JP2020193659A - トーショナルダンパ - Google Patents

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Abstract

【課題】ハブと振動リングを連結する弾性体を油等から効果的に保護して弾性体の劣化を抑制可能で、かつ製造容易な、トーショナルダンパを提供する。【解決手段】トーショナルダンパ1で、ハブ2と振動リング4の各々は、前記クランクシャフトの軸Cが延在する軸C方向における両側E、Fに、全周にわたって前記軸C方向に突出する突出部214、414を備え、前記軸C方向の両側E、Fにおいて、前記弾性体3を全周にわたって覆うように形成された、一対のカバー部材5を備え、一対の前記カバー部材5の各々は、前記振動リング4の前記突出部414の、前記振動リング4の径方向Rにおける外側表面415に対して前記径方向Rに係止される外側係止部53と、前記ハブ2の前記突出部214の、前記径方向Rの内側表面217に対して前記径方向Rに係止される内側係止部52と、を備えている、トーショナルダンパ1。【選択図】図1

Description

本発明は、トーショナルダンパに関する。
従来より、自動車等の車両に搭載されたエンジンにおいて、クランクシャフトの一端には、トーショナルダンパが設けられている。トーショナルダンパは、ハブと、ハブの外周に設けられるゴム状の弾性体と、弾性体を介してハブに装着される振動リングと、を備え、弾性体を介して振動リングがハブに対して相対移動することにより、クランクシャフトの回転により生じるクランクシャフトの捩り振動を吸収し、減衰させる。
トーショナルダンパは通常、ハブと振動リングに挟まれた弾性体が、クランクシャフトの軸方向に、外部に露出している。このような、弾性体の露出した部分に異物が接触すると、弾性体が劣化することがある。特に、弾性体として使用されるエチレンプロピレンジエンゴム等において、これに油が接触すると、分子間に油が入り込むことにより弾性体が膨潤して変質し、劣化することがある。
あるいは、弾性体とハブや振動リングとの間の接合に接着剤を使用している場合においては、接着界面に油が接触して接着剤の接着効果が低下することがある。
これに対し、特許文献1には、弾性体の表面に、これを覆う表層部を設けることが開示されている。表層部は、弾性体を油から保護する場合においては、耐油性に優れたニトリルゴムが使用される。表層部は、加硫成形や、塗着により形成される。
実開平1−131045号公報
トーショナルダンパは、外周面にV溝を備え、このV溝に、ウォーターポンプやエアコン用コンプレッサ等の補機を駆動するためのタイミングベルトを巻き掛けて、これら補機にエンジンの動力の一部を伝達する、プーリとしての役割を果たすことがある。この場合には、トーショナルダンパは、タイミングベルトを巻き掛けるために、エンジンのフロントカバーの外に設けられるのが一般である。
しかし、近年の自動車エンジンの、燃費の向上を目的としたハイブリッド化の流れを受け、これら補機に動力を伝達する必要が低減し、V溝を有さずタイミングベルトが巻き掛けられない種類のトーショナルダンパも製造されつつある。このようなトーショナルダンパは、タイミングベルトが巻き掛けられないため、エンジンのフロントカバーの外ではなく、フロントカバーの内側に設けられ得る。これにより、クランクシャフトをフロントカバーの外まで伸ばす必要がなくなり、クランクシャフトの長さを短くすることができるため、トーショナルダンパが減衰させる対象となるクランクシャフトの捩り振動そのものを低減し得る。
しかし、特にフロントカバーの内側には、外側よりも油が多く飛散している。したがって、弾性体を油等の異物からより効果的に保護可能なトーショナルダンパが望まれている。
また、同時に、トーショナルダンパにおける弾性体の保護構造を、加硫成形等に依らずにより容易に製造することが、望まれている。
