JP2020138937A - 染毛用後処理剤組成物及び染毛用後処理剤組成物の使用方法 - Google Patents

染毛用後処理剤組成物及び染毛用後処理剤組成物の使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】酸化染毛剤による染毛処理において、毛髪の濃染性及び染毛の堅牢性を向上することができ、特に酸化染毛剤が毛髪において呈する色味を維持しつつ毛髪の濃染性を向上することができ、かつ、経時での保存安定性に優れた染毛用処理剤組成物及びその使用方法を提供する。【解決手段】酸化染毛剤による染毛処理において、酸化染毛剤を適用した後の毛髪に使用する、染毛用後処理剤組成物であって、(A)アルミニウム塩から選ばれる少なくとも1種と、(B)カチオン化ポリマーから選ばれる少なくとも1種と、を含有し、pHが2.5以上4.0以下である、染毛用後処理剤組成物。【選択図】なし

Description

本開示は、染毛用後処理剤組成物及び染毛用後処理剤組成物の使用方法に関する。
酸化染毛剤による染毛処理において、酸化染毛剤を適用する前に毛髪に使用する染毛用前処理剤組成物、及び酸化染毛剤を適用した後に毛髪に使用する染毛用後処理剤組成物がある(以下、染毛用前処理剤組成物及び染毛用後処理剤組成物をまとめて染毛用処理剤組成物という)。染毛用処理剤組成物は、酸化染毛剤による染毛効果を高めたり毛髪への損傷を抑制したりする等の様々な目的で使用される。
特許文献1には、有機酸及び/又は有機酸塩、アルカリ剤からなるpH緩衝剤、及び小麦蛋白質加水分解物及び/又はシリル化蛋白質加水分解物からなる染毛用後処理剤組成物が、染毛による毛髪の損傷を修復し、染毛後の色持ちを改良することが記載されている。また、特許文献2には、乳酸、リン酸水素二ナトリウム及び/又はクエン酸ナトリウム、及びカタラーゼを含有すると共に、溶液のpHが4〜5である染毛用後処理剤組成物が、酸化染毛剤による処理後の毛髪中の残留アルカリや残留過酸化水素を効果的に除去することによって、毛髪の損傷を防止し、毛髪への染料の定着を良くすることが記載されている。また、特許文献3には、アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも1種と、シリコーン類から選ばれる少なくとも1種と、を含有する染毛用前処理剤組成物が、濃染性、均染性及び堅牢性を高めることが記載されている。
特開2005−320355号公報 特開2013−129629号公報 特開2003−286143号公報
パーマネントウェーブ、ヘアカラー、又はヘアブリーチ等を繰り返すことにより損傷を受けた毛髪は、酸化染毛剤で染色した際に濃く染まりにくく、その染毛処理後に色落ちしやすい傾向にある。そのため、上記のような染毛用処理剤組成物には、酸化染毛剤による毛髪の濃染性、及び染毛の堅牢性を向上することが望まれる。
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1及び特許文献2の染毛用処理剤組成物は、毛髪の損傷を抑制する効果はあるものの、必ずしも十分に毛髪の濃染性及び染毛の堅牢性を向上するものではなかった。また、本発明者の検討によれば、特許文献3のようなアルミニウム化合物を含有する染毛用処理剤組成物は、毛髪の濃染性及び染毛の堅牢性の向上に寄与しうるものの、経時での保存安定性が良好でない場合があることが判明した。
本開示の一局面は、酸化染毛剤による染毛処理において、毛髪の濃染性及び染毛の堅牢性を向上することができ、特に酸化染毛剤が毛髪において呈する色味を維持しつつ毛髪の濃染性を向上することができ、かつ、経時での保存安定性に優れた染毛用処理剤組成物及びその使用方法を提供する。
本開示の一態様の染毛用後処理剤組成物は、酸化染毛剤による染毛処理において、酸化染毛剤を適用した後の毛髪に使用する、染毛用後処理剤組成物であって、(A)アルミニウム塩から選ばれる少なくとも1種と、(B)カチオン化ポリマーから選ばれる少なくとも1種と、を含有し、pHが2.5以上4.0以下である。
本開示の一態様では、pHが2.8以上3.5以下であってもよい。
本開示の一態様では、(B)成分が、ポリクオタニウム−10、及びポリクオタニウム−47から選ばれる少なくとも1種であってもよい。
本開示の一態様では、染毛用後処理剤組成物が可溶化系の組成物であってもよい。
本開示の一態様は、酸化染毛剤による染毛処理における、染毛用後処理剤組成物の使用方法であって、酸化染毛剤を毛髪に適用する工程と、酸化染毛剤を毛髪に適用する工程の後に、上記染毛用後処理剤組成物を毛髪に適用する工程と、を有する。
本開示の一態様は、酸化染毛剤を毛髪に適用する工程の後、シャンプー用組成物で毛髪を洗浄する工程を更に有し、染毛用後処理剤組成物を毛髪に適用する工程は、酸化染毛剤を毛髪に適用する工程の後、シャンプー用組成物で毛髪を洗浄する工程の前に行われてもよい。
本開示の一態様によれば、酸化染毛剤による染毛処理において、毛髪の濃染性及び染毛の堅牢性を向上することができ、特に酸化染毛剤が毛髪において呈する色味を維持しつつ毛髪の濃染性を向上することができ、かつ、経時での保存安定性に優れた染毛用処理剤組成物及びその使用方法が提供される。
本開示の一態様の染毛用後処理剤組成物は、酸化染毛剤による染毛処理において、酸化染毛剤を適用した後の毛髪に使用する、染毛用後処理剤組成物であって、(A)アルミニウム塩から選ばれる少なくとも1種と、(B)カチオン化ポリマーから選ばれる少なくとも1種と、を含有し、pHが2.5以上4.0以下である。
本発明者の検討によれば、アルミニウム塩を含有する染毛用処理剤組成物は、酸化染毛剤による染毛処理の後処理剤として使用すると、毛髪の濃染性及び染毛の堅牢性を向上することができる。これは、以下の理由によると考えられる。酸化染毛剤による染毛処理では、酸化染毛剤の適用工程、すなわち酸化染毛剤を毛髪に塗布して暫く放置している間に、酸化染料の毛髪内への浸透及び過酸化水素等の酸化剤による酸化染料の酸化重合が進行し、染料が発色し毛髪に染着する。酸化染毛剤の適用工程後、アルミニウム塩を含有する染毛用後処理剤組成物を適用すると、アルミニウム塩が触媒として働くことによって、酸化染毛剤の適用工程で毛髪内に浸透し染着した染料を、更に酸化重合させることができると考えられる。以下、このような酸化染毛剤の適用工程後の酸化染料の酸化重合を後酸化という。すなわち、アルミニウム塩は、後酸化によって、酸化染料の発色を高めて毛髪の濃染性を向上し、かつ、酸化染料の毛髪への染着性を高めて染毛の堅牢性を向上している、と考えられる。
そして、本発明者の検討によれば、カチオン化ポリマーを併用することで、染毛の堅牢性を一層向上し、所望の堅牢性を達成することができる。これは、カチオン化ポリマーが毛髪の表面に吸着して毛髪をコーティングし、染着している酸化染料の毛髪内からの流出を抑制するためと考えられる。
一方、本発明者の検討によれば、アルミニウム塩はこのように毛髪の濃染性及び染毛の堅牢性の向上に有効であるものの、組成物中での安定性がpHに依存して変化することが判明した。具体的には、アルミニウム塩は、pHがアルカリ領域へ行くほど安定性が悪く、析出する場合があることが判明した。
そこで、本開示の一態様の染毛用後処理剤組成物では、そのpHを酸性領域、特に2.5以上4.0以下としている。pHがこの範囲であると、アルミニウム塩の析出が抑制され、経時での保存安定性に優れた染毛用後処理剤組成物を得ることができる。
