JP2020132661A - バイオプラスチックフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、フィルム用途においてポリ乳酸系樹脂を使用した場合、素材自体がもつ剛性のため、優れた柔軟性が得られず、実用に供しづらく、さらに十分な透明性が得られないということにある。【解決手段】バイオプラスチック(A)とアクリル系ゴム重合体(B)とを、(A)/(B)の比が15/85〜60/40となるように含有するバイオプラスチックフィルム、バイオプラスチック(A)が、脂肪族ポリエステルまたは脂肪族ポリエステルの混合物であるバイオプラスチックフィルム、および前記脂肪族ポリエステルが、ポリ乳酸系樹脂であるバイオプラスチックフィルムにより達成される。【選択図】 なし

Description

本発明は、引張伸度等の機械的特性、柔軟性および透明性に優れたバイオプラスチックフィルムに関する。
石油を原料とする汎用プラスチックは、優れた特性と比較的安価であるため幅広く使用されているが、自然環境下で分解性が低く、また焼却時の発熱も大きい。そのため、最近では枯渇性資源の有効活用が重要視され、再生可能資源の利用が重要な課題となっている。その解決策として、最も注目されているのがバイオプラスチックの利用である。バイオプラスチックは、植物系原料を含む原料から製造され、土中、水中に存在する微生物などによって分解可能である。また、非枯渇資源を利用しているため、プラスチック製造時における石油などの枯渇性資源の節約や地球温暖化対策を図ることができるだけでなく、優れたリサイクル性を備えている。
バイオプラスチックの中でも特に、ポリ乳酸系樹脂が注目されている。ポリ乳酸は透明性や耐熱性が比較的高く、高強度などの優れた特長を有する。また、原料となる乳酸はトウモロコシや芋等の植物から抽出したデンプンより生産されるため、石油由来の汎用プラスチックと比較して、二酸化炭素の総排出量が少なくなるという利点がある。また、微生物を利用した発酵法により原料となる乳酸を安価に製造できる手法が開発されたことから、汎用プラスチックとしての利用も検討されるようになってきた。そのため、ポリ乳酸系樹脂は、フィルム、シート、繊維、電気・電子製品の筺体や部品等の多種にわたる用途において応用されている。
しかしながら、前記フィルム用途においてポリ乳酸系樹脂を使用した場合、素材自体がもつ剛性のため、優れた柔軟性が得られず、実用に供しづらいという問題を抱えている。また、十分な透明性が得られないという問題もあり(特許文献1参照)、その改良が望まれている。
前記の問題を解決する手段として、ポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステル系樹脂(特許文献2)やポリオレフィン系樹脂(特許文献3)、アクリル系樹脂(特許文献4)等とのポリマーブレンドによる機械的特性の改良が試みられている。しかしながら、得られるフィルムの柔軟性や透明性は不十分な点が残っていた。
一方、ポリ乳酸系樹脂およびゴム成分からなるフィルムが知られている(特許文献5、6)。これらはポリ乳酸系樹脂の透明性を維持したまま脆性を改良させる目的を主としている。しかしながら、これらのフィルムにおいても、脆性は改良されているが、透明性については未だ十分とは言い難い。引張伸度等の機械的特性、柔軟性および透明性の全ての特性に優れたフィルムを得るためには、さらなる改善が必要とされている。
特開2007−204727号公報 特開2010−189536号公報 特開2005−068232号公報 特開2004−269720号公報 特開2010−001369号公報 特開2007−177140号公報
このように、従来のポリ乳酸系樹脂およびゴム成分からなるバイオプラスチックフィルムにおいては、引張伸度等の機械的特性、柔軟性および透明性の全てを充分に満たすことはできず、これらの特性全てを兼ね備えたフィルムが望まれていた。
本発明の課題は、ポリ乳酸系樹脂およびゴム成分から構成され、耐破断性等の機械的特性および柔軟性に優れると同時に、透明性に優れたバイオプラスチックフィルムを得ることにある。
本発明者等は、上記実情に鑑み、鋭意検討した結果、ポリ乳酸系樹脂に特定のゴム成分を含有させてなる特定のフィルムとすることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに到った。
[1] バイオプラスチック(A)とアクリル系ゴム重合体(B)とを、(A)/(B)の比が15/85〜60/40となるように含有するバイオプラスチックフィルム。
[2] 前記のバイオプラスチック(A)が、脂肪族ポリエステルまたは脂肪族ポリエステルの混合物である[1]に記載のバイオプラスチックフィルム。
[3] 前記の脂肪族ポリエステルが、ポリ乳酸系樹脂である[2]に記載のバイオプラスチックフィルム。
[4] 前記アクリル系ゴム重合体(B)が、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルおよび炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルから選ばれるいずれか1種以上を重合して得られたアクリル系ゴム重合体(Ba)に、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルを含有する単量体をグラフト重合したグラフト重合体である[1]〜[3]のいずれかに記載のあるバイオプラスチックフィルム。
[5] 前記グラフト重合体が、アクリル系ゴム重合体(Ba):30〜60質量%、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキル由来の構造単位を10〜100質量%含む単量体成分を重合して得られる重合体(Bb):70〜40質量%からなるグラフト重合体である[1]〜[4]のいずれかに記載のあるバイオプラスチックフィルム。
[6] 前記アクリル系ゴム重合体(Ba)が、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキル40〜99.9質量%、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキル0〜59.9質量%、前記アクリル酸アルキルおよび前記メタクリル酸アルキルと共重合可能な二重結合を有する他の単量体0〜49.9質量%、前記アクリル酸アルキルおよび前記メタクリル酸アルキルと共重合可能な二重結合を1分子内に2個以上有する単量体0.1〜10質量%からなり、アクリル酸アルキルおよびメタクリル酸アルキルの合計が、50〜99.9質量%である[4]〜[5]のいずれかに記載のバイオプラスチックフィルム。
[7] 厚みが10〜200μmである[1]〜[6]のいずれかに記載のバイオプラスチックフィルム。
[8] 押出成形により得られる[1]〜[7]のいずれかに記載のバイオプラスチックフィルム。
[9] JISK7127に準拠して測定した25℃におけるMD方向の引張破断伸度が150%以上である[1]〜[8]のいずれかに記載のバイオプラスチックフィルム。
[10] [1]〜[9]のいずれかに記載のバイオプラスチックフィルムを少なくとも1層有する多層フィルム。
