JP2020143665A - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パージ通路の異常を精度良く判定するとともに、燃費の悪化及び蒸発燃料の外気への放出を抑制することができる蒸発燃料処理装置を提供すること。【解決手段】蒸発燃料処理装置1において、パージ通路12の異常を判定する異常判定部21を有し、異常判定部21は、エンジンENGの運転状態に応じて設定されるパージ制御弁14のデューティ比を維持しつつ、パージ制御弁14の駆動周期を初期設定値より長い周期に変更して、駆動周期の変更前後にてエアフローメータAFMで検出される検出値から算出される第1変動幅ΔAと第2変動幅ΔBとに基づき、パージ通路12の異常を判定する。【選択図】図1

Description

本開示は、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を内燃機関に供給して処理する蒸発燃料処理装置に関する。
蒸発燃料処理装置において、通路の詰まりや漏れの異常が発生すると、蒸発燃料が外気に放出されてしまう。そのため、このような事態の発生を検出するために、通路の異常を判定することが要求されている。
このような通路の異常判定を行う蒸発燃料処理装置として、例えば、特許文献1に記載されたものがある。この蒸発燃料処理装置は、パージ通路に配置されたパージ制御弁のデューティ比を変化させた場合のエアフローメータの検出値の変化に基づいて、パージ通路の異常を判定している。また、特許文献2に記載された蒸発燃料処理装置では、イグニッションオフ後にパージポンプを駆動した場合のエアフローメータの検出値の変化に基づいて、パージ通路の異常判定(リーク検出)を行っている。
特開2018−141438号公報 特開2017−129073号公報
しかしながら、特許文献1に記載の蒸発燃料処理装置では、異常判定時にパージ制御弁のデューティ比を変化させるため、エンジンの運転状態に応じたデューティ比でパージ制御弁が制御されない。そのため、空燃比(A/F)荒れが生じてパージ通路の異常検出の精度が悪化するおそれがある。一方、特許文献2に記載の蒸発燃料処理装置では、パージ通路の異常検出のためだけにパージポンプを駆動するので、燃費が悪化するとともに、パージ通路にリークが発生していた場合に、蒸発燃料が外気に放出されるそれがある。
そこで、本開示は上記した問題点を解決するためになされたものであり、パージ通路の異常を精度良く判定するとともに、燃費の悪化及び蒸発燃料の外気への放出を抑制することができる蒸発燃料処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本開示の一形態は、
内燃機関に接続する吸気通路に設けられるエアフローメータと、燃料タンクに接続するベーパ通路と、前記燃料タンクから前記ベーパ通路を介して送られる蒸発燃料を貯留するキャニスタと、前記吸気通路と前記キャニスタとに接続するパージ通路と、前記パージ通路に設けられるパージポンプと、前記パージポンプの下流側に設けられるパージ制御弁とを有する蒸発燃料処理装置において、
前記パージ通路の異常を判定する異常判定部を有し、
前記異常判定部は、前記内燃機関の運転状態に応じて設定される前記パージ制御弁のデューティ比を維持しつつ、前記パージ制御弁の駆動周期を初期設定値より長い周期に変更して、前記駆動周期の変更前後にて前記エアフローメータで検出される検出値から算出される第1変動幅と第2変動幅とに基づき、前記パージ通路の異常を判定することを特徴とする。
パージ制御弁の駆動周期を長くすると、パージ制御弁が開いている時間が長くなるため、パージ通路が正常であれば、初期設定の駆動周期の場合に比べて、吸気通路に流れ込むパージガスが増加する。その結果として、パージガスが増加した分だけ、吸気通路に流れ込む空気量が減少する。そのため、エアフローメータで検出される検出値から算出される変動幅が、第1変動幅より第2変動幅の方が大きくなる。一方、パージ通路に漏れや詰まりの異常があると、パージガスが吸気通路にほとんど流れ込まないため、吸気通路に流れ込む空気量もほとんど変化しない。そのため、エアフローメータで検出される検出値から算出される変動幅が、第1変動幅と第2変動幅とで変化しない。従って、駆動周期の変更前後における第1変動幅と第2変動幅とに基づき、パージ通路の異常を判定することができる。
具体的に、上記した蒸発燃料処理装置において、
前記異常判定部は、前記第2変動幅と前記第1変動幅の差分が、第1判定値より小さい場合に、前記パージ通路に異常があると判定すればよい。
あるいは、上記した蒸発燃料処理装置において、
前記異常判定部は、前記第2変動幅を前記第1変動幅で除した値が、第2判定値より小さい場合に、前記パージ通路に異常があると判定してよい。
そして、この蒸発燃料処理装置では、内燃機関の運転状態に応じて設定されるパージ制御弁のデューティ比を維持した状態で、パージ通路の異常を判定するため、空燃比(A/F)荒れが発生しにくくなる。そのため、パージ通路の異常を精度良く判定することができる。また、本来のパージタイミングに合わせてパージ通路の異常を判定するため、燃費の悪化や蒸発燃料の外気への放出を抑制することができる。
上記した蒸発燃料処理装置において、
前記異常判定部は、前記駆動周期の変更前における前記第1変動幅を、前記パージ制御弁の開弁時又は閉弁時に、前記エアフローメータで検出される検出値から算出すればよい。
このように、第1変動幅は、パージ制御弁が開弁しているとき(パージ実行中)だけでなく、閉弁しているとき、つまりパージカット時に取得することもできる。
そして、上記した蒸発燃料処理装置において、
前記異常判定部は、前記駆動周期の変更後における前記第2変動幅を、前記パージ制御弁のデューティ比にガード値を設定するとともに、前記パージ制御弁の駆動周期を前記初期設定値より1.5〜2.5倍長くして、前記エアフローメータで検出される検出値から算出すればよい。