本発明が解決しようとする課題は、ハブと振動リングを連結する弾性体を油等から効果的に保護して弾性体の劣化を抑制可能で、かつ製造容易な、トーショナルダンパを提供することである。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。すなわち、本発明は、クランクシャフトに取り付けられるハブと、当該ハブの外周に設けられるゴム状の弾性体を介して前記ハブに装着される振動リングと、を備えるトーショナルダンパであって、前記ハブと前記振動リングの各々は、前記クランクシャフトの軸が延在する軸方向における両側に、全周にわたって前記軸方向に突出する突出部を備え、前記軸方向の両側において、前記弾性体を全周にわたって覆うように形成された、一対のカバー部材を備え、一対の前記カバー部材の各々は、前記振動リングの前記突出部の、前記振動リングの径方向における外側表面に対して前記径方向に係止される外側係止部と、前記ハブの前記突出部の、前記径方向の内側表面に対して前記径方向に係止される内側係止部と、を備えている、トーショナルダンパを提供する。
上記のような構成によれば、クランクシャフトの軸方向の両側において、弾性体を全周にわたって覆うカバー部材は、弾性体よりも振動リングの径方向の内側に設けられたハブの、軸方向に突出する突出部の径方向における内側表面と、弾性体よりも径方向の外側に設けられた振動リングの、軸方向に突出する突出部の径方向における外側表面の各々に対して、内側係止部と外側係止部により径方向に係止されている。すなわち、弾性体は、カバー部材によって、全周にわたって、かつ径方向において弾性体の内側から外側まで、覆われている。したがって、弾性体を油等から効果的に保護して弾性体の劣化を抑制可能である。
また、カバー部材は、その外側係止部と内側係止部を、振動リングとハブの突出部の各々に対して、径方向に係止されるように設けられている。すなわち、ハブ、振動リング、及び弾性体により形成される部品へのカバー部材の取り付けは、当該部品とは別にカバー部材を作成し、外側係止部と内側係止部を各突出部に構造的に係止されることにより行われ得る。このため、カバー部材を加硫成形や塗着に依らずとも取り付け可能であり、したがって、トーショナルダンパの製造が容易である。
本発明の一態様においては、一対の前記カバー部材の各々は、リング状に形成された金属板であり、当該金属板の外周辺と内周辺の各々が、同一の前記軸方向に屈曲されて、前記外側係止部と前記内側係止部が形成されている。
上記のような構成によれば、上記のようなトーショナルダンパを適切に実現可能である。
特に、カバー部材が金属製であるため、ゴム等により製造された場合に比べると油等による劣化が生じにくい。したがって、トーショナルダンパの耐久性をより高めることができる。
本発明の別の態様においては、前記外側係止部と、前記振動リングの前記突出部の前記外側表面との間と、前記内側係止部と、前記ハブの前記突出部の前記内側表面との間のいずれか一方には、軸受けが介装されている。
上記のような構成によれば、カバー部材と、ハブまたは振動リングの突出部の間には、軸受けが介装されているため、振動リングのハブに対する相対移動が許容される。すなわち、カバー部材がハブと振動リングの突出部に対して係合するように取り付けられたとしても、トーショナルダンパが、クランクシャフトの捩り振動を吸収し、減衰するのを、カバー部材は阻害しない。
本発明の別の態様においては、一対の前記カバー部材の各々は、リング状に形成されたゴム部材であり、当該ゴム部材の外周側と内周側の各々が、同一の前記軸方向に湾曲されて、前記外側係止部と前記内側係止部が形成されている。
上記のような構成によれば、上記のようなトーショナルダンパを適切に実現可能である。
本発明の別の態様においては、一対の前記カバー部材の各々においては、前記外側係止部は、前記径方向の外方に設けられたコイルバネまたはC形クリップ等の外側固定部材により前記径方向の内方へ向けて押圧されて前記振動リングの前記突出部の前記外側表面に固定され、前記内側係止部は、前記径方向の内方に設けられたC形クリップまたはベローズ等の内側固定部材により前記径方向の外方へ向けて押圧されて前記ハブの前記突出部の前記内側表面に固定されている。
上記のような構成によれば、上記のようなトーショナルダンパを適切に実現可能である。
