JP2008159548A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の温度上昇要求に応じると共に、カソードガス供給手段であるコンプレッサから発生する騒音を抑制することができる燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】図3(a)に示すセパレータを有する単位セルと、図3(b)に示すセパレータを有する単位セルとが混在する形で使用すると、圧損差を生じる。燃料電池20の低効率運転時に、所定の騒音レベル以下の低効率駆動量となるようにコンプレッサの駆動量を制限すると、上記セパレータ間の圧損差があるために低効率駆動量で駆動されるコンプレッサからの燃料電池の一部に対しての低圧力酸化ガスの供給が制限される。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池システムに係り、特にエアコンプレッサからのカソードガス(空気等)の供給量を制御して燃料電池の温度を上昇させる燃料電池システムに関する。
従来、燃料電池システムでは、低温始動時や、燃料電池内部の凍結を防止すべき時等において、燃料電池の温度を上昇させるために燃料電池の自己発熱量を制御することが行われている。燃料電池の自己発熱量は、燃料電池を低効率発電した時に上昇することが周知であるので、燃料電池の温度を上昇させる手段としては燃料電池を低効率発電させている。
この分野の先行技術として、例えば、特開2006−73501号公報には、燃料電池の発電効率を調整する電気的な発電効率調整手段と、燃料電池での逆電位発生を抑制する逆電位防止手段とを備えて、始動時に燃料電池の発電効率を制御して自己発熱量を増やす技術が開示されている(特許文献1)。
また、例えば、特開2005−174645号公報には、温度上昇しにくい一部の単位セルに対する酸化ガスの供給量を制限して発熱量を積極的に増加させることで温度上昇を図る技術が開示されている(特許文献2)。
さらに、例えば、特開2004−311277号公報には、燃料電池スタックを2つの組に分け、一方の組に属する燃料電池スタックを発電停止させた時に、該一方のスタックを乾燥させる技術が開示されている(特許文献3)。
特開2006−73501号公報(段落0044、0045等) 特開2005−174645号公報(段落0037等) 特開2004−311277号公報(段落0039等)
しかしながら、上記従来の技術にあっては、燃料電池の自己発熱量を制御する手段は、コンプレッサから送出されるカソードガスの供給圧を制御する手段とは結び付けられていないため、燃料電池の自己発熱量を制御している場合にも、当該コンプレッサは通常の駆動量で駆動しているため、当該コンプレッサからは相当の騒音が発生していた。特に、燃料電池の自己発熱量を上昇させるような動作は、通常運転前の比較的静かな停止時に要求されるものであるため、この騒音が耳障りになるという問題点があった。
そこで本発明は、上記課題を解決するために、燃料電池の温度上昇要求に応じると共に、コンプレッサから発生する騒音を抑制する燃料電池システムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、複数の単位セルの積層体を含む燃料電池を備えた燃料電池システムであって、該燃料電池の低効率運転時に、所定の騒音レベル以下の低効率駆動量となるようにコンプレッサの駆動量を制限する駆動量制限手段と、該低効率駆動量で駆動される該コンプレッサからの該燃料電池の一部に対しての低圧力酸化ガスの供給を制限する酸化ガス制限手段と、を備えたことを特徴とする。
このように構成することより、低圧力酸化ガスの供給先を燃料電池の一部に制限するので、低圧力酸化ガスの供給量を、燃料電池全体に供給する場合に比べ削減することができるので、その削減されたガス量の分だけコンプレッサの駆動量を制限することができる。このため、燃料電池の温度上昇要求に応じると共に、カソードガス供給手段であるコンプレッサから発生する騒音を所定の騒音レベル以下に抑制することができる。
