JP2020139319A - 既設躯体撤去方法および既設構造物改良工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】必要最小限の装置を利用して、複数に分割された既設躯体を簡易に撤去することを可能とした既設躯体撤去方法を提案するとともに、この既設躯体撤去方法を利用した既設構造物改良工法を提案する。【解決手段】既設壁11を複数のコンクリートブロック3に分割して、コンクリートブロック3を搬出する。フォークリフト5の爪51に対応する二つのフォーク用孔31を各コンクリートブロック3に形成した後、既設壁11を切削してコンクリートブロック3を形成する作業と、フォークリフト5を利用してコンクリートブロック3を手前側に抜き出す作業とを繰り返すことにより複数のコンクリートブロック3を搬出する。【選択図】図2

Description

本発明は、既設躯体撤去方法および既設構造物改良工法に関する。
老朽化した既設構造物を解体する場合、既設構造物に開口部を新設する場合、既設構造物に新設構造物を接合する場合等においては、既設構造物の躯体(既設躯体)を撤去することがある。既設躯体の撤去方法としては、既設躯体を複数のブロックに分割した後、クレーン等の揚重機によりブロックを吊り上げた状態で搬出する方法がある(例えば特許文献1参照)。揚重機を利用してブロックを搬出するためには、ブロックの上方に揚重機のアーム等を配設するための空間が確保されている必要がある。そのため、既設躯体を横向きに貫く開口部を形成する場合や、屋内など上方に他の躯体が存在する場所では、揚重機を利用してブロックを搬出できなかった。
特許文献2には、ブロックの撤去装置が開示されている。特許文献2の撤去装置は、ブロックの下側から手前側に延設されたレールと、ブロックに固定されているとともにレール上を摺動する保持移動部と、一端がレールに取り付けられていて、他端が保持移動部に取り付けられたチェーンブロックとを備えている。この撤去装置を利用すれば、チェーンブロックを操作することにより、保持移動部がレール上を摺動し、ブロックを手前側に引き出すことが可能となる。ところが、特許文献2のブロックの撤去装置は、ブロック毎にレールを盛り替える作業や、ブロック毎に保持移動部を固定する作業に手間がかかる。また、撤去装置を利用して引き出したブロックは、他の装置(例えば、クレーン等)を利用して輸送手段に積み替える必要があるため、手間や費用が掛かる。
特開2003−090136号公報 特開平10−008741号公報
本発明は、前記の問題点を解決することを目的とするものであり、必要最小限の装置を利用して、既設躯体の少なくとも一部を簡易に撤去することを可能とした既設躯体撤去方法を提案するとともに、この既設躯体撤去方法を利用した既設構造物改良工法を提案することを課題とする。
前記課題を解決するための本発明の既設躯体撤去方法は、既設躯体を複数のコンクリートブロックに分割して、前記コンクリートブロックを搬出するものである。この既設躯体撤去方法は、前記既設躯体を切削して前記コンクリートブロックを形成する切断作業と、フォークリフトを利用して前記コンクリートブロックを手前側に抜き出す抜出作業とを繰り返すことにより複数の前記コンクリートブロックを搬出する工程を備え、前記抜出作業の前に、前記フォークリフトの爪に対応する二つの孔を前記コンクリートブロックに形成する。かかる既設躯体撤去方法によれば、フォークリフトを利用してコンクリートブロックを既設躯体から抜き出すため、コンクリートブロック毎に装置を盛り替える必要がなく、複数のコンクリートブロックを簡易に抜き出すことができる。また、既設躯体から抜き出したコンクリートブロックは、フォークリフトを利用してそのまま輸送手段に積み替えることができるため、別途、積み替え用の装置を使用する必要がない。フォークリフトは、コンクリートブロックに形成された孔に爪を挿入すればよいため、コンクリートブロックを載置するための台座(パレット)等を必要としない。
