JP2020135956A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザーの要望に応じて静粛性を確保できる技術を提供する。【解決手段】通常暖機運転モードと低速暖機運転モードとを有する暖機運転を行う燃料電池システムは、燃料電池スタックと、コンプレッサと、スタック温度を取得する温度計測部と、暖機運転において、スタック温度が予め定められた第1閾値温度に上昇するまで、出力電圧を予め定められた電圧に制御し、かつ、カソードガス供給量を予め定められた供給量に制御する制御部と、を備える。制御部は、低速暖機運転モードが選択された場合において、スタック温度が第1閾値温度から第2閾値温度に上昇するまで、出力電圧を通常暖機運転モードにおける第1電圧より高い第2電圧に制御し、かつ、カソードガス供給量を通常暖機運転モードにおける第1供給量より少ない第2供給量に制御し、暖機運転を終了する要求を取得し、かつ、スタック温度が第1閾値温度以上である場合に、暖機運転を終了する。【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池システムにおいて、例えば、特許文献1に記載されているように、氷点下に始動する場合に、空気供給ファンやコンプレッサ等の補機部品を制御して、燃料電池スタックに供給するカソードガス(例えば、空気)の供給量を少なくして低効率で発電を行い、燃料電池スタックを暖める暖機運転を行うものが知られている。
特開2004−30979号公報
燃料電池システムは、燃料電池スタックが凍結しない温度に上昇した場合であっても、燃料電池スタックの出力が確保されるまで暖機運転を行う場合がある。この場合、補機部品から作動音が発生し続けることになり、ユーザーが静粛性を求める場合であっても静粛性を確保できない状況が生じ得た。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の一形態によれば、通常暖機運転モードと低速暖機運転モードとを有する暖機運転を行う燃料電池システムが提供される。この燃料電池システムは、燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックにカソードガスを供給するコンプレッサと、前記燃料電池スタックのスタック温度を取得する温度計測部と、前記暖機運転において、前記スタック温度が予め定められた第1閾値温度に上昇するまで、前記燃料電池スタックの出力電圧を予め定められた電圧に制御し、かつ、前記コンプレッサのカソードガス供給量を予め定められた供給量に制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記暖機運転のうちの前記通常暖機運転モードが選択された場合において、前記スタック温度が前記第1閾値温度から前記第1閾値温度より高い第2閾値温度に上昇するまで、前記燃料電池スタックの出力電圧を予め定められた第1電圧に制御し、かつ、前記コンプレッサのカソードガス供給量を予め定められた第1供給量に制御し、前記暖機運転のうちの前記低速暖機運転モードが選択された場合において、前記スタック温度が前記第1閾値温度から前記第2閾値温度に上昇するまで、前記燃料電池スタックの出力電圧を前記第1電圧より高い第2電圧に制御し、かつ、前記コンプレッサのカソードガス供給量を前記第1供給量より少ない第2供給量に制御し、前記暖機運転を終了する要求を取得し、かつ、前記スタック温度が前記第1閾値温度以上である場合に、前記暖機運転を終了する。この形態の燃料電池システムによれば、低速暖機運転モードが選択された場合には、スタック温度が第1閾値温度から第2閾値温度に上昇するまで、燃料電池スタックの出力電圧を通常暖機運転モードにおける電圧よりも高い第2電圧に制御し、かつ、コンプレッサのカソードガス供給量を通常暖機運転モードにおける供給量よりも少ない第2供給量に制御するため、作動音を低減できる。また、暖機運転を終了する要求を取得し、かつ、スタック温度が第1閾値温度以上である場合に、暖機運転を終了する。そのため、ユーザーの要望に応じて静粛性を確保できる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池システムを備える発電装置、燃料電池システムを備える車両、燃料電池システムの制御方法等の態様で実現することが可能である。
燃料電池システムの概略構成を示す図である。 暖機運転処理の手順の一例を表わすフローチャートである。 暖機運転におけるスタック温度の一例を示したタイミングチャートである。 電流と電圧とカソードガス供給量との関係を示したグラフである。
A.第1実施形態:
