以下、本発明に係る酸化染毛剤組成物を具体化した一実施形態について説明する。2剤式の酸化染毛剤組成物は、第1剤と第2剤とから構成され、第1剤と第2剤が混合された後、毛髪の染毛に使用される。また、酸化染毛剤組成物は、3剤式の酸化染毛剤組成物として構成してもよい。
<2剤式の酸化染毛剤組成物>
2剤式の酸化染毛剤組成物は、例えばアルカリ剤、酸化染料を含有する第1剤と酸化剤等を含有する第2剤から構成される。
(2剤式の酸化染毛剤組成物の第1剤)
第1剤は、アルカリ剤及び酸化染料の他に、例えば(B)水酸化ナトリウム及び(C)炭素数20以上のアルキル基を有するカチオン性界面活性剤を含有する。酸化染料は、第2剤に含有される酸化剤による酸化重合に起因して発色可能な化合物であり、染料中間体及びカプラーに分類される。
本実施形態の酸化染毛剤組成物は、染料中間体として(A)硫酸p−トルイレンジアミン(トルエン−2,5−ジアミン)を含有している。酸化染毛剤組成物中、すなわち第1剤及び第2剤の混合物中における(A)成分の含有量の下限は、0.2質量%以上、好ましくは0.4質量%以上、より好ましくは0.8質量%以上である。(A)成分の含有量が0.2質量%以上であると、特に染毛力をより向上できる。
第1剤及び第2剤の混合物中における(A)成分の含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。(A)成分の含有量が5質量%以下であると、地肌汚れ及び過剰染毛の抑制効果をより向上できる。
第1剤中における(A)成分の含有量の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは1.5質量%以上である。また、第1剤中における(A)成分の含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは6質量%以下である。第1剤中における(A)成分の含有量をかかる範囲内に規定することにより、第1剤の安定性を向上できる。
酸化染料は、毛髪の色調を様々に変化させることができることから、好ましくは、硫酸p−トルイレンジアミン以外の染料中間体も配合される。染料中間体の具体例としては、例えばp−フェニレンジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルアミン、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−メチルアミノフェノール、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、o−クロル−p−フェニレンジアミン、4−アミノ−m−クレゾール、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール、2,4−ジアミノフェノール、それらの塩等が挙げられる。塩の具体例としては、例えば塩酸塩、硫酸塩等が挙げられる。これらの染料中間体の具体例のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
カプラーは、染料中間体と結合することにより発色する。カプラーとしては、例えばレゾルシン、5−アミノ−o−クレゾール、m−アミノフェノール、α−ナフトール、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、トルエン−3,4−ジアミン、2,6−ジアミノピリジン、ジフェニルアミン、N,N−ジエチル−m−アミノフェノール、フェニルメチルピラゾロン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、それらの塩等が挙げられる。塩の具体例としては、例えば塩酸塩、硫酸塩等が挙げられる。これらのカプラーの具体例のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。酸化染料は、毛髪の色調を様々に変化させることができることから、好ましくは、カプラーの前記具体例の中から選ばれる少なくとも一種も含んで構成される。第1剤は、前記酸化染料以外の染料として、例えば「医薬部外品原料規格」(2006年6月発行、薬事日報社)に収載された酸化染料を適宜含有してもよい。
第1剤及び第2剤の混合物中における全酸化染料の含有量の下限は、適宜設定されるが、好ましくは1質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上である。全酸化染料の含有量が1質量%以上であると、特に染毛力をより向上できる。
第1剤及び第2剤の混合物中における全酸化染料の含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは6質量%以下である。全酸化染料の含有量が10質量%以下であると、地肌汚れ及び過剰染毛の抑制効果をより向上できる。
(B)水酸化ナトリウムは、(A)硫酸p−トルイレンジアミンを使用した場合の地肌汚れ及び過剰染毛を抑制する。第1剤及び第2剤の混合物中における(B)水酸化ナトリウムの含有量の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。(B)水酸化ナトリウムの含有量を0.01質量%以上とすることにより、地肌汚れ及び過剰染毛をより抑制することができる。
第1剤及び第2剤の混合物中における(B)水酸化ナトリウムの含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。(B)水酸化ナトリウムの含有量を5質量%以下とすることにより、毛髪の損傷をより抑制することができる。
第1剤中において、(A)成分及び(B)成分の含有量の合計の下限は、適宜設定されるが、好ましくは1質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上である。第1剤中において、(A)成分及び(B)成分の含有量の合計の上限は、適宜設定されるが、好ましくは6質量%以下、より好ましくは5.5質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。第1剤中における(A)成分及び(B)成分の含有量の合計を上記範囲内に規定することにより、第1剤の安定性をより向上することができる。
