JP6535474B2 - 天井板の撤去方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トンネル内に設置された天井板の撤去方法に関する。
従来より、道路トンネルにおいて天井板の老朽化や換気システムの変更等に伴い、様々な方法にて既存の天井板を撤去する工事が実施されている。
一般に、道路トンネルに設置されている天井板は、トンネルの軸線方向及び軸線直交方向に複数連接され、トンネルのクラウン部より垂下される吊り治具及びトンネルの側壁部に設置された天井板受け台にて支持固定されており、これにより道路トンネル内の所望高さに吊り天井構造が形成されるものである。
具体的には、トンネルの軸線直交方向に隣り合う天井板が、互いに向かい合う側端面どうしをトンネルのクラウン部より垂下される吊り治具を介して固定され、トンネルの側壁部と向かい合う側端部を天井板受け台に支持固定される。また、トンネルの軸線方向に隣り合う天井板は、向かい合う端面どうしが互いに連結される。
上述する構成の吊り天井板の撤去方法としては、例えば引用文献1に、トンネルの軸線直交方向及び軸線方向に隣り合う天井板どうしを連結固定したままの状態で、天井板を吊持する吊り治具をトンネルのクラウン部から切り離すとともに、天井板をトンネルの側壁部に設置された天井板受け台に沿って切断し、走行体にて搬出し撤去する方法が開示されている。
そして、引用文献1に開示された方法では、大量の天井板を一度にトンネルから取り外すべく、天井板の搬出にドーリー等の大型特殊車両を走行体として用いている。
特開2014−148882号公報
しかし、天井板の搬出にドーリー等の大型の特殊車両を用いると、天井板の撤去作業を開始後に作業の中断や停止を簡単に行うことができず機動性に欠けるとともに、特殊車両の賃料や搬送費用がかさみ工費を圧迫する。
また、中小断面のトンネルでは、ドーリー等の大型の特殊車両が道路幅を広く占有するため、緊急車両や作業車両の通過を念頭に置いた通行空間を確保できない場合が多く、上記の撤去方法を採用することができない。
さらに、トンネルの側壁に設置された天井板受け台と天井板との縁を切るべく、天井板をトンネルの側壁部に設置された天井板受け台に沿って切断すると、エンジンカッターの使用によるCOの発生や天井板の切断に伴う粉塵の発生により作業環境が悪化する。
加えて、天井板の撤去作業を終了するまでの期間中、天井板受け台に残置された切断片の落下を防止するべくサポートを設置する必要があり、作業工程が煩雑になるとともに、サポートを設けることで作業空間が狭隘となる。また、走行体による天井板の搬出後に一時的な道路トンネルの交通開放を行う場合には、安全性を考慮し切断片を天井板受け台に固定する等、無駄な作業が発生する。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、作業工程が少なく迅速で、かつ機動性に富んだ天井板の撤去方法を提供することである。
かかる目的を達成するため本発明の天井板の撤去方法は、トンネルの軸線方向に連結された複数の天井板よりなりトンネルの軸線直交方向に列をなす複数の天井板群が、隣り合う側端部のうち一方側の下面を吊り治具の一方側上面に、他方側の下面を吊り治具の他方側上面に、それぞれ載置された状態で固定されてなる吊り天井構造を構成する天井板をトンネルから取り外しトンネル場外に搬出する、天井板の撤去方法であって、前記吊り治具の一方側上面もしくは他方側上面のいずれか一方とこれに載置する天井板群との固定を解除し、複数列のうち少なくとも1列の天井板群を、吊り治具に載置されるのみの状態とする第1の工程と、前記吊り治具に載置されるのみの前記天井板群を下方から押し上げ、吊り治具との縁を切りトンネルから取り外す第2の工程と、前記吊り治具が固定された状態の前記天井板群を下方から押し上げ、吊り治具ごとトンネルから取り外す作業を、前記第2の工程で取り外された天井板群と隣り合うものから順に行う第3の工程と、第2の工程および第3の工程でトンネルから取り外された天井板群を、トンネル場外に搬出し撤去する第4の工程と、を備えることを特徴とする。
上記の天井板の撤去方法によれば、第1の工程から第4の工程までを1サイクルとし、当該1サイクルをトンネルの軸線方向に繰り返すことができるため、現場の状況に応じて1サイクルごとで作業の中断や作業工程の変更等行うことができ、作業の機動性を大幅に向上することが可能となる。
また、上記の1サイクルにてトンネル軸線直交方向のすべての天井板群を撤去することができるため、トンネル延長に未撤去の天井板群が残存している場合にも、1サイクルの作業工程が終了した時点でトンネル内を一時的に交通開放することが可能となる。
さらに、天井板群におけるトンネルの軸線方向の長さを適宜調整することにより一度に搬出する天井板群の撤去長を短くできるから、工事現場等で一般に使用されている汎用的な工事車両にて天井板群の搬送作業を行うことができ、上記の1サイクルの作業時間を大幅に迅速化することが可能となる。
工事車両にトレーラーを採用した場合には、上記の1サイクルの作業時間をより一層迅速化することが可能となるとともに、中小断面のトンネルにも採用することが可能となるだけでなく、車両の調達コストや搬送に係る燃費を大幅に削減でき省コスト化を図ることができるとともに、車両の自重低減により、既存道路の舗装損傷を抑制することも可能となる。