このように第2変動幅を取得することにより、パージ通路が正常であれば、確実に第1変動幅よりも大きな変動幅となる。そのため、パージ通路の異常の誤判定を抑制することができるので、より精度良くパージ通路の異常を判定することができる。
また、上記した蒸発燃料処理装置において、
前記異常判定部は、前記第1判定値又は前記第2判定値を、前記パージ制御弁のデューティ比と前記パージポンプの回転数に基づき決定することが好ましい。
このような構成にすることにより、パージの状態に応じて第1判定値及び第2判定値を決定するため、パージ通路の異常の判定精度を向上させることができる。
上記課題を解決するためになされた本開示の他の形態は、
内燃機関に接続する吸気通路に設けられるエアフローメータと、燃料タンクに接続するベーパ通路と、前記燃料タンクから前記ベーパ通路を介して送られる蒸発燃料を貯留するキャニスタと、前記吸気通路と前記キャニスタとに接続するパージ通路と、前記パージ通路に設けられるパージポンプと、前記パージポンプの下流側に設けられるパージ制御弁とを有する蒸発燃料処理装置において、
前記パージ通路の異常を判定する異常判定部を有し、
前記異常判定部は、前記内燃機関の運転状態に応じて設定される前記パージ制御弁のデューティ比を維持しつつ、前記エアフローメータで検出される検出値の変動周期と、前記パージ制御弁の駆動周期との差に基づき、前記パージ通路の異常を判定する
ことを特徴とする。
パージ通路に漏れや詰まりの異常がなくパージ通路が正常であると、パージ制御弁の開閉駆動に応じて吸気通路に流れ込む空気量が変化する。そのため、エアフローメータで検出される検出値の変動周期とパージ制御弁の駆動周期とが一致または近似する。一方、パージ通路に漏れや詰まりの異常があると、パージガスが吸気通路にほとんど流れ込まないため、パージ制御弁の開閉駆動に応じて吸気通路に流れ込む空気量が変化しない。そのため、エアフローメータで検出される検出値の変動周期とパージ制御弁の駆動周期とに差異が生じる。従って、エアフローメータで検出される検出値の変動周期とパージ制御弁の駆動周期との差に基づき、パージ通路の異常を判定することができる。
そして、この蒸発燃料処理装置では、内燃機関の運転状態に応じて設定されるパージ制御弁のデューティ比を維持した状態で、パージ通路の異常を判定するため、空燃比(A/F)荒れが発生しにくくなる。そのため、パージ通路の異常を精度良く判定することができる。また、本来のパージタイミングに合わせてパージ通路の異常を判定するため、燃費の悪化や蒸発燃料の外気への放出を抑制することができる。
また、上記した蒸発燃料処理装置において、
前記変動周期として、所定時間内の前記変動周期の平均値を用いることが好ましい。
このように変動周期として所定時間内の変動周期の平均値を用いるため、エアフローメータで検出される検出値についての外乱による周波数変化の影響を受け難くしながら、パージ通路の異常を判定することができる。
本開示によれば、パージ通路の異常を精度良く判定するとともに、燃費の悪化及び蒸発燃料の外気への放出を抑制することができる蒸発燃料処理装置を提供することができる。
蒸発燃料処理装置を含むエンジンシステムの全体構成を示す概略図である。 第1実施例における異常判定の制御フローチャートを示す図である。 判定値を決定するマップの一例を示す図である。 変形例における判定値を決定するマップの一例を示す図である。 第1実施例における制御タイムチャートの一例を示す図である。 第2実施例における異常判定の制御フローチャートを示す図である。 第2実施例における制御タイムチャートの一例を示す図である。 第2実施例の変形例における異常判定の制御フローチャートを示す図である。 第2実施例の変形例におけるピーク値の周期とピーク回数についての説明図である。
本開示に係る実施形態である蒸発燃料処理装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下の実施形態では、自動車等の車両に搭載されるエンジンシステムに対して本開示の蒸発燃料処理装置を適用した場合について説明する。
<システムの全体構成>
本実施形態の蒸発燃料処理装置1が適用されるエンジンシステムは、自動車等の車両に搭載されるものであり、図1に示すように、エンジンENGを備える。このエンジンENGには、エンジンENGに空気(吸気、吸入空気)を供給するための吸気通路IPが接続されている。吸気通路IPには、吸気通路IPを開閉してエンジンENGに流入する空気量(吸入空気量)を制御する電子スロットルTHR(スロットルバルブ)と、エンジンENGに流入する空気の密度を高くする過給器TCとが設けられている。吸気通路IPにおける電子スロットルTHRの上流側(吸入空気の流れ方向の上流側)には、吸気通路IPに流入する空気から異物を除去するエアクリーナACが設けられている。これにより、吸気通路IPでは、空気がエアクリーナACを通過してエンジンENGに向けて吸入される。また、エアクリーナACの下流側にエアフローメータAFMが設けられている。このエアフローメータAFMは、エアクリーナACを通過して大気から吸気通路IPに導入される空気量を検出する。そして、エアフローメータAFMの検出信号は、後述する制御部17(異常判定部21)に入力される。
本実施形態の蒸発燃料処理装置1は、このようなエンジンシステムにおいて、燃料タンクFT内の蒸発燃料を、吸気通路IPを介してエンジンENGに供給する装置である。この蒸発燃料処理装置1は、キャニスタ11と、パージ通路12と、パージポンプ13と、パージ制御弁14と、大気通路15と、ベーパ通路16と、制御部17と、フィルタ18と、大気遮断弁19等を有する。
キャニスタ11は、ベーパ通路16を介して燃料タンクFTに接続されており、燃料タンクFT内からベーパ通路16を介して流入する蒸発燃料を一時的に貯留するものである。また、キャニスタ11は、パージ通路12と大気通路15とに連通している。
