JP2020143186A - ウレタン樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、高い抗張力保持率と、高い伸度保持率とを両方達成可能なウレタンエラストマーを提供することを課題とする。【解決手段】本発明のウレタン樹脂組成物は、ウレタンプレポリマー(A)を含む主剤(i)と、硬化剤(ii)とを含むウレタン樹脂組成物であり、前記ウレタンプレポリマー(A)が、ポリオール成分(a1)とポリイソシアネート成分(a2)との反応物であって、イソシアネート基及びオルガノシリル基を有するものであり、前記ポリオール成分(a1)が、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール及びポリラクトンポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーポリオールを含むものである。【選択図】なし

Description

本発明は、ウレタン樹脂組成物に関する。
ポリウレタンエラストマーは、エラストマー(ゴム弾性を示す樹脂)の中でも、ウレタン結合を有するものをいい、他のエラストマーと比べて、各種の機械的特性(引張強度、引裂強度、耐摩耗性、ゴム弾性、衝撃吸収性等)、物理・化学的特性(耐薬品性、耐オゾン性、耐熱性、耐加水分解性等)などに優れており、スポーツ用品、レジャー用品、船舶部材、自動車部材、航空機部材、建材、電子機器部材等の幅広い分野で注目を集めている。
こうしたウレタンエラストマーとしては、末端イソシアネートプレポリマーと、芳香族アミンと、疎水性シリカを含む樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1ご参照)。また、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを含む主剤と、イソシアネート基反応性化合物として芳香族ポリアミン化合物を含む硬化剤と、さらにヒュームドシリカを含む樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献2ご参照)。
特開2009−242599号公報 特開2013−086217号公報
ところが、従来から知られる上述のウレタンエラストマーでは、湿熱条件下における抗張力保持率と、伸度保持率が十分でない場合があった。本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、高い抗張力保持率と、高い伸度保持率とを両方達成可能なウレタンエラストマーを提供することを課題とする。
本発明のウレタン樹脂組成物は、ウレタンプレポリマー(A)を含む主剤(i)と、硬化剤(ii)とを含むものであり、前記ウレタンプレポリマー(A)が、ポリオール成分(a1)とポリイソシアネート成分(a2)との反応物であって、イソシアネート基及びオルガノシリル基を有するものであり、前記ポリオール成分(a1)が、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール及びポリラクトンポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーポリオールを含むものである。
である。
本発明のウレタン樹脂組成物を用いることで、湿熱条件下における高い抗張力保持率と、高い伸度保持率とを両方達成可能なウレタンエラストマーを提供することができる。
本発明のウレタン樹脂組成物は、主剤(i)と硬化剤(ii)とを含む。
前記主剤は、ウレタンプレポリマー(A)を含む。前記ウレタンプレポリマー(A)は、イソシアネート基とオルガノシリル基とを有する。
本発明において、前記オルガノシリル基は、ケイ素原子と、該ケイ素原子に結合した3つの有機基とから構成される基を表し、反応性オルガノシリル基であっても非反応性オルガノシリル基であってもよく、好ましくは式(1)で表される基である。
Figure 2020143186
[式(1)中、R1は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、アセトキシ基及びハロゲン原子基からなる群より選ばれる1種を表す。
2は、炭素原子数1〜5の炭化水素基を表す。
aは、0〜3の整数を表す。
*は、結合手を表す。]
1で表されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられる。前記アルコキシ基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよく、前記アルコキシ基の炭素原子数は、好ましくは1〜4である。
1としては、水酸基又はアルコキシ基が好ましい。
2で表される炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基が好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等のアルキル基;エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基等のアルキニル基等が挙げられ、アルキル基が好ましい。前記炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよく、前記炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3である。
