JP2008016757A - 電気化学キャパシタ用電解液及びこれを用いた電気化学キャパシタ - Google Patents

電気化学キャパシタ用電解液及びこれを用いた電気化学キャパシタ Download PDF

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Abstract

【課題】電気化学キャパシタの経時的な性能劣化を更に改善しうる電解液を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表される電解質を含有してなる電気化学キャパシタ用電解液。

[R1、R2、R4、及びR5の一部又は全部が結合して環を形成してもよい。X-は対イオンを表す。]
【選択図】 なし

Description

本発明は電気化学キャパシタ用電解液及びこれを用いた電気化学キャパシタに関する。さらに詳しくは、各種電子機器のメモリーバックアップ用、および大電流を必要とする電気自動車などの電力用として用いられる好適な電気化学キャパシタ、並びにこれに好適な電解液に関する。
プロピレンカーボネート溶媒に環状アミジニウム塩を溶解させた電気化学キャパシタ用非水電解液が知られている(例えば、特許文献1)。また、経時的な性能劣化が改善された電気化学キャパシタ用非水電解液も知られている。(例えば、特許文献2及)。特許文献1記載の非水電解液では耐電圧が十分ではなく、これを改善した特許文献2記載の非水電解液を用いても耐電圧がまだ十分でない場合があるため、これらの電解液を用いる電気化学キャパシタには経時的な性能劣化が生じる場合がある。また、N−メチルオキサゾリウム電解質も知られている(特許文献3,4)。しかしながら、この場合にも2位水素の電気化学的安定性が良くないため、経時的な性能劣化の課題が残る。
国際公開WO95/15572パンフレット 特開2005−197666公報 特開2001−118752公報 特開平11−273733公報
すなわち、本発明の目的は、電気化学キャパシタの経時的な性能劣化を更に改善しうる電解液を提供することである。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、一般式(1)で表される電解質(A)を含有してなる電気化学キャパシタ用電解液およびそれを用いた電気化学キャパシタを要旨とする。
[R1及びR2は水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エーテル結合を有する基及びホルミル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有していてもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基である。R4及びR5は、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エーテル結合を有する基及びホルミル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有していてもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基又は水素原子である。R1、R2、R4、及びR5の一部又は全部が結合して環を形成してもよい。X−は対イオンを表す。]
本発明の電気化学キャパシタ用電解液は耐電圧が非常に高いため、性能の経時劣化の少ない電気化学キャパシタを製造し得る。したがって、本発明の電解液を用いることによりエネルギー密度が大きく、充放電サイクルに優れたキャパシタを得ることができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
一般式(1)で示される電解質(A)のカチオン種(a)について説明する。
1、R2、R4及びR5が互いに環を形成していない場合、R1及びR2としては、水酸基,アミノ基,ニトロ基,シアノ基,カルボキシル基,エーテル結合を有する基及びホルミル基(以下、官能基Yと記す。)を有していてもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、直鎖脂肪族炭化水素基、分岐脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基等が含まれる。
直鎖脂肪族炭化水素基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−デシル、及び官能基Yを有する基としてはヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル及び2−ヒドロキシエチル、アミノメチル、アミノエチル、ニトロメチル、ニトロエチル、シアノメチル、シアノエチル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、メトキシメチル、メトキシエチル、ホルミルメチル及びホルミルエチル等が挙げられる。
分岐脂肪族炭化水素基としては、iso−プロピル、2−メチルプロピル、1−メチルプロピル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1−エチルプロピル、2−エチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、3−エチルブチル、4−エチルブチル、2−エチルヘキシル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、2−エチル−n−オクチル、及び官能基Yを有する基としては2−ヒドロキシ−iso−プロピル及び1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−アミノ−iso−プロピル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−ニトロ−iso−プロピル、1−ニトロ−2−メチルプロピル、2−シアノ−iso−プロピル、1−シアノ−2−メチルプロピル、2−カルボキシ−iso−プロピル、1−カルボキシ−2−メチルプロピル、2−メトキシ−iso−プロピル、1−メトキシ−2−メチルプロピル、2−ホルミル−iso−プロピル及び1−ホルミル−2−メチルプロピル等が挙げられる。