本発明によれば、ポリ乳酸系樹脂およびゴム成分から構成され、耐破断性等の機械的特性および柔軟性に優れると同時に、透明性に優れたバイオプラスチックフィルムを提供することが出来る。
以下、本発明に係るバイオプラスチックフィルムについて詳細に説明する。
[フィルム]
本発明のフィルムは、バイオプラスチック(A)とアクリル系ゴム重合体(B)とを、(A)/(B)の重量比が15/85〜60/40となるように含有するバイオプラスチックフィルムである。
以下、本発明において使用することができる各種配合材料について説明する。ただし、本明細書に記載のない材料等の使用を排除するものではない。
<バイオプラスチック(A成分)>
A成分であるバイオプラスチックは、一般的に脂肪族ポリエステルと称される重合体が好適に使用できる。脂肪族ポリエステル系樹脂としては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体などが挙げられる。具体的には、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体としては、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ3−ヒドロキシ酪酸 、ポリ4−ヒドロキシ酪酸、ポリ4−ヒドロキシ吉草酸、ポリ3−ヒドロキシヘキサン酸およびポリカプロラクトンなどが挙げられる。脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体としては、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジ ペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキセンアジペート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペートなどが挙げられる。これらは一種を用いてもよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの脂肪族ポリエステルの中でも、ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体が好ましく、特にポリ乳酸系樹脂が好ましく使用される。
ポリ乳酸系樹脂とは、D−乳酸もしくはL−乳酸の単独重合体、またはそれらの共重合体をいい、具体的には構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、さらにはL−乳酸とD−乳酸の共重合体であるポリ(DL−乳酸)があり、これらの共重合体の混合樹脂も含まれる。
前記L−乳酸とD−乳酸との共重合体は、D−乳酸とL−乳酸との構成比(以下、「D/L比」と略する。)は、フィルムの機械的特性および透明性を維持する観点から、好ましくは75/25〜100/0であり、より好ましくは80/20〜100/0であり、さらに好ましくは85/15〜100/0である。
本発明においては、D/L比をより容易に調整するために、D−乳酸とL−乳酸との共重合比が異なるポリ乳酸系樹脂をブレンドすることも可能である。この場合、複数のポリ乳酸系樹脂のD/L比を平均した値が前記範囲内に入るようにすればよい。使用用途に合わせて、D−乳酸とL−乳酸との共重合体比の異なるポリ乳酸系樹脂を二種以上ブレンドし、結晶性を調整することにより、フィルムの機械的特性および透明性のバランスをとることができる。
また、ポリ乳酸系樹脂は、ポリ乳酸系樹脂の本質的な性質を損なわない範囲内であれば、乳酸以外のα−ヒドロキシカルボン酸、非脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、非脂肪族ジオール及び脂肪族ジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を少量の共重合成分として含んでいても良い。また、分子量増大を目的として、少量の鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物等を含んでいても良い。
前記のα−ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシn−酪酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒロドキシ3−メチル酪酸、2−メチル酪酸、2−ヒドロキシカプロラクトン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシ−カルボン酸、カプロラクトン、ブチルラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
また、非脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸等が挙げられ、脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸及びドデカン二酸等が挙げられ、非脂肪族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等が挙げられ、脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロへキサンジメタノール等が挙げられる。
乳酸と、乳酸以外のα−ヒドロキシカルボン酸等との共重合体における共重合比は特に限定されないが、乳酸の占める割合が高いほど、石油資源の消費が少ないため好ましく、また後述する引張破断伸度の範囲を超えない程度の割合で共重合すると好ましい。
ポリ乳酸系樹脂の重合法としては、縮合重合法、開環重合法など、公知の方法をいずれも採用することができる。例えば、縮合重合法であれば、D−乳酸、L−乳酸、または、これらの混合物を直接脱水縮合重合して任意の組成を有するポリ乳酸系樹脂を得ることができる。また、開環重合法では、乳酸の環状2量体であるラクチドを、必要に応じて重合調整剤などを用いながら、所定の触媒の存在下で開環重合することにより任意の組成を有するポリ乳酸系樹脂を得ることができる。前記ラクチドには、L−乳酸の二量体であるDL−ラクチドがあり、これらを必要に応じて混合して重合することにより、任意の組成、結晶性を有するポリ乳酸系樹脂を得ることができる。
ポリ乳酸系樹脂の質量平均分子量は、好ましくは2万以上、より好ましくは4万以上、さらに好ましくは6万以上であり、また、好ましくは50万以下、より好ましくは35万以下、さらに好ましくは30万以下である。質量平均分子量が2万以上であれば、フィルムの強伸度が不足したり、脆化したりすることを抑制することができる。一方、質量平均分子量が40万以下であれば、溶融粘度を下げることができ、製造、生産性向上の観点からは好ましい。なお、質量平均分子量は、一般的にGPC(ゲルパーメイションクロマトグラフ)や粘度法により測定することができる。
本発明において用いられるポリ乳酸系樹脂の代表的なものとしては、「NatureW orks」(NatureWorks LLC社製)等が商業的に入手されるものとして 挙げられる。
