JP2020139477A - 回転機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダンパピンの摩耗の進行を抑制することができる回転機械を提供する。【解決手段】プラットフォームは、軸線方向に延びる平面状をなすとともに、隣り合うプラットフォーム同士で互いに周方向に対向して、径方向外側に向かうに従って対向するプラットフォームに近接するように延びるダンパ当接面を有し、ダンパピンは、軸線方向に延びて、回転軸の回転に伴う遠心力の作用により重心が移動する。ダンパピンとダンパ当接面の接触面積を段階的に増加させることができ、摩擦減衰が必要な領域まで、ダンパピンの摩耗を抑制することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、回転機械に関する。
ガスタービンやジェットエンジン等の回転機械では、隣り合うタービン動翼の間のそれぞれにダンパを設けた構成が知られている。ダンパは、回転機械の回転時にタービン動翼に接触する。そして、タービン動翼に励振力が作用して振動が生じた際には、該ダンパとタービン動翼との接触箇所での摩擦力によって当該振動を減衰させる。
例えば特許文献1には、隣り合うタービン動翼のプラットフォームに接触するダンパピンを備えた回転機械が開示されている。
特開2016−217349号公報
ところで、上記ダンパピンには、プラットフォームとの間の摩擦力によって摩耗が生じる。特に、ダンパピンの断面形状が円形の場合には、ダンパピンとプラットフォームとは線接触することになるため、ダンパピンが受ける面圧が大きくなる。そのため、ダンパピン表面の摩耗がより進行し易い。ダンパピンの摩耗が進行すれば、該ダンパピンの減衰特性が変化してしまい、励振力に対して適切なダンパ効果を付与できない場合がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、ダンパピンの摩耗の進行を抑制することができる回転機械を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用している。すなわち、本発明の第一態様に係る回転機械は、軸線周りに回転する回転軸と、前記回転軸の外周側で周方向に配列された複数の動翼であって、前記回転軸に取り付けられる翼根、該翼根の径方向外側に設けられたプラットフォーム、及び該プラットフォームから径方向外側に延びる翼本体を有する動翼と、互いに隣り合う前記動翼の間における前記プラットフォームの径方向内側に設けられたダンパピンと、を備え、前記プラットフォームは、前記軸線方向に延びる平面状をなすとともに、隣り合う前記プラットフォーム同士で互いに周方向に対向して、径方向外側に向かうに従って対向する前記プラットフォームに近接するように延びるダンパ当接面を有し、前記ダンパピンは、前記軸線方向に延びて、前記回転軸の回転に伴う遠心力の作用により重心が移動する。
上記態様の回転機械によれば、ダンパピンに作用する遠心力によって、重心が移動することにより、ダンパピンとダンパ当接面の接触面積を段階的に増加させることができ、摩擦減衰が必要な領域まで、ダンパピンの摩耗を抑制することができる。また、遠心力が大きくなった時、ダンパピンとダンパ当接面の接触面積が大きくなることで、ダンパピンとダンパ当接面の接触が線接触から面接触に変化し、面圧を低下させることができ、ダンパピンの摩耗を抑制することができる。
本発明の第二態様によれば、第一態様に係る回転機械の前記ダンパピンは、板材であり断面が渦巻き状の弾性部材を有し、前記弾性部材は、中心に向かうにつれて板厚が増してもよい。この構成により、重心位置である弾性部材の中心に遠心力が作用する。この時、遠心力の作用に伴い、重心位置である渦巻きの中心が径方向外側に変位することで、弾性部材の変形量が大きくなるため、ダンパピンの外周面とダンパ当接面が面接触するようになり、弾性部材の外周面に作用する面圧を低下させることができる。これにより、ダンパピンの摩耗が早期に進行してしまうことを抑制できる。
また、弾性部材を渦巻き状に形成することで、弾性部材に遠心力が作用した際に、弾性部材の内部で弾性部材同士が接触し、摩擦が発生する。これにより、振動減衰効果が得られるので、弾性部材の外周面に摩耗が生じるのを抑制することができる。
本発明の第三態様によれば、第一態様に係る前記ダンパピンは、板材であり断面が渦巻き状の弾性部材と、前記弾性部材の中心に取り付けられた芯部材と、を有していても良い。この構成により、重心位置である芯部材に遠心力が作用することにより、芯部材が径方向外側に変位するとともに弾性部材が弾性変形して、ダンパ当接面とダンパピンの接触が線接触から面接触となり、弾性部材の外周面に作用する面圧を低下させることができる。これにより、ダンパピンの摩耗が早期に進行してしまうことを抑制できる。
また、弾性部材を渦巻き状に形成することで、ダンパピンの内部で弾性部材同士あるいは芯部材と弾性部材が接触して摩擦が発生する。これにより、振動減衰効果が得られるので、弾性部材の外周面に摩耗が生じることを抑制することができる。