図1は、本発明の一実施形態における燃料電池システム100の概略構成を示す図である。燃料電池システム100は、燃料電池スタック10と、制御部20と、カソードガス供給部30と、アノードガス供給部50と、冷却媒体循環部70と、を備える。また、燃料電池システム100は、DC/DCコンバータ80と、パワーコントロールユニット(以下、「PCU」という)81と、負荷82と、電圧検出部83と、電流計84と、を備える。本実施形態の燃料電池システム100は、例えば、燃料電池車両に搭載される。
燃料電池スタック10は、反応ガスとしてアノードガス(例えば、水素ガス)とカソードガス(例えば、空気)との供給を受けて発電する固体高分子形燃料電池である。燃料電池スタック10は、複数の燃料電池セル11が積層されて構成されている。各燃料電池セル11は、電解質膜(図示せず)の両面にアノード(図示せず)とカソード(図示せず)とを配置した膜電極接合体(図示せず)と、膜電極接合体を挟持する1組のセパレータ(図示せず)とを有する。
制御部20は、CPUとメモリと、後述する各部品が接続されるインタフェース回路とを備えたコンピュータとして構成されている。制御部20は、ECU(Electronic Control Unit)22や指示入力部23の指示に応じて、燃料電池スタック10内の各機器の起動および停止を制御するための信号を出力する。制御部20は、メモリに記憶された制御プログラムを実行することにより、燃料電池システム100による発電の制御を行うと共に、後述する暖機運転処理を実現する。本実施形態において、暖機運転は通常暖機運転モードと低速暖機運転モードとを有する。低速暖機運転モードとは、通常暖機運転モードよりも燃料電池スタック10の温度の上昇が緩やかな暖機運転のモードである。なお、制御部20は、これらの制御の一部又は全部をハードウェア回路で実現してもよい。
ECU22は、燃料電池システム100を含む装置全体(例えば、車両)の制御を行う制御部である。例えば、燃料電池車両では、アクセルペダルの踏込量やブレーキペダルなどの踏込量、車速等の複数の入力値に応じてECU22が車両の制御を実行する。なお、ECU22は、制御部20の機能の一部に含まれていてもよい。
指示入力部23は、暖機運転におけるモードや、暖機運転の終了を選択する入力部である。本実施形態において、指示入力部23はタッチセンサを備えたカーナビゲーションシステムのディスプレイ上のボタンである。なお、指示入力部23は、既存のボタン式の操作装置でもよい。
カソードガス供給部30は、カソードガス配管31と、エアフローメータ32と、コンプレッサ33と、第1開閉弁34と、分流弁36と、カソードガス排出配管41と、第1レギュレータ42と、を備える。カソードガス配管31は、燃料電池スタック10に接続され、外部から取り込んだ空気を燃料電池スタック10に供給する。
エアフローメータ32は、カソードガス配管31に設けられており、取り込んだ空気の流量を測定する。コンプレッサ33は、制御部20からの制御信号に応じて、外部から取り入れた空気を圧縮し、カソードガスとして燃料電池スタック10に供給する。第1開閉弁34は、コンプレッサ33と燃料電池スタック10との間に設けられている。分流弁36は、コンプレッサ33とカソードガス排出配管41との間に設けられており、燃料電池スタック10とカソードガス排出配管41への空気の流量を調節する。分流弁36は、制御部20からの制御信号に応じて開閉する。
カソードガス排出配管41は、燃料電池スタック10から排出されたカソードガスを燃料電池システム100の外部へと排出する。燃料電池スタック10から排出されたカソードガスをカソードオフガスともいう。第1レギュレータ42は、制御部20からの制御信号に応じて、燃料電池スタック10のカソードガス出口の圧力を調整する。
アノードガス供給部50は、アノードガス配管51と、アノードガスタンク52と、第2開閉弁53と、第2レギュレータ54と、インジェクタ55と、アノードガス排出配管61と、気液分離器62と、排気排水弁63と、循環配管64と、アノードガスポンプ65と、を備える。
アノードガスタンク52は、アノードガス配管51を介して燃料電池スタック10のアノードガス入口と接続されており、アノードガスを燃料電池スタック10に供給する。第2開閉弁53、第2レギュレータ54、インジェクタ55は、アノードガス配管51に、この順序で上流側、つまりアノードガスタンク52に近い側から設けられている。