<アクリル系ゴム重合体(B成分)>
次に、(B)成分であるアクリル系ゴム重合体について説明する。ゴム重合体は、コア層と、コア層を覆う少なくとも1層以上のシェル層とから構成される重合体である。該シェルの層数は特に限定されるものではなく、単層であっても2層以上であっても構わない。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリルまたはメタクリル」を意味する。
本発明において、アクリル系ゴム重合体(B)は、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルおよび炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルから選ばれるいずれか1種以上を含む単量体成分(B−a)を重合して得られるアクリル系ゴム重合体(Ba)の存在下で、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルを含む単量体成分(B−b)を重合して得られるゴム含有重合体である。
<アクリル系ゴム重合体(Ba)>
アクリル系ゴム重合体(Ba)は、以下の単量体(B−a1)、単量体(B−a2)、単量体(B−a3)および多官能性単量体(B−a4)の混合物である。
(B−a1)炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキル:40〜99.9質量%
(B−a2)炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキル:0〜59.9質量%
(B−a3)重合性の二重結合を1個有する他の単量体:0〜30質量%
(B−a4)重合性の二重結合を2個以上有する多官能性単量体:0.1〜10質量%。
炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキル(B−a1)としては、アルキル基が直鎖状であっても良く、分岐鎖状であっても良い。具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、または二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、ガラス転移温度(以下「Tg」と記す)は低いものが好ましく、アクリル酸n−ブチルが好ましい。ガラス転移温度が低ければ、得られるフィルムは好ましい機械的特性を有し、また容易に成形することができる。
炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキル(B−a2)としては、アルキル基が直鎖状であっても良く、分岐鎖状であっても良い。具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
任意成分として使用される単量体(B−a3)は、単量体(B−a1)および単量体(B−a2)以外の重合性の二重結合を1個有する単量体である。この単量体(B−a3)として、具体的には、アクリル酸低級アルコキシ、アクリル酸シアノエチル、アクリルアミド、(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル系単量体;スチレン、アルキル置換スチレン等の芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
多官能性単量体(B−a4)は、共重合性の二重結合を1分子内に2個以上有する架橋性単量体が挙げられる。具体例としては、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール等のジ(メタ)アクリル酸アルキレングリコール;ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等のポリビニルベンゼン;及びトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のシアヌレート系単量体、メタクリル酸アリル等のα,β−不飽和カルボン酸またはジカルボン酸のアリル、メタリルまたはクロチルエステル等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル系ゴム重合体(Ba)を構成する単量体成分(B−a)は、連鎖移動剤を含むことができる。連鎖移動剤の使用量は、特に限定されないが、単量体成分(B−a)100質量部に対して、0〜5質量部であることが好ましい。
なお、連鎖移動剤は、通常のラジカル重合に用いられるものの中から適宜選択することができる。具体例としては、炭素数2〜20のアルキルメルカプタン、メルカプト酸類、チオフェノール、四塩化炭素等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
単量体成分(B−a)中の単量体(B−a1)の含有量は、好ましくは40〜99.9質量%である。
単量体成分(B−a)中の単量体(B−a2)の含有量は、好ましくは0〜59.9質量%である。
また、単量体成分(B−a)中の単量体(B−a1)と単量体(B−a2)の含有量の合計が、好ましくは50〜99.9質量%であり、より好ましくは60〜99.9質量%である。
単量体成分(B−a)中の単量体(B−a3)の含有量は、好ましくは0〜30質量%である。
単量体成分(B−a)中の多官能性単量体(B−a4)の含有量は、好ましくは0.1〜10質量%である。
アクリル系ゴム重合体(Ba)のガラス転移温度(以下、Tgという)は、アクリル系ゴム重合体(B)の柔軟性の観点から、好ましくは25℃未満、より好ましくは10℃以下、最も好ましくは0℃以下である。アクリル系ゴム重合体(Ba)のTgは、−100℃以上が好ましく、−80℃以上がより好ましい。なお、本発明において、Tgはポリマーハンドブック〔Polymer HandBook(J.Brandrup,Interscience,1989)〕に記載されている値を用いてFOXの式から算出した値をいう。
アクリル系ゴム含有重合体(B)中の単量体成分(B−a)の含有量(単量体成分(B−a)+単量体成分(B−b)+単量体成分(B−c)=100質量%)は、柔軟性、透明性および加工性の観点から、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは20〜70質量%である。
単量体成分(B−a)を重合する際、単量体成分(B−a)を重合容器内に一括で添加して重合しても良く、2段階以上に分けて添加して重合しても良い。フィルムの機械的特性の観点から、2段階以上に分けて重合することが好ましい。2段階以上に分けて重合する場合、各重合段階での単量体成分(B−a)中の各単量体の構成比は、それぞれ同じであっても良く、異なっていても良い。2段以上に分けて重合することで最終的に得られるアクリル系ゴム重合体の粒子径の制御が容易になる。
<重合体(Bb)>
アクリル系ゴム含有重合体(B)は、アクリル系ゴム重合体(Ba)の存在下に、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルを主成分として含む単量体成分(B−b)を重合して得られる重合体(Bb)を含有するアクリル系ゴム含有重合体である。