前記オルガノシリル基は、前記ウレタンプレポリマー(A)の末端に結合していてもよく、前記ウレタンプレポリマー(A)の側鎖として結合していてもよい。また、前記オルガノシリル基は、前記ウレタンプレポリマー(A)に直接結合していてもよく、結合基を介して結合していてもよい。前記結合基としては、置換又は非置換のウレタン結合基(−NH−CO−O−)、置換又は非置換のウレア結合基(−NH−CO−NH−)、置換又は非置換のチオウレタン結合基(−NH−CO−S−)、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの2種以上を組み合わせた基等が挙げられ、前記脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基は、それぞれの基に含まれる水素原子がカルボキシル基に置き換わった基であってもよい。置換ウレタン結合基、置換ウレア結合基、置換チオウレタン結合基は、それぞれ、ウレタン結合基、ウレア結合基、チオウレタン結合基に含まれる水素原子が、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、オルガノシリル基と炭化水素基(好ましくは脂肪族炭化水素基)とを組み合わせた基等に置換された基を表すものとする。
前記結合基としては、例えば、式(2)で表される基が好ましい。
Figure 2020143186
[式(2)中、
3、R4は、それぞれ独立に、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基又はこれらの2種以上を組み合わせた基を表す。
1は、ウレタン結合基、ウレア結合基及びチオウレタン結合基からなる群より選ばれる1種を表し、前記ウレタン結合基、ウレア結合基及びチオウレタン結合基に含まれる水素原子は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基又はこれらの2種以上を組み合わせた基に置換されていてもよく、さらに、該脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基又はこれらの2種以上を組み合わせた基に含まれる水素原子は、オルガノシリル基に置換されていてもよい。]
前記脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンタンジイル基、ヘキサンジイル基、ヘプタンジイル基、オクタンジイル基、ノナンジイル基、デカンジイル基等のアルキレン基が好ましい。前記脂肪族炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜6である。
前記脂環式炭化水素基としては、シクロヘキサンジイル基、トリメチルシクロヘキサンジイル基、テトラメチルシクロヘキサンジイル基等が挙げられる。前記脂環式炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは3〜12、より好ましくは6〜10である。
前記芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基等が挙げられる。前記芳香族炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは6〜12、より好ましくは6〜10である。
前記脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基の2種以上を組み合わせた基としては、ジシクロヘキシルメタンジイル基、ジフェニルメタンジイル基、キシレンジイル基、テトラメチルキシレンジイル基等が挙げられる。前記組み合わせた基の炭素原子数は、好ましくは4〜30、より好ましくは10〜20である。
3としては、芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とを組み合わせた基が好ましい。
4としては、脂肪族炭化水素基が好ましい。
1としては、ウレタン結合基又はウレア結合基が好ましい。
前記オルガノシリル基は、本発明の樹脂組成物の硬化物において、未反応の状態で存在していてもよく、加水分解及び/又は他のオルガノシリル基と反応して、シロキサン結合(−Si−O−Si−)を形成していてもよい。
前記ウレタンプレポリマー(A)に含まれるオルガノシリル基の量は、好ましくは0.01mol/kg以上、より好ましくは0.05mol/kg以上、さらに好ましくは、0.1mol/kg以上、よりいっそう好ましくは0.2mol/kg以上であり、好ましくは10mol/kg以下、より好ましくは5mol/kg以下、さらに好ましくは2mol/kg以下、よりいっそう好ましくは1.5mol/kg以下である。
前記ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基当量は、好ましくは200g/eq.以上、より好ましくは300g/eq.以上であり、好ましくは3,000g/eq.以下、より好ましくは2,000g/eq.以下である。
本明細書において、官能基当量は、官能基1個あたりの分子量を表すものとし、前記ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基当量(NCO当量)は、JIS−K−7301:2003に規定の方法に準拠して、試料を乾燥トルエンに溶解し、過剰のジ−n−ブチルアミン溶液を加えて反応させ、残存するジ−n−ブチルアミンを塩酸標準溶液で逆滴定して求めた値を表す。
前記ウレタンプレポリマー(A)は、ポリオール成分(a1)、ポリイソシアネート成分(a2)及びオルガノシリル基を有する化合物(a3)の反応物であることが好ましい。
前記ポリオール成分(a1)は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリラクトンポリオール等のポリマーポリオールを含むものであり、低分子量ポリオールを含んでいてもよい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシアルキレンポリオールが好ましく、必要に応じ活性水素原子を2個以上有する化合物の1種又は2種以上を開始剤として用いて、アルキレンオキシド等の環状エーテルを開環重合させたもの等が挙げられる。
