JP2017130557A - リチウムのプリドープ方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極材料に多量のリチウムイオンをドープすることができる、リチウムのプリドープ方法を提供する。【解決手段】式:LiaMebOc(4.5≦a≦6.5、0.5≦b≦1.5、3.5≦c≦4.5、Me:Co、Mn、Fe、Alの群から選ばれる1種以上)で表されるリチウム金属複合酸化物、及び多孔質炭素材料を有する正極と、負極活物質を有する負極と、電解質とを有する蓄電装置に初回充電を行う充電工程を有する、リチウムのプリドープ方法であって、初回充電時の前記正極の最高電位を4.1V以上4.3V未満とする。【選択図】図1
Description
本発明は、リチウムのプリドープ方法に関し、特に蓄電装置の電極材料にリチウムをプリドープする方法に関する。
蓄電装置には、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る電極材料を用いたものがある。このような蓄電装置としては、例えば、リチウムイオン二次電池や、リチウムイオンキャパシタがある。リチウムイオン二次電池では、正極及び負極の双方にリチウムイオンを吸蔵及び放出し得る電極活物質が配設されている。リチウムイオン二次電池では、充電及び放電のときに、正極の電極活物質と負極の電極活物質との間でリチウムイオンが吸蔵及び放出される。
リチウムイオンキャパシタは、電気二重層キャパシタと、リチウムイオン二次電池の性質を併せ持つ。電気二重層キャパシタは、正極材料として電解液中のアニオンを可逆的に担持可能な物質を用い、負極材料として電解液中のカチオンを可逆的に担持可能な物質を用いている。電気二重層キャパシタの正極と負極の間に電位差を生じさせると、正極と電解液との界面に電解液のアニオンが層状に整列し、負極と電解液との界面には電解液のカチオンが層状に整列する。これらの層状態をなす電気二重層キャパシタは、静電容量を蓄積させた充電状態にある。
リチウムイオンキャパシタでは、正極材料として電気二重層キャパシタの正極材料と同様に電解液中のアニオンを可逆的に担持可能な物質を用い、負極材料としてはリチウムイオン二次電池の負極活物質と同様にリチウムイオンを吸蔵及び放出し得る負極活物質を用いている。リチウムイオンキャパシタの負極活物質には予めリチウムイオンがドープされている。リチウムイオンのドープにより、負極の電位が低下するため、リチウムイオンキャパシタは、電気二重層キャパシタよりも、正負極間の電位差が大きくなり、エネルギー密度が大きい。
ここで、リチウムイオンキャパシタでは、負極活物質に予めリチウムイオンをドープすることが必要とされている。また、リチウムイオン二次電池については、活物質自体が元来不可逆容量をもつ場合や、初回充電時に例えば負極活物質の割れにより導電パスが消失したり活物質表面にSEI被膜(Solid Electrolyte Interphase)が生成したりすることで負極活物質に不可逆容量が発生する場合がある。リチウムイオン二次電池についても、負極活物質の不可逆容量を補充するために、予めリチウムイオンを負極活物質にドープすることが行われる場合がある。
このように、リチウムイオンキャパシタやリチウムイオン二次電池について、負極活物質にリチウムイオンをドープする技術が必要とされている。
リチウムイオンキャパシタの負極活物質にリチウムイオンをドープする技術としては、特許文献1に開示されているように、リチウム含有遷移金属酸化物を含むプリドープ層を正極に積層し、このプリドープ層を負極に対向させた状態で電解液に浸すと、プリドープ層からリチウムイオンが放出され負極にドープされる。
特許文献2に開示されているように、リチウムイオンキャパシタが、正極と負極とを複数積層した積層体を備える場合に、積層体の一端側にリチウム金属箔を配置するとともに、正極集電体及び負極集電体にイオン通過用の貫通孔を形成することが提案されている。リチウム金属箔から放出されるリチウムイオンは、積層体の一端側から貫通孔を通じて積層方向に移動される。積層される全ての負極に対してスムーズにリチウムイオンをドープすることが可能となる。
しかしながら、正極及び負極の各集電体に貫通孔が形成されていると、各集電体の電気収集有効面積が減るため、貫通孔が形成された集電体を有するリチウムイオンキャパシタは高い容量を発揮できない。また、正極と負極の積層体の一端側にリチウム金属箔を配置してリチウムイオンをドープさせる場合、積層体の中のすべての負極にリチウムイオンを均一にドープさせるためには、長いドープ時間が必要とされる。
また、特許文献3では、ドープ可能な材料及びリチウム金属を溶剤存在下で混合してスラリーとなし、このスラリーを集電体に塗布することでキャパシタの電極を得ることが開示されている。この電極は、ドープ可能な材料とリチウム金属とがよりよく接触、分散するため、簡便に短時間で効率的にドープできる。しかし、この方法では、高価なリチウム金属を使うため、製造コストを高くするおそれがある。
また、リチウムイオン二次電池の負極活物質にリチウムイオンをプリドープをする方法としては、特許文献4、5、6に、リチウムイオン二次電池の正極において、Li5FeO4、Li6CoO4などの逆蛍石構造をもつリチウム金属複合酸化物を正極活物質に添加することが開示されている。逆蛍石構造をもつリチウム金属複合酸化物は、初期充電容量が大きく、不可逆的にリチウムイオンを放出するため、負極活物質の初回充電時の不可逆容量を補填することができる。
しかしながら、特許文献4〜6で開示されている逆蛍石構造をもつリチウム金属複合酸化物は、理論容量は大きいが、実際に取り出せる容量は理論容量に比べるとはるかに劣るものであった。また、特許文献4〜6に記載のリチウムイオン二次電池では、逆蛍石構造をもつリチウムイオン金属複合酸化物を正極活物質とともに用いているが、当該リチウム金属複合酸化物がリチウムイオンキャパシタの負極活物質へのプリドープに適しているか否かについては不明であった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、蓄電装置における電極材料に多量のリチウムイオンをドープすることができる、リチウムのプリドープ方法を提供することを課題とする。
本発明のプリドープ方法は、式:LiaMebOc(4.5≦a≦6.5、0.5≦b≦1.5、3.5≦c≦4.5、Me:Co、Mn、Fe、Alの群から選ばれる1種以上)で表されるリチウム金属複合酸化物、及び多孔質炭素材料を有する正極と、負極活物質を有する負極と、電解質とを有する蓄電装置に初回充電を行う充電工程を有する、リチウムのプリドープ方法であって、前記初回充電時の前記正極の最高電位を4.1V以上4.3V未満とする。
本発明のプリドープ方法は上記構成を具備するため、蓄電装置における電極材料に多量のリチウムイオンをドープすることができる。
本発明の実施形態に係るリチウムのプリドープ方法について詳細に説明する。
本実施形態のリチウムのプリドープ方法における充電工程では、式:LiaMebOc(4.5≦a≦6.5、0.5≦b≦1.5、3.5≦c≦4.5、Me:Co、Mn、Fe、Alの群から選ばれる1種以上)で表されるリチウム金属複合酸化物、及び多孔質炭素材料を有する正極と、負極活物質を有する負極と、電解質とを有する蓄電装置に初回充電を行う。初回充電時の正極の最高電位を4.1V以上4.3V(vsLi/Li+)未満とする。これにより、リチウム金属複合酸化物から放出されたリチウムイオンを負極活物質にドープさせる。以下、電位は、すべてリチウム基準(VvsLi/Li+)とする。
上記式で表されるリチウム金属複合酸化物は、初回充電により分解することにより多量のリチウムイオンを放出する。従来、リチウム金属複合酸化物に4.3V以上の高電位を印加しないと、リチウム金属複合酸化物の分解反応が起き難く、また、リチウム金属複合酸化物の理論容量近くまでリチウムイオンを引き出そうとした場合には、リチウム金属複合酸化物の電位を4.5V以上とする必要である、とされていた。
しかし、正極に上記式で表されるリチウム金属複合酸化物を含めて正極の電位が4.3V以上に到達するまで充電した場合には、電流の一部が電解液分解等の副反応に使用されてしまう。すると、正極から負極へのリチウムイオンの移動が減少し、また副反応による生成物が負極上に堆積して抵抗体となる。
そこで、本願発明者は、正極に、上記式で表されるリチウム金属複合酸化物に加えて多孔質炭素材料を含めることにより、正極の最高電位が4.3V未満の場合にも、リチウム金属複合酸化物が分解して多量のリチウムイオンを放出させ得ることを知見した。この理由は、以下のように考えられる。多孔質炭素材料は比表面積が大きく活性点を多く持つ。多孔質炭素材料は、リチウム金属複合酸化物の分解反応に対して触媒の働きをして、分解反応の活性化エネルギーを減少させる。このため、4.3V未満の低い電位でもリチウム金属複合酸化物から多量のリチウムイオンを放出させることができる。
本実施形態のリチウム金属複合酸化物及び多孔質炭素材料は、多量のリチウムイオンを放出するため、優れたプリドープ剤である。
本実施形態のプリドープ方法によれば、比較的短時間でリチウムイオンを負極活物質にドープすることができる。また、高価なリチウム金属を使用する必要はないため、製造コストを抑えることができる。リチウムイオンがドープされた負極活物質は電極材料として使用できる。リチウムイオンがドープされた負極活物質は、プリドープを行った蓄電装置でそのまま用いてもよいし、当該蓄電装置から取り出して別の蓄電装置の電極材料として用いることも可能である。
本実施形態のプリドープ方法によれば、初回充電による充電工程において、電解液分解等の副反応が生じる電圧よりも低い電圧領域でプリドープすることが可能であり、副反応による生成物が電極上に堆積することによる抵抗上昇を最小限に抑えることができる。
本実施形態のプリドープ方法では、正極の最高電位が4.1V以上4.3V未満となるように蓄電装置に備えられた制御部で制御される。正極の電位の制御のために、蓄電装置の内部に参照極を挿入して正極の電位を検知してもよいし、あらかじめ正極の電位と正負極間の電位差(電圧)との関係を知見しておき、蓄電装置の外部で電圧を検知することで正極の電位を把握してもよい。
一方、正極の最高電位が4.1V未満の場合には、リチウム金属複合酸化物の分解反応が進行しにくく、リチウム金属複合酸化物からリチウムイオンが放出されにくくなり、初回充電時の充電容量が低くなるおそれがある。
初回充電時の正極の最高電位は、4.1V以上4.3V未満であり、更に、4.1V以上4.29V以下が好ましく、更に4.15V以上4.27V以下であることが望ましい。この場合には、初回充電において正極のリチウム金属複合酸化物からリチウムイオンを多量に放出させることができ、また、電解液分解等の副反応も効果的に抑制できる。
本実施形態におけるリチウム金属複合酸化物は、式:LiaMebOc(4.5≦a≦6.5、0.5≦b≦1.5、3.5≦c≦4.5、Me:Co、Mn、Fe、Alの群から選ばれる1種以上)で表される。
