JP2020139348A - 排水パイプ、液状化対策工法 - Google Patents

排水パイプ、液状化対策工法 Download PDF

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Abstract

【課題】施工箇所の制約を受け難く、かつ、低施工費で地盤強度の低下を抑制可能な、液状化の発生を抑制することができる排水パイプ、及びその排水パイプを提供する。【解決手段】地盤に地表面から鉛直、若しくは鉛直斜め下方向に打ち込まれて、地盤の液状化対策に用いられる管径の異なる複数の管体11〜13を備えた排水パイプ10において、管径の一番大きな第1管体11と、管径の一番小さな第2管体12と、を備え、前記複数の管体11〜13を、それぞれ、先端部の内径が後端部の内径より縮径し、各管体を、管径の大きな外側の管体の先端部に後端部を係止させつつ、突出自在に構成し、少なくとも前記第1管体11と前記第2管体12の周壁のいずれか一方又は両方を、有孔周壁とする。【選択図】図2

Description

この発明は、地盤に地表面から鉛直、若しくは鉛直斜め下方向に打ち込まれて、地盤の液状化対策に用いられる液状化対策用排水パイプ、及びそれを用いた液状化対策工法に関する。
地盤の液状化を抑制するために、透水性を有する排水パイプを、地盤に地表面から鉛直に打ち込む方法が知られている。排水パイプを直接地盤に打ち込む方法は、特許文献1に記載されている。また、特許文献2には、地盤に穿孔を形成しておき(プレボーリング)、形成した穿孔に排水パイプを挿入する液状化防止工法が記載されている。特許文献3には、ケーシングパイプを地中に挿入した後に通水保持材を挿入し、その後、ケーシングパイプを引き抜いて通水保持材を地盤中に残置させるドレーン打設工法が記載されている。なお、特許文献3に開示された工法は、通水保持材を地盤中に残置させる工法であり、排水パイプを地盤中に残置させる工法ではない。排水パイプには、集水孔が形成される。特許文献4〜7には、集水孔の開口率についての記載がある。
実開昭51−62203号公報 特開2013−104215号公報 特開2004−52335号公報 実開平2−132219号公報 特開平2−300412号公報 特開2016−37715号公報 特開2003−232028号公報
特許文献1のように、排水パイプを直接地盤に打ち込む工法では、打設に必要な荷重が大きくなる。このため、鋼管の板厚を厚くするなど頑丈な排水パイプが必要となり、不経済である。また、施工機械(打設機)が大きくなるため、施工スペースの制約が発生し、例えば、建物と建物との間の隙間、狭小な路地等の狭隘な場所での施工が困難となる。
これに対して、特許文献2のように、穿孔を形成し、形成した穿孔に排水パイプを挿入する工法では、特許文献1と比較して、打設に必要な荷重を小さくでき、強度が低い鋼管であっても使用可能であり、材料コストを低く抑えることができる。
ところで、地盤の液状化を抑制するためには、
・地下水位の高さを十分に低下させること
・地震発生時等に生じる過剰間隙水圧に起因した間隙水を集水し、排水できること
が重要である。つまり、地盤の液状化を抑制する排水パイプには、長尺の排水パイプが必要である。長尺の排水パイプを地盤に地表面から鉛直に打ち込むには、地表面の上方に十分な空間が広がっていなければならない。このため、排水パイプを用いた地盤の液状化対策工法では、施工箇所に、施工スペースの制約に加えて、架線下や橋梁下等における空頭制限などの高さ(排水パイプを押し出す際の排水パイプの上方に広がる空間の高さ)の制約をさらに受けることとなり、施工不可能な箇所が発生しやすい、という事情がある。
このような事情に対し、特許文献3には、ケーシングを複数の単位ピース体に分け、単位ピース体を順次地盤に打ち込んで削孔し、打ち込んだケーシング内に、例えば、樹脂ストリングからなる通水保持材(排水材)を継ぎ足しながら挿入していくドレーン打設工法が記載されている。打ち込んだケーシングについては、通水保持材が挿入された後、通水保持材による排水を可能とするために地盤から引き抜かれる。特許文献7では、
・ケーシングを引き抜くため、施工工程が増え、施工費の増大を招く
・ケーシングを引き抜く際、地盤が緩み、地盤強度が低下する
・ケーシングを引き抜いた後、通水保持材が周辺地盤によって圧縮されてしまうため、地盤がさらに緩み、地盤強度がさらに低下する
という事情がある。
なお、施工費の増大及び地盤強度の低下の事情は、特許文献2でも同様に生じる。特許文献2では、地盤の穿孔時、孔壁の崩壊を防止するためにケーシングを用いたり、泥水等によって孔壁を保持したりする。また、ケーシングを引き抜いた後の孔壁と排水パイプとの間には、隙間が生じる。したがって、特許文献2においても、施工費の増大及び地盤強度の低下を招く。
特許文献4〜7には、集水孔の開口率の記載がある。しかし、特許文献4〜7に記載の開口率は、排水機能を考慮した開示である。排水パイプを地盤に打ち込む際にかかる荷重に対する鋼管耐力を考慮した開口率については記載されていない。
