JP2018020973A - 染毛用中間処理剤、毛髪処理セット剤、及び毛髪処理セット剤の使用方法 - Google Patents

染毛用中間処理剤、毛髪処理セット剤、及び毛髪処理セット剤の使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】染毛力を向上させた染毛用中間処理剤、毛髪処理セット剤、及び毛髪処理セット剤の使用方法を提供する。【解決手段】本発明は、アルカリ剤及び酸化剤を混合した酸化染毛剤を毛髪に塗布する工程、(A)五炭糖、六炭糖、七炭糖、還元性二糖類、及び還元性オリゴ糖から選ばれる少なくとも一種の還元糖を含有する染毛用中間処理剤をその上に塗布する工程、毛髪に塗布した酸化染毛剤及び染毛用中間処理剤を洗い流す工程を含む毛髪処理セット剤の使用方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、染毛力を向上させるための染毛用中間処理剤、毛髪処理セット剤、及び毛髪処理セット剤の使用方法に関する。
例えば、複数の薬剤を混合することにより効果を発揮する染毛剤組成物が知られている。そのような染毛剤組成物としては、例えば、アルカリ剤及び酸化染料を含有する第1剤と、酸化剤、例えば過酸化水素を含有する第2剤とから構成される酸化染毛剤組成物が知られている。アルカリ剤は、第2剤に含有される酸化剤の作用を促進するとともに、毛髪を膨潤させて毛髪への染料の浸透性を向上させることにより、染毛力を向上させる。従来より、染毛力を向上させるため、その他の添加剤を配合した染毛剤組成物が知られている。例えば、特許文献1に開示される酸化染毛剤組成物は、染色助剤としてアミノ酸を含有している。
特開2004−203746号公報
本発明の目的は、染毛力を向上させた染毛用中間処理剤、毛髪処理セット剤、及び毛髪処理セット剤の使用方法を提供することにある。
本発明は、酸化染毛剤に、別剤として特定の還元糖を含有する剤を適用することにより、染毛力を向上できることを見出したことに基づくものである。尚、成分の含有量を示す質量%の数値は、水等の可溶化剤も含めた剤型中における数値である。
上記目的を達成するために、本発明の一態様は、酸化染毛剤の毛髪への塗布処理中に適用する染毛用中間処理剤であって、(A)五炭糖、六炭糖、七炭糖、還元性二糖類、及び還元性オリゴ糖から選ばれる少なくとも一種の還元糖を含有することを特徴とする。前記染毛用中間処理剤のpHは、前記酸化染毛剤と染毛用中間処理剤との混合物を水に10質量%の濃度で溶解した際の25℃におけるpHが5.5〜9.0となるように調整されてもよい。前記染毛用中間処理剤中における前記(A)成分の含有量は、前記酸化染毛剤と染毛用中間処理剤との混合物中において0.1質量%以上となる量であってもよい。
本発明の別の態様では、アルカリ剤及び酸化剤を含有する酸化染毛剤と、該酸化染毛剤の毛髪への塗布処理中に適用する染毛用中間処理剤であって、(A)五炭糖、六炭糖、七炭糖、還元性二糖類、及び還元性オリゴ糖から選ばれる少なくとも一種の還元糖を含有する染毛用中間処理剤と、を含む毛髪処理セット剤が提供される。
本発明の別の態様では、前記毛髪処理セット剤の使用方法であって、前記アルカリ剤及び酸化剤を混合した酸化染毛剤を毛髪に塗布する工程、該毛髪に対して、前記染毛用中間処理剤を重ねて塗布する工程、毛髪に塗布した酸化染毛剤及び染毛用中間処理剤を洗い流す工程、を含むことを特徴とする。前記酸化染毛剤を毛髪に塗布した後、40分以内に前記染毛用中間処理剤を前記毛髪に重ねて塗布してもよい。
本発明によれば、酸化染毛剤の染毛力を向上できる。
以下、本発明の毛髪処理セット剤を具体化した一実施形態を説明する。本実施形態の毛髪処理セット剤は、多剤式の酸化染毛剤と、特定の(A)還元糖を含有する染毛用中間処理剤とを含んで構成される。多剤式の酸化染毛剤は、例えば、酸化染料及びアルカリ剤等を有する第1剤、酸化剤等を含有する第2剤から構成される。この酸化染毛剤は、この第1剤と第2剤とが混合された混合物が調製された後、毛髪に塗布される。多剤式の酸化染毛剤は、3剤式の酸化染毛剤として構成してもよい。
<2剤式の酸化染毛剤>
2剤式の酸化染毛剤は、上述したようにアルカリ剤、酸化染料を含有する第1剤と、酸化剤等を含有する第2剤から構成される。
(2剤式の酸化染毛剤の第1剤)
酸化染毛剤の第1剤は、アルカリ剤及び酸化染料等を含有する。酸化染料は、第2剤に含有される酸化剤による酸化重合に起因して発色可能な化合物であり、染料中間体及びカプラーに分類され、酸化染料は好ましくは染料中間体及びカプラーを含んでいる。
染料中間体としては、例えばp−フェニレンジアミン、p−トルイレンジアミン(トルエン−2,5−ジアミン)、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルアミン、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−メチルアミノフェノール、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、o−クロル−p−フェニレンジアミン、4−アミノ−m−クレゾール、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール、2,4−ジアミノフェノール、1−ヒドロキシエチル−4,5−ジアミノピラゾール、それらの塩等が挙げられる。塩の具体例としては、例えば塩酸塩、硫酸塩等が挙げられる。これらの染料中間体の具体例のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
