JP2004270483A - タービン動翼体およびその組立方法 - Google Patents

タービン動翼体およびその組立方法 Download PDF

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野 哲 熊
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野 研 一 奥
Morito Sakata
田 盛 人 坂
Toru Murakami
上 透 村
Toru Shibagaki
垣 徹 柴
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Abstract

【課題】タービン動翼を円周方向に変位不能に固定するための止め翼を寸法の小さなロータに係止可能な構造を有したタービン動翼体を提供する。
【解決手段】ロータ1に植設したタービン動翼の植込部11aが係合溝2内において円周方向に変位しないように固定するための止め翼11を、切欠部12内に挿入する係合部材14およびこの係合部材14をロータに係止する係止手段13との組み合わせによって、タービン軸の軸線方向および半径方向に変位不能に係止する。切欠部12や係合部材14,係止手段13の形状、構造および寸法はある程度自由に設定することができるから、ロータ1の半径方向および軸線方向の寸法を小さくしてタービン性能を向上させることが可能となる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植込形態がインサイド型タンジェンシャルエントリ型式のタービン動翼体に関し、より詳しくは、タービン動翼を円周方向に変位不能に固定するための止め翼若しくは止め金を寸法の小さなロータに係止可能な構造を有したタービン動翼体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、タービンの動翼をロータに固定する型式として、動翼植込用の係合溝がタービン軸線方向に延びるようにロータに形成されるアキシャルエントリ型式と、係合溝若しくはクリスマスツリー状の凸状係合部がロータの円周方向に延びるように形成されるタンジェンシャルエントリ型式とが用いられている。
【0003】
タンジェンシャルエントリ型式のうち動翼の植込部を係合溝内に内嵌するインサイド型のタービン動翼体を組み立てる際には、図6に示したように、ロータ1の外周に凹設されて円周方向に延びる係合溝2の一ヶ所に設けた切欠部分3から多数の動翼を順次挿入して係合溝2に内嵌させつつ円周方向に移動させるとともに、最後に動翼の一つである止め翼4を切欠部分3に取り付けてピン5若しくはキーによりロータ1に固定する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−200806号公報(第7図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したように、ロータ1および止め翼4の植込部4aを貫通するピン5若しくはキーを用いて止め翼4をロータに固定するためには、ロータ1がある程度の大きさの半径方向寸法および軸線方向寸法を有している必要がある。
また、これまでは、ピン若しくはキーに代わる止め翼の固定方法がなかった。
そこで、応力的な制約からロータ1の半径方向寸法および軸線方向寸法を大きく取りつつ、言い換えるとタービン性能の一部を犠牲にしつつピン若しくはキーを用いざるを得なかった。
【0006】
しかしながら、近年、タービン性能を向上させるためにロータが小さくなり、ピン若しくはキーによって止め翼をロータに固定することができない場合が生じつつある。
【0007】
そこで本発明の目的は、上述した従来技術が有する問題点を解消し、インサイド型タンジェンシャルエントリ型式のタービン動翼体であって、複数のタービン動翼を円周方向に変位不能に固定するための止め翼若しくは止め金を寸法の小さなロータに係止可能な構造を有したタービン動翼体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための請求項1に記載した手段は、
タービン軸線の円周方向に延びる係合溝がその外周面に凹設されたロータと、
前記係合溝に連設して前記外周面に凹設された切欠部を介してその植込部が前記係合溝内に挿入されることによって前記ロータに植設される複数のタービン動翼と、
前記タービン動翼を前記係合溝内において前記円周方向に変位不能に固定するための固定部材と、
前記切欠部内に挿入されると前記固定部材と前記タービン軸の軸線方向および半径方向に係合する係合部材と、
前記切欠部内に挿入された前記係合部材を前記ロータに対して前記半径方向外側に変位不能に係止するための係止手段と、を備えることを特徴とするタービン動翼体である。