前記環状エーテルの炭素原子数は、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4である。前記環状エーテルに含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。前記環状エーテルとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド、エピクロロヒドリン、テトラヒドロフラン、アルキル化テトラヒドロフラン等が挙げられる。
前記開始剤としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、水等の活性水素原子を2個有する化合物;グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ペンタエリスリトール、糖類等の活性水素原子を3個以上有する化合物などが挙げられる。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量ポリオール(例えば、分子量50以上300以下のポリオール)とポリカルボン酸とをエステル化反応して得られるポリエステルポリオール;ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステルポリオール;これらの共重合ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
前記ポリエステルポリオールの製造に用いられる低分子量ポリオールとしては、分子量が50以上300以下程度のポリオールを用いることができ、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、トリメチルールプロパン、グリセリン等の炭素原子数2以上6以下の脂肪族ポリオール(ジオール又は3官能以上のポリオール);1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環式構造含有ポリオール;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物及びそれらのアルキレンオキシド付加物等の芳香族構造含有ポリオールなどが挙げられる。
前記ポリエステルポリオールの製造に用いられるポリカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ポリカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸;並びに前記脂肪族ポリカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸の無水物又はエステル形成性誘導体などが挙げられる。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、炭酸エステルとポリオールとの反応物;ホスゲンとビスフェノールA等との反応物などが挙げられる。
前記炭酸エステルとしては、例えば、メチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シクロカーボネート、ジフェニルカーボネート等が挙げられる。
前記炭酸エステルと反応しうるポリオールとしては、例えば、上記低分子量ポリオールとして例示したポリオール;ポリエーテルポリオール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、ポリエステルポリオール(ポリヘキサメチレンアジペート等)等の高分子量ポリオール(重量平均分子量500以上5,000以下)などが挙げられる。
前記ポリラクトンポリオールとしては、前記ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールからなる群より選ばれる1種以上及び/又は前記ポリエステルポリオールの製造に用いられる低分子量ポリオールを開始剤として、ラクトン化合物と反応(付加)させたもの等を用いることができる。
前記ラクトン化合物としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン、β−メチル−ε−カプロラクトン、γ−メチル−ε−カプロラクトン、β、δ−ジメチル−ε−カプロラクトン、3,3,5−トリメチル−ε−カプロラクトン、エナントラクトン(7−ヘプタノリド)、ドデカノラクトン(12−ドデカノリド)等を用いることができる。
前記ラクトン化合物の付加率は、前記ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールからなる群より選ばれる1種以上及び/又は前記低分子量ポリオールの合計1モルに対して、好ましくは1モル以上、より好ましくは5モル以上、さらに好ましくは10モル以上であり、好ましくは100モル以下、より好ましくは50モル以下、さらに好ましくは30モル以下である。
前記ポリマーポリオールとしては、ポリエステルポリオールを含むことが好ましい。ポリエステルポリオールを含む場合、該ポリエステルポリオールの含有率は、前記ポリマーポリオール中、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であり、上限は100質量%である。
前記ポリマーポリオールの官能数は、2以上であり、3以上であってもよく、5以下であることが好ましい。
前記ポリマーポリオールの数平均分子量は、好ましくは300以上、より好ましくは500以上であり、好ましくは5,000以下、より好ましくは3,000以下である。前記ポリマーポリオールが1種又は2種以上である場合、前記数平均分子量は、各ポリマーポリオールの数平均分子量の荷重平均値として計算することができる。