また、複数列のうち少なくとも1列の天井板群を、吊り治具に載置されるのみの状態とし、これを先行してトンネルから取り外すから、この作業にて形成された空間を利用して、側端部に吊り治具が固定された天井板群を吊り治具と切り離すことなく、吊り治具ごとトンネルから取り外すことが可能となる。これにより、吊り治具と天井板群のトンネル場外への搬出を同時に行うことができるため、トンネル場内での作業工数が少なく作業効率を大幅に向上することが可能となる。
加えて、天井板群を小割することなくトンネルから取り外すことができるため、従来技術のような天井板の切断作業を省略できるととともに、切断に伴う切断残部の処理等トンネル内の後処理作業も不要となり、作業時間を大幅に短縮することが可能となる。
本発明の天井板の撤去方法は、前記トンネルの軸線直交方向に列をなす前記天井板群各々の直下に、昇降装置を備える自走式の天井板搬送装置を配置し、前記第2の工程及び第3の工程を、前記昇降装置を介して実施するとともに、取り外した前記天井板群を前記昇降装置に載置しておき、前記第4の工程を、前記天井板搬送装置にて実施することを特徴とする。
上記の天井板の撤去方法によれば、天井板群をトンネルから取り外す作業と取り外した天井板群をトンネル場外へ搬出する作業のすべてを天井板搬送装置にて実施することができる。これにより、例えば、上記の1サイクルの途中で緊急車両の通行等を求められた場合にも、第2の工程もしくは第3の工程を終了させて取り外した天井板群を昇降装置に載置した状態で、天井板搬送装置を適宜移動してトンネル場内にて一時待避させておくこともできるため、天井板の撤去作業の中断や作業車両の移動に素早く対応することが可能となる。
また、本発明の天井板の撤去方法は、前記天井板群が、トンネルの軸線方向に複数連続配置されており、坑口からトンネルの軸線方向に向けて、前記第1の工程から第3の工程を繰り返した後、第4の工程を実施することを特徴とする。
上記の天井板の撤去方法によれば、第2の工程及び第3の工程を繰り返し、トンネルの軸線方向に連接する天井板群を複数取り外した後、これら複数の天井板群を一度にトンネル場外に搬出するため、搬出に係る作業効率を大幅に向上することが可能となる。
上記の天井板の撤去方法は、前記第2の工程及び第3の工程で取り外した前記天井板群が前記昇降装置に載置された状態の前記天井板搬送装置を用いて、前記第2の工程および第3の工程を繰り返すことを特徴とする。
上記の天井板の撤去方法によれば、トンネル場内に取り外した天井板群の仮置き場等を設けることなく天井板群をトンネルの軸線方向に複数取り外し、これらを一度にトンネル場外へ搬出することができるため、トンネル場内において作業空間を広く活用できるとともに、作業効率を大幅に向上することが可能となる。
本発明によれば、トンネルに設置された天井板を、複数が連結してなる天井板群としてトンネルから取り外してトンネル場外に搬出するにあたり、該天井板群の大きさを汎用的な工事車両を使用することができる大きさにするため、機動性に富むとともに、低コストで作業効率を大幅に向上することが可能となる。
トンネル内に設置された天井板の取り付け構造を示す図である。 天井板の詳細を示す図である。 天井板の連結構造を示す図である。 天井板搬送装置の側面を示す図である。 天井板搬送装置の後面を示す図である。 天井板搬送装置の平面を示す図である。 天井板群の取り外し手順を示す図である(その1)。 天井板群の取り外し手順を示す図である(その2)。 天井板群の取り外し手順を示す図である(その3)。 天井板搬送装置の一時待避の様子を示す図である。 天井板群をトンネルから搬出した後の天井板架台への載置方法を示す図である(その1)。 天井板群をトンネルから搬出した後の天井板架台への載置方法を示す図である(その2)。 天井板群の取り外し手順の他の事例を示す図である(その1)。 天井板群の取り外し手順の他の事例を示す図である(その2)。 天井板群の取り外し手順の他の事例を示す図である(その3)。
本発明における天井板の撤去方法は、道路トンネル内に構築された吊り天井構造を構成する天井板を、トンネルから取り外すとともにトンネル場外に搬出し撤去する方法である。
以下に、本発明におけるトンネルに設置された天井板の撤去方法を、図1〜図15を参照して詳述する。
まず、トンネル1に設置されている天井板2の設置構造を図1から図3を参照して詳述する。
トンネル1内に設置されている天井板2は、図1に示すようにトンネルの軸線直交方向Xに隣り合うように配置されるとともに、図2(a)のトンネルの平面図で示すように、トンネルの軸線方向Yに複数が連続して配置されている。これら複数の天井板2は、トンネル軸線方向Y及び軸線直交方向Xに互いに連結固定され、トンネル内に設置される吊り治具3及び天井板受け台4にて支持固定される。
吊り治具3は、図1に示すように、トンネル1のクラウン部に固定されるアンカ31と、該アンカ31を介してトンネル1のクラウン部に固定される吊り治具本体32と、該吊り治具本体32に支持される天井板載置部材33とを備えている。
吊り治具本体32は、水平部と鉛直部を備える断面T字形状のCT鋼材321と該CT鋼材321の鉛直部に上端を固着される複数の吊り棒鋼322よりなり、CT鋼材321の水平部をトンネル1のクラウン部に当接させて軸線方向Yに延在するように配置することにより、複数の吊り棒鋼322はトンネル1の軸線方向Yに間隔を有して垂下するように配置される。そして、これら吊り棒鋼322の下端には天井板載置部材33が固定されている。
