JP2020138243A - 刃付き回転ロール - Google Patents

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俊明 大野
水野 慎一
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Abstract

【課題】本発明の目的は、柔らかいフィルムや薄いフィルムであっても、微細な貫通孔を設けることができる刃付き回転ロールを提供することにある。【解決手段】本発明の刃付き回転ロール1は、回転ロール1の外周表面2に複数の突起刃3を備える刃付き回転ロール1であって、突起刃3の幅が0.1〜0.3mm、突起刃3の高さが0.05〜0.5mm、回転ロール1の外周表面2に接する面と突起刃3の起立面とのなす角度βが85〜95°であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、刃付き回転ロールに関する。
弁当、惣菜、野菜等を包装する密封袋やフィルムには、通気用の微細な貫通孔を設けることがある。密封袋やフィルムに貫通孔を形成する方法として、フィルム加工具を用いる方法が知られている。フィルム加工具としては、周面に突起刃が多数形成された刃付回転ロールが知られている(特許文献1)。
特開昭61−142133号公報
特許文献1の回転ロールは、ポリエステルからなる比較的硬いフィルムを構成フィルムとした厚みが60μmの複合フィルムに孔を設けるため、幅が広い突起を用いている。
近年、包装用の密封袋やフィルムには、外観性、扱いやすさ等の観点から、柔らかいフィルムや薄いフィルムが用いられることが増えてきている。柔らかいフィルムや薄いフィルムに微細な貫通孔を設ける場合、幅が大きい突起を用いると貫通孔が大きくなりすぎたり、フィルムが裂けたりすることがあった。
従って、本発明の目的は、低密度ポリエチレンやポリプロピレン等の柔らかいフィルムや厚みが20μm程度以下の薄いフィルムであっても、害虫やダニ等が通過することが出来ない程度に微細な貫通孔を設けることができる刃付き回転ロールを提供することにある。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]
回転ロールの外周表面に複数の突起刃を備える刃付き回転ロールであって、
前記突起刃の幅が0.1〜0.3mm、
前記突起刃の高さが0.05〜0.5mm、
前記回転ロールの外周表面に接する面と前記突起刃の起立面とのなす角度βが85〜95°であることを特徴とする、刃付き回転ロール。
[2]
フィルム加工用の刃付き回転ロールである、[1]に記載の刃付き回転ロール。
[3]
[1]又は[2]に記載の刃付き回転ロールと、受ロールとを含むことを特徴とする、フィルム加工装置。
本発明によれば、上記構成を有するため、柔らかいフィルムや薄いフィルムであっても、微細な貫通孔を設けることができる刃付き回転ロールを提供することができる。
本実施形態の刃付き回転ロールの一例を示す概略図(斜視図)である。 本実施形態の刃付き回転ロールの外周表面を拡大した概略図(斜視図)である。 本実施形態の刃付き回転ロールの外周表面に突起刃を設ける方法の一例を示す概略図(断面図)であり、回転ロールの外周表面に切り込みを入れた図である。 本実施形態の刃付き回転ロールの外周表面に突起刃を設ける方法の一例を示す概略図(断面図)であり、切り込みを起立させた図である。 突起刃の一例を示す概略図あり、突起刃の斜視図である。 突起刃の一例を示す概略図あり、突起刃の正面図である。 突起刃の一例を示す概略図あり、突起刃の平面図である。 突起刃の一例を示す概略図あり、図4AのX−X断面図である。 本実施形態の刃付き回転ロールの外周表面を拡大した平面図の一例である。 本実施形態の刃付き回転ロールの外周表面を拡大した平面図の一例である。 本実施形態の刃付き回転ロールの外周表面を拡大した平面図の一例である。 実施例1の刃付き回転ロールの突起刃の概略図(正面図)である。 実施例1の刃付き回転ロールの突起刃の概略図(平面図)である。 