第2開閉弁53は、制御部20からの制御信号に応じて開閉する。燃料電池システム100の停止時には第2開閉弁53は閉じられる。第2レギュレータ54は、制御部20からの制御信号に応じて、インジェクタ55の上流側におけるアノードガスの圧力を調整する。インジェクタ55は、制御部20によって設定された駆動周期や開弁時間に応じて、弁体が電磁的に駆動する電磁駆動式の開閉弁である。制御部20は、インジェクタ55の駆動周期や開弁時間を制御することによって、燃料電池スタック10に供給されるアノードガスの流量を制御する。
アノードガス排出配管61は、燃料電池スタック10のアノードガス出口と気液分離器62とを接続する配管である。アノードガス排出配管61は、発電反応に用いられることのなかった水素ガスや窒素ガスなどを含むアノードオフガスを気液分離器62へと誘導する。
気液分離器62は、循環流路66のアノードガス排出配管61と循環配管64との間に接続されている。気液分離器62は、循環流路66内のアノードオフガスから不純物としての水を分離して貯水する。
排気排水弁63は、気液分離器62の下部に設けられている。排気排水弁63は、気液分離器62に貯水された水の排水と、気液分離器62内の不要なガス(主に窒素ガス)の排気と、を行う。燃料電池システム100の運転中は、通常、排気排水弁63は閉じられており、制御部20からの制御信号に応じて開閉する。本実施形態では、排気排水弁63は、カソードガス排出配管41に接続されており、排気排水弁63によって排出された水および不要なガスは、カソードガス排出配管41を通じて外部へ排出される。
循環配管64は、アノードガス配管51のうちのインジェクタ55より下流の部分に接続されている。循環配管64には、制御部20からの制御信号に応じて駆動されるアノードガスポンプ65が設けられている。気液分離器62によって水が分離されたアノードオフガスが、アノードガスポンプ65によって、アノードガス配管51へと送り出される。この燃料電池システム100では、水素を含むアノードオフガスを循環させて、再び燃料電池スタック10に供給することにより、アノードガスの利用効率を向上させている。
冷却媒体循環部70は、燃料電池スタック10を介して冷却媒体を循環させることにより、燃料電池スタック10の温度を調整する。冷却媒体循環部70は、冷媒供給管71と、冷媒排出管72と、ラジエータ73と、冷媒ポンプ74と、三方弁75と、バイパス管76と、温度計測部77と、を備える。冷媒としては、例えば、水、エチレングリコール等の不凍水、空気などが用いられる。
冷媒供給管71は、燃料電池スタック10内の冷却媒体入口に接続され、冷媒排出管72は、燃料電池スタック10の冷却媒体出口に接続されている。ラジエータ73は、冷媒排出管72と冷媒供給管71とに接続されており、冷媒排出管72から流入する冷却媒体を、電動ファンの送風等により冷却してから冷媒供給管71へと排出する。冷媒ポンプ74は、冷媒供給管71に設けられており、冷媒を燃料電池スタック10に圧送する。三方弁75は、ラジエータ73とバイパス管76への冷媒の流量を調節する。温度計測部77は、冷媒排出管72に接続されており、燃料電池スタック10から排出される冷却水の温度を測定する。温度計測部77で測定される温度は、燃料電池スタック10のスタック温度とほぼ等しい。従って、温度計測部77は、燃料電池スタック10のスタック温度を取得する温度計測部に相当する。
DC/DCコンバータ80は、燃料電池スタック10の出力電圧を昇圧してPCU81に供給する。PCU81は、インバータを内蔵し、制御部20の制御に応じてインバータを介して負荷82に電力を供給する。また、PCU81は、制御部20の制御により燃料電池スタック10の電流を制限する。
電圧検出部83は、燃料電池スタック10の電圧を検出する。本実施形態において電圧検出部83は、燃料電池スタック10の電圧から平均セル電圧を算出する。「平均セル電圧」とは、燃料電池スタック10の両端電圧を燃料電池セル11の数で除算した値である。電流計84は、燃料電池スタック10の出力電流値を測定する。
燃料電池スタック10の電力は、PCU81を含む電源回路を介して、車輪(図示せず)を駆動するためのトラクションモータ(図示せず)等の負荷82や、上述したコンプレッサ33、アノードガスポンプ65および各種弁に、供給される。
図2は、本実施形態における、暖機運転処理の手順の一例を表わすフローチャートである。暖機運転処理は、スタック温度Tfcが予め定められた第1閾値温度Tth1未満の場合に開始される。第1閾値温度Tth1は、燃料電池スタック10が凍結しない温度であることが好ましく、予め実験を行って定めることができる。第1閾値温度Tth1は、例えば、0度より高い温度である。
