JP2020140808A - 正極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献3には、正極活物質としてLiNi0.6Co0.2Mn0.2O2を採用したリチウムイオン二次電池が具体的に記載されている。
特許文献5には、正極活物質としてLi1.013Ni0.831Co0.119Al0.050O2、Li1.013Ni0.858Co0.123Al0.020O2又はLi1.013Ni0.867Co0.098Al0.035O2を採用したリチウムイオン二次電池が具体的に記載されている。
本発明はかかる事情に鑑みて為されたものであり、優れた特性のリチウムイオン二次電池を提供するための好適な正極を提供することを目的とする。
そして、検討を進めた結果、ニッケル比率がそれほど高くないリチウムニッケル含有金属酸化物を正極活物質として備えるリチウムイオン二次電池においては、充放電前後の抵抗に変化がほとんど生じないこと、他方、ニッケル比率が高いリチウムニッケル含有金属酸化物を正極活物質として備えるリチウムイオン二次電池においては、充放電後の抵抗が高くなる傾向にあることを、本発明者は知見した。
かかる知見に基づき、本発明は完成された。
面粗さの算術平均高さSaが0.1μm≦Saである集電箔と、
前記集電箔の表面に形成され、下記一般式(1)で表わされる層状岩塩構造のリチウムニッケル含有金属酸化物を含有する正極活物質層と、
を備えること特徴とする。
Mは、Co、Mn、Al、W、Mo、Re、Pd、Ba、Cr、B、Sb、Sr、Pb、Ga、Nb、Mg、Ta、Ti、La、Zr、Cu、Ca、Ir、Hf、Rh、Fe、Ge、Zn、Ru、Sc、Sn、In、Y、Bi、S、Si、Na、K、P、Vから選ばれる少なくとも1の元素である。
a、b、c、fは0.2≦a≦2、b+c=1、0.6≦b≦0.95、0.05≦c≦0.4、1.7≦f≦3を満足する。
面粗さの算術平均高さSaが0.1μm≦Saである集電箔(以下、本発明の集電箔ということがある。)と、
前記集電箔の表面に形成され、下記一般式(1)で表わされる層状岩塩構造のリチウムニッケル含有金属酸化物を含有する正極活物質層と、
を備えること特徴とする。
Mは、Co、Mn、Al、W、Mo、Re、Pd、Ba、Cr、B、Sb、Sr、Pb、Ga、Nb、Mg、Ta、Ti、La、Zr、Cu、Ca、Ir、Hf、Rh、Fe、Ge、Zn、Ru、Sc、Sn、In、Y、Bi、S、Si、Na、K、P、Vから選ばれる少なくとも1の元素である。
a、b、c、fは0.2≦a≦2、b+c=1、0.6≦b≦0.95、0.05≦c≦0.4、1.7≦f≦3を満足する。
Saとしては、0.15μm≦Sa≦1μmを満足するのがより好ましく、0.15μm≦Sa≦0.9μmを満足するのがより好ましく、0.18μm≦Sa≦0.8μmを満足するのがさらに好ましく、0.2μm≦Sa≦0.75μmを満足するのがさらに好ましい。
理論上は表面積が広い集電箔が好適と考えられる。ただし、表面積が過度に広い集電箔においては凹凸の間隔が狭すぎるため、正極活物質層に含まれる正極活物質、導電助剤及び結着剤が、集電箔の凹部の内部に到達することが困難になると考えられる。
Sdrとしては、0.1≦Sdr≦0.9を満足するのが好ましく、0.15≦Sdr≦0.8を満足するのがより好ましく、0.2≦Sdr≦0.7を満足するのがさらに好ましく、0.3≦Sdr≦0.6を満足するのが特に好ましい。
Sqが大きすぎると、集電箔において引張強度が局所的に低い箇所が生じるおそれがあるし、また、集電箔の一面に形成される正極活物質層の量にバラツキが生じる結果、正極での充放電が特定の箇所に集中するなどの不具合が生じるおそれもある。
ただし、Sqが過小な本発明の集電箔を製造するのは困難な場合がある。
Sqとしては、Sq≦1μmを満足するのが好ましく、0.1μm≦Sq≦0.8μmを満足するのがより好ましく、0.2μm≦Sq≦0.6μmを満足するのがさらに好ましく、0.3μm≦Sq≦0.5μmを満足するのがさらに好ましい。
傾斜が緩慢すぎると、集電箔と正極活物質層との結着力が減少する。他方、傾斜が過度に急すぎると、正極活物質層に含まれる正極活物質、導電助剤及び結着剤が、集電箔における傾斜の奥に到達することが困難になる場合があると考えられる。
Sdqとしては、0.5≦Sdq≦1.5を満足するのが好ましく、0.6≦Sdq≦1.4を満足するのがより好ましく、0.7≦Sdq≦1.3を満足するのがさらに好ましく、0.8≦Sdq≦1.2を満足するのが特に好ましい。
特開平11−162470号公報
特開2001−189238号公報
特開2001−338843号公報
