JP2020138427A - メタルマスク及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷パターン用開口部にメッシュを有しないメタルマスクにおける問題点、及び印刷パターン用開口部にメッシュを有するメッシュ一体型メタルマスクにおける問題点の双方を同時に解決し、より薄く、より印刷位置ずれのないメタルマスクを提供する。【解決手段】印刷パターン用開口部が設けられた金属製基材と、該金属製基材を補強する金属製補強材とがめっき接合されたメタルマスクであって、前記補強材は、少なくとも印刷パターン領域に前記基材との接合用開口部を有し、前記印刷パターン用開口部には、前記補強材が存在しないメタルマスクとする。【選択図】図1
Description
本発明は、メタルマスク及びその製造方法に関する。
近年、電子部品の小型化、高密度化の流れに伴い、印刷位置精度の要求が非常に高くなってきている。例えば、電子部品の精度にかかる印刷位置精度や印刷物の滲みについて、数ミクロン単位の管理幅が求められるようになってきた。また、薄膜の電極を有する電子部品においては、印刷膜厚が500nmを下回るようになってきている。このように、電子部品における配線印刷等の分野において、より薄く、より印刷位置ずれのない高精度の印刷が安定して求められている。また一方で、厚膜の電極を有する電子部品においては、電気導電率を高めるために、表面凹凸の少ない、均一で矩形性の高い印刷も求められている。
メッシュ一体型メタルマスク(サスペンドメタルマスク)は、所望の印刷パターンにパターニングされた多数の開口部を有する金属製基材と、導電性を有するメッシュとを密着させた状態で、メッシュ側からニッケルめっきやニッケル合金めっきを行うことで、基材とメッシュを貼り合わせて一体化(めっき接合)したものであり、メッシュ上に感光性樹脂などからなるマスクが形成された乳剤スクリーン版に比べて、耐薬品性、耐摩耗性に優れるばかりでなく、スキージ印圧による寸法安定性に優れているため、比較的精度の高いシャープな印刷を期待することができることから、各種電子部品における印刷配線等に好適に使用されている。
このメッシュ一体型メタルマスクを用いて高精細な印刷を行なう場合、メタルマスクと被印刷基板とが所定のクリアランスで配置されるオフコンタクト印刷(ギャップ印刷)が採用され、スクリーンメッシュのスキージ面からのスキージ印圧によりインクは被印刷基板に転写される。オフコンタクト印刷によれば、スキージが通り過ぎると、メッシュのテンションにより、メタルマスクと被印刷基板が速やかに離れるため、転写されたインクのパターンがメタルマスクと被印刷基板との間に引き込まれて滲む現象を抑制でき、生産性を向上することができる。
しかしながら、従来のメッシュ一体型メタルマスクでは、印刷パターン用開口部にメッシュ織物の繊維糸の重なる「交点部」が配置される。当該「交点部」は「瘤状」で、メッシュを構成する繊維糸1本の厚みより被印刷基板向きに凸状に厚くなっているため、転写された印刷配線パターン部における当該「交点部」に対応する箇所が、「瘤状」に対応する形状で窪む(薄くなる)状態、所謂「メッシュ痕」の発生が生じる。このようなメッシュ痕部は印刷膜厚が他の配線部分より薄くなるため、当該薄い部分の印刷配線の断面積が、配線全体の送電能力を律することになってしまい、送電上の損失の発生も問題であった。
この問題を解決する方法の1つとして、スクリーンメッシュ製織後にスクリーンメッシュを圧延機に通す「カレンダー加工」により、スクリーンメッシュの交点部分を潰して、経糸と緯糸の山の高さが略等しくなるようにする方法がある(特許文献1等)。しかしながら、カレンダー加工による薄膜化では、開口率が減少してしまうという問題がある。
また、特許文献2では、スクリーン印刷用サスペンドメタルマスクにおいて、印刷面側中央部に接着固定されるメッシュとして、メッシュ織物に代えて、ニッケルめっきなどの、めっきにより作製された金属めっき製メッシュを用いることが提案されている。
また、特許文献2では、スクリーン印刷用サスペンドメタルマスクにおいて、印刷面側中央部に接着固定されるメッシュとして、メッシュ織物に代えて、ニッケルめっきなどの、めっきにより作製された金属めっき製メッシュを用いることが提案されている。
一方で、メッシュを用いない印刷用孔版として、ステンレス鋼などの金属板に、エッチングやドリル、パンチなどの機械加工等、さらにはレーザ光を照射し穴明けする方法等により印刷パターン用開口部を形成したメタルマスクや、電鋳法により作製したメタルマスクが知られている。電鋳法によりメタルマスクを作製する方法では、例えば電鋳母型と呼ばれる予め平滑に研磨されたステンレス鋼などの金属やガラスなどの板状部材の表層部にフォトレジスト等の感光性樹脂を用いてメッキレジスト層を形成し、該電鋳母型にめっきを析出させてめっき金属層を形成し、該電鋳母型からパターニングされためっき金属層を剥離することによりメタルマスクを得ている。
こうしたメタルマスクは、印刷パターン用開口部にスクリーンメッシュが設置されていないため、前述した「メッシュ痕」が生じることがなく、表面凹凸のない優れた印刷パターンを得ることが可能となる。
こうしたメタルマスクは、印刷パターン用開口部にスクリーンメッシュが設置されていないため、前述した「メッシュ痕」が生じることがなく、表面凹凸のない優れた印刷パターンを得ることが可能となる。
しかしながら、電子部品の小型化、高密度化の流れに伴い、メタルマスクの薄型化、及びメタルマスクに形成される印刷パターン用開口部の微細化が益々進み、しかも複雑な形状となるにしたがって、メッシュを用いないメタルマスクは、高い寸法精度を実現するのが難しいという問題がある。
また、電鋳法は、微細化、複雑化した形状を有する薄い金属板を作製するのに適した方法としてよく知られているが、電鋳法に用いられる金属である、ニッケル又はニッケル−コバルト、ニッケル−モリブデン、ニッケル−鉄、ニッケル−タングステンなどのニッケル合金は、ステンレス(SUS)に比較して、寸法安定性が劣るため、電鋳法で作製されたメタルマスクは高い寸法精度が実現できないので、このような用途には使われていない。
また、電鋳法は、微細化、複雑化した形状を有する薄い金属板を作製するのに適した方法としてよく知られているが、電鋳法に用いられる金属である、ニッケル又はニッケル−コバルト、ニッケル−モリブデン、ニッケル−鉄、ニッケル−タングステンなどのニッケル合金は、ステンレス(SUS)に比較して、寸法安定性が劣るため、電鋳法で作製されたメタルマスクは高い寸法精度が実現できないので、このような用途には使われていない。
さらに、生産性向上の観点からは前述のオフコンタクト印刷が好ましいところ、開口部にメッシュのないメタルマスクを用いてオフコンタクト印刷を行うと、インク又はペーストの吐出が良すぎて版への裏廻りが発生し、滲みやすいという問題もある。
前述のとおり、印刷パターン用開口部にメッシュを有しないメタルマスクは、「メッシュ痕」が生じることがなく、表面凹凸のない優れたた印刷パターンを得ることができるものの、微細化・薄膜化が要求されるメタルマスクにおいては、高い寸法精度を実現できないという問題がある。また、生産性の良いオフコンタクト印刷には、不向きであるという問題もある。
一方、生産性を向上するためには、オフコンタクト印刷が可能な、スクリーンメッシュと一体化されたメタルマスクが好ましいが、印刷パターン用開口部の一部にはメッシュがかかることになり、凹凸のない印刷物を得ることが困難であるという問題がある。
また、前述のとおり、特許文献2には、従来のメッシュ織物に代えて、めっきにより作製された金属めっき製メッシュを用いることが提案されている。しかしながら、この場合も、従来のメッシュ一体型メタルマスクと同様に、印刷パターン用開口部の一部には金属めっき製メッシュがあるために、インク又はペーストの突出性が悪化して良好な印刷パターンが得られない。また、該特許文献で電鋳法により作製されているマスク基材と、金属めっき製メッシュとが、めっき金属皮膜により接合されており、いずれも、ニッケル又はニッケル−コバルト、ニッケル−モリブデン、ニッケル−鉄、ニッケル−タングステンなどのニッケル合金で作製されているために、寸法安定性に劣り、特にメッシュの張力がかかるオフコンタクト印刷では、高い寸法精度が得られないという問題がある。