前記ポリマーポリオールの含有率は、前記ポリオール成分(a1)中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、上限は100質量%である。
前記ポリオール成分(a1)としての低分子量ポリオールとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール)、2−イソプロピル−1,4−ブタンジオール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、3,5−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族ジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン等の脂肪族トリオール;シクロヘキサンジメタノール(例えば1,4−シクロヘキサンジメタノール)、シクロヘキサンジオール(例えば1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール)、2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等の脂環式ジオールなどが挙げられる。
前記低分子量ポリオールを含む場合、前記低分子量ポリオールの含有量は、前記ポリマーポリオール100質量部に対して、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
前記ポリイソシアネート成分(a2)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式構造を有するポリイソシアネート;4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。
前記オルガノシリル基含有化合物(a3)としては、前記オルガノシリル基と、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基等の活性水素原子を有する基、エポキシ基又はイソシアネート基とを有する化合物が挙げられる。
前記オルガノシリル基とヒドロキシル基とを有する化合物としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、ヒドロキシメチルトリメトキシシラン、1,4−ビス(ヒドロキシジメチルシリル)ベンゼン、1,3−ビス(3−ヒドロキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘプタメチル−3−(3−ヒドロキシプロピルトリシロキサン)、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン等の1個又は2個以上のヒドロキシル基を有する反応性又は非反応性のオルガノシリル基含有化合物などが挙げられる。
前記オルガノシリル基とアミノ基とを有する化合物としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、ジメチルアミノトリメチルシラン、ビス(ジメチルアミノメチルシラン)、アリルアミノトリメチルシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリメチルシラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ジエチルアミノトリメチルシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、メチルトリス(ジメチルアミノ)シラン、アリルオキシ−2−アミノエチルアミノメチルジメチルシラン、3−アミノプロピルジエチルアミノメチルジメチルシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシメチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノフェノキシジメチルビニルシラン、4−アミノフェノキシジメチルビニルシラン、3−ピペラジノプロピルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン、3−[2−(2−アミノエチルアミノエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、3−ピペラジノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノエチルアミノメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリス(トリメトキシシロキシ)シラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリメトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノピロピルトリメトキシシラン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−(n−ブチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の1個又は2個以上のアミノ基を有する反応性又は非反応性のオルガノシリル基含有化合物若しくはこれらの塩などが挙げられる。