さらに、重心位置である芯部材に遠心力が作用して、芯部材が径方向外側に移動することで、ダンパピンの内部では、接触面積の大きい外周側から接触するようになる。したがって、ダンパピンの内部で生じる摩擦による振動減衰効果を段階的に増やすことができるため、ダンパピンの内部での摩擦による振動減衰が必要となるまで、弾性部材及び芯部材の摩耗を抑制することができる。そのうえ、芯部材の重量を変化させることでダンパピンの特性を変化させることができるため、動翼の振動特性に合わせてダンパピンを構成することが可能である。
本発明の第四態様によれば、第二態様または第三態様に係る前記弾性部材は、外周側の端部が折り曲げられることにより、前記外周側の端部が前記弾性部材の内周側と接触していてもよい。
この構成により、弾性部材が周方向に変形した際に、外周側の端部と内側の弾性部材との間で摩擦が発生し、振動減衰効果を得ることができ、弾性部材の外周面の摩耗の抑制を促進することができる。また、ダンパピンの中心に遠心力が作用し、ダンパピンが弾性変形して、ダンパ当接面とダンパピンの接触が線接触から面接触へと変わる。これより、動翼とダンパピンの接触面積が増加するため、面圧が低下し、ダンパピンの摩耗を抑制することができる。
さらに、重心位置である芯部材に遠心力が作用して、芯部材が径方向外側に移動することで、ダンパピンの内部では、接触面積の大きい外周側から接触するようになる。したがって、ダンパピンの内部で生じる摩擦による振動減衰効果を段階的に増やすことができるため、ダンパピンの内部での摩擦による振動減衰が必要となるまで、弾性部材及び芯部材の摩耗を抑制することができる。そのうえ、芯部材の重量を変化させることでダンパピンの特性を変化させることができるため、動翼の振動特性に合わせてダンパピンを構成することが可能である。
本発明の第五態様によれば、第二態様または第三態様に係る前記ダンパピンは、前記弾性部材の外周に設けられる中空の円柱部材をさらに有していても良い。この構成により、弾性部材の外周に円柱部材を設けることで、弾性部材の変形量や、ダンパ当接面との接触角の変化によるダンパピンの外周面とダンパ当接面との間の摩擦による振動減衰効果がばらつくことが抑制され、安定した振動減衰性能を発揮することができる。
さらに、弾性部材を渦巻き状に形成することで、ダンパピンの内部で弾性部材同士あるいは芯部材と弾性部材が接触して摩擦が発生する。これにより、振動減衰効果を得ることができる。
さらに、重心位置である芯部材に遠心力が作用して、芯部材が径方向外側に移動することで、ダンパピンの内部では、接触面積の大きい外周側から接触するようになる。したがって、ダンパピンの内部で生じる摩擦による振動減衰効果を段階的に増やすことができるため、ダンパピンの内部での摩擦による振動減衰が必要となるまで、弾性部材及び芯部材の摩耗を抑制することができる。そのうえ、芯部材の重量を変化させることでダンパピンの特性を変化させることができるため、動翼の振動特性に合わせてダンパピンを構成することが可能である。
本発明の第六態様によれば、第五態様に係る前記円柱部材の内部には、複数の前記ダンパピンが配置されていても良い。この構成により、円柱部材に挿入された複数組の弾性部材と芯部材の性能を平均化することができ、振動減衰性能を安定化させることができる。また、弾性部材と芯部材の設計を変えることなく、円柱部材の内部に挿入する弾性部材、芯部材の数を変化させることで、ダンパピンの振動減衰特性を変化させることができる。
また、弾性部材の外周に円柱部材を設けることで、弾性部材の変形量や、ダンパ当接面との接触角の変化によるダンパピンの外周面とダンパ当接面との間の摩擦による振動減衰効果がばらつくことが抑制され、安定した振動減衰性能を発揮することができる。
さらに、弾性部材を渦巻き状に形成することで、ダンパピンの内部で弾性部材同士あるいは芯部材と弾性部材が接触して摩擦が発生する。これにより、振動減衰効果を得ることができる。
さらに、個々の組の重心位置である芯部材に遠心力が作用して、芯部材が径方向外側に移動することで、ダンパピンの内部では、接触面積の大きい外周側から接触するようになる。したがって、ダンパピンの内部で生じる摩擦による振動減衰効果を段階的に増やすことができるため、ダンパピンの内部での摩擦による振動減衰が必要となるまで、弾性部材及び芯部材の摩耗を抑制することができる。そのうえ、挿入する芯部材の重量を調整することで、ダンパピンの振動減衰特性を調整することができる。
本発明の第七態様によれば、回転機械は、軸線周りに回転する回転軸と、前記回転軸の外周側で周方向に配列された複数の動翼であって、前記回転軸に取り付けられる翼根、該翼根の径方向外側に設けられたプラットフォーム、及び該プラットフォームから径方向外側に延びる翼本体を有する動翼と、互いに隣り合う前記動翼の間における前記プラットフォームの径方向内側にそれぞれ設けられた複数のダンパピンと、を備え、前記プラットフォームは、前記軸線方向に延びる平面状をなすとともに、隣り合う前記プラットフォーム同士で互いに周方向に対向して、径方向外側に向かうに従って対向する前記プラットフォームに近接するように延びるダンパ当接面を有し、複数の前記ダンパピンのうち、少なくとも一つの前記ダンパピンとダンパ当接面との当接する角度が、他の前記ダンパピンと異なる。