パージ通路12は、吸気通路IPとキャニスタ11とに接続している。これにより、キャニスタ11から流出するパージガス(蒸発燃料を含む気体)は、パージ通路12を流れて、吸気通路IPに導入される。パージ通路12は、図1に示す例では過給器TCの上流側の位置に接続されている。また、パージ通路12は、パージポンプ13より上流側(キャニスタ11とパージポンプ13との間)に位置する上流側通路12aと、パージポンプ13より下流側(パージポンプ13と吸気通路IPとの間)に位置する下流側通路12bとを備えている。
パージポンプ13は、パージ通路12に設けられており、パージ通路12を流れるパージガスの流れを制御する。すなわち、パージポンプ13は、キャニスタ11内のパージガスをパージ通路12に送出し、パージ通路12に送出されたパージガスを吸気通路IPに供給する。
パージ制御弁14は、パージ通路12において、パージポンプ13の下流側(パージ制御実行時のパージガスの流れ方向の下流側)の位置、すなわち、パージポンプ13と吸気通路IPとの間の位置に設けられている。パージ制御弁14は、パージ通路12を開閉する。パージ制御弁14の閉弁時(弁が閉まった状態のとき)には、パージ通路12のパージガスは、パージ制御弁14によって停止され、吸気通路IPには流れていかない。一方、パージ制御弁14の開弁時(弁が開いた状態のとき)には、パージガスは吸気通路IPに流れていく。
大気通路15は、その一端が大気に開放され、その他端がキャニスタ11に接続されており、キャニスタ11を大気に連通させている。そして、大気通路15には、大気から取り込まれた空気が流れる。この大気通路15に、フィルタ18と大気遮断弁19が設けられている。フィルタ18は、大気通路15に流入する大気(空気)から異物を除去するものである。大気遮断弁19は、大気通路15を開閉するものである。
ベーパ通路16は、燃料タンクFTとキャニスタ11に接続されている。これにより、燃料タンクFTの蒸発燃料が、ベーパ通路16を介してキャニスタ11に流入する。
制御部17は、車両に搭載されたECU(不図示)の一部であり、ECUの他の部分(例えばエンジンENGを制御する部分)と一体的に配置されている。なお、制御部17は、ECUの他の部分と別に配置されていてもよい。制御部17は、CPUとROM,RAM等のメモリを含む。制御部17は、メモリに予め格納されているプログラムに応じて、蒸発燃料処理装置1およびエンジンシステムを制御する。例えば、制御部17は、パージポンプ13やパージ制御弁14を制御する。また、制御部17は、エアフローメータAFMからの出力信号(空気量の検出結果)を取得する。
本実施形態では、制御部17は、異常判定部21を備えている。異常判定部21は、パージ通路12(詳細には、パージ通路12における下流側通路12b)の異常(詰まり又は漏れ)の有無を判定する。なお、異常判定部21は、制御部17とは別に独立して設けられていてもよい。
このような構成の蒸発燃料処理装置1において、エンジンENGの運転中にパージ条件が成立すると、制御部17は、パージポンプ13とパージ制御弁14を制御して、すなわち、パージポンプ13を駆動させながらパージ制御弁14を開弁して、パージ制御を実行する。なお、パージ制御とは、パージガスをキャニスタ11からパージ通路12を介して吸気通路IPに導入する制御である。
そして、パージ制御が実行されている間、エンジンENGには、吸気通路IPに吸入される空気と、燃料タンクFTからインジェクタ(不図示)を介して噴射される燃料と、パージ制御により吸気通路IPに供給されるパージガスと、が供給される。そして、制御部17は、インジェクタの噴射時間やパージ制御弁14の開弁時間などを調整することによって、エンジンENGの空燃比(A/F)を最適な空燃比(例えば理想空燃比)に調整する。
<パージ通路の異常を判定する制御内容>
本実施形態では、車両の自己診断機能(On−board diagnostics、OBD)として、パージ通路12における下流側通路12bの異常の有無を判定する。
〔第1実施例〕
具体的には、まず、第1実施例として、制御部17の異常判定部21は、図2に示す制御チャートに基づいて制御する。すなわち、異常判定部21は、エンジン回転数及びエンジン負荷率が安定しており、異常判定が未完了(OBD未検出)である場合(ステップS1:YES)に、異常判定制御を実施する。なお、異常判定部21は、エンジン回転数及びエンジン負荷率のそれぞれの変動が一定範囲内に一定時間収まれば、安定したと判断する。これにより、エンジンENGの運転状態に応じて設定されるパージ制御弁14のデューティ比を維持した状態で、パージ通路12の異常を判定することができるため、空燃比(A/F)荒れが発生しにくくなるので、パージ通路12の異常を精度良く判定することができる。
異常判定制御が実施されると、異常判定部21は、エアフローメータAFMから所定時間(例えば、1〜2sec)における吸入空気量の第1変動量ΔAを記憶する(ステップS2)。第1変動量ΔAは、所定時間にエアフローメータAFMで検出される最大値(MAX)と最小値(MIN)との差、つまり空気量の振れ幅である。本実施形態では、第1変動量ΔAが、パージ制御弁14が開いているとき(パージ制御実施時)に記憶される。なお、第1変動量ΔAは、パージ制御弁14が閉じているとき(パージカット時)に記憶されるようにしてもよい。つまり、第1変動量ΔAは、パージ制御弁14が閉弁しているとき、つまりパージカット時に取得することもできる。
次に、異常判定部21は、パージ制御弁14の駆動周期を初期設定値より長く設定するとともに、駆動デューティに対してガード値(MAXガード)を設定する(ステップS3)。なお、パージ制御弁14の駆動周期は、初期設定値の1.5〜2.5倍程度長く設定すればよい。また、ガード値は、10〜40%程度に設定すればよい。本実施例では、初期設定値(100ms)の2倍(200ms)に設定し、デューティ比のガード値を40%に設定している。