この発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、その目的は、施工箇所の制約を受け難く、かつ、低施工費で地盤強度の低下を抑制可能な、液状化の発生を抑制することができる排水パイプ、及びその排水パイプを用いた液状化対策工法を提供することにある。また、この発明は、周壁が有孔周壁であっても十分な鋼管耐力が得られる排水パイプを提供する。
第1発明に係る排水パイプは、地盤に地表面から鉛直、若しくは鉛直斜め下方向に打ち込まれて、地盤の液状化対策に用いられる管径の異なる複数の管体を備えた排水パイプであって、管径の一番大きな第1管体と、管径の一番小さな第2管体と、を備え、前記複数の管体は、それぞれ、先端部の内径が後端部の内径より縮径されており、各管体は、管径の大きな外側の管体の先端部に後端部を係止させつつ、突出自在に構成され、少なくとも前記第1管体と前記第2管体の周壁のいずれか一方又は両方は、有孔周壁であることを特徴とする。
第2発明に係る排水パイプは、第1発明において、前記複数の管体は、管径の大きな管体内に収容された状態で、管径の大きな管体から順次地中に押し出されて前記地盤に打ち込まれるものであることを特徴とする。
第3発明に係る排水パイプは、第1発明又は第2発明において、前記複数の管体は、3以上の管体からなり、前記第1管体の管径より小さく、且つ、前記第2管体の管径より大きな少なくとも1以上の中間管体と、を備え、前記中間管体は、先端部と後端部との間に本管部を有し、前記先端部は、前記本管部より縮径され、前記後端部は、前記本管部より拡径されていることを特徴とする。
第4発明に係る排水パイプは、第1発明〜第3発明のいずれか1つにおいて、前記第2管体の先端には、凸状の蓋体が取り付けられているいることを特徴とする。
第5発明に係る排水パイプは、第1発明〜第4発明のいずれか1つにおいて、少なくも最上部に位置する前記第1管体の周壁は、地下水位より上となる部分において無孔周壁であることを特徴とする。
第6発明に係る排水パイプは、第1発明〜第5発明のいずれか1つにおいて、前記有孔周壁の開口率は、5%以上15%以下であることを特徴とする。
第7発明に係る液状化対策工法は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の排水パイプを用いた液状化対策工法であって、前記第1管体内に他の管体を収容した状態で、前記地表面から鉛直、若しくは鉛直斜め下方向に前記第1管体を前記地盤に打ち込む工程と、
前記第1管体を前記地盤に打ち込んだ後、他の管体を径の大きな管体から順次地中に押し出してさらに深く打ち込む工程と、を備えることを特徴とする。
第8発明に係る液状化対策工法は、第7発明において、前記排水パイプの上方に広がる空間の高さよりも前記地盤に打ち込んだ前記排水パイプの全長が長くなるまで径の大きな管体から順次地中に押し出して前記排水パイプを前記地盤に打ち込むことを特徴とする。
第1〜第6発明によれば、施工箇所の制約を受け難く、かつ、低施工費で地盤強度の低下を防止可能な、液状化を抑制することができる排水パイプを提供できる。また、長尺の排水パイプを地中に打設・設置するために必要な力が小さくて済むため、打ち込みの容易性を向上させることができる。その上、小規模な施工機械にて施工ができるため、建物と建物間の隙間や狭隘な場所での施工が可能となる。
特に、第2発明によれば、地盤への貫入時には、押し出される管体のうち、順次押し出される管体のみに周辺摩擦を生じさせ、それ以外の管体については周辺摩擦の発生を防止できる。そのため、各管体を押し出す際の周面摩擦を低減することにより、同径のパイプを連結した全長の同じ従来の排水パイプと比べて小さな力で地盤に圧入することができる。このため、従来の排水パイプと比べて管体の板厚を下げることができ、排水パイプの材料費を低減して製造コストを低減することができる。また、施工荷重を小さくできるため、地盤にアースオーガー等の大型の重機を用いて削孔するプレボーリングが不要となり、施工費を低減することができる。
特に、第3発明によれば、中間管体を備えるので、対象地盤においてより深くまで液状化対策を行うことができる。
特に、第4発明によれば、地盤への打ち込み時に最先端となる第2管体の先端部に凸状の蓋体が取り付けられているので、パイプ打ち込み時に地盤内の土を周辺に押し広げて、排水パイプの周辺地盤を締め固めることができ、地盤の液状化抵抗が向上する。このため、排水パイプの排水効果と相まって液状化抑制の相乗効果を得ることができる。その上、蓋体が凸状となっているため、排水パイプ打ち込み時の先端の抵抗を低減することもできる。
特に、第5発明によれば、地下水位より上となる排水不要な部分は、無孔周壁とすることができ、排水パイプ自体の強度を向上させることができる。
特に、第6発明によれば、液状化に伴う過剰間隙水圧の消散機能を損なうことなく、且つ、鋼管の耐力低下を最小限(1/3以下)に留めることができる。このため、第7発明によれば、排水機能と施工性を両立した多段打ち込み式の排水パイプを提供することができる。
