JP2020134996A - Crmシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】私募仕組債の営業活動を効率的に行う。【解決手段】発注者は、アレンジャ側と電子メールのやりとりすることによって、私募仕組債の内容を具体的に設定する(S1)。内容が確定した後に、発注者側の責任者が本部システムを操作することによって、本部側制御部は、文字情報認識部を用いて電子メールの内容を解析して私募仕組債情報を作成し、記憶部に記憶させ、表示部で表示させる(S2)。私募仕組債情報のうち、選択されたものが送信される営業店(営業店システム)が、選択される(S3)。その後、本部側制御部は、この私募仕組債情報を、選択された営業店システムに、対応する勧誘書面と共に送信する(S4)。この営業店における営業担当員は、入手した私募仕組債情報やその勧誘書面を表示部で表示させ、営業活動を行うことができる(S5)。【選択図】図4

Description

本発明は、特に私募仕組債を販売の対象とする顧客情報管理システムである、いわゆるCRMシステムに関する。
ネットワークを用いて商品の管理や商品の販売を行うための営業支援システムが広く用いられている。特に金融機関、証券会社等において商品となる各種の金融商品(証券等)は、他の商品とはその性質が大きく異なり、その売買に際しては多くの複雑な手続きや制限条件が課される。このため、特に金融商品の売買を行うための金融機関営業支援システムとして、各種のものが提案されている。
例えば、こうした金融商品の売買に際しては、金融商品販売法によって、その金融商品の販売前において、購入後のリスク等の重要事項を顧客に説明することが義務付けられている。特許文献1には、商品に応じて説明が要求される重要事項の具体的内容を認識し、この説明が実際に行われたか否かを記憶することにより、営業員にこの金融商品の販売活動を行わせることができる営業支援システムが記載されている。
また、金融商品の販売に際しては、例えば営業員が顧客に対してコンプライアンス違反となるような言動を行っていないことが要求される。特許文献2には、営業員と顧客との間の通話記録を音声データとして記憶し、その内容を解析することによって、こうしたコンプライアンス違反となるような言動があった場合には注意を喚起することができる営業支援システム(顧客対応管理システム)が記載されている。
また、金融商品の販売は、一般的な投資家を対象とする公募と、予め数が限定された少数(50人未満)の投資家を対象とする私募の2つの形態で行われる。後者によって販売される債券(私募債)は、前者によって販売される債券(公募債)と比べてその具体的内容に対する規制が緩いために発行人や投資家に対する利益が大きくなる可能性が高い一方で、リスクも大きくなる。このため、私募債は、予め限定された数の少数の投資家のみを勧誘の対象とするように定められている。ここで限定されているのは、購入する投資家の数ではなく勧誘される投資家の数であるため、特に私募債を有効に用いるためには、限られた少数の投資家の中でも特に購入の可能性が高い投資家に対してのみ、限られた募集期間内で勧誘を行う必要がある。
特許文献3には、特にこのような私募債を取り扱う証券売買システム(営業支援システム)が記載されている。この証券売買システムにおいては、投資家毎の過去の証券の購入の状況(購入した証券の内容、金額等)がデータベースとして記憶される。証券(私募債)の発行が入力された場合には、その発行条件を認識した上で、上記のデータベースを用いて、購入する可能性が高いと判断された投資家のみに対して、勧誘が行われる。この際、勧誘した人数の管理も常に適正に認識することができる。このため、私募債の販売を適正かつ効率的に行うことができる。
特開2008−181553号公報 特開2012−234269号公報 特開2004−151802号公報
私募債の中でも、様々な複雑な取り決めの下に定められた私募仕組債は、その取り決めの中に例えばデリバティブ(金融派生商品)を含むようにすることができ、その内容における自由度が高く、高い利率を得ることができる。この場合、その取り決めは発行人とは異なるアレンジャによって行われる。このため、私募仕組債の販売に際しては、発行人を含めた複数の人(組織)が関わっている。