ここで、酸化ガス制限手段は、低圧力酸化ガスの供給を一部の単位セルに対して許可し、他の一部の前記単位セルに対して禁止するものとすることができる。このように複数の単セルを区分けして低圧力酸化ガスの供給を制限したり許可したりすることで、全体的な低圧力酸化ガスの供給量を減らし、その分だけコンプレッサの駆動量を制限し、騒音レベルを低下させることができる。
ここで、前記燃料電池システムにおいて、前記酸化ガス制限手段は、前記一部の単位セルと前記他の一部の単位セルとの間で、酸化ガス供給口と酸化ガス排出口との圧損に差を生じさせる構造を備えると共に、前記他の一部の単位セルにおける圧損が前記低圧力酸化ガスの供給圧より大きくなるように構成されていることは好ましい。
このように構成することにより、酸化ガスの流路を変形させるだけの簡単な手段により、酸化ガスが通常どおり供給される単位セルと、酸化ガスの供給が制限される単位セルとを構成することが可能となり、また、前記の酸化ガスの供給が制限される単位セルにおいては、酸化ガスが供給されないようにすることも可能となる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記一部の単位セルは、前記単位セルの積層体中で偏在して配置されていることは好ましい。このように構成することにより、特に低温となりやすい部分に低効率運転時に発熱する単位セルを配置することができ、全体として均等な暖機が可能となる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記一部の単位セルは、前記他の一部の単位セルの間に分散して配置されていることは好ましい。このように構成することにより、発熱作用を生じる単位セルによる熱を発熱作用を生じにくい単位セルに伝播させることができ、燃料電池の温度上昇を、燃料電池全体に渡って均一化することが可能となる。
ここで、前記燃料電池システムにおいて、一部の単位セルにおける低圧力酸化ガス供給路の圧損をP2とし、他の一部の単位セルにおける低圧力酸化ガス供給路の圧損をP1とする場合、コンプレッサの回転数は、P2の供給圧を出力する回転数以下、かつP1の供給圧を出力する回転数以上であって、しかも所定の騒音レベル以下の低効率駆動量となるように制御されることは好ましい。
このように構成することにより、燃料電池の温度上昇要求に応じる制御手段として、酸化ガス流路の具体的な圧損の値(P1,P2)と、所定の騒音レベル以下の低効率駆動量とを参照した制御が可能となるので、燃料電池を低効率発電とするためのコンプレッサの低効率駆動量を正確に決定することが可能となる。
本発明によれば、低圧力酸化ガスの供給先を燃料電池の一部に制限するので、低圧力酸化ガスの供給量を削減することができるので、その削減されたガス量の分だけコンプレッサの駆動量を制限し、騒音レベルを低下させることができる。
以下、本発明の燃料電池システムの実施形態を図面に基づいて説明する。
(システム構成)
図1は、本発明が適用された燃料電池システムのシステム構成図である。図1において、燃料電池システム10は、燃料電池20に燃料ガス(水素ガス)を供給するための燃料ガス供給系統と、燃料電池20に酸化ガス(空気)を供給するための酸化ガス供給系統と、燃料電池20を冷却するための冷却系統とを備えて構成されている。
燃料電池20は、フッ素系樹脂などにより形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜などから成る高分子電解質膜21の両面にアノード極22とカソード極23をスクリーン印刷などで形成した膜・電極接合体(いわゆるMEA)24を備えている。膜・電極接合体24の両面は、燃料ガス、酸化ガス、冷却水の流路を有するセパレータ(図示せず)によってサンドイッチされ、このセパレータとアノード極22およびカソード極23との間に、それぞれ溝状のアノードガスチャンネル25およびカソードガスチャンネル26を形成している。アノード極22は、燃料極用触媒層を多孔質支持層上に設けて構成され、カソード極23は、空気極用触媒層を多孔質支持層上に設けて構成されている。