前記既設躯体撤去方法において、高さ方向で分割される複数段の前記コンクリートブロックのうちの少なくとも最上段に位置するコンクリートブロックである最上段ブロックは、当該最上段ブロックよりも下側のコンクリートブロックを抜き出した後に抜き出すものとし、前記最上段ブロックは当該最上段ブロックを下側から支持する昇降リフターを利用して下降させた後、前記フォークリフトにより手前側に抜き出せばよい。かかる既設躯体撤去方法によれば、最上段ブロックを昇降リフターにより下降させてからフォークリフトにより抜き出すため、フォークリフトの爪を挿入できない高さに位置するコンクリートブロックの搬出を効率的に行うことができる。なお、コンクリートブロックの手前側に柱などの障害物がある場合には、前記コンクリートブロックを横移動させてから手前側に抜き出せばよい。
また、本発明の既設構造物改良工法は、既設構造物に新設構造物を増設するものであって、前記既設構造物に隣接して前記新設構造物を構築する増設工程と、前記新設構造物に面する前記既設構造物の既設壁を撤去する撤去工程とを備えている。前記撤去工程では、前記既設壁を切削してコンクリートブロックを形成する切断作業と、前記コンクリートブロックを搬出する抜出作業と繰り返すものとし、前記抜出作業の前に、フォークリフトの爪に対応する二つの孔を前記コンクリートブロックに形成する。なお、前記撤去工程では、前記既設壁の前記既設構造物側を防護壁で覆うことで、既設構造物に粉塵やコンクリート片等が飛来することを防止するのが望ましい。かかる既設構造物改良工法によれば、フォークリフトを利用してコンクリートブロックを抜き出すため、コンクリートブロック毎に装置を盛り替える必要がなく、複数のコンクリートブロックを簡易に抜き出すことができる。また、抜き出したコンクリートブロックは、フォークリフトを利用してそのまま輸送手段に積み替えることができるため、別途、積み替え用の装置を使用する必要がない。
本発明の既設躯体撤去方法および既設構造物改良工法によれば、フォークリフトを利用してコンクリートブロックを既設躯体から抜き出すため、複数のコンクリートブロックを抜き出す作業および輸送手段に上載する作業を簡易に行うことができる。その結果、必要最小限の装置を利用して、複数に分割された既設躯体を簡易に撤去することが可能となる。
本発明の実施形態に係る既設構造物および新設構造物を示す断面図である。 撤去工程における第一ブロックの撤去状況を示す図であって、(a)は正面図、(b)は縦断面図である。 (a)はフォークリフトを示す側面図、(b)はコンクリートブロックのずれ止めを示す正面図である。 撤去工程における既設壁の一般部でのコンクリートブロックの撤去状況を示す図であって、(a)は正面図、(b)は縦断面図である。 撤去工程における既設壁の一般部での最上段ブロックの撤去状況を示す図であって、(a)は正面図、(b)は縦断面図である。 昇降リフターを示す図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は車輪部分の拡大図である。 昇降リフターの設置状況を示す図であって、(a)は正面図、(b)は側面図である。 撤去工程における既設壁の柱裏ブロックの撤去状況を示す正面図である。 他の形態に係る養生状況を示す側面図である。
本実施形態では、図1に示すように、既設構造物1に新設構造物2を増設する既設構造物改良工法について説明する。既設構造物1はコンクリート造の地下構造物であって、二層構造である。既設構造物1に増設する新設構造物2もコンクリート造の二層構造とする。なお、既設構造物1および新設構造物2の構造等は限定されるものではない。
既設構造物改良工法は、既設構造物1に隣接して新設構造物2を構築する増設工程と、新設構造物2に面する既設構造物1の既設壁(既設躯体)11を撤去する撤去工程とを備えている。
増設工程では、新設構造物2を既設構造物1に隣接して構築するとともに、新設構造物2の端部を既設構造物1に連結する。新設構造物2の既設構造物1側の側面は、壁がなく、開口している。また、新設構造物2の既設構造物1側の端部には、新設柱21が形成されている。
撤去工程では、既設構造物1の新設構造物2側の既設壁11を撤去して、既設構造物1の内部空間と新設構造物2の内部空間を連続させる。既設壁11の撤去は、図2(a)および(b)に示すように、既設壁11を複数のコンクリートブロック3に分割し、分割した各コンクリートブロック3を搬出することにより行う。