環式炭化水素基としては、シクロヘキシル、1−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、及び官能基Yを有する基としては1−ヒドロキシヘキシル、2−ヒドロキシヘキシル、3−ヒドロキシヘキシル及び4−ヒドロキシヘキシル、1−メトキシ−ヘキシル、2−メトキシヘキシル、3−メトキシヘキシル、4−メトキシヘキシル、1−ホルミル−ヘキシル、2−ホルミルヘキシル、3−ホルミルヘキシル及び4−ホルミルヘキシル等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル、トルイル及びベンジル等が挙げられる。
これらR1及びR2のうち、直鎖脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基が好ましく、さらに好ましくはメチル基、エチル基、メトキシエチル基、n−ブチル基、フェニル基及びベンジル基、特に好ましくは水素原、メチル基、エチル基子及びメトキシエチル基、最も好ましくはメチル基及びエチル基である。
4及びR5は、上記R1と同じ基、または水素原子である。電気伝導度及びキャパシタの容量の観点から、R4及びR5はメチル基、エチル基及び水素原子が好ましく、さらに好ましくはメチル基及び水素原子である。
電解質(A)のカチオン種(a)として特に好ましいものを表1に例示する。
一般式(1)においてR1、R2、R4及びR5の一部又は全部が結合して環Q’を形成している場合について説明する。
1、R2、R4及びR5の一部又は全部が結合して環Q’を形成している場合、R1、R2が環をなすもの、R1、R5が環をなすもの、R4、R5が環をなすものが挙げられる。これらのなかで、一般式(2)のようにR1、R2が環を形成しているものが好ましい。
1、R2、R4及びR5の一部又は全部が結合して環Q’を形成している場合、環Q’は分子の電気化学的安定性および分子サイズの観点から、5〜7員環が好ましく、5又は6員環がさらに好ましい。
環Q’の残基Qは2価の炭化水素基であり、炭素数1〜7であり、好ましくは2〜6、さらに好ましくは3〜5である。残基Qは分岐構造を有していてもよく、また、飽和であっても不飽和であってもよいが、直鎖の飽和が好ましい。
残基Qの例としては、5員環の場合、−(CH23−(Q1)、−CH=CH−CH2−(Q2)、−CH(CH3)−CH2−CH2−(Q3)、−CH(CH3)−CH=CH−(Q4)、−C(=CH2)−CH2−CH2−(Q5)、−C(=CH2)−CH=CH−(Q6)、−CH2−CH(CH3)−CH2−(Q7)、−CH2−C(=CH2)−CH2−(Q8)、−CH=C(CH3)−CH2−(Q9)、−CH(CH3)−CH(CH3)−CH2−(Q10)、−C(=CH2)−CH(CH3)−CH2−(Q11)、−C(CH3)=C(CH3)−CH2−(Q12)、−CH(CH3)−C(=CH2)−CH2−(Q13)、−CH(CH3)−C(CH3)=CH−(Q14)、−C(=CH2)−C(=CH2)−CH2−(Q15)、−C(=CH2)−C(CH3)=CH−(Q16)、−CH(CH3)−CH2―CH(CH3)−(Q17)、−C(=CH2)−CH2−CH(CH3)−(Q18)、−C(=CH2)−CH2−C(=CH2)−(Q19)、−C(=CH2)−CH=C(CH3)−(Q20)、−C(CH3)=CH−CH(CH3)−(Q21)、−CH(CH2−CH3)−CH2−CH2−(Q22)、−CH(CH=CH2)−CH2−CH2−(Q23)、−C(=CH−CH3)−CH2−CH2−(Q24)、−C(CH2−CH3)=CH−CH2−(Q25)、−CH(CH2−CH3)−CH=CH−(Q26)、−C(CH=CH2)=CH−CH2−(Q27)、−C(CH=CH2)−CH=CH−(Q28)、−C(=CH−CH3)−CH=CH−(Q29)、−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−(Q30)、−CH2−CH(CH=CH2)−CH2−(Q31)、−CH2−C(=CH−CH3)−CH2−(Q32)、−CH=C(CH2−CH3)−CH2−(Q33)、−CH=C(CH=CH2)−CH2−(Q34)、−C((CH3)2)−CH2−CH2−(Q35)、−C(=CH2)(CH3)−CH2−CH2−(Q36)、−C((CH32)−CH=CH−(Q37)、―CH2−C((CH32)−CH2−(Q38)。
6員環の場合、−CH2−CH2−CH2−CH2−(Q39)、−CH=CH−CH=CH−(Q40)、−CH2−CH=CH−CH2−(Q41)、−CH=CH−CH2−CH2−(Q42)、−CH(CH3)−CH2−CH2−CH2−(Q43)、−C(=CH2)−CH2−CH2−CH2−(Q44)、−C(CH3)=CH−CH2−CH2−(Q45)、−CH(CH3)−CH=CH−CH2−(Q46)、−CH(CH3)−CH2−CH=CH−(Q47)、−C(=CH2)−CH=CH−CH2−(Q48)、−C(=CH2)−CH2−CH=CH−(Q49)、−C(CH3)=CH−CH=CH−(Q50)、−CH2−CH(CH3)−CH2−CH2−(Q51)、−CH2−C(=CH2)−CH2−CH2−(Q52)、−CH=C(CH3)−CH2−CH2−(Q53)、−CH2−C(CH3)=CH−CH2−(Q54)、−CH2−CH(CH3)−CH=CH−(Q55)、−CH2−C(=CH2)−CH=CH−(Q56)、−CH=C(CH3)−CH=CH−(Q57)。