続いて、異常判定部21は、エアフローメータAFMから所定時間(例えば、1〜2sec)における吸入空気量の第2変動量ΔBを記憶する(ステップS4)。第2変動量ΔBは、パージ制御弁14の駆動周期を長くしたときにおける所定時間にエアフローメータAFMで検出される最大値(MAX)と最小値(MIN)との差、つまり空気量の振れ幅である。
このように第2変動量ΔBを取得することにより、パージ通路12(下流側通路12b)が正常であれば、確実に第1変動量ΔAよりも大きな変動量となる。そのため、パージ通路12(下流側通路12b)の異常の誤判定を抑制することができるので、より精度良くパージ通路12(下流側通路12b)の異常を判定することができる。
また、異常判定部21は、パージ通路12(下流側通路12b)の異常を判定するための判定値Xを決定する。この判定値Xは、所定の値(固定値)であってもよいが、本実施形態では、パージポンプ13の回転数及びパージ制御弁14のデューティ比に応じて決定する(ステップS5)。具体的には、図3に示すように、判定値Xは、パージポンプ13の回転数とパージ制御弁14のデューティ比とで決定される2次元マップに基づき決定される。このように判定値Xを決めることにより、パージの状態に応じて判定値Xが最適な値となるため、パージ通路の異常の判定精度を向上させることができる。なお、判定値Xを算出するためのマップデータは、エンジンシステム(蒸発燃料処理装置1)の仕様に応じて最適なものを実験より予め求めておけばよい。
そして、異常判定部21は、空気量の変動量の差(ΔB−ΔA)が判定値X以上の場合には(ステップS6:YES)、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まりも漏れも無い、つまり正常と判定する(ステップS7)。すなわち、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まりも漏れも無い場合には、パージ制御弁14の駆動周期を長くすると、パージ制御弁14が開いている時間が長くなるので、吸気通路IPに流れ込むパージガスが増加するため、パージガスが増加した分だけ、吸気通路IPに流れ込む空気量が減少する。そのため、第1変動量ΔAより第2変動量ΔBの方が大きくなるので、異常判定部21は、変動量の差(ΔB−ΔA)が判定値X以上の場合に、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まりも漏れも生じていない(正常)と判定することができる。
このようにして、異常判定部21は、変動量の差(ΔB−ΔA)が判定値X以上であれば、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まりも漏れも生じていない(正常)と判定する。
一方、異常判定部21は、空気量の変動量の差(ΔB−ΔA)が判定値Xより小さい場合には(ステップS6:NO)、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まり又は漏れが生じている、つまり異常と判定する(ステップS8)。すなわち、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まり又は漏れの異常があると、パージガスが吸気通路IPにほとんど流れ込まないため、吸気通路IPに流れ込む空気量はほとんど変化しない。そのため、第1変動量ΔAと第2変動量ΔBとの差はほとんどないので、異常判定部21は、変動量の差(ΔB−ΔA)が判定値Xより小さい場合に、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まり又は漏れが生じている(異常)と判定することができる。
このようにして、異常判定部21は、変動量の差(ΔB−ΔA)が判定値Xより小さいと、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まり又は漏れが生じている(異常)と判定する。
以上のように、本実施形態の蒸発燃料処理装置1では、エンジンENGの運転状態に応じて設定されるパージ制御弁14のデューティ比を維持した状態で、パージ通路12(下流側通路12b)の異常を判定するため、空燃比(A/F)荒れが発生しにくくなる。そのため、パージ通路12(下流側通路12b)の異常を精度良く判定することができる。また、本来のパージタイミングに合わせてパージ通路12(下流側通路12b)の異常を判定するため、燃費の悪化や蒸発燃料の外気への放出を抑制することができる。
ここで、変形例について簡単に説明する。上記の実施形態では、第1変動量ΔAと第2変動量ΔBとの差(ΔB−ΔA)に基づいて、パージ通路12(下流側通路12b)の異常を判定している。しかしながら、第2変動量ΔBと第1変動量ΔAとの比率(ΔB/ΔA)に基づいて、パージ通路12(下流側通路12b)の異常を判定することもできる。この場合には、判定値Xを、図4に示すマップにより決定すればよい。すなわち、異常判定部21は、図2のS5にて図4に示すマップに基づき判定値Xを決める。そして、S6にて第2変動量ΔBと第1変動量ΔAとの比率(ΔB/ΔA)が、判定値X以上の場合に(S6:YES)、パージ通路12(下流側通路12b)は正常であると判定し(S7)、判定値Xより小さい場合に(S6:NO)、パージ通路12(下流側通路12b)は異常であると判定する(S8)。このように異常判定を行っても、上記の実施形態と同様に、パージ通路12(下流側通路12b)の異常を精度良く判定することができるとともに、燃費の悪化や蒸発燃料の気への放出を抑制することができる。