重合体(Bb)は、以下の単量体(B−b1)、単量体(B−b2)および単量体(B−b3)の混合物である。
(B−b1)炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキル:0〜20質量%
(B−b2)炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキル:51〜100質量%
(B−b3)重合性の二重結合を1個有する他の単量体:0〜49質量%。
単量体(B−b1)、単量体(B−b2)および単量体(B−b3)としては、それぞれ、単量体(B−a1)、単量体(B−a2)および単量体(B−a3)と同様の単量体を使用することができる。なお、単量体(B−b1)として使用される単量体と、単量体(B−a1)として使用される単量体は、同一の化合物であってもよく異なる化合物であってもよい。このような関係は、単量体(B−b2)及び単量体(B−a2)として使用される化合物間、並びに、単量体(B−b3)および単量体(B−a3)として使用される化合物間についても同様である。
単量体成分(B−b)は、連鎖移動剤を含むことができる。具体的には、アクリル系ゴム重合体(Ba)の説明において挙げたものを用いることができる。これらは一種を用いてもよく、または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
単量体成分(B−b)中の単量体(B−b1)の含有量は、好ましくは0〜20質量%である。
単量体成分(B−b)中の単量体(B−b2)の含有量は、好ましくは51〜100質量%である。
単量体成分(B−b)中の単量体(B−b3)の含有量は、好ましくは0〜49質量%である。
単量体(B−b)のみを重合して得られる重合体(Bb)のTgは、アクリル系ゴム重合体(B)の柔軟性の観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは80℃以上である。
単量体成分(B−b)の含有量(単量体成分(B−a)+単量体成分(B−b)+単量体成分(B−c)=100質量%)は、柔軟性、透明性および加工性の観点から、好ましくは20〜95質量%、より好ましくは30〜80質量%である。
単量体成分(B−b)を重合する際、単量体成分(B−b)を重合容器内に一括で添加して重合することもでき、2段階以上に分けて添加して重合することもできる。2段階以上に分けて重合する場合、各重合段階での各単量体の構成比は、それぞれ同じであっても良く、異なっていても良い。2段以上に分けて重合することで最終的に得られるアクリル系ゴム重合体の粒子系の制御が容易になる。
<重合体(Bc)>
単量体成分(B−b)を重合する前に、以下の単量体(B−c1)、単量体(B−c2)、単量体(B−c3)および多官能性単量体(B−c4)を含む単量体成分(B−c)を重合してもよい。
(Bc−1)炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキル:9.9〜90質量%
(Bc−2)炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキル:9.9〜90質量%
(Bc−3)重合性の二重結合を1個有する他の単量体:0〜20質量%
(Bc−4)重合性の二重結合を2個以上有する多官能性単量体:0.01〜10質量%。
単量体(B−c1)、単量体(B−c2)、単量体(B−c3)および多官能性単量体(B−c4)としては、それぞれ、単量体(B−a1)、単量体(B−a2)、単量体(B−a3)および多官能性単量体(B−a4)と同様の単量体を使用することができる。なお、単量体(B−c1)として使用される単量体と、単量体(B−a1)として使用される単量体は、同一の化合物であってもよく異なる化合物であってもよい。このような関係は、単量体(B−c2)および単量体(Ba−2)として使用される化合物間、単量体(B−c3)および単量体(B−a3)として使用される化合物間、並びに、多官能性単量体(B−c4)および多官能性単量体(B−a4)として使用される化合物間についても同様である。
また、単量体成分(B−c)は、連鎖移動剤を含むことができる。具体的には、アクリル系ゴム重合体(Ba)の説明において挙げたものを用いることができる。これらは一種を用いてもよく、または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
単量体成分(B−c)中の単量体(B−c1)の含有量は、好ましくは9.9〜90質量%である。
単量体成分(B−c)中の単量体(B−c2)の含有量は、好ましくは9.9〜90質量%である。
単量体成分(B−c)中の単量体(B−c3)の含有量は、好ましくは0〜20質量%である。
単量体成分(B−c)中の多官能性単量体(B−c4)の含有量は、好ましくは0.01〜10質量%である。
単量体成分(B−c)を重合して得られる重合体(Bc)のTgとしては、フィルムの柔軟性の観点から、アクリル系ゴム重合体(Ba)のTgより高いことが好ましい。
単量体成分(B−c)の組成としては、単量体成分(B−a)の組成と異なることが好ましい。単量体成分(B−a)と単量体成分(B−c)の組成を異ならせることで、フィルムの柔軟性を良好にすることが容易である。
単量体成分(B−c)から得られる重合体単独のTgは、好ましくは0〜100℃である。アクリル系ゴム重合体(B)の柔軟性の観点から、0℃以上であることが好ましい。また、製膜性の点から、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下、最も好ましくは70℃以下である。
単量体成分(B−c)の含有量(単量体成分(B−a)+単量体成分(B−b)+単量体成分(B−c)=100質量%)は、柔軟性、透明性および加工性の観点から、好ましくは5〜35質量%、より好ましくは7〜20質量%である。
単量体成分(B−c)を重合する際、単量体成分(B−c)は、重合容器内に一括で添加して重合することもでき、2段階以上に分けて添加して重合することもできる。2段階以上に分けて重合する場合、各重合段階での単量体成分(B−c)中の各単量体の構成比は、それぞれ同じであっても良く、異なっていても良い。2段以上に分けて重合することで最終的に得られるアクリル系ゴム重合体の粒子系の制御が容易になる。
上述した各単量体成分を重合することによって得られるアクリル系ゴム重合体(B)のTgは、機械的特性の観点から、60℃以上であることが好ましい。アクリル系ゴム重合体(B)のTgは、より好ましくは70℃以上であり、特に好ましくは80℃以上である。また、フィルムの成形性の観点から、アクリル系ゴム重合体(B)のTgは150℃以下であることが好ましく、130℃以下であることがより好ましい。
アクリル系ゴム重合体(B)のゲル含有率は、フィルムの機械的特性の観点から、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。フィルムの機械的特性の観点からは、ゲル含有率は大きい程有利であるが、フィルムの成形性の観点からは、ある量以上のフリーポリマーの存在が望まれるため、ゲル含有率は80質量%以下であることが好ましい。