なお、酸化染毛剤の処理剤としてpHが酸性領域である組成物を使用する際には、前処理剤としてではなく後処理剤として使用することが重要である。一般的な酸化染毛剤はアルカリ剤を用いており、酸化染料の毛髪内への浸透及び過酸化水素等の酸化剤による酸化染料の酸化重合が、アルカリ条件で進行する。そのため、pHが酸性領域である組成物を前処理剤として使用して酸化染毛剤を適用する前に毛髪の環境を酸性領域にしてしまうと、後の酸化染毛剤の適用工程において酸化染毛剤による染色性に影響が生じうるからである。
すなわち、本開示の一態様の染毛用後処理剤組成物は、上記(A)成分及び(B)成分を含有し特定の酸性領域に調整された組成物を、前処理剤としてではなく後処理剤として使用することで、酸化染毛剤による染色性への影響を抑制しながら、毛髪の濃染性及び染毛の堅牢性を向上させることができ、更に経時での保存安定性にも優れるものである。
以下、本開示の一態様の染毛用後処理剤組成物について詳細に説明する。
[(A)成分]
(A)成分のアルミニウム塩は、上記のとおり、酸化染毛剤の染毛処理において、毛髪の濃染性及び染毛の堅牢性を向上させることができる。
また、アルミニウム塩は、酸化染毛剤が毛髪において呈する色味を維持しつつ毛髪の濃染性を向上する効果がある。アルミニウム塩以外の他の金属塩、例えば、鉄塩、銅塩、マグネシウム塩等も、アルミニウム塩と同様に後酸化の触媒として機能する可能性がある。しかし、本発明者の検討によれば、このような他の金属塩の場合、染毛用後処理剤組成物を適用した後の毛髪の色味が、酸化染毛剤で染色した毛髪の本来の色味から異なる色味に変化してしまう場合がある。これは、これらの金属塩が後酸化を促進しすぎるため等と考えられる。また、他の金属塩の場合、アルミニウム塩と比較して毛髪の濃染性及び染毛の堅牢性が低い場合がある。これに対し、アルミニウム塩は、色味の変化を抑えつつ、毛髪の濃染性及び染毛の堅牢性を向上することができる。
(A)成分のアルミニウム塩としては、具体的には、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、酢酸アルミニウム、ベヘン酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、カプロン酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩酸アルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、ジミリスチン酸アルミニウム、ジ−dl−ピロリドンカルボン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、イソステアリン酸アルミニウム、グリシンアルミニウム、ラノリン酸アルミニウム、モノステアリン酸アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPEG、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPG、硫酸アルミニウム等が挙げられる。なお、PEGはポリエチレングリコールの略、PGはプロピレングリコールの略である。これらのアルミニウム塩のうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。(A)成分としては、硫酸アルミニウムカリウム及び塩化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、硫酸アルミニウムカリウムであることが、染毛の堅牢性の観点からより好ましい。
染毛用後処理剤組成物中のアルミニウム塩の含有量は、0.1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以上であり、更に好ましくは1質量%以上である。また、染毛用後処理剤組成物中のアルミニウム塩の含有量は、10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは7質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以下である。アルミニウム塩の含有量が0.1質量%以上であると、毛髪の濃染性及び染毛の堅牢性の向上効果が高い。また、アルミニウム塩の含有量が10質量%以下であると、組成物中でのアルミニウム塩の安定性が高く、染毛用後処理剤組成物の保存安定性が一層向上する。
[(B)成分]
(B)成分のカチオン化ポリマーは、上記のとおり、酸化染毛剤の染毛処理において、染毛の堅牢性を向上させることができる。
カチオン化ポリマーとは、カチオン性基、例えば4級アンモニウム基が導入されてカチオン化されたポリマーである。カチオン化ポリマーとしては、具体的には、ポリクオタニウム類が挙げられる。ここで、ポリクオタニウム類とは、化粧品成分の国際名称であるINCI名に「ポリクオタニウム」が含まれる化合物を指す。ポリクオタニウム類としては、具体的には、ポリクオタニウム−4、ポリクオタニウム−5、ポリクオタニウム−6、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−10、ポリクオタニウム−11、ポリクオタニウム−16、ポリクオタニウム−22、ポリクオタニウム−28、ポリクオタニウム−32、ポリクオタニウム−33、ポリクオタニウム−37、ポリクオタニウム−39、ポリクオタニウム−43、ポリクオタニウム−44、ポリクオタニウム−46、ポリクオタニウム−47、ポリクオタニウム−49、ポリクオタニウム−51、ポリクオタニウム−52、ポリクオタニウム−53、ポリクオタニウム−55、ポリクオタニウム−57、ポリクオタニウム−61、ポリクオタニウム−64、ポリクオタニウム−65、ポリクオタニウム−68、ポリクオタニウム−92等が挙げられる。これらのカチオン化ポリマーのうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。(B)成分としては、アルミニウム塩と組み合わせて使用した場合における、染毛の堅牢性の向上効果が高いことから、ポリクオタニウム−10(原料名として例えば、カチナールLC100、カチナールHC100、カチナールLC200、カチナールHC200(いずれも東邦化学工業社製)等)、及びポリクオタニウム−47(原料名として例えば、マーコート2001(ルーブリゾール社製))から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
染毛用後処理剤組成物中のカチオン化ポリマーの含有量は、0.1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.2質量%以上である。また、染毛用後処理剤組成物中のカチオン化ポリマーの含有量は、3質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2質量%以下である。カチオン化ポリマーの含有量が上記範囲内であると、染毛の堅牢性の向上効果が高い。