実施例1の刃付き回転ロールの突起刃の概略図(側面図)である。 実施例1の刃付き回転ロールの外周表面を拡大した概略図(平面図)である。 突起刃の一例を示す概略図であり、突起刃の正面図である。 比較例1の刃付き回転ロールの突起刃の概略図(正面図)である。 比較例1の刃付き回転ロールの突起刃の概略図(平面図)である。 比較例1の刃付き回転ロールの突起刃の概略図(側面図)である。 比較例1の刃付き回転ロールの外周表面を拡大した概略図(平面図)である。 比較例2の刃付き回転ロールの突起刃の概略図(正面図)である。 比較例2の刃付き回転ロールの突起刃の概略図(平面図)である。 比較例2の刃付き回転ロールの突起刃の概略図(側面図)である。 比較例2の刃付き回転ロールの外周表面を拡大した概略図(平面図)である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明する。
なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[刃付き回転ロール]
本発明の刃付き回転ロールは、回転ロールの外周表面に複数の突起刃を備える刃付き回転ロールであって、上記突起刃の幅が0.1〜0.3mm、上記突起刃の高さが0.05〜0.5mm、上記回転ロールの外周表面に接する面と前記突起刃の起立面とのなす角度βが85〜95°である。
突起刃の幅と高さとを特定の範囲とすることにより、低密度ポリエチレンやポリプロピレン等の柔らかいフィルムや厚みが20μm程度以下等の薄いフィルムであっても、複数の微細な貫通孔を、裂けることなく形成することができる。特に、柔らかく且つ薄いフィルムに微細な貫通孔を設ける場合、突起刃の幅又は高さが大きかったり小さかったりすると、貫通孔が形成できない、フィルムが裂けやすくなる、等の問題が生じやすかった。また、突起刃の起立面のなす角度βが小さい又は大きすぎると、貫通孔が大きくなりすぎたり、穴あけ時に突起刃がフィルムを引っ張ることでフィルムを破損したり、フィルムが裂けたりすることがあった。
本発明者らは、突起刃の幅、高さ及び起立面のなす角度βを特定範囲とすることで、上記の問題を解決できることを見出した。また、貫通孔の大きさを変えるために押しつけ圧を変更する必要がなくなり、容易に一定の大きさの貫通孔を形成することができる。
図1に本実施形態の刃付き回転ロールの一例を示す。図1の刃付き回転ロール1は、円盤状の形状であって、周方向の外周表面2上に、複数の突起刃3が設けられている。ここで、刃付き回転ロールが円柱状である場合、外周表面とは外周面(円柱面)である。また、外周表面2を挟む側面4は、平坦であってもよいし、平坦でなくてもよい。また、刃付き回転ロール1は、フィルム等を加工する装置等に取り付ける部位(取り付け部位5)を備えている。
なお、本明細書において、「周方向」とは、刃付き回転ロールの外周表面2に沿う周方向をいい、「周直交方向」とは、外周表面2における周方向に直交する方向をいう。
「突起刃の周方向の端」は、突起刃3を外周表面2に対して視線が垂直になるように上側から平面視した時の、突起刃の周方向の最も端にある点であり、例えば、図3Bの窪み32、起立面33、隆起面34を含む突起刃3では、刃先31が形成する線上の、周方向の最も端にある点としてよい。「突起刃の周直交方向の端」も同様に、例えば、突起刃3を外周表面2に対して視線が垂直になるように上側から平面視した時の、刃先31が形成する線上の、周直交方向の最も端にある点としてよい。
(回転ロール)
上記回転ロールの材質としては、例えば、SUS合金等の金属、樹脂等が挙げられ、耐久性、耐熱性の観点から、金属が好ましい。また、回転ロールは、外周表面が、フィルム等の加工が可能な程度に硬い材質であればよく、外周表面の内側と、外周表面とが異なる材質であってもよい。
回転ロール表面は、窒化チタンやダイアモンドライクカーボン(DLC)等で硬化処理をしてもよい。柔らかいフィルムへの貫通孔形成が一層容易となり、回転ロールの耐久性が向上する観点から、窒化チタンで複数回硬化処理することが好ましい。