一方、生産性を向上するためには、オフコンタクト印刷が可能な、スクリーンメッシュと一体化されたメタルマスクが好ましいが、印刷パターン用開口部の一部にはメッシュがかかることになり、凹凸のない印刷物を得ることが困難であるという問題がある。
また、前述のとおり、特許文献2には、従来のメッシュ織物に代えて、めっきにより作製された金属めっき製メッシュを用いることが提案されている。しかしながら、この場合も、従来のメッシュ一体型メタルマスクと同様に、印刷パターン用開口部の一部には金属めっき製メッシュがあるために、インク又はペーストの突出性が悪化して良好な印刷パターンが得られない。また、該特許文献で電鋳法により作製されているマスク基材と、金属めっき製メッシュとが、めっき金属皮膜により接合されており、いずれも、ニッケル又はニッケル−コバルト、ニッケル−モリブデン、ニッケル−鉄、ニッケル−タングステンなどのニッケル合金で作製されているために、寸法安定性に劣り、特にメッシュの張力がかかるオフコンタクト印刷では、高い寸法精度が得られないという問題がある。
本発明は、こうした従来の印刷パターン用開口部にメッシュを有しないメタルマスクにおける問題点、及び従来の印刷パターン用開口部にメッシュを有するメッシュ一体型メタルマスクにおける問題点の双方を同時に解決し、より薄く、より高精度なメタルマスクを提供することを課題とする。また、本発明は、生産性の良好なオフコンタクト印刷法を用いて、矩形性に優れ、高精度な位置ずれない印刷物を得ることが可能なメタルマスクを提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、印刷パターン用開口部が設けられた金属製基材と、該基材を補強する金属製補強材とを用い、該補強材を、前記印刷パターン用開口部には存在しないように設計して、前記金属製基材とめっき接合して一体化することで、前記課題を解決し得ることを見出した。また、前記補強材として、ステンレス板などの金属板をエッチングして得られるエッチング孔版を用いることにより、金属製基材との密着性が向上して強度が向上するとともに、エッチング方法を選ぶことで、任意の断面形状を形成することが可能となり、高強度と薄さを両立させることができることも判明した。
すなわち、本発明は、前記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
<1>印刷パターン用開口部が設けられた金属製基材と、該基材を補強する金属製補強材とがめっき接合されたメタルマスクであって、
前記補強材は、少なくとも印刷パターン領域に前記基材との接合用開口部を有し、
前記印刷パターン用開口部には、前記補強材が存在しないことを特徴とするメタルマスク。
<2>前記補強材が、前記基材に用いられる金属とは異なる金属からなることを特徴とする<1>に記載のメタルマスク。
<3>前記補強材が、非網状の金属製板材からなることを特徴とする<1>又は<2>に記載のメタルマスク。
<4>前記補強材が、エッチング孔版からなることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載のメタルマスク。
<5>前記基材が、電鋳めっき版からなることを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載のメタルマスク。
<6>前記基材が、ニッケル製又はニッケル合金製であり、前記補強材が、ステンレス製であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載のメタルマスク。
<7>前記印刷パターンの開口部が設けられた印刷パターン領域の外周に、印刷パターンの開口部を有しない非印刷パターン領域を有し、該非印刷パターン領域に接合用開口部を有していることを特徴とする<1>〜<6>のいずれかに記載のメタルマスク。
<8>前記補強材が、枠体に張設されていることを特徴とする<1>〜<7>のいずれかに記載のメタルマスク。
<9>前記補強材は、該補強材の外周に接着されている網状体からなるメッシュを介して、前記枠体に張設されていることを特徴とする<8>に記載のメタルマスク。
<10>前記メッシュが、合成樹脂製であることを特徴とする<9>に記載のメタルマスク。
<11>印刷パターンの開口部を有する金属製基材と、該基材を補強する金属製補強材とがめっき接合されたメタルマスクの製造方法であって、
前記金属製基材との接合用開口部を有するとともに、前記印刷パターンの開口部に存在しないように設計された金属製補強材を準備する工程(1)と、
印刷用パターン開口部が形成された金属製基材を準備する工程(2)と、
前記工程(1)で得られた金属製補強材と前記工程(2)で得られた金属製基材とを、前記印刷用パターン開口部に前記金属製補強材がかからないように密着させた後、前記印刷パターンの開口部が形成されている領域以外にめっきを施して、前記金属製補強材と前記金属製基材とを接合する工程(3)と、
を、少なくとも有することを特徴とするメタルマスクの製造方法。
<12>前記工程(1)が、金属板のエッチングにより準備する工程であることを特徴とする<1>に記載のメタルマスクの製造方法。
<13>前記工程(1)が、前記工程(1)で得られた金属製補強材を、網状体からなるメッシュが張設された枠体の前記メッシュに接着した後、前記メッシュのスキージ当接面側中央部を切りとる工程をさらに含むことを特徴とする<11>又は<12>に記載のメタルマスクの製造方法。
<14>前記工程(1)が、前記工程(1)で得られた金属製補強材を、網状体からなるメッシュが張設された枠体の前記メッシュに接着する工程をさらに含み、前記工程(3)において、前記金属製基材を、前記印刷用パターン開口部に前記金属製補強材がかからないように密着させ、前記金属製補強材と前記金属製基材とをめっき接合した後に、前記メッシュのスキージ当接面側中央部を切りとる工程をさらに含むことを特徴とする<11>又は<12>に記載のメタルマスクの製造方法。
<15>前記工程(2)が、電鋳母型の表層に前記印刷パターン用開口部に対応するめっきレジスト層を、前記メタルマスクの厚み以上の厚さに形成する工程と、前記電鋳母型の前記めっきレジスト層で覆われていない表面に、前記金属製基材に相当する厚さに電着層を形成する工程を含み、
前記工程(3)が、前記工程(2)で得られた電着層の表面に、前記工程(1)で得られた金属製補強材を密着させてめっきを行う工程、前記電鋳母型の表面に形成されためっきレジストを剥離する工程、及び前記電鋳母型から、前記金属製補強材がめっきにより接合された電着層を剥離する工程を含むことを特徴とする<11>〜<14>のいずれかに記載のメタルマスクの製造方法。
<16>前記工程(2)における電鋳母型の表層にめっきレジスト層を形成する工程が、前記電鋳母型の外周部に対応する表面にめっきレジスト層を形成する工程を含み、前記工程(2)における電鋳層を形成する工程の後に、前記電鋳母型の外周部に対応する表面に形成されためっきレジスト層を、得られた電鋳層の厚さと同じ厚さまで研磨する工程を含むことを特徴とする<15>に記載のメタルマスクの製造方法。
<1>印刷パターン用開口部が設けられた金属製基材と、該基材を補強する金属製補強材とがめっき接合されたメタルマスクであって、
前記補強材は、少なくとも印刷パターン領域に前記基材との接合用開口部を有し、
前記印刷パターン用開口部には、前記補強材が存在しないことを特徴とするメタルマスク。
<2>前記補強材が、前記基材に用いられる金属とは異なる金属からなることを特徴とする<1>に記載のメタルマスク。
<3>前記補強材が、非網状の金属製板材からなることを特徴とする<1>又は<2>に記載のメタルマスク。
<4>前記補強材が、エッチング孔版からなることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載のメタルマスク。
<5>前記基材が、電鋳めっき版からなることを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載のメタルマスク。
<6>前記基材が、ニッケル製又はニッケル合金製であり、前記補強材が、ステンレス製であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載のメタルマスク。
<7>前記印刷パターンの開口部が設けられた印刷パターン領域の外周に、印刷パターンの開口部を有しない非印刷パターン領域を有し、該非印刷パターン領域に接合用開口部を有していることを特徴とする<1>〜<6>のいずれかに記載のメタルマスク。