【0009】
すなわち、請求項1に記載したタービン動翼体は、いわゆるインサイド型タンジェンシャルエントリ型式のタービン動翼体であって、ロータに植設したタービン動翼の植込部が係合溝内において円周方向に変位しないように固定するための止め翼の植込部や止め金等で構成される固定部材を、切欠部内に挿入する係合部材およびこの係合部材をロータに係止する係止手段との組み合わせによって、タービン軸の軸線方向および半径方向に変位不能に係止する構造である。
これにより、従来技術のようにロータおよびタービン動翼の植込部を貫通するピン若しくはキーを用いる必要がない。
また、切欠部や係合部材、係止手段の形状、構造および寸法はある程度自由に設定することができる。
したがって、ロータの半径方向および軸線方向の寸法を小さくすることができるから、例えば蒸気タービンにおいては非常に広範囲の蒸気条件の段落においてタービン性能を向上させることが可能となる。
【0010】
請求項2に記載した手段は、請求項1に記載したタービン動翼体において、
前記係止手段が、前記切欠部内に挿入されたときに前記切欠部の内壁面に形成されている段部と前記半径方向に係合する段部を有した第1のスペーサであり、
かつ前記係合部材が、前記固定部材と前記第1のスペーサとの間において前記切欠部内に挿入された後に前記第1のスペーサに溶接される第2のスペーサであることを特徴としている。
【0011】
すなわち、請求項2に記載したタービン動翼体は、切欠部内に挿入された後に互いに溶接される第1および第2のスペーサを用いて止め翼や止め金等の固定部材をロータに係止する構造である。
このとき、第1および第2のスペーサの形状、構造および寸法はある程度自由に設定することができるから、ロータの半径方向および軸線方向の寸法を小さくすることができる。
また、タービン動翼体を組み立てた後に第1および第2のスペーサを互いに溶接するから、止め翼や止め金等を係合溝に確実に係止することができる。
【0012】
請求項3に記載した手段は、請求項1に記載したタービン動翼体において、
前記係合部材が、前記切欠部内に挿入されたときに前記固定部材と前記軸線方向および前記半径方向に係合する第3のスペーサであり、
かつ前記係止手段が、前記第3のスペーサを前記ロータに螺着するためのボルトであることを特徴としている。
【0013】
すなわち、請求項3に記載したタービン動翼体は、切欠部内に挿入された後にボルトによってロータに係止される第3のスペーサを用いて止め翼の植込部や止め金等で構成される固定部材をロータに係止する構造である。
このとき、第3のスペーサの形状、構造および寸法はある程度自由に設定することができるから、ロータの半径方向および軸線方向の寸法を小さくすることができる。
また、ボルトを用いて第3のスペーサを係止する構造であるから、タービン動翼体の組み立てを容易に行うことができる。
【0014】
請求項4に記載した手段は、請求項3に記載したタービン動翼体において、
前記ボルトが、前記第3のスペーサの側面と前記切欠部の内壁面とが互いに密着する部分に貫設されたボルト挿通孔内に挿通されて前記第3のスペーサを前記ロータに螺着することを特徴としている。
【0015】
すなわち、請求項4に記載したタービン動翼体においては、円柱状のボルト挿通孔の片側半分が第3のスペーサの側面に凹設され、かつ残りの半分が切欠部の内壁面に凹設される。
これにより、隣接する段落同士の間隔が狭くて第3のスペーサの軸線方向寸法を大きく取ることができないタービンにおいても、第3のスペーサおよびボルトを用いて止め翼の植込部や止め金等で構成される固定部材をロータに係止することができる。
【0016】
請求項5に記載した手段は、タービン動翼体の組立方法であって、
ロータの外周面に凹設されて円周方向に延びる係合溝内に複数のタービン動翼の植込部を順次挿入することにより前記ロータに前記タービン動翼を植設し、
前記タービン動翼を前記係合溝内において円周方向に変位不能に固定するための固定部材を前記係合溝に取り付け、
前記固定部材と半径方向に係合する係合部材を、前記植込部を前記係合溝に挿入するために前記係合溝に連設されている切欠部内に取り付け、
前記係合部材を半径方向に変位不能に前記ロータに係止するための係止手段を用いて前記係合部材を前記ロータに係止することを特徴としている。
【0017】
すなわち、請求項5に記載した組立方法によって組み立てられるタービン動翼体は、いわゆるインサイド型タンジェンシャルエントリ型式のタービン動翼体である。
このとき、この組立方法においては、従来技術のようにロータおよびタービン動翼の植込部を貫通するピン若しくはキーを用いることがない。
また、切欠部や係合部材、係止手段の形状、構造および寸法はある程度自由に設定することができる。