回転ロールの形状としては、当該回転ロールを周方向に平行に切断した断面が、円形又は楕円形になるものであれば良く、円柱状、円盤状、円錐状、紡錘状、球の外周の一部が平坦である形状、等が挙げられる。
本実施形態の刃付き回転ロールは、フィルム加工装置等の装置に取り付けられるよう、装置への取り付け部位が設けられていてもよい。例えば、円盤状の金属ロールの一方の側面から他方の側面まで貫通する中空洞の取り付け部位が設けられた円筒状であってもよい(図1)。
刃付き回転ロールの直径Rとしては、30〜200mmが好ましく、より好ましくは50〜120mmである。
なお、「直径R」とは、回転ロールの突起刃がない部分の外周表面により形成される円の直径をいう(図1)。また、楕円の場合は、長径をいう。
刃付き回転ロールの幅D(図2)としては、5〜100mmが好ましく、より好ましくは10〜60mmである。
刃付き回転ロールの直径Rに対する幅Dの長さ割合(D/R)としては、0.08〜1.2が好ましく、より好ましくは0.1〜0.7である。
なお、「幅D」とは、回転ロールの外周表面の周直交方向の長さをいう(図2)。
刃付き回転ロールの目立て幅Wとしては、3〜99mmが好ましく、より好ましくは10〜60mmである。
ここで、「目立て幅W」とは、外周表面上の突起刃が設けられている領域の周直交方向の長さをいう(図2)。なお、上記目立て幅Wは、外周表面上の周直交方向の両端に位置する一方の突起刃の周直交方向の端と他方の突起刃の周直交方向の端間の長さとして良い(図2)。
刃付き回転ロールの幅Dに対する刃付き回転ロールの目立て幅Wの長さ割合(W/D)としては、0.5以上1.0未満が好ましく、より好ましくは0.6〜0.99である。刃付き回転ロールの周直交方向の両端は、突起刃がない領域が設けられていてよく、突起刃がない該領域は、周直交方向両端で同じ長さであることが好ましい(図2)。
(突起刃)
上記突起刃としては、例えば、回転ロールに切り込みを設けて回転ロールの一部を起立させて形成した刃、切削加工により削り出した刃、放電加工により形成した刃、別に作製した刃を回転ロール外周表面に接着等させて設けた刃等が挙げられる。中でも、経済性、耐久性の観点から、回転ロールの一部を起立させて形成した刃、又は切削加工により削り出した刃が好ましく、回転ロールと突起刃とは同じ材質であることが好ましい。
図2は、外周表面2に回転ロールに切り込みを設けて回転ロールの一部を起立させて形成した複数の突起刃3が設けられている、本実施形態の刃付き回転ロールの一例の外周表面の拡大図である。
上記突起刃は、図3に示すように、回転ロールの外周表面2に切り込み35を設け(図3A)、切り込み35を設ける操作により切り込まれた面を起立させた起立面33と、該起立させる作用により生じた起立面背後の隆起面34とからなり、上記起立面33と上記隆起面34との交線により形成される稜線が刃先31である突起刃3である(図3B)。突起刃3において、起立面33を挟んで一方の側に隆起面34、他方の側に切り込みを設けた際に生じた窪み32(外周表面より低い部分)がある(図3B)。
なお、図3A、3Bは、刃付き回転ロール1の周方向に切断した断面図である。また、刃先31とは、先端が鋭利であることが望ましいが、耐久性の点からある程度の厚みがあってもよい。
上記突起刃の周直交方向両端間の距離i(突起刃の幅)としては、0.1〜0.3mmであり、より好ましくは0.15〜0.25mmである(図4A、B)。距離iを上記範囲とすることにより、厚みが20μm程度以下等の薄いフィルムであっても、フィルムが裂けることなく害虫やダニ等が通過することが出来ない程度に微細な貫通孔を設けることができる。
なお、「距離i」とは、1個の突起刃の外周表面上の周直交方向両端のうち、一方の端から、他方の端までの外周表面に沿う長さをいう(図4A、B)。なお、刃先31の稜線が周方向となるように突起刃が設けられる場合、距離iは、周方向両端間の距離となる。
上記突起刃の周直交方向両端間を結ぶ線と、該線に直交する方向の突起部の端部との距離kとしては、0.05〜0.5mmが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3mmである(図4A、C)。ここで、周直交方向と平行に刃を当て、周直交方向に切り込みを入れて突起刃を形成した場合、上記kは、突起刃の周方向の長さとなる。