<8>前記補強材が、枠体に張設されていることを特徴とする<1>〜<7>のいずれかに記載のメタルマスク。
<9>前記補強材は、該補強材の外周に接着されている網状体からなるメッシュを介して、前記枠体に張設されていることを特徴とする<8>に記載のメタルマスク。
<10>前記メッシュが、合成樹脂製であることを特徴とする<9>に記載のメタルマスク。
<11>印刷パターンの開口部を有する金属製基材と、該基材を補強する金属製補強材とがめっき接合されたメタルマスクの製造方法であって、
前記金属製基材との接合用開口部を有するとともに、前記印刷パターンの開口部に存在しないように設計された金属製補強材を準備する工程(1)と、
印刷用パターン開口部が形成された金属製基材を準備する工程(2)と、
前記工程(1)で得られた金属製補強材と前記工程(2)で得られた金属製基材とを、前記印刷用パターン開口部に前記金属製補強材がかからないように密着させた後、前記印刷パターンの開口部が形成されている領域以外にめっきを施して、前記金属製補強材と前記金属製基材とを接合する工程(3)と、
を、少なくとも有することを特徴とするメタルマスクの製造方法。
<12>前記工程(1)が、金属板のエッチングにより準備する工程であることを特徴とする<1>に記載のメタルマスクの製造方法。
<13>前記工程(1)が、前記工程(1)で得られた金属製補強材を、網状体からなるメッシュが張設された枠体の前記メッシュに接着した後、前記メッシュのスキージ当接面側中央部を切りとる工程をさらに含むことを特徴とする<11>又は<12>に記載のメタルマスクの製造方法。
<14>前記工程(1)が、前記工程(1)で得られた金属製補強材を、網状体からなるメッシュが張設された枠体の前記メッシュに接着する工程をさらに含み、前記工程(3)において、前記金属製基材を、前記印刷用パターン開口部に前記金属製補強材がかからないように密着させ、前記金属製補強材と前記金属製基材とをめっき接合した後に、前記メッシュのスキージ当接面側中央部を切りとる工程をさらに含むことを特徴とする<11>又は<12>に記載のメタルマスクの製造方法。
<15>前記工程(2)が、電鋳母型の表層に前記印刷パターン用開口部に対応するめっきレジスト層を、前記メタルマスクの厚み以上の厚さに形成する工程と、前記電鋳母型の前記めっきレジスト層で覆われていない表面に、前記金属製基材に相当する厚さに電着層を形成する工程を含み、
前記工程(3)が、前記工程(2)で得られた電着層の表面に、前記工程(1)で得られた金属製補強材を密着させてめっきを行う工程、前記電鋳母型の表面に形成されためっきレジストを剥離する工程、及び前記電鋳母型から、前記金属製補強材がめっきにより接合された電着層を剥離する工程を含むことを特徴とする<11>〜<14>のいずれかに記載のメタルマスクの製造方法。
<16>前記工程(2)における電鋳母型の表層にめっきレジスト層を形成する工程が、前記電鋳母型の外周部に対応する表面にめっきレジスト層を形成する工程を含み、前記工程(2)における電鋳層を形成する工程の後に、前記電鋳母型の外周部に対応する表面に形成されためっきレジスト層を、得られた電鋳層の厚さと同じ厚さまで研磨する工程を含むことを特徴とする<15>に記載のメタルマスクの製造方法。
本発明によれば、金属製基材とめっき接合された補強材が、金属製基材に設けられた印刷パターン用開口部に存在しないことで、薄膜印刷でありながらも表面に凹凸のない、均一な膜厚を有する印刷パターンを得ることができる。また、本発明によれば、補強材を用いることにより耐久性及び経時安定に優れたメタルマスクが得られるため、印刷パターンの形状及び位置精度が長期に亘り維持され、また、印刷回数が増えても精度劣化が起こりにくい。さらに、本発明により得られるマスクは、強度が高いことで、コンタクト印刷のみならず、生産性の高いオフコンタクト印刷(ギャップ印刷)でも印刷が可能で、例えば、マスクのテンションを強くすることにより、印刷時の被印刷基板と版のギャップを狭めることができ、生産性を高めつつ、印刷パターンの断面形状の矩形性に優れた印刷パターンを得ることもできる。さらにまた、本発明により得られるマスクは、マスクのスキージ面側に、補強材で形成される凸部によって、印刷時のインク又はペーストの吐出が抑えられるため、オフコンタクト印刷でもインク又はペーストの裏廻りが発生しにくく、滲みのない良好な形状の印刷パターンが得られる。
また、本発明において、特に補強材としてエッチング孔版を用いた場合には、メッシュ織物を用いた場合に特有の交点ずれがないばかりでなく、得られる断面形状が丸くならないので、金属製基材との密着性が向上して強度が向上する。また、エッチング方法を選ぶことで、任意の断面形状を形成することが可能となり、例えば、補強材の断面積を変えずに厚みを小さくできるので、高強度と薄さを両立させることができる。さらに、フォトエッチング法により、開口部の形状も任意に得ることができるので、メッシュ織物の場合の四角形状に限らず、例えば、六角形など、印刷パターン用開口部の配置にあわせて、該開口部を塞がない任意の形状とすることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の構成及び作用効果について、技術的思想を交えて説明する。
[メタルマスク]
図1は、本発明の一実施形態(以下、「本実施形態」と記載する)の、印刷パターン領域における断面の一部を、模式的に示す図であり、図2は、本実施形態の好ましい一例の平面図を模式的に示す図である。
図中、1は金属製基材、2は金属製補強材、3はめっき、4は印刷パターン用開口部、5は補強材2の基材1との接合用開口部、6は印刷パターン領域、7は非印刷パターン領域、8は枠体、9はその中央部が切りとられた網状体からなるメッシュ、10はメッシュ9と補強材2との接着部を示している。
図1は、本発明の一実施形態(以下、「本実施形態」と記載する)の、印刷パターン領域における断面の一部を、模式的に示す図であり、図2は、本実施形態の好ましい一例の平面図を模式的に示す図である。
図中、1は金属製基材、2は金属製補強材、3はめっき、4は印刷パターン用開口部、5は補強材2の基材1との接合用開口部、6は印刷パターン領域、7は非印刷パターン領域、8は枠体、9はその中央部が切りとられた網状体からなるメッシュ、10はメッシュ9と補強材2との接着部を示している。
図1に示すように、本実施形態では、金属製基材1及び該基材1を補強する金属製補強材2が、めっき3により接合されており、金属製基材1には、印刷用インク又はペーストを通すための、印刷パターン用開口部4が形成されている。また、金属製補強材2は、金属製基材1とめっき接合するための接合用開口部5を有し、前記印刷パターン用開口部4には、金属製補強材2が存在していない。
なお、本実施形態を示す図1は、金属製補強材2として、ステンレス(SUS)板から得られたエッチング版を用いたことを示しており、SUS板両面からのエッチングにより断面形状が六角形のものが得られることを模式的に示している。
なお、本実施形態を示す図1は、金属製補強材2として、ステンレス(SUS)板から得られたエッチング版を用いたことを示しており、SUS板両面からのエッチングにより断面形状が六角形のものが得られることを模式的に示している。
図2に示すように、好ましい本実施例形態では、金属製基材1と金属製補強材2が一体化されたメタルマスクは、その中央部に印刷パターン用開口部4が設けられた印刷パターン領域6を有するとともに、該印刷パターン領域6の外周に、印刷パターン用開口部4が設けられていない非印刷パターン領域7を有している。
さらに好ましい本実施形態では、図2に示すように、前記金属製補強材2は、非印刷パターン領域7の外周において、枠体8に張設された網状体からなるメッシュ9と接着部10で接着されている。
なお、図中の×は、後述する印刷パターン領域の寸法の経時変化を測定する際に用いる、測定点を示している。
さらに好ましい本実施形態では、図2に示すように、前記金属製補強材2は、非印刷パターン領域7の外周において、枠体8に張設された網状体からなるメッシュ9と接着部10で接着されている。
なお、図中の×は、後述する印刷パターン領域の寸法の経時変化を測定する際に用いる、測定点を示している。