この構成により、動翼の固有振動数が周方向に不均一となる。これより、動翼を備えた回転機械の起動中や高負荷運転時に起こるフラッタと呼ばれる振動現象に対して、所謂ミスチューン構造とすることができ、タービン動翼の幅広い範囲の励振力に対して振動減衰を効果的に発揮できる。したがって、ダンパピンとダンパ当接面の間の摩擦のみによらずタービン動翼の振動減衰効果を向上させることができるので、ダンパピンの摩耗を抑制することができる。
本発明の第八の態様によれば、第七態様に係る複数の複数の前記ダンパピンの少なくとも一つが、前記周方向に異なる寸法に形成されていても良い。この構成により、異なる寸法のダンパピンが当接する動翼の固有振動数が異なるようになるため、動翼の固有振動数が周方向に不均一となる。これより、動翼を備えた回転機械の起動中や高負荷運転時に起こるフラッタと呼ばれる振動現象に対して、所謂ミスチューン構造とすることができ、動翼の幅広い範囲の励振力に対して振動減衰を効果的に発揮できる。したがって、ダンパピンとダンパ当接面の間の摩擦のみによらず動翼の振動減衰効果を向上させることができるので、ダンパピンの摩耗を抑制することができる。
本発明の第九態様によれば、第七態様または第八態様に係る回転機械の複数の前記ダンパ当接面のうち、少なくとも一つの傾斜角が異なっていても良い。この構成により、異なる傾斜角を有するダンパ当接面にダンパピンが接触すると、動翼の固有振動数が周方向に不均一となる。これより、フラッタと呼ばれる振動現象に対して、所謂ミスチューン構造とすることができ、動翼の幅広い範囲の励振力に対して振動減衰を効果的に発揮できる。したがって、ダンパピンとダンパ当接面の間の摩擦のみによらず動翼の振動減衰効果を向上させることができるので、ダンパピンの摩耗を抑制することができる。
本発明の回転機械によれば、ダンパピンの摩耗の進行を抑制することができる回転機械を提供することができる。
第一実施形態に係るガスタービンの模式的な縦断面図である。 第一実施形態に係るガスタービンの動翼群を軸線方向から見た模式的な図である。 図2の要部拡大図であって、第一実施形態に係るガスタービンの互いに隣り合うプラットフォームを軸線方向から見た図である。 (a),(b),(c)は異なる遠心力が作用する時の第一実施形態に係るダンパピンの状態を示す図である。 第二実施形態に係るガスタービンの互いに隣り合うプラットフォームを軸線方向からみた図である。 (a),(b),(c)は異なる遠心力が作用する時の第二実施形態に係るダンパピンの状態を示す図である。 第二実施形態の変形例に係るダンパピンを軸線方向からみた図である。 第三実施形態に係るダンパピンを軸線方向からみた図である。 第四実施形態に係るダンパピンを軸線方向からみた図である。 第五実施形態に係るガスタービンの互いに隣り合うプラットフォームを軸線方向からみた図であって、(a),(b)は異なる直径のダンパピンがプラットフォームに当接している状態を示す図である。 第六実施形態に係るガスタービンの互いに隣り合うプラットフォームを軸線方向からみた図であって、(a),(b)は異なる傾斜角のダンパ当接面にダンパピンが当接している状態を示す図である。
〈第一実施形態〉
以下、本発明の第一実施形態に係るガスタービン1について、図1〜図4を参照して説明する。図1は、第一実施形態に係るガスタービンの模式的な縦断面図である。図2は、第一実施形態に係るガスタービンの動翼群を軸線方向から見た模式的な図である。図3は、図2の要部拡大図であって、第一実施形態に係るガスタービンの互いに隣り合うプラットフォームを軸線方向から見た図である。図4(a),(b),(c)は、異なる遠心力が作用する時の第一実施形態に係るダンパピンの状態を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係るガスタービン1は、圧縮空気を生成する圧縮機2と、圧縮空気に燃料を混合して燃焼させることで燃焼ガスを生成する燃焼器9と、燃焼ガスによって駆動されるタービン10と、を備えている。
圧縮機2は、軸線O回りに回転する圧縮機ロータ3と、圧縮機ロータ3を外周側から覆う圧縮機ケーシング4と、を有している。圧縮機ロータ3は、軸線Oに沿って延びる柱状をなしている。圧縮機ロータ3の外周面上には、軸線O方向に間隔をあけて配列された複数の圧縮機動翼段5が設けられている。各圧縮機動翼段5は、圧縮機ロータ3の外周面上で軸線Oの周方向に間隔をあけて配列された複数の圧縮機動翼6を有している。
圧縮機ケーシング4は、軸線Oを中心とする筒状をなしている。圧縮機ケーシング4の内周面には、軸線O方向に間隔をあけて配列された複数の圧縮機静翼段7が設けられている。これらの圧縮機静翼段7は、上記の圧縮機動翼段5に対して、軸線O方向から見て交互に配列されている。各圧縮機静翼段7は、圧縮機ケーシング4の内周面上で、軸線Oの周方向に間隔をあけて配列された複数の圧縮機静翼8を有している。
燃焼器9は、上記の圧縮機ケーシング4と、後述するタービンケーシング12との間に設けられている。圧縮機2で生成された圧縮空気は、燃焼器9内部で燃料と混合されて予混合ガスとなる。燃焼器9内で、この予混合ガスが燃焼することで高温高圧の燃焼ガスが生成される。燃焼ガスは、タービンケーシング12内に導かれてタービン10を駆動する。