第7発明及び第8発明によれば、施工箇所の制約を受け難く、かつ、低施工費で地盤強度の低下を抑制可能な、液状化を抑制する排水パイプを用いた液状化対策工法を提供できる。また、長尺の排水パイプを地中に打設・設置するために必要な力が小さくて済むため、打ち込みの容易性を向上させることができる。その上、小規模な施工機械にて施工ができるため、建物と建物間の隙間や狭隘な場所での施工が可能となる。
特に、第8発明によれば、排水パイプの上方に広がる空間が架線下や橋梁下のような空頭制限がある場所でも容易に排水パイプの施工が可能となる。
図1は、この発明の第1実施形態に係る排水パイプを地盤に打ち込んだ状態を模式的に示す模式断面図である。 図2は、この発明の第1実施形態に係る排水パイプの一例を示す模式側面図である。 図3(a)は、第1管体の一例を示す模式断面図である。図3(b)は、中間管体の一例を示す模式断面図である。図3(c)は、第2管体の一例を示す模式断面図である。 図4(a)は、中間管体及び第2管体を第1管体内に収容した状態の一例を示す模式断面図である。図4(b)は、中間管体及び第2管体を第1管体内から突出させた状態の一例を示す模式断面図である。図4(c)は、中間管体と第2管体との嵌合部分の変形例を示す模式断面図である。 図5(a)及び図5(b)は、第1実施形態に係る排水パイプを地盤に打ち込む様子を模式的に示す模式断面図である。 図6(a)及び図6(b)は、第1実施形態に係る排水パイプを地盤に打ち込む様子を模式的に示す模式断面図である。 図7(a)及び図7(b)は、第1実施形態に係る排水パイプを地盤に打ち込む様子を模式的に示す模式断面図である。 図8は、排水パイプを地盤に打ち込んだ状態例を模式的に示す模式断面図である。 図9は、排水パイプを地盤に打ち込んだ状態例を模式的に示す模式断面図である。 図10は、ウェルレジスタンス係数と過剰間隙水圧比との関係を示す図である。 図11は、ウェルレジスタンス係数と過剰間隙水圧比との関係を示す図である。 図12は、ウェルレジスタンス係数と過剰間隙水圧比との関係を示す図である。 図13は、開口率と鋼管耐力との関係を示す図である。
以下、この発明の実施形態に係る排水パイプの一例を、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
<排水パイプ>
図1は、この発明の第1実施形態に係る排水パイプを地盤に打ち込んだ状態を模式的に示す模式断面図である。図2は、この発明の第1実施形態に係る排水パイプの一例を示す模式側面図である。
図1及び図2に示すように、第1実施形態に係る排水パイプ10は、多段式排水パイプである。排水パイプ10は、例えば、板厚2.3mmの高耐食性のメッキ鋼管、長さが2m程度となった大中小の管径の異なる3つの第1管体11と、第2管体12と、中間管体13と、を含む。このように、排水パイプ10は、押し出される複数の管体のうち、順次押し出される管体のみに周辺摩擦(最大で最初に押し出す第1管体11の周面摩擦)を生じさせ、それ以外の管体については周辺摩擦の発生を防止できる。このため、同径のパイプを連結した全長の同じ従来の排水パイプに比べて、パイプの板厚を下げることができる。また、第2管体12の先端には、凸状の蓋体14が嵌め込まれいる。
第1管体11、第2管体12、及び中間管体13のそれぞれは、地盤100に対して、地表面101から鉛直、若しくは鉛直斜め下方向に打ち込まれる。排水パイプ10は、地盤100内において、集水孔H1を介して地下水を集水し、地下水位102の上昇を抑制するとともに、地震時における過剰間隙水圧を消散する。これにより、地盤の液状化を抑制することができる。排水パイプ10は、埋立地のような人工地盤だけでなく、河川沿岸及び旧河道周辺等の自然地盤、並びに丘陵地等における切り盛り造成地にも適用できる。
本実施形態において、第1管体11の周壁は、例えば、無孔周壁であり、第2管体12及び中間管体13のそれぞれの周壁は、例えば、複数の集水孔H1を有した有孔周壁である。集水孔H1の直径の一例は、5mmである。集水孔H1は、例えば、12mmピッチで、第2管体12の周壁及び中間管体13の周壁のそれぞれに多数穿設される。
集水孔H1は、地下水又は過剰間隙水を透水するものであり、集水孔H1は、地盤100内において、例えば、地下水位102、又は軟弱地盤に達していればよい。このため、集水孔H1は、地盤の構造に応じて少なくとも第1管体若しくは第2管体に設けられていればよい。特に、軟弱地盤が深い層にある場合、少なくとも第2管体に設けられているのが望ましい。第1管体11、第2管体12の周壁及び中間管体13の周壁における開口率は、5%以上15%以下である。開口率を、5%以上15%以下とする理由については、後述する。本実施形態では、第1管体11の周壁は無孔周壁としているが、第1管体11の周壁についても、第2管体12及び中間管体13と同様に、集水孔H1を有した有孔周壁としてもよい。
また、排水パイプ10は、少なくとも第1管体11及び第2管体12の2段があればよく、中間管体13については、省略することが可能である。また、中間管体13を2段以上設け、4段以上の多段式排水パイプとすることも可能である。