本発明のメタルマスクは、金属製基材1とめっき接合された金属製補強材2が、金属製基材1に設けられた印刷パターン用開口部4に存在しないことで、薄膜印刷でありながらも表面に凹凸のない、均一な膜厚を有する印刷パターンを得ることができる。
また、本発明によれば、金属製基材1を補強する金属製補強材2を用いることにより、耐久性及び経時安定に優れたメタルマスクが得られるため、印刷パターンの形状及び位置精度が長期に亘り維持され、また、印刷回数が増えても精度劣化が起こりにくい。
さらに、本発明により得られるメタルマスクは、強度が高いことで、コンタクト印刷のみならず、生産性の高いオフコンタクト印刷(ギャップ印刷)でも印刷が可能で、例えば、マスクのテンションを強くすることにより、印刷時の被印刷基板と版のギャップを狭めることができ、生産性を高めつつ、印刷パターンの断面形状の矩形性に優れた印刷パターンを得ることもできる。
さらにまた、本発明により得られるメタルマスクは、金属製補強材2によってスキージ当接面側に形成される凸部によって、印刷時のインク又はペーストの吐出が抑えられるため、オフコンタクト印刷でもインク又はペーストの裏廻りが発生しにくく、滲みのない良好な形状の印刷パターンが得られる。
以下、各部の詳細について説明する。
また、本発明によれば、金属製基材1を補強する金属製補強材2を用いることにより、耐久性及び経時安定に優れたメタルマスクが得られるため、印刷パターンの形状及び位置精度が長期に亘り維持され、また、印刷回数が増えても精度劣化が起こりにくい。
さらに、本発明により得られるメタルマスクは、強度が高いことで、コンタクト印刷のみならず、生産性の高いオフコンタクト印刷(ギャップ印刷)でも印刷が可能で、例えば、マスクのテンションを強くすることにより、印刷時の被印刷基板と版のギャップを狭めることができ、生産性を高めつつ、印刷パターンの断面形状の矩形性に優れた印刷パターンを得ることもできる。
さらにまた、本発明により得られるメタルマスクは、金属製補強材2によってスキージ当接面側に形成される凸部によって、印刷時のインク又はペーストの吐出が抑えられるため、オフコンタクト印刷でもインク又はペーストの裏廻りが発生しにくく、滲みのない良好な形状の印刷パターンが得られる。
以下、各部の詳細について説明する。
<金属製基材>
本実施形態に係るメタルマスクにおける基材1は、金属製であれば、その材質は、特に限定されず、鉄,銅,ニッケル,アルミニウム及びタングステン等の各種金属単体、及びステンレス鋼、クロム−モリブデン鋼、ニッケル−銅、ニッケル−タングステン、ニッケル−クロム、アルミニウム合金、銅合金及び鉄合金等の各種合金が用いられるが、薄型化、微細化、複雑化等に適したメタルマスクを得るためには電鋳法が用いられため、該電鋳法に用いられる金属であるニッケル、又はニッケル−コバルト、ニッケル−モリブデン、ニッケル−鉄、ニッケル−タングステンなどのニッケル合金が好ましく用いられる。
本実施形態に係るメタルマスクにおける基材1は、金属製であれば、その材質は、特に限定されず、鉄,銅,ニッケル,アルミニウム及びタングステン等の各種金属単体、及びステンレス鋼、クロム−モリブデン鋼、ニッケル−銅、ニッケル−タングステン、ニッケル−クロム、アルミニウム合金、銅合金及び鉄合金等の各種合金が用いられるが、薄型化、微細化、複雑化等に適したメタルマスクを得るためには電鋳法が用いられため、該電鋳法に用いられる金属であるニッケル、又はニッケル−コバルト、ニッケル−モリブデン、ニッケル−鉄、ニッケル−タングステンなどのニッケル合金が好ましく用いられる。
金属製基材1の厚さは、薄くなるほど印刷時のインク又はペースト供給量を抑えて薄い印刷パターンを形成できる一方で、寸法安定性が低下する傾向がある。逆に、金属製基材1が厚くなるほど寸法安定性は向上するが、インク又はペースト供給量が増加し、薄い印刷パターンの形成が困難となる虞がある。このため、金属製基材1の厚さは、形成しようとする印刷パターンの面積及び厚さ、並びにメタルマスクに要求される寸法安定性を考慮して決定される。金属製基材1の厚さの一例としては、1μm〜150μm、好ましくは5μm〜100μm、さらに好ましくは10μm〜50μmが挙げられるが、該厚さに限定されるものではない。
金属製基材1は、その厚みのばらつきが、そのまま印刷パターンの形状や厚みのばらつきに直結するため、厚さばらつきや表面粗さを低く抑制することが好ましい。金属製基材1に要求される表面粗さは、印刷対象によって変動するため一概には言えないが、一例として、印刷転写厚み精度の必要な部分については、算術平均表面粗さ(Ra)で0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下とすることが挙げられる。さらに、金属製基材1の厚さが薄い場合は、Raは0.05μm以下が好ましく、0.03μm以下がより好ましい。
一方、金属製基材1の表面粗さが低すぎる場合(表面が平滑すぎる場合)には、メタルマスクの被印刷基板側の面において、印刷を行う際の被印刷基板と面接触した状態からの版離れ時に、接触面に空気が導入されにくくなることで版離れ性が悪くなる虞がある。
一方、金属製基材1の表面粗さが低すぎる場合(表面が平滑すぎる場合)には、メタルマスクの被印刷基板側の面において、印刷を行う際の被印刷基板と面接触した状態からの版離れ時に、接触面に空気が導入されにくくなることで版離れ性が悪くなる虞がある。
<基材の印刷パターン用開口部>
本実施形態に係るメタルマスクの金属製基材1は、その印刷パターン領域6に、インク又はペーストを供給するための印刷用パターン開口部4を有する。
該開口部4は、エッチング法や、ドリル、パンチなどの機械加工、レーザ光による穴あけ、あるいは電鋳法等々の方法により形成され、形成される開口部4の形状、大きさ、数及び位置は特に限定されない。例えば、開口部4の形状を丸、楕円、多角形、星、スリット又は不定形等に設定できる。
本実施形態に係るメタルマスクの金属製基材1は、その印刷パターン領域6に、インク又はペーストを供給するための印刷用パターン開口部4を有する。
該開口部4は、エッチング法や、ドリル、パンチなどの機械加工、レーザ光による穴あけ、あるいは電鋳法等々の方法により形成され、形成される開口部4の形状、大きさ、数及び位置は特に限定されない。例えば、開口部4の形状を丸、楕円、多角形、星、スリット又は不定形等に設定できる。
<金属製補強材>
本実施形態において、金属製補強材2は、金属製基材1の被印刷基板側と反対のスキージ当接側の面に形成され、金属製基材1を補強する機能を有する。
該補強材2の材質は、前記金属製基材1を補強する機能を有する金属製であれば、特に限定されないが、前述のとおり、前記金属製基材1には、電鋳法に用いられる金属であるニッケル、又はニッケル−コバルト、ニッケル−モリブデン、ニッケル−鉄、ニッケル−タングステンなどのニッケル合金が好ましく用いられることから、金属製補強材2には、ニッケル又はニッケル合金よりも寸法安定性を有する金属が好ましく、具体的には、SUS等のステンレス鋼が好ましい。
本実施形態において、金属製補強材2は、金属製基材1の被印刷基板側と反対のスキージ当接側の面に形成され、金属製基材1を補強する機能を有する。
該補強材2の材質は、前記金属製基材1を補強する機能を有する金属製であれば、特に限定されないが、前述のとおり、前記金属製基材1には、電鋳法に用いられる金属であるニッケル、又はニッケル−コバルト、ニッケル−モリブデン、ニッケル−鉄、ニッケル−タングステンなどのニッケル合金が好ましく用いられることから、金属製補強材2には、ニッケル又はニッケル合金よりも寸法安定性を有する金属が好ましく、具体的には、SUS等のステンレス鋼が好ましい。
本発明における金属製補強材2の厚さは、特に限定されず、前記金属製基材1の材質及び厚さ、該基材に形成された印刷パターン用開口部の大きさ、数、配置などを考慮して適宜決定される。金属製補強材2の厚さの一例としては、10μm〜200μm、好ましくは20μm〜100μm、さらに好ましくは20μm〜50μmが挙げられるが、該厚さに限定されるものではない。
また、金属製補強材2の厚さは、一枚のメタルマスク中で変えることができる。例えば、印刷パターン領域を薄く設定し、印刷パターンの存在しない印刷パターン領域の周辺部分を厚くすることで、メタルマスクの剛性を確保しつつ印刷膜厚を薄くすることができる。
また、金属製補強材2の厚さは、一枚のメタルマスク中で変えることができる。例えば、印刷パターン領域を薄く設定し、印刷パターンの存在しない印刷パターン領域の周辺部分を厚くすることで、メタルマスクの剛性を確保しつつ印刷膜厚を薄くすることができる。