撤去工程では、まず、既設壁11の既設構造物1側(新設構造物2の反対側)の面を防護壁4で覆う(準備作業)。防護壁4は、撤去工程において生じる粉塵などが、既設構造物1内に飛散することを防止し得るものである。防護壁4が防音機能を備えていれば、施工時の騒音による既設構造物1側への影響を抑えることができる。なお、防護壁4は、必要に応じて設置すればよい。
次に、既設壁11にフォークリフト5の爪51に対応する一対の孔(フォーク用孔31,31)を形成する(準備作業)。一対のフォーク用孔31,31は、既設壁11を複数のコンクリートブロック3に分割した際に、各コンクリートブロック3に形成されるように、既設壁11に所定の間隔をあけて複数形成する。また、フォーク用孔31は、既設壁11の壁面に直交するように略水平に形成する。また、フォーク用孔31の内径は、フォークリフト5の爪51を挿入可能な大きさとする。なお、フォーク用孔31は、必ずしも水平である必要はない。また、フォーク用孔31の断面形状は円形に限定されるものではなく、例えば、矩形であってもよい。準備作業では、必要に応じて各コンクリートブロック3の形状および位置を示す墨出しを行ってもよい。本実施形態では、既設壁11の一般部においては上下四段のコンクリートブロック3を複数列形成するものとし、新設柱21の背面においては上下5段のコンクリートブロック3(柱裏ブロック3a)を形成する。なお、コンクリートブロック3の形状寸法は限定されるものではないが、フォークリフト5による輸送が可能な大きさ(重さ)になるように形成する。また、フォーク用孔31を形成するタイミングは限定されるものではなく、準備作業として全てのフォーク用孔31をあらかじめ形成しておく必要はない。例えば、コンクリートブロック3を形成する際(既設壁11を切削する際)にコンクリートブロック3毎にフォーク用孔31を形成してもよい。
撤去工程は、既設壁11を切削してコンクリートブロック3を形成する切断作業と、コンクリートブロック3を手前側に抜き出す抜出作業とを備えている。この切断作業と抜出作業とを繰り返すことにより、新設構造物2に面する既設壁11を撤去する。
まず、準備作業後、図2(a)に示すように、既設壁11に対して、略水平に削孔を行い、第一ブロック3bを形成する(第一切断作業)。削孔により形成されるコア孔32は、最初に抜き出すコンクリートブロック3(第一ブロック3b)の周囲を囲うように、コア孔32の一部同士が重なるように連続して形成し、正面視矩形状の溝を形成する。本実施形態では、上から2段目に配置されたコンクリートブロック3のうちの一つを第一ブロック3bとする。なお、コア孔32は、必ずしも水平である必要はない。また、第一ブロック3bは、必ずしも上から2段目のコンクリートブロック3である必要はない。本実施形態では、第一ブロック3bの下面に形成されたコア孔32の延長線上に沿って、複数のコア孔32を連続して形成する。なお、コア孔32は、第一ブロック3bの周囲のみに形成してもよい。
第一ブロック3bを形成したら、フォークリフト5により第一ブロック3bを既設壁11から抜き出す(第一抜出作業)。第一ブロック3bを既設壁11から抜き出す際には、フォークリフト5の左右の爪(フォーク)51,51を一対のフォーク用孔31,31に挿入し、左右の爪51,51で第一ブロック3bを持ち上げてからフォークリフト5を後退(既設壁11から離れる方向に移動)させ、第一ブロック3bを既設壁11から抜き出す。第一ブロック3bを抜き出すことにより、既設壁11に開口が形成される。
ここで、図3(a)に示すように、フォークリフト5の爪51には、マーキング52が付されている。マーキング52は、爪51の先端から、コンクリートブロック3(既設壁11)の厚さよりも大きな距離を確保した位置に付されている。本実施形態のマーキング52は、爪51の先端側から青、黄、赤の三色で表示されている。フォークリフト5の操縦者は、マーキング52によりコンクリートブロック3に対して爪51がフォーク用孔31に十分な長さを挿入してあること確認する。すなわち、マーキング52の青い部分にまで爪51がフォーク用孔31に挿入されていれば、コンクリートブロック3を持ち上げるために必要な挿入長さが確保される。また、操縦者は、爪51をマーキング52の赤い部分よりも深く挿入することがないようにフォークリフト5を操作する。このようにすると、フォークリフト5によりコンクリートブロック3を押し込んでしまうことを防止でき、ひいては、コンクリートブロック3が既設壁11の奥側に落下することを防止できる。なお、マーキング52は必要に応じて付すものとする。