本発明の別の態様においては、トーショナルダンパは、フロントカバー内に設けられる。
上記のような構成によれば、クランクシャフトをフロントカバーの外まで伸ばす必要がなくなるためクランクシャフトの長さを短くすることができる。したがって、クランクシャフトに生じ得る捩り振動を低減することができる。
本発明によれば、ハブと振動リングを連結する弾性体を油等から効果的に保護して弾性体の劣化を抑制可能で、かつ製造容易な、トーショナルダンパを提供することができる。
本発明の実施形態におけるトーショナルダンパを断面視した斜視図である。 図1の部分拡大図である。 前記実施形態の変形例に関するトーショナルダンパを断面視した斜視図である。 図3の部分拡大図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態におけるトーショナルダンパ1を断面視した斜視図である。図2は、図1のA矢視部分の拡大図である。
トーショナルダンパ1は、自動車等の車両に搭載されたエンジンの、エンジン側Eからフロント側Fへ向けて延びるように設けられた、図示されないクランクシャフトに設けられている。トーショナルダンパ1は、クランクシャフトの回転により生じるクランクシャフトの捩り振動を吸収し、減衰させる。
トーショナルダンパ1が設けられる車両は、本実施形態においてはハイブリッド車である。したがって、ウォーターポンプやエアコン用コンプレッサ等の補機を蓄電池により駆動する場合においては、これらの補機へエンジンから動力を伝達する必要がない。このため、特に本実施形態においては、トーショナルダンパ1は図示されないフロントカバーの内側に設けられている。
トーショナルダンパ1は円状に形成されており、その中心がクランクシャフトの軸Cと同軸になるように、クランクシャフトに取り付けられている。
トーショナルダンパ1は、クランクシャフトに取り付けられるハブ2と、ハブ2の外周211に設けられるゴム状の弾性体3、及び、弾性体3を介してハブ2に装着される振動リング4を備えている。
ハブ2は、板部212、ボス部213、及び突出部214を備えている。板部212は、略円状に形成されている。特に本実施形態においては、板部212の外周面211は円環状に形成されているが、これに弾性体3及び振動リング4等が取り付けられた後の、トーショナルダンパ1の形状が円形であれば、これに限られない。板部212の中心には、クランクシャフトの先端が挿通される貫通孔215が開設されている。ボス部213は、貫通孔215を形成する内側の周辺が、板部212の両側面216からクランクシャフトの軸C方向に向けて立ち上がるように、筒状に形成されている。
突出部214は、板部212の軸C方向における両側E、Fに、板部212の外側の周辺が全周にわたって、板部212の側面216からクランクシャフトの軸C方向に向けて突出して立ち上がるように形成されている。より詳細には、突出部214は、内側表面217、側面218、及び外周面211により形成されている。内側表面217は、板部212の側面216の径方向Rの外側の部分において、側面216から略垂直に立ち上がるように設けられている。側面218は、内側表面217の側面216からの突出端から径方向Rの外側に向けて、軸Cに直交する平面内で延びるように設けられている。側面218と外周面211は、略垂直に角度がつけられている。
弾性体3はリング状に形成されており、ハブ2の外周面211上に、外周面211を覆うように設けられている。弾性体3の内周面317は、ハブ2の外周面211に密着して設けられている。弾性体3の側面318は、ハブ2の突出部214の側面218と径方向Rに略連続するように設けられている。
弾性体3は、例えばエチレンプロピレンジエンゴム、ネオプレンゴム、ニトリルゴム、天然ゴム等により形成されている。