図3(a)は、第1管体の一例を示す模式断面図である。図3(b)は、中間管体の一例を示す模式断面図である。図3(c)は、第2管体の一例を示す模式断面図である。図4(a)は、中間管体及び第2管体を第1管体内に収容した状態の一例を示す模式断面図である。図4(b)は、中間管体及び第2管体を第1管体内から突出させた状態の一例を示す模式断面図である。
図3(a)に示すように、第1管体11は、先端部11a、後端部11b及び本管部11cを有する。本管部11cは、先端部11aと後端部11bとの間にある。先端部11aの内径φ1aiは、後端部11bの内径φ1bi及び本管部11cの内径φ1ciのそれぞれよりも縮径化されている(φ1ai<φ1bi、φ1ai<φ1ci)。本実施形態では、本管部11cから先端部11aにかけて徐々に縮径化されている。内径φ1biと内径φ1ciとは、例えば、ほぼ等しい(φ1bi≒φ1ci)。
図3(b)に示すように、中間管体13は、先端部13a、後端部13b及び本管部13cを有する。本管部13cは、先端部13aと後端部13bとの間にある。先端部13aの内径φ3aiは、後端部13bの内径φ3bi及び本管部13cの内径φ3ciのそれぞれよりも縮径化されている(φ3ai<φ3bi、φ3ai<φ3ci)。本実施形態では、本管部13cから先端部13aにかけて徐々に縮径化されている。また、内径φ3biは、内径φ3ciよりも拡径化されている(φ3bi>φ3ci)。本実施形態では、本管部13cから後端部13bにかけて徐々に拡径化されている。
図3(c)に示すように、第2管体12は、先端部12a、後端部12b及び本管部12cを有する。本管部12cは、先端部12aと後端部12bとの間にある。先端部12aの内径φ2ai及び本管部12cの内径φ2ciのそれぞれは、後端部12bの内径φ2biよりも縮径化されている(φ2ai<φ2bi、φ2ci<φ2bi)。本実施形態では、後端部12bから本管部12cにかけて徐々に縮径化されている。内径φ2aiと内径φ2ciとは、例えば、ほぼ等しい(φ2ai≒φ2ci)。
本実施形態では、中間管体13が1つある場合を例示する。本実施形態において、中間管体13は、最も第1管体11側にあり、かつ、最も第2管体12側にあるものとなる。
中間管体13の後端部13bの外径φ3boは、第1管体11の本管部11cの内径φ1ciよりも縮径化され(φ3bo<φ1ci)、かつ、第1管体11の先端部11aの内径φ1aiよりも拡径化されている(φ3bo>φ1ai)。また、中間管体13の本管部13cの外径φ3coは、第1管体11の先端部11aの内径φ1aiよりも縮径化されている(φ3co<φ1ai)。これにより、中間管体13は第1管体11内に収容可能となり(図4(a))、第1管体11から突出可能となる(図4(b))。さらに、中間管体13を第1管体11から突出させたとき、中間管体13の後端部13bは、第1管体11の先端部11aと本管部11cとを繋ぐテーパー部11dに嵌り合って係止される。
第2管体12の後端部12bの外径φ2boは、中間管体13の本管部13cの内径φ3ciよりも縮径化され(φ2bo<φ3ci)、かつ、中間管体13の先端部13aの内径φ3aiよりも拡径化されている(φ2bo>φ3ai)。また、第2管体12の本管部12cの外径φ2coは、中間管体13の先端部13aの内径φ3aiよりも縮径化されている(φ2co<φ3ai)。これにより、第2管体12は中間管体13内に収容可能となり(図4(a))、中間管体13から突出自在となる(図4(b))。さらに、第2管体12を中間管体13から突出させたとき、第2管体12の後端部12bは、中間管体13の先端部13aと本管部13cとを繋ぐテーパー部13dに嵌り合って係止される。
このような排水パイプ10は、伸縮可能な構造となっているため、管体同士の嵌合が完了する長さまで地盤100に打ち込むことができる。本実施形態に係る排水パイプ10は、例えば、縮退時において全長2m程度、伸長時において全長5.8m〜6m程度となる。なお、全長については、各管体同士の嵌合が完了する長さまで押し切らなくても良く、第1管体11、第2管体12、及び中間管体13それぞれの長さを調整すること、又は中間管体13の数を調整することで、適宜変えることができる。
蓋体14の先端は凸状となっている。これにより、打ち込み時の土圧抵抗が低減される。蓋体14は、例えば、ダクタイル鋳鉄などの金属やポリプロピレンなどの樹脂等から形成されている。先端の形状については、円錐に限らず、角錐でもよく、また、先端が平潰し状であってもよい。また、蓋体14は管体の先端部に嵌め込まれておらず、溶接されていてもよい。
第1管体11、第2管体12、及び中間管体13それぞれの後端部は、地盤100に地表面101から鉛直、若しくは鉛直斜め下方向への押圧が可能に構成されている。これにより、以下説明する液状化対策工法を実施することができる。
なお、管体同士(第1管体11と中間管体13、又は第2管体12と中間管体13)の嵌合部分(係止部分)は、先端部及び後端部に同一管径の直管部分がないものであっても構わない。例えば、第2管体12と中間管体13との嵌合部分を例示すると、図4cに示すように、テーパー部13dが中間管体13の先端部分となり、第2管体12の後端部12bの管端がテーパー状に拡径したテーパー部12dで終了していても構わない。このような変形例でも、第2管体12を押し出した場合、中間管体13のテーパー部13dが第2管体12のテーパー部12dに係止されるからである。