このような私募仕組債を従来の営業支援を行うための顧客情報管理システム(以下CRMシステム)で扱う場合には、私募仕組債のレート情報等を含む取り決めは、このCRMシステムを使用する証券会社側で全て認識した上で、これを商品として登録する必要があった。この際に、アレンジャとの間における多数回の連絡が必要となり、かつ、この内容は、この私募仕組債の発行人、勧誘の対象となる投資家、アレンジャの全ての間で共通して認識することが必要となり、その上で、特許文献3に記載のように、限定された投資家に対しての勧誘を行う必要があった。このため、特に私募仕組債の営業活動を効率的に行うことが困難であった。
本発明は、このような状況に鑑みなされたもので、上記課題を解決することを目的とする。
本発明は、アレンジャと本部との間での協議により作成された私募仕組債の販売を発注者の管理の下に行わせる本部システムと、当該本部システムと接続され前記私募仕組債の発注を受け付ける複数の営業店システムと、を具備するCRMシステムであって、前記本部システムは、前記アレンジャと前記本部との間で送受信された電子メールの内容を検索することにより、前記私募仕組債の内容を特定する私募仕組債情報、及び前記私募仕組債の勧誘書面を作成させて前記営業店システムに送信し、当該営業店システムから前記私募仕組債に対する勧誘及び発注に関する情報である営業情報を受信し、受信した全ての前記営業情報を基にして前記勧誘及び前記発注の総数を算出した上で前記私募仕組債の販売に対する前記発注者による承認を行わせる本部側制御部と、前記電子メールの内容を記憶する本部側記憶部と、を具備し、前記営業店システムは、前記私募仕組債の内容、及び前記勧誘書面を表示する営業店側表示部と、受信した前記私募仕組債情報に基づいて前記私募仕組債の内容を前記営業店側表示部に表示させた後で前記営業情報を作成し、当該営業情報を前記本部システムに送信させる営業店側制御部と、を具備する。
また、前記営業店システムにおいて、前記営業店側制御部は、前記私募仕組債において指定された対象銘柄の株式情報を入手し、前記営業店側表示部に、当該私募仕組債の内容と共に、当該株式情報を表示させてもよい。
また、前記本部システムにおいて、前記本部側制御部は、前記承認ができない場合に、前記営業情報を送信した前記営業店システムに警告を送信してもよい。
また、前記本部システムにおいて、前記本部側制御部は、過去に作成された前記勧誘書面及び当該勧誘書面の前記営業店システムへの送信の状況を前記本部側記憶部に記憶させてもよい。
また、前記本部システムは、前記私募仕組債の内容を表示する本部側表示部を具備し、前記本部側制御部は、前記本部側表示部に、前記私募仕組債に対応して受信した前記営業情報に基づく前記営業店システム毎の前記勧誘及び前記発注の状況、及び前記勧誘及び前記発注の総数を表示させてもよい。
また、前記本部システムにおいて、前記本部側制御部は、前記承認を行った後に、当該承認が行われた前記私募仕組債の販売に対する取引連絡票を作成し、当該取引連絡票を前記本部側表示部に表示させ、前記営業店システムに送信してもよい。
また、前記本部システムにおいて、前記本部側制御部は、過去に作成された前記取引連絡票及び当該取引連絡票の前記営業店システムへの送信の状況を前記本部側記憶部に記憶させてもよい。
また、前記本部システムにおいて、前記本部側制御部は、複数の前記私募仕組債が作成された際に、前記私募仕組債情報に基づき、複数の前記私募仕組債のうち利率の最も高い前記私募仕組債を特定して前記本部側表示部に表示させてもよい。
また、前記私募仕組債はEB債であり、前記私募仕組債情報の中には、前記EB債における対象株式、利率設定に関する情報、償還条件に関する情報が少なくとも含まれていてもよい。
本発明によると、私募仕組債の営業活動を効率的に行うことができる。
実施の形態に係るCRMシステムが用いられる際の構成を示す図である。 実施の形態に係るCRMシステムにおける本部システムの構成を示すブロック図である。 実施の形態に係るCRMシステムにおける営業店システムの構成を示すブロック図である。 実施の形態に係るCRMシステムにおける動作を示すフローチャートである。 営業店側に送付する前の本部側表示部における私募仕組債情報の内容の表示の例である。 本部側表示部における公開登録画面の表示の例である。 本部側表示部における、作成された勧誘書面の表示の例である。 営業店側表示部における私募仕組債情報の内容の表示の例である。 営業店側表示部において、顧客情報をリンクさせて発注の申請を行わせる画面表示の例である。 本部側表示部において表示される集計用の画面の例である。 本部側表示部において表示される、営業結果を示す画面の例である。 本部側表示部における、作成された取引連絡票の表示の例である。