天井板載置部材33は、図3(a)に示すように、水平部と鉛直部を備える断面逆T字形状のCT鋼材よりなり、トンネル1の軸線方向Yに延在するように配置され、鉛直部に吊り治具本体32の吊り棒鋼322が固定される。また、天井板載置部材33の水平部における一方側上面に、トンネル1の軸線直交方向Xに隣り合う天井板2の側端部のうち一方側2aが載置されるとともに固定され、逆T字状の水平部における他方側上面に、トンネル1の軸線直交方向Xに隣り合う天井板2の側端部のうち他方側2a’が載置されるとともに固定されている。
上述する構成によりトンネル1の軸線直交方向Xに隣り合う天井板2は、図3(a)の天井板の断面図に示すように、隣り合う側端部2a、2a’が天井板載置部材33の水平部に載置された状態で、互いの側端面2a、2a’より突出するひげ鉄筋21、21’が天井板載置部材33に溶接されるとともにモルタル5にて埋設されることで固定される。
また、トンネル1の軸線直交方向Xに隣り合う天井板2は、トンネル1の側壁と向かい合う外側の側端部2bが、図3(b)の天井板の断面図に示すように、天井板受け台4に載置された状態で、外側端面2bより突出するひげ鉄筋21が天井板受け台4の上面より突出するピン42に溶接されるとともにモルタル5に埋設されることで固定されている。
なお、天井板受け台4は、アンカ41を介してトンネル1の側壁に対をなして同一高さに配置されており、上面には図3(b)に示すように、天井板2の外側端面2bが載置される水平面を有している。
さらに、天井板2は、トンネルの軸線方向Yに向く端面が上方を切り欠かれてその切欠き部よりひげ鉄筋21が突出しており、トンネル1の軸線方向Yに隣り合う天井板2は、図3(c)のトンネルの平面図で示すように、向かい合う端面の下部が当接した状態で、互いの端面の上方より突出するひげ鉄筋21どうしを溶接するとともにモルタル5にて埋設することで連結固定される。
これにより、複数の天井板2は、トンネル1の軸線方向Y及びに軸線直交方向Xに連結固定されて一体をなし、吊り治具3に載置される状態で吊持されるとともに天井板受け台4に載置される状態で支持されて、トンネル1内の空間を上下に二分する吊り天井構造をなすものである。
次に、上記の構成にてトンネル1に設置されている天井板2を撤去する際に使用する天井板搬送装置11を図4から図6を参照して詳述する。
天井板搬送装置11は、図4に示すように、上面にて天井板2を載置可能な昇降装置13と、昇降装置13を搭載した走行体12とにより構成されており、本実施の形態では、走行体12としてトレーラーを採用している。
なお、走行体12は、トレーラーに限定されるものではなく、昇降装置13を積載可能な車両であれば、工事現場等で一般に使用される汎用的な工事車両等いずれを採用してもよい。
昇降装置13は、図4および図5に示すように、天井板支持フレーム14、水平力受けフレーム15、水平力受け部材16、ジャッキ支持フレーム17およびジャッキ18を備えている。
天井板支持フレーム14は、図6に示すように、走行体12の進行方向に延在する一対の梁141と、走行体12の進行方向直交方向に延在し、梁141を支持する複数の桁142を備える。梁141は、トンネル1に設置されている天井板2の下面と当接されるものであり、トンネル1から取り外された天井板2が載置されるものでもある。また、桁142は、水平力受けフレーム15を介して複数のジャッキ18に支持されている。
水平力受けフレーム15は、図5に示すように、天井板支持フレーム14とジャッキ18との間に介装される上フレーム151と、走行体12の荷台に設置される下フレーム152と、上フレーム151と下フレーム152との間に配置されて両者を連結する水平力受け部材16により構成されている。
水平力受け部材16は、図5に示すように、ヒンジ部材161を介して複数の板材162を上下方向に連結した蛇腹体よりなり、鉛直方向の伸縮が自在であるとともに、板材162の板面と平行な方向に作用する水平力に対して耐力を有する。したがって、上フレーム151と下フレーム152との間に配置する際には、図4に示すように、板材162の板面と平行な方向を走行体12の進行方向に向けたものと、板材162の板面と平行な方向を走行体12の進行方向直交方向に向けたものとを混在させて配置する。
ジャッキ支持フレーム17は、図4および図5に示すように、走行体12の荷台に設置される下フレーム152上に設置されており、ジャッキ18を支持する。そして、複数のジャッキ18は、図5および図6に示すように、桁142の両側端部近傍における下方に配置されており、ジャッキ支持フレーム17を介して走行体12の荷台に設置されている。ジャッキ18は鉛直方向に伸縮するよう配置されており、ジャッキ18の伸縮に伴って天井板支持フレーム14が走行体12の荷台に対して上下方向に移動する。
このような構成により、昇降装置13は、ジャッキ18を伸長すると水平力受け部材16もジャッキ18の伸長に追従して伸長するから、ジャッキ18より作用される上向きの鉛直力は上フレーム151を介して天井板支持フレーム14にスムーズに伝達され、天井板支持フレーム14は走行体12に対して上昇する。しかし、走行体12による移動等何らかの影響により天井板支持フレーム14に水平力が作用した場合には、これを水平力受け部材16が負担するため、上フレーム151を介してジャッキ18に伝達されることはない。これにより天井板搬送装置11は、天井板支持フレーム14を介して昇降装置13に載置された天井板2を、落下させることなく安全に搬送することが可能となる。