これら電極の触媒層は、例えば、白金粒子を付着して構成されている。アノード極22では、次の(1)式の酸化反応が生じ、カソード極23では、次の(2)式の還元反応が生じる。燃料電池20全体としては、次の(3)式の起電反応が生じる。
2→2H++2e-・・・(1)
(1/2)O2+2H++2e~→H2O・・・(2)
2+(1/2)O2→H2O・・・(3)
なお、図1では説明の便宜上、膜・電極接合体24、アノードガスチャンネル25およびカソードガスチャンネル26からなる単位セルの構造を模式的に図示しているが、実際には、上述したセパレータを介して複数の単位セルが直列に接続されたスタック構造を備えている。
燃料電池システム10の冷却系統には、冷却水を循環させる冷却路31、燃料電池20から排水される冷却水の温度を検出する温度センサ32、冷却水の熱を外部に放熱するラジェータ(熱交換器)33、ラジェータ33へ流入する冷却水の水量を調整するバルブ34、冷却水を加圧して循環させる冷却水ポンプ35、燃料電池20に供給される冷却水の温度を検出する温度センサ36などが設けられている。
燃料電池システム10の燃料ガス供給系統には、アノードガスチャンネル25に燃料ガスを供給するための燃料ガス流路41と、アノードガスチャンネル25から排気される燃料オフガスを燃料ガス流路41に循環させるための循環流路(循環経路)51が配管されており、これらのガス流路によって燃料ガス循環系統が構成されている。
燃料ガス流路41には、燃料ガス供給装置42からの燃料ガスの供給/停止を制御する遮断弁43、燃料ガスの圧力を検出する圧力センサ44、燃料ガスの圧力調整を行うレギュレータ45、燃料電池の燃料ガス供給口(入口)を開閉する遮断弁46などが設置されている。燃料ガス供給装置42は、例えば高圧水素タンク、水素吸蔵合金、改質器などより構成される。
循環流路51には、燃料電池20からの燃料オフガスを排出する遮断弁52、燃料オフガスから水分を回収する気液分離器53、気液分離器53によって回収した水を図示しないタンクに回収する排水弁54、モータによって駆動される循環ポンプ(加圧手段)55、燃料ガス流路41の燃料ガスが循環流路51側に逆流するのを防止する逆流阻止弁56などが設置されている。
循環ポンプ55は、制御部80の制御に基づき、アノードガスチャンネル25を通過する際に、圧力損失を受けた燃料オフガスを圧縮して適度なガス圧まで昇圧させ、燃料ガス流路41に還流させる。この燃料オフガスは、燃料ガス流路41で燃料ガス供給装置42から供給される燃料ガスと合流した後、燃料電池20に供給されて再利用される。
さらに、循環流路51には、燃料ガス循環系統から排気された燃料オフガスを、希釈器(例えば水素濃度低減装置)62を介して車外に排気するための排気流路61が分岐して配管されている。排気流路61には排気弁(パージ弁)63が設置されており、燃料オフガスの排気制御を行えるように構成されている。排気弁63を開閉することで、燃料電池20内の循環を繰り返して、不純物濃度が増加した燃料オフガスを外部に排出し、新規の燃料ガスを導入してセル電圧の低下を防止することができる。また、循環流路51の内圧に脈動を起こし、ガス流路に蓄積した水分を除去することもできる。
一方、燃料電池システム10の酸化ガス供給系統には、カソードガスチャンネル26に酸化ガスを供給するための酸化ガス流路71と、カソードガスチャンネル26から排気されるカソードオフガスを排気するためのカソードオフガス流路72とが配管されている。酸化ガス流路71には、大気から取り込んだエアに含まれる粉塵などを除去するエアフィルタ74、モータによって駆動されるエアコンプレッサ75などから構成され、圧縮エアを酸化ガスとして酸化ガス流路71に供給する酸化ガス供給装置が設置されている。