続いて、既設壁11の一般部(新設柱21の背面以外の部分)を切削してコンクリートブロック3を形成する第二切断作業と、形成されたコンクリートブロック3を既設壁11から抜き出す第二抜出作業とを繰り返すことにより、既設壁11の一般部を撤去する。本実施形態では、図4(a)および(b)に示すように、第一ブロック3bの横方向に並設されたコンクリートブロック3(上から2段目のコンクリートブロック3)から撤去し、その後、図5(a)および(b)に示すように、撤去されたコンクリートブロック3の下側に配設されたコンクリートブロック3(上から3段目と4段目のコンクリートブロック3)を撤去する。
第二切断作業では、まず、ワイヤーソーを利用して既設壁11を切削することでコンクリートブロック3を形成する。ワイヤーソーは、第一ブロック3bを抜き出すことにより形成された開口に挿入する。なお、コンクリートブロック3を形成する際の手間を簡略化する観点から、既設壁11を縦横に切断することにより直方体状のコンクリートブロック3を形成するとよい。既設壁11に、第一ブロック3bを撤去することにより開口が形成されているため、ワイヤーソーにより既設壁11を切削する際に、ワイヤーソーに作用する力が低減される。すなわち、開口部分において力が抜ける状態となるため、切削中のワイヤーソーに作用する圧縮力を低減することができる。
コンクリートブロック3を形成したら、当該コンクリートブロック3を順次フォークリフト5により搬出する。なお、コンクリートブロック3は、図3(b)に示すように、隣接する他のコンクリートブロック3と仮止め冶具33により連結することが望ましい。隣接するコンクリートブロック3同士を仮止め冶具33で連結しておけば、何らかの衝撃(例えば、フォークリフト5の接触)がコンクリートブロック3に作用しても、コンクリートブロック3が落下することを防止できる。仮止め冶具33は、フォークリフト5の爪51をフォーク用孔31に挿入した後、コンクリートブロック3から取り外せばよい。なお、仮止め冶具33は、必要に応じて設置すればよい。
図4(a)に示すように、上から2段目のコンクリートブロック3を撤去したら、ワイヤーソーにより上から3段目および4段目のコンクリートブロック3の側面に沿って、既設壁11を切断する。縦方向に切断したら、撤去するコンクリートブロック3の下面をワイヤーソーにより切断しコンクリートブロックを形成する。なお、コンクリートブロック3の切断方法は限定されるものではなく、例えば、下面を先に切断してもよい。
上から2段目〜4段目のコンクリートブロック3を撤去したら、図5(a)および(b)に示すように、最上段(上から1段目)のコンクリートブロック3(最上段ブロック3c)を撤去する。最上段ブロック3cは、ワイヤーソーにより側面を切断した後、上面を切断する(第三切断作業)。最上段ブロック3cの上面を切断する際は、最上段ブロック3cを、最上段ブロック3cの下側の空間に配設された昇降リフター6により下面側から支持する。既設壁11から切り出した最上段ブロック3cは、昇降リフター6により下降させた後、フォークリフト5により搬出する(第三抜出作業)。