次に、本発明を実施するための形態を図面を参照して具体的に説明する。ここで本発明の実施の形態に係る金融機関営業支援システム(営業支援システム)としての顧客情報管理システム(以下CRMシステム)における商品となる私募仕組債は、発注者(証券会社等)によるアレンジャへの依頼によって、アレンジャによって作成される。アレンジャは他の証券会社等であり、自身の契約する発注先(これにより資金調達を行う外国の金融機関、各種の機関等)と合意の下で、発注先の債券が含まれる私募仕組債を作成する。私募仕組債においては、この際に、利率や各種の取り決めが、発注者とアレンジャとの間で意思疎通が図られた上で設定される。
以下では、この私募仕組債がEB債(他社株転換可能債)であるものとする。ここでは、この取り決めとしては、例えば、参照指標(例えば国内において指定された対象株式の株価)に応じた利率の設定(ハイクーポン、ロークーポン等)や、償還に関わる条件(ノックアウト水準、ノックイン水準等)等がある。こうした設定は、顧客の希望に沿うように設定される。一般に、複数のアレンジャに対して私募仕組債の作成の依頼は複数のアレンジャに対して行われ、異なる私募仕組債が作成される。
また、発注者において、このCRMシステムを使用する主体は本部であり、実際の営業を行うのはその配下の複数の営業店(支店)である。ここで、私募仕組債(私募債)においては、その勧誘対象の数(勧誘枠)が制限される。このため、上記のような私募仕組債の販売は、顧客との間との直接の取引は営業店のみが行い、その結果を本部が管理、集計した上で行われる。このため、多くの営業店がある中で、ある一つの私募仕組債が本部側から公開される営業店は、本部側から指定される。また、同時に多数の私募仕組債が取り扱われる場合には、この公開先は案件毎に定められる。
図1は、本発明の実施の形態に係る顧客情報管理(以下CRM)システム(金融機関営業支援システム)1が用いられる際の構成全体を示す図である。このCRMシステム1は、本部側で責任者によって操作される本部システム10と、本部システム10と接続され顧客(投資家)との面談によって営業担当員によって操作される、あるいは顧客による確認が行われる営業店システム20を具備する。営業店システム20は、実際には営業店(営業店1〜営業店N)毎に複数設けられ、本部システム10とはイントラネット(社内ネットワーク)等を通じて接続される。
また、私募仕組債を作成するに際しての本部側とアレンジャ(アレンジャA〜アレンジャZ)側との間のやりとりは、電子メールによって行われる。このために、各アレンジャ側ではパーソナルコンピュータ(アレンジャPC10)、本部側でもパーソナルコンピュータ(本部PC200)が用いられる。このため、各アレンジャPC100と本部PC200とはネットワークNを介して接続される。周知のとおり、電子メールは、やはりネットワークNと接続されたメールサーバ300を介して認証等が行われた上で、送受信される。特に私募仕組債においては、このように複数のアレンジャとの間で複数回のやりとりを行うことによって、顧客の要望に沿った内容のものを作成することができる。
本部システム10は、メールサーバ300にアクセスする権限を有し、私募仕組債の作成に関する本部側の責任者と各アレンジャとの間における全ての電子メールを認識できる設定とされる。これは、例えばこのやりとりの際には専用の電子メールアドレスを予め設定することによって実現できる。この場合、例えば、本部システム10は、メールサーバ300を直接アクセスして、この電子メールアドレスに対応する電子メールを読み出すことができる。
図2は、本部システム10の構成を示すブロック図である。なお、上記の本部PC200として、この本部システム10を用いてもよい。ここでは、本部システム10全体の制御を行う制御部(本部側制御部)11が設けられる。また、本部システム10に対する発注者側の責任者の操作を受け付けるための操作部(本部側操作部)12、この際に各種の情報を表示するディスプレイである表示部(本部側表示部)13が設けられる。本部システム10から外部に送信する各種の情報や本部システム10自身の制御に関わる各種の情報を記憶するハードディスクや不揮発性メモリ等で構成される記憶部(本部側記憶部)14も設けられる。