また、酸化ガス流路71とカソードオフガス流路72とに跨って加湿器76が配置されている。この加湿器76では、大気より取り込んだ低湿潤状態の酸化ガスと、燃料電池20の電池反応で生じた生成水によって高湿潤状態となったカソードオフガスとの間で水分交換が行われる。カソードガスチャンネル26の背圧はカソードオフガス流路72に設置された圧力調整弁77によってほぼ一定圧に調圧される。カソードオフガス流路72を流れるカソードオフガスは、設計に応じて気液分離器78やマフラ79などを経由して車外に排気され、またその一部は希釈器62に流れ込み、希釈器62内に滞留する燃料オフガスを混合希釈して車外に排気される。
制御部80は、例えば、CPU(中央処理装置)、RAM、ROM、インターフェイス回路などを備えた汎用コンピュータで構成されており、各流路に設置された温度センサT、圧カセンサPからのセンサ信号を受け取り、電池運転の状態、例えば、電力負荷に応じて各モータを駆動して循環ポンプ55とエアコンプレッサ75の回転数を調整し、さらに、各種の弁の開閉制御または弁開度の調整などを行うようになっている。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態は、低温始動時等において、コンプレッサの騒音レベルを所定レベル以下に落としながらも、適正な燃料電池の低効率運転を実施するものである。
具体的には、本燃料電池システム10は、燃料電池20の低効率運転時に、所定の騒音レベル以下の低効率駆動量となるようにコンプレッサ75の駆動量(すなわち回転数)を制限する駆動量制限手段と、低効率駆動量で駆動されるコンプレッサ75からの燃料電池20の一部に対しての低圧力酸化ガスの供給を制限する酸化ガス制限手段とを備える。
駆動量制限手段は、制御部80によるコンプレッサ75の駆動制御により実現される。また酸化ガス制限手段は、燃料電池20の単セルにおけるセパレータ構造により実現される。
まず、図2を参照して、本第1実施形態の駆動量制限手段を説明する。
図2は、一般的な燃料電池システムにおけるエアコンプレッサの回転数と騒音レベルとの関係を示すグラフ図である。
図2に示すように、コンプレッサの回転数に対して生じる騒音レベルは、コンプレッサ毎に異なるが、一般に、回転数が最大回転数に近づくにつれて騒音レベルの増加度が増大する傾向にある。つまり、コンプレッサの回転数の増大と共にコンプレッサから発生する騒音のレベルも非線型の関数関係で増大し、とりわけ、コンプレッサの回転数が或る一定の回転数(=Nth)を超えると、当該コンプレッサから発生する騒音のレベルも一定の騒音レベル(=Lth)を超えて急速に大きくなる傾向がある。
一方、燃料電池システムでは、システム始動時に、燃料電池が好適な効率で動作する温度になるまで暖機運転をすることが多い。特に外気温が氷点以下である場合、燃料電池の電気化学反応によって必然的に生じる水分が凍結することを抑制するため、暖機をするために燃料電池の低効率運転を実施する場合がある。低効率運転とは、燃料電池に供給する酸化ガスの量を抑えて発電させると、燃料電池の出力電流が抑えられる一方、単セルにおける発熱量が増大することを利用した自己発熱処理である。
ここで、低効率運転時は、トラクションモータその他の補機類モータが動作せず、車輪やモータ類の回転によって生ずるノイズが存在しないため、コンプレッサの音が主観的に目立つような状況となる。上記したように、コンプレッサの騒音レベルを抑えるため、コンプレッサの回転数を減少させると、燃料電池に供給される酸化ガスの供給圧が減少することにより、低効率運転に適する酸化ガス制限状態ともなり、騒音低減に適する環境が低効率運転に適する環境ともなるため、好都合ではある。
そこで、本発明では、一方でユーザに許容できる騒音レベル以下でコンプレッサが駆動されるような範囲に駆動量を制限する。具体的には、図2に示すように、本第1実施形態に係る燃料電池システムでは、低効率運転時において主観的にユーザに許容される最大の騒音レベルLthを実験的に特定し、低効率運転時に、制御部80は、その騒音レベルLthを発生するコンプレッサ75の回転数Nth以下となるように、すなわち、図2の選択範囲Aで示すような範囲にコンプレッサの駆動量を制御する。