リチウム金属複合酸化物は、Li6CoO4、Li6MnO4、Li5FeO4、及びLi5AlO4の群から選ばれる少なくとも1種からなることがよい。これらのLiのドープ可能な理論容量は、Li6CoO4:977mAh/g、Li6MnO4:1001mAh/g、Li5FeO4:867mAh/g、及びLi5AlO4:1066mAh/gである。Li6MnO4の理論容量は上記リチウム金属複合酸化物の中では2番目に大きい。またLi6MnO4はLi5FePO4やLi6CoO4と比較すると大気中での安定性が高い。
リチウム金属複合酸化物の充電電位は、例えば、Li6CoO4:4.1V(Li基準電位)、Li6MnO4:4.2V(Li基準電位)、Li5FeO4:4.2V(Li基準電位)、Li5AlO4:4.25V(Li基準電位)である。充電工程において、正極の最高電位は、4.1V以上4.3V未満の範囲で、リチウムイオン金属複合酸化物の種類に応じて適宜調整するとよい。
リチウム金属複合酸化物は、正極に含めて用いられる。正極におけるリチウム金属複合酸化物の含有量は、初回充電時に負極活物質へドープ可能なLi量以下とすることがよい。上記リチウム金属複合酸化物は、逆蛍石結晶構造を有しているとよい。上記リチウム金属複合酸化物は、Liの含有比率が多く、また、含有しているLiの多くを充電時に放出し得る。上記リチウム金属複合酸化物は、安価である。このため、上記リチウム金属複合酸化物は、Liをプリドープするために非常に有効な成分である。上記リチウム金属複合酸化物は、比較的少ない量で多量のリチウムイオンを放出し得るため、優れたドープ性能をもつ。
リチウム金属複合酸化物は粉末として用いることが好ましい。粉末としてのリチウム金属複合酸化物の平均粒径は20μm以下であることがよい。更には、リチウム金属複合酸化物の平均粒径は15μm以下が好ましく、更には10μm以下が最も好ましい。この範囲の平均粒径をもつリチウム金属複合酸化物を多孔質炭素材料とともに正極に含め、これを蓄電装置に組み入れて初回充電を行ったときに、分解反応が進みやすくなる。ゆえに、リチウム金属複合酸化物は、多量のリチウムイオンを放出することができる。
上記リチウム金属複合酸化物の平均粒径は、取り扱い易さの点から、0.2μm以上、更には0.5μm以上、1μm以上であることが好ましい。平均粒径は、メジアン径を示し、レーザ回折式粒度分布測定法によって計測できる。「平均粒径」は、リチウム金属複合酸化物の二次粒子の平均粒径をいう。
多孔質炭素材料は、複数の孔を有する炭素材料である。多孔質炭素材料の比表面積は大きく、多孔質炭素材料は多くの活性点を持つ。多孔質炭素材料は、リチウム金属複合酸化物の分解反応に対して触媒の働きをして、分解反応の活性化エネルギーを減少させ、4.3V未満の低い電位でもリチウム金属複合酸化物から多量のリチウムイオンを放出させることができる。
多孔質炭素材料は、多数の孔を有する炭素材料であればよく、例えば、活性炭、カーボンナノチューブ、グラフェンシート、カーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB、登録商標)などがあげられる。この中、活性炭が最も好ましい。活性炭の比表面積は1300〜3000m2/gであるものが多く、カーボンブラックの比表面積は100〜1300m2/g程度であるものが多い。活性炭は、ABやKBなどのカーボンブラックに比べて比表面積が大きい。このため、活性炭は、カーボンブラックに比べて活性点が多く、リチウム金属複合酸化物の分解反応に対する触媒作用が高い。ゆえに、活性炭は、カーボンブラックに比べて、リチウム金属複合酸化物から多くのリチウムイオンを放出させることができる。
多孔質炭素材料の比表面積は、1300〜3000m2/gであることがよく、更に、2000〜2600m2/gであることが好ましい。この場合には、多孔質炭素材料の活性点が多くなり、リチウムイオン金属複合酸化物の分解反応に対する触媒作用が強くなり、リチウム金属複合酸化物からより多くのリチウムイオンが放出される。多孔質炭素材料の比表面積は、BET法による多孔質炭素材料の比表面積をいう。
リチウム金属複合酸化物と多孔質炭素材料は混合されていることがよい。リチウム金属複合酸化物が多孔質炭素材料と多くの接触面積をもち、多孔質炭素材料の触媒性能を更に有効に発揮することができ、リチウム金属複合酸化物の分解反応が更に進行しやすくなる。
正極において、リチウム金属複合酸化物と多孔質炭素材料の合計質量を100質量%としたとき、多孔質炭素材料とリチウム金属複合酸化物の質量比は、多孔質炭素材料:リチウム金属複合酸化物=99:1〜50:50であることがよく、更に、90:10〜60:40であることが好ましく、80:20〜70:30が望ましい。これらの範囲で必要なリチウムイオンのドープ量に応じて選択することがよい。リチウム金属複合酸化物が少なすぎる場合には、正極全体から負極にドープできるリチウムイオン量が少なくなるおそれがある。リチウム金属複合酸化物が過剰の場合には、触媒となる多孔質炭素材料の量が少なくなり、リチウム金属複合酸化物から取り出せるリチウムイオン量が少なくなるおそれがある。
充電工程の充電方式は、i)充電開始から充電終了まで一定の電流で充電してもよいし、ii)充電開始から充電終了まで一定の電圧で充電してもよく、また、iii)充電開始から充電途中まで一定の電流で充電するCC充電を行い、その後一定の電圧で充電するCV充電に切り替えて充電終了時まで充電してもよい。
ここで、充電工程は、正極の電位が4.1V以上4.3V未満となるまで一定の電流で前記蓄電装置を充電するCC充電過程と、前記CC充電過程の後に一定の電圧で前記蓄電装置を充電するCV充電過程とを有することが好ましい。CV充電では、切り替え時の電圧を維持して充電をするとよい。この場合には、正極の電位を一定値以下に制御しつつ、負極活物質にリチウムイオンを吸蔵させることができる。
図1、図2は、本実施形態の蓄電装置に用いられる正極及び負極を組み合せてセルを作製し初回充電を行ったときの正極及び負極の充電曲線の概念図を示す。図1、図2とも、横軸は、初回充電における負極活物質単位重量換算の正極の充電容量及び負極活物質単位重量当たりの負極の充電容量を示し、縦軸は、正極及び負極の電位を示す。
図1、図2の負極の充電曲線をみると、負極の電位は、充電開始直後に急激に下がり、次第に緩やかに電位が下降するようになっている。やがて、充電終了に近づくにつれて負極の充電曲線はほぼ横ばいとなる。充電曲線のどのタイミングでCC充電からCV充電に切り替えるかについては、A方法及びB方法の2通りの方法がある。
まず、A方法は、図1に示すように、負極の電位が負極の充電曲線で横ばい(プラトー)の領域(図1の負極の充電曲線上の☆印)に位置するようになったときに、CC充電からCV充電に切り替える方法である。B方法は、図2に示すように、負極の電位が、負極の充電曲線が横ばいになる前の領域(図2の負極の充電曲線上の☆印)に位置するときに、CC充電からCV充電に切り替える方法である。
A方法は、リチウム金属複合酸化物からより多くのリチウムイオンを取り出したいときに有効である。A方法では、負極の充電曲線が横ばいになったとき、即ち、負極にリチウムが入っても負極の電位が殆ど下がらない領域に突入したとき、CC充電からCV充電に切り換えるとよい。図1の一点鎖線に示すように、A方法によれば、切り替え後のCV充電において、負極の電位は切替時以後さほど下がらない。そのため、正極の電位も切り替え時の高い電位を長時間維持し、CV充電において多くのリチウムイオンが放出される。このため、同じ構成の蓄電装置であっても、また、正極の最高電位が同じであっても、A方法はB方法よりも、より多くのリチウムイオンをリチウム金属複合酸化物から引き出し、負極に吸蔵させることができる。A方法によれば、エネルギー密度の高い蓄電装置を得ることができる。また、正極の最高電位が同じで同じ充電容量であるとした場合に、A方法によれば、正極に混合するリチウム金属複合酸化物の量を減らすことができる。初回充電後は充放電反応を起こさないリチウム金属複合酸化物分解物が減り、多孔質炭素材料の割合が増えることで、蓄電装置のエネルギー密度の増加を期待できる。A方法によれば、使用する電極材料のポテンシャルをより多く引き出すことが可能である。
A方法において、負極の電位が0.15V以下となったときにCC充電からCV充電に切り替えるとよく、更には負極の電位が0.13V以下となったときにCC充電からCV充電に切り替えるとよい。また、正極の電位が4.1V以上4.3V未満のときにCC充電からCV充電に切り替えることがよい。更に、正極の電位が4.15V以上4.27V以下のときにCC充電からCV充電に切り替えることがよい。A方法では、切り替え時の負極の電位の変化量は、単位容量当たり、0.0015V/mAh/g未満であることが好ましい。正極及び負極とも、CV充電の終止電位と切り替え時の電位との差は0.1V以内、更には0.075V以内であることが好ましい。この場合には、正極の電位を過剰に上げないで副反応を抑えつつ、リチウムイオンをリチウム金属複合酸化物から放出させ続けることができる。
B方法は、図2に示すように、リチウム金蔵複合酸化物からのリチウムイオンの放出量が若干少なくても副反応を抑制したいときに有効である。即ち、図2の一点鎖線に示すように、B方法において、負極の充電曲線が横ばいになる前に、CC充電からCV充電に切り替えた場合には、切替後のCV充電時にも、負極の電位が下がり、負極の電位につられて正極の電位も下がる。すると、リチウム金属複合酸化物から取り出せるリチウムイオン量も少なくなる。しかし、正極は切替前後で一時的に高電位に晒されるが、以後は負極の電位の低下につられて正極の電位も下がる。正極の電位が最高値に晒される時間が、A方法よりも短いため、正極近傍で副反応を効果的に抑えることができる。
B方法によれば、リチウム金属複合酸化物から引き出せるリチウムイオン量を多く維持しつつ、電解液分解などの副反応による生成物が電極表面に堆積することを抑制できる。容量減少や抵抗増加を抑え、副反応による悪影響を最小限に留めることができる。B方法により負極の初回充電曲線が横ばいになる前にCC充電からCV充電に切り替える場合には、CV充電時にリチウム金属複合酸化物から取り出せるリチウムイオンは前記A方法に比べて少なくなる一方、A方法に比べて副反応が抑えられ、蓄電装置の抵抗が下がり、蓄電装置のサイクル寿命が長くなる。
B方法において、負極の電位が0.15Vよりも大きいときに、更には0.2V以上のときに、CC充電からCV充電に切り替えるとよい。また、B方法において、正極の電位は、切替時に4.1V以上4.3V未満であるとよく、更には4.15V以上4.27V以下であることが好ましい。B方法では、切り替え時の負極の電位の変化量は、単位容量当たり、0.01V/mAh/g以上であることが好ましい。正極及び負極とも、CV充電の終止電位と切り替え時の電位との差は0.1Vを超えて大きいことが好ましい。正極の最高電位に晒される時間が短くなり、更に副反応が抑制されて、蓄電装置の抵抗を更に低く抑えることができる。
蓄電装置における初回充電時に、負極活物質に実際に充電される容量は、初回充電時に正極から放出されたリチウムイオンの量に相当する。蓄電装置における初回充電時に、単位重量あたりの負極活物質に実際に充電された容量は、蓄電装置における初回充電時の、負極活物質単位重量に換算した正極充電容量に等しい。そこで、本明細書において、蓄電装置における初回充電時に、単位重量あたりの負極活物質に実際に充電された容量は、「負極活物質単位重量に換算した正極充電容量」と称する。