このような図2に示す制御チャートに基づいて制御が行われることにより、図5のような制御タイムチャートの一例が実施される。図5に示すように、時刻T1にて、パージ制御弁14が開かれてパージ制御が開始される。そして、時刻T2〜T3にて、エアフローメータAFMで検出される空気量の最大値(MAX)と最小値(MIN)から第1変動量ΔAが算出されて記憶される。なお、別例では第1変動量ΔAの算出方法として、パージカット時(時刻t01〜t02)にて、エアフローメータAFMで検出される空気量の最大値(MAX)と最小値(MIN)から第1変動量ΔAを算出し記憶してもよい。
次に、時刻T3にて、パージ制御弁14の駆動周期が初期設定値(100ms)より長くされ(200ms)、デューティ比にガード値(40%)が設定される。その後、時刻T3〜T4にて、エアフローメータAFMで検出される空気量の最大値(MAX)と最小値(MIN)から第2変動量ΔBが算出されて記憶される。
そして、時刻T4にて、第2変動量ΔBと第1変動量ΔAとの差(ΔB−ΔA)又は比率(ΔB/ΔA)が、判定値X以上であれば(吸入空気量が大きく変化すれば)、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まりも漏れもが生じておらず正常であると判定される(図5の実線)。一方、第2変動量ΔBと第1変動量ΔAとの差(ΔB−ΔA)が、判定値Xより小さければ(吸入空気量がほとんど変化しなければ)、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まり又は漏れが生じており異常であると判定される(図5の破線)。
〔第2実施例〕
次に、第2実施例として、異常判定部21は、図6に示す制御チャートに基づいて制御する。すなわち、異常判定部21は、エンジン回転数及びエンジン負荷率が安定しており、異常判定が未完了(OBD未検出)である場合(ステップS11:YES)に、異常判定制御を実施する。
異常判定制御が実施されると、異常判定部21は、パージ制御弁14の駆動周期を初期設定値より長く設定するとともに、駆動デューティに対してガード値(MAXガード)を設定する(ステップS12)。なお、パージ制御弁14の駆動周期は、初期設定値の1.5〜2.5倍程度長く設定すればよい。また、ガード値は、10〜50%程度に設定すればよい。本実施例では、初期設定値(100ms)の2〜2.5倍(200〜250ms)に設定し、デューティ比のガード値を50%に設定している。なお、パージ制御弁14の駆動周期の延長(すなわち、初期設定値より長く設定すること)は、必ずしも必須ではないが、パージ通路12(下流側通路12b)の異常の判定精度を向上させるためには行われることが望ましい。
次に、異常判定部21は、エアフローメータAFMで検出される吸入空気量(以下、「エアフローメータ空気量」という。)について、なまし処理を行った値又は過去データの平均値(以下、「演算値α」という。)を求める(ステップS13)。
なお、なまし処理は、現在のエアフローメータ空気量NI、前回の処理後のエアフローメータ空気量sm[N−1]、および、なまし回数TNを用いて、下記の式から今回の処理後のエアフローメータ空気量sm[N]を算出する処理である。なお、Nは、2以上の整数である。
[数1]
sm[N]←sm[N−1]+(NI−sm[N−1])/TN
次に、異常判定部21は、エアフローメータ空気量が演算値αをさえぎる周期(Tα1,Tα2,・・・,Tαn)を算出する(ステップS14の(I))。ここで、演算値αと周期(Tα1,Tα2,・・・,Tαn)の一例を、後述する図7に示す。なお、nは、3以上の整数であり、図7に示す例では「4」としている。また、周期(Tα1,Tα2,・・・,Tαn)は、本開示の「変動周期」の一例である。
次に、異常判定部21は、周期(Tα1,Tα2,・・・,Tαn)の平均値を算出したうえで、パージ制御弁14の駆動周期と周期(Tα1,Tα2,・・・,Tαn)の平均値とが近似する(すなわち、一致または略一致する)場合には(ステップS15の(I):YES)、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まりも漏れも無い、つまり正常と判定する(ステップS16)。すなわち、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まりも漏れも無い場合には、パージ制御弁14が閉弁状態(すなわち、閉弁している状態)でパージガスが吸気通路IPに流れ込まない一方で、パージ制御弁14が開弁状態(すなわち、開弁している状態)でパージガスが吸気通路IPに流れ込むことから、パージ制御弁14の開閉駆動に連動してエアフローメータ空気量が変動する。そのため、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まりも漏れも無い場合には、パージ制御弁14の駆動周期と周期(Tα1,Tα2,・・・,Tαn)の平均値とが近似すると考えられる。したがって、異常判定部21は、パージ制御弁14の駆動周期と周期(Tα1,Tα2,・・・,Tαn)の平均値とが近似する場合に、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まりも漏れも生じていない(正常)と判定する。
なお、パージ制御弁14の駆動周期と周期(Tα1,Tα2,・・・,Tαn)の平均値とが近似する場合としては、例えば、周期(Tα1,Tα2,・・・,Tαn)の平均値がパージ制御弁14の駆動周期の0.8倍〜1.2倍の範囲内にある場合が考えられる。ここでは、一例として、パージ制御弁14の駆動周期が200msであるときに、周期(Tα1,Tα2,・・・,Tαn)の平均値が180ms〜220msの範囲内にあれば、パージ制御弁14の駆動周期と周期(Tα1,Tα2,・・・,Tαn)の平均値とが近似する場合に該当する。
