JP2020139606A - トーショナルダンパー - Google Patents

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Abstract

【課題】品質性を維持させつつ、フロントカバー内に備えさせることのできるトーショナルダンパーを提供する。
【解決手段】フロントカバー10内において、クランクシャフト20に取り付けられるハブ110と、ゴム状弾性体130を介してハブ110に固定される振動リング120と、を備えるトーショナルダンパー100であって、ハブ110は、外側環状部112と、内側環状部113と、これらを連結する連結部114と、を有すると共に、外側環状部112の内周面と振動リング120の外周面との間の環状隙間を封止する外側シールリング141と、内側環状部113の外周面と振動リング120の内周面との間の環状隙間を封止する内側シールリング142と、を備え、密閉空間K内にゴム状弾性体130が配されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車エンジンのクランクシャフト(回転駆動軸)に発生する捩じり振動を低減するために用いられるトーショナルダンパーに関する。
エンジンのクランクシャフトには、その捩じり振動を低減させるために、トーショナルダンパーが取り付けられている。従来例に係るエンジンについて、図7を参照して説明する。図7は従来例に係るエンジンにおけるトーショナルダンパー付近を示す模式的断面図である。
エンジンのフロントカバー510の内部に備えられるクランクシャフト520には、スプロケット530(又はローター)やトーショナルダンパー550などが設けられている。また、フロントカバー510とトーショナルダンパー550との間には、これらの間の環状隙間を封止するオイルシール560が取り付けられている。クランクシャフト520の内周面にネジ締結される軸部541と、トーショナルダンパー550の端面に当接される頭部542とを有するボルト540によって、トーショナルダンパー550はクランクシャフト520に固定される。
トーショナルダンパー550には、その外周面側にベルトを回すためのプーリー(不図示)が設けられており、補機を駆動する役割も担っている。そのため、トーショナルダンパー550は、フロントカバー510よりも外側に飛び出るように構成されている。しかしながら、近年、燃費向上のため、エンジンのハイブリット化が進んでおり、補機を駆動させるためのベルトが不要になってきている。一方、トーショナルダンパーが、フロントカバーよりも外側に飛び出る構造自体は従来と変わっていない。
ここで、クランクシャフトは、長ければ長い程、振動し易くなってしまうため、極力短いのが望ましい。そこで、トーショナルダンパーをフロントカバー内に備えさせる構造を採用することができればクランクシャフトを短くでき振動自体を低減できると考えられ得る。しかしながら、トーショナルダンパーに適用される弾性体の材料としては、エチレンプロピレンゴム(EPDM)などが広く用いられているが、このような材料は耐油性に劣るという欠点を有している。そのため、従来のトーショナルダンパーの構造では、フロントカバー内に備えさせる構成を採用することができないといった課題がある。
実開平1−82352号公報 特開2012−177469号公報 特開平7−208549号公報 実開平1−131045号公報
本発明の目的は、品質性を維持させつつ、フロントカバー内に備えさせることのできるトーショナルダンパーを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明のトーショナルダンパーは、
フロントカバー内において、クランクシャフトに取り付けられるハブと、
少なくともゴム状弾性体を介して前記ハブに固定される振動リングと、
を備えるトーショナルダンパーであって、
前記ハブは、外側環状部と、該外側環状部の径方向内側に同心的に設けられる内側環状部と、これら外側環状部と内側環状部を連結する連結部と、を有すると共に、
前記外側環状部の内周面と前記振動リングの外周面との間の環状隙間を封止する外側密封装置と、
前記内側環状部の外周面と前記振動リングの内周面との間の環状隙間を封止する内側密封装置と、
を備え、
これら外側密封装置及び内側密封装置によって前記連結部側に形成された密閉空間内に前記ゴム状弾性体が配されることを特徴とする。