また、この本部システム10においては、メールサーバ300とネットワークNを介して接続するためのネットワーク接続部15、社内ネットワークを介して営業店システム20側と接続するための社内ネットワーク接続部16も設けられる。本部システム10の操作は、権限のある責任者のみによってのみ行われることが好ましいため、制御部11は、操作部12による予め設定されたパスワードの入力を認識した場合にのみ、これより後の操作を受け付けるように設定される。
本部PC200と各アレンジャPC100との間で私募仕組債に関する連絡を行う際には、専用の電子メールアドレスが用いられ、電子メールの形式(テキスト形式、HTML形式)は予め定められる。このため、制御部11は、文字情報認識部17を用いて、この電子メールを文字情報として認識することができ、この際に、各種のキーワードの存在を認識し、その内容の解析を行うことができる。このような解析の対象となる電子メールのファイルは記憶部14に記憶される。
図3は、営業店システム20の構成を示すブロック図である。営業店システム20においても、本部システム10と同様に、制御部(営業店側制御部)21、操作部(営業店側操作部)22、表示部(営業店側表示部)23、記憶部(営業店側記憶部)24が設けられる。また、社内ネットワークを介して本部システム10と接続するための社内ネットワーク接続部26も設けられる。営業店システム20の操作は、権限を持つ営業担当員あるいは営業責任者によって行われ、これに対応したパスワードによる認識も、本部システム10における場合と同様に行われる。また、後述するようなマーケット情報を表示させる場合には、営業店システム20も、本部システム10と同様にネットワークNと接続されるが、アレンジャ側とは直接接続されない。
図4は、この営業支援システム1において行われる動作を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿った本部システム10、営業店システム20における動作について説明する。
まず、図4において、発注者は、前記のようにアレンジャ側と電子メールのやりとりすることによって、私募仕組債の内容を具体的に設定する(S1)。内容が確定した後に、発注者側の責任者が本部システム10を操作することによって、制御部11は、文字情報認識部17を用いて電子メールの内容を解析して私募仕組債情報を作成し、記憶部14に記憶させ、表示部13で表示させる(S2)。ここでは、前記のように記憶部14に記憶された電子メールの内容から私募仕組債情報を案件あるいはアレンジャ毎に作成し、これを記憶部14に記憶する。例えば、図1における各アレンジャとの間でやりとりされ記憶部14に記憶された電子メールの内容において、文字情報認識部17を用いて、例えば、「対象株式」「対象銘柄」等のキーワードを検索し、その後で上場企業として認識される「XX社」の文字列が認識された場合には、このアレンジャが作成する私募仕組債における対象株式(対象銘柄)を「XX社」と推定することができる。同様に、例えば「ノックアウト」のキーワードの後に「105%」との数字を含む文字列が認識された場合には、ノックアウト価格が「105%」であると推定することができる。
図5は、このように認識された私募仕組債情報の内容を表示部13において確認させるために表示させた例である。ここで、左側の「公開」、「勧誘書面」の欄についての詳細は後述する。ここでは、アレンジャA〜Cに対応した管理Noが1〜3の私募仕組債(EB債)が提案されている。図5においては、対象株式、利率(Highクーポン、Lowクーポン)、償還日、ノックアウト・ノックイン価格、通貨のみが指定されているが、実際には、他の条件も同様に含めることができる。図5において、「格付」は、「アレンジャ」(発行体)を認識することにより、記憶部14に記憶された債券の発行体の格付に関するデータベースを参照する、あるいはネットワークNを介して情報を入手することにより、制御部11が認識して作成することができる。証券コードについても、同様に「対象株式」を認識することにより、制御部11が認識することができる。責任者は、表示部13を用いて、この内容を認識することができる。