なお、「距離k」とは、1個の突起刃の周直交方向両端を結んだ外周表面に沿う線から、突起刃の最奥部(刃先の頂点へ向かう隆起面の稜線が実質的に外周表面からかい離した点のうち、突起刃の周直交方向両端を結んだ外周表面に沿う線から最も離れた点)までの長さをいう(図4A、C)。なお、刃先31の稜線が周方向となるように突起刃が設けられる場合、上記突起刃の周直交方向両端間を結ぶ線は、周方向両端間を結ぶ線とする。
上記突起刃の高さhとしては、0.05〜0.5mmが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3mmである(図4A、B)。高さhを上記範囲とすることにより、フィルムに厚み斑や弛み等があっても貫通孔を設けることができる。
なお、「高さh」とは、外周表面から、刃先の頂点までの長さをいう(図4A、B)。
上記距離iに対する上記距離kの長さ割合(k/i)としては、突起刃の耐久性の観点から、0.3〜2が好ましく、より好ましくは0.5〜1.5である。
また、上記距離iに対する上記高さhの長さ割合(h/i)としては、突起刃の耐久性の観点から、0.3〜2が好ましく、より好ましくは0.5〜1.5である。
上記突起刃の周直交方向の両端を結ぶ線と、上記回転ロールの周直交方向とがなす角度αは、−45〜45°であることが好ましく、より好ましくは−30〜30°、さらに好ましくは−15〜15°である。
ここで、上記角度αは、突起刃の周直交方向の一端と周直交方向の他端とを結んだ回転ロール外周表面に沿う線と、外周表面の周直交方向とがなす角度であって、周直交方向に対して時計回りを正とする角度をいう(図5C)。なお、図1、図2、図5A、図5Bは、角度αが0°の例である。
上記突起刃の、外周表面2に接する面と、突起刃の起立面とのなす角度(外周表面2に接する面と、突起刃の刃先31の頂点を通る起立面33との角度)βは、フィルム加工時のフィルムへの刃先の突き差し易さ、低密度ポリエチレンやポリプロピレン等の柔らかいフィルムへの微細な貫通孔の設けやすさ、フィルムの裂けにくさの観点から、85〜95°が好ましく、より好ましくは87〜92°である(図4D)。
ここで、起立面33とは、窪み32を含む突起刃3では窪み32に面した面をいい(図4D)、窪みがない突起刃では、刃先の頂点を含む突起刃表面であって、外周表面2とのなす角度が最も90°に近い面をいう。
上記突起刃の、外周表面2に接する面と、突起刃の隆起面とのなす角度(外周表面2に接する面と、突起刃の刃先31の頂点を通る隆起面34との角度)γは、突起刃の耐久性が一層向上する観点から、50°よりも大きいことが好ましい(図4D)。また、低密度ポリエチレンやポリプロピレン等の柔らかいフィルムへの微細な貫通孔の設けやすさの観点からは80°以下が好ましい(図4D)。より好ましくは、60〜75°である。
ここで、隆起面34とは、刃先の頂点を挟んで上記起立面33と反対側の面をいう。
なお、「角度β」「角度γ」は、図4Dに示すように、窪み32側の角度であって、外周表面2に対して刃先31側を正の方向とする角度をいう。
上記突起刃を外周表面に対して視線が垂直になるように上側から平面視した時の突起刃3の形状(窪み32を除く形状、図4C)としては、半円状、半楕円状、半多角形状、台形状、かまぼこ状等が挙げられる。
上記突起刃の起立面33の形状としては、半円状、半楕円状、多角形状(半多角形状、図7に示すような所定の高さまで一定幅で上記所定の高さから先端にかけて幅が漸減する形状等)、台形状等が挙げられる(図4B)。中でも、貫通孔形成時に、刃付きロールを押しつける圧力によらず、一定の大きさの貫通孔を設けることができる観点から、所定の高さまで一定幅で上記所定の高さから先端にかけて幅が漸減する上記形状が好ましい。
上記突起刃の刃先(例えば、刃先の頂点)は鋭利であることが好ましい。刃先(例えば、刃先の頂点)は、曲率の中心が突起刃内部にあり、曲率が15mm-1以上であることが好ましく、尖っていることがより好ましい。