また、「単位重量あたりの負極活物質の満充電容量(負極に充電できる単位重量あたりの負極活物質の最大容量)」は、「負極活物質重量あたりの負極の満充電容量」と称する。
負極活物質単位重量に換算した正極の充電容量をPとし、負極活物質単位重量当たりの負極の満充電容量をNとしたとき、A方法及びB方法のいずれであっても、N/P比は1以上である。蓄電装置における初回充電時の、負極活物質単位重量に換算した正極充電容量は、蓄電装置における初回充電時に、単位重量あたりの負極活物質に実際に充電された容量に等しい。蓄電装置における初回充電時に、単位重量あたりの負極活物質に実際に充電された容量は、単位重量当たりの負極活物質の満充電容量以下である。このため、N/P比は1以上となる。
A方法とB方法とでは、A方法の方が、正極の最高電位を維持する時間が長くなる傾向にある。このため、A方法は、B方法よりも、リチウム金属複合酸化物からのリチウムイオン放出量が多くなり、負極活物質に実際に充電される容量を大きくしやすい。そこで、N/P比が1以上1.4以下の場合には、A方法を行い、1.4を超える場合にはB方法を行うとよい。
正極の充電容量は、正極内でのリチウム金属複合酸化物と多孔質炭素材料との配合比、正極内でのリチウム金属複合酸化物の配合比、又は正極の目付などのパラメータを調整することにより任意に設定できる。負極の満充電容量は、負極内での負極活物質の配合比、負極の目付などのパラメータを調整することにより任意に設定できる。正極の目付とは、正極の集電体の表面に形成されている片面の正極活物質層の単位面積当たりの質量をいう。負極の目付とは、負極の集電体の表面に形成されている片面の負極活物質層の単位面積当たりの質量をいう。
前記充電工程の後に、前記蓄電装置を所定の温度に加熱しながら前記蓄電装置を一定の電圧に維持するエージング工程を実施することが好ましい。これにより、活物質表面の被膜の安定化や不要な官能基の削減等が期待できると共に、リチウム金属複合酸化物から更に多くのリチウムイオンが放出され、より多くのリチウムイオンを負極活物質にドープすることができる。
エージング工程において、蓄電装置の加熱温度は、蓄電装置が実使用時に晒されると想定される最も高い温度であることがよい。蓄電装置がリチウムイオンキャパシタである場合には、蓄電装置の温度は70〜90℃がよく、更には75〜85℃が好ましい。蓄電装置がリチウムイオン二次電池である場合には、蓄電装置の温度は50〜70℃がよく、更には55〜65℃が好ましい。蓄電装置の加熱温度が高すぎる場合には、電解液分解等の副反応が生じ、蓄電装置の抵抗が増加するおそれがある。蓄電装置の加熱温度が低すぎる場合には、被膜の安定化や官能基の削減が困難な場合や、リチウム金属複合酸化物からのリチウムイオンの放出量を増やすことが困難な場合がある。
エージング工程において、蓄電装置に印加される電圧(正負極間の電位差)は、実使用時に蓄電装置が晒される電圧の最高値と推定される値であることがよく、具体的には、3.5V以上4.1V以下の範囲の中の所定値がよく、更に3.6V以上4.0V以下の範囲の中の所定値であることが好ましい。エージング工程において、蓄電装置に印加される電圧が高すぎると、電解液分解等の副反応が生じ、蓄電装置の抵抗が増加するおそれがあり、蓄電装置に印加される電圧が過小の場合には、被膜の安定化や官能基の削減が困難な場合や、リチウム金属複合酸化物からのリチウムイオンの放出量を増やすことが困難な場合がある。
蓄電装置を一定の電圧に維持する時間は、蓄電装置がリチウムイオンキャパシタであるか又はリチウムイオン二次電池であるかということと、及び加熱温度によって、好ましい範囲が異なる。
蓄電装置がリチウムイオンキャパシタである場合であって、蓄電装置の加熱温度が75〜85℃(例えば80℃)のとき、蓄電装置を一定の電圧に維持する時間は、1時間以上7時間以下がよく、更には、3時間以上5時間以下であることが好ましい。蓄電装置がリチウムイオン二次電池である場合であって、蓄電装置の加熱温度が55〜65℃(例えば60℃)のとき、蓄電装置を一定の電圧に維持する時間は、10〜30時間がよく、更には15〜25時間が好ましい。
充電工程での初回充電の最終電圧と、エージング工程での電圧とが相違することがある。このため、充電工程とエージング工程との間に、蓄電装置の電圧を調整する調整工程を有することがよい。調整工程は、例えば、エージング工程で蓄電装置が維持される電圧よりも低い電圧まで蓄電装置を放電する放電過程と、エージング工程で蓄電装置が維持される電圧まで蓄電装置を充電する再充電過程とを有するとよい。
本実施形態のプリドープ方法に供される蓄電装置の構成について説明する。蓄電装置は、上記式で表されるリチウム金属複合酸化物及び多孔質炭素材料を含む正極と、負極活物質を有する負極と、電解質とを備えている。本実施形態のプリドープ方法により、正極からリチウムイオンが放出されて、負極活物質にリチウムイオンがドープされる。かかる蓄電装置としては、例えば、リチウムイオンキャパシタ、リチウムイオン二次電池がある。以下、蓄電装置がリチウムイオンキャパシタである場合と、リチウムイオン二次電池である場合に分けて、各蓄電装置の構成について説明する。
(リチウムイオンキャパシタ)
蓄電装置がリチウムイオンキャパシタである場合、蓄電装置は、上記の式で表されるリチウム金属複合酸化物及び多孔質炭素材料を含む正極と、負極活物質を有する負極と、電解質とを備える。
蓄電装置がリチウムイオンキャパシタである場合、蓄電装置は、上記の式で表されるリチウム金属複合酸化物及び多孔質炭素材料を含む正極と、負極活物質を有する負極と、電解質とを備える。
リチウムイオンキャパシタ用の正極は、集電体と、集電体表面を被覆する正極活物質層とからなるとよい。正極活物質層は、上記式で表されるリチウム金属複合酸化物及び多孔質炭素材料を含む正極材料からなることがよい。かかる正極を、Liを含まない負極活物質を有する負極と組み合わせてリチウムイオンキャパシタを構成する。このリチウムイオンキャパシタに充電を行うと、リチウム金属複合酸化物が不可逆的に分解してリチウムイオンを放出する。放出されたリチウムイオンは負極活物質にドープされる。これにより、負極の電位が下がり正負極間の電位差(電圧)が大きくなり、リチウムイオンキャパシタの電圧が高くなる。
正極材料に含まれる多孔質炭素材料は、リチウムイオンキャパシタ用の正極活物質としての機能をもつ場合もある。多孔質炭素材料に正極活物質としての機能をもたせるためには、例えば、多孔質炭素材料として活性炭を用いるとよい。
活性炭としては、キャパシタに使用される公知のものを使用できる。活性炭の原料としては、例えば、木材、ヤシ殻、パルプ廃液、石炭またはその熱分解により得られる石炭系ピッチ、重質油またはその熱分解により得られる石油系ピッチ、フェノール樹脂などが挙げられる。活性炭は、賦活処理されたものであることが好ましい。
活性炭の平均粒径は、特に限定されないが、20μm以下であることが好ましく、3〜15μmであることがより好ましい。 本明細書中、平均粒径とは、レーザー回折式の粒度分布測定で得られる粒度分布における体積基準のメディアン径を意味する。
リチウムイオンキャパシタでは、正極材料には更に正極活物質を含ませてもよい。正極材料に含まれる正極活物質は、リチウムイオンと、電解質塩のアニオンを可逆的に担持できる物質からなるとよい。かかる正極活物質としては、比表面積の大きなものがよく、種々のものが使用できる。例えば、多孔質炭素材料としては、活性炭以外に、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバなどが挙げられる。
正極材料は、更に、結着剤及び/又は導電助剤を含むとよい。導電助剤及び結着剤は、特に限定はなく、リチウムイオンキャパシタで使用可能なものであればよい。正極材料に含まれる結着剤はリチウム金属複合酸化物、多孔質炭素材料及び導電助剤を集電体の表面に繋ぎ止める役割を果たすものである。結着剤としては、通常の電気二重層キャパシタ又はリチウムイオンキャパシタに用いられるものであればよく、結着剤としては、溶剤系結着剤を用いることができる。溶剤系結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride:PVdF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメタクリル酸(PMA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、変性ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が例示される。
正極材料中のリチウム金属複合酸化物、多孔質炭素材料、及び正極活物質の合計質量を1としたとき、正極材料中の結着剤の配合割合は、質量比で、0.005〜0.3であることが好ましい。
正極材料に含まれる導電助剤は、正極の導電性を高めるために添加される。そのため、導電助剤は、正極の導電性が不足する場合に任意に加えればよく、正極の導電性が十分に優れている場合には加えなくても良い。導電助剤としては、通常の電気二重層キャパシタ又はリチウムイオンキャパシタに用いられるものであればよく、炭素質微粒子であるカーボンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)、および各種金属粒子などが例示される。これらの導電助剤を単独または二種以上組み合わせて正極材料に添加することができる。正極材料中のリチウム金属複合酸化物、多孔質炭素材料及び正極活物質の合計質量を1としたとき、正極材料中の導電助剤の配合割合は、質量比で、0.01〜0.5であるのが好ましい。
正極用の集電体は、電気の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子高伝導体をいう。集電体の材料としては、通常の電気二重層キャパシタ又はリチウムイオンキャパシタに用いられるものであればよく、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼を例示することができる。
集電体は箔、シート、フィルム、線状、棒状、メッシュなどの形態をとることができる。そのため、集電体として、例えば、銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を好適に用いることができる。集電体が箔、シート、フィルム形態の場合は、その厚みが1μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
正極活物質層を形成するには、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いて、集電体の表面に正極材料を塗布すればよい。具体的には、リチウム金属複合酸化物及び多孔質炭素材料、並びに、必要に応じて結着剤及び導電助剤を含む正極材料を調製し、この正極材料に適当な溶剤を加えてペースト状にしてから、集電体の表面に塗布後、乾燥する。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メタノール、メチルイソブチルケトンを例示できる。