第1剤中において、(B)成分の含有量に対する(A)成分の含有量の質量比の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは1以上である。第1剤中において、(B)成分の含有量に対する(A)成分の含有量の質量比の上限は、適宜設定されるが、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、さらに好ましくは14以下である。第1剤中における(B)成分の含有量に対する(A)成分の含有量の質量比を上記範囲内に規定することにより、第1剤の安定性をより向上することができる。
(C)炭素数20以上のアルキル基を有するカチオン性界面活性剤は、(A)及び(B)成分を含有する第1剤の安定性を向上させる。また、地肌汚れ及び過剰染毛をより抑制する。そのため、第1剤は、好ましくは(C)成分を含有する。(C)成分の具体例としては、例えば塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化アラキルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、ベヘニルジメチルアミン又はその塩、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド又はその塩、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド又はその塩、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド又はその塩等が挙げられる。これらのうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
第1剤中における(C)成分の含有量の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。第1剤中における(C)成分の含有量が0.01質量%以上の場合、第1剤の安定性をより向上することができ、過剰染毛をより抑制することができる。また、第1剤中における(C)成分の含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。第1剤中における(C)成分の含有量が10質量%以下の場合、第1剤の安定性をより向上できる。
第1剤中における(C)成分の含有量に対する(A)成分及び(B)成分の含有量の合計の質量比の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.1以上である。また、かかる質量比の上限は、適宜設定されるが、好ましくは7.5以下、より好ましくは6.8以下、さらに好ましくは6.6以下である。第1剤中における(C)成分の含有量に対する(A)成分及び(B)成分の含有量の合計の質量比をかかる範囲内に規定することにより、第1剤の安定性をより向上させる。
第1剤に含有するアルカリ剤は、第2剤に含有される酸化剤の作用を促進させることにより、毛髪の染毛効果を向上する働きをする。アルカリ剤としては、(B)成分を使用してもよいが、染色性向上の観点から(B)成分以外のアルカリ剤を併用することが好ましい。(B)成分以外のアルカリ剤としては、例えばアンモニア、アルカノールアミン、ケイ酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、メタケイ酸塩、硫酸塩、塩化物、リン酸塩、有機アミン、塩基性アミノ酸等が挙げられる。アルカノールアミンの具体例としては、例えばモノエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。ケイ酸塩の具体例としては、例えばケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等が挙げられる。炭酸塩の具体例としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等が挙げられる。炭酸水素塩の具体例としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。メタケイ酸塩の具体例としては、例えばメタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム等が挙げられる。硫酸塩の具体例としては、例えば硫酸アンモニウム等が挙げられる。塩化物の具体例としては、例えば塩化アンモニウム等が挙げられる。リン酸塩の具体例としては、例えばリン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム等が挙げられる。有機アミンの具体例としては、例えば2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、グアニジン等が挙げられる。塩基性アミノ酸の具体例としては、例えばアルギニン、リジン等が挙げられる。これらのアルカリ剤のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。これらの中で、染毛効果の向上の観点から、アンモニア、アンモニウム塩、及びアルカノールアミンが好ましく適用される。
第1剤中におけるアルカリ剤の含有量は、pHが7〜12の範囲となる量で配合されることが好ましい。第1剤中のpHを7以上とすることにより、第2剤に含まれる酸化剤の作用をより促進することができる。第1剤中のpHを12以下とすることにより、酸化染毛剤組成物の塗布による毛髪の損傷をより抑制することができる。
酸化染毛剤組成物は、必要に応じて、前述した成分以外の成分、例えば可溶化剤、水溶性ポリマー、油性成分、多価アルコール、上記以外の界面活性剤、pH調整剤、糖、防腐剤、安定剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン、香料、酸化防止剤、キレート化剤、紫外線吸収剤等をさらに含有してもよい。