<液状化対策工法>
次に、第1実施形態に係る排水パイプ10を用いた液状化対策工法を説明する。
図5(a)〜図7(b)は、第1実施形態に係る排水パイプを地盤に打ち込む様子を模式的に示す模式断面図である。
<押出冶具の準備>
排水パイプ10を、地盤100に打ち込む際には、押出冶具が使用される。図5(a)には、押出冶具1の一例が示されている。
図5(a)に示すように、押出冶具1は、ロッド2と、押出ナット3と、第1緩み止めナット4aと、第2緩み止めナット4bと、第1押出プレート5aと、第2押出プレート5bと、を含む。ロッド2は、例えば、外周面にねじ山が形成された棒鋼からなる。押出ナット3、第1緩み止めナット4a、及び第2緩み止めナット4bのそれぞれは、ロッド2のねじ山に螺合する。押出ナット3は、ロッド2の先端部分に取り付けられる。第1押出プレート5aは、排水パイプ10の打ち込み前、第1緩み止めナット4aと、第2緩み止めナット4bとによって挟まれてロッド2上に固定されている。第2押出プレート5bは、排水パイプ10の打ち込み前、押出ナット3と、第2緩み止めナット4bとによって挟まれてロッド2上に固定されている。
排水パイプ10を打ち込む際、ロッド2の後端を、油圧杭打機7、若しくはブレーカーで押す。これにより、排水パイプ10は、地盤100に対して、地表面101から鉛直、若しくは鉛直斜め下方向に打ち込まれる。この際、ロッド2の後端には、必要に応じて、例えば、ロッドキャップ6を装着してもよい。
<押し出し冶具の装着>
図5(b)に示すように、押出冶具1を、排水パイプ10内に挿入する。押出冶具1では、ロッド2に、その先端部分から、押出ナット3、第2押出プレート5b、第2緩み止めナット4b、第1押出プレート5a、及び第1緩み止めナット4aの順で装着されている。押出ナット3は、第2管体12の後端部12bと接する。第2押出プレート5bの直径は、押出ナット3の直径よりも大きく、中間管体13の後端部13bと接する。第1押出プレート5aは、第1管体11の後端部11bと接する。これにより、排水パイプ10では、第1管体11、第2管体12、及び中間管体13のそれぞれが押し出され、これらの管体の先端が揃ってしまうことが防がれる。そして、管径の小さな第2管体12、中間管体13、及び第1管体11の順に、前方へ突出するように各管体の先端が、少しずつ段差を付けてずらされながら押し出される。これにより、第1管体11、第2管体12、及び中間管体13の先端に土砂が詰まることが抑制され、かつ、打ち込む時の土圧抵抗を減じることができる。
<第1管体11の打ち込み>
図6(a)に示すように、第2管体12及び中間管体13のそれぞれを、第1管体11内に収容した状態で、第1管体11を、地盤100に対して、地表面101から鉛直、若しくは鉛直斜め下方向に打ち込む。この際の打ち込み深さD1は、ほぼ蓋体14の先端から第1管体11の後端部11bまで、である。3つの管体のうち最上部に位置する第1管体11の周壁の地下水位より上となる部分は、無孔周壁である。このため、有孔周壁を持つ第2管体12及び中間管体13よりも、鋼管耐力が高い。第1管体11の周壁の地下水位より上となる部分が無孔周壁であると、蓋体14の先端から第1管体11の後端部11bまでの長い距離を打ち込む際に、第1管体11に座屈等が発生することが抑制される。
<中間管体13の押し出し>
次に、押出冶具1から、第1押出プレート5aをロッド2から取り外す。第1押出プレート5aをロッド2から取り外した後、第1緩み止めナット4aを第2緩み止めナット4b側に向けて前進させ、第1緩み止めナット4aを第2緩み止めナット4bと接触させる。これは、必要に応じて行われればよい。次に、第1継ぎ足しロッド2aを、第1カプラー8aによって、ロッド2に継ぎ足す。そして、図6(b)に示すように、第1管体11を地盤100中に留め、かつ、第2管体12を中間管体13内に収容した状態で中間管体13を押し出し、中間管体13を、地盤100に対して地表面101から鉛直、若しくは鉛直斜め下方向に、第1管体11よりも、さらに深く打ち込む。この際の打ち込み深さD2は、ほぼ第1管体11の打ち込み後における蓋体14の先端から、中間管体13の押し出し時における蓋体14の先端まで、である。本実施形態では、打ち込み深さD2は、例えば、打ち込み深さD1よりも短い(D2<D1)。
<第2管体12の押し出し>
次に、押出冶具1から、第2押出プレート5bをロッド2から取り外す。第2押出プレート5bをロッド2から取り外した後、第1、第2緩み止めナット4a及び4bのそれぞれを、押出ナット3側に向けて前進させ、第2緩み止めナット4bを押出ナット3と接触させる。これは、必要に応じて行われればよい。次に、第2継ぎ足しロッド2bを、第2カプラー8bによって、第1継ぎ足しロッド2aに継ぎ足す。そして、図7(a)に示すように、第1管体11及び中間管体13のそれぞれを地盤100中に留めた状態で第2管体12を押し出し、第2管体12を、地盤100に対して地表面101から鉛直、若しくは鉛直斜め下方向に、中間管体13よりも、さらに深く3つの管体の最下部まで打ち込む。この際の打ち込み深さD3は、ほぼ中間管体13の押し出し後における蓋体14の先端から、第2管体12の押し出し時における蓋体14の先端まで、である。本実施形態では、打ち込み深さD3は、打ち込み深さD1よりも短い(D3<D1)。