ただし、制御部11は、操作部12の操作によって、この私募仕組債情報を編集させることもできる。この操作は権限を有する責任者のみによって行われる。例えば設定が必須であるが電子メールの解析によって認識されなかった項目については、操作部12の操作により責任者が入力することができる。また、上記のような文字認識部17を用いた認識が適切でなかった場合においても、責任者は図5の内容を適切に修正することができる。
制御部11は、図5に示された3つの私募仕組債(管理No.1〜3)の中で、投資家に最も勧誘しやすいものを強調表示(例えば赤色表示)させることができる。このための判断基準は適宜設定することが可能であり、例えば、図5の例においては、利率(Highクーポン)が最も高いものとして、No.1を強調表示させることができる。ただし、このための判断基準を適宜設定することが可能とされ、例えば、償還日が最も遅いものや、現時点で最も株価の高い会社が対象となっているもの、等を設定することもできる。
次に、このように作成されて記憶部14に記憶された私募仕組債情報のうち、選択されたものが送信される営業店(営業店システム20)が、選択される(図4におけるS3)。図5において、例えば、管理No.1の案件を営業店1(対応する営業店システム20)に公開する場合の手順を以下に説明する。
この場合には、操作部12の操作により、図5における管理No.1の「公開有無」の項目がチェック(クリック)される。この場合、制御部11は、図6に示されるような公開登録画面が表示部13に表示される。この公開登録画面においては、、勧誘枠、勧誘枠締切日(当日以降:設定された勧誘枠数の勧誘が行われる期限)、操作部12に対する操作によって入力される。公開先は、本部システム10に接続された営業店システム20に対応したものの中から一つが選択される。
この際、図6における「勧誘書面作成」(勧誘書面作成キーK1)がクリックされた場合には、制御部11は、上記の私募仕組債情報より、営業店システム20側で投資家(顧客)を勧誘するための勧誘書面を作成する画面に移行する。図7は、このように作成され表示部13で表示された管理No.1の案件における勧誘書面の一例である。ここで、ハッチングされた項目は、図5の管理No.1の内容より制御部11が認識して入力することができる。これら以外の項目は、予め定めておく、あるいはカレンダー機能により認識して自動的に入力することができる。制御部11は、操作部12の操作により、権限をもつ責任者にこの勧誘書面を編集させることもできる。
図7において、責任者により「承認」(承認キーK2)が操作されることにより、勧誘書面の内容が確定し、再び図6の画面となり、ここでは、「勧誘書面作成」が終了したことを示すために、勧誘書面作成キーK1が強調表示される。その後、図6における「公開」(公開キーK3)が操作されることにより、選択された管理No1の私募仕組債情報とその勧誘書面が、図6で選択された営業店1の営業店システム20に社内ネットワークを介して送信される。図5における管理No.2と管理No.3の案件における「公開済」、「送付済」の表示は、このような営業店20側への送信が終了したことを意味する。このため、制御部11は、上記のように管理No.1の案件に関する送信が終了した後は、同様に管理No.1においても「公開済」、「送付済」の表示を行わせる。
また、制御部11は、選択された私募仕組債候補において図6で設定された勧誘枠を認識し、この勧誘枠も上記の私募仕組債情報に含めた上で、記憶部14に記憶させる。その後、制御部11は、この私募仕組債情報を、上記のように選択された営業店システム20(営業店)に、対応する勧誘書面と共に送信する(図4におけるS4)。その後、この勧誘書面を、その送信状況、すなわちどの営業店に送信したか等の情報と共に、記憶部14に記憶させる。
選択された営業店システム20において、制御部21は、上記のようにこの営業店で販売する対象となる私募仕組債に関する私募仕組債情報、その勧誘書面を社内ネットワーク接続部26を介して入手し、記憶部24に記憶させる。その後、この営業店における営業担当員は、入手した私募仕組債情報やその勧誘書面を表示部23で表示させ、勧誘書面を必要に応じて印刷出力させることもでき、これを用いてこの私募仕組債の営業活動を行うことができる(図4におけるS5)。