カプラーは、染料中間体と結合することにより発色する。カプラーとしては、例えばレゾルシン、5−アミノ−o−クレゾール、m−アミノフェノール、α−ナフトール、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、トルエン−3,4−ジアミン、2,6−ジアミノピリジン、ジフェニルアミン、N,N−ジエチル−m−アミノフェノール、フェニルメチルピラゾロン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、それらの塩等が挙げられる。塩の具体例としては、例えば塩酸塩、硫酸塩等が挙げられる。これらのカプラーの具体例のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。酸化染料は、毛髪の色調を様々に変化させることができることから、好ましくは、染料中間体の前記具体例の中から選ばれる少なくとも一種と、カプラーの前記具体例の中から選ばれる少なくとも一種とから構成される。第1剤は、前記酸化染料以外の染料として、例えば「医薬部外品原料規格」(2006年6月発行、薬事日報社)に収載された酸化染料を適宜含有してもよい。
第1剤及び第2剤の混合物中における酸化染料の含有量の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。酸化染料の含有量が0.01質量%以上であると、特に染毛力をより向上させることができる。
第1剤及び第2剤の混合物中における酸化染料の含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。酸化染料の含有量が10質量%以下であると、特に可溶化剤を使用する場合、可溶化剤に対する溶解性を向上させることができる。
第1剤に含有するアルカリ剤は、第2剤に含有される酸化剤の作用を促進させることにより、毛髪の染毛効果を向上する働きをする。そのため、酸化染毛剤の第1剤は、アルカリ剤を含有することが好ましい。アルカリ剤としては、例えばアンモニア、アルカノールアミン、ケイ酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、メタケイ酸塩、硫酸塩、塩化物、リン酸塩、有機アミン、塩基性アミノ酸、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物等が挙げられる。アルカノールアミンの具体例としては、例えばモノエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。ケイ酸塩の具体例としては、例えばケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等が挙げられる。炭酸塩の具体例としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等が挙げられる。炭酸水素塩の具体例としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。メタケイ酸塩の具体例としては、例えばメタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム等が挙げられる。硫酸塩の具体例としては、例えば硫酸アンモニウム等が挙げられる。塩化物の具体例としては、例えば塩化アンモニウム等が挙げられる。リン酸塩の具体例としては、例えばリン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム等が挙げられる。有機アミンの具体例としては、例えば2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、グアニジン等が挙げられる。塩基性アミノ酸の具体例としては、例えばアルギニン、リジン等が挙げられる。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の具体例としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。これらのアルカリ剤のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。これらの中で、染毛効果の向上の観点から、アンモニア、アンモニウム塩、及びアルカノールアミンが好ましく適用される。
第1剤及び第2剤の混合物、すなわち使用時の酸化染毛剤中におけるアルカリ剤の含有量は、pHが7〜12の範囲となる量で配合されることが好ましく、pH9〜12の範囲となる量で配合されることがより好ましい。第1剤及び第2剤の混合物のpHを7以上とすることにより、第2剤に含まれる酸化剤の作用をより促進することができる。第1剤及び第2剤の混合物のpHを12以下とすることにより、毛髪の損傷をより抑制することができる。なお、酸化染毛剤のpHは、第1剤及び第2剤の混合物を水で10倍希釈し、10質量%の濃度で溶解した際の25℃におけるpHを測定するものとする。
酸化染毛剤は、必要に応じて、前述した成分以外の成分、例えば可溶化剤、水溶性ポリマー、油性成分、多価アルコール、界面活性剤、上記以外のpH調整剤、防腐剤、安定剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン、香料、酸化防止剤、キレート化剤、紫外線吸収剤等をさらに含有してもよい。