一方、異常判定部21は、パージ制御弁14の駆動周期と周期(Tα1,Tα2,・・・,Tαn)の平均値とが近似しない場合には(ステップS15の(I):NO)、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まり又は漏れが生じている、つまり異常と判定する(ステップS17)。すなわち、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まり又は漏れの異常があると、パージ制御弁14が開弁状態になっても、パージガスが吸気通路IPにほとんど流れ込まないため、吸気通路IPに流れ込む空気量はほとんど変化しない。そのため、パージ制御弁14の駆動周期と周期(Tα1,Tα2,・・・,Tαn)とに差異が生じることになる。したがって、異常判定部21は、パージ制御弁14の駆動周期と周期(Tα1,Tα2,・・・,Tαn)の平均値とが近似しない場合に、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まり又は漏れが生じている(異常)と判定する。
以上のように、本実施例の蒸発燃料処理装置1では、異常判定部21は、エアフローメータAFMで検出される検出値の変動周期と、パージ制御弁14の駆動周期との差に基づき、パージ通路12の異常の有無を判定する。そして、このとき、エンジンENGの運転状態に応じて設定されるパージ制御弁14のデューティ比を維持した状態で、パージ通路12(下流側通路12b)の異常を判定するため、空燃比(A/F)荒れが発生しにくくなる。そのため、パージ通路12(下流側通路12b)の異常を精度良く判定することができる。また、本来のパージタイミングに合わせてパージ通路12(下流側通路12b)の異常を判定するため、燃費の悪化や蒸発燃料の外気への放出を抑制することができる。
また、本実施例の蒸発燃料処理装置1では、エアフローメータ空気量の変動周期として、所定時間内のエアフローメータ空気量の変動周期の平均値を用いている。すなわち、異常判定部21は、パージ制御弁14の駆動周期と周期(Tα1,Tα2,・・・,Tαn)の平均値との差に基づき、パージ通路12(下流側通路12b)の異常の有無を判定する。そのため、エアフローメータ空気量についての外乱による周波数変化の影響を受け難くしながら、パージ通路12(下流側通路12b)の異常を判定することができる。
このような図6に示す制御チャートに基づいて制御が行われることにより、図7のような制御タイムチャートの一例が実施される。図7に示すように、時刻T11にて、パージ制御弁14が開かれてパージ制御が開始される。次に、時刻T12にて、パージ制御弁14の駆動周期が初期設定値(100ms)より長くされ(200ms)、デューティ比にガード値(40%)が設定される。
次に、時刻T12〜T13にて、パージ制御弁14の開閉駆動が行われる。そして、このとき、パージ制御弁14の駆動周期と周期(Tα1,Tα2,・・・,Tαn)の平均値とが近似すれば、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まりも漏れも生じていない(正常)と判定される。一方、パージ制御弁14の駆動周期と周期周期(Tα1,Tα2,・・・,Tαn)の平均値とが近似しなければ、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まり又は漏れが生じている(異常)と判定される。
次に、変形例について説明する。まず、第1変形例では、異常判定部21は、エアフローメータ空気量が演算値αをさえぎる回数(以下、「さえぎり回数Xα」という。)を算出する(ステップS14の(II))。ここで、さえぎり回数Xαは、所定時間内(すなわち、パージ制御弁14の駆動周期を初期設定値より長く設定している時間内)において、エアフローメータ空気量が最大値(MAX)から最小値(MIN)に変化するときに、または、エアフローメータ空気量が最小値(MIN)から最大値(MAX)に変化するときに、演算値αをさえぎる回数である。図7に示す例では、さえぎり回数Xαは、例えばエアフローメータ空気量の波形における黒点の数(すなわち、「4」)である。
次に、異常判定部21は、パージ制御弁14の開閉回数(初回を除く)とさえぎり回数Xαとが近似する場合には(ステップS15の(II):YES)、正常と判定する(ステップS16)。すなわち、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まりも漏れも無い場合には、パージ制御弁14が閉弁状態でパージガスが吸気通路IPに流れ込まない一方で、パージ制御弁14が開弁状態でパージガスが吸気通路IPに流れ込むことから、パージ制御弁14の開閉駆動に連動してエアフローメータ空気量が変動する。そのため、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まりも漏れも無い場合には、パージ制御弁14の開閉回数とさえぎり回数Xαとが近似すると考えられる。したがって、異常判定部21は、パージ制御弁14の開閉回数とさえぎり回数Xαとが近似する場合に、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まりも漏れも生じていない(正常)と判定する。
なお、パージ制御弁14の開閉回数とは、所定時間内(すなわち、パージ制御弁14の駆動周期を初期設定値より長く設定している時間内)において、パージ制御弁14が開弁(または、閉弁)している状態から、パージ制御弁14が閉弁(または、開弁)している状態へ移行する回数である。前記の図7に示す例では、パージ制御弁14の開閉回数は「4」である。
なお、パージ制御弁14の開閉回数とさえぎり回数Xαとが近似する場合としては、例えば、さえぎり回数Xαがパージ制御弁14の開閉回数の0.8倍〜1.2倍の範囲内にある場合が考えられる。