アクリル系ゴム重合体(B)の質量平均分子量は、フィルムの機械的特性の観点から、3万以上であることが好ましく、フィルムの成形性の観点から20万以下であることが好ましい。
アクリル系ゴム重合体(B)の質量平均粒子径は、フィルムの機械的特性の観点から
0.03μm以上であることが好ましい。この平均粒子径は、フィルムの透明性の観点から、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.15μm以下、特に好ましくは0.13μm以下である。また、この平均粒子径は、フィルムの機械的特性の観点から、より好ましくは0.07μm以上であり、特に好ましくは0.09μm以上である。
本発明のフィルムを構成するバイオプラスチック(A)とアクリル系ゴム重合体(B)の合計100質量%中、アクリル系ゴム重合体(B)の含有量は、フィルムの機械的特性および透明性の観点から、好ましくは40〜85質量%、より好ましくは43〜82質量%、さらに好ましくは45〜80質量%である。
<アクリル系ゴム重合体(B)の製造方法>
アクリル系ゴム重合体(B)の製造法としては、例えば、逐次多段乳化重合法、およびアクリル系ゴム状重合体(Ba)の存在下に、必要に応じて単量体成分(B−c)を逐次多段乳化重合させた後に、単量体成分(B−b)重合時に懸濁重合系に転換させる乳化懸濁重合法が挙げられる。
アクリル系ゴム重合体(B)を逐次多段乳化重合法で製造する方法としては、例えば、アクリル系ゴム状重合体(Ba)を得るための単量体成分(B−a)、水および界面活性剤を混合して調製した乳化液を反応器に供給して重合した後に、単量体成分(B−c)および単量体成分(B−b)をそれぞれ順に反応器に供給して重合する方法が挙げられる。
上記の方法で得られたアクリル系ゴム重合体(B)を用いて得られるフィルムは、フィルム中のフィッシュアイ数が少ないという特性の点で、好ましい。
アクリル系ゴム重合体(B)を逐次多段乳化重合法で製造する際に使用される界面活性剤としては、例えば、アニオン系、カチオン系及びノニオン系の界面活性剤が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
アニオン系の界面活性剤としては、ロジン石鹸;オレイン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム系等のカルボン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム系等のスルホン酸塩;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム系等のリン酸エステル塩が挙げられる。
アニオン系の界面活性剤の市販品の具体例としては、三洋化成工業(株)製のエレミノールNC−718、東邦化学工業(株)製のフォスファノールLS−529、フォスファノールRS−610NA、フォスファノールRS−620NA、フォスファノールRS−630NA、フォスファノールRS−640NA、フォスファノールRS−650NA、フォスファノールRS−660NA、並びに、花王(株)製のラテムルP−0404、ラテムルP−0405、ラテムルP−0406、ラテムルP−0407(いずれも商品名)が挙げられる。
単量体成分(B−a)、水および界面活性剤を混合して乳化液を調製する方法としては、例えば、水中に単量体成分(B−a)を仕込んだ後、界面活性剤を投入する方法;水中に界面活性剤を仕込んだ後に単量体成分(B−a)を投入する方法;および単量体成分(Ba)中に界面活性剤を仕込んだ後に水を投入する方法が挙げられる。
単量体成分(B−a)を水および界面活性剤と混合して乳化液を調製するための混合装置としては、例えば、攪拌翼を備えた攪拌機;ホモジナイザー、ホモミキサー等の強制乳化装置;および膜乳化装置が挙げられる。
上記の乳化液としては、単量体成分(B−a)の油中に水滴が分散したW/O型、水中に単量体成分(B−a)の油滴が分散したO/W型のいずれの分散体でも使用することができる。
なお、アクリル系ゴム状重合体(Ba)の重合方法としては、例えば、単量体成分(Ba)を一括で重合する方法、単量体成分(B−a)を2以上に分けて、多段で重合する方法が挙げられる。多段で重合する場合の単量体成分(B−a)は、同一成分の単量体成分を多段階で重合してもよいし、成分の異なる単量体成分を多段階で重合してもよい。
アクリル系ゴム重合体(B)中の単量体成分(B−a)、単量体成分(B−b)および単量体成分(B−c)を重合する際に使用される重合開始剤としては、公知のものが使用できる。上記の重合開始剤としては、例えば、過酸化物、アゾ系開始剤及び過酸化物又はアゾ系開始剤と酸化剤・還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、または二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、ラジカル発生効率の観点から、レドックス系開始剤を使用することが好ましい。
レドックス系開始剤の具体例としては、硫酸第一鉄、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、ロンガリットおよびヒドロパーオキサイドを組み合わせたスルホキシレート系開始剤が挙げられる。ヒドロパーオキサイドとして、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドが具体的に挙げられる。
重合開始剤の使用量は、重合条件等に応じて適宜決めることができる。また、重合開始剤は、水相と単量体相のいずれか一方または両方に添加することができる。
アクリル系ゴム重合体(B)のラテックスの製造方法として、重合安定性の観点から特に以下の方法が好ましい。まず、硫酸第一鉄、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、ロンガリットおよび水を反応器内に仕込んで水溶液を調製し、この水溶液を重合温度にまで昇温する。一方、単量体成分(B−a)、過酸化物等の重合開始剤、水および界面活性剤を混合して乳化液を調製する。次いで、この乳化液を前記昇温後の反応器内に供給して、単量体を重合する。次いで、単量体成分(B−c)を過酸化物等の重合開始剤とともに反応器内に供給して重合する。次に、単量体成分(B−b)を過酸化物等の重合開始剤等とともに反応器内に供給して重合する。
アクリル系ゴム重合体(B)のラテックスを得るための重合温度としては、用いる重合開始剤の種類やその量によって異なるが、重合安定性の観点から、通常、40℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましく、また、120℃以下であることが好ましく、95℃以下であることがより好ましい。
上記の方法で得られたアクリル系ゴム重合体(B)のラテックスは、必要に応じて濾材を配した濾過装置を用いて処理することが好ましい。この濾過処理によって、アクリル系ゴム重合体(B)のラテックスから重合中に発生したスケール、原料中の不純物、および重合の過程で外部から混入する夾雑物等をラテックスから除去できる。