このような構成の天井板搬送装置11を用いた天井板2の撤去方法を図2、図7〜図12を参照しつつ以下に詳述する。
本実施の形態では、トンネル1の軸線方向Yに連結された天井板2を、天井板搬送装置11の積載可能長さに対応する数量ごとに区分けして天井板群2A、2Bとし、これらトンネル1の軸線直交方向Xに隣り合う天井板群2A、2B各々の下方に天井板搬送装置11A、11Bを配置し、天井板搬送装置11A、11Bを利用して天井板群2A、2Bをそれぞれ別個にトンネル1から取り外し、トンネル場外に搬出する。
<前処理工程>
まず、図2(b)に示すように、天井板2と天井板受け台4の間に充填しているモルタル5の斫作業を行い、ひげ鉄筋21を露出させるとともに、天井板2と天井板受け部材33との間に充填されているモルタル5についても同様に斫作業を行う。
ここで、天井板2と天井板受け部材33との間に充填されているモルタル5の斫作業は、天井板受け部材33の水平部における一方側上面及び他方側上面に位置するモルタル5すべてに対して行うのではなく、天井板受け部材33の水平部における一方側上面もしくは他方側上面のうちいずれか一方に対してのみ行う。
つまり、天井板受け部材33は、トンネル1の軸線直交方向Xに隣り合う天井板2の側端部のうち一方側2aもしくは他方側2a’のいずれか一方に固定されたままの状態としておく。本実施の形態では、図2(b)に示すように、トンネル1の軸線直交方向Xに隣り合う天井板2の側端部のうち一方側2aのモルタル5を斫ってひげ鉄筋21を露出させ、他方側2a’のモルタル5は残しておく。
これは、天井板受け部材33を天井板2と別途撤去するのではなく、トンネルの軸線直交方向Xに隣り合う天井板2のうちいずれかに固定したままの状態で撤去するためである。
次に、天井板搬送装置11の昇降装置13に複数の天井板2をトンネル1の軸線方向Yに連結固定した状態で載置する場合を想定し、天井板搬送装置11の積載可能長さを考慮して、一度に積載可能な天井板2の数量を決定する。例えば、天井板2が長さ1mの短手方向をトンネルの軸線方向Yに向けて配置され、天井板搬送装置11の積載可能長さが12mの場合には、トンネル1の軸線方向Yに連結固定したままで天井板搬送装置11に積載可能な天井板2の数量は、12枚となる。
そして、図2(b)に示すように、トンネル1の軸線方向Yに隣り合う天井板2の間に充填されているモルタルの斫作業を、天井板2を一度に積載する数量ごとに行い、前述したひげ鉄筋21を露出させる。例えば、天井板2を一度に積載する枚数が12枚の場合には、トンネル1の軸線方向Yに隣り合う天井板2の間に充填されているモルタルの斫作業を天井板2の12枚目ごとに行う。
このように、天井板搬送装置11の積載可能長さに対応する数量ごとに区分けされたトンネル1の軸線方向Yに連結された複数の天井板2は、天井板群2A、2Bとして、天井板搬送装置11にてトンネル1から取り外されてトンネル場外へ搬出されることとなる。
なお、上記の前処理作業は、トンネル1内における天井板2の上方空間を利用して作業することができるため、トンネル1内を供用したままの状態で実施することが可能である。
<第1の工程:ひげ鉄筋を切断する工程>
前処理工程が終了したのち、トンネル1内を車両通行止めにして2台の天井板搬送装置11をトンネル1内に乗り入れする。この乗り入れ作業と並行して、前処理工程にて露出されたひげ鉄筋21と天井板受け部材33の溶接固定、ひげ鉄筋21と天井板受け台4の溶接固定、及びトンネル1の軸線方向Yに隣り合う天井板2におけるひげ鉄筋21どうしの溶接固定を解除するべく、各々のひげ鉄筋21を切断する。
これにより、トンネルの軸線直交方向Xに隣り合う天井板2のうち、一方側2aの側端部を有する天井板2は、天井板搬送装置11の積載可能長さに対応する数量だけトンネル1の軸線方向Yに連結された状態となる。以下、天井板搬送装置11の積載可能長さに対応する数量だけトンネル1の軸線方向Yに連結された複数の天井板2よりなる天井板群のうち、天井板受け部材33が固定されていないものを天井板群2Aと称す。
上記の工程により、天井板群2Aは天井板受け部材33の水平部と天井板受け台4の水平面には載置されるのみの状態となる。
一方、モルタル5の斫作業を行っていない他方側2a’ の側端部を有する天井板2は、天井板搬送装置11の積載可能長さに対応する数量だけトンネル1の軸線方向Yに連結された状態になるとともに、天井板受け部材33が固定されている。以下、天井板搬送装置11Bの積載可能長さに対応する数量だけトンネル1の軸線方向Yに連結された複数の天井板2よりなる天井板群のうち、天井板受け部材33が固定されているものを天井板群2Bと称す。
上記の構成により、天井板群2Bは天井板受け部材33の水平部に固定されているものの、天井板受け台4の水平面には載置されるのみの状態となる。
なお、本発明において、天井板群2A、2Bが、天井板受け部材33もしくは天井板受け台4に「載置されるのみの状態」とは、モルタル5が完全に斫取られた状態だけでなく、モルタル5のわずかな斫残しにより天井板群2A、2Bが、天井板受け部材33もしくは天井板受け台4に仮固定された状態も含むこととする。