リチウムイオンキャパシタの負極は、負極活物質を有する。負極は、一般に、集電体と、集電体を被覆している負極活物質層とからなるとよい。負極活物質層は、負極活物質を有する負極材料からなるとよい。リチウムイオンキャパシタの負極材料に用いられる負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る物質からなるとよい。かかる負極活物質としては、例えば、炭素含有物質が挙げられる。炭素含有物質は、天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化炭素などが挙げられる。
負極材料は、負極活物質を有するほか、必要に応じて導電助剤及び結着剤が含まれる。負極材料の導電助剤は、正極材料の導電助剤と同様のものを用いることができる。負極材料の結着剤は通常の電気二重層キャパシタ又はリチウムイオンキャパシタに用いられるものであればよく、溶剤系結着剤及び水系結着剤いずれも用いることができる。溶剤系結着剤としては、正極材料の結着剤と同様のものを用いることができる。水系結着剤とは、水に結着剤を分散又は溶解させた状態で活物質と混合して用いる結着剤を意味する。水系結着剤の代表的なものとしては、ポリアクリル酸(PAA)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウムを挙げることができ、これにカルボキシメチルセルロース(CMC) を混合することもできるし、SBR及び/又はPAAに替えてCMC単独で用いることもできる。また、水系結着剤として、水溶性高分子の架橋体を用いることも可能で、CMC架橋体等の水溶性セルロースエステル架橋体、デンプン/アクリル酸グラフト重合体等を用いることができる。
リチウムイオンキャパシタに用いられる電解質は、例えば、有機溶媒と電解質とを有する非水系電解液であることがよい。非水系電解液に用いられる有機溶媒は、公知のエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどが挙げられる。電解質は、過塩素酸リチウム、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3などのリチウム塩を用いると良い。電解液1リットルの中の電解質の濃度は、0.5mol/L以上1.7mol/L以下であるとよい。
リチウムイオンキャパシタは、必要に応じてセパレータを有していてもよい。セパレータは、一対の正負極間を互いに隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止するためのものである。セパレータとしては、通常の電気二重層キャパシタ又はリチウムイオンキャパシタに用いられるものであればよく、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアラミド(Aromatic polyamide)、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等の合成樹脂、セルロース、アミロース等の多糖類、フィブロイン、ケラチン、リグニン、スベリン等の天然高分子、ガラス繊維、セラミックスなどの電気絶縁性材料を1種若しくは複数種用いた多孔体、不織布、織布などを挙げることができる。また、セパレータは多層構造としてもよい。セパレータの厚みは、5〜100μmが好ましく、10〜80μmがより好ましく、20〜60μmが特に好ましい。
(リチウムイオン二次電池)
本実施形態の蓄電装置がリチウムイオン二次電池である場合、蓄電装置は、上記の式で表されるリチウム金属複合酸化物及び多孔質炭素材料と正極活物質とを含む正極と、負極活物質を有する負極と、電解質とを備える。
本実施形態の蓄電装置がリチウムイオン二次電池である場合、蓄電装置は、上記の式で表されるリチウム金属複合酸化物及び多孔質炭素材料と正極活物質とを含む正極と、負極活物質を有する負極と、電解質とを備える。
リチウムイオン二次電池用の正極は、集電体と、集電体の表面を被覆する正極活物質層とからなるとよい。正極活物質層は、上記式で表されるリチウム金属複合酸化物及び多孔質炭素材料、並びに正極活物質を含む正極材料からなるとよい。かかる正極を、負極活物質を有する負極と組み合わせてリチウムイオン二次電池を構成する。このリチウムイオン二次電池に初回充電を行うと、正極材料中のリチウム金属複合酸化物が不可逆的に分解してリチウムイオンを放出する。放出されたリチウムイオンは負極活物質にドープされ、負極活物質の不可逆容量を補充することができる。
リチウムイオン二次電池の正極材料は、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る正極活物質を有する。リチウムイオン二次電池の正極材料に含まれる正極活物質としては、層状化合物のLiaNibCocMndDeOf(0.2≦a≦1.2、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはLi、Fe、Cr、Cu、Zn、Ca、Mg、S、Si、Na、K、Al、Zr、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、Laから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦2.1)、Li2MnO3を挙げることができる。また、正極活物質として、LiMn2O4等のスピネル、及びスピネルと層状化合物の混合物で構成される固溶体、LiMPO4、LiMVO4又はLi2MSiO4(式中のMはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種から選択される)などで表されるポリアニオン系化合物を挙げることができる。さらに、正極活物質として、LiFePO4FなどのLiMPO4F(Mは遷移金属)で表されるタボライト系化合物、LiFeBO3などのLiMBO3(Mは遷移金属)で表されるボレート系化合物を挙げることができる。正極活物質として用いられるいずれの金属酸化物も上記の組成式を基本組成とすればよく、基本組成に含まれる金属元素を他の金属元素で置換したものも使用可能である。また、正極活物質として、電荷担体(例えば充放電に寄与するリチウムイオン)を含まないものを用いても良い。例えば、硫黄単体(S)、硫黄と炭素を複合化した化合物、TiS2などの金属硫化物、V2O5、MnO2などの酸化物、ポリアニリン及びアントラキノン並びにこれら芳香族を化学構造に含む化合物、共役二酢酸系有機物などの共役系材料、その他公知の材料を用いることもできる。さらに、ニトロキシド、ニトロニルニトロキシド、ガルビノキシル、フェノキシルなどの安定なラジカルを有する化合物を正極活物質として採用してもよい。
リチウムイオン二次電池用の正極活物質層を構成する正極材料を100質量%としたとき、上記式で表されるリチウム金属複合酸化物及び多孔質炭素材料の合計含有量は5質量%以上20質量%以下であることがよい。この場合には、本実施形態のプリドープ方法により十分な量のリチウムイオンを負極活物質にドープすることができる。
リチウムイオン二次電池用の正極活物質層を構成する正極材料を100質量%としたとき、正極活物質の含有量は80質量%以上95質量%以下であることが好ましい。この場合には、初回充電後の充放電において、リチウムウイオン二次電池は十分な容量を発揮できる。
リチウムイオン二次電池の正極を構成している正極材料は、上記式で表されるリチウム金属複合酸化物及び多孔質炭素材料、並びに正極活物質を必須構成要素とし、これら以外に、必要に応じて導電助剤及び結着剤を含んでいても良い。
リチウムイオン二次電池の正極材料に含まれることがある導電助剤及び結着剤、並びに集電体は、リチウムイオンキャパシタの正極材料に用いられる導電助剤及び結着剤並びにリチウムキャパシタに用いられる集電体と同様のものを用いることが可能である。
リチウムイオン二次電池の負極は、集電体、及び集電体の表面に形成され負極材料からなる負極活物質層を有する。負極材料は、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る負極活物質を有する。リチウムイオン二次電池の負極材料の負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能である単体、合金又は化合物であれば特に限定はない。たとえば、負極活物質としてLiや、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、錫などの14族元素、アルミニウム、インジウムなどの13族元素、亜鉛、カドミウムなどの12族元素、アンチモン、ビスマスなどの15族元素、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、銀、金などの11族元素をそれぞれ単体で採用すればよい。ケイ素などを負極活物質に採用すると、ケイ素1原子が複数のリチウムと反応するため、高容量の活物質となるが、リチウムの吸蔵及び放出に伴う体積の膨張及び収縮が顕著となるとの問題が生じるおそれがある。負極活物質の体積変化を抑制するため、ケイ素などの単体に遷移金属などの他の元素を組み合わせた合金又は化合物を負極活物質として採用するのも好適である。合金又は化合物の具体例としては、Ag−Sn合金、Cu−Sn合金、Co−Sn合金等の錫系材料、各種黒鉛などの炭素系材料、ケイ素単体と二酸化ケイ素に不均化するSiOx(0.3≦x≦1.6)などのケイ素系材料、ケイ素単体若しくはケイ素系材料と炭素系材料を組み合わせた複合体が挙げられる。また、負極活物質して、Nb2O5、TiO2、Li4Ti5O12、WO2、MoO2、Fe2O3等の酸化物、又は、Li3−xMxN(M=Co、Ni、Cu)で表される窒化物を採用しても良い。負極活物質として、これらのものの一種以上を使用することができる。
リチウムイオン二次電池の負極材料は、負極活物質だけでなく、必要に応じて導電助剤及び結着剤を含んでいても良い。リチウムイオン二次電池の負極の集電体、並びに負極材料に含まれることがある導電助剤及び結着剤は、リチウムイオンキャパシタの負極の集電体、並びにリチウムイオンキャパシタの負極材料に含まれることがある導電助剤及び結着剤と同様のものを用いることができる。リチウムイオン二次電池の電解質は、リチウムイオンキャパシタの電解質と同様のものを用いることができる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、必要に応じてセパレータを用いても良い。リチウムイオン二次電池のセパレータは、リチウムイオンキャパシタのセパレータと同様のものを用いることができる。
(蓄電装置)
本実施形態の蓄電装置が、リチウムイオンキャパシタ及びリチウムイオン二次電池のいずれであっても、正極および負極に必要に応じてセパレータを挟装させ電極体とする。電極体は、正極、セパレータ及び負極を重ねた積層型、又は、正極、セパレータ及び負極を捲いた捲回型のいずれの型にしても良い。蓄電装置の形状は特に限定されるものでなく、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等、種々の形状を採用することができる。