タービン10は、軸線O回りに回転するタービンロータ11と、タービンロータ11を外周側から覆うタービンケーシング12と、を有している。タービンロータ11は、軸線Oに沿って延びる柱状をなしている。タービンロータ11の外周面上には、軸線O方向に間隔をあけて配列された複数のタービン動翼段20が設けられている。各タービン動翼段20は、タービンロータ11の外周面上で、軸線Oの周方向に間隔をあけて配列された複数のタービン動翼30を有している。このタービンロータ11は、上記の圧縮機ロータ3に対して軸線O方向に一体に連結されることで、ガスタービンロータを形成する。
タービンケーシング12は、軸線Oを中心とする筒状をなしている。タービンケーシング12の内周面には、軸線O方向に間隔をあけて配列された複数のタービン静翼段13が設けられている。これらのタービン静翼段13は、上記のタービン動翼段20に対して、軸線O方向から見て交互に配列されている。各タービン静翼段13は、タービンケーシング12の内周面上で、軸線Oの周方向に間隔をあけて配列された複数のタービン静翼14を有している。タービンケーシング12は、上記の圧縮機ケーシング4に対して軸線O方向に連結されることで、ガスタービンケーシングを形成する。即ち、上記のガスタービンロータは、このガスタービンケーシング内で、軸線O回りに一体に回転可能とされている。
<タービン動翼>
次にタービン動翼30について図2を参照してより詳細に説明する。
タービン動翼30は、翼根31、プラットフォーム32及び翼本体41を有している。
翼根31は、タービン動翼30におけるタービンロータ11に取り付けられる部分である。タービンロータ11は、軸線Oを中心する円盤状をなすディスク11aを軸線O方向に複数積層させることで構成されている。翼根31は、当該ディスク11aの外周面に形成されたディスク11aの凹溝(図示省略)に軸線O方向からはめ込まれることで、ディスク11aに一体に取り付けられている。これによって、ディスク11aに対して周方向に間隔をあけるようにタービン動翼30が放射状に配置されている。
プラットフォーム32は、翼根31の径方向外側に一体に設けられている。プラットフォーム32は、翼根31の径方向外側の端部から軸線O方向及び周方向に張り出ている。プラットフォーム32における径方向外側を向く外周面33は、タービン10を通過する燃焼ガスに曝されている。
プラットフォーム32における周方向を向くプラットフォーム側面34は、径方向かつ軸線O方向に延びている。プラットフォーム側面34は、互いに隣り合うタービン動翼30のプラットフォーム32同士で互いに周方向に対向している。
周方向に対向するプラットフォーム側面34のうち、一方には、該プラットフォーム側面34から凹むとともに軸線O方向に延びる凹部37が形成されている。この凹部37の形状に従ってプラットフォーム32を軸線O方向に貫通するように延びるダンパ収容空間R1が区画形成されている。ダンパ収容空間R1は、隣り合うすべてのプラットフォーム側面34の一方に形成されている。そのため、ダンパ収容空間R1は、タービン動翼30と同数が形成されている。
各プラットフォーム側面34は、凹部37によって径方向に分割されている。プラットフォーム側面34のうち、凹部37の径方向外側の部分が外周側側面35とされており、凹部37の径方向内側の部分が内周側側面36とされている。
図2及び図3に示すように、プラットフォーム32の凹部37における径方向内側を向く面は、ダンパ当接面38とされている。ダンパ当接面38は、軸線Oに平行な平面状をなしている。ダンパ当接面38は、対向するプラットフォーム側面34に向かうに従って、径方向外側に向かって傾斜して延びてプラットフォーム32の外周側側面35に接続されている。
図2及び図3に示すように、ダンパ当接面38における外周側側面35とは反対側の端部は、軸線Oに平行かつ径方向に延びる凹部底面39の径方向外側の端部に接続されている。凹部底面39における径方向内側の端部と内周側側面36の径方向外側の端部との間には、軸線Oに平行かつ周方向に延びる凹部下面40が形成されている。ダンパ収容空間R1は、ダンパ当接面38、凹部底面39及び凹部下面40によって区画形成されている。
翼本体41は、プラットフォーム32の外周面33から径方向外側に向かって延びている。即ち、翼本体41の基端がプラットフォーム32の径方向外側の端部に対して一体に接続されている。翼本体41は、該翼本体41の延在方向に直交する断面形状が翼型をなしている。
<ダンパピン>
図2及び図3に示すように、各ダンパ収容空間R1にはダンパピン50が収容されている。即ち、ダンパピン50は、ダンパ収容空間R1に対応して該ダンパ収容空間R1と同数が設けられている。ダンパピン50は、軸線O方向に延びる円柱状の弾性部材51を有している。ダンパピン50は軸線Oに直交する断面形状が軸線O方向にわたって一様とされている。
弾性部材51は、板材であるとともに、周方向を軸線として渦巻き状になっているため、断面が渦巻き形状をなしている。これより、弾性部材の径方向内側の端部が渦巻きの中心となる。すなわち、弾性部材51は、複数回巻かれることにより、断面の外形が円形かつ渦状になるように形成されている。また、弾性部材51は、渦巻きの中心に向かうほど、厚みが増すように構成されている。
〈作用効果〉