振動リング4は、外周面411が円形となるように形成されたリング状の部材であり、弾性体3の外周面311上に、外周面311を覆うように設けられている。振動リング4は、突出部414を備えている。突出部414は、軸C方向における両側E、Fに、振動リング4の内側の周辺が全周にわたって、振動リング4の側面416からクランクシャフトの軸C方向に向けて突出して立ち上がるように形成されている。より詳細には、突出部414は、外側表面415、側面418、及び振動リング4の内周面417により形成されている。外側表面415は、側面416の径方向Rの内側の部分において、側面416から略垂直に立ち上がるように設けられている。側面418は、外側表面415の側面416からの突出端から径方向Rの内側に向けて、軸Cに直交する平面内で延びるように設けられている。側面418と内周面417は、略垂直に角度がつけられている。
振動リング4は、内周面417が弾性体3の外周面311に密着するように設けられている。振動リング4の側面418は、弾性体3の側面318と径方向Rに略連続するように設けられている。
トーショナルダンパ1は、2つの軸受け6を備えている。軸受け6は、ポリアセタール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド等の樹脂によりリング状に形成されており、次に説明するカバー部材5とハブ2との間に介装されて、すべり軸受けとして機能する。
2つの軸受け6の各々は、ハブ2の板部212から軸C方向の互いに反対側E、Fに向けて突出する突出部214の各々の、径方向R内側に取り付けられている。軸受け6は、外側表面611が突出部214の内側表面217に密着して設けられている。軸受け6の側面618は、ハブ2の突出部214の側面218と径方向Rに略連続するように設けられている。
トーショナルダンパ1は、一対のカバー部材5を備えている。各カバー部材5は、リング状に形成された金属板である。より詳細には、カバー部材5は、円状に形成された金属板の内側を、外周と同軸の円形でくり抜いた形状となっている。カバー部材5は、この金属板の外周辺と内周辺の各々が、同一の軸C方向に向けて、略垂直に屈曲されている。これにより、カバー部材5には、径方向Rに延在する平板状の被覆部51と、内周側と外周側の各々において被覆部51に対して略垂直に設けられた板部である内側係止部52及び外側係止部53が形成されている。
カバー部材5の各々は、ハブ2、弾性体3、及び振動リング4の軸C方向における互いに反対側E、Fの表面に取り付けられている。カバー部材5は、被覆部51の、金属板が屈曲されて内側係止部52と外側係止部53が形成された側の表面である第1表面511が、径方向Rに略連続するように設けられた、ハブ2の突出部214の側面218、弾性体3の側面318、振動リング4の突出部414の側面418、及び軸受け6の側面618の各々に対向して、間隔をあけて設けられている。カバー部材5の外側係止部53側においては、外側係止部53の径方向Rにおける内側の表面531が、振動リング4の突出部414の外側表面415に圧着されている。カバー部材5の内側係止部52側においては、内側係止部52の径方向Rにおける外側の表面521が、軸受け6の径方向Rにおける内側の表面617に圧着されている。内側係止部52は、ハブ2の側面216側の端部が軸受け6の側面216側の端部よりも側面216側に位置するように形成されており、これにより、内側係止部52は軸受け6の内側表面617全体を覆うように設けられている。
このように、カバー部材5は、径方向Rに内側から順に積層された軸受け6、ハブ2の突出部214、弾性体3、振動リング4の突出部414の各側面218、318、418、618を、最も径方向R内側に位置する軸受け6の内側から、最も径方向R外側に位置する振動リング4の突出部414の外側まで、全周にわたって覆っている。これにより、ハブ2と振動リング4の間に設けられて軸C方向に露出する弾性体3の全ての側面318が、カバー部材5によって覆われている。したがって、周囲の油が飛散してトーショナルダンパ1の弾性体3に付着しようとしたとしても、これはカバー部材5の被覆部51の、第1表面511とは反対側の表面である第2表面512に付着し、弾性体3までは到達し得ない。