本実施形態の蓄電装置が、リチウムイオンキャパシタ及びリチウムイオン二次電池のいずれであっても、正極および負極に必要に応じてセパレータを挟装させ電極体とする。電極体は、正極、セパレータ及び負極を重ねた積層型、又は、正極、セパレータ及び負極を捲いた捲回型のいずれの型にしても良い。蓄電装置の形状は特に限定されるものでなく、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等、種々の形状を採用することができる。
本実施形態の蓄電装置が、リチウムイオンキャパシタ及びリチウムイオン二次電池のいずれであっても、蓄電装置は、車両に搭載してもよい。車両は、その動力源の全部あるいは一部に蓄電装置による電気エネルギーを使用している車両であればよく、たとえば、電気車両、ハイブリッド車両などであるとよい。蓄電装置を搭載する機器としては、車両以外にも、パーソナルコンピュータ、携帯通信機器など、電池で駆動される各種の家電製品、オフィス機器、産業機器などが挙げられる。さらに、本実施形態の蓄電装置は、風力発電、太陽光発電、水力発電その他電力系統の蓄電装置及び電力平滑化装置、船舶等の動力及び/又は補機類の電力供給源、航空機、宇宙船等の動力及び/又は補機類の電力供給源、電気を動力源に用いない車両の補助用電源、移動式の家庭用ロボットの電源、システムバックアップ用電源、無停電電源装置の電源、電動車両用充電ステーションなどにおいて充電に必要な電力を一時蓄える蓄電装置に用いてもよい。
(キャパシタM1)
<Li6MnO4の合成>
MnOとLi2Oを1:3のモル比で混合し、2容量%水素−98容量%アルゴンの混合ガス(還元雰囲気)の中で、800℃で6時間焼成した。これにより、Li6MnO4からなるLi6MnO4粉末を合成した。合成されたLi6MnO4粉末は、逆蛍石構造を有していた。
<Li6MnO4の合成>
MnOとLi2Oを1:3のモル比で混合し、2容量%水素−98容量%アルゴンの混合ガス(還元雰囲気)の中で、800℃で6時間焼成した。これにより、Li6MnO4からなるLi6MnO4粉末を合成した。合成されたLi6MnO4粉末は、逆蛍石構造を有していた。
<正極の作製>
合成されたLi6MnO4粉末、活性炭(比表面積2200m2/g)、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB、比表面積540m2/g)、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)を、Li6MnO4粉末:活性炭:AB:PVdF=64:16:10:10の配合割合(質量比)で混練して正極材料を得た。正極材料において、Li6MnO4粉末と活性炭の含有比は、Li6MnO4粉末:活性炭=80:20であった。
合成されたLi6MnO4粉末、活性炭(比表面積2200m2/g)、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB、比表面積540m2/g)、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)を、Li6MnO4粉末:活性炭:AB:PVdF=64:16:10:10の配合割合(質量比)で混練して正極材料を得た。正極材料において、Li6MnO4粉末と活性炭の含有比は、Li6MnO4粉末:活性炭=80:20であった。
正極材料に、溶剤としてNMP(N−メチル−2−ピロリドン)を添加してスラリーとした。スラリーを、集電体としてのアルミニウム箔片面に塗布した。スラリーを塗布したアルミニウム箔を、ホットプレートにて100℃、30分間乾燥し、更に、真空乾燥炉で130℃、24時間真空乾燥した。これにより、集電体表面に正極活物質層を有する正極を得た。正極の目付は5mg/cm2(50g/m2)であった。
<負極の作製>
負極活物質としての難黒鉛化炭素、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)、結着剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)を、難黒鉛化炭素:AB:CMC:SBR=87:5:3:5の配合割合(質量比)で混合して、負極材料を得た。
負極活物質としての難黒鉛化炭素、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)、結着剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)を、難黒鉛化炭素:AB:CMC:SBR=87:5:3:5の配合割合(質量比)で混合して、負極材料を得た。
負極材料に、溶剤としてNMP(N−メチル2−ピロリドン)を添加してスラリーとした。スラリーを、集電体としての銅箔片面に塗布した。スラリーを塗布した銅箔を、ホットプレートにて100℃、30分間乾燥し、更に、真空乾燥炉で130℃、24時間真空乾燥した。これにより、銅箔表面に負極活物質層を有する負極を得た。負極の目付は1.5mg/cm2(15g/m2)であった。負極の目付に対する正極の目付は3.3倍であった。
<リチウムイオンキャパシタの製造>
ポリカーボネートに、1.2モル/Lの濃度となるようにLiPF6(電解質)を溶解させて、電解液を得た。セパレータとして厚み25μmの不織布を準備した。正極(作用極)と負極(対極)との間に、リチウム金属シート(参照極)を配置し、更に正極とリチウム金属シートとの間、リチウム金属シートと負極との間にそれぞれ厚み25μmの不織布を積層して単層電極体を得た。
ポリカーボネートに、1.2モル/Lの濃度となるようにLiPF6(電解質)を溶解させて、電解液を得た。セパレータとして厚み25μmの不織布を準備した。正極(作用極)と負極(対極)との間に、リチウム金属シート(参照極)を配置し、更に正極とリチウム金属シートとの間、リチウム金属シートと負極との間にそれぞれ厚み25μmの不織布を積層して単層電極体を得た。
単層電極体を二枚一組のラミネートフィルムで覆い、三辺をシールして袋状とした。袋状となったラミネートフィルムに上記の電解液を注入した。その後、残りの一辺をシールすることで、四辺が気密にシールされ、単層電極体および電解液が密閉された単層ラミネートセルを得た。
正極、負極及びリチウム金属シートは外部と電気的に接続可能なタブを備え、このタブの一部は単層ラミネートセルの外側に延出した。以上の工程で、単層ラミネートセル(3極式)のリチウムイオンキャパシタを得た。
<負極の充電曲線>
負極(活物質は難黒鉛化炭素)の充電曲線を得るために、当該負極と対極リチウム金属箔と電解液を用いてハーフセルを組んだ。電解液は、上記リチウムイオンキャパシタで用いられている電解液と同様とした。ハーフセルについて0.05CでCC充電の充電条件で充電することで、負極の容量と電位の動向、即ち負極の充電曲線を取得した。負極の充電曲線では、図1に示すように、充電直後は容量増加に伴って急激に電位が降下したが、次第に容量増加に伴う電位の変化率が小さくなった。負極の電位が0.1V以下になった場合には、充電曲線の傾斜が緩くほぼ横ばいになっていることを確認した。負極の電位が0.1V以下になっていれば、CV充電に切り替えた場合に、正極の電位が負極の電位低下に伴って低下する量が少ないことがわかった。負極の満充電容量(負極に充電できる最大容量)は456mAh/gであった。3Vは、リチウムイオンキャパシタの初回充電前の負極の電位であり、0.001Vは初回充電終了時の負極の電位である。
負極(活物質は難黒鉛化炭素)の充電曲線を得るために、当該負極と対極リチウム金属箔と電解液を用いてハーフセルを組んだ。電解液は、上記リチウムイオンキャパシタで用いられている電解液と同様とした。ハーフセルについて0.05CでCC充電の充電条件で充電することで、負極の容量と電位の動向、即ち負極の充電曲線を取得した。負極の充電曲線では、図1に示すように、充電直後は容量増加に伴って急激に電位が降下したが、次第に容量増加に伴う電位の変化率が小さくなった。負極の電位が0.1V以下になった場合には、充電曲線の傾斜が緩くほぼ横ばいになっていることを確認した。負極の電位が0.1V以下になっていれば、CV充電に切り替えた場合に、正極の電位が負極の電位低下に伴って低下する量が少ないことがわかった。負極の満充電容量(負極に充電できる最大容量)は456mAh/gであった。3Vは、リチウムイオンキャパシタの初回充電前の負極の電位であり、0.001Vは初回充電終了時の負極の電位である。
<プリドープ>
上記で得たリチウムイオンキャパシタに初回充電をする充電工程を行った。充電工程では、A方法を採用した。A方法は、図1に示すように、負極の充電曲線が横ばいになったときに、CC充電からCV充電に切り替える方法である。充電工程では、常温、0.05CレートでCC充電を行うことにより正極の電位が3Vから4.2VになるまでCC充電過程を行った。充電工程では、4.201Vが正極の最高電位となる。正極の電位が4.201Vに到達したときに負極の電位は0.076Vであり、正負極間の電位差(電圧)が4.1V以上となることを確認した。
上記で得たリチウムイオンキャパシタに初回充電をする充電工程を行った。充電工程では、A方法を採用した。A方法は、図1に示すように、負極の充電曲線が横ばいになったときに、CC充電からCV充電に切り替える方法である。充電工程では、常温、0.05CレートでCC充電を行うことにより正極の電位が3Vから4.2VになるまでCC充電過程を行った。充電工程では、4.201Vが正極の最高電位となる。正極の電位が4.201Vに到達したときに負極の電位は0.076Vであり、正負極間の電位差(電圧)が4.1V以上となることを確認した。
CC充電過程終了後において、CC充電からCV充電に切り替えた。切替時の負極の電位の変化量は、単位容量当たり、0.0015V/mAh/g未満であった。CV充電時の電圧は、CC充電終了時の正負極間の電位差(電圧)とした。具体的には、キャパシタM1のリチウムイオンキャパシタでは、CV充電において、常温で4.1V以上の正負極間の電位差を一定に維持した。CV充電過程終了時において、正極の電位は、4.195Vであり、負極の電位は0.07Vであった。CC充電過程では約20時間、CV充電過程では約7時間を要し、充電工程全体では、約27時間を要した。充電工程により、正極のLi6MnO4からリチウムイオンが放出され、放出されたリチウムイオンは負極にドープされた。リチウムのプリドープ後のリチウムイオンキャパシタをキャパシタM1とした。
<活性炭の充電容量の測定>
Li6MnO4を含んでいない活性炭のみの正極と、キャパシタM1の負極及び電解液を有する単層ラミネートセルを組んで3Vから4.21Vまで充電を行った。このときの正極(活性炭)の吸着容量と正極電位との動向を観測した。吸着容量と正極電位は正比例の関係をもつ。活性炭の電位が3Vから4.21Vになるまで充電したときの活性炭の充電容量は56.04mAh/gであった。
Li6MnO4を含んでいない活性炭のみの正極と、キャパシタM1の負極及び電解液を有する単層ラミネートセルを組んで3Vから4.21Vまで充電を行った。このときの正極(活性炭)の吸着容量と正極電位との動向を観測した。吸着容量と正極電位は正比例の関係をもつ。活性炭の電位が3Vから4.21Vになるまで充電したときの活性炭の充電容量は56.04mAh/gであった。