まず、制御部20は、ステップS100で、燃料電池スタック10の出力電圧が予め定められた第1電圧になるよう制御し、かつ、コンプレッサ33が燃料電池スタック10に供給するカソードガス供給量を予め定められた第1供給量に制御することにより、燃料電池システム100の発電効率を低下させ、暖機運転を行う。第1電圧は、電流と電圧との関係が定義されたマップや関数に基づき、定めることができる。第1供給量は、電流とカソードガス供給量との関係が定義されたマップや関数に基づき、定める事ができる。電圧と電流およびカソードガス供給量の関係については後述する。
次に、制御部20は、ステップS110で、スタック温度Tfcが第1閾値温度Tth1以上か否か判定する。スタック温度Tfcが第1閾値温度Tth1より低い場合、制御部20は、ステップS110の処理を繰り返す。つまり、スタック温度Tfcが第1閾値温度Tth1まで上昇するまで、第1電圧での発電を続ける。一方、スタック温度Tfcが第1閾値温度Tth1以上の場合、制御部20は、ステップS120の処理に進む。
続いて、制御部20は、ステップS120で、終了要求があるか否かを判定する。終了要求は、例えば、指示入力部23から取得できる。終了要求がある場合、制御部20は、暖機運転処理を終了する。一方、終了要求がない場合、制御部20は、ステップS130の処理に進み、低速暖機運転モードが選択されているか否か判定する。低速暖機運転モードが選択されていない場合、つまり、通常暖機運転モードが選択されている場合、制御部20は、ステップS150の処理に進む。低速暖機運転モードが選択されている場合、制御部20は、ステップS140の処理に進み、燃料電池スタック10の出力電圧が第1電圧よりも高い第2電圧になるよう制御し、かつ、コンプレッサ33が燃料電池スタック10に供給するカソードガス供給量を第1供給量よりも少ない第2供給量に制御して、燃料電池システム100の発電を行う。
最後に、制御部20は、ステップS150において、スタック温度Tfcが第2閾値温度Tth2以上か否か判定する。第2閾値温度Tth2は、第1閾値温度Tth1より高い温度であり、燃料電池スタック10が予め定められた電力を出力できる温度である。予め定められた電力とは、例えば、トラクションモータ等の負荷82を十分駆動可能な電力である。スタック温度Tfcが第2閾値温度Tth2より低い場合、制御部20は、ステップS150の処理を繰り返す。つまり、スタック温度Tfcが第2閾値温度Tth2まで上昇するまで、通常暖機運転モードの場合は第1電圧、第1供給量で発電を続け、低速暖機運転モードの場合は第2電圧、第2供給量で発電を続ける。一方、スタック温度Tfcが第2閾値温度Tth2以上の場合、制御部20は、暖機運転処理を終了する。
図3は、暖機運転におけるスタック温度の一例を示したタイミングチャートである。グラフG1aは、通常暖機運転モードの場合を示し、グラフG2aは、低速暖機運転モードの場合を示す。なお、説明の便宜上、グラフG2aを下方向にずらして記載しているが、実際は、グラフG1aと部分的に重なっており、タイミングt3でのスタック温度Tfcは第2閾値温度Tth2である。
図3に示すように、スタック温度TfcがTth1以下である、タイミングt0からタイミングt1の期間は、通常暖機運転モードと低速暖機運転モードとは、ともに第1電圧で発電を行うため、スタック温度Tfcの上昇の傾きは同じである。グラフG1aで示す通常暖機運転モードでは、タイミングt2でスタック温度Tfcが第2閾値温度Tth2に上昇する。一方、グラフG2aで示す低速暖機運転モードでは、タイミングt1から、第2電圧(>第1電圧)で発電を行うため、グラフG1aよりも緩やかにスタック温度Tfcが上昇し、タイミングt2よりも遅いタイミングt3でスタック温度Tfcが第2閾値温度Tth2に上昇する。
図4は、電流と電圧とカソードガス供給量との関係を示したグラフである。1点鎖線で示すグラフG1bは、通常暖機運転モードにおける電流と電圧との関係を示しており、グラフG2bは、低速暖機運転モードにおける電流と電圧との関係を示している。実線で示すグラフG1cは、通常暖機運転モードにおける電流とカソードガス供給量との関係を示しており、グラフG2cは、低速暖機運転モードにおける電流とカソードガス供給量との関係を示している。
図4に示すように、低速暖機運転モードである第2電圧V2での電流I2における第2供給量Q2は、通常暖機運転モードである第1電圧V1での電流I1における第1供給量Q1よりも少ない。つまり、低速暖機運転モードでは、通常暖機運転モードよりもコンプレッサ33の回転数が低減され、作動音が小さくなる。