可溶化剤は、例えば、第1剤を液状等にする場合に配合される。使用される可溶化剤の例としては、例えば水及び有機溶媒(溶剤)が挙げられる。有機溶媒の具体例としては、例えばエタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ−フェニルプロピルアルコール、ケイ皮アルコール、アニスアルコール、p−メチルベンジルアルコール、α−ジメチルフェネチルアルコール、α−フェニルエタノール、エチレングリコールフェニルエーテル(フェノキシエタノール)、フェノキシイソプロパノール、2−ベンジルオキシエタノール、N−アルキルピロリドン、炭酸アルキレン、アルキルエーテル等が挙げられる。これらの可溶化剤のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。これらの中で、第1剤中のその他の成分を溶解する能力に優れることから水が好ましく適用される。溶媒として水が用いられる場合、第1剤と第2剤の混合物中における水の含有量(使用時の含有量)は、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上である。
水溶性ポリマーは、酸化染毛剤組成物に適度な粘度を与える。そのため、酸化染毛剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内において水溶性ポリマーを含有してもよい。水溶性ポリマーとしては、例えば天然高分子、半合成高分子、合成高分子、及び無機物系高分子が挙げられる。天然高分子の具体例としては、例えばグアーガム、ローカストビーンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、トラガカントガム、ペクチン、マンナン、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、デキストリン、トリグルコ多糖(プルラン)等が挙げられる。
半合成高分子の具体例としては、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、デンプンリン酸エステル、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸塩等が挙げられる。
合成高分子の具体例としては、例えばポリビニルカプロラクタム、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン−酢酸ビニル(VP/VA)コポリマー、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニル重合体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体、アクリル酸/アクリル酸アルキル共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム、イタコン酸とポリオキシエチレン(以下、「POE」という)アルキルエーテルとの半エステル、又はメタクリル酸とPOEアルキルエーテルとのエステルと、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらのアルキルエステルから選ばれる少なくとも一つの単量体と、からなる共重合体が挙げられる。これらの水溶性ポリマーのうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
油性成分は、毛髪にうるおい感を付与する。そのため、酸化染毛剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内において油性成分を含有してもよい。油性成分としては、例えば油脂、ロウ、高級アルコール、炭化水素、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル、シリコーン等が挙げられる。
油脂の具体例としては、例えばアルガニアスピノサ核油、ラノリン、オリーブ油(オリブ油)、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、月見草油等が挙げられる。ロウの具体例としては、例えばミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリンロウ等が挙げられる。高級アルコールの具体例としては、例えばセチルアルコール(セタノール)、2−ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−オクチルドデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、デシルテトラデカノール、ラノリンアルコール等が挙げられる。
炭化水素の具体例としては、例えばパラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。高級脂肪酸の具体例としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。アルキルグリセリルエーテルの具体例としては、例えばバチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
エステルの具体例としては、例えばアジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、10〜30の炭素数を有する脂肪酸コレステリル/ラノステリル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、2−エチルヘキサン酸セチル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油等が挙げられる。
シリコーンの具体例としては、例えばジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、高重合シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン(例えば、(PEG/PPG/ブチレン/ジメチコン)コポリマー)、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。これらの油性成分のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