本実施形態の刃付き回転ロールに設けられる複数の各突起刃は、同じ形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。
上記突起刃は、周方向に配列して設けられることが好ましい(図5)。周方向に配列して設けられた突起刃は、碁盤目状(図5A、5C)に設けられていてもよいし、千鳥状(図5B)に設けられていてもよい。
配列数は、加工後のフィルム等の強度に優れる観点から、周直交方向に8列以上であることが好ましく、刃の加工性の観点から、より好ましくは8〜50列である。
なお、図5Aは、碁盤目状に角度αが0°の突起刃が4列に設けられている例、図5Bは千鳥状に角度αが0°の突起刃が7列に設けられている例、図5Cは碁盤目状に角度αが20°の突起刃が3列に設けられている例である。
また、周方向に設ける各列中の突起刃の数としては、柔らかいフィルムでも確実に孔を設けることと加工後のフィルム等の強度に優れる観点から、周方向1cm当たり、2〜20個が好ましく、より好ましくは3〜10個である。
隣り合う上記突起刃の間隔(ピッチ)としては、以下が好ましい。
同じ配列上の周方向に隣り合う上記突起刃の周直交方向端間の周方向の最短距離P1(図5A、5B、5C)としては、加工後のフィルム等の強度及び刃の加工性の観点から、0〜4mmが好ましく、より好ましくは0〜3.0mmである。なお、碁盤目状に角度αが0°の突起刃が配列している場合、P1は0mmとならないことが好ましい。
隣り合う上記突起刃の周直交方向端間の周直交方向の最短距離P2(図5A、5B、5C)としては、刃の加工性にも優れる観点から、0.3〜2.5mmが好ましく、より好ましくは0.6〜2.0mmである。
隣り合う上記突起刃の周直交方向端間の最短距離P3(図5A、5B、5C)としては、加工後のフィルム等の強度に優れる観点から、0.3〜4mmが好ましく、より好ましくは0.4〜2.5mmである。
同じ配列上の隣り合う上記突起刃の中心間の周方向の最短距離P4(図5A、5B、5C)としては、加工後のフィルム等の強度に優れる観点から、0.3〜3.0mmが好ましく、より好ましくは0.4〜3.0mmである。
隣り合う上記突起刃の中心間の周直交方向の最短距離P5(図5A、5B、5C)としては、加工後のフィルム等の強度に優れ、刃の加工性に優れる観点から、0.3〜4mmが好ましく、より好ましくは0.6〜2.0mmである。
隣り合う上記突起刃の中心間の最短距離P6(図5A、5B、5C)としては、加工後のフィルム等の強度に優れ、刃の加工性に優れる観点から、0.5〜4mmが好ましく、より好ましくは1〜2mmである。
なお、突起刃の中心とは、1個の突起刃の周直交方向両端を結ぶ線分の中点をいう。
隣り合う突起刃において、P1に対するP2の長さ割合(P2/P1)としては、フィルムに形成した孔から一定方向に裂けが伝播することを避けるために、0.1〜5であることが好ましく、より好ましくは0.2〜3である。
外周表面の単位面積当たりの突起刃の数としては、加工後のフィルム等の強度及び刃の加工性の観点から、0.1〜2個/mm2が好ましく、より好ましくは0.3〜1個/mm2である。
なお、単位面積当たりの突起刃の数は、隣接する4つの各突起刃の中心を結んだ四角形(図5A−5Cの6)中に含まれる突起刃の数から算出することができる。
以上、突起刃の形状や配列等について、図2から図5に示した回転ロールに切り込みを設けて回転ロールの一部を起立させて形成した刃について示したが、切削加工により削り出した刃、放電加工により形成した刃又は別に作製した刃を回転ロール外周表面に接着等させて設けた刃等についても同様である。
(用途)
本実施形態の刃付き回転ロールの用途としては、例えば、樹脂、アルミ箔、紙等からなるフィルム、該フィルムから製造される包装袋等に、傷痕を設ける加工用途等が挙げられる。本実施形態の刃付き回転ロールは、特に薄くて柔らかい樹脂性フィルムの加工用途に適している。