昇降リフター6は、図6(a)および(b)に示すように、台車61と、台車61の上方に配設された荷台62と、台車61と荷台62との間に介設されたクロスリンク機構63と、ジャッキ64とを備えている。台車61は、クロスリンク機構63を介して荷台62を支持している。台車61は、前後左右に計4個の車輪65を有していて、走行可能に構成されている。車輪65は、レール66上を走行する。レール66は、既設壁11のコンクリートブロック3が撤去された空間の床面に敷設されている。レール66は、既設壁11の壁面と平行に敷設する。レール66は、図6(c)に示すように、車輪65を挿入可能な溝型部分を有している。車輪65は、レール66の溝型部分に挿入されていることで、レール66から脱輪することが防止されている。すなわち、台車61は、左右に大きくぶれることなくレール66に沿って直線移動する。なお、レール66は、必要に応じて敷設すればよい。荷台62は、コンクリートブロック3(最上段ブロック3c)を載置するための台座である。荷台62は、クロスリンク機構63により昇降可能に支持されている。クロスリンク機構63は、複数のリンク部材67を組み合わせることにより伸縮可能に構成されている。クロスリンク機構63には、ジャッキ64が設置されていて、ジャッキ64の伸縮に伴い、展開または折りたたまれる。ジャッキ64の両端は、それぞれクロスリンク機構63の上部と下部に取り付けられている。なお、昇降リフター6の構成は限定されるものではない。
図7(a)および(b)に示すように、昇降リフター6は、転倒防止手段7を設置した状態で使用する。本実施形態では、転倒防止手段7により、手前側(図7(b)において左側)から引張力を付与させた状態で、昇降リフター6を使用する。転倒防止手段7は、昇降リフター6の荷台62に係止させたワイヤーなどからなる線材71と、昇降リフター6の手前側の床面に固定したアンカー72と、線材71とアンカー72とを繋ぐチェーンブロック73とを備えている。転倒防止手段7は、チェーンブロック73により長さを調節可能に構成されている。昇降リフター6(荷台62)の昇降に伴って転倒防止手段7の長さを変化させることで、昇降リフター6への引張力を維持することができる。
最上段ブロック3cを撤去して既設壁11の一般部の撤去が完了したら、図8に示すように、新設柱21の背面のコンクリートブロック3(柱裏ブロック3a)を撤去する。柱裏ブロック3aは、まず、ワイヤーソーを利用して、ブロック状に切断する(第四切断作業)。柱裏ブロック3aの切断は、一般部のコンクリートブロック3を撤去することにより形成された空間(側方)からワイヤーソーを掛け回した状態で行う。本実施形態では、下側のコンクリートブロック3から切断して搬出する。コンクリートブロック3を形成したら、当該コンクリートブロック3を横移動させて新設柱21の背面から抜き出す。柱裏ブロック3aの横移動は、柱裏ブロック3aのフォーク用孔31にワイヤー42等を巻き付け、このワイヤー42をチェーンブロック等の引張装置を利用して引っ張ることにより行う。なお、柱裏ブロック3aの横移動方法は限定されるものではなく、例えば、ジャッキ等を利用して押してもよい。横移動させた柱裏ブロック3aは、フォークリフト5を利用して搬出する(第四抜出作業)。
下側に昇降リフター6を挿入することが可能な高さに配置された柱裏ブロック3aは、昇降リフター6を下側に挿入させた状態で切断する(第五切断作業)。そして、昇降リフター6の荷台62を下降させるとともに、昇降リフター6を横移動させて、新設柱21の背面から移動させる。そして、フォークリフト5を利用して、柱裏ブロック3aを搬出する(第五抜出作業)。
以上、本実施形態によれば、既設構造物1と新設構造物2との境界部に形成された既設壁11を撤去することで、既設構造物1に連続した新設構造物2を形成することができる。
コンクリートブロック3は、フォークリフト5を利用して既設壁11から抜き出すため、コンクリートブロック3毎に装置を盛り替える必要がなく、複数のコンクリートブロック3を簡易に抜き出すことができる。また、抜き出したコンクリートブロック3は、フォークリフト5を利用してそのまま輸送手段に積み替えることができるため、別途、積み替え用の装置を使用する必要がない。また、コンクリートブロック3に形成されたフォーク用孔31にフォークリフト5の爪51を挿入すればよいため、コンクリートブロック3を載置するための台座(パレット)等を必要としない。
また、最上段ブロック3cを、最上段ブロック3cよりも下側のコンクリートブロック3を抜き出した後に昇降リフター6を利用して下降させてからフォークリフト5により抜き出すため、効率的に搬出できる。すなわち、フォークリフト5の爪51のマストが既設構造物1(例えば天井)等に接触する場合など、フォークリフト5で直接撤去することができない位置のコンクリートブロック3を効率的に搬出することができる。なお、昇降リフター6は、転倒防止手段7により支持されているため、転倒することがなく、安全である。また、昇降リフター6は、レール66に沿って移動するため、想定外の方向に移動することもない。