タービン10の回転時には、ダンパピン50に遠心力が発生し、該ダンパピン50の外周面はダンパ当接面38に接触する。ここで、従来技術のように、ダンパピン50が金属製の円筒ピンである場合、当該ダンパピン50は、ダンパ当接面38に対して線接触する。そのため、ダンパピン50には面圧が大きく作用する結果、ダンパピン50の摩耗が早期に進んでしまう。
本実施形態では、ダンパピン50を弾性変形可能な弾性部材51で構成し、弾性部材51の中心に向かうほど、厚みが増す構造とすることで、重心位置である弾性部材51の渦巻きの中心に遠心力が作用する。
この場合、図4(a)に示すように、ダンパピン50に作用する遠心力が小さい時、弾性部材51は内部で一部が変形し、接触しているものの、外形は元の形状を維持しており、ダンパ当接面38とダンパピン50は線接触している。
次に、図4(b)に示すように、ダンパピン50に作用する遠心力が図4(a)の時よりも大きくなると、ダンパピン50の渦巻きの中心が径方向外側に移動する。この時、弾性部材51の外形が変形して、ダンパ当接面38とダンパピン50の接触が線接触から面接触に変化する。
そして、図4(c)に示すように、ダンパピン50に作用する遠心力が図4(b)の時よりも大きくなると、ダンパピン50の渦巻きの中心の変位がさらに大きくなる。そして、これに伴って、ダンパ当接面38とダンパピン50の接触面積はさらに大きくなり、面圧がさらに低下する。
これより、ダンパピン50に遠心力が作用して、板厚の厚い渦巻きの中心が径方向外側に移動するにしたがって、ダンパピン50とダンパ当接面38の接触が線接触から面接触に変化し、ダンパピン50に作用する面圧を低下させることができる。したがって、ダンパピン50の摩耗が早期に進行してしまうことを抑制できる。
また、弾性部材51を渦巻き状に形成することで、弾性部材51に遠心力が作用した際に、弾性部材51の内部で弾性部材51同士が接触し、摩擦が発生する。これにより、振動減衰効果が得られるので、弾性部材51の外周面に摩耗が生じるのを抑制することができる。
さらに、遠心力の作用に伴い、重心位置である渦巻きの中心が径方向外側に段階的に変位することで、弾性部材51の内部で生じる摩擦減衰が段階的に増加する。これより、弾性部材51の内部での摩擦減衰が必要な領域まで、弾性部材51の内部の摩耗を抑制することができる。また、弾性部材51の厚みが大きい部分は、変形に要する力が大きい。これより、弾性部材51の内部では、接触面積の大きい外周側から接触させることができるため、振動減衰効果を効率良く得ることができる。そのうえ、ダンパピン50は、弾性部材51単体の構成であるため、加工性に優れる利点を有する。
以上、図面を参照しながら、本発明の第一実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、ダンパピン50は、弾性変形が可能であり、また、内部で摩擦が生じるように構成されていれば上記構成に限定されない。
〈第二実施形態〉
次に、図5から図7を参照して本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態では、第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図5は、第二実施形態に係るガスタービンの互いに隣り合うプラットフォームを軸線方向からみた図である。図6(a),(b),(c)は、異なる遠心力が作用する時の第二実施形態に係るダンパピンの状態を示す図である。図7は、第二実施形態の変形例に係るダンパピンを軸線方向からみた図である。第二実施形態のダンパピン60は、断面が渦巻き状の弾性部材52と、弾性部材52の中心に取り付けられた芯部材である金属芯54と、を有している。
図4に示すように、弾性部材52は、厚みが一定に形成されており、弾性部材52の渦巻きの中心には、軸線O方向に延びるピン状をなす金属芯54が取り付けられている。金属芯54は、ダンパピン60の中心位置となるように設けられる芯部材であり、断面が円形である。
〈作用効果〉
上記構成によれば、重心位置である金属芯54に遠心力が作用する。この場合、図6(a)に示すように、金属芯に作用する遠心力が小さい時、ダンパピンは元の形状を維持しており、ダンパピン60とダンパ当接面38は線接触している。
次に、図6(b)に示すように、ダンパピン60に作用する遠心力が図6(a)の時よりも大きくなると、金属芯54が径方向外側に移動する。この時、金属芯54と接続された弾性部材52が変形して、ダンパピン60は、ダンパ当接面38と面接触するようになる。この時、図6(a)の場合と比較して、ダンパピン60に作用する面圧が低下する。
そして、図6(c)に示すように、ダンパピン60に作用する遠心力がさらに大きくなると、金属芯54が径方向外側に大きく移動する。これに伴って、弾性部材52の変形量がさらに大きくなり、ダンパ当接面38とダンパピン60の接触面積がさらに増加する。このとき、ダンパピン60に作用する面圧は図6(b)のときよりもさらに低下する。
これより、金属芯54に遠心力が作用して、金属芯54が径方向外側に変位するにしたがって、弾性部材52の変形量が大きくなる。このとき、ダンパ当接面38とダンパピン60の接触が線接触から面接触となり、弾性部材52の外周面に作用する面圧を低下させることができるので、ダンパピン60の摩耗が早期に進行してしまうことを抑制できる。