前記オルガノシリル基とメルカプト基とを有する化合物としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリメチルシラン、ジメトキシ−3−メルカプトプロピルメチルシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、1,3−ビス(3−メルカプトプロピル)テトラメチルジシロキサン等の1個又は2個以上のメルカプト基を有する反応性又は非反応性のオルガノシリル基含有化合物などが挙げられる。
前記オルガノシリル基とエポキシ基とを有する化合物としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、3−グリシロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリメトキシシラン、ジエトキシー3−グリシドキシプロピルメチルシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン等の1個又は2個以上のエポキシ基を有する反応性又は非反応性のオルガノシリル基含有化合物などが挙げられる。
前記オルガノシリル基とイソシアネート基とを有する化合物としては、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記オルガノシリル基含有化合物(a3)の量は、前記ポリオール成分(a1)100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上、さらに好ましくは2重量部以上であり、好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは30重量部以下である。
前記ポリイソシアネート成分(a2)及び前記オルガノシリル基含有化合物(a3)に含まれるイソシアネート基と、前記ポリオール成分(a1)及び前記オルガノシリル基含有化合物(a3)に含まれる活性水素原子を有する基(ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基等)との当量比(NCO/H)は、好ましくは1.3以上、より好ましくは1.5以上であり、好ましくは6.5以下、より好ましくは4以下、特に好ましくは3以下である。
前記ウレタンプレポリマー(A)は、前記ポリオール成分(a1)と前記ポリイソシアネート成分(a2)とを反応させることにより製造することができる。前記ポリオール成分(a1)の全量と、前記ポリイソシアネート成分(a2)の全量を一度に反応させてもよく、前記ポリオール成分(a1)と前記ポリイソシアネート成分(a2)の一部を反応させ、得られた反応物と前記ポリイソシアネート成分(a2)の残部とを反応させてもよい。
前記ウレタンプレポリマー(A)の粘度(80℃)は、好ましくは2,000mPa・s以下、より好ましくは1,500mPa・s以下であり、例えば300mPa・s以上、さらには500mPa・s以上であってもよい。
前記ウレタンプレポリマー(A)の粘度(80℃)は、温度80℃において、B型粘度計を用いて測定することができる。
前記ウレタンプレポリマー(A)の数平均分子量は、好ましくは250以上、より好ましくは500以上、好ましくは10000以下、より好ましくは5000以下である。
本発明において、重量平均分子量、数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレンを標準試料として測定した値を表すものとする。
前記硬化剤(ii)は、ポリオール化合物(B)を含むものであることが好ましく、ポリオール化合物(B)及びシリカ粒子(C)を含むことがより好ましい。硬化剤(ii)にポリオール化合物(B)及びシリカ粒子(C)の両方を含むことで、湿熱条件下においても抗張力及び伸度を維持することが容易となる。なお本発明において、前記硬化剤(ii)は、前記主剤(i)を硬化する作用を有する化合物のみを表すものではなく、他の成分を含んでいる組成物であってもよい。前記シリカ粒子(C)は、主剤(i)ではなく、硬化剤(ii)に含まれることが好ましい。
前記ポリオール化合物(B)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール)、2−イソプロピル−1,4−ブタンジオール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、3,5−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族ジオール;ビスフェノールA等のビスフェノール化合物;ビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド付加物;グリセリン、トリメチロールプロパン等の脂肪族トリオール;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の4官能以上の脂肪族ポリオール;シクロヘキサンジメタノール(例えば1,4−シクロヘキサンジメタノール)、シクロヘキサンジオール(例えば1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール)、2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等の脂環式ジオール;ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール等のポリマーポリオールなどが挙げられる。
前記ポリオール化合物(B)は、ジオール化合物(b1)と、3官能以上のポリオール化合物(b2)とを含むことが好ましい。前記3官能以上のポリオール化合物(b1)の含有率は、前記ポリオール化合物(B)中、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上であり、好ましくは100質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