<充電容量の測定>
初回充電時のキャパシタM1のLi6MnO4重量当たりの充電容量を測定した。この測定にあたって、キャパシタM1の参照極により負極の電位を観測した。参照極により観測されたキャパシタM1の負極の電位を、上記<負極の充電曲線>で作成した負極の充電曲線にプロットすることで、負極の容量を把握した。初回充電時において、正極から放出されたリチウムイオン量(容量)は負極に吸着されるリチウムイオン量(容量)に等しいため、負極の容量は正極の充電容量として見積もった。負極の容量から見積もられた正極の充電容量から、上記で取得した活性炭の充電容量を差し引くことでLi6MnO4の充電容量が得られる。Li6MnO4の充電容量をLi6MnO4の重量で割ることで、Li6MnO4の重量当たりの充電容量を求めた。Li6MnO4の重量当たりの充電容量は、Li6MnO4からどれだけの充電容量が得られたか、Li6MnO4からどれだけのリチウムイオンが放出されたかを示している。求めたキャパシタM1の初回充電時のLi6MnO4の重量当たりの充電容量は、490.2mAh/gであった。
初回充電時のキャパシタM1のLi6MnO4重量当たりの充電容量を測定した。この測定にあたって、キャパシタM1の参照極により負極の電位を観測した。参照極により観測されたキャパシタM1の負極の電位を、上記<負極の充電曲線>で作成した負極の充電曲線にプロットすることで、負極の容量を把握した。初回充電時において、正極から放出されたリチウムイオン量(容量)は負極に吸着されるリチウムイオン量(容量)に等しいため、負極の容量は正極の充電容量として見積もった。負極の容量から見積もられた正極の充電容量から、上記で取得した活性炭の充電容量を差し引くことでLi6MnO4の充電容量が得られる。Li6MnO4の充電容量をLi6MnO4の重量で割ることで、Li6MnO4の重量当たりの充電容量を求めた。Li6MnO4の重量当たりの充電容量は、Li6MnO4からどれだけの充電容量が得られたか、Li6MnO4からどれだけのリチウムイオンが放出されたかを示している。求めたキャパシタM1の初回充電時のLi6MnO4の重量当たりの充電容量は、490.2mAh/gであった。
<N/P比>
蓄電装置における初回充電時に、単位重量あたりの負極活物質に実際に充電された容量は、蓄電装置における初回充電時の、負極活物質単位重量に換算した正極充電容量に等しい。初回充電時の負極活物質単位重量に換算した正極の充電容量(P)とし、負極活物質単位重量当たりの負極の満充電容量(N)との比(N/P)を以下のようにして求めた。
蓄電装置における初回充電時に、単位重量あたりの負極活物質に実際に充電された容量は、蓄電装置における初回充電時の、負極活物質単位重量に換算した正極充電容量に等しい。初回充電時の負極活物質単位重量に換算した正極の充電容量(P)とし、負極活物質単位重量当たりの負極の満充電容量(N)との比(N/P)を以下のようにして求めた。
・活性炭の充電容量(A):56.04mAh/g
・初回充電時のLi6MnO4の重量当たりの充電容量(B):490.2mAh/g
・正極活物質層中の活性炭及びLi6MnO4の合計質量に対する活性炭の比率(a):0.8
・正極活物質層中の活性炭及びLi6MnO4の合計質量に対するLi6MnO4の比率(b):0.2
・正極活物質層中の活性炭及びLi6MnO4の合計質量の比率(ab):0.8
・負極の目付に対する正極の目付の比:3.3倍
・初回充電時の正極の充電容量=[(A×a)+(B×b)]×ab=[(56.04(mAh/g)×0.8)+(490.2(mAh/g)×0.2)]×0.8=114.3(mAh/g)
・初回充電時の負極活物質単位重量に換算した正極の充電容量=正極の充電容量×負極の目付に対する正極の目付=114.3×3.3=377(mAh/g(負極活物質単位重量換算))
・負極活物質単位重量当たりの負極の満充電容量:456mAh/g
・初回充電時の負極活物質単位重量に換算した正極の充電容量をPとし、負極活物質単位重量当たりの負極の満充電容量をNとしたとき、N/P比は456/377=1.21
・初回充電時のLi6MnO4の重量当たりの充電容量(B):490.2mAh/g
・正極活物質層中の活性炭及びLi6MnO4の合計質量に対する活性炭の比率(a):0.8
・正極活物質層中の活性炭及びLi6MnO4の合計質量に対するLi6MnO4の比率(b):0.2
・正極活物質層中の活性炭及びLi6MnO4の合計質量の比率(ab):0.8
・負極の目付に対する正極の目付の比:3.3倍
・初回充電時の正極の充電容量=[(A×a)+(B×b)]×ab=[(56.04(mAh/g)×0.8)+(490.2(mAh/g)×0.2)]×0.8=114.3(mAh/g)
・初回充電時の負極活物質単位重量に換算した正極の充電容量=正極の充電容量×負極の目付に対する正極の目付=114.3×3.3=377(mAh/g(負極活物質単位重量換算))
・負極活物質単位重量当たりの負極の満充電容量:456mAh/g
・初回充電時の負極活物質単位重量に換算した正極の充電容量をPとし、負極活物質単位重量当たりの負極の満充電容量をNとしたとき、N/P比は456/377=1.21
上記の計算に基づいて、プリドープの初回充電時の正極及び負極の充電曲線のモデル図を作成し、図3に示した。CC充電終了時には、負極の電位が0.1V以下となっているため、充電曲線の傾斜が緩くほぼ横ばいになっている。CV充電に切り替えた場合に、正極の電位が負極の電位低下に伴って低下する量が少ない。CV充電終了時の正極の電位はCV充電開始時の正極電位とさほど変わらない。このため、CV充電時にも、更にLi6MnO4からリチウムイオンを放出させることができ、大きな充電容量が得られる。
図4には、プリドープ後のキャパシタM1について2.4V−3.81Vの間で充放電を繰り返した場合の充放電曲線のモデルを例示した。プリドープ時にLi6MnO4は分解するため、プリドープ後の充放電時(実使用時)には正極にLi6MnO4がほとんどなくなっている。正極では、活性炭に電解液のアニオンが吸脱着する。正極の電位は容量と比例関係をもつ。負極では、リチウムイオンのドープにより電位が下がり、一般のキャパシタよりも電圧と静電容量が大きくなっている。
キャパシタM1には、リチウム参照極が挿入されていたが、充放電を繰り返すうちに、リチウム金属が溶出してリチウム参照極はなくなる。実使用時には、キャパシタM1の外部で電圧を管理すればよく、参照極は不要となる。キャパシタM1はそのまま製品とすることが可能である。
(キャパシタM2〜M4)
キャパシタM2〜M4の製造方法については、プリドープの充電工程での正極の最高電位が、キャパシタM1の製造方法におけるプリドープの充電工程での正極の最高電位と相違する。充電工程での正極の最高電位は、キャパシタM2では4.35V、キャパシタM3では4.05V、キャパシタM4では3.9Vとした。キャパシタM2〜M4の製造方法において、プリドープの充電工程は、キャパシタM1の製造方法の充電工程と同様に、A方法を採用した。
キャパシタM2〜M4の製造方法については、プリドープの充電工程での正極の最高電位が、キャパシタM1の製造方法におけるプリドープの充電工程での正極の最高電位と相違する。充電工程での正極の最高電位は、キャパシタM2では4.35V、キャパシタM3では4.05V、キャパシタM4では3.9Vとした。キャパシタM2〜M4の製造方法において、プリドープの充電工程は、キャパシタM1の製造方法の充電工程と同様に、A方法を採用した。
また、キャパシタM2〜M4の正極及び負極の目付について、表1に示した。キャパシタM2〜M4の製造方法についてその他の点は、キャパシタM1と同様である。
キャパシタM2〜M4のLi6MnO4の重量当たりの充電容量について、キャパシタM1の<充電容量の測定>と同様に測定し、表1に示した。
(キャパシタS1)
キャパシタS1は、正極材料に活性炭が含まれていない点で、キャパシタM1と相違する。合成されたLi6MnO4粉末、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)、及び結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)を、Li6MnO4粉末:AB:PVdF=50:40:10の配合割合(質量比)で混練して正極材料を得た。ここで、キャパシタS1の正極材料において導電助剤(AB)量が多いのは、Li6MnO4粉末自身の導電性が不十分なためである。キャパシタS1において、正極材料を用いて、キャパシタM1の正極の製造方法と同様に正極を作製した。キャパシタS1の正極の目付は、キャパシタM1の正極の目付と同様とした。
キャパシタS1は、正極材料に活性炭が含まれていない点で、キャパシタM1と相違する。合成されたLi6MnO4粉末、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)、及び結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)を、Li6MnO4粉末:AB:PVdF=50:40:10の配合割合(質量比)で混練して正極材料を得た。ここで、キャパシタS1の正極材料において導電助剤(AB)量が多いのは、Li6MnO4粉末自身の導電性が不十分なためである。キャパシタS1において、正極材料を用いて、キャパシタM1の正極の製造方法と同様に正極を作製した。キャパシタS1の正極の目付は、キャパシタM1の正極の目付と同様とした。
キャパシタM1の負極材料を用いて、キャパシタM1と同様の方法で、キャパシタS1の負極を作製した。キャパシタS1の負極の目付は、2.0mg/cm2(20g/m2)であった。
キャパシタS1の正極を用いて、キャパシタM1のリチウムイオンキャパシタの製造方法と同様に、リチウムイオンキャパシタを作製した。作製されたリチウムイオンキャパシタについて、キャパシタM1の<プリドープ>と同様にリチウムイオンのプリドープを行い、キャパシタS1を得た。キャパシタM1の<充電容量の測定>と同様にして、初回充電時のキャパシタS1のLi6MnO4重量当たりの充電容量を測定し、表1に示した。
(キャパシタS2〜S4)
キャパシタS2〜S4の製造方法においては、プリドープの充電工程での正極の最高電位が、キャパシタS1の製造方法におけるプリドープの充電工程での正極の最高電位が相違する。充電工程での正極の最高電位は、キャパシタS2では4.35V、キャパシタS3では4.06V、キャパシタS4では3.9Vとした。キャパシタS2〜S4の製造方法において、プリドープの充電工程は、キャパシタS1の製造方法と同様に、A方法を採用した。
キャパシタS2〜S4の製造方法においては、プリドープの充電工程での正極の最高電位が、キャパシタS1の製造方法におけるプリドープの充電工程での正極の最高電位が相違する。充電工程での正極の最高電位は、キャパシタS2では4.35V、キャパシタS3では4.06V、キャパシタS4では3.9Vとした。キャパシタS2〜S4の製造方法において、プリドープの充電工程は、キャパシタS1の製造方法と同様に、A方法を採用した。