これにより、ロータの半径方向および軸線方向の寸法を小さくして性能を向上させたタービン動翼体を、確実かつ容易に組み立てることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図5を参照し、本発明に係るタービン動翼体の各実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明においては、同一の部分には同一の符号を用いてその説明を省略するとともに、タービン軸が延びる方向を軸線方向と言い、タービン軸に対して垂直な方向を半径方向と言う。
【0019】
第1実施形態
まず最初に図1乃至図3を参照し、第1実施形態のタービン動翼体について説明する。
【0020】
図1にその要部を示した本第1実施形態のタービン動翼体10は、その植込形態がいわゆるインサイド型タンジェンシャルエントリ型式のタービン動翼体であり、ロータ1の外周面にはタービン軸の円周方向(図1(a)においては図示する紙面に垂直な方向、図1(b)においては図示上下方向)に全周にわたって延びる係合溝2が凹設されている。
また、係合溝2には、タービン動翼11の植込部11aを係合溝2内に挿入するための切欠部12が、軸線方向の上流側若しくは下流側において係合溝2に連設されている。
【0021】
切欠部12の内壁面のうち、止め翼としての一つのタービン動翼11と軸線方向に対向する内壁面12aには、切欠部12の底面12bに対向しつつ互いに平行に延びる段差面12cが連設されている。
また、切欠部12の内壁面のうち、円周方向に互いに対向する一対の内壁面12d,12eは軸線方向および半径方向に延びるように形成されている。
なお、切欠部12は、固定部材となるタービン動翼11の植込部11a、係止手段としての第1のスペーサ13、および係合部材としての第2のスペーサ14をそれぞれ受容可能な大きさに設定されている。
【0022】
第1のスペーサ13は、ロータ1と同じ材質からその断面形状が略L字形に形成された部材で、切欠部12内に装着されたときに切欠部12の底面12bおよび段差面12cにそれぞれ密着し、自らをロータ1に対して半径方向(図1(a)において図示上下方向)に変位不能に係止するための底面13aおよび段差面13bを有している。
また、切欠部12内に装着されると、軸線方向の一方の側面13cが切欠部12の内壁面12aに密着し、かつタービン動翼11側の背面13dが半径方向に延びるように形成されている。
【0023】
第2のスペーサ14は、ロータ1と同じ材質からその断面形状が略逆L字形に形成された部材で、切欠部12内におけるタービン動翼11と第1のスペーサ13との間の隙間に挿入されると、その背面14aが第1のスペーサ13の背面13dに密着すると同時に、タービン動翼11側の側面14bが植込部11aの側面11bに密着し、かつその段差面14cが植込部11aの段差面11c上に密着する。
なお、段差面14cが植込部11aの段差面11c上に密着したときには、その底面14dと切欠部12の底面12bとの間にわずかな隙間が生じるようになっている。
【0024】
上述した第1および第2のスペーサ13,14を用いてタービン動翼(止め翼)11を係合溝2内に係止する際には、まず最初に図2に示したように第1のスペーサ13を切欠部2内に装着した後、図3に示したように第2のスペーサ14を装着する。
次いで、第1および第2のスペーサ13,14の背面13d,14a間に形成される開先15を用いて第1および第2のスペーサ13,14を一体に溶接すると、図1(a)に示したように溶接部16が形成される。
なお、溶接部16は、第1および第2のスペーサ13,14の円周方向の幅の中央部に設け、ロータ1には溶接時の熱の影響が及ばないようにする。
また、タービン動翼体10を点検するためにロータ1からタービン動翼11を取り外す際には、溶接部16を機械加工によって除去することにより、切欠部12から第1および第2のスペーサ13,14を取り外せばよい。
【0025】
第1および第2のスペーサ13,14を一体に溶接すると、第1のスペーサ13が切欠部12の底面12bおよび段差面12cに密着し、かつ第1のスペーサ13と一体となった第2のスペーサ14の段差面14cが植込部11aの段差面11c上に密着する。
また、第1のスペーサ13の側面13cが切欠部12の内壁面12aに密着し、かつ第2のスペーサ14が第1のスペーサ13の背面13dと植込部11aの側面11bとによって軸線方向に挟持されている。
これにより、タービン動翼(止め翼)11の植込部11aは、係合溝2および切欠部12の内部において半径方向および軸線方向に変位不能に、ロータ1に係止される。
【0026】
すなわち、本第1実施形態のタービン動翼体10は、切欠部12内に挿入された後に互いに溶接される第1および第2のスペーサ13,14を用いて止め翼11をロータ1に係止する構造である。