<補強材の接合用開口部>
本発明の金属製補強材2は、少なくとも印刷パターン領域6において、金属製基材1とめっき接合(電鋳接合)するための接合用開口部5を備えており、金属製基材1の印刷パターン用開口部4に該補強材2が存在しないという条件を満たすものであればよく、その接合用開口部5の大きさ、数及び位置は特に限定されず、印刷パターン用開口部4の大きさ、数、位置に対応して、金属製基材1との接合機能及び金属製基材1の補強機能が達成できるように、自由に設計することができる。具体的には、接合用開口部5の形状は、丸、楕円、多角形、星、スリット又は不定形等に設定でき、その配置も、メッシュ状等の規則的なもの、又は不規則なもの、或いは両者が混在しているものであってもよい。
本発明の金属製補強材2は、少なくとも印刷パターン領域6において、金属製基材1とめっき接合(電鋳接合)するための接合用開口部5を備えており、金属製基材1の印刷パターン用開口部4に該補強材2が存在しないという条件を満たすものであればよく、その接合用開口部5の大きさ、数及び位置は特に限定されず、印刷パターン用開口部4の大きさ、数、位置に対応して、金属製基材1との接合機能及び金属製基材1の補強機能が達成できるように、自由に設計することができる。具体的には、接合用開口部5の形状は、丸、楕円、多角形、星、スリット又は不定形等に設定でき、その配置も、メッシュ状等の規則的なもの、又は不規則なもの、或いは両者が混在しているものであってもよい。
図2に示すように、本発明のメタルマスクに非印刷パターン領域7が設けられている場合は、該非印刷パターン領域7にも接合用開口部5が設けられる。非印刷パターン領域における接合用開口部5の大きさ、数及び位置は、印刷パターン領域6におけるものと、同じであっても、或いは異なっていてもよく、たとえば一例として、印刷パターン領域における接合用開口部5を、印刷パターン用開口部4以外に存在するように設計されたメッシュ状開口とし、非印刷パターン領域7における接合用開口部5を、一様に形成された穴状開口とするなどが挙げられる。
本発明において、金属製補強材2に、非網状の金属製板材を用いる場合には、メッシュ織物を用いた場合に特有の交点ずれがなく好ましい。
また、本発明において、金属製補強材2を、ステンレスなどの金属板をエッチングして得られるエッチング孔版を用いることが、特に好ましい。
金属製補強材2に、エッチング孔版を用いた場合には、得られる断面形状が、メッシュ織物を用いた場合のように丸くならないので、金属製基材1との密着性が向上して強度が向上する。また、エッチング方法を選ぶことで、任意の断面形状を形成することが可能となり、例えば、補強材の断面積を変えずに厚みを小さくできるので、高強度と薄さを両立させることができる。さらに、フォトエッチング法により、開口部の形状も任意に得ることができるので、メッシュ織物の場合の四角形状に限らず、例えば、六角形など、印刷パターン用開口部の配置にあわせて、該開口部を塞がない任意の形状とすることができる。
また、本発明において、金属製補強材2を、ステンレスなどの金属板をエッチングして得られるエッチング孔版を用いることが、特に好ましい。
金属製補強材2に、エッチング孔版を用いた場合には、得られる断面形状が、メッシュ織物を用いた場合のように丸くならないので、金属製基材1との密着性が向上して強度が向上する。また、エッチング方法を選ぶことで、任意の断面形状を形成することが可能となり、例えば、補強材の断面積を変えずに厚みを小さくできるので、高強度と薄さを両立させることができる。さらに、フォトエッチング法により、開口部の形状も任意に得ることができるので、メッシュ織物の場合の四角形状に限らず、例えば、六角形など、印刷パターン用開口部の配置にあわせて、該開口部を塞がない任意の形状とすることができる。
<めっき>
本実施形態に係るメタルマスクにおいて、前記金属製基材1と前記金属製補強材2は、該補強材2側(スキージ面側)からかけられためっき3により、めっき接合されて、一体化されている。
めっき3の厚みは、金属製補強材2の厚み等に応じて任意に調整される。めっき3の厚さの一例としては、1μm〜30μm、好ましくは5μm〜20μm、さらに好ましくは10μm〜20μmが挙げられるが、該厚さに限定されるものではない。
本実施形態に係るメタルマスクにおいて、前記金属製基材1と前記金属製補強材2は、該補強材2側(スキージ面側)からかけられためっき3により、めっき接合されて、一体化されている。
めっき3の厚みは、金属製補強材2の厚み等に応じて任意に調整される。めっき3の厚さの一例としては、1μm〜30μm、好ましくは5μm〜20μm、さらに好ましくは10μm〜20μmが挙げられるが、該厚さに限定されるものではない。
<枠体>
本実施形態に係るメタルマスクは、鉄製の鋳物やアルミニウム合金、木材、その他任意の材質よりなる枠体(版枠)を伴うことが好ましい。該枠体は額縁状のものに限らず、例えばロータリー印刷版などの円筒形状を有するものであっても良い。
さらには、枠を有しない平板状で、印刷時に印刷機や版枠等にチャックされて使用される構造のものなどでも良い。
本実施形態に係るメタルマスクは、鉄製の鋳物やアルミニウム合金、木材、その他任意の材質よりなる枠体(版枠)を伴うことが好ましい。該枠体は額縁状のものに限らず、例えばロータリー印刷版などの円筒形状を有するものであっても良い。
さらには、枠を有しない平板状で、印刷時に印刷機や版枠等にチャックされて使用される構造のものなどでも良い。
<網状体からなるメッシュ>
本実施形態に係るメタルマスクは、オフコンタクト印刷が可能なように、金属製補強材2の外周において、網状体からなるメッシュ9を介して枠体8に張設されていることが好ましい。前記の図2は、その一例を示しており、金属製補強材2はその非印刷パターン領域7の外周で、中央部が切りとられた網状体からなるメッシュ9に接着されている。
オフコンタクト印刷において、スキージが通過後、メッシュのテンションにより金属製基材1と被印刷基板が速やかに離れるように、メッシュ9には、網状体のメッシュが用いられるが、好ましくは、テトロン、ポリエステルなどの合成樹脂製メッシュであることが好ましい。
本実施形態に係るメタルマスクは、オフコンタクト印刷が可能なように、金属製補強材2の外周において、網状体からなるメッシュ9を介して枠体8に張設されていることが好ましい。前記の図2は、その一例を示しており、金属製補強材2はその非印刷パターン領域7の外周で、中央部が切りとられた網状体からなるメッシュ9に接着されている。
オフコンタクト印刷において、スキージが通過後、メッシュのテンションにより金属製基材1と被印刷基板が速やかに離れるように、メッシュ9には、網状体のメッシュが用いられるが、好ましくは、テトロン、ポリエステルなどの合成樹脂製メッシュであることが好ましい。
[メタルマスクの製造方法]
本実施形態に係るメタルマスクは、
前記金属製基材との接合用開口部を有するとともに、前記印刷パターンの開口部に存在しないように設計された金属製補強材を準備する工程(1)と、
印刷用パターン開口部が形成された金属製基材を準備する工程(2)と、
前記工程(1)で得られた金属製補強材と前記工程(2)で得られた金属製基材とを、前記印刷用パターン開口部に前記金属製補強材がかからないように密着させた後、前記印刷パターンの開口部が形成されている領域以外にめっきを施して、前記金属製補強材と前記金属製基材とを接合する工程(3)と、
を含む方法により好適に製造される。
本実施形態に係るメタルマスクは、
前記金属製基材との接合用開口部を有するとともに、前記印刷パターンの開口部に存在しないように設計された金属製補強材を準備する工程(1)と、
印刷用パターン開口部が形成された金属製基材を準備する工程(2)と、
前記工程(1)で得られた金属製補強材と前記工程(2)で得られた金属製基材とを、前記印刷用パターン開口部に前記金属製補強材がかからないように密着させた後、前記印刷パターンの開口部が形成されている領域以外にめっきを施して、前記金属製補強材と前記金属製基材とを接合する工程(3)と、
を含む方法により好適に製造される。
図3は、本実施形態に係るメタルマスクの製造方法の一例(以下、「工法1」ということもある)を示す工程図であり、図4は、本実施形態に係るメタルマスクの製造方法の他の一例(以下、「工法2」ということもある)を示す工程図である。