キャパシタS2〜S4の正極及び負極の目付について、表1に示した。キャパシタS2〜S4の製造方法についてその他の点は、キャパシタS1と同様である。
キャパシタS2〜S4のLi6MnO4重量当たりの充電容量について、キャパシタM1の<充電容量の測定>と同様に測定した。
各キャパシタS1〜S4(正極材料が活性炭を含まずLi6MnO4を含む)のLi6MnO4重量当たりの充電容量に対する各キャパシタM1〜M4(正極材料が活性炭及びLi6MnO4を含む)のLi6MnO4重量当たりの充電容量の比率を算出し、表1に示した。
上記の結果から、同じ充電電位の場合、活性炭とLi6MnO4を混合したものを正極に用いたキャパシタM1〜M4が、活性炭を含まずLi6MnO4を含む正極を用いたキャパシタS1〜S4に比べて、それぞれ大きな充電容量を得ることがわかった。この効果は特に正極の最高電位が4.06V、4.2Vである場合に顕著であった。
正極の最高電位が4.35Vである場合には、電解液分解等の副反応が生じた。上記の各種キャパシタとは別に、正極の最高電位が4.5Vである場合について予備実験をしたところ、活性炭とLi6MnO4を混合したものを正極に用いたキャパシタは、電解液分解反応が激しく、Li6MnO4単独の場合よりも充電容量は小さくなった。
正極の最高電位を4.2Vとする充電であっても、Li6MnO4の理論容量1001mAh/gのうちの約半分を取り出すことが可能であることがわかった。
(キャパシタM1E)
上記キャパシタM1について、更に調整工程及びエージング工程を行った。上記キャパシタM1は、正極の最高電位が4.2Vとなる条件で充電工程を行って得られたキャパシタである。キャパシタM1に対して、引き続き、調整工程及びエージング工程を行った。
上記キャパシタM1について、更に調整工程及びエージング工程を行った。上記キャパシタM1は、正極の最高電位が4.2Vとなる条件で充電工程を行って得られたキャパシタである。キャパシタM1に対して、引き続き、調整工程及びエージング工程を行った。
調整工程では、キャパシタM1について3Vまで放電させた。次に、常温で1CのCC充電を正極の電位が3.9Vに到達するまで行った。
続いて、エージング工程において、キャパシタM1を80℃の雰囲気に収容した。キャパシタM1について、80℃の雰囲気において、3.9Vに電圧を維持するCV充電を3時間行った。これにより、キャパシタM1Eを得た。
得られたキャパシタM1EのLi6MnO4の重量当たりの充電容量について、キャパシタM1の<充電容量の測定>と同様に測定した。測定の結果、表2に示すように、キャパシタM1EのLi6MnO4重量当たりの充電容量は、キャパシタM1のLi6MnO4重量当たりの充電容量よりも、220mAh/g増加した。
<キャパシタM4E>
上記キャパシタM4について、更に、キャパシタM1Eと同様に、調整工程及びエージングを行った。これにより、キャパシタM4Eを得た。得られたキャパシタM4EのLi6MnO4の重量当たりの充電容量について、キャパシタM1の<充電容量の測定>と同様に測定した。測定の結果、表2に示すように、キャパシタM4EのLi6MnO4の重量当たりの充電容量は、キャパシタM4のLi6MnO4重量当たりの充電容量よりも、300mAh/g増加した。
上記キャパシタM4について、更に、キャパシタM1Eと同様に、調整工程及びエージングを行った。これにより、キャパシタM4Eを得た。得られたキャパシタM4EのLi6MnO4の重量当たりの充電容量について、キャパシタM1の<充電容量の測定>と同様に測定した。測定の結果、表2に示すように、キャパシタM4EのLi6MnO4の重量当たりの充電容量は、キャパシタM4のLi6MnO4重量当たりの充電容量よりも、300mAh/g増加した。
以上より、充電工程後に更に、80℃で3.9Vに3時間維持するエージング工程を行うことにより、Li6MnO4重量当たりの充電容量が更に高くなることがわかった。その理由は、温度が更に80℃と高いため、Li6MnO4の活性が上がり、分解反応が起きやすくなったためであると推定される。
初回充電において正極の最高電位が電解液分解等の副反応を最小限に抑えられる4.2V以下であっても、充電工程とエージング工程とを行うことで合計710mAh/gの容量のドープが可能であることがわかった。
なお、充電工程においてキャパシタM1,M4についてCV充電の時間を延ばしても、Li6MnO4重量当たりの充電容量はたいして増加しなかった。
(キャパシタM5)
キャパシタM5は、正極材料に含まれているLi6MnO4粉末が炭素コートされている点で、キャパシタM1と相違する。
キャパシタM5は、正極材料に含まれているLi6MnO4粉末が炭素コートされている点で、キャパシタM1と相違する。
キャパシタM1の<Li6MnO4の合成>と同様にLi6MnO4粉末を合成した後に、CVD(化学蒸着)法により炭素被覆処理を行った。CVD法を行うにあたって、Li6MnO4粉末をロータリーキルンに入れ、フローガスとして80体積%アルゴンガス及び20体積%プロパンガス(炭素源)をキルン内に導入した。キルン内の処理温度は650℃以上とした。処理時間は、30分間とした。これにより炭素被覆Li6MnO4粉末を得た。炭素被覆Li6MnO4粉末において、Li6MnO4と炭素の質量比は、98:2であった。
炭素被覆Li6MnO4粉末を用いて、キャパシタM1と同様の方法で正極を作製した。正極の目付は、5.0mg/cm2であった。また、キャパシタM1の負極材料を用いて負極を作製した。負極の目付は、1.5mg/cm2であった。得られた正極及び負極を用いて、キャパシタM1と同様にリチウムイオンキャパシタを作製した。
リチウムイオンキャパシタについて、キャパシタM1と同様にプリドープを行った。即ち、プリドープでは、A方法を採用した。A方法は、図1に示すように、負極の充電曲線が横ばいになったときに、CC充電からCV充電に切り替える方法である。具体的には、充電工程において、0.05CでCC充電過程を行った。正極電位が4.2Vに到達し、負極の電位が0.1V以下になった時に、CV充電に切り替えた。切替時の負極の電位の変化量は、単位容量当たり、0.0015V/mAh/g未満であった。切替後、CC充電過程終了時の電圧(4.125V)を維持するCV充電過程を行った。負極の充電曲線において、負極の電位は0.1Vのときは、ほぼ横ばいになっている。CC充電過程は約20時間、CV充電過程は約7時間を要した。CV充電過程終了時の正極の電位は、4.195Vであり、負極の電位は、0.07Vであった。これにより、キャパシタM5を得た。
キャパシタM5のLi6MnO4重量当たりの充電容量についてキャパシタM1の<充電容量の測定>と同様に測定した結果、556.1mAh/gであった。また、負極活物質単位重量に換算した正極の充電容量、負極の満充電容量、及びN/P比について、キャパシタM1の<初回充電時の正負極の満充電容量>と同様に計算し、表3に示した。
(キャパシタM6)
キャパシタM6の製造方法は、プリドープの充電工程においてB方法を採用した点で、キャパシタM5の製造方法と相違する。
キャパシタM6の製造方法は、プリドープの充電工程においてB方法を採用した点で、キャパシタM5の製造方法と相違する。
キャパシタM6の正極の目付は、5.0mg/cm2とし、負極の目付は、2.0mg/cm2とした。その他は、キャパシタM5のリチウムイオンキャパシタと同様の方法でリチウムイオンキャパシタを製造した。
製造したリチウムイオンキャパシタについて、リチウムのプリドープを行った。リチウムのプリドープでは、B方法を採用した。B方法は、図2に示すように、負極の充電曲線が横ばいになる前に、CC充電からCV充電に切り替える方法である。具体的には、充電工程において、0.05CのCC充電過程を行った。CC充電過程終了時の正極の電位は4.203Vであり、負極の電位は0.303Vであり、正負極間の電位差(電圧)は3.9Vであった。負極の充電曲線において、負極の電位が0.303Vのときには、負極の電位はまだ大きく下がる余地がある状態である。
その後、CC充電からCV充電に切り替えた。切替時の負極の電位の変化量は、単位容量当たり、0.01V/mAh/g以上であった。切替後、電圧を3.9Vに維持するCV充電過程を行った。CC充電過程は約20時間、CV充電過程は約7時間を要した。CV充電過程終了時の正極の電位は4.158Vであり、負極の電位は、0.258Vであった。これにより、キャパシタM6を得た。
キャパシタM6のLi6MnO4重量当たりの充電容量についてキャパシタM1の<充電容量の測定>と同様に測定した結果、490.2mAh/gであった。また、負極活物質単位重量に換算した正極の充電容量、負極の満充電容量、及びN/P比について、キャパシタM1の<初回充電時の正負極の満充電容量>と同様に計算し、表3に示した。
上記の結果より、充電工程でA方法を採用した場合には、B方法を採用した場合に比べて、より多くの充電容量をLi6MnO4から引き出すことができた。CC充電からCV充電に切り替えるタイミングを、負極電位が横ばいになったときにした方が、負極電位が横ばいになる前にした場合に比べて、より多くのリチウムイオンを負極にプリドープすることができることがわかった。
これに対して、充電工程でB方法を採用した場合には、CV充電終了後の正極の電位が、A方法を採用した場合に比べて低かった。B方法では、負極の電位が横ばいになる前にCV充電に切り替えているため、CV充電時に負極の容量増加に対する電位の降下度合がA方法に比べて大きく、正極の電位が負極の電位の降下に引きずられて小さくなった。このため、B方法は、A方法に比べて、CC充電からCV充電への切り替えの前後で正極近傍が高い電位に晒される時間が短く、正極近傍で電極分解などの副反応が生じ難く、キャパシタの抵抗が低いと推定される。
(キャパシタM7〜M11)
キャパシタM7〜M11の正極に含まれているLi6MnO4粉末は、キャパシタM5の正極に含まれているLi6MnO4粉末と同様に、炭素コートがされている。
キャパシタM7〜M11の正極に含まれているLi6MnO4粉末は、キャパシタM5の正極に含まれているLi6MnO4粉末と同様に、炭素コートがされている。
また、キャパシタM7〜M11の製造方法については、プリドープの充電工程での正極の最高電位が、キャパシタM1の製造方法におけるプリドープの充電工程での正極の最高電位が相違する。充電工程での正極の最高電位は、キャパシタM7では4V、キャパシタM8では4.1V、キャパシタM9では4.25V、キャパシタM10では4.35V,キャパシタM11では4.5Vとした。キャパシタM7〜M11の製造方法において、プリドープの充電工程は、キャパシタM1の製造方法と同様に、A方法を採用した。キャパシタM7〜M11について、充電工程での正極の最高電位を表4に示した。
また、キャパシタM7〜M11の正極及び負極の目付について、表4に示した。キャパシタM7〜M11の製造方法についてそのほかの点は、キャパシタM1と同様である。
キャパシタM7〜M11のLi6MnO4重量当たりの充電容量について、キャパシタM1の<充電容量の測定>と同様に測定した。測定回数は、各キャパシタで、2回であった。表4には、2回の測定値の平均値を示した。