<第2の工程:天井板群2Aをトンネル1から取り外す工程>
上記の第1の工程と平行してトンネル1内への乗り入れ作業が開始された2台の天井板搬送装置11のうち、図7(a)に示すように、天井板搬送装置11Aを天井板群2Aの直下に、天井板搬送装置11Bを天井板群2Bの直下にそれぞれ停車させる。そして、天井板搬送装置11A、11Bに搭載した昇降装置13A、13Bのジャッキ18A、18Bをそれぞれ伸長させ、昇降装置13A、13Bを天井板群2A、2Bの下面に当接させる。
なお、道路の舗装面は横断勾配が設けられている等、天井板群2A、2Bに対して平行な面を有していない場合が多い。よって、昇降装置13A、13Bにて天井板群2A、2Bを安定した状態で当接できない場合には、適宜緩衝材を介装させて調整すればよい。
次に、吊り治具3を切断し、図7(b)に示すように昇降装置13Aに備えたジャッキ18Aをさらに伸長させて天井板群2Aを上方に押し上げ、天井板受け部材33及び天井板受け台4との縁を切り、天井板群2Aの荷重を天井板受け部材33及び天井板受け台4から昇降装置13Aに受け替える。このとき、天井板群2Aにおける外側の側端部2bがトンネル1に接触しないよう、予めジャッキ18Aによる押し上げ高さを確認しておく。
この後、天井板群2Aを昇降装置13Aに載置した状態で天井板搬送装置11Aを前方へ移動させることにより、天井板群2Aをトンネル1から引き抜くようにして取り外す。
そして、天井板群2Aが設置されていた位置より前進させた天井板搬送装置11Aを、ジャッキ18Aを短縮させても昇降装置13Aにて支持した天井板群2Aが天井板受け台4と接触することがないよう、トンネル1の中心線方向に振りつつさらに前進させ、一時待避させる。
前方にて一時待避した天井板搬送装置11Aは、図10(a)に示すように、ジャッキ18Aを短縮させ、昇降装置13Aに載置した天井板群2Aを天井板受け台4より低い位置まで下降させる。この作業と併せてその上方に緩衝材21を設置し、緩衝材21を介して次に取り外そうとする天井板群2A‘を支持するための準備をする。
なお、緩衝材21を設置する工程は、必ずしも現段階で実施することに限定されるものではなく、後に述べるが、次に取り外そうとする天井板群2A’の取り外し工程にて設置してもよい。
この後、トンネル1の中心線方向に振った天井板搬送装置11Aは、トンネル1の軸線直交方向Xの位置を元の位置に戻しておく。
<第3の工程:天井板群2Bをトンネル1から取り外す工程>
一方、昇降装置13Bの上面を天井板群2Bの下面に当接させた状態の天井板搬送装置11Bは、天井板搬送装置11Aがトンネルの軸線方向Yの前方に移動したことを確認したうえで、図8(a)に示すように昇降装置13Bに備えたジャッキ18Bをさらに伸長させて天井板群2Bを上方に押し上げ、天井板受け台4との縁を切り、天井板群2Bを昇降装置13Bにて支持する。このとき、天井板群2Bにおける外側の側端部2bがトンネル1に接触しないよう、予めジャッキ18Bによる押し上げ高さを確認しておく。
この後、天井板群2Bを昇降装置13Bに載置させた状態で天井板搬送装置11Bを前方へ移動させることにより、天井板群2Bをトンネル1から取り外す。なお、天井板群2Bをトンネル1から取り外す際には、ジャッキ18Bを短縮させても昇降装置13Bにて支持した天井板群2Bが天井板受け台4と接触することがないよう、天井板搬送装置11Bをトンネル1の中心線方向に振りつつ前進させ、一時待避させる。
前方にて一時待避した天井板搬送装置11Bは、図10(b)に示すように、ジャッキ18Bを短縮させて昇降装置13Bに支持させた状態の天井板群2Bを天井板受け台4より低い位置まで下降させる。この後、天井板受け部材33の落下を防止するため、ラッシングベルト22にて天井板群2Bと天井板受け部材33とを締結する。
本実施の形態では、図2(b)に示すように天井板群2Bに予め挿通孔22aを設けておき、この挿通孔22aにラッシングベルト22を挿通させているが、ラッシングベルト22の取り付け方法は、いずれの手段を用いてもよい。
また、天井板群2Bと天井板受け部材33との締結は、ラッシングベルト22に限定されるものではなく、両者を締結できるものであれば、針金や紐材等いずれを用いてもよい。
そして、昇降装置13Bに載置された状態の天井板群2Bの上面に緩衝材20を設置し、次に取り外そうとする天井板群2B‘を載置する準備をする。
なお、緩衝材20を設置する工程は、必ずしも現段階で実施することに限定されるものではなく、後に述べるが、次に取り外そうとする天井板群2B’の取り外し工程にて設置してもよい。
<第1の工程の繰り返し:ひげ鉄筋切断工程>
取り外した天井板群2Aとトンネルの軸線方向Yに隣接する複数の天井板2に対して、前述した第1の工程と同様の手順を実施し、天井板搬送装置11の積載可能長さに対応する数量だけトンネル1の軸線方向Yに連結された状態で、天井板受け部材33が固定されていない天井板群2A’を形成する。
同様にして、取り外した天井板群2Bとトンネルの軸線方向Yに隣接する複数の天井板2に対して、前述した第1の工程と同様の手順を実施し、天井板搬送装置11Bの積載可能長さに対応する数量だけトンネル1の軸線方向Yに連結された状態で、天井板受け部材33が固定されている天井板群2B’を形成する。