可溶化剤は、例えば、第1剤を液状等にする場合に配合される。使用される可溶化剤の例としては、例えば水及び有機溶媒(溶剤)が挙げられる。有機溶媒の具体例としては、例えばエタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ−フェニルプロピルアルコール、ケイ皮アルコール、アニスアルコール、p−メチルベンジルアルコール、α−ジメチルフェネチルアルコール、α−フェニルエタノール、エチレングリコールフェニルエーテル(フェノキシエタノール)、フェノキシイソプロパノール、2−ベンジルオキシエタノール、N−アルキルピロリドン、炭酸アルキレン、アルキルエーテル等が挙げられる。これらの可溶化剤のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。これらの中で、第1剤中のその他の成分を溶解する能力に優れることから水が好ましく適用される。溶媒として水が用いられる場合、第1剤と第2剤の混合物中における水の含有量(使用時の含有量)は、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上である。
水溶性ポリマーは、酸化染毛剤に適度な粘度を与える。そのため、酸化染毛剤は、本発明の効果を阻害しない範囲内において水溶性ポリマーを含有してもよい。水溶性ポリマーとしては、例えば天然高分子、半合成高分子、合成高分子、及び無機物系高分子が挙げられる。天然高分子の具体例としては、例えばグアーガム、ローカストビーンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、トラガカントガム、ペクチン、マンナン、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、デキストリン、トリグルコ多糖(プルラン)等が挙げられる。
半合成高分子の具体例としては、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、デンプンリン酸エステル、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸塩等が挙げられる。
合成高分子の具体例としては、例えばポリビニルカプロラクタム、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン−酢酸ビニル(VP/VA)コポリマー、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニル重合体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体、アクリル酸/アクリル酸アルキル共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム(ポリクオタニウム−6)(マーコート100:メルク社製)、イタコン酸とポリオキシエチレン(以下、「POE」という)アルキルエーテルとの半エステル、又はメタクリル酸とPOEアルキルエーテルとのエステルと、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらのアルキルエステルから選ばれる少なくとも一つの単量体と、からなる共重合体が挙げられる。これらの水溶性ポリマーのうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
油性成分は、毛髪にうるおい感を付与する。そのため、酸化染毛剤は、本発明の効果を阻害しない範囲内において油性成分を含有してもよい。油性成分としては、例えば油脂、ロウ、高級アルコール、炭化水素、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル、シリコーン等が挙げられる。
油脂の具体例としては、例えばアルガニアスピノサ核油、ラノリン、オリーブ油(オリブ油)、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、月見草油等が挙げられる。ロウの具体例としては、例えばミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリンロウ等が挙げられる。高級アルコールの具体例としては、例えばセチルアルコール(セタノール)、2−ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−オクチルドデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、デシルテトラデカノール、ラノリンアルコール等が挙げられる。
炭化水素の具体例としては、例えばパラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。高級脂肪酸の具体例としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。アルキルグリセリルエーテルの具体例としては、例えばバチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
エステルの具体例としては、例えばアジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、10〜30の炭素数を有する脂肪酸コレステリル/ラノステリル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、2−エチルヘキサン酸セチル等が挙げられる。
シリコーンの具体例としては、例えばジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、高重合シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン(例えば、(PEG/PPG/ブチレン/ジメチコン)コポリマー)、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。これらの油性成分のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