7員環の場合、−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−(Q58)、−CH=CH−CH2−CH2−CH2−(Q59)、−CH2−CH=CH−CH2−CH2−(Q60)、−CH=CH−CH=CH−CH2−(Q61)、−CH=CH−CH2−CH=CH−(Q62)。
Qとしては、Q1、Q2、Q3、Q38、Q39、Q40及びQ57が特に好ましい。
4、R5としてはメチル基、エチル基及び水素原子が好ましく、さらに好ましくはメチル基及び水素原子である。
電解質(A)のカチオン種(a)として、R1、R2、R4及びR5の一部又は全部が結合して環を形成している場合において、特に好ましいものを表2に例示する。表2に記載されたカチオン種はすべて、一般式(2)においてR1、R2が環を形成しているものである。
電解質(A)のアニオン成分について説明する。
-はBF4 -、PF6 -、AsF6 -、F-、Cl-、PCl6 -、BCl4 -、AsCl6 -、SbCl6 -、TaCl6 -、NbCl6 -、PBr6 -、BBr6 -、AsBr6 -、AlBr4 -、TaBr6 -、NbBr6 -、PCl6 -、SbF6 -、AlF4 -、ClO4 -、AlCl4 -、TaF6 -、NbF6 -、SiF6 -、CN-、F(HF)n -、N(RfSO32 -、C(RfSO33 -、RfSO3 -、RfCO2 -(Rfは炭素数1〜12のフルオロアルキル基)、(当該式中、nは1以上4以下の数値を表す)が好ましく、さらに好ましくは、電気化学的安定性の観点等から、BF4 -、PF6 -又はN(RfSO32 -で表される対アニオン、特に好ましくはPF6 -又はBF4 -で表される対アニオン、最も好ましくはBF4 -で表される対アニオンである。 N(RfSO32 -、C(RfSO33 -、RfSO3 -又はRfCO2 -で表されるアニオンに含まれるRfは、炭素数1〜12のフルオロアルキル基を表し、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル及びノナフルオロブチルなどが挙げられる。これらのうち、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル及びヘプタフルオロプロピルが好ましく、さらに好ましくはトリフルオロメチル及びペンタフルオロエチル、特に好ましくはトリフルオロメチルである。
電解質(A)(カチオン成分+アニオン成分)の特に好ましい例としては、カチオン種(a−1)のBF4塩、カチオン種(a−2)のBF4塩、カチオン種(a−3)のBF4塩、カチオン種(a−4)のBF4塩、カチオン種(a−5)のBF4塩、カチオン種(a−6)のBF4塩、カチオン種(a−7)のBF4塩、カチオン種(a−8)のBF4塩、 カチオン種(a−9)のBF4塩、カチオン種(a−10)のBF4塩、カチオン種(a−11)のBF4塩、カチオン種(a−12)のBF4塩、カチオン種(a−13)のBF4塩、カチオン種(a−14)のBF4塩、 カチオン種(a−15)のBF4塩、カチオン種(a−16)のBF4塩、カチオン種(a−17)のBF4塩、カチオン種(a−18)のBF4塩、カチオン種(a−19)のBF4塩、カチオン種(a−20)のBF4塩、カチオン種(a−21)のBF4塩、カチオン種(a−22)のBF4塩、カチオン種(a−1)のPF6塩、カチオン種(a−2)のPF6塩、カチオン種(a−6)のPF6塩、カチオン種(a−7)のPF6塩、カチオン種(a−8)のPF6塩、カチオン種(a−14)のPF6塩、カチオン種(a−1)のCF3SO3塩、カチオン種(a−2)のCF3SO3塩、カチオン種(a−6)のCF3SO3塩、カチオン種(a−7)のCF3SO3塩、カチオン種(a−10)のCF3SO3塩、カチオン種(a−14)のCF3SO3塩である。
電解質(A)は1種又は2種以上を用いることができる。
電解質(A)は公知の方法で製造することができ、例えば、オキサゾール化合物をジアルキル炭酸のような炭酸エステルで4級化し、得られた炭酸エステル塩を対アニオン(X-)に塩交換する方法(例えば特許第3145049号)によって得られる。またオキサゾール化合物をアルキルハライドで4級化し、得られたハライド塩をアニオン交換する方法によっても得られる。また一般式(1)においてR1、R2、R4及びR5の一部又は全部が結合して環を形成している場合においては、2位がアルキル化されたハロゲン化物を分子内環化反応により製造する方法等(例えば、Hung,L;J Heterocyclic Chem.,34,1123(1997))で得られた第4級化物のハライドをアニオン交換する方法等が利用できる。
電解質塩(A)の含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量できる。HPLCの条件は、カラム:ポリマーコート型充填剤、移動相:リン酸緩衝液(pH2〜3)、流速:0.8ml/min、検出器:UV、温度:40℃である(例えば、機器:型名(LC−10A)、メーカー(島津製作所)、カラム:CAPCELL PAK UG120C18(4.6mmφ×25cm)メーカー(資生堂)、移動相:リン酸の濃度10mmol/l、過塩素酸ナトリウムの濃度100mmol/lの水溶液、流速:0.8ml/min、検出器:UV(210nm)、注入量:20μl、カラム温度:40℃)。なお、(A)の化学構造は、通常の有機化学的手法で特定することができ、例えば、1H−NMR(例えば機器:AVANCE300(日本ブルカー株式会社製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz)、19F−NMR(例えば機器:XL−300(バリアン製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz)及び13C−NMR(例えば機器:AL−300(日本電子製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz)等によって特定することができる。