また、弾性部材52を渦巻き状に形成することで、ダンパピン60の内部で弾性部材52同士あるいは金属芯54と弾性部材52が接触して摩擦が発生する。これにより、振動減衰効果が得られるので、弾性部材52の外周面に摩耗が生じることを抑制することができる。
さらに、重心位置である金属芯54に遠心力が作用して、金属芯54が径方向外側に移動することで、ダンパピン60の内部では、接触面積の大きい外周側から接触するようになる。したがって、ダンパピン60の内部で生じる摩擦による振動減衰効果を段階的に増やすことができるため、ダンパピン60の内部での摩擦による振動減衰が必要となるまで、弾性部材52及び金属芯54の摩耗を抑制することができる。
そのうえ、金属芯54の重量を変化させることでダンパピン60の特性を変化させることができるため、タービン動翼30の振動特性に合わせてダンパピン60を設計することが可能である。
〈変形例〉
以上、図面を参照しながら本発明の第二実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。
例えば、第二実施形態の変形例として、図7に示すように、弾性部材53の外周側の端部が折り曲げられて、該端部よりも内側の弾性部材53と接触するように構成しても良い。この場合、上記の作用効果に加えて、弾性部材53が周方向に変形した際に、外周側の端部と内側の弾性部材53との間で摩擦が発生し、振動減衰効果を得ることができ、弾性部材53の外周面の摩耗の抑制を促進することができる。なお、第一実施形態の弾性部材51についても、変形例と同様に、外周側の端部を折り曲げて内周側の弾性部材51と接触するように構成することが可能である。この場合、ダンパピンは、変形例と同様の作用効果を奏する。
なお、金属芯54は、断面が円形でなくともよく、設計に応じて、多角形型等、種々の構成をとり得る。さらに、ダンパピン60に用いる芯は必ずしも金属製でなくともよく、上記の作用効果を奏する構成であれば、特に制限されない。
〈第三実施形態〉
以下、図8を参照して本発明の第三実施形態について説明する。第三実施形態では、上記の構成要素と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図8は、第三実施形態に係るダンパピンを軸線方向からみた図である。図8に示すように、第三実施形態のダンパピン80は、第二実施形態の構成に加えて、弾性部材52の外周に中空の円柱部材58が設けられている。円柱部材58は、軸線O方向に延びて円柱形状を成すとともに中空に形成され、円柱部材58の内部に弾性部材52と金属芯54が収容されている。円柱部材58は、遠心力の作用による変形量が弾性部材52よりも小さい材料によって形成される。
〈作用効果〉
上記構成によれば、弾性部材52の外周に円柱部材58を設けることで、弾性部材52の変形量や、ダンパ当接面38との接触角の変化による振動減衰効果のばらつきが抑制され、安定した振動減衰性能を発揮することができる。
さらに、弾性部材52を渦巻き状に形成することで、ダンパピン80の内部で弾性部材52同士あるいは金属芯54と弾性部材52が接触して摩擦が発生する。これにより、振動減衰効果を得ることができる。
さらに、重心位置である金属芯54に遠心力が作用して、金属芯54が径方向外側に移動することで、ダンパピン80の内部では、接触面積の大きい外周側から接触するようになる。したがって、ダンパピン80の内部で生じる摩擦による振動減衰効果を段階的に増やすことができるため、ダンパピン80の内部での摩擦による振動減衰が必要となるまで、弾性部材52及び金属芯54の摩耗を抑制することができる。
そのうえ、金属芯54の重量を変化させることでダンパピン50の特性を変化させることができるため、タービン動翼30の振動特性に合わせてダンパピン50を設計することが可能である。
以上、図面を参照しながら本発明の第三実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、円柱部材は、第一実施形態の弾性部材と組み合わせることが可能である。この場合、ダンパピンは、本実施形態と同様に、円柱部材の適用により、振動減衰性能のばらつきを抑制することができる。また、弾性部材52の外周に設けられるのは、必ずしも円柱の部材に限られず、設計に応じて、多角形型の部材を弾性部材52の外周に設けても良い。
〈第四実施形態〉
次に、図9を参照して、本発明の第四実施形態について説明する。第四実施形態では、上記の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。図9は、第四実施形態に係るダンパピンを軸線方向からみた図である。図9に示すように第四実施形態のダンパピン90は、中空の円柱部材58の内部に、複数組の弾性部材52と金属芯54が収容されている点で、第三実施形態と相違する。円柱部材58は、弾性部材52及び金属芯54が挿入される領域が中空に形成され、そのほかの領域は、中実に形成されている。一例には、円柱部材58の内部には、3組の円柱部材58及び金属芯54が挿入され、これらは、周方向に等間隔に配置される。
〈作用効果〉