多価アルコールとしては、例えばグリコール、グリセリン等が挙げられる。グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、高重合ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。グリセリンとしては、例えばグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。これらの多価アルコールのうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
界面活性剤は、乳化剤又は各成分を可溶化させるための成分として酸化染毛剤を使用時に乳化又は可溶化させ、粘度を調整したり粘度安定性を向上させたりする。そのため、酸化染毛剤は、本発明の効果を阻害しない範囲内において界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤が挙げられる。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、例えばアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホン脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステル、N−アルキロイルメチルタウリン塩、それらの誘導体等が挙げられる。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンの具体例としては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエタノールアミン等が挙げられる。より具体的には、アルキルエーテル硫酸エステル塩としては、例えばPOEラウリルエーテル硫酸ナトリウムが挙げられる。アルキル硫酸塩の具体例として、例えばラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等が挙げられる。アルキル硫酸塩の誘導体の具体例として、例えばPOEラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。リン酸エステル型界面活性剤の具体例としては、POEオレイルエーテルリン酸等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、例えば塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、ベヘニルジメチルアミン、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリルジメチルアミン、パルミトキシプロピルジメチルアミン、ステアロキシプロピルジメチルアミン、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド等が挙げられる。塩化アルキルトリメチルアンモニウムの具体例としては、例えば塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化アラキルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、例えばココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えばエーテル型非イオン性界面活性剤、エステル型非イオン性界面活性剤、アルキルグルコシド等が挙げられる。エーテル型非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えばPOEセチルエーテル(セテス)、POEステアリルエーテル(ステアレス)、POEベヘニルエーテル、POEオレイルエーテル(オレス)、POEラウリルエーテル(ラウレス)、POEオクチルドデシルエーテル、POEヘキシルデシルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニルエーテル、POEポリオキシプロピレンセチルエーテル、POEポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル等が挙げられる。
エステル型非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えばモノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリン、テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット、POEソルビットミツロウ、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル等が挙げられる。
アルキルグルコシドの具体例として、例えばアルキル(炭素数8〜16)グルコシド、POEメチルグルコシド、POEジオレイン酸メチルグルコシド等が挙げられる。これらの界面活性剤の具体例の内、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