新設柱21の背面側にあることにより、フォークリフト5により正面から搬出することができない柱裏ブロック3aは、横移動させてから手前側に抜き出すため、フォークリフト5による搬出が可能である。柱裏ブロック3aの横移動に昇降リフター6を使用すれば、高い位置の柱裏ブロック3aの撤去を簡易かつ安全に行うことができる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、既設の壁(既設壁11)を撤去する場合について説明したが、既設躯体撤去方法の対象物(既設躯体)は壁に限定されるものではなく、例えば、柱等であってもよい。
また、前記実施形態では、最上段のコンクリートブロック3を昇降リフター6により下降させるものとしたが、昇降リフター6は、最上段のコンクリートブロック3以外のコンクリートブロック3に使用してもよい。
また、前記実施形態では、コンクリートブロック3を形成する際にワイヤーソーを使用したが、既設壁11の切削手段は限定されるものではない。
また、前記実施形態では、防護壁4を既設壁11の背面に設置する場合について説明したが、施工個所の養生方法は限定されるものではない。例えば、図9に示すように、既設壁11の背面側には、防水シート81や防音壁82を設置して養生してもよい。このようにすることで、既設壁11を削孔(フォーク用孔31やコア孔32等)する際の水の飛散や騒音などを低減することができる。防水シート81や防音壁82は、仮設足場83や仮設パネル84等により支持すればよい。
1 既設構造物
11 既設壁(既設躯体)
2 新設構造物
21 新設柱
3 コンクリートブロック
31 フォーク用孔
32 コア孔
4 防護壁
5 フォークリフト
51 爪
6 昇降リフター

Claims (5)

  1. 既設躯体を複数のコンクリートブロックに分割して、前記コンクリートブロックを搬出する既設躯体撤去方法であって、
    前記既設躯体を切削して前記コンクリートブロックを形成する切断作業と、フォークリフトを利用して前記コンクリートブロックを手前側に抜き出す抜出作業とを繰り返すことにより複数の前記コンクリートブロックを搬出する工程を備え、
    前記抜出作業の前に、前記フォークリフトの爪に対応する二つの孔を前記コンクリートブロックに形成することを特徴とする、既設躯体撤去方法。
  2. 高さ方向で分割される複数段の前記コンクリートブロックのうちの少なくとも最上段に位置するコンクリートブロックである最上段ブロックは、当該最上段ブロックよりも下側のコンクリートブロックを抜き出した後に抜き出すものとし、
    前記最上段ブロックは、当該最上段ブロックを下側から支持する昇降リフターを利用して下降させた後、前記フォークリフトにより手前側に抜き出すことを特徴とする、請求項1に記載の既設躯体撤去方法。
  3. 前記コンクリートブロックを横移動させてから手前側に抜き出すことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の既設躯体撤去方法。
  4. 既設構造物に新設構造物を増設する既設構造物改良工法であって、
    前記既設構造物に隣接して前記新設構造物を構築する増設工程と、
    前記新設構造物に面する前記既設構造物の既設壁を撤去する撤去工程と、を備えており、
    前記撤去工程では、前記既設壁を切削してコンクリートブロックを形成する切断作業と、前記コンクリートブロックを搬出する抜出作業と繰り返すものとし、
    前記抜出作業の前に、フォークリフトの爪に対応する二つの孔を前記コンクリートブロックに形成することを特徴とする、既設構造物改良工法。
  5. 前記撤去工程では、前記既設壁の前記既設構造物側を防護壁で覆うことを特徴とする、請求項4に記載の既設構造物改良工法。
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