また、染毛用後処理剤組成物中の(B)成分に対する(A)成分の含有量の質量比(A)/(B)は、0.1以上50以下であることが好ましく、より好ましくは0.5以上25以下である。(A)/(B)がこの範囲であると、毛髪の色味の維持、毛髪の濃染性の向上、染毛の堅牢性の向上、及び保存安定性の向上の効果のバランスが良い。
[染毛用後処理剤組成物のpH]
染毛用後処理剤組成物のpHは、2.5以上4.0以下である。pHが4.0以下であると、上記のとおり、アルミニウム塩の析出が抑制され、経時での保存安定性に優れた染毛用後処理剤組成物を得ることができる。また、pHが2.5未満であると、染毛用後処理剤組成物を適用した後の毛髪の色味が、酸化染毛剤で染色した毛髪の本来の色味から異なる色味に変化してしまう場合がある。そのため、pHを2.5以上とすることで、酸化染毛剤が毛髪において呈する色味を維持しつつ、このような保存安定性を得ることができる。また、pHが2.5以上であると、地肌等への刺激も抑制することができる。なお、pHは、染毛用後処理剤組成物の原液の25℃におけるpHを測定するものとする。
染毛用後処理剤組成物のpHは、好ましくは2.8以上である。pHが2.8以上であると、毛髪の色味の変化が一層抑制される。また、染毛用後処理剤組成物のpHは、好ましくは3.5以下である。pHが3.5以下であると、染毛用後処理剤組成物の保存安定性が一層向上する。
染毛用後処理剤組成物のpHは、pH調整剤を用いて適宜調整することができる。pH調整剤としては、無機酸又は有機酸である酸成分と、無機アルカリ又は有機アルカリであるアルカリ成分とで構成されるpH緩衝成分を好適に使用することができる。これらの中でも、pH緩衝成分としては、有機酸と有機アルカリとで構成されることが好ましい。有機酸としては、グリコール酸、乳酸、レブリン酸、ピロリドンカルボン酸(PCA)、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸等のヒドロキシカルボン酸、コハク酸、グルタミン酸等のジカルボン酸等が挙げられる。これらの有機酸のうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。有機酸としては、特に酒石酸が好ましい。また、有機アルカリとしては、モルフォリン等の揮発性アルカリ成分、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール等のアミノアルコール、アルギニン、リジン、ヒスチジン等の塩基性アミノ酸等が挙げられる。これらの有機アルカリのうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。有機アルカリとしては、特にアルギニンが好ましい。
pH調整剤としては、酒石酸とアルギニンとを併用することが好ましい。また、pHの調整方法としては、先に染毛用後処理剤組成物を酸成分で酸性に調整してから、所望のpHとなるようにアルカリ成分を使用して塩基性に調整することが、アルミニウム塩の製剤安定性の観点から好ましい。
[その他の成分]
染毛用後処理剤組成物は、上記成分以外にも、必要に応じて他の成分を含有してもよい。
上記他の成分としては、例えば、溶剤、油性成分、多価アルコール、界面活性剤、カチオン化ポリマーを除く水溶性ポリマー、糖、防腐剤、キレート化剤、安定剤、酸化防止剤、アミノ酸、無機塩、動植物又は微生物の抽出物、生薬抽出物、ビタミン、香料、紫外線吸収剤、染料等が挙げられる。これらの他の成分のうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。
上記溶剤は、例えば、染毛用後処理剤組成物を、液状等の所望の性状にするために配合することができる。溶剤としては、例えば、精製水等の水、有機溶媒等が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、フェネチルアルコール、γ−フェニルプロピルアルコール、ケイ皮アルコール、アニスアルコール、p−メチルベンジルアルコール、α−ジメチルフェネチルアルコール、α−フェニルエタノール、エチレングリコールフェニルエーテル(フェノキシエタノール)、フェノキシイソプロパノール、2−ベンジルオキシエタノール、N−アルキルピロリドン、炭酸アルキレン等が挙げられる。これらの溶剤のうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。これらの中でも、溶剤として水が含有されていることが好ましい。水の含有量は、例えば、50質量%以上である。
上記油性成分としては、例えば、油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、アルキルグリセリルエーテル、エステル、シリコーン等が挙げられる。
油脂としては、例えば、アルガニアスピノサ核油、オリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、月見草油、杏仁油、パーシック油、桃仁油、パーム油、卵黄油等が挙げられる。
ロウとしては、例えば、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等が挙げられる。
炭化水素としては、例えば、パラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、イソパラフィン、α−オレフィンオリゴマー、合成スクワラン等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール(セタノール)、2−ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−オクチルドデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、デシルテトラデカノール、ラノリンアルコール等が挙げられる。
アルキルグリセリルエーテルとしては、例えば、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
エステルとしては、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、10〜30の炭素数を有する脂肪酸からなるコレステリル/ラノステリル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジエトキシエチル、2−エチルヘキサン酸セチル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油等が挙げられる。
シリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン(ジメチコノール)、650〜10000の平均重合度を有する高重合シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン(例えば、(PEG/PPG/ブチレン/ジメチコン)コポリマー)、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。
これらの油性成分のうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。