多価アルコールとしては、例えばグリコール、及びグリセリンが挙げられる。グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、高重合ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、及び1,3−ブチレングリコールが挙げられる。グリセリンとしては、例えばグリセリン、ジグリセリン、及びポリグリセリンが挙げられる。これらの多価アルコールのうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
界面活性剤は、乳化剤又は各成分を可溶化させるための成分として酸化染毛剤組成物を使用時に乳化又は可溶化させ、粘度を調整したり粘度安定性を向上させたりする。そのため、酸化染毛剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内において界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤が挙げられる。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、例えばアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホン脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステル、N−アルキロイルメチルタウリン塩、それらの誘導体等が挙げられる。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンの具体例としては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエタノールアミン等が挙げられる。より具体的には、アルキルエーテル硫酸エステル塩としては、例えばPOEラウリルエーテル硫酸ナトリウムが挙げられる。アルキル硫酸塩の具体例として、例えばラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等が挙げられる。アルキル硫酸塩の誘導体の具体例として、例えばPOEラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。スルホコハク酸エステルの具体例として、例えばスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム等が挙げられる。N−アルキロイルメチルタウリン塩の具体例として、例えばN−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム等が挙げられる。
上記以外のカチオン性界面活性剤の具体例としては、例えば塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、ステアリルジメチルアミン、パルミトキシプロピルジメチルアミン、ステアロキシプロピルジメチルアミン、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド等が挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、例えばココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えばエーテル型非イオン性界面活性剤、エステル型非イオン性界面活性剤、アルキルグルコシド等が挙げられる。エーテル型非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えばPOEセチルエーテル(セテス)、POEステアリルエーテル(ステアレス)、POEベヘニルエーテル、POEオレイルエーテル(オレス)、POEラウリルエーテル(ラウレス)、POEオクチルドデシルエーテル、POEヘキシルデシルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニルエーテル、POEポリオキシプロピレンセチルエーテル、POEポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル等が挙げられる。
エステル型非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えばモノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリン、テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット、POEソルビットミツロウ、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、POE還元ラノリン等が挙げられる。
アルキルグルコシドの具体例として、例えばアルキル(炭素数8〜16)グルコシド、POEメチルグルコシド、POEジオレイン酸メチルグルコシド等が挙げられる。これらの界面活性剤の具体例の内、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
pH調整剤は、酸化染毛剤組成物のpHを調整するために配合してもよい。pH調整剤は、適宜公知のものから選択される。pH調整剤としては、例えば無機酸、有機酸、それらの塩等が挙げられる。有機酸の具体例としては、例えばクエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、レブリン酸、酢酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マンデル酸等が挙げられる。有機酸塩の具体例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。無機酸の具体例としては、例えばリン酸、ピロリン酸等のリン酸類、塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられる。これらは一種類のみであってもよいし、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