この際、営業担当員あるいは営業責任者は、以下に説明するような入力を行わせることにより、各案件に対する進捗状況を制御部21に認識させることができる。まず、図8は、営業店20側に送信された案件(ここでは管理No.1と管理No.2の2件)に対応する私募仕組債情報を表示部23で表示させた例である。ここでは、受信した案件についての図5と同様の内容に加えて、営業の結果によって入力された項目も表示されている。
図8において、一番左の「選択」の項目がチェック(クリック)された場合に、この案件に対する営業結果の入力、及び営業結果の具体的内容が表示される。図9は、この場合に顧客情報をリンクさせて発注の申請を行わせる画面表示の例である。ここでは、この案件に関わる顧客(交渉のある投資家)が3名表示されている。記憶部24には、このように私募仕組債(私募債)の顧客となりうる投資家が予め顧客情報として登録、記憶されている。ここでは、この際に、顧客コードが付与され、主な投資目的、総資産額も登録されている。営業責任者は、この画面を見て、勧誘の対象となる投資家がこの案件に適しているか否かを判定することができる。
また、図9において、「勧誘枠」の項目が操作部21の操作により入力された後に「注文申請」の項目がチェックされることにより、この発注が行われたと制御部21が認識する。図8における「勧誘枠」の「自店」は、この営業店システム20において入力された勧誘枠(すでに使われた勧誘枠)の総数を示し、「他店」は、同様に他営業店で使われた勧誘枠を示す。図8においては、発注が行われた総数が「注文申請」で示されている。営業担当員は、この勧誘枠の総数を認識することにより、例えばこの案件では新たな勧誘ができないことを知ることができる。
営業店システム20もネットワークNと接続される場合には、図8において、営業担当員がこの営業活動を行う際には、一番右の項目の「マーケット情報」を用いることができる。この項目の「LINK1」との表示は、該当する案件の対象株式(管理No.1においては「XX社」)の株式情報(株価チャート)を表示するサイトとリンクされている。すなわち、「LINK1」がクリックされた場合には、制御部21は、ネットワークを介してこのサイトからこの株価チャートを読出し、表示部23に表示させることができ、この情報を顧客に示すことができる。
図9の画面を用いて入力が行われたら、制御部21は、この営業店システム20側で使用された勧誘枠と発注の数、発注を行った上記の顧客情報を営業情報として記憶部24に記憶させ、本部システム10側に送信する(図4におけるS6)。これによって、本部システム10側で、該当する案件について、使用された勧誘枠、発注の状況を認識することができる。このような営業情報の送信は、私募仕組債情報が送信された営業店(営業店システム20)の全てから行われる。また、制御部11は、ある一つの営業店システム20から営業情報を入手した場合には、この営業情報あるいはその時点での使用された勧誘枠の総数、発注の総数を、この案件に関わる他の営業店システム20にも送信する。これによって、図8における「勧誘枠」における各数値を適正に表示させることができる。
本部システム10側で、まだ集計を行わない場合(図4におけるS7:No)には、制御部11は、新たな営業情報の入手を行う(図4におけるS6)。一方、集計を行う場合(図4におけるS7:Yes)には、制御部11は、該当する案件に対して入手した全ての営業情報より、使用された勧誘枠の総数、発注の総数を集計し、集計用の画面を表示部13に表示させる(図4におけるS8)。図10は、この画面の例である。ここでは、管理No.1と管理No.2の案件について表示されている。ここで、例えば「注文申請」(管理No.1については34と記載)をクリックした場合には、営業結果の営業店毎(営業システム20毎)の内訳が表示される。図11は、この表示の例である。ここでは、営業店毎に使用された勧誘枠、売上金額が表示されている。
制御部11は、図10における各案件のデータ、図11のデータを、所定のデータ形式(例えばCSV形式、テキスト形式)としたファイルを作成し、これを記憶部14に記憶させることができる。責任者は、このファイルを本部システム10から直接あるいは本部PC200から、該当案件のアレンジャPC100に電子メール添付等の方法により送信することができる。これによって、アレンジャ側でもこの営業結果を認識することができる。また、図10においても、図8と同様に、「マーケット情報」の項目(LINK1)が設けられているため、責任者は、対象株式の状況を前記と同様に確認することもできる。