本発明の電解液は電解質(A)を含有し、好ましくは電解質(A)及び非水溶媒(B)を含有する。電解質(A)は2種以上を併用することが可能である。電解液中の電解質(A)の含有量(重量%)は、電解液の電気伝導度及び電気化学キャパシタの内部抵抗の観点から、電解液の重量に基づいて5〜100が好ましく、さらに好ましくは10〜80、特に好ましくは15〜50、最も好ましくは20〜40である。非水溶媒(B)の含有量(重量%)は、0〜95が好ましく、さらに好ましくは10〜90特に好ましくは50〜85、最も好ましくは60〜80である。
非水溶媒(B)の具体例としては以下のものが挙げられる。これらのうち2種類以上を併用することも可能である。
・エーテル類:鎖状エーテル[炭素数2〜6(ジエチルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなど);炭素数7〜12(ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなど)]、環状エーテル[炭素数2〜4(テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサンなど);炭素数5〜18(4−ブチルジオキソラン、クラウンエーテルなど)]。
・アミド類:N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、ヘキサメチルホスホリルアミド、N−メチルピロリドンなど。
・カルボン酸エステル類:酢酸メチル、プロピオン酸メチルなど。
・ラクトン類:γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなど。
・ニトリル類:アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、アクリロニトリルなど。
・炭酸エステル類:エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど。
・スルホキシド類:ジメチルスルホキシド、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランなど。
・ニトロ化合物:ニトロメタン、ニトロエタンなど。
・ベンゼン類:トルエン、キシレン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼンなど。
・複素環式溶媒:N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリジノンなど。
・ケトン類:アセトン、2,5ヘキサンジオン、シクロヘキサンなど。
・リン酸エステル類:トリメチルリン酸、トリエチルリン酸、トリプロピルリン酸など。
これらのうち好ましいのは炭酸エステル類、スルホキシド類及びベンゼン類であり、特に好ましくはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、スルホランである。
本発明の電解液中の含水量は、電気化学的安定性の観点から、電解液の重量に基づいて300ppm以下が好ましく、さらに好ましくは100ppm以下、特に好ましくは50ppm以下である。この範囲にこの範囲であると、電気化学キャパシタの経時的な性能低下を抑制できる。
電解液中の含水量はカールフィッシャー法(JIS K0113−1997、電量滴定方法)で測定することができる。
電解液中の水分を上記の範囲にする方法としては、あらかじめ十分に乾燥した電解質塩(A)と、あらかじめ十分に脱水した非水溶媒とを使用する方法等が挙げられる。
乾燥方法としては、減圧下加熱乾燥(例えば20Torr減圧下で150℃で加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法等が挙げられる。
脱水方法としては、減圧下加熱脱水(例えば100Torrで加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法、モレキュラーシーブ(ナカライテスク製、3A 1/16等)、活性アルミナ粉末などの除水剤を使用する方法等が挙げられる。
また、これらの他に、電解液を減圧下加熱脱水(例えば100Torr減圧下で100℃で加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法、モレキュラーシーブ、活性アルミナ粉末などの除水剤を使用する方法等が挙げられる。これらの方法は、それぞれ単独で行ってもよいし、組み合わせて行ってもよい。これらのうち、(A)を減圧下加熱乾燥する方法、電解液にモレキュラーシーブを加える方法が好ましい。
本発明の電気化学キャパシタ用電解液は電解質塩(A)及び好ましくは非水溶媒(B)の他に、種々の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、リン酸類及びその誘導体(リン酸、亜リン酸、リン酸エステル類、ホスホン酸類等)、ホウ酸類及びその誘導体(ホウ酸、酸化ホウ酸、ホウ酸エステル類、ホウ素と水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物との錯体等)、硝酸塩(硝酸リチウム等)及びニトロ化合物(ニトロ安息香酸、ニトロフェノール、ニトロフェネトール、ニトロアセトフェノン、芳香族ニトロ化合物等)等があげられる。添加剤量は導電性の観点から好ましくは電解液の10重量%以下であり、さらに好ましくは5重量%以下である。