しかしながら、低効率運転状態では、コンプレッサが主たる騒音源となりうるため、ユーザが許容できる騒音レベルが低効率運転に適するコンプレッサの駆動状態における騒音レベルよりも低くなる場合が往々にして存在する。このような場合、コンプレッサの駆動量を制限すると、他方で酸化ガスの供給量が不足するために、制限された駆動量による酸化ガスを燃料電池の全体に供給すると、低効率運転に適当な酸化ガス供給量(圧)が確保できず、十分な発熱が促進されず低効率運転の目的を達成することができない。それを補償するのが、本発明の酸化ガス供給制限手段である。
すなわち、本発明の酸化ガス供給制限手段は、酸化ガスを供給する先を燃料電池の一部に制限することにより、制限された駆動量でコンプレッサを駆動した場合の酸化ガス供給量の不足分を補償するものである。
図3を参照して、本第1実施形態における酸化ガス供給制限手段としてのセパレータの構造を説明する。
図3は、本第1実施形態に係る酸化ガス供給制限手段が設けられたセパレータの流路概要を説明するための平面図である。図3(a)はカソードガスの入口及び出口において流入抵抗(以下、「圧損」と呼称する)が大きいセパレータの流路構造を示し、図3(b)はカソードガスの入口及び出口において圧損が小さいセパレータの流路構造を示すものである。
図3(a)に示すように、圧損が大きいセパレータ90には、酸化ガスを流通させるために複雑な構造をした流路92が設けられている。その流路92の入口93aと出口93bには、流路の有効径を狭窄させる酸化ガス選択供給部94a及び94bがそれぞれ設けられている。酸化ガス選択供給部94a及び94bは、例えば、流路92の断面積を狭める突起物である。このセパレータ90の構造によれば、酸化ガスの流入及び排出は、酸化ガス選択供給部94a及び94bによって抵抗を受けるので、酸化ガスを流通させる流路92の入口―出口間における圧損が大きくなる。圧損が大きいということは、この圧損以上の供給圧で酸化ガスが供給された場合に初めて流路92内を酸化ガスが流通しうることを意味する。低効率運転のように酸化ガスの供給圧が相対的に低い状態では、この圧損大のセパレータ90には酸化ガスが流通しがたく、発熱量が少なくなることを意味する。
図3(b)に示すように、圧損が小さいセパレータ91には、流路92が設けられている点ではセパレータ90と同じであるが、その流路92の入口93a及び出口93bには特に酸化ガス選択供給部に相当する構造が設けられていない点で、セパレータ90と異なる。当該セパレータ91には流路92に酸化ガス選択供給部、すなわち当該流路の断面積を狭める突起物等が形成されていないので、流路92の圧損は流路本来の値(すなわち小さな値)に収まる。圧損が小さいということは、相対的に低圧の酸化ガスが供給された場合でも流路92内を酸化ガスが流通しうることを意味する。低効率運転のように酸化ガスの供給圧が相対的に低い状態でも、この圧損小のセパレータ90には酸化ガスがそのまま流通するため、低効率運転として期待どおりの発熱量が得られることを意味する。
そして、本実施形態に係る燃料電池システムでは、図3(a)に示す圧損大のセパレータ90により酸化ガスが供給される単位セルと、図3(b)に示す圧損小のセパレータ91により酸化ガスが供給される単位セルとが混在するように、燃料電池20の単セル24がスタックされている。
上記の構成において、駆動量制限手段の作用により、コンプレッサ75の回転数がNth以下となるよう、すなわち図2の選択範囲Aに入るようにコンプレッサの駆動量が制限されると、コンプレッサ75からの酸化ガスの供給圧が低下する。上記のようにセパレータ90と91との間には圧損の差があるため、圧損大のセパレータ90には殆ど酸化ガスが供給されない結果、圧損小のセパレータ91に適正な供給圧で酸化ガスが供給されることとなり、圧損小のセパレータ91で効率のよい発熱作用を生ずることとなる。圧損大のセパレータ90では、効率のよい発熱作用は生じないが、高温化した圧損小のセパレータ91から熱が伝播するので、結局、燃料電池スタック全体の暖機が実施される。