そして、ロータ1の係合溝2に順次挿入された複数のタービン動翼を変位不能とするため、止め翼11の植込部11aが固定部材としての役目をする。
このとき、第1および第2のスペーサ13,14の形状、構造および寸法はある程度自由に設定することができるから、ロータ1の軸線方向および半径方向の寸法を小さくすることができる。
【0027】
また、タービン動翼体10を組み立てた後に第1および第2のスペーサ13,14を一体に溶接してしまうから、タービン動翼(止め翼)11を係合溝2および切欠部12の内部に確実に係止することができる。
また、切欠部12内の空間は第1および第2のスペーサ13,14によって完全に埋められるから、ロータ1の回転バランスに影響を与えることがない。
【0028】
第2実施形態
次に図4を参照し、第2実施形態のタービン動翼体について説明する。
【0029】
図4にその要部を示した第2実施形態のタービン動翼体20は、切欠部21内に装着される単一の係合部材としての第3のスペーサ22および係止手段としてのボルト23を用いて、止め翼としてのタービン動翼11を係合溝2および切欠部21に係止する構造である。
【0030】
切欠部21の底面21aのほぼ中央部には、ボルト23と螺合する雌ねじ21bが半径方向に延びるように形成されている。
また、第3のスペーサ22には、ボルト23を挿通するための挿通孔22aが半径方向に貫設されているとともに、その外周面22bにはボルト23の頭部を収納するための円形凹部22cが凹設されている。
【0031】
切欠部21内に第3のスペーサ22を挿入し若しくは打ち込むと、第3のスペーサ22の底面22dと切欠部21の底面21aとの間にわずかな隙間が生じる状態で、第3のスペーサ22の段差面22eが植込部11aの段差面11c上に密着する。
同時に、第3のスペーサ22のタービン動翼11から軸線方向に離間する側の側面22fが切欠部21の内壁面21cに密着し、かつタービン動翼11側の側面22gが止め翼11の植込部11aの側面11bに密着する。
【0032】
次いで、ボルト23を第3のスペーサ22のボルト挿通孔22aに挿通し、切欠部21の雌ねじ21bに螺合させて強く締め付けると、タービン動翼(止め翼)11の植込部11aは、係合溝2および切欠部21の内部において軸線方向および半径方向に変位不能な状態でロータ1に係止される。
【0033】
すなわち、本第2実施形態のタービン動翼体20は、切欠部21内に挿入された後にボルト23によってロータ1に係止される第3のスペーサ22を用いて止め翼11をロータ1に係止する構造である。
このとき、第3のスペーサ22の形状、構造および寸法はある程度自由に設定することができるから、ロータ1の軸線方向および半径方向の寸法を小さくすることができる。
また、ボルト23を用いて第3のスペーサ22をロータ1に係止する構造であるから、タービン動翼体20の組立および分解を容易に行うことができる。
また、ボルト23の頭部を必要に応じてかしめ若しくは溶接を施すことにより、その緩みを防止することができる。
なお、ボルト23の材質、呼び径、雄ねじの種類、首下形状等の諸元は、ボルト23に作用する応力の大きさや取付スペースに合わせて適切に選択する。
【0034】
第3実施形態
次に図5を参照し、第3実施形態のタービン動翼体について説明する。
【0035】
図5にその要部を示した第3実施形態のタービン動翼体30は、前述した第2実施形態のタービン動翼体20と同様に、切欠部31内に装着される単一の係合部材としての第4のスペーサ33および係止手段としてのボルト33を用いて、止め翼としてのタービン動翼11を係合溝2および切欠部21に係止する構造であるが、ボルト33の取り付け位置のみが前述した第2実施形態のタービン動翼体20と異なっている。
【0036】
具体的に説明すると、ボルト33と螺合する雌ねじ31aの軸線が、切欠部31の内壁面のうちタービン動翼(止め翼)11と対向する壁面31b上にある。
言い換えると、第4のスペーサ32の側面32aと切欠部31の内壁面31bとが互いに密着する部分に雌ねじ31aが貫設されている。
これに伴い、ボルト33を挿通するための挿通孔は、その一方の半分が第4のスペーサ32の側面32aに凹設されて半径方向に延びる断面形状が半円形の凹溝32bとして形成され、残りの半分が切欠部31の内壁面31bに凹設されて半径方向に延びる断面形状が半円形の凹溝31cとして形成されている。
さらに、ボルト33の頭部を収納する円形凹部は、その一方の半分32cが第4のスペーサ32の外周面に凹設され、他方の半分31dがロータ1の外周面に凹設されている。
【0037】
すなわち、本第3実施形態のタービン動翼体30においては、円柱状のボルト挿通孔の片側半分が第4のスペーサ32の側面に凹設され、かつ残りの半分が切欠部31の内壁面31bに凹設される。