本発明の電解液は電気化学キャパシタに用いることができる。電気化学キャパシタは、基本構成物品として、電極、集電体、セパレーターを備えるとともに、キャパシタに通常用いられるケース、ガスケットなどを任意に備えるものである。電解液は、アルゴンガス雰囲気(露点−50℃)のグローブボックス内等で電極及びセパレーターに含浸される。本発明の電解液は、電気化学キャパシタのうち、電気二重層コンデンサ(電極に分極性電極、例えば活性炭等を使用するもの)に好適である。
電気二重層コンデンサの基本構造としては、2つの分極性電極の間にセパレーターを挟み、電解液を含浸させたものである。分極性電極の主成分は、電解液に対して電気化学的に不活性で、かつ、適度な電気伝導度を有することから活性炭、グラファイト、ポリアセン系有機半導体などの炭素質物質が好ましく、上記のように、正極と負極の少なくとも一方は炭素質物質である。電荷が蓄積する電極界面が大きい点から、窒素吸着法によるBET法により求めた比表面積が10m2/g以上の多孔性炭素物質(例えば活性炭)がさらに好ましい。多孔性炭素物質の比表面積は、目的とする単位面積あたりの静電容量(F/m2)と、高比表面積化に伴う嵩密度の低下を勘案して選択されるが、窒素吸着法によるBET法により求めた比表面積が30〜2,500m2/gのものが好ましく、体積あたりの静電容量が大きいことから、比表面積が300〜2,300m2/gの活性炭が特に好ましい。
本発明の電気化学キャパシタ用電解液は、アルミ電解コンデンサにも用いることができる。アルミ電解コンデンサの基本構造としては、電極となるアルミ箔の表面に電気化学処理で酸化膜をつくってこれを誘電体とし、もう一方の電極となるアルミ箔との間に電解液を含浸させた電解紙を挟んだものである。
本発明の電気化学キャパシタの態様としては、コイン型、捲回型、角形のものがあげられる。本発明の電気化学キャパシタ用電解液は、いずれの電気二重層コンデンサ又はいずれのアルミ電解コンデンサにも適用できる。
実施例
次に本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、特に記載のないかぎり、「部」は「重量部」を意味する。
以下の実施例において、1H−NMR、19F−NMR、13C−NMR及びHPLCの測定は、下記の方法で行った。
HPLCの測定条件 機器:型名(LC−10A)、メーカー(島津製作所)、カラム:CAPCELL PAK UG120C18(4.6mmφ×25cm)メーカー(資生堂)、移動相:リン酸の濃度10mmol/l、過塩素酸ナトリウムの濃度100mmol/lの水溶液、流速:0.8ml/min、検出器:UV(210nm)、注入量:20μl、カラム温度:40℃。
1H−NMRの測定条件 機器:AVANCE300(日本ブルカー株式会社製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz。
19F−NMRの測定条件 機器:XL−300(バリアン製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz
13C−NMRの測定条件 機器:AL−300(日本電子製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz
<実施例1>
2,4,5−トリメチルオキサゾール(シグマアルドリッチジャパン(株)製)111部、ヨウ化エチル156部、テトロヒドロフラン1000部を冷却コンデンサ付きステンレス製オートクレーブに仕込み均一に溶解させた。ついで100℃まで昇温し反応を行い、30時間後30℃にまで冷却して、反応液を1H−NMRで分析した結果、2、4,5−トリメチルオキサゾールが消失し、上記表1のカチオン種(a−7)のヨウ化物塩がほぼ定量的に生成していることがわかった。60℃減圧にて脱溶剤を行い、得られた褐色固体253部に対して、酸化銀232部、イオン交換水200部、42重量%のホウフッ化水素酸水溶液209部を混合した溶液を徐々に混合した。さらにメタノール洗浄、脱溶媒を繰り返して電解質(A−1)を150部を得た。1H−NMR、19F−NMR及び13C−NMRで分析した結果、電解質(A−1)はカチオン種(a−7)のBF4塩であった。HPLCで測定したところ、純度は99%であった。電解質(A−1)20部、プロピレンカーボネート80部とを25℃にて均一に混合溶解させて、混合溶液を得た。この混合溶液100部に対してモレキュラーシブを3部加えて25℃で60時間放置して乾燥して電解液を得た。電解液の水分は35ppmであった。
<実施例2>
プロピレンカーボネート40部、ジメチルカーボネート40部とを均一混合し、この混合溶媒に電解質(A−1)を25℃にて均一混合溶解させ、混合溶液を得た。この混合溶液100部に対してモレキュラーシブを3部加えて25℃で60時間放置して乾燥して電解液を得た。電解液の水分は35ppmであった。
<実施例3>
スルホラン80部に電解質(A−1)を40℃にて均一混合溶解させ、混合溶液を得た。この混合溶液100部に対してモレキュラーシブを3部加えて25℃で60時間放置して乾燥して電解液を得た。電解液の水分は40ppmであった。
<実施例4>
実施例1において42重量%ホウフッ化水素酸水溶液の代わりに60重量%のHPF6水溶液243部を25℃で約30分間かけて徐々に滴下した。滴下に伴い、炭酸ガスの泡が発生した。滴下が終了して泡の発生がおさまった後、20Torr、130℃で溶媒を全量留去して電解質(A−4)271部を得た。1H−NMR、19F−NMR及び13C−NMRで分析した結果、電解質(A−4)はカチオン種(a−7)のPF6塩であった。HPLCで測定したところ、純度は99%であった。電解質(A−4)20部、プロピレンカーボネート80部とを25℃にて均一に混合溶解させて、混合溶液を得た。この混合溶液100部に対してモレキュラーシーブを3部加えて25℃で60時間放置して乾燥して電解液を得た。電解液の水分は40ppmであった。