上記多価アルコールとしては、例えば、グリコール、グリセリン等が挙げられる。グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。グリセリンとしては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。これらの多価アルコールのうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。
上記界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキレンアルキルグリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、脂肪族アルカノールアミド、アルキルグルコシド等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えば、POE(2)セチルエーテル、POE(4)セチルエーテル、POE(5)セチルエーテル、POE(5.5)セチルエーテル、POE(6)セチルエーテル、POE(7)セチルエーテル、POE(10)セチルエーテル、POE(15)セチルエーテル、POE(20)セチルエーテル、POE(23)セチルエーテル、POE(25)セチルエーテル、POE(30)セチルエーテル、POE(40)セチルエーテル等のPOEセチルエーテル、POE(2)ステアリルエーテル、POE(4)ステアリルエーテル、POE(5)ステアリルエーテル、POE(20)ステアリルエーテル、POE(150)ステアリルエーテル等のPOEステアリルエーテル、POE(2)ベヘニルエーテル、POE(3)ベヘニルエーテル、POE(5)ベヘニルエーテル、POE(6)ベヘニルエーテル、POE(10)ベヘニルエーテル、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(30)ベヘニルエーテル、POE(150)ベヘニルエーテル等のPOEベヘニルエーテル、POE(2)オレイルエーテル、POE(3)オレイルエーテル、POE(7)オレイルエーテル、POE(10)オレイルエーテル、POE(15)オレイルエーテル、POE(20)オレイルエーテル、POE(50)オレイルエーテル等のPOEオレイルエーテル、POE(2)ラウリルエーテル、POE(3)ラウリルエーテル、POE(4.2)ラウリルエーテル、POE(9)ラウリルエーテル、POE(10)ラウリルエーテル、POE(21)ラウリルエーテル、POE(25)ラウリルエーテル等のPOEラウリルエーテル、POE(2)ミリスチルエーテル、POE(3)ミリスチルエーテル等のPOEミリスチルエーテル、POE(2)オクチルドデシルエーテル、POE(5)オクチルドデシルエーテル等のPOEオクチルドデシルエーテル、POE(2)ヘキシルデシルエーテル、POE(4)ヘキシルデシルエーテル等のPOEヘキシルデシルエーテル、POE(5)イソステアリルエーテル等のPOEイソステアリルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニルエーテル、POE(1)POP(4)セチルエーテル、POE(10)POP(4)セチルエーテル、POE(20)POP(4)セチルエーテル、POE(20)POP(8)セチルエーテル等のPOEポリオキシプロピレンセチルエーテル、POE(12)POP(6)デシルテトラデシルエーテル等のPOEポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル等が挙げられる。なお、化合物名中、POEはポリオキシエチレンの略であり、POPはポリオキシプロピレンの略である。また、POEの後の括弧中の数値はエチレンオキサイドの付加モル数を、POPの後の括弧中の数値はプロピレンオキサイドの付加モル数を表す。
アルキレンソルビタン脂肪酸エステル又はアルキレンアルキルグリコール脂肪酸エステルとしては、例えば、モノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリン、テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット、POEソルビットミツロウ、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド又は脂肪族アルカノールアミドとしては、例えば、POE(2)ラウリン酸モノエタノールアミド、POE(3)ラウリン酸モノエタノールアミド、POE(5)ラウリン酸モノエタノールアミド、POE(10)ラウリン酸モノエタノールアミド、POE(15)ラウリン酸モノエタノールアミド等のPOEラウリン酸モノエタノールアミド、POE(2)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、POE(5)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、POE(10)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド等のPOEヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、POP(12)ミリスチン酸モノエタノールアミド等のPOPミリスチン酸モノエタノールアミド等が挙げられる。
また、アルキルグルコシドとしては、例えば、アルキル(C8〜16)グルコシド、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシエチレンジオレイン酸メチルグルコシド等が挙げられる。
これらのノニオン性界面活性剤のうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム(セトリモニウムクロリド)、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(ステアルトリモニウムクロリド)、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアルミニウム(ベヘントリモニウムクロリド)、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(ジステアリルジモニウムクロリド)、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。これらのカチオン性界面活性剤のうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホン脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステル、N−アルキロイルメチルタウリン塩、及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエタノールアミン等が挙げられる。より具体的には、アルキルエーテル硫酸エステル塩としては、例えば、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウムが挙げられる。アルキル硫酸塩としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等が挙げられる。アルキル硫酸塩の誘導体としては、例えば、POEラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。スルホコハク酸エステルとしては、例えば、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム等が挙げられる。N−アルキロイルメチルタウリン塩としては、例えば、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム等が挙げられる。これらのアニオン性界面活性剤のうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。