糖の具体例としては、例えばグルコース、ガラクトース等の単糖、マルトース、スクロース、フルクトース、トレハロース等の二糖、糖アルコール等が挙げられる。防腐剤の具体例としては、例えばパラベン、メチルパラベン、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。安定剤の具体例としては、例えばフェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、タンニン酸等が挙げられる。酸化防止剤の具体例としては、例えばアスコルビン酸類及び亜硫酸塩等が挙げられる。キレート化剤の具体例としては、例えばエデト酸(エチレンジアミン四酢酸(EDTA))、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸及びその塩類、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸及びその塩類、並びにヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)及びその塩類等が挙げられる。
第1剤の剤型は特に限定されず、具体例として、25℃における剤型が、例えば水溶液や乳液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状、固体状等が挙げられる。これらの中で、頭髪への塗布性と、複数剤の混合性を兼ね備える観点からクリーム状の剤型が好ましい。
(2剤式の酸化染毛剤組成物の第2剤)
第2剤は、酸化剤の他、上述した可溶化剤等を配合することもできる。酸化剤は、毛髪に含まれるメラニンの脱色性をより向上させる。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、及びピロリン酸塩の過酸化水素付加物等が挙げられる。これらの酸化剤の具体例の内、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。第2剤中における酸化剤の含有量は、適宜設定されるが、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上である。酸化剤の含有量が0.1質量%以上の場合、メラニンの脱色性をより向上することができる。また、第2剤中における酸化剤の含有量は、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは9質量%以下であり、さらに好ましくは6質量%以下である。酸化剤の含有量が15質量%以下の場合、毛髪の損傷等をより抑制することができる。
酸化剤として過酸化水素を第2剤に配合する場合、過酸化水素の安定性を向上させるために、好ましくは、第2剤は、安定化剤、例えばスズ酸ナトリウム、エチレングリコールフェニルエーテル(フェノキシエタノール)、ヒドロキシエタンジホスホン酸及びその塩を含有する。ヒドロキシエタンジホスホン酸塩としては、例えばヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム、及びヒドロキシエタンジホスホン酸二ナトリウムが挙げられる。第2剤は、酸化染毛剤組成物に一般的に含有され、且つ前述した各成分の作用を阻害しない各成分を含有してもよい。例えば、前述した第1剤に含有される成分を本発明の効果を阻害しない範囲内において適宜含有してもよい。
第2剤の剤型は特に限定されず、具体例として、25℃における剤型が、例えば水溶液や乳液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状、固体状等が挙げられる。第1剤がクリーム状の剤型が適用される場合、第2剤の剤型は第1剤との混合性を向上させる観点から乳液等の液状又はクリーム状の剤型であることが好ましい。
<3剤式以上の酸化染毛剤組成物>
例えば、2剤式の酸化染毛剤組成物の第1剤について、アルカリ剤を含有する剤と、アルカリ剤以外の組成を有する剤の2つに分け、3剤式の酸化染毛剤組成物として構成してもよい。この場合、3剤式の酸化染毛剤組成物は良好な製剤安定性を有する。このようにして、製剤安定性等の観点から、第1剤又は第2剤に含有される各成分を、複数剤に分けて保存してもよい。酸化染毛剤組成物を3剤式以上に構成した場合であっても、本発明の効果を奏する限りにおいて依然として本発明に含まれるものとする。
<酸化染毛剤組成物の混合物の調製>
酸化染毛剤組成物は、使用時に上述した各剤を混合して混合物が調製される。混合物の調製は、所定容量の密閉容器内に各剤を所定量投入し、振とう混合することにより調製してもよく、トレー等の器内に各剤を投入し、刷毛、撹拌棒等を用いて撹拌混合により調製してもよい。例えば、第1剤がクリーム状、第2剤が液状の場合、混合操作のしやすさから、好ましくは100〜300mLの筒状の密閉可能な容器が用いた振とう混合が好ましい。また、容器内における混合物の総量は、混合性向上の観点から密閉容器の内容量に対して20〜80容量%であることが好ましい。各剤が投入された密閉容器による振とう混合は、手動で上下・左右の往復運動や回転運動等により行ってもよく、加振機等を用いて機械的に行ってもよい。得られた酸化染毛剤組成物の混合物は、必要量だけ薄手の手袋をした手、コーム(櫛)又は刷毛、吐出口を有する蓋又は櫛付き容器等により毛髪に塗布される。
本実施形態に係る酸化染毛剤組成物は以下の利点を有する。
(1)本実施形態に係る酸化染毛剤組成物は、(A)硫酸p−トルイレンジアミンを0.2質量%以上含有する構成において、(B)水酸化ナトリウムを配合した。したがって、地肌汚れ及び過剰染毛を抑制できる。
(2)本実施形態に係る酸化染毛剤組成物は、第1剤中において、(A)成分及び(B)成分の含有量の合計が1〜6質量%であり、さらに第1剤中に(C)炭素数20以上のアルキル基を有するカチオン性界面活性剤を配合した。したがって、第1剤の安定性を向上することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の酸化染毛剤組成物では、(A)〜(C)成分が、使用時において、混合物中に含有されていれば、本発明の効果を奏することができる。したがって、酸化染毛剤組成物が複数剤型として構成される場合、保存時において、(A)〜(C)成分はいずれの剤中に含有されてもよい。