以上で説明した本実施形態の燃料電池システム100によれば、制御部20は、低速暖機運転モードが選択された場合において、スタック温度Tfcが第1閾値温度Tth1から第2閾値温度Tth2に上昇するまで、燃料電池スタック10の出力電圧を通常暖機運転モードにおける第1電圧V1よりも高い第2電圧V2に制御し、かつ、コンプレッサ33のカソードガス供給量を通常暖機運転モードにおける第1供給量Q1よりも少ない第2供給量Q2に制御する。そのため、低速暖機運転モードが選択された場合には、通常暖機運転モードよりもコンプレッサ33の回転数を低減することができ、作動音を低減できる。また、暖機運転を終了する要求を取得し、かつ、スタック温度Tfcが第1閾値温度Tth1以上である場合に、暖機運転を終了する。そのため、ユーザーの要望に応じて静粛性を確保できる。
B.その他の実施形態:
(B1)上記実施形態において、制御部20は、指示入力部23によって通常暖機運転モードと低速暖機運転モードとを選択し、暖機運転の終了要求を取得している。この代わりに、制御部20は、燃料電池システム100が駆動している時間に応じて、暖機運転のモードの選択および暖機運転の終了要求を行ってもよい。例えば、深夜や早朝である場合には、作動音を低減させるために、低速暖機運転モードの選択や、終了要求を行ってもよい。
(B2)上記実施形態において、制御部20は、通常暖機運転モードが選択された場合において、スタック温度Tfcが第1閾値温度Tth1に上昇するまでと、スタック温度Tfcが第1閾値温度Tth1から第2閾値温度Tth2に上昇するまでと、共に第1電圧V1、第1供給量Q1で発電を行うよう制御している。この代わりに、制御部20は、スタック温度Tfcが第1閾値温度Tth1から第2閾値温度Tth2に上昇するまで、第1電圧と異なる第3電圧、第1供給量Q1と異なる第3供給量で発電を行うよう制御してもよい。なお、第3電圧は第2電圧V2未満であり、第3供給量は第2供給量Q2より多い。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述した課題を解決するために、あるいは上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜削除することが可能である。
10…燃料電池スタック、11…燃料電池セル、20…制御部、22…ECU、23…指示入力部、30…カソードガス供給部、31…カソードガス配管、32…エアフローメータ、33…コンプレッサ、34…第1開閉弁、36…分流弁、41…カソードガス排出配管、42…第1レギュレータ、50…アノードガス供給部、51…アノードガス配管、52…アノードガスタンク、53…第2開閉弁、54…第2レギュレータ、55…インジェクタ、61…アノードガス排出配管、62…気液分離器、63…排気排水弁、64…循環配管、65…アノードガスポンプ、66…循環流路、70…冷却媒体循環部、71…冷媒供給管、72…冷媒排出管、73…ラジエータ、74…冷媒ポンプ、75…三方弁、76…バイパス管、77…温度計測部、80…DC/DCコンバータ、81…PCU、82…負荷、83…電圧検出部、84…電流計、100…燃料電池システム

Claims (1)

  1. 通常暖機運転モードと低速暖機運転モードとを有する暖機運転を行う燃料電池システムであって、
    燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックにカソードガスを供給するコンプレッサと、
    前記燃料電池スタックのスタック温度を取得する温度計測部と、
    前記暖機運転において、前記スタック温度が予め定められた第1閾値温度に上昇するまで、前記燃料電池スタックの出力電圧を予め定められた電圧に制御し、かつ、前記コンプレッサのカソードガス供給量を予め定められた供給量に制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記暖機運転のうちの前記通常暖機運転モードが選択された場合において、前記スタック温度が前記第1閾値温度から前記第1閾値温度より高い第2閾値温度に上昇するまで、前記燃料電池スタックの出力電圧を予め定められた第1電圧に制御し、かつ、前記コンプレッサのカソードガス供給量を予め定められた第1供給量に制御し、
    前記暖機運転のうちの前記低速暖機運転モードが選択された場合において、前記スタック温度が前記第1閾値温度から前記第2閾値温度に上昇するまで、前記燃料電池スタックの出力電圧を前記第1電圧より高い第2電圧に制御し、かつ、前記コンプレッサのカソードガス供給量を前記第1供給量より少ない第2供給量に制御し、
    前記暖機運転を終了する要求を取得し、かつ、前記スタック温度が前記第1閾値温度以上である場合に、前記暖機運転を終了する、燃料電池システム。
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