両性界面活性剤としては、例えば、ココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの両性界面活性剤のうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。
水溶性ポリマーとしては、例えば、天然高分子、半合成高分子、合成高分子、及び無機物系高分子が挙げられる。
天然高分子の具体例としては、例えば、デンプン、グアーガム、ローカストビーンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、トラガカントガム、ペクチン、マンナン、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、デキストリン、トリグルコ多糖(プルラン)等が挙げられる。
半合成高分子の具体例としては、例えば、結晶セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプンリン酸エステル、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸塩等が挙げられる。
合成高分子の具体例としては、例えば、ポリビニルカプロラクタム、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン−酢酸ビニル(VP/VA)コポリマー、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニル重合体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリウレタン、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体、アクリル酸/アクリル酸アルキル共重合体、イタコン酸とPOEアルキルエーテルとの半エステル、又はメタクリル酸とPOEアルキルエーテルとのエステルと、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらのアルキルエステルから選ばれる少なくとも一つの単量体と、からなる共重合体が挙げられる。
これらの水溶性ポリマーのうち、1種のみが単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。
上記糖としては、例えば、ソルビトール、マルトース、グリコシルトレハロース、N−アセチルグルコサミン等が挙げられる。これらの糖のうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。
上記防腐剤としては、例えば、パラベン、メチルパラベン、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。これらの防腐剤のうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。
上記キレート化剤としては、例えば、エデト酸(エチレンジアミン四酢酸(EDTA))及びその塩類、ジエチレントリアミン五酢酸及びその塩類、ヒドロキシエタンジホスホン酸(エチドロン酸、HEDP)及びその塩類等が挙げられる。ヒドロキシエタンジホスホン酸としては、例えば、ヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸二ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸ナトリウム等が挙げられる。これらのキレート化剤のうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。
上記安定剤としては、例えば、フェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、タンニン酸等が挙げられる。これらの安定剤のうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。
上記酸化防止剤としては、例えば、アスコルビン酸、亜硫酸塩等が挙げられる。これらの酸化防止剤のうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。
上記アミノ酸としては、トレオニン、テアニン、タウリン等が挙げられる。これらのアミノ酸のうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。
上記無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。これらの無機塩のうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。
[染毛用後処理剤組成物の剤型]
染毛用後処理剤組成物の剤型としては、特に限定されず、例えば、液状、固体状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等が挙げられる。これらの中でも、染毛用後処理剤組成物は、可溶化系、乳化系等の液状の組成物であることが好ましい。ここでいう可溶化系の組成物とは、相分離せずに安定な一相系の状態となる組成物を指す。
なお、可溶化系の組成物の方が、乳化系の組成物と比較して、アルミニウム塩の析出による保存安定性への影響が大きい。よって、上記の経時での保存安定性に優れるという効果は、染毛用後処理剤組成物が可溶化系の組成物である場合に特に発揮される。
[染毛用後処理剤組成物の使用方法]
染毛用後処理剤組成物は、酸化染毛剤による染毛処理において、酸化染毛剤を適用した後の毛髪に使用することができる。
酸化染毛剤による染毛処理には、一般的に、酸化染毛剤を毛髪に適用する工程(すなわち、上記の酸化染毛剤の適用工程)と、その後、シャンプー用組成物で毛髪を洗浄する工程とが含まれる。酸化染毛剤の適用工程とは、上記のとおり、酸化染毛剤を毛髪に塗布し、暫く放置することにより、酸化染料を毛髪に染着させる工程である。
染毛用後処理剤組成物は、酸化染毛剤による染毛処理において、酸化染毛剤の適用工程の後であれば、いつでも好適に使用することができる。具体的には、以下の場合が考えられる。
(1)酸化染毛剤の適用工程の後、シャンプー用組成物で毛髪を洗浄する工程の前に、染毛用後処理剤組成物を適用する場合
(2)シャンプー用組成物で毛髪を洗浄する工程の後に、染毛用後処理剤組成物を適用する場合
上記(1)の場合としては、具体的には、酸化染毛剤の適用工程の後、シャンプー用組成物で毛髪を洗浄する工程の前に別途行われる酸化染毛剤を水等で洗い流す工程の、前又は後に、染毛用後処理剤組成物を適用する場合が考えられる。すなわち、以下の場合が考えられる。