以下、各工程の詳細について説明する。
以下、各工程の詳細について説明する。
<補強材を準備する工程>
本発明における金属製補強材は、金属製基材との接合用開口部を有するものである。
接合用開口部は、通常入手可能な金属製板材を用いて、ドリル、パンチ等の機械加工、レーザ光や集束イオンビーム等の高エネルギーのイオンや電子線の照射、高圧液体(水)の照射、エッチィング又は前記各手法の複合手法等、特に限定されず様々な方法により形成できるが、本発明においては、金属製補強材がメタルマスクに形成される印刷パターン用開口部に存在しないという条件を満たすように作製される必要があり、しかも印刷パターン用開口部の微細化、及び形状の複雑化に対応する必要があることから、特に、金属製補強材を、エッチング法により準備したエッチング孔版とすることが好ましい。
図3、4では、金属製補強材を準備する工程に、フォトエッチング法を用いた例を示しており、厚さ25μm程度のSUS板の両面に、フォトリソグラフィーにて使用されるレジスト液又はレジストフィルムを用いて、エッチングレジスト層を形成し、両面からのエッチングにより開口部を形成した後に、エッチングレジスト層を剥離し、エッチング孔版とした例を示している。
本発明における金属製補強材は、金属製基材との接合用開口部を有するものである。
接合用開口部は、通常入手可能な金属製板材を用いて、ドリル、パンチ等の機械加工、レーザ光や集束イオンビーム等の高エネルギーのイオンや電子線の照射、高圧液体(水)の照射、エッチィング又は前記各手法の複合手法等、特に限定されず様々な方法により形成できるが、本発明においては、金属製補強材がメタルマスクに形成される印刷パターン用開口部に存在しないという条件を満たすように作製される必要があり、しかも印刷パターン用開口部の微細化、及び形状の複雑化に対応する必要があることから、特に、金属製補強材を、エッチング法により準備したエッチング孔版とすることが好ましい。
図3、4では、金属製補強材を準備する工程に、フォトエッチング法を用いた例を示しており、厚さ25μm程度のSUS板の両面に、フォトリソグラフィーにて使用されるレジスト液又はレジストフィルムを用いて、エッチングレジスト層を形成し、両面からのエッチングにより開口部を形成した後に、エッチングレジスト層を剥離し、エッチング孔版とした例を示している。
また、図3、4では、好ましい一例として、SUS板の両面に形成されるエッチングレジスト層のパターンを、金属製補強材が、印刷パターン領域においては、金属製基材に形成された印刷パターン用開口部にかからないように設計されたメッシュ状パターン形状となるように、また、外周部の非印刷パターン領域においては、接合用開口部がドット状となるように設けた例を示している。
さらに、図3、4は、得られた金属製補強材を、網状体からなるメッシュが張設された枠体の該メッシュに接着する工程をさらに含むことを示している。
図3は、枠体に張設された網状体からなるメッシュのスキージ当接面側中央部を、工程(1)内で切りとる例(工法1)を示しており、また、図4は、工程(1)内では、同メッシュのスキージ当接面側中央部は切りとらずに、後述する工程(3)におけるめっきを施した後に切りとる例(工法2)を示している。
図3は、枠体に張設された網状体からなるメッシュのスキージ当接面側中央部を、工程(1)内で切りとる例(工法1)を示しており、また、図4は、工程(1)内では、同メッシュのスキージ当接面側中央部は切りとらずに、後述する工程(3)におけるめっきを施した後に切りとる例(工法2)を示している。
<金属製基材を準備する工程>
金属製基材は、印刷パターン用開口部を有するものである。
印刷パターン用開口部は、通常入手可能な金属製板材に、ドリル、パンチ等の機械加工、レーザ光や集束イオンビーム等の高エネルギーのイオンや電子線の照射、高圧液体(水)の照射、エッチング又は前記各手法の複合手法、或いは、電鋳法等、特に限定されず様々な方法により形成できるが、金属製基材の薄型化、及び形成される印刷パターン用開口部の微細化、形状の複雑化等に対応する必要があることから、特に、電鋳法で形成した電鋳めっき版とすることが好ましい。
金属製基材は、印刷パターン用開口部を有するものである。
印刷パターン用開口部は、通常入手可能な金属製板材に、ドリル、パンチ等の機械加工、レーザ光や集束イオンビーム等の高エネルギーのイオンや電子線の照射、高圧液体(水)の照射、エッチング又は前記各手法の複合手法、或いは、電鋳法等、特に限定されず様々な方法により形成できるが、金属製基材の薄型化、及び形成される印刷パターン用開口部の微細化、形状の複雑化等に対応する必要があることから、特に、電鋳法で形成した電鋳めっき版とすることが好ましい。
図3、4では、金属製基材を準備する工程に電鋳法を用いて電鋳めっき版とする例を示しており、電鋳母型の表層に、フォトリソグラフィーにて使用されるレジスト液又はレジストフィルムを用いて、金属製基材に設けられる印刷パターン用開口部に対応するめっきレジスト層を、メタルマスクの厚み以上の厚さに形成する工程と、電鋳母型に形成されためっきレジスト層で覆われていない表面に、金属製基材に相当する厚さに電鋳めっき層を形成する工程を有している。
前述の電鋳母型の表層にめっきレジスト層を形成する工程においては、電鋳母型の外周部に対応する表面にも、めっきレジスト層を形成し、電鋳層を形成した後に、電鋳母型の外周部に対応する表面に形成しためっきレジスト層の厚みが、得られた電鋳層の厚さと同じになるように研磨することが好ましい。
これにより、後述する工程(3)において、電鋳母型から、金属製補強材とめっき接合された電鋳層を剥離する際に、電鋳母型の外周部において金属製基材が存在しない領域が形成されることになり、剥離が容易になる。
これにより、後述する工程(3)において、電鋳母型から、金属製補強材とめっき接合された電鋳層を剥離する際に、電鋳母型の外周部において金属製基材が存在しない領域が形成されることになり、剥離が容易になる。
また、電鋳法にて金属製基材を形成する際に、金属製基材の表面状態を調整するために、電鋳浴中のレベリング剤等の添加材の種類や量を調整して、鏡面状に仕上げたり、逆に梨地状に仕上げたりしても良く、基材形成後に電解研磨などによる鏡面仕上げを行ったり、ブラスト、ホーニング加工、梨地仕上げ、ヘアライン加工、レーザ加工、罫書き、ドリル加工、プレス加工及びエッチング等の各種加工を行ったり、湿式や乾式のめっき被膜により耐食層を形成したりしても良い。
<金属製基材と金属製補強材とを接合する工程>
本実施形態に係るメタルマスクは、金属製基材と金属製補強材とが、金属製補強材に形成された接合用開口を介して、金属製補強材側より、めっき接合される。
本実施形態に係るメタルマスクは、金属製基材と金属製補強材とが、金属製補強材に形成された接合用開口を介して、金属製補強材側より、めっき接合される。
図3、4に示す工法1、2では、前述の工程(2)で形成されためっきレジスト層を残したまま、同工程(2)で得られた電鋳めっき層の表面に、前述の工程(1)で得られた金属製補強材を密着させてめっきを行う工程、前記工程(2)で形成された電鋳母型の表面のめっきレジストを剥離する工程、及び前記電鋳母型から、前記金属製補強材がめっきにより接合された電鋳めっき層を剥離する工程を含んでいる。
また図4に示す工法2では、前述したように、前記工程(1)内では切りとらずに残しておいた枠体に張設されたメッシュのスキージ当接面側中央部を、めっきを施した後に切りとるものである。
この工法2によれば、電鋳母型の電鋳めっき層の表面に金属製補強材を密着させてめっきにより接合するまで、枠体に張設されたメッシュが切りとられずに残っているため、接合用開口部が形成された金属製補強材の寸法精度が高い。それによって、金属製基材と金属製補強材の位置合わせがしやすくなり、金属製補強材が金属製基材に形成された印刷パターン用開口部にかかる虞がなくなる。
この工法2によれば、電鋳母型の電鋳めっき層の表面に金属製補強材を密着させてめっきにより接合するまで、枠体に張設されたメッシュが切りとられずに残っているため、接合用開口部が形成された金属製補強材の寸法精度が高い。それによって、金属製基材と金属製補強材の位置合わせがしやすくなり、金属製補強材が金属製基材に形成された印刷パターン用開口部にかかる虞がなくなる。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例においては、図3に示す工法1により、以下のようにして、枠体を有するメタルマスクを作製した。