本発明によれば、ゴム状弾性体は密閉空間内に配されているため、トーショナルダンパーがフロントカバー内に設けられていても、ゴム状弾性体が油に曝されることを防止することができる。従って、このゴム状弾性体の材料として、例えば、耐油性には劣るものの、ダンパー材料として優れたEPDMなどを採用することができる。
前記ゴム状弾性体は、前記連結部と前記振動リングにおける端面との間に設けられているとよい。また、前記ゴム状弾性体は、前記外側環状部と前記振動リングの外周面との間に設けられていることも好適である。更に、前記ゴム状弾性体は、前記内側環状部と前記振動リングの内周面との間に設けられていてもよい。
前記外側密封装置は、前記ゴム状弾性体よりも耐油性に優れた単一の弾性材料により構成されるシールリングであるとよい。また、前記内側密封装置は、前記ゴム状弾性体よりも耐油性に優れた単一の弾性材料により構成されるシールリングであることも好適である。
前記外側密封装置は、補強環と、該補強環に一体的に設けられ、かつ、摺動リップを有する弾性材料からなるシール本体と、を備えるオイルシールであるとよい。また、前記内側密封装置は、補強環と、該補強環に一体的に設けられ、かつ、摺動リップを有する弾性材料からなるシール本体と、を備えるオイルシールであることも好適である。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
以上説明したように、本発明によれば、トーショナルダンパーの品質性を維持させつつ、フロントカバー内にトーショナルダンパーを備えさせることができる。
図1は本発明の実施例1に係るエンジンにおけるトーショナルダンパー付近を示す模式的断面図である。 図2は本発明の実施例1に係るトーショナルダンパーの一部破断斜視図である。 図3は本発明の実施例2に係るトーショナルダンパーの一部破断斜視図である。 図4は本発明の実施例2に係るトーショナルダンパーの模式的断面図である。 図5は本発明の実施例2に係るトーショナルダンパーに備えられるオイルシールの模式的断面図である。 図6は本発明の実施例2に係るトーショナルダンパーに備えられるオイルシールの模式的断面図である。 図7は従来例に係るエンジンにおけるトーショナルダンパー付近を示す模式的断面図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1及び図2を参照して、本発明の実施例1に係るトーショナルダンパーについて説明する。図1は本発明の実施例1に係るエンジンにおけるトーショナルダンパー付近を示す模式的断面図である。なお、図1においては、クランクシャフトの回転中心を含む面で各種部材を切断した断面を示している。図2は本発明の実施例1に係るトーショナルダンパーの一部破断斜視図である。
<エンジン>
図1を参照して、本実施例に係るトーショナルダンパーが適用されたエンジンについて説明する。本実施例においては、エンジンのフロントカバー10の内部に備えられるクランクシャフト20には、スプロケット30(またはローター)やトーショナルダンパー100などが取り付けられている。クランクシャフト20の内周面にネジ締結される軸部41と、トーショナルダンパー100の端面に当接される頭部42とを有するボルト40によって、トーショナルダンパー100はクランクシャフト20に固定される。そして、本実施例の場合には、トーショナルダンパー100は、(その全体が)フロントカバー10内に設けられている。
<トーショナルダンパー>
図1及び図2を参照して、本実施例に係るトーショナルダンパー100について説明する。本実施例に係るトーショナルダンパー100は、フロントカバー10内において、クランクシャフト20に取り付けられるハブ110と、ゴム状弾性体130を介してハブ110に固定される振動リング120とを備えている。
ハブ110は、金属製の環状部材である。ハブ110は、クランクシャフト20が挿通される挿通孔111を有している。また、ハブ110は、クランクシャフト20に対して、直接または他の部材を介して間接的に固定される。そして、ハブ110は、外側環状部112と、外側環状部112の径方向内側に同心的に設けられる内側環状部113と、これら外側環状部112と内側環状部113を連結する連結部114とを有している。また、外側環状部112の内周面と、内側環状部113の外周面には、それぞれ環状溝112a,113aが設けられている。
振動リング120は、金属製の環状部材である。振動リング120の外周面には、上記の環状溝112aと対向する位置に環状溝121が設けられ、振動リング120の内周面には、上記の環状溝113aと対向する位置に環状溝122が設けられている。