(1−1)酸化染毛剤の適用工程の後、酸化染毛剤を洗い流す工程の前に、染毛用後処理剤組成物を適用する場合、すなわち、酸化染毛剤を塗布して暫く放置した後、その酸化染毛剤の上に染毛用後処理剤組成物を重ね塗りする場合
(1−2)酸化染毛剤の適用工程の後、酸化染毛剤を洗い流す工程の後に、染毛用後処理剤組成物を適用する場合、すなわち、酸化染毛剤を水等で洗い流した直後、又は水等で洗い流し乾燥させた後に、適用する場合
上記(2)の場合としては、具体的には、シャンプー用組成物を使用して、毛髪を洗浄し、水等で洗い流した直後、又は水等で洗い流し乾燥させた後に、染毛用後処理剤組成物を適用する場合が考えられる。
なお、ここでいう、シャンプー用組成物で毛髪を洗浄する工程とは、酸化染毛剤による染毛処理の一連の工程で行われる洗浄を指し、日常的に行われるシャンプー用組成物による洗浄は、これに該当しない。また、シャンプー用組成物で毛髪を洗浄する工程には、トリートメント処理する工程が含まれていてもよい。
シャンプー用組成物で毛髪を洗浄する工程では、酸化染毛剤の酸化剤等が大幅に洗い流されてしまうため、シャンプー用組成物で毛髪を洗浄する工程の前に、染毛用後処理剤組成物を適用することが好ましい。すなわち、上記(2)の場合よりも上記(1)の場合の方が好ましい。毛髪内に残留している酸化剤等を効果的に利用できるため、アルミニウム塩による後酸化の促進効果が高いからである。また、上記(1)の場合の中でも、染毛用後処理剤組成物の操作性に優れることから、上記(1−2)の場合が好ましい。
[染毛処理において使用される酸化染毛剤]
染毛用後処理剤組成物の対象となる染毛剤は、酸化染毛剤である。特に、染毛用後処理剤組成物は、一般的に高い明度及び彩度が求められているファッションカラー用の酸化染毛剤による染毛処理において好ましく用いられる。
酸化染毛剤は、1剤式としても、2剤式以上の複数剤式としても構成できる。1剤式の酸化染毛剤としては、粉末剤として構成され、使用時に水又は適宜な溶剤に溶かして毛髪に塗布するタイプが例示される。複数剤式の酸化染毛剤としては、アルカリ剤を含有する剤(第1剤)と酸化剤を含有する剤(第2剤)とを含む2剤式又は3剤式以上の酸化染毛剤であって、例えば、水を媒体とする溶液状、クリーム状、ゲル状、泡状(使用時に泡状とするものを含む)等の液状製剤を挙げることができる。少なくとも第1剤と第2剤とは、使用時に混合して用いられる。
以下、酸化染料とアルカリ剤とを含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤とによって構成される2剤式のものについて説明する。
(第1剤)
第1剤は、酸化染料とアルカリ剤とを含有する。
酸化染料は、自身の酸化により発色する染料中間体と、これと反応することにより発色するカプラーとによって構成される。
染料中間体としては、例えば、p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン(パラトルイレンジアミン)、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−メチルアミノフェノール、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、o−クロル−p−フェニレンジアミン、4−アミノ−m−クレゾール、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール、2,4−ジアミノフェノール、1−ヒドロキシエチル−4,5−ジアミノピラゾール、及びこれらの塩等が挙げられる。塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩等が挙げられる。これらの染料中間体のうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。
カプラーとしては、例えば、レゾルシン、5−アミノ−o−クレゾール、m−アミノフェノール、α−ナフトール、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、トルエン−3,4−ジアミン、2,6−ジアミノピリジン、ジフェニルアミン、N,N−ジエチル−m−アミノフェノール、フェニルメチルピラゾロン、1,5−ヒドロキシナフタレン、及びこれらの塩類等が挙げられる。塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩等が挙げられる。これらのカプラーのうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。
酸化染料は、毛髪の色調を様々に変化させることができることから、好ましくは、染料中間体の上記具体例の中から選ばれる少なくとも1種と、カプラーの上記具体例の中から選ばれる少なくとも1種とから構成される。また、第1剤は、上記酸化染料以外の染料として、例えば「医薬部外品原料規格」(2006年6月発行、薬事日報社)に収載された酸化染料を適宜含有してもよい。
これらの染料中間体及びカプラーのうち、鮮やかな色味を表現するために使用されるものほど、濃染性が求められ、かつ、色落ちしやすいため染毛の堅牢性が求められる。よって、このような染料中間体及びカプラーを含有する酸化染毛剤を用いる場合には、上記染毛用後処理剤組成物による、毛髪の濃染性及び染毛の堅牢性の向上効果が、特に発揮される。このような酸化染毛剤としては、具体的には、p−フェニレンジアミン、及びトルエン−2,5−ジアミンから選ばれる少なくとも1種の染料中間体と、5−アミノ−o−クレゾール、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール、α−ナフトール、及び2,4−ジアミノフェノキシエタノールから選ばれる少なくとも1種のカプラーと、を含有する酸化染毛剤が挙げられる。
酸化染毛剤中の酸化染料の含有量は、0.01質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上である。また、酸化染料の含有量は、10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは7質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以下である。なお、ここでいう酸化染毛剤中の酸化染料の含有量とは、第1剤と第2剤との混合時における含有量である。