<押出冶具1の引き抜き>
次に、図7(b)に示すように、押出冶具1を排水パイプ10から引き抜く。この後、特に図示しないが、排水パイプ10内に、排水材、例えば、プラスチック排水材や礫等を充填する。このようにして、第1実施形態に係る排水パイプ10を用いた液状化対策工法が実施される。
このような排水パイプによれば、以下説明するような利点を得ることができる。
図8及び図9は、排水パイプを地盤に打ち込んだ状態例を模式的に示す模式断面図である。
図8に示すように、液状化を抑制したい箇所には、例えば、高架橋200の下のように、高さ制限(空頭制限)を受ける箇所がある。液状化対策用排水パイプは、制限を受けた制限高さHlimit(地盤に貫入した排水パイプの上方に広がる空間の高さ)よりも深く打ち込むことはできない。
しかし、第1実施形態に係る排水パイプ10によれば、第1管体11、第2管体12、及び中間管体13を有し、これらの管体は伸縮可能である。このため、排水パイプ10の打ち込み前には縮退させておき、打ち込み後に伸長させることにより、排水パイプ10を、地盤(貫入後の排水パイプ10)の上方に広がる空間の制限高さHlimitよりも深く、地盤100に対して地表面101から打ち込むことが可能となる。これにより、排水パイプ10によれば、施工箇所に高さの制約を受け難く、施工不可能な箇所を減ずることができる、という利点を得ることができる。そして、打ち込み後における排水パイプ10の全長Lを、制限高さHlimit以上とすることもできる。この結果、高さ制限を受けるような箇所において、地下水位102のさらなる低下、及び過剰間隙水圧に起因した間隙水のより効果的な集水が可能となる。もちろん、高さ制限を受けるような場所を通過しないと、たどり着けないような施工箇所であっても、排水パイプ10によれば、施工可能である。
また、図9に示すように、液状化対策を施したい箇所には、例えば、建物300と建物300との間の隙間や、狭小な路地等の狭隘な箇所もある。
排水パイプ10によれば、打ち込み後における排水パイプ10の全長Lは深いが、図5(a)〜図7(b)に示したように、第1管体11、第2管体12、及び中間管体13の各管体を打ち込み深さは、例えば、最長でも第1管体11の長さとほぼ同程度で済む。このため、全長Lを長くできる割りには、各管体を地中に貫入する際に作用する周面摩擦は最大でも最初に押し出す際の最大径の第1管体11の周面摩擦だけである。このため、排水パイプ10を地中に貫入させる際には、プレボーリングも必要なく、同径のパイプを連結した全長の同じ従来の排水パイプと比べ、手持ちの油圧杭打機や小型のショベルカーでの施工が可能となり、大きな施工機械を必要としない。これにより、排水パイプ10によれば、例えば、特許文献1と比較して、狭隘な箇所であっても施工可能となる。
また、排水パイプ10によれば、例えば、特許文献2、3のようにケーシングを引き抜く必要もない。このため、排水パイプ10によれば、特許文献2、3と比較して、
・施工工程が増え難くでき、施工費を軽減できる
・ケーシングを引き抜かないので、地盤が緩み難く、地盤強度が低下し難い
・ケーシングを引き抜かないので、通水保持材が周辺地盤によって圧縮され、さらに地盤が緩み、地盤強度がさらに低下するような事情もない
という利点についても得ることができる。
このように第1実施形態に係る排水パイプ10によれば、施工箇所の制約を受け難く、かつ、低施工費で地盤強度の低下を抑制可能な、液状化の発生を抑制することができる排水パイプを提供できる。
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態に係る排水パイプを説明する。
<開口率>
第2実施形態では、排水パイプ10の管体の開口率を規定する。開口率は、例えば、図3(a)及び図3(b)に示す区間Sにおける集水孔H1の開口率である。区間Sは、例えば、最も先端部にある集水孔H1から最も後端部にある集水孔H1までの区間である。
(1)開口率が5%以上
液状化対策に用いるドレーン工法の設計は「液状化対策工法設計・施工マニュアル(案)、共同研究報告書186号、建設省土木研究所他、平成11年3月」に準拠して実施することができる。
本資料に則れば、ドレーン工法における過剰間隙水圧比は、地震動の特性と地盤の液状化強度から算定される時間係数Tlと、ドレーン材料の形状と透水性の影響を表すウェルレジスタンス係数Rwから、設計図表を用いて算定することができる。
<<時間係数:Tl>>
Tl=ks・tl/(mv・γw・a2) …式1
式1において、
ks:地盤の透水係数(cm/sec)
l:Nl・td/Neq(sec)
l:一定振幅に換算した地震動で液状化する繰返し回数
d:地震動の有効継続時間(sec)
eq:地震動の等価繰返し回数
v:地盤の体積圧縮係数(cm2/kgf)
γw:水の単位体積重量(kgf/cm3