上記の濾材を配した濾過装置としては、例えば、袋状のメッシュフィルターを利用したISPフィルターズ・ピーテーイー・リミテッド社のGAFフィルターシステム、円筒型濾過室内の内側面に円筒型の濾材を配し、該濾材内に攪拌翼を配した遠心分離型濾過装置および濾材が該濾材面に対して水平の円運動および垂直の振幅運動をする振動型濾過装置が挙げられる。
アクリル系ゴム重合体(B)は、上記の方法で製造したラテックスからアクリル系ゴム重合体(B)を回収(固液分離して捕集)することによって粉状物として得ることができる。
アクリル系ゴム重合体(B)のラテックスから粉状物としてアクリル系ゴム重合体(B)を回収する方法としては、具体的には、ラテックスを金属塩水溶液と接触させて凝固、あるいは塩析し、固液分離後、重合体の1〜100質量倍程度の水でこれを洗浄し、ろ別などの脱水処理により湿潤状の粉体とし、さらに、この湿潤状の粉体を圧搾脱水機や、流動乾燥機などの熱風乾燥機で乾燥させる方法を用いることができる。その他、スプレードライ法によりラテックスを直接乾燥させてもよい。重合体の乾燥温度、乾燥時間は重合体の種類によって適宜決定できる。
アクリル系ゴム重合体(B)の凝固に使用する凝固剤としては、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、ギ酸カリウム、ギ酸カルシウム等の有機塩や、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム等の無機塩等を挙げることができる。これらのうち酢酸カルシウム、塩化カルシウム等のカルシウム塩が好ましい。特に粉体を成形したフィルムの耐温水白化性の点、また、回収される粉体の含水率を低くする点で酢酸カルシウムが好ましい。これらは一種を用いてもよく、または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
凝固剤は、通常、水溶液として用いられるが、凝固剤、好ましくは酢酸カルシウムの水溶液の濃度は、安定してアクリル系ゴム重合体(B)を凝固、回収できることから、0.1質量%以上、特に1質量%以上であることが好ましい。また、凝固剤、好ましくは酢酸カルシウムの水溶液の濃度は、回収したアクリル系ゴム重合体(B)に残存する凝固剤の量が少なく、特に耐温水白化性、着色性などの樹脂成形体の性能をほとんど低下させないことから、20質量%以下、特に15質量%以下であることが好ましい。また、酢酸カルシウムの濃度が20質量%を越えると10℃以下では飽和により酢酸カルシウムが析出することがある。
ラテックスを凝固剤に接触させる方法は、例えば、凝固剤の水溶液を攪拌しながら、そこにラテックスを連続的に添加して一定時間攪拌を継続する方法や、凝固剤の水溶液とラテックスとを一定の比率で攪拌機付きの容器に連続的に注入しながら接触させ、凝固したアクリル樹脂組成物と水とを含む混合物を容器から連続的に抜き出す方法等が挙げられる。凝固剤の水溶液の量は、アクリル系ゴム重合体(B)ラテックス100質量部に対して10質量部以上であることが好ましく、500質量部以下であることが好ましい。凝固工程の温度は30℃以上であることが好ましく、また、100℃以下であることが好ましい。
アクリル系ゴム重合体(B)を、金属塩を用いた塩析処理による凝固法で回収する場合、最終的に得られたアクリル系ゴム重合体(B)中への残存金属含有量を800ppm以下にすることが好ましく、残存金属含有量は微量であるほど好ましい。
上記の塩析処理における金属塩としてカルシウム、マグネシウム、ナトリウム等の水との親和性の強い金属塩、好ましくはカルシウム塩を使用する場合には、アクリル系ゴム重合体(B)中の残存金属含有量を極力少なくすることにより、フィルムを沸騰水中に浸漬する際の白化現象を容易に抑制できる。
<配合剤>
本発明では、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で、フィルムの分野で用いられる一般的な配合剤を添加することができる。この配合剤としては、例えば、安定剤、酸化防止剤、滑剤、加工助剤、艶消し剤、光拡散剤、可塑剤、耐衝撃剤、発泡剤、充填剤、抗菌剤、防カビ剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、封鎖剤、顔料、相溶化剤等を挙げることができる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系、硫黄系、リン系等の酸化防止剤を用いることができる。熱安定剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、硫黄系、ヒドラジン系等の熱安定剤を用いることができる。可塑剤としては、ポリマーブレンド(X)を構成する樹脂の種類にもよるが、例えば、フタル酸エステル系、リン酸エステル系、脂肪酸エステル系、脂肪族二塩基酸エステル系、オキシ安息香酸エステル系、エポキシ系、ポリエステル系等の可塑剤を用いることができる。滑剤としては、例えば、脂肪酸エステル系、脂肪酸系、金属石鹸系、脂肪酸アミド系、高級アルコール系、パラフィン系等の滑剤を用いることができる。帯電防止剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性イオン系等の帯電防止剤を用いることができる。難燃剤としては、例えば、臭素系、リン系、塩素系、窒素系、アルミニウム系、アンチモン系、マグネシウム系、ホウ素系、ジルコニウム系等の難燃剤を用いることができる。充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、滑石、蝋石、カオリン等を用いることができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系等の紫外線吸収剤を用いることができる。光安定剤としては、ヒンダードアミン系等の光安定剤を用いることができる。封鎖剤としては、ポリマーのカルボキシル末端基を封鎖することのできる化合物であれば特に制限はなく、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、 カルボジイミド化合物等、ポリマーのカルボキシル末端の封鎖剤として使用されているものを用いることができる。これらの配合剤は一種を用いてもよく、または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
配合剤の添加量は、耐ブリードアウト性の観点から、バイオプラスチック(A)とアクリル系ゴム重合体(B)の合計100質量部に対して、好ましくは0.05〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部である。
<本発明のフィルムの構成>