pH調整剤は、酸化染毛剤のpHを調整するために配合してもよい。pH調整剤は、酸化染料の種類により、適宜公知のものから選択される。pH調整剤の具体例としては、例えば無機酸、有機酸、それらの塩等が挙げられる。有機酸としては、例えばクエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、レブリン酸、酢酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マンデル酸等が挙げられる。有機酸塩の具体例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。無機酸の具体例としては、例えばリン酸、ピロリン酸等のリン酸類、塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられる。これらは一種類のみであってもよいし、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
防腐剤の具体例としては、例えばパラベン、メチルパラベン、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。安定剤の具体例としては、例えばフェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、タンニン酸等が挙げられる。酸化防止剤の具体例としては、例えばアスコルビン酸類、亜硫酸塩等が挙げられる。キレート化剤の具体例としては、例えばエデト酸(エチレンジアミン四酢酸(EDTA))、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸及びその塩類、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸及びその塩類、ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)及びその塩類等が挙げられる。
第1剤の剤型は特に限定されず、具体例として、25℃における剤型が、例えば水溶液や乳液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状、固体状等が挙げられる。また、エアゾール、ノンエアゾール等とすることもでき、ノンエアゾールの場合、更にスクイズフォーマー式及びポンプフォーマー式等の種々の形態をとることができる。また、エアゾールの場合、公知の噴射剤及び発泡剤を適用することができる。噴射剤又は発泡剤の具体例としては、例えば液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、窒素ガス、炭酸ガス等が挙げられる。
(2剤式の酸化染毛剤の第2剤)
第2剤は、酸化剤の他、上述した可溶化剤等を配合することもできる。酸化剤は、毛髪に含まれるメラニンの脱色性をより向上させる。酸化剤の具体例としては、例えば過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物等が挙げられる。これらの酸化剤の具体例の内、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。第2剤中における酸化剤の含有量は、適宜設定されるが、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは2.0質量%以上であり、さらに好ましくは3.0質量%以上である。酸化剤の含有量が0.1質量%以上の場合、メラニンの脱色性をより向上することができる。また、第2剤中における酸化剤の含有量は、好ましくは15.0質量%以下であり、より好ましくは9.0質量%以下であり、さらに好ましくは6.0質量%以下である。酸化剤の含有量が15.0質量%以下の場合、毛髪の損傷等をより抑制することができる。
酸化剤として過酸化水素を第2剤に配合する場合、過酸化水素の安定性を向上させるために、好ましくは、第2剤は、安定化剤、例えばスズ酸ナトリウム、エチレングリコールフェニルエーテル(フェノキシエタノール)、ヒドロキシエタンジホスホン酸及びその塩を含有する。ヒドロキシエタンジホスホン酸塩としては、例えばヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸二ナトリウム等が挙げられる。第2剤は、酸化染毛剤に一般的に含有され、且つ前述した各成分の作用を阻害しない各成分を含有してもよい。例えば、前述した第1剤に含有される成分を本発明の効果を阻害しない範囲内において適宜含有してもよい。
第2剤の剤型は特に限定されず、具体例として、25℃における剤型が、例えば水溶液や乳液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状、固体状等が挙げられる。また、エアゾール、ノンエアゾール等とすることもでき、ノンエアゾールの場合、更にスクイズフォーマー式及びポンプフォーマー式等の種々の形態をとることができる。また、エアゾールの場合、公知の噴射剤及び発泡剤を適用することができる。
<染毛用中間処理剤>
染毛用中間処理剤は、特定の(A)還元糖の他、pH調整剤、可溶化剤等を含有してもよい。(A)還元糖は、上述した酸化染毛剤を用いた染毛処理中に毛髪に重ねて塗布されることにより、酸化染料の重合反応を促進し、酸化染毛剤の染毛力を向上させる。(A)還元糖とはヘミアセタール結合したアルデヒド基又はケトン基をもつ糖である。(A)還元糖として、単糖類として五炭糖、六炭糖、又は七炭糖の他、還元性二糖類、還元性オリゴ糖が挙げられる。五炭糖の具体例として、例えばリボース、キシロース、アラビノース等が挙げられる。六炭糖の具体例として、例えばグルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース等が挙げられる。七炭糖の具体例として、例えばセドヘプツロース等が挙げられる。