a:ドレーンの半径(cm)
<<ウェルレジスタンス係数:Rw>>
Rw=(8/π2)(ks/kd)(h/a)2 …式2
式2において、
ks:地盤の透水係数(cm/sec)
kd:ドレーン材の透水係数(cm/sec)
h :ドレーンの長さ(cm)
a :ドレーンの半径(cm)
ドレーン管の開口率による影響は、開口率が小さくなるほどドレーン管に流入する地下水の量が制限されると考えられるから、管内に充填されるドレーン材の見掛けの透水係数を開口率に応じて減ずることで安全側に評価出来ると考えられる。
図10〜図12はそれぞれ、ウェルレジスタンス係数と過剰間隙水圧比との関係を示す図である。図10〜図12では、ドレーン材の等価有効円の半径bと、ドレーン材の半径aの比a/bを0.1と設定した場合で、時間係数Tl=10、100、1200のときの、それぞれのウェルレジスタンス係数Rwの過剰間隙水圧比(Δumax/σv´)aveへの影響を表している。
図10〜図12より、過剰間隙水圧比は、ウェルレジスタンス係数Rwが大きくなるに従い、大きくなる。即ち、ドレーン材の透水係数(排水性能)kdが小さくなるに従い増大することがわかる。この時、時間係数Tlの値に関わらずにその傾向は同じで、ウェルレジスタンス係数Rwが、おおよそ0.1以下では、過剰間隙水圧比の上昇は、Rw=0、即ちドレーン部が空洞の場合と遜色のない効果を発揮することがわかる。
第2実施形態では、液状化地盤の透水係数ksを、
ks=1.0×10-4cm/sec(一般的な値を想定)
ドレーン管の直径φ、及びドレーン管の長さhのそれぞれを、
φ=48.6mm、h=5790mm(実施形態としてドレーンが最も細長い形態(Rwが最も大きくなる形態)を想定)
ドレーン材の透水係数kdを、
kd=1000cm/sec(透水性の良好なプラスチックドレーン材を想定)
とする。これにより、鋼管開口による流水の阻害がない場合のウェルレジスタンス係数は、Rw=0.0046と計算できる。
さて、同一動水勾配の時には、鋼管の開口率に比例して流水が阻害されると考えられる。よって、ドレーン材の見かけの透水係数を開口率に比例して減ずることでその影響を概略評価する。過剰間隙水圧の上昇に大きな影響を与えないウェルレジスタンスの値を0.1以下とするドレーン材の透水係数は46cm/sec以上とする必要がある。即ち、鋼管の開口率を46/1000=0.046=4.6%≒5%以上とすれば、一般的な液状化地盤を対象として開口率100%、即ち鋼管を介さずにドレーン材を設置したのと同等の効果を発揮することができる。
(2)開口率が15%以下
一方で、孔あき鋼管の耐荷力は、開口率が大きくなるに従い小さくなる。実施形態に係る排水パイプ10は、地表面101より地盤100中に打撃等の手段により直接圧入する。このため、鋼管の耐荷力は、鋼管の押込み時に座屈したり、塑性化して破壊したりすることが無い程度の耐荷力を有する必要がある。
図13は、開口率と鋼管耐力との関係を示す図である。図13では、開口率と鋼管耐力との関係を、孔の無い鋼管との耐力比としてプロットしたものを示す。
開口部の応力集中を無視すれば、図中“□”のシンボルにより示されるように、開口率に応じて直線的に耐力が低下する計算となる。しかしながら、円形の孔あき部の周辺部には応力が集中することが知られている。無限幅の孔あき周りの応力集中係数は“3.0”であるが、孔間隔が狭くなれば、応力集中係数は徐々に小さくなる。この応力集中を考慮した鋼管の耐力比を合わせて図13に示す(図中“◇”のシンボル)。応力集中の緩和により、開口率の増加に伴い鋼管耐力が低下する割合は、開口率が小さなうちは緩やかで、徐々に大きくなるような関係となる。
鋼管に作用する外力に対して、応力集中を考慮した許容応力度設計を実施する場合、図13によれば、開口率を15%以下とすると、開口率が小さな場合の鋼管耐力の2/3=1/1.5以上の耐力を確保することができる。旧来より一般的に用いられている許容応力度設計法では、長期荷重に対する鋼材の安全率として“1.5”が用いられている。鋼管の圧入時の設計時にも同等の安全率を見込んでおけば、いちいち開口率による耐荷力低下を計算する必要がなくなるため好適である。
また、地盤条件等により圧入荷重が大きくなることが想定される場合は、鋼管の開口率の増加による耐荷力低下は、鋼管の板厚の増大させることにより補うことができる。開口率を15%以下とすれば、鋼管の板厚の増大を1.5倍以下とすることができるので、特殊な厚肉鋼管を用いる必要がなく、一般的な構造用鋼管等の製造板厚の範囲で製品設計ができるので、経済性に優れる。JIS G 3444:2010に定める一般構造用鋼管の標準寸法表によれば、φ42.7mm〜φ165.2mm程度の小径鋼管の板厚範囲(最大板厚/最小板厚)=1.4〜1.6程度となっている。例えば、最小板厚の鋼管を用いて設計をしておけば、現場の地盤状況に応じて圧入荷重の増大が見込まれる場合でも、開口率を減ずることなく、標準的な板厚の範囲で、板厚を増加させるだけで、必要な耐荷力を有する鋼管を提供することができる。