本発明のフィルムの構成は、前述したとおり、(A)成分、及び(B)成分を含む樹脂組成物からなる層を少なくとも1層有すれば、層構成は特に限定されるものではない。積層構成をとる場合も十分想定され、例えば2種3層の積層構成をとる場合は表面/裏面に配する層を(II)層、中心層に配する層を(I)層と積層することにより、(I)層と(II)層の材料配合を種々調整することにより熱収縮性フィルムの特性を調整することができる。また、本発明のフィルムを積層構成にする場合、各層の積層比は特に制限されるものではなく、上記の各層の材料配合の調整と併せて、各層の積層比を種々調整することによりバイオプラスチックフィルムの特性を調整することができる。
特には、上記した、好ましい層構成の(II)層/(I)層/(II)層の3層の場合、その厚みの比率は、1:2:1:〜1:10:1の範囲であるのが好ましい。
本発明のフィルムにおいては、厚みが薄いフィルムの方が透明性の高いものが得られやすく、厚いフィルムの方が機械的強度の高いものが得られやすい。そのため、積層フィルムの厚みは、好ましくは2〜500μm、より好ましくは5〜300μm、さらに好ましくは10〜200μmである。
<本発明のフィルムの製造方法>
本発明のフィルムは、公知の方法によって製造することができる。例えば、溶融流延法、Tダイ法、インフレーション法等の溶融押出法及びカレンダー法が挙げられるが、経済性の点でTダイ法が好ましい。
バイオプラスチックフィルムは押出機等で製膜した後、巻き取り機で紙管等の管状物に巻き取って、ロール状物品とすることができる。また、必要に応じて製膜工程中に、公知の延伸方法による一軸延伸(流れ方向または横方向(流れ方向に垂直な方向))、二軸延伸(逐次二軸延伸、同時二軸延伸)等の延伸工程を設けることができる。
押出温度は、好ましくは160〜240℃、より好ましくは170〜230℃である。押出の温度やせん断の状態を最適化することにより材料の分散状態を制御することも、下記詳述するフィルムの種々の物理的特性・機械的特性を所望の値にするのに有効である。
また本発明のフィルムは、必要に応じて帯電防止処理、コロナ処理、印刷、コーティング、蒸着等の表面処理や表面加工、さらには、各種溶剤やヒートシールによる製袋加工やミシン目加工などを施すことができる。
<本発明のフィルムの特性>
(1)MD方向の引張破断伸度
本発明のフィルムは、厚さ100μm、幅15mmに成形した試験片について、MD方向の引張試験における引張破断伸度が130%以上であることが、加工性の観点から好ましい。引張試験は、初期のチャック間距離100mm、引張速度50mm/min.、温度23℃で行う。引張破断伸度は、より好ましくは140%以上、さらに好ましくは150%以上である。破断伸度が150%以上であれば、三次元形状の各種樹脂成形体等への積層時に、破断や割れの発生を抑制することができる。なお、ここで、「MD方向」とは、フィルムの押出方向を意味する。
本発明において、引張破断強度ならびに引張破断伸度は、例えば、層の材料配合の調整と併せて、製膜工程での押出条件の調整、積層フィルム構成の場合は積層比をも適宜行うことなどによって、上記値に調整することができる。ここで言う押出条件の調整とは、一例として押出の温度やせん断の状態を最適化することで材料の分散状態を制御することが挙げられる。
(2)透明性
本発明のフィルムの透明性は、例えば、厚さ100μmのフィルムをJIS K7136にて測定した場合、ヘーズ値は、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。ヘーズ値が5%以下であれば、フィルムの透明性が得られる。
本発明のフィルムの光の透過率としては、JIS K7361−1に準拠して測定した全光線透過率が、好ましくは80%以上、より好ましくは83%以上、さらに好ましくは85%以上である。全光線透過率が80%以上であれば、フィルムの透明性が得られる。
以下に本発明について実施例を用いて例示説明する。以下の実施例により、本発明の内容が限定されるものではない。なお、「部」は「質量部」を表す。また、以下の説明で使用される略号は以下の通りである。
MMA: メタクリル酸メチル
MA: メチルアクリレート
n−BA: アクリル酸n−ブチル
1,3−BD: ジメタクリル酸ブチレングリコール
AMA: メタクリル酸アリル
CHP: クメンハイドロパーオキサイド
t−BH: t−ブチルハイドロパーオキサイド
n−OM: n−オクチルメルカプタン
EDTA: エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム
SFS: ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)
RS610NA:ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム
(東邦化学工業(株)製、商品名:フォスファノールRS610NA)
各実施例、比較例で使用したバイオプラスチック(A)は、下記の通りである。
<バイオプラスチック(A)>
・Nature WorksLLC社製、商品名:NatureWorks4032D、D体/L体量=1.3/98.7、「A1」と略する。
・Nature WorksLLC社製、商品名:NatureWorks2003D、D体/L体量=4.3/95.7、「A2」と略する。
[調製例1]<アクリル系ゴム重合体(B)>の製造
攪拌機および冷却器を備えた容器にイオン交換水8.5部を仕込んだ後、MMA0.3部、n−BA4.5部、1,3−BD0.2部、AMA0.05部、CHP0.025部からなる単量体成分(B−a−1)を投入し、攪拌混合した。次いで、乳化剤としてRS610NA1.3部を攪拌しながら上記容器に投入し、再度20分間攪拌を継続し、単量体成分(B−a−1)を含有する乳化液を調製した。
次に、冷却器付き反応容器内にイオン交換水186.5部を投入し、これを70℃に昇温し、更に、イオン交換水5部にSFS0.20部、硫酸第一鉄0.0001部、EDTA0.0003部を加えて調製した混合物を一括投入した。次いで、窒素下で撹拌しながら、単量体成分(B−a−1)を含有する乳化液を8分間かけて反応容器に滴下した後、15分間反応を継続させて単量体成分(B−a−1)からなる重合体を得た。
続いて、容器内に、MMA1.5部、n−BA22.5部、1,3−BD1.0部、AMA0.25部、CHP0.016部からなる単量体成分(B−a−2)を90分間かけて添加した後、60分間反応を継続させてアクリル系ゴム重合体(Ba)を得た。ここで、アクリル系ゴム重合体(Ba)のTgは−47℃であった。
続いて、MMA6.0部、n−BA4.0部、AMA0.075部、及びCHP0.013部からなる単量体成分(B−c)を45分間かけて反応容器に滴下した後、60分間反応を継続させて中間重合体を形成させた。ここで、単量体成分(B−c)から構成される重合体(Bc)のTgは20℃であった。
次いで、MMA55.2部、n−BA4.8部、n−OM0.22部、及びt−BH0.075部からなる単量体成分(B−b)を140分間かけて反応容器に滴下した後、60分間反応を継続させてアクリル系ゴム重合体(B)のラテックスを得た。ここで、単量体成分(B−b)から構成される重合体(Bb)のTgは84℃であった。