特開2005−2371号公報
国際公開第00/07253号
特開平09−97625号公報
特開2010−135338号公報
特開2012−23050号公報
国際公開第2012/108212号
アルミニウム製の集電箔は、アルミニウム又はアルミニウム合金を材料とする。ここでアルミニウムは、純アルミニウムを意味する。純度99.0%以上のアルミニウムを純アルミニウムと称する。純アルミニウムに種々の元素を添加して合金としたものをアルミニウム合金と称する。アルミニウム合金としては、Al−Cu系、Al−Mn系、Al−Fe系、Al−Si系、Al−Mg系、Al−Mg−Si系、Al−Zn−Mg系が挙げられる。
金属箔を炭素で被覆した集電箔の場合には、金属箔の一面上における炭素被覆膜の厚みとして、0.5〜5μm、0.5〜3μm、0.5〜2μmを例示できる。
Mは、Al、W、Mo、Re、Pd、Ba、Cr、B、Sb、Sr、Pb、Ga、Nb、Mg、Ta、Ti、La、Zr、Cu、Ca、Ir、Hf、Rh、Fe、Ge、Zn、Ru、Sc、Sn、In、Y、Bi、S、Si、Na、K、P、Vから選ばれる少なくとも1の元素である。
Mは、Mn、W、Mo、Re、Pd、Ba、Cr、B、Sb、Sr、Pb、Ga、Nb、Mg、Ta、Ti、La、Zr、Cu、Ca、Ir、Hf、Rh、Fe、Ge、Zn、Ru、Sc、Sn、In、Y、Bi、S、Si、Na、K、P、Vから選ばれる少なくとも1の元素である。
一般式(1−1)及び一般式(1−2)におけるa、b、fの数値範囲は、一般式(1)の数値範囲を援用する。
なお、本明細書における平均粒子径とは、一般的なレーザー散乱回折式粒度分布計での測定におけるD50を意味する。
導電助剤の一次粒子径としては、3〜500nmの範囲内が好ましく、10〜300nmの範囲内がより好ましく、20〜100nmの範囲内がさらに好ましく、30〜50nmの範囲内が特に好ましい。
本発明の正極は、高電位条件下での使用が想定されている。そのため、高電位条件下において安定な結着剤を採用するのが好ましい。この点から、ポリフッ化ビニリデンが特に好ましいといえる。
正極活物質層の密度としては、2〜4g/cm3、2.5〜3.8g/cm3、3〜3.6g/cm3を例示できる。
高容量化の観点から、正極の目付量の値や正極活物質層の密度の値は高い方が有利である。充放電後の抵抗増加を抑制可能な本発明の正極の技術的意義によれば、高い目付量の正極や高密度の正極活物質層を備える正極を、好適に提供できるといえる。
例えば、正極および負極に必要に応じてセパレータを挟装させ電極体とする。電極体は、正極、セパレータ及び負極を重ねた積層型、又は、正極、セパレータ及び負極を捲いた捲回型のいずれの型にしても良い。ただし、正極の目付量が多い本発明のリチウムイオン二次電池を捲回型とした場合、電極に曲げ部分が存在し、この曲げ部分で電極破断が起こり得る。そのため、本発明のリチウムイオン二次電池の内部形状は、電極に曲げ部分を有さない積層型とすることが好ましい。
本発明の正極及びリチウムイオン二次電池の使用上限電位(リチウムを基準とした場合の電位)の範囲としては、3.8〜5V、4.0〜4.5V、4.1〜4.4V、4.2〜4.3Vを例示できる。
以下のとおり、参考例1の正極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
正極活物質である層状岩塩構造のLiNi0.88(Co,Mn)0.12O2を90質量部、導電助剤であるアセチレンブラック5質量部、結着剤であるポリフッ化ビニリデン5質量部、若干量の分散剤、及び、N−メチル−2−ピロリドンを混合して、スラリー状の活物質層形成用組成物を製造した。厚み15μmの平坦なアルミニウム箔の表面に、ドクターブレードを用いて活物質層形成用組成物を膜状になるように塗布した。活物質層形成用組成物が塗布されたアルミニウム箔を加熱乾燥することで、N−メチル−2−ピロリドンを除去した。その後、このアルミニウム箔をプレスし接合物を得た。得られた接合物を真空乾燥機で加熱乾燥して、アルミニウム箔の表面に正極活物質層が形成された参考例1の正極を製造した。
エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジメチルカーボネートを体積比3:3:4で混合し、混合溶媒を製造した。LiPF6を混合溶媒に溶解して、LiPF6の濃度が1mol/Lの電解液を製造した。
正極活物質として層状岩塩構造のLiNi0.87(Co,Al)0.13O2を用いたこと以外は、参考例1と同様の方法で、参考例2の正極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