還元性二糖類として、マルトース、セロビオース、イソマルトース、ゲンチオビオース等のホモビオース、及びメリビオース、ラクトース、マルツロース、ラクツロース等のヘテロビオースが挙げられる。還元性オリゴ糖として、デンプンやグリコーゲンのα−アミラーゼ分解物であるマルトトリオース等が挙げられる。これらの還元糖は、単独で配合してもよく、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの還元糖の中でも、染毛力の向上効果が優れるとともに単位質量当たりの還元力が高く、また、還元糖の保存安定性に優れる五炭糖、六炭糖、又は還元性二糖類が好ましく、五炭糖がより好ましい。さらに本発明の効果により優れるとともに入手が容易な観点からキシロース、アラビノース、グルコース、及びラクトースを適用することも好ましい。
染毛用中間処理剤中における(A)還元糖の含有量の下限は、適宜設定されるが、酸化染毛剤と染毛用中間処理剤との混合物中において、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上となる量である。(A)還元糖が酸化染毛剤と染毛用中間処理剤との混合物中において0.1質量%以上の場合、染毛力をより向上できる。
染毛用中間処理剤中における(A)還元糖の含有量の上限は、適宜設定されるが、酸化染毛剤と染毛用中間処理剤との混合物中において、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは7質量%以下となる量である。(A)還元糖が酸化染毛剤と染毛用中間処理剤との混合物中において15質量%以下の場合、染毛力をより向上できる。また、(A)還元糖の溶解性を向上させ、保存時における染毛用中間処理剤の安定性を向上できる。
なお、酸化染毛剤と染毛用中間処理剤との混合物中における(A)還元糖の含有量は、染毛力をより向上させる観点から、カプラーの含有量に対する染料中間体の含有量の質量比を考慮して設定されることがより好ましい。例えば、カプラーの含有量に対する染料中間体の含有量の質量比が2以上の場合、前記混合物中において好ましくは2〜15質量%、かかる質量比が1以上の場合、前記混合物中において好ましくは0.5〜10質量%、かかる質量比が1未満の場合、前記混合物中において好ましくは0.1〜7質量%である。
酸化染毛剤と染毛用中間処理剤との混合比は、適宜設定されるが、好ましくは1:0.01〜5、より好ましくは1:0.1〜2である。染毛用中間処理剤の比率が0.01以上の場合、染毛用中間処理剤によってもたらされる効果をより向上できる。染毛用中間処理剤の比率が5以下の場合、酸化染毛剤と染毛用中間処理剤との混合物を毛髪に塗布する際の液だれを防止することができる。
染毛用中間処理剤に含有するpH調整剤は、毛髪に塗布された酸化染毛剤の混合物のpHを再調整することにより、酸化染毛剤による染毛力をより向上させる。そのため、染毛用中間処理剤中は、pH調整剤を含有することが好ましい。pH調整剤としては、上述した無機酸、有機酸、アルカリ剤、又はそれらの塩が適用される。これらのpH調整剤のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。これらの中で染毛力の向上効果に優れる観点から無機酸又はその塩が好ましく、リン酸又はその塩がより好ましい。
染毛用中間処理剤中におけるpH調整剤の含有量は、適宜設定されるが、酸化染毛剤と染毛用中間処理剤との混合物のpHが、好ましくは5.5〜9.0、より好ましくは6.0〜8.0、さらに好ましくは7.0〜8.0となる量である。酸化染毛剤と染毛用中間処理剤との混合物のpHを5.5〜9.0とすることにより、(A)還元糖による染料の重合促進作用を向上させ、染毛力をより向上させる。なお、酸化染毛剤と染毛用中間処理剤との混合物のpHは、該混合物を水で10倍希釈し、10質量%の濃度で溶解した際の25℃におけるpHを測定するものとする。
染毛用中間処理剤に含有する可溶化剤は、染毛用中間処理剤を液状にし、毛髪に塗布する際、先に毛髪に塗布された酸化染毛剤との混合性向上の観点から配合される。使用される可溶化剤の例としては、上述した水及び有機溶媒(溶剤)が挙げられる。これらの中で、糖又はpH調整剤の溶解性に優れる観点から水が好ましく適用される。
染毛用中間処理剤は、酸化染毛剤に一般的に含有され、且つ前述した各成分の作用を阻害しない各成分を含有してもよい。例えば、前述した第1剤に含有される成分を本発明の効果を阻害しない範囲内において適宜含有してもよい。
染毛用中間処理剤の剤型は特に限定されず、具体例として、25℃における剤型が、例えば水溶液や乳液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状、固体状等が挙げられる。また、エアゾール、ノンエアゾール等とすることもでき、ノンエアゾールの場合、更にスクイズフォーマー式及びポンプフォーマー式等の種々の形態をとることができる。また、エアゾールの場合、公知の噴射剤及び発泡剤を適用することができる。
次に、毛髪処理セット剤の使用方法を以下に説明する。
まず、酸化染毛剤第1剤及び酸化染毛剤第2剤が混合され、アルカリ剤及び酸化剤を混合する酸化染毛剤の混合物が調整される。混合物の剤型は、毛髪に塗布できる剤型であれば特に限定されず、具体例として25℃における剤型が、例えば水溶液や乳液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等が挙げられる。次に、酸化染毛剤の混合物の必要量が毛髪に塗布する工程が行われる。混合物の毛髪への塗布は、公知の方法、例えば薄手の手袋をした手、コーム(櫛)又は刷毛に付着されて毛髪に塗布される。