本実施形態の刃付き回転ロールの使用方法としては、本実施形態の刃付き回転ロールと、該刃付き回転ロールと共に回転する受ロールとの間にフィルム等を挟み込み、2つのロール間にフィルム等を連続的に引き込むと同時に送り出すことで、フィルムを加工する方法等が挙げられる。
刃付き回転ロールを回転させ、突起刃でフィルムを押圧すると、刃先の稜線でフィルムを切り、フィルムに微小な細長の貫通孔群を設けることができる。フィルムへの押しつけ圧を調節することにより大きさの異なる孔を設けてもよいが、フィルムを突起刃の刃元まで刺すことで、一定の大きさの貫通孔を容易に確実に形成することができる。
なお、フィルム等に微細な貫通孔を設ける方法としては、例えば、レーザー、超音波等のエネルギー線を照射する方法が知られている。しかしながら、これらの方法で貫通孔を設ける場合、貫通孔周辺にもエネルギー線照射に起因する熱が加わることによる貫通孔周辺部の変形等の外観不良、エネルギー線を一定時間照射するために加工効率が悪い、貫通孔の配置や形状を制御しにくい、等の問題があった。
上記フィルムとしては、密封袋等として流通、保管に耐えうる強度を有するものであればよく、ナイロン、ポリエステル、配向ポリプロピレン等が使用でき、特に微細な貫通孔の形成しやすさの観点から、柔らかいフィルムが好ましく、ポリオレフィン性フィルム(ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等)、ナイロンフィルムがより好ましい。
上記フィルムは、単層フィルムであってもよいし積層フィルムであってもよい。また、製袋しやすい観点から、熱融着可能な樹脂層を積層したフィルムであってもよい。熱融着可能な樹脂としては、低密度ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。また、被包装体保護の観点からは上記手段によって貫通孔を設けたフィルムと貫通孔を設けていないフィルムとを貼り合わせたのもが好ましい。具体的には、貫通孔加工ナイロンフィルム/ポリエチレンフィルム、貫通孔加工ポリエステルフィルム/ポリエチレンフィルム、貫通孔加工配向ポリプロピレンフィルム/ポリエチレンフィルム、貫通孔加工ポリエステルフィルム/アルミ箔/ポリエチレンフィルム、ポリエチレンフィルム/貫通孔加工ナイロンフィルム/ポリエチレンフィルム等が挙げられる。
更に、貫通孔のラインと同方向に配向した引き裂き性の良いフィルムが更に好ましい。
熱融着温度は、押しつけ圧、押しつけ時間、フィルムの厚さ、種類等によって異なるが、80〜180℃、通常は120〜150℃で行われ、このような温度で溶融状態、少なくとも半溶融状態になるものが好ましい。
本実施形態の刃付き回転ロールによる効果が特に得られやすいという観点から、フィルムの硬さとしては、ASTM−D−882に準じて測定されるヤング率が、2,000MPa以下であることが好ましく、より好ましくは1〜1,000MPaである。
本実施形態の刃付き回転ロールによる効果が特に得られやすいという観点から、フィルムの厚さとしては、100μm以下であることが好ましく、より好ましくは5〜30μmである。
本実施形態の刃付き回転ロールで設けられる貫通孔としては、フィルム等を貫通する孔であることが好ましい。貫通孔の形状としては、例えば、円形状、楕円形状等が挙げられる。
貫通孔の長辺としては、0.1〜0.3mmが好ましく、より好ましくは0.15〜0.25mmである。貫通孔の短辺としては、0.001〜0.05mmが好ましく、より好ましくは0.002〜0.02mmである。また、貫通孔の短辺に対する長辺の長さ割合(長辺/短辺)としては、0.02〜0.5が好ましく、より好ましくは0.03〜0.2である。
上記貫通孔は、フィルム等の加工対象物に、直線状に配列して設けられていることが好ましく、フィルム等の一方の端から他方の端までフィルムの端縁に平行に設けられていてもよいし、フィルムの一方の端から斜め方向に設けられていてもよい。また、フィルム等の一方の端から他方の端まで連続して設けられていてもよいし、断続的に設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよい。