なお、効率よく発熱することが期待される圧損小のセパレータ91は、効率の低い発熱となる圧損大のセパレータ90の間に均等に散在していることが望まれる。このような圧損小のセパレータ91の均等配置により、燃料電池20全体における均等な暖機が期待できる。
また、燃料電池20の構造や使用環境によっては、圧損小のセパレータ91が圧損大のセパレータ90の中で偏在していてもよい。例えば、寒冷地であり外気温の影響を燃料電池が受けやすい場合、燃料電池のスタックのうち周辺部分や酸化ガス(外気)が最初に流通する単セル群では熱が奪われやすく、最も温度が低い部分となる。このような相対的に低温になりやすい部分に圧損小のセパレータ91が多く配置されるよう構成すれば、より発熱を促したい領域を率先して暖機させることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態は、セパレータに対する圧損の設定を厳密に考察するものである。
図4は、コンプレッサの回転数とカソードガス(酸化ガス)の供給圧との関係を示すグラフ図である。
図4に示すように、コンプレッサの回転数が上昇するに従い、酸化ガスの供給圧も上昇する。ここで、第1実施形態で説明した圧損大のセパレータ90の圧損をP2とし、圧損小のセパレータ91の圧損をP1とする。
もしも、コンプレッサ75の回転数が圧損P1より低い供給圧で酸化ガスを供給するような駆動量であったとしたら、いずれのセパレータの圧損をも上回っていないので、どの単セルにも酸化ガスを供給することはできない。酸化ガスが供給されなければ、低効率運転の発熱作用は生じない。
一方、コンプレッサ75の回転数が圧損P2より高い供給圧で酸化ガスを供給するような駆動量であったとしたら、いずれのセパレータの圧損をも上回るので、全ての単セルに酸化ガスが供給される。酸化ガスが供給される全ての単セルである程度の発熱作用を生じるが、供給圧が高いため、低効率運転に適する酸化ガスの供給圧より高くなって、効率のよい発熱作用となるとは限らない。
ここで、コンプレッサ75の回転数が圧損P1以上であり、かつ、圧損P2以下の供給圧で酸化ガスを供給する駆動量であれば、圧損P1のセパレータ91には酸化ガスが供給されるが、圧損P2のセパレータ90には酸化ガスが供給されないことになる。すなわち、酸化ガスの供給先が単セルの一部に制限される。一部の単セルに酸化ガスの供給先が制限される結果、圧損小のセパレータ91にのみ一定の供給圧(P2−P1)で酸化ガスが供給されることとなる。この酸化ガスの供給圧が単セルにとって相対的に効率の高い発熱作用を示すものであれば、圧損小のセパレータ91において適正な低効率運転が実施されることになる。この圧損小のセパレータ91において適正な低効率運転が補償されるコンプレッサ75の回転数の範囲を選択範囲Bとする。
本実施形態では、コンプレッサ75の回転数が、この選択範囲Bの範囲内であって、かつ、上記第1実施形態の図2で説明した選択範囲Aの範囲であるように、制御部80がコンプレッサ75の回転数を制御するようになっている。でカソードガスが供給される。
以上、第2実施形態によれば、酸化ガス制限手段であるセパレータにおける圧損設定と、駆動量制限手段である制御部80のコンプレッサ75の回転数設定とを、両方の要請を満たす範囲に設定・制御するように構成したので、低効率運転時におけるコンプレッサの騒音を抑えながら、燃料電池20の適正な暖機運転を実施することが可能である。
(その他の実施形態)
本発明は上記実施形態以外にも種々に変更して適用することが可能である。
例えば、上記実施形態では、酸化ガス制限手段として、セパレータの入口と出口にセパレータの断面積を狭める突起物を配置した酸化ガス選択供給部94a及び94bを設けて、このような構造を有しないセパレータとの間で圧損差を形成する構成としたが、これに限らない。すなわち、酸化ガス制限手段は、酸化ガスを一定の供給圧で供給した場合に、燃料電池の一部において酸化ガスが一定圧力で供給され、他の部分において酸化ガスの供給が制限(全く供給されないか、相対的に少量となる)されるような構造となっていればよい。