<SUS製エッチング孔版の作製>
大きさ400mm×600m、厚さ25μmのSUS板の両面に、フォトレジストフィルム(日立化成(株)製)をラミネートし、膜厚が35μmのフォトレジスト層を形成した。その後、直接描画装置で露光し、1wt%炭酸ナトリウム水溶液で現像して、前記SUS板中央部の印刷パターン領域においては、印刷パターン用開口部にかからないように設計されたメッシュ状パターン形状(メッシュ開口幅1.6mm)が形成され、また、前記SUS板外周部の非印刷パターン領域においては、ドット状開口部(孔径0.2mm)が形成されるように設計されたエッチングレジスト層を形成した。
次いで、得られたエッチングレジスト層が形成されたSUS板の両面からエッチング液(塩化第二鉄溶液)を用いて開口を形成した後、エッチングレジスト層を剥離し、上記所定の開口部を有するSUS製エッチング版を得た。
本実施例においては、図3に示す工法1により、以下のようにして、枠体を有するメタルマスクを作製した。
<SUS製エッチング孔版の作製>
大きさ400mm×600m、厚さ25μmのSUS板の両面に、フォトレジストフィルム(日立化成(株)製)をラミネートし、膜厚が35μmのフォトレジスト層を形成した。その後、直接描画装置で露光し、1wt%炭酸ナトリウム水溶液で現像して、前記SUS板中央部の印刷パターン領域においては、印刷パターン用開口部にかからないように設計されたメッシュ状パターン形状(メッシュ開口幅1.6mm)が形成され、また、前記SUS板外周部の非印刷パターン領域においては、ドット状開口部(孔径0.2mm)が形成されるように設計されたエッチングレジスト層を形成した。
次いで、得られたエッチングレジスト層が形成されたSUS板の両面からエッチング液(塩化第二鉄溶液)を用いて開口を形成した後、エッチングレジスト層を剥離し、上記所定の開口部を有するSUS製エッチング版を得た。
別途、内側にテトロン製スクリーンメッシュが張設された、矩形のアルミ製枠体(450mm×450mm、高さ25mm)を用意し、該テトロン製スクリーンメッシュ面に上記のSUS製エッチング版を接着した後、該テトロン製スクリーンメッシュの中央部を、前記SUS製エッチング版との接着部を残して切り取った。
<電鋳ニッケル板の作製>
大きさ400mm×400mm、厚さ400μmのSUS製電鋳母型の表面に、フォトレジストフィルム(日立化成(株)製)をラミネートし、膜厚が35μmのフォトレジスト層を形成した。その後、直接描画装置で露光し、1wt%炭酸ナトリウム水溶液で現像して、前記電鋳母型中央部表面には印刷パターン用開口部に対応するめっきレジスト層を形成するともに、前記電鋳母型外周部(□290mm)の表面にもめっきレジスト層を形成した。
次いで、めっきレジスト層が形成された電鋳母型表面に、スルファミン酸ニッケルめっき液を用いて、厚さ15μmの電鋳ニッケルめっきを施し、その後、前記電鋳母型の外周部表面に形成されためっきレジスト層だけを、得られた電鋳ニッケルめっき層の厚さと同じ厚さになるまで研磨した。
大きさ400mm×400mm、厚さ400μmのSUS製電鋳母型の表面に、フォトレジストフィルム(日立化成(株)製)をラミネートし、膜厚が35μmのフォトレジスト層を形成した。その後、直接描画装置で露光し、1wt%炭酸ナトリウム水溶液で現像して、前記電鋳母型中央部表面には印刷パターン用開口部に対応するめっきレジスト層を形成するともに、前記電鋳母型外周部(□290mm)の表面にもめっきレジスト層を形成した。
次いで、めっきレジスト層が形成された電鋳母型表面に、スルファミン酸ニッケルめっき液を用いて、厚さ15μmの電鋳ニッケルめっきを施し、その後、前記電鋳母型の外周部表面に形成されためっきレジスト層だけを、得られた電鋳ニッケルめっき層の厚さと同じ厚さになるまで研磨した。
<電鋳ニッケル板とSUS製エッチング孔版の接合>
得られた電鋳ニッケル層及びめっきレジスト層を表面に有する電鋳母型の電鋳ニッケル層の表面に、前記テトロン製スクリーンメッシュ(枠体に張設された後に中央部が切りとられたテトロン製スクリーンメッシュ)に接着されているSUS製エッチング孔版を密着させた後、該SUS製エッチング孔版側からニッケルめっき(厚さ10μm)を施して、前記電鋳ニッケル層とSUS製エッチング孔版とをめっき接合した。
その後、電鋳母型表面に形成されているめっきレジスト層を剥離した後、電鋳母型から、前記SUS製エッチング孔版がめっきにより接合されている電鋳ニッケルめっき層を剥離して、枠体を有するメタルマスクを得た。
得られた電鋳ニッケル層及びめっきレジスト層を表面に有する電鋳母型の電鋳ニッケル層の表面に、前記テトロン製スクリーンメッシュ(枠体に張設された後に中央部が切りとられたテトロン製スクリーンメッシュ)に接着されているSUS製エッチング孔版を密着させた後、該SUS製エッチング孔版側からニッケルめっき(厚さ10μm)を施して、前記電鋳ニッケル層とSUS製エッチング孔版とをめっき接合した。
その後、電鋳母型表面に形成されているめっきレジスト層を剥離した後、電鋳母型から、前記SUS製エッチング孔版がめっきにより接合されている電鋳ニッケルめっき層を剥離して、枠体を有するメタルマスクを得た。
図5は、実施例1で得られたメタルマスクの印刷パターン領域を、スキージ側からみた模式図(下)と、該模式図に挿入した破線部分における断面を示す模式図(上)である。
(実施例2)
本実施例においては、図3に示す工法2により、すなわち、前記実施例1において、前記<SUS製エッチング孔版の作製>の工程において、枠体に張設されたテトロン製スクリーンメッシュの中央部を切りとらずに残しておき、前記<電鋳ニッケル板とSUS製エッチング孔版の接合>の工程において、電鋳母型の電鋳ニッケル層の表面にSUS製エッチング孔版を密着させ、接合のためのニッケルめっきを施した後、前記テトロン製スクリーンメッシュの中央部を切りとった以外は、実施例1と同様にして、枠体を有するメタルマスクを得た。
本実施例においては、図3に示す工法2により、すなわち、前記実施例1において、前記<SUS製エッチング孔版の作製>の工程において、枠体に張設されたテトロン製スクリーンメッシュの中央部を切りとらずに残しておき、前記<電鋳ニッケル板とSUS製エッチング孔版の接合>の工程において、電鋳母型の電鋳ニッケル層の表面にSUS製エッチング孔版を密着させ、接合のためのニッケルめっきを施した後、前記テトロン製スクリーンメッシュの中央部を切りとった以外は、実施例1と同様にして、枠体を有するメタルマスクを得た。
図6は、実施例2で得られたメタルマスクの非印刷パターン領域をスキージ側から撮影した拡大写真の一部であって、丸形状を有する接合用の開口部が設けられていることがわかる。図中の11は、切り取ったポリエステル製スクリーンメッシュの痕跡である。
図7は、実施例2で得られたメタルマスクを用いて印刷された印刷物を撮影した拡大写真の一部である。
印刷パターン用開口部4にペーストを遮るものがないため、ペーストの吐出性が安定し、印刷物の表面に凹凸のない均一な膜厚を有す印刷物が形成できていることがわかる。
印刷パターン用開口部4にペーストを遮るものがないため、ペーストの吐出性が安定し、印刷物の表面に凹凸のない均一な膜厚を有す印刷物が形成できていることがわかる。
(比較例)
比較例として、補強材を有しないメタルマスクを製造した。
図8は、比較例(補強材なし)の製造方法を示す工程図である。
該図に示すとおり、比較例では、実施例1,2におけるSUS製エッチング孔版を製造する工程がなく、実施例1、2における電鋳ニッケル板を製造する工程と同様にして、電鋳母型の表面に膜厚が35μmのフォトレジスト層と厚さ25μmの電鋳ニッケル層を形成した。
次いで、別途用意したポリエステル製スクリーンメッシュが張設された枠体の該スクリーンメッシュを、前記電鋳ニッケル層の外周部表面に接着した。
その後、ポリエステル製スクリーンメッシュの中央部をカットした後に、レジスト層を剥離し、前記電鋳母型から電鋳ニッケル層を剥がして、比較例である、枠体を有するメタルマスクを得た。
比較例として、補強材を有しないメタルマスクを製造した。
図8は、比較例(補強材なし)の製造方法を示す工程図である。