このように、孔あき鋼管の開口率を5%以上15%以下の範囲に設定することにより、必要な排水機能を確保しつつ、鋼管の耐荷力低下を最小限度にとどめることができるため、経済的な排水パイプ10を得ることができる。したがって、第2実施形態によれば、周壁が有孔周壁であっても十分な鋼管耐力が得られる排水パイプを提供できる。
なお、第2実施形態は、第1実施形態と組み合わせて実施されることが良いが、第2実施形態は、単独でも実施することが可能である。
以上、この発明の実施形態に係る排水パイプ10、及び排水パイプ10を用いた液状化対策工法について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
1 :押出冶具
2 :ロッド
2a :第1継ぎ足しロッド
2b :第2継ぎ足しロッド
3 :押出ナット
4a :第1緩み止めナット
4b :第2緩み止めナット
5a :第1押出プレート
5b :第2押出プレート
6 :ロッドキャップ
7 :油圧杭打機
8a :第1カプラー
8b :第2カプラー
10 :排水パイプ
11 :第1管体(管体)
11a:先端部
11b:後端部
11c:本管部
11d:テーパー部
12 :第2管体(管体)
12a:先端部
12b:後端部
12c:本管部
12d:テーパー部
13 :中間管体(管体)
13a:先端部
13b:後端部
13c:本管部
13d:テーパー部
14 :蓋体
100 :地盤
101 :地表面
102 :地下水位
200 :高架橋
300 :建物
H1 :集水孔
φ1ai:内径(第1管体の先端部)
φ1bi:内径(第1管体の後端部)
φ1ci:内径(第1管体の本管部)
φ2ai:内径(第2管体の先端部)
φ2bi:内径(第2管体の後端部)
φ2ci:内径(第2管体の本管部)
φ3ai:内径(中間管体の先端部)
φ3bi:内径(中間管体の後端部)
φ3ci:内径(中間管体の本管部)
φ2bo:外径(第2管体の後端部)
φ2co:外径(第2管体の本管部)
φ3ao:外径(中間管体の先端部)
φ3bo:外径(中間管体の後端部)
φ3co:外径(中間管体の本管部)
D1 :深さ(第1管体11の打ち込み時)
D2 :深さ(中間管体13の押し出し時)
D3 :深さ(第2管体12の押し出し時)
Hlimit :制限高さ
L :全長(排水パイプ)
S :区間

Claims (8)

  1. 地盤に地表面から鉛直、若しくは鉛直斜め下方向に打ち込まれて、地盤の液状化対策に用いられる管径の異なる複数の管体を備えた排水パイプであって、
    管径の一番大きな第1管体と、管径の一番小さな第2管体と、を備え、
    前記複数の管体は、それぞれ、先端部の内径が後端部の内径より縮径されており、
    各管体は、管径の大きな外側の管体の先端部に後端部を係止させつつ、突出自在に構成され、
    少なくとも前記第1管体と前記第2管体の周壁のいずれか一方又は両方は、有孔周壁であること
    を特徴とする排水パイプ。
  2. 前記複数の管体は、管径の大きな管体内に収容された状態で、管径の大きな管体から順次地中に押し出されて前記地盤に打ち込まれるものであること
    を特徴とする請求項1に記載の排水パイプ。
  3. 前記複数の管体は、3以上の管体からなり、
    前記第1管体の管径より小さく、且つ、前記第2管体の管径より大きな少なくとも1以上の中間管体と、を備え、
    前記中間管体は、先端部と後端部との間に本管部を有し、前記先端部は、前記本管部より縮径され、前記後端部は、前記本管部より拡径されていること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の排水パイプ。
  4. 前記第2管体の先端には、凸状の蓋体が取り付けられていること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の排水パイプ。
  5. 少なくも最上部に位置する前記第1管体の周壁は、地下水位より上となる部分において無孔周壁であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の排水パイプ。
  6. 前記有孔周壁の開口率は、5%以上15%以下であること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の排水パイプ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の排水パイプを用いた液状化対策工法であって、
    前記第1管体内に他の管体を収容した状態で、前記地表面から鉛直、若しくは鉛直斜め下方向に前記第1管体を前記地盤に打ち込む工程と、
    前記第1管体を前記地盤に打ち込んだ後、他の管体を径の大きな管体から順次地中に押し出してさらに深く打ち込む工程と、を備えること
    を特徴とする液状化対策工法。
  8. 前記排水パイプの上方に広がる空間の高さよりも前記地盤に打ち込んだ前記排水パイプの全長が長くなるまで径の大きな管体から順次地中に押し出して前記排水パイプを前記地盤に打ち込むこと
    を特徴とする請求項7に記載の液状化対策工法。
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