ゴム状弾性体130は、ハブ110の連結部114と振動リング120における端面との間に設けられている。ゴム状弾性体130は、加硫成形により得られるものであり、連
結部114と振動リング120における端面に対して、それぞれ加硫接着されている。本実施例に係るゴム状弾性体130の材料として、耐油性には劣るものの、耐久性,耐熱性及び振動低減効果などに優れたエチレンプロピレンゴム(EPDM)などを好適に用いることができる。
トーショナルダンパー100においては、クランクシャフト20が共振する周波数の振動が伝わると、振動リング120が振動することによって、クランクシャフト20の共振を抑制する機能を発揮する。本実施例に係るトーショナルダンパー100においては、クランクシャフト20における回転方向(捩じれ方向)の振動に対して、クランクシャフト20の共振を抑制するように、振動リング120は設計されている。
そして、本実施例に係るトーショナルダンパー100においては、ハブ110における外側環状部112の内周面と振動リング120の外周面との間の環状隙間を封止する外側密封装置としての外側シールリング141を備えている。この外側シールリング141は、外側環状部112の内周面に設けられた環状溝112aと振動リング120の外周面に設けられた環状溝121のそれぞれに対して装着される。また、本実施例に係るトーショナルダンパー100においては、ハブ110における内側環状部113の外周面と振動リング120の内周面との間の環状隙間を封止する内側密封装置としての内側シールリング142も備えている。この内側シールリング142は、内側環状部113の外周面に設けられた環状溝113aと振動リング120の内周面に設けられた環状溝122のそれぞれに対して装着される。なお、本実施例においては、外側シールリング141及び内側シールリング142は、ゴム状弾性体130よりも耐油性に優れた単一の弾性材料(通常、ゴム材料)により構成されるシールリングである。より具体的には、これら外側シールリング141及び内側シールリング142は、外力が作用していない状態において、断面形状が円形であるOリングを採用している。ただし、本発明に適用されるシールリングとしては、断面が矩形の角リングなど、各種公知技術を採用することができる。また、外側シールリング141及び内側シールリング142の材料としては、例えば、NBR,HNBR,ACM,FKM,シリコーンゴムなどを好適に採用し得る。
そして、これら外側シールリング141及び内側シールリング142によって連結部114側に形成された密閉空間K内に、ゴム状弾性体130は配される。なお、密閉空間Kは、ハブ110における外側環状部112,内側環状部113及び連結部114と、振動リング120と、上記外側シールリング141及び内側シールリング142とにより囲まれる空間により形成される。なお、加硫成形によって、ハブ110と振動リング120とゴム状弾性体130とが一体的に構成された後に、外側シールリング141及び内側シールリング142を同時に圧入することにより、トーショナルダンパー100を得ることができる。なお、外側シールリング141及び内側シールリング142の内径,外径及び線径などの寸法,材質及び硬度、また、これらが装着される各環状溝の寸法形状については、密閉空間K内への油の浸入抑制の観点と、振動リング120の回転方向及び径方向への変形量の観点およびシールリング圧入時の振動リング軸方向変形があってもシールリング圧入可能とする観点などに基づいて適宜設定するとよい。
<本実施例に係るトーショナルダンパーの優れた点>
本実施例に係るトーショナルダンパー100によれば、ゴム状弾性体130は密閉空間K内に配されているため、トーショナルダンパー100がフロントカバー10内に設けられていても、ゴム状弾性体130が油に曝されることを防止することができる。従って、このゴム状弾性体130の材料として、上記の通り、耐油性には劣るものの、ダンパー材料として優れたEPDMなどを採用することができる。このように、本実施例によれば、トーショナルダンパー100の品質性を維持させつつ、フロントカバー10内にトーショナルダンパー100を備えさせることができる。これにより、フロントカバー10の外側
にトーショナルダンパーが飛び出る構造の場合に比べて、クランクシャフト20を短くすることが可能であり、また、トーショナルダンパー自体もオイルシ−ル摺動部が不要となりハブのボス部幅をカットでき軽量化が図れる。すなわち、背景技術の中で説明した図7中の範囲Lに相当する部分をカットすることができる。これらにより、クランクシャフト20の振動自体を低減することができる。