これにより、天井板群2A’は先に取り外した天井板群2Aと同様に、天井板受け部材33の水平部と天井板受け台4の水平面には載置されるのみの状態となる。一方、天井板群2B’も先に取り外した天井板群2Bと同様に、天井板受け部材33の水平部に固定されているものの、天井板受け台4の水平面には載置されるのみの状態となる。
なお、天井板群2A’、2B’も天井板群2A、2Bと同様に、天井板受け部材33もしくは天井板受け台4に「載置されるのみの状態」とは、モルタル5が完全に斫取られた状態だけでなく、モルタル5のわずかな斫残しにより天井板群2A’、2B’が、天井板受け部材33もしくは天井板受け台4に仮固定された状態も含むものである。
<第2の工程の繰り返し:天井板群2A’をトンネル1から取り外す工程>
まず、トンネル1の中心線方向に振りつつ前方へ移動し待避していた天井板搬送装置11Bをそのまま後進させて、図8(b)に示すように、次に撤去しようとする天井板群2B’の直下に停車させる。
これは、ジャッキ18を伸長した際に、既に天井板支持フレーム14に載置されている天井板群2Bと天井板受け台4とが干渉しないようにするためであり、次に撤去しようとする天井板群2B’の外側側端部2bに対して、撤去済みの天井板群2Bにおける外側の側端部2bが水平方向に距離L1だけずれるようにしておく。なお、距離L1は撤去済みの天井板群2Bが天井板受け台4とが干渉しない位置を確保していればいずれでもよく、道路の幅員や作業性等を考慮し適宜決定すればよい。
そして、ジャッキ18Bを伸長させ、既に昇降装置13Bに載置した天井板群2Bの上面に設置されている緩衝材20を天井板群2B’の下面に当接させる。緩衝材20は、天井板群2Bに固定されている天井板受け部材33の鉛直部より高さを有していれば、木材や発泡スチロール等いずれの材料のものを採用してもよい、
なお、緩衝材20は事前に設置しなくてもよく、ジャッキ18Bを伸長させながら天井板群2Bと天井板群2B’との間に挟み込んでもよい。
この後、一時待避させていた天井板搬送装置11Aを後進させ、次に取り外そうとする天井板群2A’の直下に停車させる。そして、昇降装置13Aのジャッキ18Aを伸長させ、既に天井板支持フレーム14に載置された天井板群2Aの上面に設置した緩衝材21を天井板群2A’の下面に当接させる。
このとき、天井板搬送装置11Bの配置位置を距離L1だけトンネル1の中心線方向に振ったことに伴い、図8(b)に示すように、既に天井板搬送装置11Bに載置されている天井板群2Bの天井板受け部材33が、天井板搬送装置11Aに載置されている天井板群2Aと次に撤去しようとする天井板群2A’との間に突出することとなる。
このため、緩衝材21の高さは少なくとも、次に取り外そうとする天井板群2B’の上面から既に撤去済みの天井板群2Bの下面までの高さに、次に取り外そうとする天井板群2A’を押し上げ、天井板受け部材33及び天井板受け台4から縁を切ることの可能な長さを足し合わせた長さを確保する。
なお、緩衝材21は緩衝材20と同様に、その材質は木材や発泡スチロール等いずれの材料のものを採用してもよい。また、緩衝材21も緩衝材20と同様に事前に設置しなくてもよく、ジャッキ18Aを伸長させながら天井板群2Aと天井板群2A’との間に挟み込んでもよい。
この後、図9(a)に示すように吊り治具3を切断し、天井板搬送装置11Aに搭載したジャッキ18Aをさらに伸長させて天井板群2A’を上方に押し上げ、天井板受け部材33及び天井板受け台4との縁を切り、天井板群2A’の荷重を天井板受け部材33及び天井板受け台4から昇降装置13Aに受け替える。
この後、天井板群2A’を昇降装置13Aにて支持した状態で天井板搬送装置11Aを前方へ移動させることにより、天井板群2A’をトンネル1から引き抜くようにして取り外す。
そして、天井板群2A’が設置されていた位置より前進させた天井板搬送装置11Aを、天井板搬送装置11Aをトンネル1の中心線方向に振りつつさらに前進させ、ジャッキ18Aを短縮させる。
<第3の工程の繰り返し:2段目の天井板群2B’をトンネル1から取り外す工程>
最後に、図9(b)に示すように天井板搬送装置11Bに搭載したジャッキ18Bをさらに伸長させて天井板群2B’を上方に押し上げ、天井板群2B’を昇降装置13Bに支持させる。この後、天井板群2B’を昇降装置13Bにて支持した状態で天井板搬送装置11Bをトンネル1の中心線方向に振りつつ前方へ移動させることにより、天井板群2B’をトンネル1から取り外す。
そして、天井板群2B’が設置されていた位置より前進させた天井板搬送装置11Bは、ジャッキ18Bを短縮させる。
なお、天井板群2B’にも天井板受け部材33が固定されているが、天井板群2B’に対して、先に昇降装置13Bにて支持されている天井板群2Bが長さLだけトンネル1の軸線直交方向にずれて配置されている。これにより、天井板群2B’の天井板受け部材33は、天井板群2Bに支持された状態となるため、ラッシングベルト22にて天井板群2B’と締結する必要がない。
<第4の工程:天井板群2A、2B、2A’、2B’を搬出する工程>
まず、昇降装置13Aに2段積の状態で支持された天井板群2A、2A’は、天井板搬送装置11Aによりトンネル場外へ搬出されるとともに、坑外ヤード24に搬入される。
坑外ヤード24には、図11(a)に示すように、撤去した天井板群2Aを載置する坑外架台23が設置されており、坑外架台23は、天井板搬送装置11Aが通行可能な間隔を有して起立した状態で平行に配置された一対の面状フレーム231と、面状フレーム231を支持する脚部232を備えている。