<実施例5>
実施例1において42重量%ホウフッ化水素酸水溶液の代わりに60重量%のCF3SO3H水溶液250部を25℃で約30分間かけて徐々に滴下した。滴下に伴い、炭酸ガスの泡が発生した。滴下が終了して泡の発生がおさまった後、20Torr、130℃で溶媒を全量留去して電解質(A−5)を275部を得た。1H−NMR、19F−NMR及び13C−NMRで分析した結果、電解質(A−5)はカチオン種(a−7)のCF3SO3塩であった。HPLCで測定したところ、純度は98%であった。電解質(A−5)20部、プロピレンカーボネート80部とを25℃にて均一に混合溶解させて、混合溶液を得た。この混合溶液100部に対してモレキュラーシーブを3部加えて25℃で60時間放置して乾燥して電解液を得た。電解液の水分は40ppmであった。
<実施例6>
オキサゾール128部、テトロヒドロフラン4000部をガラス製コルベンに仕込み均一に混合させ窒素置換後、冷却装置にて−50℃に温調した。密閉下で1.6mol/lの濃度のn−ブチルリチウムのヘキサン溶液846部を滴下し、続いてヨウ化メチル284部を滴下し約1時間かけて反応をおこない、約7時間かけて徐々に室温に戻した。酢酸エチル/水=200部/120部の溶液で分液を4回おこない、70℃で減圧下、脱溶媒を行い、2−メチルオキサゾールを83部得た。2−メチルオキサゾール83部、ジメチル炭酸135部、メタノール192部を冷却コンデンサ付きステンレス製オートクレーブに仕込み均一に溶解させた。ついで130℃まで昇温し反応を開始した。圧力は最初約4.5kg/cm2であったが、炭酸ガスの発生で徐々に上昇したので、適宜冷却コンデンサの丈夫からガス抜きを行い、圧力を7kg/cm2以下に調節した。60時間後30℃にまで冷却して、反応液を1H−NMRで分析した結果、2−メチルオキサゾールが消失し、上記表1のカチオン種(a−1)のモノメチル炭酸塩がほぼ定量的に生成していることがわかった。得られたカチオン種(a−1)のモノメチル炭酸塩/メタノール溶液405部に、撹拌下に42重量%ホウフッ化水素酸水溶液209部を25℃で約30分間かけて徐々に滴下した。滴下に伴い、炭酸ガスの泡が発生した。滴下が終了して泡の発生がおさまった後、20Torr、130℃で溶媒を全量留去して電解質(A−6)を185部得た。1H−NMR、19F−NMR、13C−NMRで分析した結果、電解質(A−6)はカチオン種(a−1)のBF4塩であった。HPLCで測定したところ、純度は99%であった。電解質(A−6)20部、プロピレンカーボネート80部とを25℃にて均一に混合溶解させて、混合溶液を得た。この混合溶液100部に対してモレキュラーシーブを3部加えて25℃で60時間放置して乾燥して電解液を得た。電解液の水分は35ppmであった。
<実施例7>
上記実施例8で得られた2−メチルオキサゾール83部、ヨウ化エチル156部、テトロヒドロフラン1000部を冷却コンデンサ付きステンレス製オートクレーブに仕込み均一に溶解させた。ついで100℃まで昇温し反応を行い、30時間後30℃にまで冷却して、反応液を1H−NMRで分析した結果、2−メチルオキサゾールが消失し、上記表1のカチオン種(a−2)のヨウ化物塩がほぼ定量的に生成していることがわかった。60℃減圧にて脱溶剤を行い、得られた褐色固体239部に対して、酸化銀232部、イオン交換水200部、42重量%のホウフッ化水素酸水溶液209部を混合した溶液を徐々に混合した。さらにメタノール洗浄、脱溶媒を繰り返して電解質(A−7)を140部を得た。1H−NMR、19F−NMR及び13C−NMRで分析した結果、電解質(A−7)はカチオン種(a−2)のBF4塩であった。HPLCで測定したところ、純度は99%であった。電解質(A−7)20部、プロピレンカーボネート80部とを25℃にて均一に混合溶解させて、混合溶液を得た。この混合溶液100部に対してモレキュラーシブを3部加えて25℃で60時間放置して乾燥して電解液を得た。電解液の水分は35ppmであった。
<実施例8>
オキサゾール69部、テトロヒドロフラン2000部をガラス製コルベンに仕込み均一に混合させ窒素置換後、冷却装置にて−50℃に温調した。密閉下で1.6mol/lの濃度のn−ブチルリチウムのヘキサン溶液423部を滴下し、続いて1−クロロ−3−ヨウ化プロパン204部を滴下し約1時間かけて反応をおこない、約7時間かけて徐々に室温に戻した。酢酸エチル/水=200部/120部の溶液で分液を4回おこない、有機相を得た。該有機相にアセトニトリル500部を加え70℃にて約2時間反応をおこない、上記表2のカチオン種(a−10)のクロライド塩を得た。この有機相を硫酸ナトリウムにて脱水した後、50℃減圧にて約8時間脱溶媒をおこない、得られた褐色固体102部に対し、酸化銀162部、イオン交換水100部、42重量%のホウフッ化水素酸水溶液146部を混合した溶液を徐々に混合した。さらにメタノール洗浄、脱溶媒を繰り返して電解質(A−8)を138部得た。1H−NMR、19F−NMR及び13C−NMRで分析した結果、電解質(A−8)はカチオン種(a−10)のBF4塩であった。HPLCで測定したところ、純度は99%であった。電解質(A−8)20部、プロピレンカーボネート80部とを25℃にて均一に混合溶解させて、混合溶液を得た。この混合溶液100部に対してモレキュラーシブを3部加えて25℃で60時間放置して乾燥して電解液を得た。電解液の水分は35ppmであった。
<実施例9>