・上記実施形態において、酸化染毛剤組成物を構成する第1剤、第2剤、又は第3剤に含有される各成分の一部を別剤として構成し、剤型の数を増やしてもよい。
・第1剤又は第2剤の粘度範囲は、特に限定されないが、例えば乳液の剤型の場合、25℃における粘度が好ましくは3000〜10000ミリパスカル秒(mPa・s)、クリーム状又はゲル状の剤型の場合、25℃における粘度が好ましくは10000〜50000mPa・sである。粘度は、例えばB型粘度計を用い、25℃及び1分間の測定条件で求めることができる。B型粘度計の具体例としては、例えばBL型粘度計VISCOMETER(東機産業社製)を挙げることができる。使用するロータ及び回転速度は、測定機器の測定可能な粘度範囲に従い適宜選択される。例えば、3号ロータを用い、120rpmの条件で求めることができる。
・上記実施形態において、上述した酸化染料以外の染料として、本発明の効果を阻害しない範囲内において、例えば「医薬部外品原料規格」(2006年6月発行、薬事日報社)に収載された直接染料を適宜含有してもよい。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。尚、本発明は、実施例欄記載の構成に限定されるものではない。
<試験例1:地肌汚れ及び過剰染毛の評価>
酸化染毛剤組成物として、表1に示す各成分を含有するクリーム状の剤型の第1剤、及び表2に示す各成分を含有するクリーム状の剤型の第2剤をそれぞれ調製した。なお、各表における各成分を示す欄中の数値は当該欄の成分の含有量を示し、その単位は質量%である。表中「成分」欄における(A)〜(C)の表記は、本願請求項記載の各成分に対応する化合物を示す。一方、表中「成分」欄における「b,c」の表記は、本願請求項記載の各成分の対比化合物を示す。
次に、第1剤と第2剤とを2:3の質量比で混合して各例の酸化染毛剤組成物を調製した。得られた酸化染毛剤組成物を、長さ10cmの評価用の白毛の毛束サンプル及び白毛混じりの黒毛の毛束サンプル(白毛30%)(ビューラックス社製)(以下、単に毛束という。)に刷毛を用いて塗布し、室温(30℃)にて25分間放置した。次に、毛束に付着した酸化染毛剤組成物を水で洗い流した後、毛束にシャンプー(ホーユー社製のビゲントリートメントシャンプー)を2回、及びリンス(ホーユー社製のビゲントリートメントリンス)を1回施した。続いて、毛束を温風で乾燥した後、一日間放置した。染毛処理が施された毛束について、下記に示す方法に従い過剰染毛抑制の評価を行った。また、各実施例及び比較例の酸化染毛剤組成物を用いて地肌汚れ防止について評価を行った。
(過剰染毛抑制)
上記各例の染毛処理を施した毛束について、パネラー5名が標準光源下で目視にて発色度合いを、以下の基準で評価することにより、過剰染毛が抑制されているか否かについて判断した。優れる(5点)、良好(4点)、可(3点)、やや不良(2点)及び不良(1点)の5段階で採点し、各パネラーの採点結果について平均値を算出し、平均値が4.6点以上を「優れる:5」、3.6点以上4.6点未満を「良好:4」、2.6点以上3.6点未満を「可:3」、1.6点以上2.6点未満を「やや不良:2」、及び1.6点未満を「不良:1」とし、評価結果とした。結果を下記表に示す。
(地肌汚れ防止)
上記のように得られた各例の酸化染毛剤組成物の混合物0.1gを腕内側部に直径1cmの円形状に塗布し、25分間放置した後、水洗した。さらに、上記シャンプー組成物を使用し、塗布部分を2回洗浄処理した。このときの腕内側部をパネラー5名が目視で観察し、以下の基準で評価することにより、地肌が汚れ難いか否かを判断した。
優れる(5点)、良好(4点)、可(3点)、やや不良(2点)及び不良(1点)の5段階で採点し、各パネラーの採点結果について平均値を算出し、平均値が4.6点以上を「優れる:5」、3.6点以上4.6点未満を「良好:4」、2.6点以上3.6点未満を「可:3」、1.6点以上2.6点未満を「やや不良:2」、及び1.6点未満を「不良:1」とし、評価結果とした。結果を下記表に示す。
表1に示されるように、各実施例は、各評価項目について3以上の評価結果であることが確認された。表1に示されるように、(B)成分を含有しない比較例1は、各実施例に対して、地肌汚れ防止及び過剰染毛抑制の評価が劣ることが確認された。(B)成分の代わりに他のアルカリ剤として2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)を使用する比較例2は、各実施例に対して、地肌汚れ防止及び過剰染毛抑制の評価が劣ることが確認された。(B)成分を配合せず、比較例1よりもpHを高く調整した比較例3は、各実施例に対して、地肌汚れ防止及び過剰染毛抑制の評価が劣ることが確認された。実施例6の構成において(B)成分を含有しない点のみ異なる比較例4は、各実施例に対して、特に過剰染毛抑制の評価が劣ることが確認された。なお、(A)成分の含有量が低い参考例1の場合、地肌汚れ及び過剰染毛の課題は生じないことが確認された。
<試験例2:第1剤の安定性の評価>
参考例として、第1剤の安定性について評価した。表3に示される酸化染毛剤組成物のクリーム状の剤型である第1剤をそれぞれ調製した。得られた第1剤について、下記に示す方法により製剤安定性を評価した。
(製剤安定性)
各例の第1剤について、ガラス瓶に入れ、60℃の恒温漕中で24時間保存した後、第1剤の分離状態を目視にて評価することによりクリーム状の剤型の第1剤の保持効果が良いか否かを判断した。分離がほとんど認められないものを「優れる:○」、分離が認められるものを「不良:×」とした。結果を表3に示す。
表3に示されるように、(C)成分を含有しない参考例7は、製剤安定性が劣ることが確認された。(A)成分の含有量が多い参考例13は、製剤安定性が劣ることが確認された。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(イ)第1剤は、クリーム状の剤型である前記酸化染毛剤組成物。(ロ)第1剤中において、(B)成分の含有量に対する(A)成分の含有量の質量比が0.1〜18である前記酸化染毛剤組成物。したがって、第1剤の安定性をより向上することができる。