これにより、隣接する段落同士の軸線方向間隔が狭くて第4のスペーサ32の軸線方向寸法を大きく取ることができないタービンにおいても、第4のスペーサ32およびボルト33を用いて止め翼11や止め金等の固定部材を確実にロータ1に係止することができる。
【0038】
以上、本発明に係るタービン動翼体の各実施形態ついて詳しく説明したが、本発明は上述した実施形態によって限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した第1実施形態においては、切欠部12に凹状の係合部を設けるとともに第1のスペーサ13側に凸状の係合部を設けているが、これとは反対に切欠部12に凸状の係合部を凸設すとともに第1のスペーサ13側に凹状の係合部を凹設することもできる。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のタービン動翼体によれば、従来技術のようにロータおよびタービン動翼の植込部を貫通するピン若しくはキーを用いる必要がなく、かつ切欠部、係合部材、係止手段の形状、構造および寸法をある程度自由に設定することができる。
これにより、ロータの半径方向および軸線方向の寸法を小さくすることができるから、タービン性能を大幅に向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るタービン動翼の固定構造の第1実施形態を示す断面図(a)および平面図(b)。
【図2】第1のスペーサを取り付けた状態を示す断面図。
【図3】第2のスペーサを取り付けた状態を示す断面図。
【図4】本発明に係るタービン動翼の固定構造の第2実施形態を示す断面図(a)および平面図(b)。
【図5】本発明に係るタービン動翼の固定構造の第3実施形態を示す断面図(a)および平面図(b)。
【図6】従来のタービン動翼の固定構造を示す断面図(a)および平面図(b)。
【符号の説明】
1 ロータ
2 係合溝
3 切欠部
4 止め翼(タービン動翼)
5 ピン
10 第1実施形態のタービン動翼体
11 止め翼
12 切欠部
13 第1のスペーサ
14 第2のスペーサ
15 開先
16 溶接部
20 第2実施形態のタービン動翼体
21 切欠部
21b 雌ねじ
22 第3のスペーサ
23 ボルト
30 第3実施形態のタービン動翼体
31 切欠部
32 第4のスペーサ
33 ボルト

Claims (5)

  1. タービン軸線の円周方向に延びる係合溝がその外周面に凹設されたロータと、
    前記係合溝に連設して前記外周面に凹設された切欠部を介してその植込部が前記係合溝内に挿入されることによって前記ロータに植設される複数のタービン動翼と、
    前記タービン動翼を前記係合溝内において前記円周方向に変位不能に固定するための固定部材と、
    前記切欠部内に挿入されると前記固定部材と前記タービン軸の軸線方向および半径方向に係合する係合部材と、
    前記切欠部内に挿入された前記係合部材を前記ロータに対して前記半径方向外側に変位不能に係止するための係止手段と、
    を備えることを特徴とするタービン動翼体。
  2. 前記係止手段は、前記切欠部内に挿入されたときに前記切欠部の内壁面に形成されている段部と前記半径方向に係合する段部を有した第1のスペーサであり、
    かつ前記係合部材は、前記固定部材と前記第1のスペーサとの間において前記切欠部内に挿入された後に前記第1のスペーサに溶接される第2のスペーサであることを特徴とする請求項1に記載したタービン動翼体。
  3. 前記係合部材は、前記切欠部内に挿入されたときに前記固定部材と前記軸線方向および前記半径方向に係合する第3のスペーサであり、
    かつ前記係止手段は、前記第3のスペーサを前記ロータに螺着するためのボルトであることを特徴とする請求項1に記載したタービン動翼体。
  4. 前記ボルトは、前記第3のスペーサの側面と前記切欠部の内壁面とが互いに密着する部分に貫設されたボルト挿通孔内に挿通されて前記第3のスペーサを前記ロータに螺着することを特徴とする請求項3に記載したタービン動翼体。
  5. ロータの外周面に凹設されて円周方向に延びる係合溝内に複数のタービン動翼の植込部を順次挿入することにより前記ロータに前記タービン動翼を植設し、
    前記タービン動翼を前記係合溝内において円周方向に変位不能に固定するための固定部材を前記係合溝に取り付け、
    前記固定部材と半径方向に係合する係合部材を、前記植込部を前記係合溝に挿入するために前記係合溝に連設されている切欠部内に取り付け、
    前記係合部材を半径方向に変位不能に前記ロータに係止するための係止手段を用いて前記係合部材を前記ロータに係止する、
    ことを特徴とするタービン動翼体の組み立て方法。
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