また、内側係止部52と外側係止部53の各々が、最も径方向R内側に位置する軸受け6の内側表面617と、最も径方向R外側に位置する振動リング4の突出部414の外側表面415に圧着されることで、カバー部材5が、ハブ2の突出部214の内側表面217と、振動リング4の外側表面415に対して、径方向Rに係止されている。
また、トーショナルダンパ1がクランクシャフトに取り付けられた後にクランクシャフトが回転した際に、振動リング4が弾性体3を介してハブ2に対して周方向に相対移動しようとすると、カバー部材5も振動リング4と一体となってハブ2に対して周方向に相対移動しようとする。ここで、カバー部材5とハブ2の突出部214の間には軸受け6が介装されているため、カバー部材5の内側係止部52の外側表面521と、軸受け6の内側表面617とが滑らかに摺動する。したがって、振動リング4のハブ2に対する相対移動は、カバー部材5によって阻害されない。
次に、上記のトーショナルダンパ1の製造方法を説明する。
まず、ハブ2と振動リング4の間に、例えばエチレンプロピレンジエンゴムを圧入することにより弾性体3を形成し、ハブ2、弾性体3、及び振動リング4を一体として作成する。
次に、ハブ2の突出部214の径方向R内側に、内側表面217に圧着するように、軸受け6を圧入する。
最後に、カバー部材5を、外側係止部53の径方向Rにおける内側の表面531が、振動リング4の突出部414の外側表面415に、及び内側係止部52の径方向Rにおける外側の表面521が、軸受け6の径方向Rにおける内側の表面617に、それぞれ圧着するように、圧入する。
次に、上記のトーショナルダンパ1の効果について説明する。
本実施形態におけるトーショナルダンパ1は、クランクシャフトに取り付けられるハブ2と、ハブ2の外周面(外周)211に設けられるゴム状の弾性体3を介してハブ2に装着される振動リング4と、を備えるトーショナルダンパ1であって、ハブ2と振動リング4の各々は、クランクシャフトの軸Cが延在する軸C方向における両側E、Fに、全周にわたって軸C方向に突出する突出部214、414を備え、軸C方向の両側E、Fにおいて、弾性体3を全周にわたって覆うように形成された、一対のカバー部材5を備え、一対のカバー部材5の各々は、振動リング4の突出部414の、振動リング4の径方向Rにおける外側表面415に対して径方向Rに係止される外側係止部53と、ハブ2の突出部214の、径方向Rの内側表面217に対して径方向Rに係止される内側係止部52と、を備えている。
上記のような構成によれば、クランクシャフトの軸C方向の両側E、Fにおいて、弾性体3を全周にわたって覆うカバー部材5は、弾性体3よりも振動リング4の径方向Rの内側に設けられたハブ2の、軸C方向に突出する突出部214の径方向Rにおける内側表面217と、弾性体3よりも径方向Rの外側に設けられた振動リング4の、軸C方向に突出する突出部414の径方向Rにおける外側表面415の各々に対して、内側係止部52と外側係止部53により径方向Rに係止されている。すなわち、弾性体3は、カバー部材5によって、全周にわたって、かつ径方向Rにおいて弾性体3の内側から外側まで、覆われている。したがって、弾性体3を油等から効果的に保護して弾性体3の劣化を抑制可能である。
また、カバー部材5は、その外側係止部53と内側係止部52を、振動リング4とハブ2の突出部214、414の各々に対して、径方向Rに係止されるように設けられている。すなわち、ハブ2、振動リング4、及び弾性体3により形成される部品へのカバー部材5の取り付けは、当該部品とは別にカバー部材5を作成し、外側係止部53と内側係止部52を各突出部214、414に構造的に係止されることにより行われ得る。このため、カバー部材5を加硫成形や塗着に依らずとも取り付け可能であり、したがって、トーショナルダンパ1の製造が容易である。
特に本実施形態におけるトーショナルダンパ1は、油の飛散量が多いフロントカバーの内側に設けられるが、このような場合であっても、上記のように弾性体3はカバー部材5によって覆われているため、弾性体3を油等から効果的に保護可能である。
また、一対のカバー部材5の各々は、リング状に形成された金属板であり、金属板の外周辺と内周辺の各々が、同一の軸C方向に屈曲されて、外側係止部53と内側係止部52が形成されている。
