である。
EDMI・BF4:1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート
EMI・BF4 :1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート
PC :プロピレンカーボネート
SL :スルホラン
GBL :γ−ブチロラクトン
MA :酢酸メチル
DME :1,2−ジメトキシエタン
BN :ベンゾニトリル
MIBK :メチルイソブチルケトン
AN :アセトニトリル
DMC :ジメチルカーボネート
表2から明らかなように、実施例1〜5の電解液を使用した電気化学キャパシタは、比較例1〜6の電解液を使用した電気化学キャパシタに比べて自己放電特性及び容量保持率が高い。よって、本発明の電解液は、電気化学キャパシタの経時的な性能劣化を飛躍的に改善し、高信頼性の電気化学キャパシタを構成できることが明かである。
本発明の電解液は、耐電圧に優れていることから、この電解液を用いて作成した電気化学キャパシタは従来の電気化学キャパシタと比較して、経時的な性能劣化がごくわずかであるため、各種電子機器のメモリーバックアップ用、各種電源のバックアップ電源、太陽電池との組み合わせで使用される蓄電素子等の2次電池を代替する蓄電装置としてや大電流を必要とするモーター駆動用電源、電動工具等のパワーツール用電源、電気自動車用のパワー用電源用途に適用できる。

Claims (9)

  1. 一般式(1)又は(2)で表されるアミジン塩からなる電解質(A)と、
    25℃における比誘電率が31〜200である有機カーボネート、エステル及びスルホンからなる群より選ばれる少なくとも1種の主溶媒(b1)、並びに25℃における比誘電率が1〜30であるエステル、エーテル、ニトリル、ケトン及び炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種の副溶媒(b2)からなる溶媒(B)とを含有することを特徴とする電気化学キャパシタ用電解液。
    [式中、R1は水酸基,アミノ基,ニトロ基,シアノ基,カルボキシル基,エーテル結合を有する基及び/又はホルミル基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基又は水素原子であり、R2、R3、R4及びR5は水酸基,アミノ基,ニトロ基,シアノ基,カルボキシル基,エーテル結合を有する基及び/又はホルミル基を有していてもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基であって、R1、R2、R3、R4及びR5の一部又は全部が結合して環を形成していてもよい。X-は、対アニオンを表す。]
  2. 主溶媒(b1)がプロピレンカーボネート、スルホラン及びγ−ブチロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の電解液。
  3. 副溶媒(b2)が酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ギ酸メチル、プロピオン酸メチル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、イソブチロニトリル、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン及びシクロヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載の電解液。
  4. 副溶媒(b2)の含有量が、主溶媒(b1)及び(b2)の合計重量に基づいて5〜50重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の電解液。
  5. 電解質(A)がイミダゾリウムカチオンを含んでなるアミジン塩である請求項1〜4のいずれかに記載の電解液。
  6. 対アニオン(X-)がPF6 -、BF4 -、AsF6 -、SbF6 -、N(RfSO32 -、C(RfSO33 -、RfSO3 -(Rfは炭素数1〜12のフルオロアルキル基)、F-、ClO4 -、AlF4 -、AlCl4 -、TaF6 -、NbF6 -、SiF6 -、CN-又はF(HF)n -(nは1〜4の数を表す)である請求項1〜5のいずれかに記載の電解液。
  7. 電解質(A)が1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、2−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、4−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、3−エチル−1,4−ジメチルイミダゾリウム、3−エチル−1,5−ジメチルイミダゾリウム及び1,2,4,5−テトラメチルイミダゾリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種のカチオンを含んでなるアミジン塩である請求項1〜6のいずれかに記載の電解液。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の電解液を用いることを特徴とする電気化学キャパシタ。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の電解液を用いることを特徴とする電気二重層コンデンサ。
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