面状フレーム231は、天井板搬送装置11Aの通行方向の長さ(図11の奥行き方向)が天井板群2Aを載置可能な長さに形成されており、また、対向する面状フレーム231の内側面であって上端には、天井板群2Aを載置するための受け台233が設置されている。
したがって、天井板群2A、2A’を坑外架台23に載置する際には、図11(a)に示すようにジャッキ18Aを伸長させた状態で天井板搬送装置11Aを走行させ、対をなす面状フレーム231の間で停止させる。この後、図11(b)に示すようにジャッキ18Aを短縮させて天井板群2Aを面状フレーム231に設置した受け台233に載置させ、天井板群2A、2A’の受け替えを終了する。
同様に、昇降装置13Bに2段積の状態で支持された天井板群2B、2B’も、天井板搬送装置11Bによりトンネル場外へ搬出されるとともに、坑外ヤード24に搬入される。
そして、天井板群2B、2B’を坑外架台23に載置する際には、図12(a)に示すようにジャッキ18Bを伸長させた状態で天井板搬送装置11Bを走行させ、対をなす面状フレーム231の間で停止させる。この後、図12(b)に示すようにジャッキ18Bを短縮させて天井板群2Bを面状フレーム231に設置した受け台233に載置させ、天井板群2B、2B’の受け替えを終了する。
これら、坑外架台23に載置された天井板群2A、2Bは、構造物を解体する際に用いる解体用車両等にて適宜解体すればよい。
この後、天井板搬送装置11A、11Bをトンネル1内に向けて出発させるとともに、トンネル1内では<第1の工程:ひげ鉄筋切断工程>を再開する。このように、<第1の工程:ひげ鉄筋切断工程>から<第4の工程:天井板群2A、2A’、2B、2B’の第4の工程>までの工程を1サイクルとして、トンネル1内の天井板2をすべて撤去するまで繰り返す。
なお、2サイクル目以降の<第1の工程:ひげ鉄筋切断工程>の実施は、1サイクル目の工程の中で先行して作業してもよい。
また、本実施の形態では、<第1の工程:ひげ鉄筋切断工程>から<第4の工程:天井板群2A、2A’、2B、2B’を搬出する工程>までの1サイクルの間に、第1の工程までから第3の工程までを繰り返し、天井板搬送装置11Aに2体の天井板群2A、2A’を積載するとともに 、天井板搬送装置11Bにも2体の天井板群2B、2B’を積載した。
しかし、1サイクルのうちに第1の工程から第3の工程を繰り返すことなく、天井板搬送装置11A、11Bに天井板群2A、2Bをそれぞれ1枚ずつ積載して、第4の工程にてトンネル場外へ搬出してもよいし、もしくは、第1の工程から第3の工程までを複数回繰り返してもよい。
つまり、1サイクル中に第1の工程から第3の工程を繰り返す回数は、必ずしも上記の方法に限定されるものではなく、天井板搬送装置11A、11Bの積載可能重量や、トンネル1の天井高、もしくはトンネル1の通行止め解除時間等、種々の条件を考慮して適宜決定すればよい。
このように、本発明の天井板の撤去方法は、第1の工程から第4の工程までの1サイクルとするから、トンネル1の通行止め解除時間に応じて、現場にて1サイクルを何回繰り返すかを決定することが可能となる。
また、上記の1サイクルにてトンネル軸線直交方向Xのすべての天井板2を撤去することができるため、トンネル延長方向に未撤去の天井板2が残存している場合にも、トンネル1を一時的に交通開放することが可能となる。
さらに、一度に搬出する天井板群2A、2Bの面積を小さくできるから、天井板搬送装置11A、11Bの走行体12に工事現場等で一般に使用されているトレーラー等の汎用的な工事車両を採用し、天井板群2A、2Bの搬送作業を行うことができる。これにより、車両の調達コストや搬送に係る燃費を大幅に削減でき省コスト化を図ることができるだけでなく、車両の自重低減により、既存道路の舗装損傷を抑制することも可能となる。
また、汎用的な工事車両を採用できることにより、作業効率がよく工期の大幅な短縮が望めるとともに、中小断面のトンネル1にも本発明の工法を採用することが可能となる。
さらに、天井板群2Aを、吊り治具3に載置されるのみの状態とし、これを先行してトンネル1から取り外すから、この作業にて形成された空間を利用して、側端部に吊り治具3が固定された天井板群2Bを吊り治具3ごとトンネル1から取り外すことが可能となる。これにより、吊り治具3と天井板群2Bのトンネル場外への搬出を同時に行うことができるため、天井板群2A、2Bの搬出に係るトンネル内で作業工数が少なく、作業効率を大幅に向上することが可能となる。
また、天井板群2A、2Bを小割することなくトンネル1から取り外すことができるため、従来技術のような天井板2の切断作業を省略できるととともに、切断に伴う切断残部の処理等トンネル内の後処理作業も不要となり、作業時間を大幅に短縮することが可能となる。
さらに、天井板群2A、2Bをトンネル1から取り外す作業と取り外した天井板群2A、2Bをトンネル場外へ搬出する作業のすべてを天井板搬送装置11A、11Bにて実施することができる。これにより、緊急車両の通行等を求められた場合には、取り外した天井板群2A、2Bを昇降装置13A、13Bに載置した状態で、天井板搬送装置11A、11Bを適宜移動させ、例えば、トンネル1内にて一時待避させておくこともできるため、天井板2の撤去作業の中断や作業車両の移動に素早く対応することが可能となる。