次に、染毛用中間処理剤が、酸化染毛剤の混合物が塗布された毛髪に重ねて塗布される。その際、染毛力向上の観点から、染毛用中間処理剤は、予め毛髪に塗布された酸化染毛剤の混合物と、十分に混ざり合うようコーミングしながら塗布されることが好ましい。染毛用中間処理剤は、酸化染毛剤の混合物が毛髪に塗布された後、直ぐに塗布してもよく、所定時間経過後に塗布してもよい。染毛用中間処理剤は、酸化染毛剤の混合物が毛髪に塗布されてから、好ましくは1分以上、より好ましくは5分以上経過した後、毛髪に塗布される。かかる構成により、酸化染料が毛髪内へ十分に浸透した後、(A)還元糖による酸化染料の重合が促進されることから、染毛力をより向上させることができる。また、染毛用中間処理剤は、酸化染毛剤の混合物が毛髪に塗布された後、好ましくは40分以内、より好ましくは30分以内、さらに好ましくは20分以内に毛髪に塗布される。かかる構成により、染毛時間を短縮することができる。次に、所定時間経過後、毛髪に塗布した酸化染毛剤及び染毛用中間処理剤を洗い流す工程、常法に従い洗髪及び乾燥の工程が順次行われる。
上記実施形態の毛髪処理セット剤によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、アルカリ剤及び酸化剤等を含有する酸化染毛剤と、酸化染毛剤を毛髪に塗布処理中に適用する染毛用中間処理剤とを含む毛髪処理セット剤として構成するとともに、該染毛用中間処理剤には、(A)五炭糖等の還元糖を含有するよう構成した。したがって、酸化染毛剤による染毛力を向上することができる。
(2)また、当該染毛用中間処理剤を使用しない通常の酸化染毛処理に比べて、染毛時間の短縮を図ることも可能である。
(3)また、酸化染毛剤の酸化染料等を含有する第1剤又は酸化剤等を含有する第2剤に、還元糖を配合又は混合する構成に比べて、製剤の保存安定性及び染毛力を向上させることができる。例えば、第1剤に還元糖を配合すると酸化染料の安定性が損なわれ、第2剤に還元糖を配合すると過酸化水素の安定性が損なわれる。
(4)また、本発明の(A)還元糖は、単位質量当たりの還元力が高い三炭糖又は四炭糖と比べて、保存安定性に優れる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、上述した酸化染料以外の染料として、本発明の効果を阻害しない範囲内において、例えば「医薬部外品原料規格」(2006年6月発行、薬事日報社)に収載された直接染料を適宜含有してもよい。
・上記実施形態において、酸化染料等を含有する第1剤、過酸化水素等を含有する第2剤の多剤式の酸化染毛剤として構成した。しかしながら、酸化染毛剤は、2剤式に限定されず、第1剤及び第2剤に含有される各成分の一部を別剤として構成し、3剤式以上に構成してもよい。例えば、2剤式の酸化染毛剤の第1剤について、アルカリ剤を含有する剤と、アルカリ剤以外の組成を有する剤の2つに分け、3剤式の酸化染毛剤として構成してもよい。この場合、3剤式の酸化染毛剤はより良好な製剤安定性を有する。酸化染毛剤を3剤式以上に構成した場合であっても、本発明の効果を奏する限りにおいて依然として本発明に含まれるものとする。
・上記実施形態において、染毛用中間処理剤を1剤式の染毛用中間処理剤として構成した。しかしながら、染毛用中間処理剤に含有される各成分の一部を別剤として構成し、複数剤式、例えば2剤式以上に構成してもよい。
・上記実施形態の毛髪処理セット剤として、多剤式の酸化染毛剤と染毛用中間処理剤とを含んで構成した。しかしながら、多剤式の酸化染毛剤は、1剤式の酸化染毛剤として構成してもよい。1剤式の酸化染毛剤は、粉末状の剤型として構成されるため、アルカリ剤及び酸化剤等の各成分は、好ましくは粉末状のものが用いられる。1剤式の酸化染毛剤は、酸化染毛剤に一般的に含有され、且つ前述した各成分の作用を阻害しない各成分を含有してもよい。1剤式の酸化染毛剤は、使用時に上述した溶媒に溶解させることにより使用される。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。尚、本発明は、実施例欄記載の構成に限定されるものではない。
<試験例1:染毛力の評価>
酸化染毛剤として、表1に示す各成分を含有するクリーム状の剤型の第1剤、及び表2に示す各成分を含有するクリーム状の剤型の第2剤をそれぞれ調製した。また、表3,4に示す各成分を含有する第3剤として液状の染毛用中間処理剤をそれぞれ調製した。なお、各表における各成分を示す欄中の数値は当該欄の成分の含有量を示し、その単位は質量%である。
各実施例及び比較例1〜3について、第1剤と第2剤とを、表3,4に示される質量比で混合して、各例の酸化染毛剤を調製した。得られた酸化染毛剤を、長さ10cmの評価用の白毛の毛束サンプル(ビューラックス社製)(以下、単に毛束という。)に刷毛を用いて塗布した。25℃(室温)にて10分間放置した後、染毛用中間処理剤を表3,4に示される質量比で、酸化染毛剤が塗布されている毛束に重ねてコーミングしながら塗布した。
酸化染毛剤を毛束に塗布してから15分後に、毛束に付着した酸化染毛剤及び染毛用中間処理剤を水で洗い流し、毛束にシャンプー(ホーユー社製のビゲントリートメントシャンプー)を2回、及びリンス(ホーユー社製のビゲントリートメントリンス)を1回施した。続いて、毛束を温風で乾燥した後、一日間放置した。
比較例4は、酸化染毛剤を用いて染毛処理する前に、予め染毛用中間処理剤を毛束に塗布した(前処理)。前処理は、染毛用中間処理剤を毛束に塗布し、25℃で5分間放置した後、水で洗い流さず、続けて、酸化染毛剤を用いて染毛処理を施した。酸化染毛剤を毛束に塗布して15分後に毛束に付着した酸化染毛剤及び染毛用中間処理剤を水で洗い流し、実施例1と同様に毛束にシャンプー及びリンスを施した後、毛束を温風で乾燥した。