[フィルム加工装置]
本実施形態のフィルム加工装置は、上述の本実施形態の刃付き回転ロールと、受ロールとを少なくとも含む。刃付き回転ロールと受けロールとは、加工対象物をロール間に挟んで、周直交方向の1線で押しつけながら、同一の周速度で逆方向に回転することが好ましい。
上記受けロールの刃付き回転ロールと接する面の材質としては、例えば、硬質ウレタンや加硫ゴム等が挙げられ、また布テープ等の、刃の硬度よりも柔らかいが刃によって形成される孔が伝播し難い素材を受けロール表面に貼り付けても良い。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
SUS304製の円盤ロールの外周表面に、機械目立て工法によって複数の切り込みを設け、切り込まれた面を起立させて突起刃を設け、表1に記載の寸法の刃付き回転ロールを製造した(実施例1及び比較例1、2)。
[評価]
ロール状に巻き取られた、幅600mm、厚み10μm、ヤング率6MPaの二軸延伸低密度ポリエチレン製フィルムを繰り出して、実施例又は比較例で得られた刃付き回転ロールを、布テープを巻きつけた受けロールに押し当て、ライン速度100m/minで上記フィルムの両端部から中央に傷痕を設けて巻き取った。
市販の蒸気口付き容器に入れられたパスタを、加工した上記フィルムでピロー包装した後、140℃の熱風シュリンクトンネルを通して熱収縮包装した。包装後仕上がりを確認して、空気溜りが残っていないものを「◎」(優れる)、若干空気が残って膨らんでいるものの商品としては合格レベルを「○」(良好)、空気残りがあり商品価値がないもの「△」(不良)、フィルム破れが発生または底シール剥がれが発生を「×」(劣る)とした。
また上記方法で作製した弁当包装体を、25℃に調整した部屋で、ナイロンゴースケージ(30cm×30cm×高さ30cm)内の床面に設置し、オオキモンノミバエ100頭をケージ内に放して試験を開始した。放虫24時間後に各包装体内の侵入虫数を調査した。
また、傷痕形成直後に任意の貫通孔20個の最大径の長さを測定し、その平均値を貫通孔の長径(mm)とした。また、侵入虫数の試験後に任意の貫通孔20個の大きさを測定し、その平均値を貫通孔の大きさ(mm)とした。なお、最大径を貫通孔の大きさとした。
Figure 2020138243
1 刃付き回転ロール
2 外周表面
3 突起刃
31 刃先
32 窪み
33 起立面
34 隆起面
35 切り込み
4 側面
5 取り付け部位
6 隣接する4つの各突起刃の中心を結んだ四角形
i 突起刃の周直交方向両端間の距離
k 突起刃の周直交方向両端間を結ぶ線と、該線に直交する方向の突起部の端部との距離
h 突起刃の高さ
α 突起刃の周直交方向の両端を結ぶ線と、回転ロールの周直交方向とがなす角度
β 突起刃の、外周表面に接する面と、突起刃の起立面とのなす角度
γ 突起刃の、外周表面に接する面と、突起刃の隆起面34とのなす角度
P1 隣り合う突起刃の周直交方向端間の周方向の最短距離
P2 隣り合う突起刃の周直交方向端間の周直交方向の最短距離
P3 隣り合う突起刃の周直交方向端間の最短距離
P4 隣り合う突起刃の中心間の周方向の最短距離
P5 隣り合う突起刃の中心間の周直交方向の最短距離
P6 隣り合う突起刃の中心間の最短距離
R 刃付き回転ロールの直径
D 刃付き回転ロールの幅
W 刃付き回転ロールの目立て幅

Claims (3)

  1. 回転ロールの外周表面に複数の突起刃を備える刃付き回転ロールであって、
    前記突起刃の幅が0.1〜0.3mm、
    前記突起刃の高さが0.05〜0.5mm、
    前記回転ロールの外周表面に接する面と前記突起刃の起立面とのなす角度βが85〜95°であることを特徴とする、刃付き回転ロール。
  2. フィルム加工用の刃付き回転ロールである、請求項1に記載の刃付き回転ロール。
  3. 請求項1又は2に記載の刃付き回転ロールと、受ロールとを含むことを特徴とする、フィルム加工装置。
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