一組の弾性部材52及び金属芯54のみを円柱部材58の内部に挿入する場合、遠心力が重心位置である金属芯54に作用するため、金属芯54の運動が円柱部材58の振動減衰性能に大きな影響を与える。一方で、複数組の弾性部材52及び金属芯54を挿入した場合、それぞれの組の重心位置である金属芯54の運動が、円柱部材58に与える影響は、一組のみ挿入した場合と比較して小さくなり、平均化される。これより、ダンパピン90の振動減衰性能を安定化させることができる。
さらに、弾性部材52と金属芯54の設計を変えることなく、円柱部材58の内部に挿入する弾性部材52と金属芯54の個数を変化させることにより、ダンパピン90の振動減衰特性を変化させることができる。
また、弾性部材52の外周に円柱部材58を設けることで、弾性部材52の変形量や、ダンパ当接面38との接触角の変化によるダンパピン90の外周面とダンパ当接面38との間の摩擦による振動減衰効果がばらつくことが抑制され、安定した振動減衰性能を発揮することができる。
さらに、弾性部材52を渦巻き状に形成することで、ダンパピン90の内部で弾性部材52同士あるいは金属芯54と弾性部材52が接触して摩擦が発生する。これにより、振動減衰効果を得ることができる。
さらに、個々の組の重心位置である金属芯54に遠心力が作用して、金属芯54が径方向外側に移動することで、ダンパピン90の内部では、接触面積の大きい外周側から接触するようになる。したがって、ダンパピン90の内部で生じる摩擦による振動減衰効果を段階的に増やすことができるため、ダンパピン90の内部での摩擦による振動減衰が必要となるまで、弾性部材52及び金属芯54の摩耗を抑制することができる。
以上、図面を参照しながら本発明の第四実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、一組の弾性部材52と金属芯54は、必ずしも円柱部材58の内部で周方向に等間隔に配置されるとは限らず、設計に応じて配置位置を任意に変更することが可能である。また、挿入する金属芯54の重量を調整することで、ダンパピン90の振動減衰特性を調整することができる。
〈第五実施形態〉
次に、図10(a),(b)を参照して、本発明の第五実施形態について説明する。第五実施形態では、上記の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。図10は、第五実施形態に係るガスタービンの互いに隣り合うプラットフォームを軸線方向からみた図であって、(a),(b)は異なる直径のダンパピンがプラットフォームに当接している状態を示す図である。
図10(a),(b)に示すように、第五実施形態では、各ダンパ収容空間R1に収容されたダンパピンのうちの少なくとも一つのダンパピン50Aと、該ダンパピン50Aを除く他のダンパピン50Bとは互いに異なる構造となっている。ダンパピン50Aとダンパピン50Bとは、それぞれ軸線O方向に延びるピン状の部材であり、同じ外形をなす。一方で、ダンパピン50Aとダンパピン50Bとは、互いに異なる寸法に形成されている。詳細には、ダンパピン50Aとダンパピン50Bの周方向の寸法が互いに異なるように形成されている。この時、ダンパピン50Aとダンパピン50Bは、ダンパ当接面38と異なる接触角度で当接する。
〈作用効果〉
上記の構成によれば、ダンパピン50Aが当接するタービン動翼30とダンパピン50Bが当接するタービン動翼30の固有振動数が異なるようになるため、タービン動翼30の固有振動数が周方向に不均一となる。これより、タービン動翼30を備えたガスタービン1の起動中や高負荷運転時に起こるフラッタと呼ばれる振動現象に対して、所謂ミスチューン構造とすることができ、タービン動翼30の幅広い範囲の励振力に対して振動減衰を効果的に発揮できる。したがって、ダンパピンとダンパ当接面38の間の摩擦のみによらずタービン動翼30の振動減衰効果を向上させることができるので、ダンパピンの摩耗を抑制することができる。
以上、図面を参照しながら本発明の第五実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、ダンパピンの外形を異ならせることにより、ダンパピンとダンパ当接面の接触角度を変化させても良い。また、複数のダンパピンのすべてを異なる寸法に形成しても良いし、一部のみ異なる寸法に形成しても良い。
〈第六実施形態〉
次に、図11を参照して、本発明の第六実施形態について説明する。第六実施形態では、上記の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。図11は、第六実施形態に係るガスタービンの互いに隣り合うプラットフォームを軸線方向からみた図であって、(a),(b)は異なる傾斜角のダンパ当接面にダンパピンが当接している状態を示す図である。
図11(a),(b)に示すように、第六実施形態では、各凹部37を構成するダンパ当接面38のうちの少なくとも一つのダンパ当接面38Aの傾斜角θ1と、該ダンパ当接面38Aを除く他のダンパ当接面38Bの傾斜角θ2とが異なる。詳細には、ダンパ当接面38Aと径方向に垂直な軸線のなす角度が、ダンパ当接面38Bと径方向に垂直な軸線のなす角度と異なるように構成されている。この時、ダンパ当接面38Aとダンパ当接面38Bとは、異なる接触角度でダンパピン100と接触する。