オキサゾール69部、テトロヒドロフラン2000部をガラス製コルベンに仕込み均一に混合させ窒素置換後、冷却装置にて−50℃に温調した。密閉下で1.6mol/lの濃度のn−ブチルリチウムのヘキサン溶液423部を滴下し、続いて1−クロロ−3−ヨウ化ブタン218部を滴下し約1時間かけて反応をおこない、約7時間かけて徐々に室温に戻した。酢酸エチル/水=200部/120部の溶液で分液を4回おこない、有機相を得た。該有機相にアセトニトリル500部を加え70℃にて約2時間反応をおこない、上記表2のカチオン種(a−14)のクロライド塩を得た。この有機相を硫酸ナトリウムにて脱水した後、50℃減圧にて約8時間脱溶媒をおこない、得られた褐色固体102部に対し、酸化銀162部、イオン交換水100部、42重量%のホウフッ化水素酸水溶液146部を混合した溶液を徐々に混合した。さらにメタノール洗浄、脱溶媒を繰り返して電解質(A−9)を138部を得た。1H−NMR、19F−NMR及び13C−NMRで分析した結果、電解質(A−9)はカチオン種(a−14)のBF4塩であった。HPLCで測定したところ、純度は99%であった。電解質(A−9)20部、プロピレンカーボネート80部とを25℃にて均一に混合溶解させて、混合溶液を得た。この混合溶液100部に対してモレキュラーシブを3部加えて25℃で60時間放置して乾燥して電解液を得た。電解液の水分は40ppmであった。
<実施例10>
2,4,5−トリメチルオキサゾール111部、ヨウ化エチル142部、テトロヒドロフラン1000部を冷却コンデンサ付きステンレス製オートクレーブに仕込み均一に溶解させた。ついで100℃まで昇温し反応を行い、30時間後30℃にまで冷却して、反応液を1H−NMRで分析した結果、2、4,5−トリメチルオキサゾールが消失し、上記表1のカチオン種(a−6)のヨウ化物塩がほぼ定量的に生成していることがわかった。60℃減圧にて脱溶剤を行い、得られた褐色固体239部に対して、酸化銀232部、イオン交換水200部、42重量%のホウフッ化水素酸水溶液209部を混合した溶液を徐々に混合した。さらにメタノール洗浄、脱溶媒を繰り返して電解質(A−10)を140部を得た。1H−NMR、19F−NMR及び13C−NMRで分析した結果、電解質(A−10)はカチオン種(a−6)のBF4塩であった。HPLCで測定したところ、純度は99%であった。電解質(A−10)20部、プロピレンカーボネート80部とを25℃にて均一に混合溶解させて、混合溶液を得た。この混合溶液100部に対してモレキュラーシブを3部加えて25℃で60時間放置して乾燥して電解液を得た。電解液の水分は35ppmであった。
<比較例1>
1−エチル−2−メチルイミダゾール110部、ジメチル炭酸135部、メタノール192部を冷却コンデンサ付きステンレス製オートクレーブに仕込み均一に溶解させた。ついで130℃まで昇温し反応を開始した。圧力は最初約4.5kg/cm2であったが、炭酸ガスの発生で徐々に上昇したので、適宜冷却コンデンサの丈夫からガス抜きを行い、圧力を7kg/cm2以下に調節した。60時間後30℃にまで冷却して、反応液を1H−NMRで分析した結果1−エチル−2−メチルイミダゾール、が消失し1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムのモノメチル炭酸塩がほぼ定量的に生成していることがわかった。1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩/メタノール溶液435部に、撹拌下に42重量%ホウフッ化水素酸水溶液205部を25℃で約30分間かけて徐々に滴下した。滴下に伴い、炭酸ガスの泡が発生した。滴下が終了して泡の発生がおさまった後、20Torr、130℃で溶媒を全量留去して電解質1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム・BF4 塩(以下、EDMI・BF4と記す)208部(HPLC純度99%)を得た。
電解質(EDMI・BF4)20部、プロピレンカーボネート80部とを25℃にて均一に混合溶解させて、混合溶液を得た。この混合溶液100部に対してモレキュラーシブを3部加えて25℃で60時間放置して乾燥して電解液を得た。電解液の水分は30ppmであった。
<比較例2>
プロピレンカーボネート40部、ジメチルカーボネート40部とを均一混合し、この混合溶媒に電解質(EDMI・BF4)を25℃にて均一混合溶解させ、混合溶液を得た。この混合溶液100部に対してモレキュラーシブを3部加えて25℃で60時間放置して乾燥して電解液を得た。電解液の水分は35ppmであった。
<比較例3>
スルホラン80部に電解質(EDMI・BF4)を40℃にて均一混合溶解させ、混合溶液を得た。この混合溶液100部に対してモレキュラーシブを3部加えて25℃で60時間放置して乾燥して電解液を得た。電解液の水分は40ppmであった。
<比較例4>
オキサゾール(和光純薬工業(株)製)69部、ジメチル炭酸153部、メタノール192部を冷却コンデンサ付きステンレス製オートクレーブに仕込み均一に溶解させた。ついで130℃まで昇温し反応を開始した。圧力は最初約4.5kg/cm2であったが、炭酸ガスの発生で徐々に上昇したので、適宜冷却コンデンサの丈夫からガス抜きを行い、圧力を7kg/cm2以下に調節した。60時間後30℃にまで冷却して、反応液を1H−NMRで分析した結果、オキサゾールが消失し、N−メチルオキサゾリウムのモノメチル炭酸塩がほぼ定量的に生成していることがわかった。得られたN−メチルオキサゾリウムのモノメチル炭酸塩/メタノール溶液409部に、撹拌下に42重量%ホウフッ化水素酸水溶液209部を25℃で約30分間かけて徐々に滴下した。滴下に伴い、炭酸ガスの泡が発生した。滴下が終了して泡の発生がおさまった後、20Torr、130℃で溶媒を全量留去して電解質を171部を得た。1H−NMR、19F−NMR及び13C−NMRで分析した結果、電解質はN−メチルオキサゾリウムのBF4塩(以下、NMO・BF4と記す)であった。HPLCで測定したところ、純度は99%であった。NMO・BF420部、プロピレンカーボネート80部とを25℃にて均一に混合溶解させて、混合溶液を得た。この混合溶液100部に対してモレキュラーシーブを3部加えて25℃で60時間放置して乾燥して電解液を得た。電解液の水分は35ppmであった。