得られたアクリル系ゴム重合体(B)のラテックスを、濾材にSUS製のメッシュ(平均目開き62μm)を取り付けた振動型濾過装置を用い濾過した後、酢酸カルシウム3部を含む水溶液中で塩析させ、水洗回収後、乾燥し、粉体状のアクリル系ゴム重合体(B)を得た。
各実施例、比較例における各種特性の評価は、以下の方法により実施した。
(1)MD方向の引張破断伸度
得られたバイオプラスチックフィルムをMD方向に150mm、TD方向に15mmの大きさに切り出し、JIS K7127に準拠し、引張速度50mm/minで、雰囲気温度23℃におけるフィルムのMD方向の引張破断伸度を測定し、5回の測定値の平均値を測定した。
(2)透明性
バイオプラスチックフィルムのヘーズおよび全光線透過率を以下の条件で測定した。
なお、ヘーズはJIS K7136に準拠し、全光線透過率はJIS K7361−1に準拠して、日本電色工業(株)製のNDH2000を用いて測定した。
(バイオプラスチックフィルムの製造および各種特性の評価)
[実施例1]
バイオプラスチック(A1)25部、調製例1で得られたアクリル系ゴム重合体(B)75部に、抗酸化剤としてBASF社製のヒンダードフェノール系酸化防止剤であるイルガノックス1076(商品名)とを表1に示す配合量で混合した。
このバイオプラスチック混合物を220℃に加熱した脱気式2軸混練押出機(東芝機械(株)製、商品名:TEM−35B)に供給し、混練してバイオプラスチック混合物のペレット状物を得た。さらに、このペレットを除湿乾燥機にて80℃で一昼夜乾燥させた。
乾燥させて得られたアクリル樹脂組成物のペレットを、200mm幅のTダイを取り付けた30mmφ(直径)のノンベントスクリュー型押出機(L/D=25)を用いてシリンダー温度170℃〜200℃、Tダイ温度220℃および冷却ロール温度80℃の条件で製膜し、厚さ100μmのバイオプラスチックフィルムを得た。得られたフィルムの各種特性の評価結果を表2に示す。
[実施例2]
ポリ乳酸(A1)50部、アクリル系ゴム重合体(B)50部とした以外は、実施例1と同様に行った。得られたフィルムの各種特性の評価結果を表2に示す。
[実施例3]
ポリ乳酸(A2)25部、アクリル系ゴム重合体(B)50部とした以外は、実施例1と同様に行った。得られたフィルムの各種特性の評価結果を表2に示す。
[実施例4]
ポリ乳酸(A2)50部、アクリル系ゴム重合体(B)50部とした以外は、実施例1と同様に行った。得られたフィルムの各種特性の評価結果を表2に示す。
[比較例1]
アクリル系ゴム重合体(B)のみとした以外は、実施例1と同様に行った。得られたフィルムの各種特性の評価結果を表2に示す。
[比較例2]
ポリ乳酸(A1)75部、アクリル系ゴム重合体(B)25部とした以外は、実施例1と同様に行った。得られたフィルムの各種特性の評価結果を表2に示す。
[比較例3]
ポリ乳酸(A1)のみとした以外は、実施例1と同様に行った。得られたフィルムの各種特性の評価結果を表2に示す。
[比較例4]
ポリ乳酸(A2)75部、アクリル系ゴム重合体(B)25部とした以外は、実施例1と同様に行った。得られたフィルムの各種特性の評価結果を表2に示す。
[比較例5]
ポリ乳酸(A2)のみとした以外は、実施例1と同様に行った。得られたフィルムの各種特性の評価結果を表2に示す。
実施例1〜4で得られたフィルムは、MD方向の引張破断伸度が高い値を示した。さらに、透明性も良好な値を示しており、フィルムとして求められる要求品質を満たす結果を得た。このため、例えば、フィルムを直接、三次元形状の各種樹脂成形品、木工製品または金属成形品の表面に積層する際、あるいは、各種樹脂シートに積層したものを、三次元形状の各種樹脂成形品、木工製品または金属成形品の表面に積層する際、加工性に優れ、破断や割れを抑制することができ、得られる成形体は、透明性、意匠性に優れる。一方、比較例1〜5で得られたフィルムは、透明性に優れるものの、MD方向の引張破断伸度が低い為に柔軟性に劣る。そのため、取り扱いが困難であり、例えば、直接または樹脂シートに積層後、三次元形状の各種樹脂成形品、木工製品、または金属成形品の表面に積層する際、破断や割れが頻繁に発生する可能性がある。

Claims (10)

  1. バイオプラスチック(A)とアクリル系ゴム重合体(B)とを、(A)/(B)の比が15/85〜60/40となるように含有するバイオプラスチックフィルム。
  2. 前記バイオプラスチック(A)が、脂肪族ポリエステルまたは脂肪族ポリエステルの混合物である請求項1に記載のバイオプラスチックフィルム。
  3. 前記脂肪族ポリエステルが、ポリ乳酸系樹脂である請求項2に記載のバイオプラスチックフィルム。
  4. 前記アクリル系ゴム重合体(B)が、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルおよび炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルから選ばれるいずれか一種以上を重合して得られたアクリル系ゴム重合体(Ba)に、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルを含有する単量体をグラフト重合したグラフト重合体である請求項1〜3のいずれか一項に記載のあるバイオプラスチックフィルム。
  5. 前記グラフト重合体が、アクリル系ゴム重合体(Ba):30〜60質量%、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキル由来の構造単位を10〜100質量%含む単量体成分を重合して得られる重合体(Bb):70〜40質量%からなるグラフト重合体である請求項1〜4のいずれか一項に記載のあるバイオプラスチックフィルム。
  6. 前記アクリル系ゴム重合体(Ba)が、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキル40〜99.9質量%、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキル0〜59.9質量%、前記アクリル酸アルキルおよび前記メタクリル酸アルキルと共重合可能な二重結合を有する他の単量体0〜30質量%、前記アクリル酸アルキルおよび前記メタクリル酸アルキルと共重合可能な二重結合を1分子内に2個以上有する単量体0.1〜10質量%からなり、アクリル酸アルキルおよびメタクリル酸アルキルの合計が、50〜99.9質量%である請求項4〜5のいずれか一項に記載のバイオプラスチックフィルム。
  7. 厚みが10〜200μmである請求項1〜6のいずれか一項に記載のバイオプラスチックフィルム。
  8. 押出成形により得られる請求項1〜7のいずれか一項に記載のバイオプラスチックフィルム。
  9. JISK7127に準拠して測定した25℃におけるMD方向の引張破断伸度が150%以上である請求項1〜8のいずれか一項に記載のバイオプラスチックフィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のバイオプラスチックフィルムを少なくとも1層有する多層フィルム。
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