具体的には、セパレータの流路構造を調整し、流路有効径や流路全長が異なるセパレータを設けることで、上記実施形態と同様に圧損の差を形成することが可能である。また、単セル(群)ごとに酸化ガス供給ラインを異ならせ、それぞれの酸化ガス供給ラインへの酸化ガス供給を遮断弁のような動的手段により制御し、低効率運転時に酸化ガスが供給される単セル(群)と酸化ガスが供給されない単セル(群)とが生じるように構成してもよい。このように構成する場合は、この動的手段を動的に制御できるので、暖機運転の必要が無い通常運転時には、動的手段を開放することで、酸化ガスの供給量を全ての単セルに均等に供給可能な状態とし、低効率運転時に動的手段を動作させ一部の単セル(群)のみに酸化ガスが供給される状態を出現させることが可能である。
本発明が適用された燃料電池システムのシステム横成図である。 一般的な燃料電池システムにおけるエアコンプレッサの回転数と騒音レベルとの関係を示すグラフ図である。 本発明の実施形態に係る燃料電池システムの単位セルを形成するセパレータの断面構造を示すものであり、図3(a)はカソードガスの入口及び出口において流入抵抗(圧損)が大きいセパレータの断面構造を示し、図3(b)はカソードガスの入口及び出口において圧損が小さいセパレータの断面構造を示すものである。 一般的な燃料電池システムにおけるコンプレッサの回転数とカソードガス(酸化ガス)の供給圧との関係を示すグラフ図である。
符号の説明
20…燃料電池、80…制御部、90…圧損大のセパレータ、91…圧損小のセパレータ、92…流路、94a、94b…酸化ガス選択供給部

Claims (6)

  1. 複数の単位セルの積層体を含む燃料電池を備えた燃料電池システムであって、
    該燃料電池の低効率運転時に、所定の騒音レベル以下の低効率駆動量となるようにコンプレッサの駆動量を制限する駆動量制限手段と、
    該低効率駆動量で駆動される該コンプレッサから該燃料電池の一部に対しての低圧力酸化ガスの供給を制限する酸化ガス制限手段と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記酸化ガス制限手段は、
    前記低圧力酸化ガスの供給を一部の前記単位セルに対して許可し、他の一部の前記単位セルに対して禁止するものである、
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記酸化ガス制限手段は、
    前記一部の単位セルと前記他の一部の単位セルとの間で、酸化ガス供給口と酸化ガス排出口との圧損に差を生じさせる構造を備えると共に、前記他の一部の単位セルにおける圧損が前記低圧力酸化ガスの供給圧より大きくなるように構成されていること
    を特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記一部の単位セルは、前記単位セルの積層体中で偏在して配置されていること
    を特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  5. 前記一部の単位セルは、前記他の一部の単位セルの間に分散して配置されていること
    を特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  6. 前記一部の単位セルにおける前記低圧力酸化ガス供給路の圧損をP2とし、前記他の一部の単位セルにおける前記低圧力酸化ガス供給路の圧損をP1とする場合、
    前記コンプレッサの回転数は、該P2の供給圧を出力する回転数以下、かつ該P1の供給圧を出力する回転数以上であって、しかも前記所定の騒音レベル以下の低効率駆動量となるように制御される、
    請求項2に記載の燃料電池システム。
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