(実施例2)
図3〜図6には、本発明の実施例2が示されている。図3は本発明の実施例2に係るトーショナルダンパーの一部破断斜視図である。図4は本発明の実施例2に係るトーショナルダンパーの模式的断面図であり、トーショナルダンパーの中心軸線を含む面でトーショナルダンパーを切断した断面図である。図5及び図6は本発明の実施例2に係るトーショナルダンパーに備えられるオイルシールの模式的断面図である。
本実施例に係るトーショナルダンパーが適用されたエンジンについては、上記実施例1の場合と同様であるので、その説明は省略する。なお、本実施例においても、適宜、図1を参照して説明する。
<トーショナルダンパー>
図1及び図3〜図6を参照して、本実施例に係るトーショナルダンパー100Xについて説明する。本実施例に係るトーショナルダンパー100Xは、フロントカバー10内において、クランクシャフト20に取り付けられるハブ110Xと、金属製のスリーブ160及びゴム状弾性体130Xを介してハブ110Xに固定される振動リング120Xとを備えている。
ハブ110Xは、金属製の環状部材である。本実施例に係るハブ110Xにおいても、上記実施例1におけるハブ110と同様に、クランクシャフト20が挿通される挿通孔111を有している。また、ハブ110Xは、クランクシャフト20に対して、直接または他の部材を介して間接的に固定される。そして、ハブ110Xは、外側環状部112と、外側環状部112の径方向内側に同心的に設けられる内側環状部113と、これら外側環状部112と内側環状部113を連結する連結部114とを有している。また、振動リング120Xは、金属製の環状部材である。
そして、本実施例に係るゴム状弾性体130Xは、ハブ110Xの外側環状部112と振動リング120Xの外周面との間に設けられている。本実施例の場合には、外側環状部112とゴム状弾性体130Xとの間に、金属製のスリーブ160が設けられている。ゴム状弾性体130Xは、加硫成形により得られるものであり、スリーブ160の内周面と振動リング120Xの外周面に対して、それぞれ加硫接着されている。本実施例に係るゴム状弾性体130Xの材料についても、耐油性には劣るものの、耐久性,耐熱性及び振動低減効果などに優れたエチレンプロピレンゴム(EPDM)などを好適に用いることができる。なお、スリーブ160は、外側環状部112の内周面に嵌合により固定できるように構成されている。これにより、スリーブ160と振動リング120Xとゴム状弾性体130Xとを一体的に有するユニット部品を、外側環状部112の内周面に固定させることができる。
実施例1でも述べた通り、トーショナルダンパー100Xにおいては、クランクシャフト20が共振する周波数の振動が伝わると、振動リング120Xが振動することによって、クランクシャフト20の共振を抑制する機能を発揮する。本実施例に係るトーショナルダンパー100Xにおいては、クランクシャフト20における回転方向(捩じれ方向)の振動に対して、クランクシャフト20の共振を抑制するように、振動リング120Xは設計されている。
そして、本実施例に係るトーショナルダンパー100Xにおいては、ハブ110Xにおける外側環状部112の内周面と振動リング120Xの外周面との間の環状隙間を封止する外側密封装置としての外側オイルシール150Aを備えている。また、本実施例に係るトーショナルダンパー100Xにおいては、ハブ110Xにおける内側環状部113の外周面と振動リング120Xの内周面との間の環状隙間を封止する内側密封装置としての内側オイルシール150Bも備えている。
外側オイルシール150Aについては内周リップタイプのオイルシールを好適に利用でき、内側オイルシール150Bについては外周リップタイプのオイルシールを好適に利用することができる。以下、内周リップタイプのオイルシールの一例と、外周リップタイプのオイルシールの一例を、それぞれ図5と図6を参照して説明する。
図5には内周リップタイプのオイルシール150が示されている。上記の通り、外側オイルシール150Aとして、このオイルシール150を好適に用いることができる。そして、このオイルシール150は、補強環151と、補強環151に一体的に設けられる弾性材料(通常、ゴム材料)からなるシール本体152とを備えている。補強環151は、円筒部151aと、円筒部151aの一端に設けられる内向きフランジ部151bとを備えている。また、シール本体152は、補強環151の円筒部151aの外側に設けられる外周シール部152aと、摺動リップとしてのメインリップ152bとを備えている。また、メインリップ152bの外周面側には、ガータスプリング153が装着されている。