前記硬化剤(ii)中、ポリオール化合物(B)の含有率は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、上限は100質量%である。
前記硬化剤は、さらに、ポリアミン化合物(D)を含んでいてもよい。前記ポリアミン化合物(D)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ヘキサンジアミン、イソホロンジアミン等の脂肪族又は脂環式アミン化合物;フェニレンジアミン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ポリアミノクロロフェニルメタン化合物等の芳香族アミン化合物;前記芳香族アミン化合物の多量体(好ましくは2〜4量体);及びこれらの混合物等が挙げられる。
前記硬化剤(ii)に含まれるイソシアネート基と反応しうる基の合計モル数と、主剤(i)のイソシアネート基のモル数との比([前記硬化剤(ii)及び必要に応じて用いる助剤(iii)のイソシアネート基と反応する基の合計モル数]/[ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基のモル数]。以下、「R値」という。)は、好ましくは0.7〜1.1、より好ましくは0.8〜1である。
前記ポリアミン化合物(D)を含む場合は、その含有量は、前記ポリオール化合物(B)100質量部に対して、例えば0.1質量部以上、さらには1質量部以上であってもよく、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下であり、0質量部であってもよい。
前記硬化剤(ii)は、シリカ粒子(C)を含む。前記シリカ粒子(C)のSiO2含有率は、99.5質量%以上であってもよく、好ましくは99.7質量%以上であってもよく、上限は100質量%である。
前記シリカ粒子(C)の平均粒子径は、1nm以上であり、好ましくは5nm以上、より好ましくは7nm以上、さらに好ましくは10nm以上であり、200nm以下であり、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは20nm以下である。
前記シリカ粒子(C)の平均粒子径は、BET法により求めた比表面積から算出することができる。
前記シリカ粒子(C)の比表面積は、好ましくは10m2/g以上、より好ましくは20m2/g以上、さらに好ましくは50m2/g以上であり、好ましくは2,500m2/g以下、より好ましくは700m2/g以下、さらに好ましくは500m2/g以下である。
前記シリカ粒子(C)の比表面積は、BET法により測定することができる。
前記シリカ粒子(C)は、親水性であっても疎水性であってもよい。前記シリカ粒子(C)が疎水性である場合、この疎水性シリカ粒子は、ケイ素原子に結合した表面基として、炭素原子数1〜20(好ましくは炭素原子数1〜18)のアルキル基や、(メタ)アクリロイル基等を有していてもよい。
前記シリカ粒子(C)は、予め有機溶剤に分散させてから硬化剤(ii)と混合してもよい。前記有機溶剤としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、トルエン等の芳香族炭化水素溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、3−ペンタノン等のケトン溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチルカルビトール等のエーテル溶剤;アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル等のニトリル溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶剤;メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド溶剤などが挙げられる。
前記シリカ粒子(C)の含有率は、前記硬化剤(ii)中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下であり、20質量%以下であってもよい。
前記樹脂組成物は、有機溶剤、改質剤、触媒、整泡剤、硬化剤、充填剤、顔料、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、難燃剤、可塑剤、強化繊維(ガラス(長繊維・短繊維)、炭素繊維等)等の1種又は2種以上を添加剤として含んでいてもよい。前記添加剤は、主剤(i)に含まれていてもよく、硬化剤(ii)に含まれていてもよい。
前記樹脂組成物を硬化させることで、本発明の硬化物を得ることができる。硬化温度は、例えば70℃以上200℃以下であり、硬化時間は、例えば1時間以上20時間以下である。
前記樹脂組成物を硬化させる場合、必要に応じて、熟成工程を設けてもよい。熟成工程では、特に前記改質剤にオルガノシリル基が含まれる場合、オルガノシリル基の少なくとも一部の加水分解・縮合反応が進行するため、熟成後は、得られる物品の機械的特性(強度等)が安定する傾向にある。熟成温度は、例えば、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜80℃であり、熟成時間は、例えば、100時間〜10,000時間、好ましくは200時間〜5,000時間、熟成時の湿度は、例えば、30%RH〜100%RH、50%RH〜99%RHである。温度及び/又は湿度が高いほど、熟成時間を短くすることができる。そのため、例えば、熟成温度65℃以上、湿度が95%RH以上の条件下では、熟成時間を50時間以下に短縮することも可能である。熟成温度が25℃〜35℃、湿度が30%RH〜80%RHでは、熟成時間は500時間〜1000時間程度である。