上記のような構成によれば、上記のようなトーショナルダンパ1を適切に実現可能である。
特に、カバー部材5が金属製であるため、ゴム等により製造された場合に比べると油等による劣化が生じにくい。したがって、トーショナルダンパ1の耐久性をより高めることができる。
また、内側係止部52と、ハブ2の突出部214の内側表面217との間には、軸受け6が介装されている。
上記のような構成によれば、カバー部材5とハブ2の突出部214の間には、軸受け6が介装されているため、振動リング4のハブ2に対する相対移動が許容される。すなわち、カバー部材5がハブ2と振動リング4の突出部214、414に対して係合するように取り付けられたとしても、トーショナルダンパ1が、クランクシャフトの捩り振動を吸収し、減衰するのを、カバー部材5は阻害しない。
また、トーショナルダンパ1は、フロントカバー内に設けられる。
上記のような構成によれば、クランクシャフトをフロントカバーの外まで伸ばす必要がなくなるためクランクシャフトの長さを短くすることができる。したがって、クランクシャフトに生じ得る捩り振動を低減することができる。
[実施形態の変形例]
次に、図3、4を用いて、上記実施形態として示したトーショナルダンパ1の変形例を説明する。図3は、本変形例におけるトーショナルダンパ21を断面視した斜視図である。図4は、図3のB矢視部分の拡大図である。本変形例におけるトーショナルダンパ21は、上記実施形態のトーショナルダンパ1とは、カバー部材7が金属製ではなく、ゴム製の部材であることが異なっている。
本変形例においては、トーショナルダンパ21を効果的に取り付けるために、ハブ2及び振動リング4が次の点において上記実施形態とは異なる構成を備えている。ハブ2に関しては、突出部214の内側表面217の、軸C方向における側面218側に、径方向R外側に窪むように凹部219が形成されている。振動リング4に関しては、突出部414の外側表面415が、径方向R内側に窪むように凹部415として形成されている。
トーショナルダンパ21は、一対のカバー部材7を備えている。各カバー部材7は、リング状に形成されたゴム部材である。より詳細には、カバー部材7は、トーラス形状に形成された中空のゴム部材に対し、このゴム部材の延在方向に沿って円形の切り目を入れ、切り目を開いて中空の内部を露出させたような形状を成している。これにより、カバー部材7は、径方向Rに延在する被覆部71と、内周側と外周側の各々において被覆部71に対して同一の軸C方向に向けて湾曲するように形成された内側係止部72及び外側係止部73を備えた形状となっている。
カバー部材7の各々は、ハブ2、弾性体3、及び振動リング4の軸C方向における互いに反対側E、Fの表面に、固定部材8により取り付けられている。カバー部材7は、被覆部71の、ゴム部材が湾曲されて内側係止部72と外側係止部73が形成された側の表面である第1表面711が、略連続するように設けられた、ハブ2の突出部214の側面218、弾性体3の側面318、及び振動リング4の突出部414の側面418の各々に対向して、間隔をあけて設けられている。
固定部材8は、内側固定部材81と外側固定部材82を備えている。
カバー部材7の外側係止部73は、外側係止部73の径方向Rにおける内側の表面731が、振動リング4の突出部414の外側表面415すなわち凹部415内に位置づけられて当接された状態で、内側表面731の反対側の外側表面732側に設けられた、コイルバネまたはC形クリップ等の外側固定部材82により、径方向Rの内方へ向けて押圧されて、外側表面415に圧着、固定されている。カバー部材7の内側係止部72は、内側係止部72の径方向Rにおける外側表面722が、ハブ2の内側表面217に形成された凹部219内に位置づけられて当接された状態で、外側表面722の反対側の内側表面721側に設けられた、C形クリップまたはベローズ等の内側固定部材81により、径方向Rの外方へ向けて押圧されて、内側表面217に圧着、固定されている。