比較例5は、酸化染毛剤を用いて染毛処理した後、染毛用中間処理剤を用いて後処理を施した。まず、実施例1の施術方法において、酸化染毛剤が塗布されている毛束に重ねて染毛用中間処理剤を塗布する工程を省略した以外、同様の方法にて酸化染毛剤を用いて染毛処理を施した。後処理は、酸化染毛剤を用いた染毛処理後の乾燥した毛束に染毛用中間処理剤を塗布し、25℃で5分間放置した後、水で洗い流し、続いて、毛髪を温風乾燥した。
比較例6は、酸化染毛剤の第1剤及び第2剤と、染毛用中間処理剤とを混合した後、毛束に塗布した。
比較例7は、還元糖を第1剤に配合した酸化染毛剤(第1剤1−4)を使用した。酸化染毛剤が塗布されている毛束に重ねて染毛用中間処理剤を塗布する処理工程は省略した。
染毛処理が施された各例の毛束について、下記に示す方法に従い染毛力について評価を行った。なお、各表中「成分」欄における(A)の表記は、本願請求項記載の各成分に対応する化合物を示す。一方、表中「成分」欄における「a」の表記は、本願請求項記載の各成分の対比化合物を示す。
(染毛力)
上記各例の染毛処理を施した毛束について、パネラー5名が標準光源下で目視にて発色度合いを、以下の基準で評価することにより、発色が良いか否かについて判断した。優れる(5点)、良好(4点)、可(3点)、やや不良(2点)及び不良(1点)の5段階で採点し、各パネラーの採点結果について平均値を算出し、平均値が4.6点以上を「優れる:5」、3.6点以上4.6点未満を「良好:4」、2.6点以上3.6点未満を「可:3」、1.6点以上2.6点未満を「やや不良:2」、及び1.6点未満を「不良:1」とし、評価結果とした。結果を表3,4に示す。
表3,4に示されるように、各実施例は、染毛時間が15分であっても染毛力が可以上の結果であることが確認された。表4に示されるように、還元糖を含有しない染毛用中間処理剤を使用した比較例1〜3は、染毛時間15分における染毛力が劣ることが確認された。還元糖を含有する染毛用中間処理剤を用いて前処理又は後処理した比較例4又は比較例5は、染毛力の評価が劣ることが確認された。酸化染毛剤と、還元糖を含有する染毛用中間処理剤とを混合した後、毛束に塗布した比較例6は、染毛力の評価が劣ることが確認された。これは、混合物を毛髪に塗布する前に酸化染料の重合が促進され、毛髪内部へ染料が十分に浸透しないことによるものと予測される。酸化染毛剤の第1剤中に予め還元糖を配合した比較例7は、染毛力の評価が劣ることが確認された。
<試験例2:発色速度の評価>
実施例1,3及び比較例1〜3の染毛用中間処理剤と酸化染毛剤との混合物について発色速度を評価した。まず、各例の酸化染毛剤の第1剤と第2剤、及び染毛用中間処理剤を混合し、混合物を調製した。混合後(反応開始後)1,5,10,15分後に、混合物を精製水で100倍希釈し、可視領域(380〜780nm)の吸光度を吸光度計(島津製作所社製)にて測定した。結果を表5に示す。
表5に示されるように、各実施例においては、短時間のうちに発色反応が進むことが確認された。一方、各比較例は、発色速度が遅く、染毛処理に長時間を要することが示唆された。したがって、試験例1,2の結果より、染毛力を向上させながら、さらに染毛処理時間の短縮を図るためには、各実施例の構成が適していることが確認された。
<試験例3:染毛用中間処理剤の保存安定性の評価>
表6に示される各例の染毛用中間処理剤を調製した。得られた各例の染毛用中間処理剤の所定量をガラス瓶に入れ、50℃の暗所にて1ヶ月間保存した。保存期間経過後、パネラーが標準光源下で目視にて着色度の有無を判断した。製剤が着色している場合を×、着色していない場合を○として評価した。結果を表6に示す。
表6に示されるように、実施例1の染毛用中間処理剤は、保存安定性に優れることが確認された。一方、三炭糖であるジヒドロキシアセトンを使用する比較例8は、保存安定性に劣ることが確認された。
<酸化染毛剤の処方例>
下記表7〜11に示される処方例1〜5の各酸化染毛剤を調製した。実施例1の染毛処理方法において、表1,2に示される酸化染毛剤の代わりに、処方例1〜5の各酸化染毛剤を適用して染毛処理を行った。その結果、いずれの酸化染毛剤も実施例1と同様に優れた染毛力が得られることを確認した。

Claims (6)

  1. 酸化染毛剤の毛髪への塗布処理中に適用する染毛用中間処理剤であって、
    (A)五炭糖、六炭糖、七炭糖、還元性二糖類、及び還元性オリゴ糖から選ばれる少なくとも一種の還元糖を含有する染毛用中間処理剤。
  2. 前記染毛用中間処理剤のpHは、前記酸化染毛剤と染毛用中間処理剤との混合物を水に10質量%の濃度で溶解した際の25℃におけるpHが5.5〜9.0となるように調整される請求項1に記載の染毛用中間処理剤。
  3. 前記染毛用中間処理剤中における前記(A)成分の含有量は、前記酸化染毛剤と染毛用中間処理剤との混合物中において0.1質量%以上となる量である請求項1又は2に記載の染毛用中間処理剤。
  4. アルカリ剤及び酸化剤を含有する酸化染毛剤と、
    該酸化染毛剤の毛髪への塗布処理中に適用する染毛用中間処理剤であって、
    (A)五炭糖、六炭糖、七炭糖、還元性二糖類、及び還元性オリゴ糖から選ばれる少なくとも一種の還元糖を含有する染毛用中間処理剤と、を含む毛髪処理セット剤。
  5. 請求項4に記載の毛髪処理セット剤の使用方法であって、
    前記アルカリ剤及び酸化剤を混合した酸化染毛剤を毛髪に塗布する工程、
    該毛髪に対して、前記染毛用中間処理剤を重ねて塗布する工程、
    毛髪に塗布した酸化染毛剤及び染毛用中間処理剤を洗い流す工程、
    を含む毛髪処理セット剤の使用方法。
  6. 前記酸化染毛剤を毛髪に塗布した後、40分以内に前記染毛用中間処理剤を前記毛髪に重ねて塗布する請求項5に記載の毛髪処理セット剤の使用方法。
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