前記硬化物の抗張力は、用途に応じ必要とされる硬度により異なるが、通常、0.1MPa〜100MPaの範囲にあることが好ましく、高硬度の場合は、好ましくは10MPa以上、より好ましくは20MPa以上、さらに好ましくは30MPa以上であり、例えば60MPa以下、さらには50MPa以下であってもよく、低硬度の場合は、好ましくは30MPa以下、より好ましくは20MPa以下、さらに好ましくは10MPaであり、例えば0.1MPa以上であってもよく、1MPa以上であってもよい。
前記硬化物の抗張力は、厚さ2mmのシートを用い、JIS K 7312に準拠して測定することができる。
前記硬化物は、湿熱条件下においても抗張力を維持することができる。温度80℃、湿度95%RHの条件下に4週間保持する湿熱試験を行った場合、湿熱試験前の抗張力をP0、湿熱試験後の抗張力をP1として、湿熱条件下における抗張力保持率を以下の式に基づいて算出すると、該湿熱条件下における抗張力保持率は、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上であり、とりわけ好ましくは50%以上であり、例えば200%以下、さらには150%以下であってもよい。
湿熱条件下における抗張力保持率(%)=(P1−P0)/P0×100
前記硬化物の伸度は、用途に応じ必要とされる硬度により異なるが、通常、50〜1,000%の範囲にあることが好ましく、高硬度の場合は、好ましくは50%以上、より好ましくは100%以上、さらに好ましくは200%以上であり、例えば500%以下、さらには400%以下であってもよく、低硬度の場合は、好ましくは200%以上、より好ましくは400%以上であり、例えば800%以下、1,000%以下であってもよい。
前記硬化物の伸度は、厚さ2mmのシートを用い、JIS K 7312に準拠して測定することができる。
前記硬化物は、湿熱条件下においても伸度を維持することができる。温度80℃、湿度95%RHの条件下に4週間保持する湿熱試験を行った場合、湿熱試験前の伸度をE0、湿熱試験後の伸度をE1として、湿熱条件下における伸度保持率を以下の式に基づいて算出すると、該湿熱条件下における伸度保持率は、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上であり、例えば200%以下、さらには150%以下であってもよい。
湿熱条件下における伸度保持率(%)=(E1−E0)/E0×100
前記硬化物の100%モジュラスは、用途に応じ必要とされる硬度により異なるが、通常、0.01〜10MPaの範囲にあることが好ましく、高硬度の場合は、例えば1MPa以上、より好ましくは2.5MPa以上、さらに好ましくは3MPa以上であり、例えば10MPa以下、さらには5MPa以下であってもよく、低硬度の場合は、例えば、0.05MPa以上、より好ましくは0.1MPa以上であり、好ましくは3MPa以下、より好ましくは1MPa以下である。
前記硬化物は、湿熱条件下においても100%モジュラスの値を維持することができる。温度80℃、湿度95%RHの条件下に4週間保持する湿熱試験を行った場合、湿熱試験前の伸度をM0、湿熱試験後の伸度をM1として、湿熱条件下における伸度保持率を以下の式に基づいて算出すると、該湿熱条件下における100%モジュラス保持率は、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上であり、例えば200%以下、さらには150%以下であってもよい。
湿熱条件下における100%モジュラス率(%)=(M1−M0)/M0×100
本発明の硬化物は、湿熱条件下においても抗張力と、伸度を保持することができ、スポーツ用品、レジャー用品、船舶部材、自動車部材、航空機部材、建材、電子機器部材等に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[合成例(1−1)〜(1−8)]
窒素導入管、還流冷却器、温度計、攪拌機を備えた3リットルの4ツ口丸底フラスコに、表1に示す組成で、必要に応じメチルエチルケトン、ポリイソシアネート(a2)を仕込み、攪拌を開始した。次いで、表1に示すポリオール(a1)を仕込み混合し、窒素雰囲気下70℃で3時間反応を行った。次いで、表1に示す活性水素原子を含む化合物(a3)及び(a4)を発熱に注意しながら70℃で5時間反応させた。表1に示すNCO当量の式(1)で表される基及びイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(1−1)〜(1−8)を得た。
Figure 2020143186
表1中、ポリオール(a1−1)は、2官能ポリカプロラクトンポリオール(数平均分子量1,000)を表し、ポリオール(a1−2)は、3官能ポリカプロラクトンポリオール(数平均分子量850)を表し、ポリオール(a1−3)は、2官能ポリカプロラクトンポリオール(数平均分子量2,000)を表し、ポリイソシアネート(a2−1)は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を表し、化合物(a3−1)は、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製「KBM−573」)を表し、化合物(a3−2)は、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン(エボニック社製「Dynasilan 1124」)を表し、化合物(a4−1)は、イソプロピルアルコールを表す。
[合成例(A−1)〜(A−8)]