一方、異常判定部21は、パージ制御弁14の開閉回数とさえぎり回数Xαとが近似しない場合には(ステップS15の(II):NO)、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まり又は漏れが生じている、つまり異常と判定する(ステップS17)。すなわち、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まり又は漏れの異常があると、パージ制御弁14が開弁状態になっても、パージガスが吸気通路IPにほとんど流れ込まないため、吸気通路IPに流れ込む空気量はほとんど変化しない。そのため、パージ制御弁14の開閉回数とさえぎり回数Xαとに差異が生じることになる。したがって、異常判定部21は、パージ制御弁14の開閉回数とさえぎり回数Xαとが近似しない場合に、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まり又は漏れが生じている(異常)と判定する。
また、第2変形例では、図8に示すように、図6と異なる点として、異常判定部21は、エアフローメータ空気量のピーク値βの周期(Tβ1,Tβ2,・・・,Tβn)を算出する(ステップS23の(I))。なお、周期(Tβ1,Tβ2,・・・,Tβn)の一例を、図9に示す。また、周期(Tβ1,Tβ2,・・・,Tβn)は、本開示の「変動周期」の一例である。
次に、異常判定部21は、周期(Tβ1,Tβ2,・・・,Tβn)の平均値を算出したうえで、パージ制御弁14の駆動周期と周期(Tβ1,Tβ2,・・・,Tβn)の平均値とが近似する場合には(ステップS24の(I):YES)、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まりも漏れも無い、つまり正常と判定する(ステップS25)。すなわち、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まりも漏れも無い場合には、パージ制御弁14が閉弁状態でパージガスが吸気通路IPに流れ込まない一方で、パージ制御弁14が開弁状態でパージガスが吸気通路IPに流れ込むことから、パージ制御弁14の開閉駆動に連動してエアフローメータ空気量が変動する。そのため、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まりも漏れも無い場合には、パージ制御弁14の駆動周期と周期(Tβ1,Tβ2,・・・,Tβn)の平均値とが近似すると考えられる。したがって、異常判定部21は、パージ制御弁14の駆動周期と周期(Tβ1,Tβ2,・・・,Tβn)の平均値とが近似する場合に、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まりも漏れも生じていない(正常)と判定する。
なお、パージ制御弁14の駆動周期と周期(Tβ1,Tβ2,・・・,Tβn)とが近似する場合としては、例えば、周期(Tβ1,Tβ2,・・・,Tβn)がパージ制御弁14の駆動周期の0.8倍〜1.2倍の範囲内にある場合が考えられる。
一方、異常判定部21は、パージ制御弁14の駆動周期と周期(Tβ1,Tβ2,・・・,Tβn)が近似しない場合には(ステップS24の(I):NO)、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まり又は漏れが生じている、つまり異常と判定する(ステップS26)。すなわち、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まり又は漏れの異常があると、パージガスが吸気通路IPにほとんど流れ込まないため、吸気通路IPに流れ込む空気量はほとんど変化しない。そのため、パージ制御弁14の駆動周期と周期(Tβ1,Tβ2,・・・,Tβn)とに差異が生じることになる。したがって、異常判定部21は、パージ制御弁14の駆動周期と周期(Tβ1,Tβ2,・・・,Tβn)とが近似しない場合に、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まり又は漏れが生じている(異常)と判定する。
また、第3変形例では、図8に示すように、異常判定部21は、図6と異なる点として、エアフローメータ空気量のピーク値βの回数(以下、「ピーク回数Xβ」という。)を算出する(ステップS23の(II))。
次に、異常判定部21は、パージ制御弁14の開閉回数とピーク回数Xβとが近似する場合には(ステップS24の(II):YES)、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まりも漏れも無い、つまり正常と判定する(ステップS25)。すなわち、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まりも漏れも無い場合には、パージ制御弁14が閉弁状態でパージガスが吸気通路IPに流れ込まない一方で、パージ制御弁14が開弁状態でパージガスが吸気通路IPに流れ込むことから、パージ制御弁14の開閉駆動に連動してエアフローメータ空気量が変動する。そのため、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まりも漏れも無い場合には、パージ制御弁14の開閉回数とピーク回数Xβとが近似すると考えられる。したがって、異常判定部21は、パージ制御弁14の開閉回数とピーク回数Xβとが近似する場合に、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まりも漏れも生じていない(正常)と判定する。
なお、パージ制御弁14の開閉回数とピーク回数Xβとが近似する場合としては、例えばピーク回数Xβがパージ制御弁14の開閉回数の0.8倍〜1.2倍の範囲内にある場合が考えられる。