このように、カバー部材7は、径方向Rに内側から順に積層されたハブ2の突出部214、弾性体3、振動リング4の突出部414の各側面218、318、418を、最も径方向R内側に位置するハブ2の突出部214の内側から、最も径方向R外側に位置する振動リング4の突出部414の外側まで、全周にわたって覆っている。これにより、ハブ2と振動リング4の間に設けられて軸C方向に露出する弾性体3の全ての側面318が、カバー部材7によって覆われている。したがって、周囲の油が飛散してトーショナルダンパ21の弾性体3に付着しようとしたとしても、これはカバー部材7の被覆部71の、第1表面711とは反対側の表面である第2表面712に付着し、弾性体3までは到達し得ない。
また、内側係止部72と外側係止部73の各々が、最も径方向R内側に位置するハブ2の突出部214の内側表面217と、最も径方向R外側に位置する振動リング4の突出部414の外側表面415に圧着されることで、カバー部材7が、ハブ2の突出部214の内側表面217と、振動リング4の外側表面415に対して、径方向Rに係止されている。
また、トーショナルダンパ21がクランクシャフトに取り付けられた後にクランクシャフトが回転した際に、振動リング4が弾性体3を介してハブ2に対して周方向に相対移動しようとすると、カバー部材7はゴム製の部材であるためこの相対移動に伴い弾性変形する。したがって、振動リング4のハブ2に対する相対移動は、カバー部材7によって阻害されない。
次に、上記のトーショナルダンパ21の製造方法を説明する。
まず、ハブ2と振動リング4の間に、例えばエチレンプロピレンジエンゴムを圧入することにより弾性体3を形成し、ハブ2、弾性体3、及び振動リング4を一体として作成する。
次に、カバー部材7を製造し、外側係止部73の径方向Rにおける内側の表面731が、振動リング4の突出部414の外側表面415に、及び内側係止部72の径方向Rにおける外側の表面722が、ハブ2の突出部214の内側表面217に、それぞれ接するように位置づける。
そして、内側固定部材81及び外側固定部材82を用いて、内側係止部72及び外側係止部73の各々を、ハブ2と振動リング4の突出部214、414に圧着させて固定する。
本変形例のトーショナルダンパ21は、上記実施形態のトーショナルダンパ1と同様に、弾性体3を油等から効果的に保護して弾性体3の劣化を抑制可能である。また、カバー部材7を加硫成形や塗着に依らずとも取り付け可能であり、したがって、トーショナルダンパ21の製造が容易である。
特に、本変形例のトーショナルダンパ21においては、一対のカバー部材7の各々は、リング状に形成されたゴム部材であり、ゴム部材の外周側と内周側の各々が、同一の軸C方向に湾曲されて、外側係止部73と内側係止部72が形成されている。
また、一対のカバー部材7の各々においては、外側係止部73は、径方向Rの外方に設けられたコイルバネまたはC形クリップ等の外側固定部材82により径方向Rの内方へ向けて押圧されて振動リング4の突出部414の外側表面415に固定され、内側係止部72は、径方向Rの内方に設けられたC形クリップまたはベローズ等の内側固定部材81により径方向Rの外方へ向けて押圧されてハブ2の突出部214の内側表面217に固定されている。
上記のような構成によれば、上記のようなトーショナルダンパ21を適切に実現可能である。
また、振動リング4の突出部414の外側表面415と、ハブ2の突出部214の内側表面217の各々には、凹部219、415が設けられており、内側係止部72と外側係止部73は凹部219、415の各々に収容されて固定されている。
上記のような構成によれば、トーショナルダンパ21の取り付け時における内側係止部72と外側係止部73の位置合わせが容易となる。また、トーショナルダンパ21の取り付け後の脱落を抑制できる。
なお、本発明のトーショナルダンパは、図面を参照して説明した上述の実施形態及び変形例に限定されるものではなく、その技術的範囲において他の様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態及び変形例におけるトーショナルダンパは、フロントカバーの内側に設けられていたが、フロントカバーの外に設けられてもよいのは、言うまでもない。フロントカバーの外に設けられた場合にも、内側に設けられた場合と同様に、油等の異物から弾性体3を効果的に保護可能である。