アルカリ剤は、酸化染毛剤の第2剤に含有される酸化剤の作用を促進するとともに、毛髪を膨潤させて毛髪への染料の浸透性を向上させることにより、染色性を向上させる。アルカリ剤としては、例えば、アンモニア、アルカノールアミン、ケイ酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、メタケイ酸塩、硫酸塩、塩化物、リン酸塩、有機アミン、塩基性アミノ酸、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物等が挙げられる。アルカノールアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等が挙げられる。炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等が挙げられる。炭酸水素塩としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。メタケイ酸塩としては、例えば、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム等が挙げられる。硫酸塩としては、例えば、硫酸アンモニウム等が挙げられる。塩化物としては、例えば、塩化アンモニウム等が挙げられる。リン酸塩としては、例えば、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム等が挙げられる。有機アミンとしては、例えば、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、グアニジン等が挙げられる。塩基性アミノ酸としては、例えば、アルギニン、リジン等が挙げられる。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。これらのアルカリ剤のうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。これらの中でも、染毛効果の向上の観点から、アンモニア、アンモニウム塩、及びアルカノールアミンから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
第1剤は、酸化染料及びアルカリ剤以外の成分として、酸化染毛剤の第1剤に通常含有される成分を含有してもよい。第1剤に含有される、酸化染料及びアルカリ剤以外の成分としては、例えば、上記染毛用後処理剤組成物が含有しうる他の成分が挙げられる。
(第2剤)
第2剤は、酸化剤を含有する。酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物等が挙げられる。これらの酸化剤のうち、1種が単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。
第2剤は、酸化剤以外の成分として、酸化染毛剤の第2剤に通常含有される成分を含有してもよい。例えば、第2剤が酸化剤として過酸化水素を含有する場合、過酸化水素の分解を抑制するために、安定化剤を含有してもよい。安定化剤としては、例えば、スズ酸ナトリウム、エチレングリコールフェニルエーテル、ヒドロキシエタンジホスホン酸及びその塩等が挙げられる。ヒドロキシエタンジホスホン酸塩としては、例えば、ヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸二ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸ナトリウム等が挙げられる。また、第2剤は、これらのほか、上記染毛用後処理剤組成物に含有しうる他の成分を含有してもよい。
実施例及び比較例に係る評価用の毛束サンプルと、評価用の毛束サンプルの比較対象として使用するコントロール用の毛束サンプルとを、以下の手順で作製し、評価した。
[コントロール用の毛束サンプルの作製]
まず、長さ10cm、重さ1gの黒毛の毛束(ビューラックス社製)に、ブリーチ剤を刷毛を用いて塗布し、30℃にて30分間放置した。ブリーチ剤としては、1剤:「レセパウダーブリーチEX」(ホーユー社製)と、2剤:「プロオキサイド(6%)」(ホーユー社製)とを1:2.5の割合で混合したものを使用した。続いて、毛束に付着しているブリーチ剤を水で洗い流した後、シャンプー用組成物としてホーユー社製の「ビゲントリートメントシャンプー」を用いて毛束にシャンプー処理を行い、ドライヤーで風乾した。そして、得られた毛束をブリーチ処理後の毛束とした。
次に、表1に示す第1剤と第2剤とを1:1の質量比で混合して、酸化染毛剤(ヘアカラー)を調製した。なお、表1中の数値は質量%である。得られた酸化染毛剤を、ブリーチ処理後の毛束に刷毛を用いて塗布し、30℃にて30分間放置した。その後、毛束に付着している酸化染毛剤を水で洗い流し、続いて毛束に、シャンプー用組成物としてホーユー社製の「ビゲントリートメントシャンプー」を用いてシャンプー処理を2回、及びリンス用組成物としてホーユー社製の「ビゲントリートメントリンス」を用いてリンス処理を1回施した。なお、シャンプー用組成物及びリンス用組成物は、シャンプー処理及びリンス処理毎にそれぞれ水で洗い流した(以下同様)。そして、毛束をドライヤーで風乾して、コントロール用の毛束サンプルを得た。
Figure 2020138937
[評価用の毛束サンプルの作製]
まず、表2に示す実施例及び表3に示す比較例に係る、染毛用処理剤組成物を、常法に従い調製した。なお、表2及び表3中、数値は質量%であり、PQはポリクオタニウムの略である。また、アルギニン及び酒石酸は、染毛用処理剤組成物のpHが所望の値となるように、適量配合した。
次に、ブリーチ処理後の毛束(コントロール用の毛束サンプルの作製に使用したブリーチ処理後の毛束と明度や感触が同等なものを使用)を用い、調製した染毛用処理剤組成物を、上記コントロール用の毛束サンプルの作製手順において、表2及び表3に示す適用場面(ヘアカラー直後、ヘアカラー流し後直ちに、シャンプー後、又は前処理)で適用して、実施例及び比較例に係る評価用の毛束サンプルを作製した。各適用場面は、具体的には以下のとおりである。
(ヘアカラー直後)
上記コントロール用の毛束サンプルの作製手順における、酸化染毛剤を塗布して放置した後、酸化染毛剤を水で洗い流す前に、染毛用処理剤組成物1gを毛束に、刷毛を用いて塗布した。そして、1分間放置した後、染毛用処理剤組成物を水で洗い流した。続いて、上記コントロール用の毛束サンプルの作製手順と同様に、毛束に、シャンプー処理を2回、及びリンス処理を1回施した。その後、毛束をドライヤーで風乾して、評価用の毛束サンプルを得た。
(ヘアカラー流し後直ちに)
上記コントロール用の毛束サンプルの作製手順における、酸化染毛剤を水で洗い流した後に、染毛用処理剤組成物1gを毛束に、刷毛を用いて塗布した。そして、1分間放置した後、染毛用処理剤組成物を水で洗い流した。続いて、上記コントロール用の毛束サンプルの作製手順と同様に、毛束に、シャンプー処理を2回、及びリンス処理を1回施した。その後、毛束をドライヤーで風乾して、評価用の毛束サンプルを得た。
(シャンプー後)
上記コントロール用の毛束サンプルの作製手順における、酸化染毛剤を水で洗い流し、シャンプー処理を2回施した後に、染毛用処理剤組成物1gを毛束に、刷毛を用いて塗布した。そして、1分間放置した後、染毛用処理剤組成物を水で洗い流した。続いて、上記コントロール用の毛束サンプルの作製手順と同様に、毛束にリンス処理を1回施した。その後、毛束をドライヤーで風乾して、評価用の毛束サンプルを得た。
(前処理)
ブリーチ処理後の毛束に、染毛用処理剤組成物1gを、刷毛を用いて塗布し、1分間放置した後、ドライヤーで風乾した。続いて、上記コントロール用の毛束サンプルの作製手順と同様に、酸化染毛剤を適用して水で洗い流し、毛束にシャンプー処理を2回、及びリンス処理を1回施した。その後、毛束をドライヤーで風乾して、評価用の毛束サンプルを得た。
[評価]
作製したコントロール用の毛束サンプル及び評価用の毛束サンプルを用いて、以下の評価を行った。
(色味の維持)