本発明の電解液及び比較例の電解液を使用して捲回型の電気二重層コンデンサを作成し、この捲回型の自己放電特性及び容量保持率について評価し、これらの結果を表3に示した。
(1)自己放電特性
サイズ;φ18mm×L50mm、定格電圧;2.3V、正極及び負極;活性炭の捲回型の電気二重層コンデンサを作成し、この捲回型電気二重層コンデンサを使用して、自己放電特性を測定し、耐電圧とした。
<自己放電特性の測定方法>
捲回型電気化学キャパシタを25℃、2.5Vで24時間充電した後、25℃で50時間放置した。その後、この捲回型電気二重層コンデンサの端子間電圧を測定した。その測定で得られた端子間電圧(残存電圧)を自己放電特性とした。残存電圧が高いほど自己放電特性が良好(耐電圧が高い)であり、低いほど自己放電特性が悪い(耐電圧が低い)ことになる。
(2)容量保持率
捲回形電気化学キャパシタを用いて、65℃、2.3Vの高温負荷試験を行い、1000時間経過後の容量保持率を以下の式で算出した。
容量保持率(%)=[(1,000時間後の容量)/(初期の容量)]×100
<容量測定方法>
捲回形電気化学キャパシタを30℃で2.5Vで2時間充電した後、定電流負荷装置を用いて1Aで定電流放電を行い、捲回型電気二重層コンデンサの端子間電圧が1.6Vから1.2Vへ変化する間の時間を測定し、次式から容量を算出した。
C=i×Δt/ΔV
なお、この式はQ=i×t=C×Vの関係から導き出され、Qは放電電荷量(C),iは放電電流(A),tは放電時間(sec),Cは容量(F),Vは電圧(V)であり、i=1(A),ΔV=1.6−1.2=0.4(V)である。
表3中、PCはプロピレンカーボネート、DMCはジメチルカーボネート、SLはスルホランを示す。
表3から明らかなように、本発明の実施例1〜6の電解液を使用した電気二重層コンデンサは比較例1〜3の電解液を使用した電気二重層コンデンサに比べて自己放電特後の残存電圧及び容量保持率が高い。よって本発明の電解液は電気化学キャパシタの経時的な性能劣化を飛躍的に改善し、高信頼性の電気二重層コンデンサを構成できることが明らかである。
本発明の電解液は、耐電圧に優れていることから、この電解液を用いて作成した電気化学キャパシタは従来の電気化学キャパシタと比較して、経時的な性能劣化がごくわずかであるため、各種電子機器のメモリーバックアップ用、各種電源のバックアップ電源、太陽電池との組み合わせで使用される蓄電素子等の2次電池を代替する蓄電装置としてや大電流を必要とするモーター駆動用電源、電動工具等のパワーツール用電源、電気自動車用のパワー用電源用途に適用できる。

Claims (7)

  1. 一般式(1)で表される電解質(A)を含有してなる電気化学キャパシタ用電解液。
    [R1及びR2は水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エーテル結合を有する基及びホルミル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有していてもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基である。R4及びR5は、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エーテル結合を有する基及びホルミル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有していてもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基又は水素原子である。R1、R2、R4、及びR5の一部又は全部が結合して環を形成してもよい。X−は対イオンを表す。]
  2. 一般式(1)においてR4、R5が水素原子、メチル基又はエチル基である請求項1に記載の電解液。
  3. 一般式(1)において、対イオンX-が、BF4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、N(RfSO32 -、C(RfSO33 -およびRfSO3 -(Rfは炭素数1〜12のフルオロアルキル基)からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の電解液。
  4. さらに非水溶媒(B)を含有してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解液。
  5. 非水溶媒(B)がプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、キシレン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン及び1,4−ジクロロベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載の電解液。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解液を用いることを特徴とする電気化学キャパシタ。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解液を用いることを特徴とする電気二重層コンデンサ。
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