また、上記実施形態においては、軸受け6は、内側係止部52と、ハブ2の突出部214の内側表面217との間に介装されていたが、これに限られない。例えば、軸受け6は、これに替えて、外側係止部53と、振動リング4の突出部414の外側表面415との間に介装されていてもよい。
また、上記実施形態及び変形例においては、ハブ2の突出部214の内側表面217と、振動リング4の突出部414の外側表面415は、それぞれ側面216、416から略垂直に立ち上がるように設けられていたが、これに限れない。例えば、ハブ2の突出部214の内側表面217と、振動リング4の突出部414の外側表面415は、それぞれ側面216、416に対して鋭角を付けられて、側面216、416側に傾くように形成されていてもよい。このようにした場合においては、ハブ2及び振動リング4から、カバー部材5、7が外れにくくなる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態及び変形例で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
1、21 トーショナルダンパ
2 ハブ
211 外周面(外周)
214 突出部
217 内側表面
3 弾性体
4 振動リング
414 突出部
415 外側表面
5、7 カバー部材
52、72 内側係止部
53、73 外側係止部
6 軸受け
8 固定部材
81 内側固定部材
82 外側固定部材
C 軸
E エンジン側(両側)
F フロント側(両側)
R 径方向

Claims (6)

  1. クランクシャフトに取り付けられるハブと、当該ハブの外周に設けられるゴム状の弾性体を介して前記ハブに装着される振動リングと、を備えるトーショナルダンパであって、
    前記ハブと前記振動リングの各々は、前記クランクシャフトの軸が延在する軸方向における両側に、全周にわたって前記軸方向に突出する突出部を備え、
    前記軸方向の両側において、前記弾性体を全周にわたって覆うように形成された、一対のカバー部材を備え、
    一対の前記カバー部材の各々は、前記振動リングの前記突出部の、前記振動リングの径方向における外側表面に対して前記径方向に係止される外側係止部と、前記ハブの前記突出部の、前記径方向の内側表面に対して前記径方向に係止される内側係止部と、を備えている、トーショナルダンパ。
  2. 一対の前記カバー部材の各々は、リング状に形成された金属板であり、当該金属板の外周辺と内周辺の各々が、同一の前記軸方向に屈曲されて、前記外側係止部と前記内側係止部が形成されている、請求項1に記載のトーショナルダンパ。
  3. 前記外側係止部と、前記振動リングの前記突出部の前記外側表面との間と、前記内側係止部と、前記ハブの前記突出部の前記内側表面との間のいずれか一方には、軸受けが介装されている、請求項2に記載のトーショナルダンパ。
  4. 一対の前記カバー部材の各々は、リング状に形成されたゴム部材であり、当該ゴム部材の外周側と内周側の各々が、同一の前記軸方向に湾曲されて、前記外側係止部と前記内側係止部が形成されている、請求項1に記載のトーショナルダンパ。
  5. 一対の前記カバー部材の各々においては、前記外側係止部は、前記径方向の外方に設けられたコイルバネまたはC形クリップ等の外側固定部材により前記径方向の内方へ向けて押圧されて前記振動リングの前記突出部の前記外側表面に固定され、前記内側係止部は、前記径方向の内方に設けられたC形クリップまたはベローズ等の内側固定部材により前記径方向の外方へ向けて押圧されて前記ハブの前記突出部の前記内側表面に固定されている、請求項4に記載のトーショナルダンパ。
  6. フロントカバー内に設けられる、請求項1から5のいずれか一項に記載のトーショナルダンパ。
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