また、キャパシタM7〜M11の充電抵抗について測定した。各キャパシタの充電抵抗を測定するために、まず、各キャパシタを3.8Vまで放電させた。各キャパシタを1CでCC充電を10秒間行った。このときの各キャパシタの電圧増加量を測定した。電圧増加量の測定は3回行い、その平均値を求めた。V(電圧)=I(電流量)×R(抵抗)の式を用いて、電圧増加量の平均値から抵抗を求めた。求めた抵抗を、キャパシタの充電抵抗とし、表4に示した。
(キャパシタM9B)
キャパシタM9Bの製造方法は、プリドープの充電工程においてB方法を採用した点が、キャパシタM9の製造方法と相違する。
キャパシタM9Bの製造方法は、プリドープの充電工程においてB方法を採用した点が、キャパシタM9の製造方法と相違する。
キャパシタM9Bの製造方法において、プリドープの充電工程において、0.05CのCC充電過程を行った。CC充電過程終了時の正極の電位は4.28Vであり、負極の電位は0.28Vであり、正負極間の電位差(電圧)は4.0Vであった。負極の充電曲線において、負極の電位が0.28Vのときには、負極の電位はまだ大きく下がる余地がある状態である。
その後、CC充電からCV充電に切り替えて、4.0V電圧を維持するCV充電過程を行った。
キャパシタM9BのLi6MnO4重量当たりの充電容量及びキャパシタM9Bの充電抵抗について、キャパシタM7〜M11と同様に測定した。測定結果を表4に示した。
また、図5には、キャパシタM7〜M11、M9Bの正極の最高電位と充電抵抗の関係を示した。図6には、キャパシタM7〜M11、M9BのLi6MnO4重量当たりの充電容量と充電抵抗の関係を示した。
上記の結果より、プリドープの充電工程での正極の最高電位が4.0V、4.1V,4.25Vの場合(キャパシタM8、M9、M9B)については、充電容量が高く、且つ抵抗も低かった。充電工程でA方法を採用した場合(キャパシタM9)には、B方法を採用した場合(キャパシタM9B)に比べて、充電容量が大きかった。B方法を採用した場合には、A方法を採用した場合に比べて、抵抗が低かった。
プリドープの充電工程での正極の最高電位が4.35V、4.5Vの場合(キャパシタM10、M11)については、充電容量は高かったが、抵抗が著しく高かった。プリドープの充電工程での正極の最高電位が4.0Vの場合(キャパシタM7)については、抵抗は低かったが、充電容量が著しく低かった。
(キャパシタM12)
また、キャパシタM12は、正極材料の中の活性炭とLi6MnO4粉末との質量比が60:40である点を除いて、キャパシタM8と同様である。
また、キャパシタM12は、正極材料の中の活性炭とLi6MnO4粉末との質量比が60:40である点を除いて、キャパシタM8と同様である。
キャパシタM12の正極材料に含まれているLi6MnO4粉末は、キャパシタM8の正極材料に含まれているLi6MnO4粉末と同様に、炭素コートがされている。
また、キャパシタM12の抵抗を、キャパシタM7〜M11と同様に測定し、表5及び表6に示した。
また、キャパシタM12についてサイクル試験を行い、試験後の容量維持率を測定した。サイクル試験は、60℃で、電圧範囲2.2V〜3.8Vで充電と放電を繰り返した。充電及び放電とも1Cの定電流を流した。充電及び放電を1サイクルとし、これを100サイクル行った。サイクル試験の前後で、キャパシタの放電容量を測定した。容量維持率は、100×(100サイクル後の放電容量)/(サイクル前の放電容量)により算出した。各キャパシタM12の容量維持率を表5及び表6に示した。
(キャパシタM13)
キャパシタM13は、正極材料の中の活性炭とLi6MnO4粉末との質量比が、活性炭:Li6MnO4粉末=90:10である点を除いて、キャパシタM10と同様である。
キャパシタM13は、正極材料の中の活性炭とLi6MnO4粉末との質量比が、活性炭:Li6MnO4粉末=90:10である点を除いて、キャパシタM10と同様である。
キャパシタM13の抵抗及びサイクル試験後の容量維持率を、キャパシタM12と同様に測定し、表5及び表6に示した。
(キャパシタM14)
キャパシタM14は、正極材料の中の活性炭とLi6MnO4粉末との質量比が、活性炭:Li6MnO4粉末=90:10である点を除いて、キャパシタM11と同様である。
キャパシタM14は、正極材料の中の活性炭とLi6MnO4粉末との質量比が、活性炭:Li6MnO4粉末=90:10である点を除いて、キャパシタM11と同様である。
キャパシタM14の抵抗及びサイクル試験後の容量維持率を、キャパシタM12と同様に測定し、表5及び表6に示した。
また、上記のキャパシタM9、M9Bについても、サイクル試験後の容量維持率を測定し、表5及び表6に示した。
また、図7には、キャパシタM9、M12、M13、M14、M9Bの正極の最高電位と充電抵抗の関係を示した。図8には、キャパシタM9、M12、M13、M14、M9Bの正極の最高電位と容量維持率の関係を示した。
上記の結果より、正極の最高電位が4.1V、4.25Vの場合に(キャパシタM12,M9、M9B)の場合には、充電抵抗が小さく、また容量維持率も高かった。キャパシタM12については、キャパシタM9よりも容量維持率が低かった。その理由は、正極材料中のLi6MnO4粉末の質量比が比較的多く、サイクル試験中にLi6MnO4残渣物からMnが溶出し、負極上に堆積してSEI被膜を生成し、SEI被膜がLiを取り込み、不可逆化させたためであると推定される。
プリドープの充電工程でB方法を採用した場合(キャパシタM9B)は、A方法を採用した場合(キャパシタM9)に比べて、充電抵抗が低く、容量維持率が高かった。これは、B方法では、プリドープの充電工程で正極が最高電位に晒されるのがCC充電からCV充電に切り替わる前後の短い時間であったため、正極近傍の電解液の分解が抑えられ、サイクル試験中にも電解液の分解が抑えられたためであると推定される。
プリドープの充電工程で正極の最高電位が4.35V、4.5Vの場合(キャパシタM13、M14)は、充電抵抗が高く、容量維持率が低かった。特に、正極の最高電位が4.5Vの場合(キャパシタM14)、サイクル試験中の電解液の劣化が激しく、サイクル試験中に充放電装置にエラーが発生し、容量維持率が測定できなかった。
(キャパシタM15)
キャパシタM15は、正極材料の組成(質量比)が、Li6MnO4粉末:AB:PVDF=32:58:10である点及びプリドープでの充電工程で、キャパシタM1と相違する。キャパシタM15においては、多孔質炭素材料としてAB(アセチレンブラック)を用いている。ABの比表面積は540m2/gであった。
キャパシタM15は、正極材料の組成(質量比)が、Li6MnO4粉末:AB:PVDF=32:58:10である点及びプリドープでの充電工程で、キャパシタM1と相違する。キャパシタM15においては、多孔質炭素材料としてAB(アセチレンブラック)を用いている。ABの比表面積は540m2/gであった。
キャパシタM15の正極に含まれているLi6MnO4粉末は、キャパシタM5の正極に含まれているLi6MnO4粉末と同様に、炭素コートがされている。
プリドープでの充電工程は、A方法を採用している。具体的には、0.1Cの一定電流で正極の電位が4.2Vに到達するまでCC充電を行うCC充電過程と、CC充電からCV充電に切り替えて、切替時の電圧(4.2V)を一定に維持して終止電流が0.025CとなるまでCV充電を行うCV充電過程とを行った。
プリドープにより得られたリチウムイオンキャパシタは、キャパシタM15とした。
キャパシタM15のLi6MnO4重量当たりの充電容量について上記キャパシタM1と同様に測定し、その結果を表7に示した。
(キャパシタM16)
キャパシタM16は、CC充電過程終了時の正極の電位が4.5Vであり、CV充電過程では電圧を4.5Vに維持した状態でCV充電を行った点で、キャパシタM15と相違する。キャパシタM16のその他の点は、キャパシタM15と同様である。
キャパシタM16は、CC充電過程終了時の正極の電位が4.5Vであり、CV充電過程では電圧を4.5Vに維持した状態でCV充電を行った点で、キャパシタM15と相違する。キャパシタM16のその他の点は、キャパシタM15と同様である。
(キャパシタM17)
キャパシタM17は、正極材料の組成(質量比)が、Li6MnO4粉末:活性炭:AB:PVDF=32:48:10:10である点で、キャパシタM15と相違する。キャパシタM17においては、多孔質炭素材料としてAB(アセチレンブラック)及び活性炭を用いている。ABの比表面積は540m2/gであり、活性炭の比表面積は2200m2/gであった。キャパシタM17のその他の点は、キャパシタM15と同様である。
キャパシタM17は、正極材料の組成(質量比)が、Li6MnO4粉末:活性炭:AB:PVDF=32:48:10:10である点で、キャパシタM15と相違する。キャパシタM17においては、多孔質炭素材料としてAB(アセチレンブラック)及び活性炭を用いている。ABの比表面積は540m2/gであり、活性炭の比表面積は2200m2/gであった。キャパシタM17のその他の点は、キャパシタM15と同様である。
(キャパシタM18)
キャパシタM18は、CC充電過程終了時の正極の電位が4.5Vであり、CV充電過程では電圧を4.5Vに維持した状態でCV充電を行った点で、キャパシタM17と相違する。キャパシタM18のその他の点は、キャパシタM17と同様である。
キャパシタM18は、CC充電過程終了時の正極の電位が4.5Vであり、CV充電過程では電圧を4.5Vに維持した状態でCV充電を行った点で、キャパシタM17と相違する。キャパシタM18のその他の点は、キャパシタM17と同様である。
表7に示すように、正極材料が多孔質炭素材料として活性炭及びABを含む場合には、ABのみを含む場合に比べて、キャパシタの充電容量が格段に高かった。これは、多孔質炭素材料として、ABよりも活性炭の方が比表面積が大きく、Li6MnO4の分解反応に対する触媒作用が高いためであると推定される。
Claims (5)
- 式:LiaMebOc(4.5≦a≦6.5、0.5≦b≦1.5、3.5≦c≦4.5、Me:Co、Mn、Fe、Alの群から選ばれる1種以上)で表されるリチウム金属複合酸化物、及び多孔質炭素材料を有する正極と、負極活物質を有する負極と、電解質とを有する蓄電装置に初回充電を行う充電工程を有する、リチウムのプリドープ方法であって、
前記初回充電時の前記正極の最高電位を4.1V以上4.3V未満とする、リチウムのプリドープ方法。 - 前記充電工程は、前記正極の電位が4.1V以上4.3V未満となるまで一定の電流で前記蓄電装置を充電するCC充電過程と、前記CC充電過程の後に一定の電圧で前記蓄電装置を充電するCV充電過程とを有する請求項1に記載のプリドープ方法。
- 前記多孔質炭素材料の比表面積は、1300m2/g以上3000m2/g以下である請求項1又は2に記載のプリドープ方法。
- 前記多孔質炭素材料は、活性炭からなる請求項1〜3のいずれかに記載のプリドープ方法。
- 前記蓄電装置は、リチウムイオンキャパシタである請求項1〜4のいずれかに記載のプリドープ方法。
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