責任者がこの結果を見て、問題があるために販売ができないと認識した場合(図4におけるS9:No)、例えば図11に示された顧客の一部に営業上何等かの問題があると認識された場合には、責任者は、操作部12の操作により、この顧客に対応する営業店(営業店システム20)側に、その旨の警告を送信することができる(図4におけるS10)。この場合、この案件についての約定は成立せず、この営業店側では、再度の営業活動を行う。
責任者がこの結果を見て、販売ができると認識し、アレンジャが上記のデータを確認した上で約定との連絡を受けた場合(図4におけるS9:Yes)には、制御部11は、前記の勧誘書面等と同様に、認識したデータからこの案件に対する各顧客宛の取引連絡票を作成し、これを該当する営業店システム20に送信する(図4におけるS11)。図12は、管理No.1に対応するこの取引連絡票を表示部13で表示させた例である。勧誘書面(図7)が作成された時点では基準価格が決定していなかったのに対し、ここでは基準価格が決定するために、制御部11は、利率決定価格、期限前償還判定価格(ノックアウト価格)、ノックイン価格等は、比率ではなく金額で表示させることができる。また、その他の条件も、勧誘書面よりも詳細に記載されている。なお、前記の勧誘書面と同様に、制御部11は、操作部12の操作により、権限をもつ責任者にこの取引連絡票を編集させることもできる。
制御部11は、図12における公開キーK3が操作されることにより、顧客ごとのこの取引連絡票を、対応する営業店システム20に送信する。これを受信した営業店側では、この取引連絡票を確認して印刷出力し、対応する顧客に送付することができる(図4におけるS12)。一方、本部システム10において、制御部11は、前記の勧誘書面の場合と同様に、取引連絡票及びその営業店側への送信の状況を記憶部14に記憶させる。これにより、対応する案件の取引に関する活動は終了する。
上記のCRMシステム1によれば、アレンジャとの間の多数回に及ぶ協議の上に作成することができる私募仕組債の内容を、電子メールから自動的に確定させ、データ(私募仕組債情報)として本部システム10が作成することができる。これによって、本部システム10が、この私募仕組債の内容を選択された営業店(営業店システム20)にのみ公開させ、その営業活動を行わせることができる。この際、私募債において要求される勧誘枠の管理も、営業店システム20、本部システム10側で行われる。
また、勧誘書面、取引連絡票は、私募仕組債情報に基づき適正に作成されるために、誤りがなく、かつその管理も本部側で適正に行うことができる。これらの内容やその営業店側への送信の状況も、記憶部14に記憶されるため、営業活動が適正に行われたか否かを後で確認する際に、これらの情報を算出することができる。また、勧誘書面、取引連絡票の提示に限らず、実際に営業活動を行う営業店側では、上記のように動作する営業店システム20を用いることにより、顧客に提示するデータ等は、全て本部側から適正に入手したデータに基づいたものとなるため、正確なものとなる。これにより、営業活動も容易となる。このため、特に私募仕組債の営業活動を効率的に行うことができる。
なお、上記の例では、私募仕組債がEB債であるものとしたが、他の種類の私募仕組債を販売の対象としても、同様である。この場合には、私募仕組債情報における各項目(図5等における各項目)は、その内容に応じて適宜設定される。
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
1 顧客情報管理(CRM)システム(金融機関営業支援システム)
10 本部システム
11 制御部(本部側制御部)
12 操作部(本部側操作部)
13 表示部(本部側表示部)
14 記憶部(本部側記憶部)
15 ネットワーク接続部
16、26 社内ネットワーク接続部
17 文字情報認識部
20 営業店システム
21 制御部(営業店側制御部)
22 操作部(営業店側操作部)
23 表示部(営業店側表示部)
24 記憶部(営業店側記憶部)