該図に示すとおり、比較例では、実施例1,2におけるSUS製エッチング孔版を製造する工程がなく、実施例1、2における電鋳ニッケル板を製造する工程と同様にして、電鋳母型の表面に膜厚が35μmのフォトレジスト層と厚さ25μmの電鋳ニッケル層を形成した。
次いで、別途用意したポリエステル製スクリーンメッシュが張設された枠体の該スクリーンメッシュを、前記電鋳ニッケル層の外周部表面に接着した。
その後、ポリエステル製スクリーンメッシュの中央部をカットした後に、レジスト層を剥離し、前記電鋳母型から電鋳ニッケル層を剥がして、比較例である、枠体を有するメタルマスクを得た。
(印刷パターン領域の寸法の経時変化の測定)
実施例2で得られたメタルマスクと、比較例で得られたメタルマスクを用いて、オフコンタクト印刷を繰り返し行い、両者の印刷パターン領域の寸法の経時変化を測定した。なお、寸法の経時変化は、図2中に示すように、印刷パターン部6に測定点(×)を定め、その測定点の位置変化を測定することにより行った。
実施例2で得られたメタルマスクと、比較例で得られたメタルマスクを用いて、オフコンタクト印刷を繰り返し行い、両者の印刷パターン領域の寸法の経時変化を測定した。なお、寸法の経時変化は、図2中に示すように、印刷パターン部6に測定点(×)を定め、その測定点の位置変化を測定することにより行った。
図9は、その結果を示す図であり、左側の図が、実施例2で得られたメタルマスクの場合を、右側の図が、比較例で得られた補強材のないメタルマスクの場合を、それぞれ示している。
該図から明らかなように、実施例2で得られたメタルマスクは、比較例で得られた補強材を有しないメタルマスクに比較して、印刷パターン領域の寸法の経時変化が少ないことがわかる。
該図から明らかなように、実施例2で得られたメタルマスクは、比較例で得られた補強材を有しないメタルマスクに比較して、印刷パターン領域の寸法の経時変化が少ないことがわかる。
本発明に係るメタルマスクによれば、薄膜印刷パターンを精度良く、且つ経時変化なく安定して形成することができるので、薄膜印刷でありながらも表面に凹凸のない、均一な膜厚を有する印刷パターンを得ることができ、より薄く、より印刷位置ずれのない高精度の印刷が安定して求められている電子部品における配線印刷等の分野における利用が可能となる。
1 金属製基材
2 金属製補強材
3 めっき(接合用)
4 印刷パターン用開口部
5 基材との接合用開口部
6 印刷パターン領域
7 非印刷パターン領域
8 枠体
9 中央部が切りとられた網状体からなるメッシュ
10 メッシュ9と金属製補強材2との接着部
11 切りとったメッシュ9の痕跡
2 金属製補強材
3 めっき(接合用)
4 印刷パターン用開口部
5 基材との接合用開口部
6 印刷パターン領域
7 非印刷パターン領域
8 枠体
9 中央部が切りとられた網状体からなるメッシュ
10 メッシュ9と金属製補強材2との接着部
11 切りとったメッシュ9の痕跡
Claims (16)
- 印刷パターン用開口部が設けられた金属製基材と、該基材を補強する金属製補強材とがめっき接合されたメタルマスクであって、
前記補強材は、少なくとも印刷パターン領域に前記基材との接合用開口部を有し、
前記印刷パターン用開口部には、前記補強材が存在しないことを特徴とするメタルマスク。 - 前記補強材が、前記基材に用いられる金属とは異なる金属からなることを特徴とする請求項1に記載のメタルマスク。
- 前記補強材が、非網状の金属製板材からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のメタルマスク。
- 前記補強材が、エッチング孔版からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のメタルマスク。
- 前記基材が、電鋳めっき版からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のメタルマスク。
- 前記基材が、ニッケル製又はニッケル合金製であり、前記補強材が、ステンレス製であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のメタルマスク。
- 前記印刷パターンの開口部が設けられた印刷パターン領域の外周に、印刷パターンの開口部を有しない非印刷パターン領域を有し、該非印刷パターン領域に接合用開口部を有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のメタルマスク。
- 前記補強材が、枠体に張設されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のメタルマスク。
- 前記補強材は、該補強材の外周に接着されている網状体からなるメッシュを介して、前記枠体に張設されていることを特徴とする請求項8に記載のメタルマスク。
- 前記メッシュが、合成樹脂製であることを特徴とする請求項9に記載のメタルマスク。
- 印刷パターンの開口部を有する金属製基材と、該基材を補強する金属製補強材とがめっき接合されたメタルマスクの製造方法であって、
前記金属製基材との接合用開口部を有するとともに、前記印刷パターンの開口部に存在しないように設計された金属製補強材を準備する工程(1)と、
印刷用パターン開口部が形成された金属製基材を準備する工程(2)と、
前記工程(1)で得られた金属製補強材と前記工程(2)で得られた金属製基材とを、前記印刷用パターン開口部に前記金属製補強材がかからないように密着させた後、前記印刷パターンの開口部が形成されている領域以外にめっきを施して、前記金属製補強材と前記金属製基材とを接合する工程(3)と、
を、少なくとも有することを特徴とするメタルマスクの製造方法。 - 前記工程(1)が、金属板のエッチングにより準備する工程であることを特徴とする請求項11に記載のメタルマスクの製造方法。
- 前記工程(1)が、前記工程(1)で得られた金属製補強材を、網状体からなるメッシュが張設された枠体の前記メッシュに接着した後、前記メッシュのスキージ当接面側中央部を切りとる工程をさらに含むことを特徴とする請求項11又は12に記載のメタルマスクの製造方法。
- 前記工程(1)が、前記工程(1)で得られた金属製補強材を、網状体からなるメッシュが張設された枠体の前記メッシュに接着する工程をさらに含み、前記工程(3)において、前記金属製基材を、前記印刷用パターン開口部に前記金属製補強材がかからないように密着させ、前記金属製補強材と前記金属製基材とをめっき接合した後に、前記メッシュのスキージ当接面側中央部を切りとる工程をさらに含むことを特徴とする請求項11又は12に記載のメタルマスクの製造方法。
- 前記工程(2)が、電鋳母型の表層に前記印刷パターン用開口部に対応するめっきレジスト層を、前記メタルマスクの厚み以上の厚さに形成する工程と、前記電鋳母型の前記めっきレジスト層で覆われていない表面に、前記金属製基材に相当する厚さに電着層を形成する工程を含み、
前記工程(3)が、前記工程(2)で得られた電着層の表面に、前記工程(1)で得られた金属製補強材を密着させてめっきを行う工程、前記電鋳母型の表面に形成されためっきレジストを剥離する工程、及び前記電鋳母型から、前記金属製補強材がめっきにより接合された電着層を剥離する工程を含むことを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載のメタルマスクの製造方法。 - 前記工程(2)における電鋳母型の表層にめっきレジスト層を形成する工程が、前記電鋳母型の外周部に対応する表面にめっきレジスト層を形成する工程を含み、前記工程(2)における電鋳層を形成する工程の後に、前記電鋳母型の外周部に対応する表面に形成されためっきレジスト層を、得られた電鋳層の厚さと同じ厚さまで研磨する工程を含むことを特徴とする請求項15に記載のメタルマスクの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019035634A JP2020138427A (ja) | 2019-02-28 | 2019-02-28 | メタルマスク及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2019035634A JP2020138427A (ja) | 2019-02-28 | 2019-02-28 | メタルマスク及びその製造方法 |
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