本発明の天井板の撤去方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、本発明の天井板の撤去方法をトンネル1の軸線直交方向Xに天井板2が一対配置されている場合を例とり詳述したが、これに限定されるものではない。例えば、図13に示すように、トンネル1の軸線直交方向Xに天井板が3つ配置されている場合には、天井板搬送装置11を3台使用する。
このとき、3つの天井板2のうち中央を、天井板受け部材33が固定されていない天井板群2Aとし、中央の天井板を挟んだ一対を、天井板受け部材33が固定された天井板群2Bとしておく。この場合には、上述する第2の工程に従って、図13(b)に示すように天井板群2Aを先行して取り外した後、図14(a)に示すように、第3の工程にしたがって天井板受け部材33が固定された天井板群2Bを順に天井板を撤去していけばよい。
この場合にも、図14(b)に示すように、第1の工程から第3の工程までを繰り返し、天井板搬送装置11A、11Bに天井板群2A、2Bを複数積載した上で、第4の工程にてトンネル1内の作業場外へ搬出することが可能である。
なお、天井板受け部材33が固定されていない天井板群2Aは、必ずしも3つの天井板2のうち中央に限定するものではなく、例えば、図15(a)に示すように、3つの天井板2のうち外側に配置させてもよい。さらには、3つの天井板2のうち、天井板受け部材33が固定されていない天井板群2Aを1体のみとする必要はなく、図15(b)に示すように、トンネルの軸線直交方向Xに並ぶ3つの天井板2のうち2体としてもよい。
このように、本発明における天井板の撤去方法では、上述する第2の工程に従って、天井板受け部材33が固定されていない天井板群2Aを先行して取り外した後、天井板受け部材33が固定された天井板群2Bを、天井板群2Aに隣接して配置されているものから順に第3の工程にしたがって撤去するため、トンネルの軸線直交方向Xに配置される天井板2の数量がいずれのものであっても撤去可能である。
1 トンネル
2 天井板
2A、2A’ 天井板群
2B、2B’ 天井板群
21 ヒゲ鉄筋
3 吊り治具
31 アンカ
32 吊り治具本体
33 天井板載置部材
4 天井板受け台
41 アンカ
42 ピン
5 モルタル
11 天井板搬送装置
11A、11B天井板搬送装置
12 走行体
13 昇降装置
13A、13B昇降装置
14 天井板支持フレーム
15 水平力受けフレーム
16 水平力受け部材
161 ヒンジ部材
162 板材
17 ジャッキ支持フレーム
18 ジャッキ
18A、18Bジャッキ
20 緩衝材
21 緩衝材
22 ラッシング
23 坑外架台
231 面状フレーム
232 脚部
233 受け台
24 坑外ヤード

Claims (4)

  1. トンネルの軸線方向に連結された複数の天井板よりなりトンネルの軸線直交方向に列をなす複数の天井板群が、隣り合う側端部のうち一方側の下面を吊り治具の一方側上面に、他方側の下面を吊り治具の他方側上面に、それぞれ載置された状態で固定されてなる吊り天井構造を構成する天井板をトンネルから取り外しトンネル場外に搬出する、天井板の撤去方法であって、
    前記吊り治具の一方側上面もしくは他方側上面のいずれか一方とこれに載置する天井板群との固定を解除し、複数列のうち少なくとも1列の天井板群を、吊り治具に載置されるのみの状態とする第1の工程と、
    前記吊り治具に載置されるのみの前記天井板群を下方から押し上げ、吊り治具との縁を切りトンネルから取り外す第2の工程と、
    前記吊り治具が固定された状態の前記天井板群を下方から押し上げ、吊り治具ごとトンネルから取り外す作業を、前記第2の工程で取り外された天井板群と隣り合うものから順に行う第3の工程と、
    第2の工程および第3の工程でトンネルから取り外された天井板群を、トンネル場外に搬出し撤去する第4の工程と、
    を備えることを特徴とする天井板の撤去方法。
  2. 請求項1に記載の天井板の撤去方法において、
    前記トンネルの軸線直交方向に列をなす前記天井板群各々の直下に、昇降装置を備える自走式の天井板搬送装置を配置し、
    前記第2の工程および前記第3の工程を、前記昇降装置を介して実施するとともに、取り外した前記天井板群を前記昇降装置に載置しておき、
    前記第4の工程を、前記天井板搬送装置にて実施することを特徴とする天井板の撤去方法。
  3. 請求項1または2に記載の天井板の撤去方法において、
    前記天井板群が、トンネルの軸線方向に複数連続配置されており、
    坑口からトンネルの軸線方向に向けて、前記第1の工程から第3の工程までを繰り返した後、第4の工程を実施することを特徴とする天井板の撤去方法。
  4. 請求項2に記載の天井板の撤去方法において、
    前記天井板群が、トンネルの軸線方向に複数連続配置されており、
    坑口からトンネルの軸線方向に向けて、前記第1の工程から第3の工程までを繰り返した後、第4の工程を実施するとともに、
    前記第2の工程及び第3の工程で取り外した前記天井板群が前記昇降装置に載置された状態の前記天井板搬送装置を用いて、前記第2の工程及び第3の工程を繰り返すことを特徴とする天井板の撤去方法。
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