100 アレンジャPC
200 本部PC
300 メールサーバ
K1 勧誘書面作成キー
K2 承認キー
K3 公開キー
N ネットワーク

Claims (9)

  1. アレンジャと本部との間での協議により作成された私募仕組債の販売を発注者の管理の下に行わせる本部システムと、当該本部システムと接続され前記私募仕組債の発注を受け付ける複数の営業店システムと、を具備するCRMシステムであって、
    前記本部システムは、
    前記アレンジャと前記本部との間で送受信された電子メールの内容を検索することにより、前記私募仕組債の内容を特定する私募仕組債情報、及び前記私募仕組債の勧誘書面を作成させて前記営業店システムに送信し、当該営業店システムから前記私募仕組債に対する勧誘及び発注に関する情報である営業情報を受信し、受信した全ての前記営業情報を基にして前記勧誘及び前記発注の総数を算出した上で前記私募仕組債の販売に対する前記発注者による承認を行わせる本部側制御部と、
    前記電子メールの内容を記憶する本部側記憶部と、
    を具備し、
    前記営業店システムは、
    前記私募仕組債の内容、及び前記勧誘書面を表示する営業店側表示部と、
    受信した前記私募仕組債情報に基づいて前記私募仕組債の内容を前記営業店側表示部に表示させた後で前記営業情報を作成し、当該営業情報を前記本部システムに送信させる営業店側制御部と、
    を具備することを特徴とするCRMシステム。
  2. 前記営業店システムにおいて、
    前記営業店側制御部は、
    前記私募仕組債において指定された対象銘柄の株式情報を入手し、前記営業店側表示部に、当該私募仕組債の内容と共に、当該株式情報を表示させることを特徴とする請求項1に記載のCRMシステム。
  3. 前記本部システムにおいて、
    前記本部側制御部は、前記承認ができない場合に、前記営業情報を送信した前記営業店システムに警告を送信することを特徴とする請求項1又は2に記載のCRMシステム。
  4. 前記本部システムにおいて、
    前記本部側制御部は、
    過去に作成された前記勧誘書面及び当該勧誘書面の前記営業店システムへの送信の状況を前記本部側記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のCRMシステム。
  5. 前記本部システムは、
    前記私募仕組債の内容を表示する本部側表示部を具備し、
    前記本部側制御部は、前記本部側表示部に、前記私募仕組債に対応して受信した前記営業情報に基づく前記営業店システム毎の前記勧誘及び前記発注の状況、及び前記勧誘及び前記発注の総数を表示させることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のCRMシステム。
  6. 前記本部システムにおいて、
    前記本部側制御部は、前記承認を行った後に、当該承認が行われた前記私募仕組債の販売に対する取引連絡票を作成し、当該取引連絡票を前記本部側表示部に表示させ、前記営業店システムに送信することを特徴とする請求項5に記載のCRMシステム。
  7. 前記本部システムにおいて、
    前記本部側制御部は、
    過去に作成された前記取引連絡票及び当該取引連絡票の前記営業店システムへの送信の状況を前記本部側記憶部に記憶させることを特徴とする請求項6に記載のCRMシステム。
  8. 前記本部システムにおいて、
    前記本部側制御部は、
    複数の前記私募仕組債が作成された際に、前記私募仕組債情報に基づき、複数の前記私募仕組債のうち利率の最も高い前記私募仕組債を特定して前記本部側表示部に表示させることを特徴とする請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載のCRMシステム。
  9. 前記私募仕組債はEB債であり、
    前記私募仕組債情報の中には、前記EB債における対象株式、利率設定に関する情報、償還条件に関する情報が少なくとも含まれることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のCRMシステム。
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