以上のように構成されるオイルシール150を、外側オイルシール150Aとして適用する場合には、外周シール部152aを外側環状部112の内周面に嵌合すればよい。これにより、メインリップ152bは振動リング120Xの外周面に対して摺動自在に密着した状態にすることができる。
図6には外周リップタイプのオイルシール150Xが示されている。上記の通り、内側オイルシール150Bとして、このオイルシール150Xを好適に用いることができる。そして、このオイルシール150Xは、補強環151Xと、補強環151Xに一体的に設けられる弾性材料(通常、ゴム材料)からなるシール本体152Xとを備えている。補強環151Xは、円筒部151Xaと、円筒部151Xaの一端に設けられる外向きフランジ部151Xbとを備えている。また、シール本体152Xは、補強環151Xの円筒部151Xaの内側に設けられる内周シール部152Xaと、摺動リップとしてのメインリップ152Xbとを備えている。また、メインリップ152Xbの内周面側には、ガータスプリング153Xが装着されている。
以上のように構成されるオイルシール150Xを、内側オイルシール150Bとして適用する場合には、内周シール部152Xaを内側環状部113の外周面に嵌合すればよい。これにより、メインリップ152Xbは振動リング120Xの内周面に対して摺動自在に密着した状態にすることができる。
なお、オイルシールについては、上記のような構成に限定されることはない。本発明において適用可能なオイルシールについては、摺動リップが複数設けられているタイプや、ガータスプリングが設けられていないタイプなど、各種公知のオイルシールを採用し得る。
そして、これら外側オイルシール150A及び内側オイルシール150Bによって連結部114側に形成された密閉空間K内に、ゴム状弾性体130Xは配される。なお、密閉
空間Kは、ハブ110Xにおける外側環状部112,内側環状部113及び連結部114と、振動リング120Xと、上記外側オイルシール150A及び内側オイルシール150Bとにより囲まれる空間により形成される。外側オイルシール150A及び内側オイルシール150Bを構成する各部材の形状寸法や材料については、密閉空間K内への油の浸入抑制の観点と、振動リング120Xの回転方向及び径方向への変形量の観点などに基づいて適宜設定するとよい。
トーショナルダンパー100Xの組み立て手順について説明する。まず、スリーブ160と振動リング120Xとゴム状弾性体130Xとを一体的に有するユニット部品が、ハブ110Xにおける外側環状部112の内周面に嵌合により固定される。次に、外側オイルシール150A及び内側オイルシール150Bが、それぞれ、外側環状部112の内周面と内側環状部113の外周面に嵌合により固定される。なお、外側オイルシール150Aと内側オイルシール150Bの組み立て順については、どちらが先でもよく、同時であっても構わない。
また、本実施例においては、ゴム状弾性体130Xが、外側環状部112と振動リング120Xの外周面との間に設けられる場合の構成について説明した。しかしながら、本発明においては、ゴム状弾性体が、内側環状部と振動リングの内周面との間に設けられる構成を採用することもできる。この構成を採用する場合においても、本実施例の場合と同様に、内側環状部とゴム状弾性体との間に、金属製のスリーブを設けるのが望ましい。そして、このような構成を採用すれば、本実施例の場合と同様に、スリーブと振動リングとゴム状弾性体とを一体的に有するユニット部品を、内側環状部の外周面に固定させることができることは言うまでもない。
<本実施例に係るトーショナルダンパーの優れた点>
本実施例に係るトーショナルダンパー100Xにおいても、上記実施例1の場合と同様の効果を得ることができる。また、本実施例に係るトーショナルダンパー100Xの場合には、外側密封装置と内側密封装置として、オイルシール150を採用しているため、実施例1の場合のようにシールリングを採用する場合に比べて、摺動性が優れている。そのため、振動リング120Xが実施例1の場合に比べて回転方向に変形し易いため、共振を抑制するための設計自由度を高めることができる。
(その他)