一方、異常判定部21は、パージ制御弁14の開閉回数とピーク回数Xβとが近似しない場合には(ステップS24の(II):NO)、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まり又は漏れが生じている、つまり異常と判定する(ステップS26)。すなわち、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まり又は漏れの異常があると、パージガスが吸気通路IPにほとんど流れ込まないため、吸気通路IPに流れ込む空気量はほとんど変化しない。そのため、パージ制御弁14の開閉回数とピーク回数Xβとに差異が生じることになる。したがって、異常判定部21は、パージ制御弁14の開閉回数とピーク回数Xβとが近似しない場合に、パージ通路12(下流側通路12b)に詰まり又は漏れが生じている(異常)と判定する。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本開示を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記の実施形態では、過給器TC付きのエンジンシステムに対して本開示の蒸発燃料処理装置を適用しているが、もちろん自然吸気のエンジンシステムに対しても本開示の蒸発燃料処理装置を適用することができる。
1 蒸発燃料処理装置
11 キャニスタ
12 パージ通路
12b 下流側通路
13 パージポンプ
14 パージ制御弁
16 ベーパ通路
17 制御部
21 異常判定部
AFM エアフローメータ
ENG エンジン
FT 燃料タンク
α 演算値
(Tα1,Tα2,・・・,Tαn) 周期
Xα さえぎり回数
β ピーク値
(Tβ1,Tβ2,・・・,Tβn) 周期
Xβ ピーク回数
そして、上記した蒸発燃料処理装置において、
前記異常判定部は、前記駆動周期の変更後における前記第2変動幅を、前記パージ制御弁のデューティ比にガード値を設定するとともに、前記駆動周期を前記初期設定値より1.5〜2.5倍長くして、前記エアフローメータで検出される検出値から算出すればよい。

Claims (8)

  1. 内燃機関に接続する吸気通路に設けられるエアフローメータと、燃料タンクに接続するベーパ通路と、前記燃料タンクから前記ベーパ通路を介して送られる蒸発燃料を貯留するキャニスタと、前記吸気通路と前記キャニスタとに接続するパージ通路と、前記パージ通路に設けられるパージポンプと、前記パージポンプの下流側に設けられるパージ制御弁とを有する蒸発燃料処理装置において、
    前記パージ通路の異常を判定する異常判定部を有し、
    前記異常判定部は、前記内燃機関の運転状態に応じて設定される前記パージ制御弁のデューティ比を維持しつつ、前記パージ制御弁の駆動周期を初期設定値より長い周期に変更して、前記駆動周期の変更前後にて前記エアフローメータで検出される検出値から算出される第1変動幅と第2変動幅とに基づき、前記パージ通路の異常を判定する
    ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  2. 請求項1に記載する蒸発燃料処理装置において、
    前記異常判定部は、前記駆動周期の変更前における前記第1変動幅を、前記パージ制御弁の開弁時又は閉弁時に、前記エアフローメータで検出される検出値から算出する
    ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する蒸発燃料処理装置において、
    前記異常判定部は、前記駆動周期の変更後における前記第2変動幅を、前記パージ制御弁のデューティ比にガード値を設定するとともに、前記パージ制御弁の駆動周期を前記初期設定値より1.5〜2.5倍長くして、前記エアフローメータで検出される検出値から算出する
    ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  4. 請求項1に記載する蒸発燃料処理装置において、
    前記異常判定部は、前記第2変動幅と前記第1変動幅の差分が、第1判定値より小さい場合に、前記パージ通路に異常があると判定する
    ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  5. 請求項1に記載する蒸発燃料処理装置において、
    前記異常判定部は、前記第2変動幅を前記第1変動幅で除した値が、第2判定値より小さい場合に、前記パージ通路に異常があると判定する
    ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載する蒸発燃料処理装置において、
    前記異常判定部は、前記第1判定値又は前記第2判定値を、前記パージ制御弁のデューティ比と前記パージポンプの回転数に基づき決定する
    ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  7. 内燃機関に接続する吸気通路に設けられるエアフローメータと、燃料タンクに接続するベーパ通路と、前記燃料タンクから前記ベーパ通路を介して送られる蒸発燃料を貯留するキャニスタと、前記吸気通路と前記キャニスタとに接続するパージ通路と、前記パージ通路に設けられるパージポンプと、前記パージポンプの下流側に設けられるパージ制御弁とを有する蒸発燃料処理装置において、
    前記パージ通路の異常を判定する異常判定部を有し、
    前記異常判定部は、前記内燃機関の運転状態に応じて設定される前記パージ制御弁のデューティ比を維持しつつ、前記エアフローメータで検出される検出値の変動周期と、前記パージ制御弁の駆動周期との差に基づき、前記パージ通路の異常を判定する
    ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  8. 請求項7に記載する蒸発燃料処理装置において、
    前記変動周期として、所定時間内の前記変動周期の平均値を用いる
    ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
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