10名のパネラーが、コントロール用の毛束サンプル及び評価用の毛束サンプルを標準光源下にて目視で観察し、評価用の毛束サンプルにおいて、コントロール用の毛束サンプルと比較して毛髪の色味が維持されているか否かを判断した。各パネラーは、「色味が維持されている(3点)」、「色味がわずかに異なる(2点)」、及び「色味が異なる(1点)」の3段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均値を算出し、平均値が2.6点以上を「良好:A」、1.6点以上2.6点未満を「可:B」、1.6点未満を「不良:C」とし、評価結果とした。結果を表2及び表3に示す。
(濃染性)
10名のパネラーが、コントロール用の毛束サンプル及び評価用の毛束サンプルを標準光源下にて目視で観察し、評価用の毛束サンプルが、コントロール用の毛束サンプルと比較して濃染性に優れているか否かを判断した。各パネラーは、「非常に優れている(4点)」、「優れている(3点)」、「変わらない(2点)」、及び「悪くなっている(1点)」の4段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均値を算出し、平均値が3.6点以上を「良好:A」、2.6点以上3.6点未満を「可:B」、1.6点以上2.6点未満を「やや不良:C」、1.6点未満を「不良:D」とし、評価結果とした。結果を表2及び表3に示す。
(堅牢性)
評価用の毛束サンプルを、シャンプー用組成物として10質量%ラウレス硫酸ナトリウム水溶液にて10回洗浄する洗浄処理を行った。10名のパネラーが、洗浄処理を行わなかった毛束サンプル及び洗浄処理を行った毛束サンプルを標準光源下にて目視で観察し、洗浄処理を行った毛束サンプルが、洗浄処理を行わなかった毛束サンプルと比較して堅牢性に優れているか否かを、毛束の色調に基づいて判断した。各パネラーは、堅牢性について、「良好(4点)」、「可(3点)」、「やや不良(2点)」、及び「不良(1点)」の4段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均値を算出し、平均値が3.6点以上を「良好:A」、2.6点以上3.6点未満を「可:B」、1.6点以上2.6点未満を「やや不良:C」、1.6点未満を「不良:D」とし、評価結果とした。結果を表2及び表3に示す。
(保存安定性)
調製した染毛用処理剤組成物について、調製直後、ガラス瓶に入れて室温で1週間保存した後、及びガラス瓶に入れて50℃で1ヶ月間保存した後に、それぞれ目視で観察し、分離又は析出の有無を確認した。50℃で1ヶ月間保存した後でも分離及び析出が無く問題ない場合は「A」、室温で1週間保存した後でも分離及び析出が無く問題ない場合は「B」、室温で1週間保存した後に分離又は析出が発生していた場合は「C」、染毛用処理剤組成物の調製後直ちに析出が発生した場合は「D」とし、評価結果とした。結果を表2及び表3に示す。
Figure 2020138937
Figure 2020138937
[考察]
実施例1〜実施例15に示すように、(A)成分と(B)成分とを含有し、pHが2.5以上4.0以下である染毛用後処理剤組成物は、いずれの評価結果もB以上であり可以上であった。
特に、実施例1及び実施例2に示すように、(A)成分として硫酸アルミニウムカリウムを含有する染毛用後処理剤組成物の方が、(A)成分として塩化アルミニウムを含有する染毛用後処理剤組成物よりも、堅牢性の向上効果が高かった。
また、実施例1、実施例3及び実施例4に示すように、(B)成分としてポリクオタニウム−10、及びポリクオタニウム−47から選ばれる少なくとも1種を含有する染毛用後処理剤組成物の方が、(B)成分としてポリクオタニウム−39を含有する染毛用後処理剤組成物よりも、堅牢性の向上効果が高かった。
また、実施例1、実施例5、及び実施例6に示すように、幅広い(A)成分の含有量の範囲において優れた性能を示した。また、実施例1、実施例7、及び実施例8に示すように、幅広い(B)成分の含有量の範囲において優れた性能を示した。
また、実施例1、実施例9〜実施例12に示すように、pHが2.8以上3.5以下の範囲内である染毛用後処理剤組成物の方が、pHが2.8未満の染毛用後処理剤組成物よりも色味の変化が一層抑制され、pHが3.5よりも高い染毛用後処理剤組成物よりも保存安定性が一層向上していた。
また、実施例13に示すように、可溶化系の組成物のみならず乳化系の組成物でも同様に優れた性能を示した。
また、実施例1、実施例14、及び実施例15に示すように、シャンプー処理を経ずに染毛用後処理剤組成物を適用した場合の方が、シャンプー処理を経た後に染毛用後処理剤組成物を適用した場合よりも、濃染性の向上効果が高かった。
一方、比較例1に示すように、(A)成分を含有しない染毛用後処理剤組成物は、濃染性及び堅牢性について所望の性能を満たさなかった。また、比較例2に示すように、(A)成分を含有していても(B)成分を含有しない染毛用後処理剤組成物は、堅牢性について所望の性能を満たさなかった。
また、比較例3に示すように、(A)成分のアルミニウム塩の代わりに硫酸マグネシウムを使用した場合には、アルミニウム塩のような濃染性及び堅牢性の向上効果を示さなかった。また、比較例4に示すように、(A)成分のアルミニウム塩の代わりに硫酸銅を使用した場合には、アルミニウム塩と同様に濃染性及び堅牢性の向上効果を示したものの、毛髪の色味の変化が大きかった。
また、比較例5に示すpHが2.5以上4.0以下の範囲外である染毛用処理剤組成物では、調製後直ちに析出が発生した。なお、そのため、比較例5に係る染毛用処理剤組成物では、以降の色味の維持、濃染性、及び堅牢性の評価は行っていない。
また、比較例6に示すように、実施例1と同様の染毛用処理剤組成物を、後処理剤ではなく前処理剤として使用した場合には、濃染性について所望の性能を満たさず、毛髪の色味の変化も大きかった。

Claims (5)

  1. 酸化染毛剤による染毛処理において、前記酸化染毛剤を適用した後の毛髪に使用する、染毛用後処理剤組成物であって、
    (A)アルミニウム塩から選ばれる少なくとも1種と、
    (B)カチオン化ポリマーから選ばれる少なくとも1種と、を含有し、
    pHが2.5以上4.0以下である、染毛用後処理剤組成物。
  2. pHが2.8以上3.5以下である、請求項1に記載の染毛用後処理剤組成物。
  3. 前記(B)成分が、ポリクオタニウム−10、及びポリクオタニウム−47から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は請求項2に記載の染毛用後処理剤組成物。
  4. 前記染毛用後処理剤組成物が可溶化系の組成物である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の染毛用後処理剤組成物。
  5. 酸化染毛剤による染毛処理における、染毛用後処理剤組成物の使用方法であって、
    前記酸化染毛剤を毛髪に適用する工程と、
    前記酸化染毛剤を毛髪に適用する工程の後に、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の染毛用後処理剤組成物を毛髪に適用する工程と、
    を有する、染毛用後処理剤組成物の使用方法。
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