正極活物質として層状岩塩構造のLiNi0.82(Co,Mn)0.18O2を用いたこと以外は、参考例1と同様の方法で、参考例3の正極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
正極活物質として層状岩塩構造のLiNi0.8(Co,Mn)0.2O2を用いたこと以外は、参考例1と同様の方法で、参考例4の正極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
正極活物質として層状岩塩構造のLiNi0.6(Co,Mn)0.4O2を用いたこと以外は、参考例1と同様の方法で、参考例5の正極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
正極活物質として層状岩塩構造のLiNi0.5(Co,Mn)0.5O2を用いたこと以外は、参考例1と同様の方法で、参考例6の正極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
参考例1〜参考例6のリチウムイオン二次電池を充電した後に、リチウムを基準とする電位にて4.35Vから3Vまで放電した。得られた放電曲線を、図1〜図6に示す。また、得られた放電曲線において、容量を電圧で微分したdQ/dV曲線を、図7〜図12に示す。
また、図7〜図12のdQ/dV曲線において、ニッケル比率が高いリチウムニッケル含有金属酸化物を用いたリチウムイオン二次電池では、3.8V〜4.3Vの範囲内に、容量を示すピークが観察された。すなわち、ニッケル比率が高いリチウムニッケル含有金属酸化物においては、3.8V〜4.3Vの範囲内で、高い容量を発揮する放電反応が生じることがわかる。
参考例2のリチウムイオン二次電池の正極と負極の間に、参照極を配置した。参考例5のリチウムイオン二次電池の正極と負極の間に、参照極を配置した。参考例6のリチウムイオン二次電池の正極と負極の間に、参照極を配置した。
以上のリチウムイオン二次電池につき、電圧3.77Vに調整して、1Cで10秒間放電させた。放電時における正極と参照極との間の電圧変化と電流値から正極抵抗を算出した。これを初期正極抵抗とした。
充放電サイクルを100回繰り返した後の各リチウムイオン二次電池に参照極を挿入した後に、各リチウムイオン二次電池を電圧3.77Vに調整して、1Cで10秒間放電させた。放電時における正極と参照極との間の電圧変化と電流値から正極抵抗を算出した。これを耐久後正極抵抗とした。
以上の結果を、表1に示す。
他方、ニッケル比率が0.6以上のリチウムニッケル含有金属酸化物を用いたリチウムイオン二次電池においては、充放電を繰り返すと、正極の抵抗が著しく増加することがわかる。すなわち、ニッケル比率が0.6以上のリチウムニッケル含有金属酸化物を用いたリチウムイオン二次電池においては、正極の抵抗増加に対する技術的課題が存在することがわかる。
エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジメチルカーボネートを体積比3:3:4で混合し、混合溶媒を製造した。LiPF6を混合溶媒に溶解して、LiPF6の濃度が1mol/Lの電解液を製造した。
参考例2の正極を作用極とし、対極をリチウム箔とし、厚さ20μm、空隙率47%のポリエチレン製多孔質膜をセパレータとした。作用極、セパレータ、対極の順に積層した電極体を電解液とともに、袋状のラミネートフィルムに収容して、参考例2−1のハーフセルを製造した。
参考例5の正極を作用極として用いたこと以外は、参考例2−1と同様の方法で、参考例5−1のハーフセルを製造した。
X線回折装置に参考例2−1のハーフセルを供して、リチウムを基準とする電位3.5Vから4.4Vまで参考例2−1のハーフセルの充電を行いつつ、参考例2−1のハーフセルに含まれるリチウムニッケル含有金属酸化物における層状岩塩構造の回折ピークの変化を測定した(in situ−XRD測定)。
参考例5−1のハーフセルについても同様の測定を行った。
以上の結果から、リチウムニッケル含有金属酸化物のニッケル比率が高くなると、高電位での体積変化が著しく大きくなるといえる。ニッケル比率が高いリチウムニッケル含有金属酸化物は、高電位での体積変化が著しく大きいため、高電位での充放電を経験した場合に、正極活物質層と集電箔との電気的な接続が遮断されやすくなると考えられる。
以下のとおり、実施例1の正極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
厚み15μmのJIS A1000番系に該当するアルミニウム箔の表面を、アセチレンブラックと結着剤で構成された炭素膜で被覆した状態の、合計厚み17μmの炭素被覆アルミニウム箔を準備し、これを実施例1の集電箔とした。
エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジメチルカーボネートを体積比3:3:4で混合し、さらに、ビニレンカーボネートを全体の体積に対して0.5質量%となる量で添加して、混合溶媒を製造した。LiPF6を混合溶媒に溶解して、LiPF6の濃度が1mol/Lの電解液を製造した。
厚み15μmのJIS A8000番系に該当するアルミニウム箔の表面を、アセチレンブラックと結着剤で構成された炭素膜で被覆した状態の、合計厚み17μmの炭素被覆アルミニウム箔を準備し、これを実施例2の集電箔とした。
実施例2の集電箔を正極に用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2の正極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
JIS A1000番系に該当するアルミニウム箔を塩酸で処理した厚み15μmの表面処理アルミニウム箔を準備し、これを実施例3の集電箔とした。
実施例3の集電箔を正極に用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例3の正極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
厚み15μmのJIS A1000番系に該当するアルミニウム箔を準備し、これを比較例1の集電箔とした。
比較例1の集電箔を正極に用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1の正極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
実施例1〜実施例3及び比較例1の集電箔につき、非接触式の表面粗さ測定機器である形状解析レーザー顕微鏡(株式会社キーエンス、型番VK−X250)を用いて、観察倍率500倍の条件で、表面分析を行った。
面粗さの算術平均高さSa、展開面積比Sdr、二乗平均平方根高さSq、二乗平均平方根傾斜Sdqについての結果を表2に示す。
引張試験機を用いて、実施例1〜実施例3及び比較例1の正極の剥離強度を測定した。試験方法はJIS Z 0237に準拠した。試験方法について詳細に述べると、正極活物質層側を下向きにして台座に粘着テープで接着し、そして、正極の集電箔を上向きに90度の方向に引っ張ることにより剥離強度を測定した。
結果を表2に示す。
さらに、集電箔の表面が粗くなれば、集電箔と正極活物質層との剥離強度が増加する傾向にあることがわかる。
実施例1のリチウムイオン二次電池を0.1Cの定電流で電圧4.12Vまで充電し、当該電圧を保持した後に、0.1Cの定電流で電圧3.9Vまで放電し、当該電圧を保持した。その後、60℃の恒温槽に実施例1のリチウムイオン二次電池を20時間保管して、実施例1のリチウムイオン二次電池の活性化を行った。
得られた複素インピーダンス平面プロットの曲線と実軸の交点から、当該曲線の第一円弧の終点までの距離を算出し、これを充放電後の正極の電子抵抗とした。
よって、以下の事項を推認できる。
展開面積比Sdrが大きい集電箔は表面積が広い。そのため、理論上は展開面積比Sdrが大きいほど優れた集電箔であると考えられるが、試験結果は、理論どおりではない。
二乗平均平方根高さSqは、高さの標準偏差に相当するパラメータである。Sqが小さいほど、高さのバラツキが小さく、同程度の凹凸が集電箔の表面に均一に存在することになる。凹凸の程度の均一化は、正極における局所的な充放電の偏りを抑制できると考えられるため、Sqは小さい方が好ましいといえる。
二乗平均平方根傾斜Sdqは、集電箔に存在する凹凸の傾斜に関するパラメータである。Sdqは1付近が好ましいと推定される。
層状岩塩構造のLiNi0.87(Co,Al)0.13O2を95.7質量部、導電助剤であるアセチレンブラック2質量部、結着剤であるポリフッ化ビニリデン2.3質量部、若干量の分散剤、及び、N−メチル−2−ピロリドンを混合して、スラリー状の活物質層形成用組成物を製造した。実施例1の集電箔の表面に、ドクターブレードを用いて活物質層形成用組成物を膜状になるように塗布した。活物質層形成用組成物が塗布された集電箔を加熱乾燥することで、N−メチル−2−ピロリドンを除去した。その後、この集電箔をプレスし接合物を得た。得られた接合物を真空乾燥機で加熱乾燥して、集電箔の表面に正極活物質層が形成された実施例4の正極を製造した。
ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、エチレンカーボネート及びフルオロエチレンカーボネートを体積比45:30:20:5で混合して、混合溶媒を製造した。LiPF6を混合溶媒に溶解して、LiPF6の濃度が1.2mol/Lの電解液を製造した。
比較例1の集電箔を正極に用いたこと以外は、実施例4と同様の方法で、比較例2の正極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
負極の目付量を8.86mg/cm2としたこと以外は、実施例4と同様の方法で、実施例5の正極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
比較例1の集電箔を正極に用いたこと以外は、実施例5と同様の方法で、比較例3の正極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
負極の目付量を7.88mg/cm2としたこと以外は、実施例4と同様の方法で、実施例6の正極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
比較例1の集電箔を正極に用いたこと以外は、実施例6と同様の方法で、比較例4の正極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
次段落の充放電サイクルを実施する前の実施例4〜実施例6、比較例2〜比較例4のリチウムイオン二次電池につき、25℃の条件下、SOC60%に調整した後に、1C、1.5C、3C、3.5Cでそれぞれ5秒間放電させた。放電終了時の電圧と電流値のグラフの傾きを抵抗とし、これを初期抵抗とした。
ここで、実施例4及び比較例2のリチウムイオン二次電池については、充電の上限電位をリチウム基準で4.35Vとし、実施例5及び比較例3のリチウムイオン二次電池については、充電の上限電位をリチウム基準で4.22Vとし、実施例6及び比較例4のリチウムイオン二次電池については、充電の上限電位をリチウム基準で4.15Vとした。
以下の式で抵抗増加率を算出した。
抵抗増加率(%)=100×(充放電後の抵抗)/(初期抵抗)
また、同じ上限電位で試験を実施したリチウムイオン二次電池につき、(比較例の抵抗増加率)−(実施例の抵抗増加率)を算出し、抵抗増加率の差とした。
以上の結果を表4に示す。
Claims (11)
- 面粗さの算術平均高さSaが0.1μm≦Saである集電箔と、
前記集電箔の表面に形成され、下記一般式(1)で表わされる層状岩塩構造のリチウムニッケル含有金属酸化物を含有する正極活物質層と、
を備えること特徴とする正極。
一般式(1) LiaNibMcOf
Mは、Co、Mn、Al、W、Mo、Re、Pd、Ba、Cr、B、Sb、Sr、Pb、Ga、Nb、Mg、Ta、Ti、La、Zr、Cu、Ca、Ir、Hf、Rh、Fe、Ge、Zn、Ru、Sc、Sn、In、Y、Bi、S、Si、Na、K、P、Vから選ばれる少なくとも1の元素である。
a、b、c、fは0.2≦a≦2、b+c=1、0.6≦b≦0.95、0.05≦c≦0.4、1.7≦f≦3を満足する。 - 前記正極の使用電位がリチウムを基準とする4.1V以上の電位である請求項1に記載の正極。
- 前記正極活物質層が、導電助剤を0.5〜10質量%で含有しており、結着剤を0.5〜10質量%で含有している請求項1又は2に記載の正極。
- 前記Saが0.15μm≦Sa≦1μmを満足する請求項1〜3のいずれか1項に記載の正極。
- 前記集電箔の面粗さの展開面積比Sdrが、0.1≦Sdr≦0.9を満足する請求項1〜4のいずれか1項に記載の正極。
- 前記集電箔の面粗さの二乗平均平方根高さSqが、Sq≦1μmを満足する請求項1〜5のいずれか1項に記載の正極。
- 前記集電箔の面粗さの二乗平均平方根傾斜Sdqが、0.5≦Sdq≦1.5を満足する請求項1〜6のいずれか1項に記載の正極。
- 前記bが0.7≦b≦0.94を満足する請求項1〜7のいずれか1項に記載の正極。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の正極を備えるリチウムイオン二次電池。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の正極を、リチウムを基準とする4.1V以上の電位で使用することを特徴とする正極の使用方法。
- 請求項9に記載のリチウムイオン二次電池を、リチウムを基準とする4.1V以上の電位で使用することを特徴とするリチウムイオン二次電池の使用方法。
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