〈作用効果〉
上記の構成によれば、ダンパピン100が接触すると、ダンパ当接面38Aを有するタービン動翼30とダンパ当接面38Bを有するタービン動翼30とで、固有振動数が異なるようになるため、タービン動翼30の固有振動数が周方向に不均一となる。これより、フラッタと呼ばれる振動現象に対して、所謂ミスチューン構造とすることができ、タービン動翼30の幅広い範囲の励振力に対して振動減衰を効果的に発揮できる。したがって、ダンパピンとダンパ当接面の間の摩擦のみによらずタービン動翼30の振動減衰効果を向上させることができるので、ダンパピンの摩耗を抑制することができる。
以上、図面を参照しながら本発明の第五実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、全てのダンパ当接面の傾斜角を異なる角度に形成しても良いし、一部のダンパ当接面の傾斜角を異なる角度に形成しても良い。
〈その他の実施形態〉
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して説明したが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、実施形態では、本発明をガスタービン1のタービン動翼30に適用した例について説明したが、例えばジェットエンジンの動翼や蒸気タービンの動翼等、他の回転機械の動翼に本発明を適用してもよい。
1 ガスタービン
2 圧縮機
3 圧縮機ロータ
4 圧縮機ケーシング
5 圧縮機動翼段
6 圧縮機動翼
7 圧縮機静翼段
8 圧縮機静翼
9 燃焼器
10 タービン
11 タービンロータ
11a ディスク
12 タービンケーシング
13 タービン静翼段
14 タービン静翼
20 タービン動翼段
30 タービン動翼
31 翼根
32 プラットフォーム
33 外周面
34 プラットフォーム側面
35 外周側側面
36 内周側側面
37 凹部
38 ダンパ当接面
39 凹部底面
40 凹部下面
41 翼本体
50,60,70,80,90,100,50A,50B ダンパピン
51,52,53 弾性部材
54 金属芯
58 円柱部材
R1 ダンパ収容空間
θ1,θ2 傾斜角
O 軸線

Claims (9)

  1. 軸線周りに回転する回転軸と、
    前記回転軸の外周側で周方向に配列された複数の動翼であって、前記回転軸に取り付けられる翼根、該翼根の径方向外側に設けられたプラットフォーム、及び該プラットフォームから径方向外側に延びる翼本体を有する動翼と、
    互いに隣り合う前記動翼の間における前記プラットフォームの径方向内側に設けられたダンパピンと、
    を備え、
    前記プラットフォームは、
    前記軸線方向に延びる平面状をなすとともに、隣り合う前記プラットフォーム同士で互いに周方向に対向して、径方向外側に向かうに従って対向する前記プラットフォームに近接するように延びるダンパ当接面を有し、
    前記ダンパピンは、
    前記軸線方向に延びて、前記回転軸の回転に伴う遠心力の作用により重心が移動する、回転機械。
  2. 前記ダンパピンは、板材であり断面が渦巻き状の弾性部材を有し、
    前記弾性部材は、中心に向かうにつれて板厚が増す、請求項1に記載の回転機械。
  3. 前記ダンパピンは、板材であり断面が渦巻き状の弾性部材と、
    前記弾性部材の中心に取り付けられた芯部材と、を有する、請求項1に記載の回転機械。
  4. 前記弾性部材は、外周側の端部が折り曲げられることにより、
    前記外周側の端部が前記弾性部材の内周側と接触している、請求項2または請求項3に記載の回転機械。
  5. 前記ダンパピンは、
    前記弾性部材の外周に設けられる中空の円柱部材をさらに有する、請求項2または請求項3に記載の回転機械。
  6. 前記円柱部材の内部には、複数の前記ダンパピンが配置されている、請求項5に記載の回転機械。
  7. 軸線周りに回転する回転軸と、
    前記回転軸の外周側で周方向に配列された複数の動翼であって、前記回転軸に取り付けられる翼根、該翼根の径方向外側に設けられたプラットフォーム、及び該プラットフォームから径方向外側に延びる翼本体を有する動翼と、
    互いに隣り合う前記動翼の間における前記プラットフォームの径方向内側にそれぞれ設けられた複数のダンパピンと、
    を備え、
    前記プラットフォームは、
    前記軸線方向に延びる平面状をなすとともに、隣り合う前記プラットフォーム同士で互いに周方向に対向して、径方向外側に向かうに従って対向する前記プラットフォームに近接するように延びるダンパ当接面を有し、
    複数の前記ダンパピンのうち、少なくとも一つの前記ダンパピンとダンパ当接面との当接する角度が、他の前記ダンパピンと異なる、回転機械。
  8. 複数の前記ダンパピンの少なくとも一つが、前記周方向に異なる寸法に形成される、請求項7に記載の回転機械。
  9. 複数の前記ダンパ当接面のうち、少なくとも一つの傾斜角が異なる、請求項7又は請求項8に記載の回転機械。
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