窒素導入管、還流冷却器、温度計、攪拌機を備えた3リットル4ツ口丸底フラスコに、表3に示すウレタンプレポリマーを仕込み、攪拌を開始した。(1−1)、(1−3)、(1−5)、(1−7)を用いた場合は、80℃×3時間、減圧(−0.1MPa以下)処理を行ない、脱溶剤(脱MEK)処理をした。充分に混合後、NCO当量を測定し、表2に示すNCO当量となるよう計算した量のMDIを添加した。表2に示すウレタンプレポリマー(A−1)〜(A−8)を得た。尚、NCO当量は、JIS K 7312に準じて測定した。
Figure 2020143186
[硬化剤調製例(ii−1)]
硬化剤(ii−1)は、フラスコに1,4−ブタンジオール/トリメチロールプロパンを7/3重量比で仕込み、100℃に温調し、脱水を目的とした減圧処理を2時間行なった。
[硬化剤調製例(ii−2)]
硬化剤(ii−2)は、容器に1,4−ブタンジオール/トリメチロールプロパンを7/3重量比で仕込み、更にヒュームドシリカ(日本アエロジル製「AEROSIL 200」 平均粒子径:10〜15nm BET法による比表面積:200m/g、SiO濃度:99.8質量%)を8重量%になるよう仕込み、ディスパー分散機で10分間処理した。処理液をフラスコに仕込み、100℃に温調し、脱水を目的とした減圧処理を2時間行なった。
[硬化剤調製例(ii−3)]
硬化剤(ii−3)は、フラスコに有機溶媒分散コロイダルシリカ(日産化学製「MEK−ST−40」)を仕込み、次いで1,4−ブタンジオール/トリメチロールプロパン(7/3重量比)をコロイダルシリカが20質量%になるよう仕込み、100℃に温調し、脱溶剤を目的とした減圧処理を2時間処理行った。
[硬化剤調製例(ii−4)]
硬化剤(ii−4)は、フラスコに有機溶媒分散コロイダルシリカ(日産化学製「IPA−ST」)を仕込み、次いで1,4−ブタンジオール/トリメチロールプロパン(7/3重量比)をコロイダルシリカが20質量%になるよう仕込み、100℃に温調し、脱溶剤を目的とした減圧処理を2時間処理行った。
[実施例1〜16、比較例1〜4]
遠心成形機(ドラム直径:300mm、奥行き:200mm)のドラムに離型剤を塗布し、ドラム温度140℃、ドラム回転速度850rpmにして、遠心成形機をスタンバイさせておく。
次に、表3に示された部数の主剤(i)を使い捨て反応容器に仕込み80℃に温調後、その後40℃の硬化剤(ii)を表3に示された部数を投入し、直ちに高速ミキサーにて40秒間攪拌した。その後、主剤(i)/硬化剤(ii)を40秒減圧脱泡処理したのち、遠心成形機に投入した。1時間後回転ドラムを停止させ、ドラムに粘着しているウレタンエラストマーシートを取り出した。取り出したシートは110℃で16時間のアフターキュアを行った後、2週間以上室内放置した。但し、実施例については、その後65℃×95%RH×3日の吸湿処理+80℃×6時間の乾燥処理を行なった。得られたシート厚みは、2mmであった。
その後、得られたシートを約1カ月間室内放置後、抗張力P0及び伸度E0及び100%モジュラスM0を測定した。さらに、得られたシートを温度80℃、湿度95%RHの条件下に4週間保持(湿熱試験)し、その後の抗張力P1及び伸度E1及び100%モジュラスM1を測定した。湿熱試験後の抗張力保持率及び伸度保持率を、それぞれ、以下の式に基づいて算出した。結果を表4、5に示す。
湿熱試験後の抗張力保持率(%)=(P1−P0)/P0×100
湿熱試験後の伸度保持率(%)=(E1−E0)/E0×100
湿熱試験後の100%モジュラス保持率(%)=(M1−M0)/M0×100
尚、抗張力、伸度、100%モジュラスは、厚さ2mmのシートを用いて JIS K 7312に準じて測定した。
Figure 2020143186
Figure 2020143186
Figure 2020143186
実施例1〜16は、本発明の実施例であり、高い抗張力保持率と、高い伸度保持率とを両方達成することが可能であった。比較例1〜4は、シリル基を含まない例であり、高い抗張力保持率と、高い伸度保持率との両立性が十分でなかった。

Claims (7)

  1. ウレタンプレポリマー(A)を含む主剤(i)と、硬化剤(ii)とを含有するウレタン樹脂組成物であり、
    前記ウレタンプレポリマー(A)が、ポリオール成分(a1)とポリイソシアネート成分(a2)との反応物であって、イソシアネート基及びオルガノシリル基を有するものであり、
    前記ポリオール成分(a1)が、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール及びポリラクトンポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーポリオールを含むものであるウレタン樹脂組成物。
  2. 前記硬化剤(ii)が、ポリオール化合物(B)を含むものである請求項1記載のウレタン樹脂組成物。
  3. 前記硬化剤(ii)が、1nm以上200nm以下の平均粒子径を有するシリカ粒子(C)を含むものである請求項1又は2記載のウレタン樹脂組成物
  4. 前記ポリオール成分(a1)が、ポリエステルポリオールを含むものである請求項1〜3のいずれか1項記載のウレタン樹脂組成物。
  5. 前記ポリマーポリオールの数平均分子量が、700以上である請求項1〜4のいずれか1項記載のウレタン樹脂組成物。
  6. 前記シリカ粒子(C)の含有量が、前記ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、0.3質量部以上5質量部以下である請求項1〜5のいずれか1項記載のウレタン樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載のウレタン樹脂組成物の硬化物。
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