上記実施例1においては、外側密封装置及び内側密封装置として、シールリングを採用する場合の構成について示したが、実施例1においても、外側密封装置及び内側密封装置として、実施例2に示すようなオイルシールを採用することもできる。また、実施例2においては、外側密封装置及び内側密封装置として、オイルシールを採用する場合の構成について示したが、実施例2においても、外側密封装置及び内側密封装置として、実施例1に示すようなシールリングを採用することもできる。
また、上記実施例2では、内側オイルシール150Bとして、外周リップタイプのオイルシールを採用する場合について示したが、内側オイルシール150Bとして、内周リップタイプのオイルシールを採用することもできる。この場合の組み立て手順は次の通りである。まず、スリーブ160と振動リング120Xとゴム状弾性体130Xとを一体的に有するユニット部品における振動リング120Xの内周面に、内側オイルシール150Bが嵌合固定される。次に、当該ユニット部品と内側オイルシール150Bが一体的となった部品が、外側環状部112の内周面に嵌合固定される。つまり、スリーブ160が外側環状部112の内周面に嵌合固定される。最後に、外側オイルシール150Aが外側環状部112の内周面に嵌合固定される。
10 フロントカバー
20 クランクシャフト
30 スプロケット
40 ボルト
41 軸部
42 頭部
100,100X トーショナルダンパー
110,110X ハブ
111 挿通孔
112 外側環状部
112a,113a 環状溝
113 内側環状部
114 連結部
120,120X 振動リング
121,122 環状溝
130,130X ゴム状弾性体
141 外側シールリング
142 内側シールリング
150,150X オイルシール
150A 外側オイルシール
150B 内側オイルシール
151,151X 補強環
151a 円筒部
151Xa 外周側円筒部
151Xc 内周側円筒部
151b,151bX 内向きフランジ部
152 シール本体
152a 外周シール部
152b メインリップ
153 ガータスプリング
160 スリーブ
K 密閉空間

Claims (7)

  1. フロントカバー内において、クランクシャフトに取り付けられるハブと、
    少なくともゴム状弾性体を介して前記ハブに固定される振動リングと、
    を備えるトーショナルダンパーであって、
    前記ハブは、外側環状部と、該外側環状部の径方向内側に同心的に設けられる内側環状部と、これら外側環状部と内側環状部を連結する連結部と、を有すると共に、
    前記外側環状部の内周面と前記振動リングの外周面との間の環状隙間を封止する外側密封装置と、
    前記内側環状部の外周面と前記振動リングの内周面との間の環状隙間を封止する内側密封装置と、
    を備え、
    これら外側密封装置及び内側密封装置によって前記連結部側に形成された密閉空間内に前記ゴム状弾性体が配されることを特徴とするトーショナルダンパー。
  2. 前記ゴム状弾性体は、前記連結部と前記振動リングにおける端面との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトーショナルダンパー。
  3. 前記ゴム状弾性体は、前記外側環状部と前記振動リングの外周面との間、または、前記内側環状部と前記振動リングの内周面との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトーショナルダンパー。
  4. 前記外側密封装置は、前記ゴム状弾性体よりも耐油性に優れた単一の弾性材料により構成されるシールリングであることを特徴とする請求項1,2または3に記載のトーショナルダンパー。
  5. 前記内側密封装置は、前記ゴム状弾性体よりも耐油性に優れた単一の弾性材料により構成されるシールリングであることを特徴とする請求項1,2または3に記載のトーショナルダンパー。
  6. 前記外側密封装置は、補強環と、該補強環に一体的に設けられ、かつ、摺動リップを有する弾性材料からなるシール本体と、を備えるオイルシールであることを特徴とする請求項1,2または3に記載のトーショナルダンパー。
  7. 前記内側密封装置は、補強環と、該補強環に一体的に設けられ、かつ、摺動リップを有する弾性材料からなるシール本体と、を備えるオイルシールであることを特徴とする請求項1,2または3に記載のトーショナルダンパー。
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