JP2020132447A - ナノダイヤモンド分散組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ナノダイヤモンドがイオン液体にナノサイズで分散している組成物を提供する。【解決手段】イオン液体と、前記イオン液体中に分散しているナノダイヤモンド粒子と、を含むナノダイヤモンド分散組成物。上記ナノダイヤモンド分散組成物において、上記ナノダイヤモンド粒子の平均分散粒子径D50は4〜80nmであることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、ナノダイヤモンド分散組成物に関する。
イオン液体は、導電性、−30℃以上300℃以下の温度領域でも液体状を維持できるという性質、蒸気圧が極めて低いなどの性質を有する。このため、イオン液体は、近年、電池、潤滑剤代替、イオンエンジン(宇宙環境)などの分野の研究開発に利用されている。
一方、ナノサイズの微細な物質は、バルク状態では発現し得ない新しい特性を有することが知られている。例えば、ナノダイヤモンド粒子(=ナノサイズのダイヤモンド粒子)は、機械的強度、高屈折率、熱伝導性、絶縁性、酸化防止性、樹脂等の結晶化を促進する作用などを有する。ナノダイヤモンド粒子が水あるいは有機溶媒にナノサイズで分散している組成物は知られている(例えば、特許文献1)。
特開2017−128482号公報
ナノダイヤモンド粒子は、上記の性質を有することにより、イオン液体と同様の分野での開発が進められている。このため、ナノダイヤモンドがイオン液体に分散した組成物がこのような分野において期待される。しかしながら、ナノダイヤモンドがイオン液体に分散した組成物はこれまでに知られていない。
従って、本発明の目的は、ナノダイヤモンドがイオン液体にナノサイズで分散している組成物を提供することにある。
本発明は、イオン液体と、上記イオン液体中に分散しているナノダイヤモンド粒子と、を含むナノダイヤモンド分散組成物を提供する。
上記ナノダイヤモンド分散組成物におけるナノダイヤモンド粒子の平均分散粒子径D50は4〜80nmであることが好ましい。
上記イオン液体は構成アニオンとして親水性アニオンを含むことが好ましい。
上記イオン液体は構成アニオンとしてハロゲン系アニオン、カルボン酸系アニオン、硫酸・硫酸エステル系アニオン、ホスホン酸系アニオン、及びシアノ系アニオンからなる群より選択される1以上のアニオンを含むことが好ましい。
また、上記ナノダイヤモンド分散組成物は、さらに界面活性剤を含み、上記イオン液体は構成アニオンとして疎水性アニオンを含んでいてもよい。
上記ナノダイヤモンド粒子はポリグリセリン鎖を含む基を表面に有する表面修飾ナノダイヤモンドであることが好ましい。
本発明のナノダイヤモンド分散組成物では、ナノダイヤモンド粒子がイオン液体にナノサイズで分散している。このため、電池、潤滑剤代替、イオンエンジン(宇宙環境)などのあらゆる分野での活用が期待できる。
本発明のナノダイヤモンド分散組成物は、イオン液体と、上記イオン液体中に分散しているナノダイヤモンド粒子とを含む。
(ナノダイヤモンド粒子)
上記ナノダイヤモンド粒子(ND粒子)は、特に限定されず、公知乃至慣用のナノダイヤモンド粒子を用いることができる。上記ND粒子は、表面修飾されたND(表面修飾ND)粒子であっていてもよいし、表面修飾されていないND粒子であってもよい。なお、表面修飾されていないND粒子は、表面にヒドロキシル基(−OH)及びカルボキシル基(−COOH)を有する。ND粒子は、一種のみを用いてもよいし二種以上を用いてもよい。
上記表面修飾NDにおいてND粒子を表面修飾する化合物又は官能基としては、例えば、シラン化合物、カルボキシル基(−COOH)、ホスホン酸イオン若しくはホスホン酸残基、末端にビニル基を有する表面修飾基、アミド基、カチオン界面活性剤のカチオン、ポリグリセリン鎖を含む基、ポリエチレングリコール鎖を含む基などが挙げられる。
上記表面修飾NDにおいてND粒子を表面修飾する化合物又は官能基としては、中でも、イオン液体中の分散性により優れる観点から、ポリグリセリン鎖を含む基が好ましい。すなわち、上記表面修飾NDは、ポリグリセリン鎖を含む基を表面に有する表面修飾NDであることが好ましい。上記表面修飾ND粒子(特に、ポリグリセリン鎖を含む基を表面に有する表面修飾ND粒子)を用いると、表面修飾する化合物又は官能基が、立体障害によりND粒子間の凝集を抑制し、イオン液体との親和性向上に有効に作用すると推測され、ND粒子がイオン液体中にナノ分散しやすい。特に、イオン液体はカチオンとアニオンの電解質のみからなり、単一成分からなる分散媒とは異なりND粒子がより凝集しやすいと推測されるところ、ポリグリセリン鎖を含む基を表面に有する表面修飾ND粒子は、イオン液体中での分散性がよりいっそう優れる。
上記ポリグリセリン鎖におけるグリセリンの数平均重合度は、1〜100が好ましく、より好ましくは2〜40、さらに好ましくは3〜20である。上記数平均重合度が大きいと、ND粒子間相互の反発力が充分に作用し、イオン液体中のND粒子の分散性をよりいっそう高くすることができる。上記数平均重合度が100以下であると、ND粒子間でポリグリセリン鎖同士が絡み合うのを抑制し、イオン液体中のND粒子の分散性をより高くすることができる。なお、上記数平均重合度は、原料ナノダイヤモンドの表面官能基1に対し結合した基におけるポリグリセリン鎖を構成するグリシドール単位の数で定義され、該原料ナノダイヤモンドの表面官能基数は原料ナノダイヤモンドの元素分析値測定若しくは酸価の測定、又はこれら両方を組み合わせて測定することにより求めることができる。
上記ポリグリセリン鎖を含む基は、具体的には、下記式(1)で表される基が挙げられる。
−X−R (1)
上記式(1)中、Xは、単結合、−NH−、−O−、−COO−、−PH(=O)O−又は−S−を示す。Rはポリグリセリル基(ポリグリセリン鎖)を示す。上記ポリグリセリン鎖を含む基を表面に有する表面修飾NDを「ND−X−R」と表すことができる。複数の上記式(1)で表される基において、X及びRは、それぞれ、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記ポリグリセリン鎖を含む基を表面に有する表面修飾NDは、例えば、ND粒子に直接グリシドールを開環重合させる方法、表面に活性水素を含む官能基を導入したND粒子にグリシドールを開環重合させる方法などが挙げられる。ND粒子は製造過程で生じるカルボキシル基、ヒドロキシル基を有しており、これらの官能基とグリシドールを反応させることにより、ND粒子の表面をポリグリセリン鎖によって修飾できる。上記活性水素を含む官能基としては、例えば、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、メルカプト基(チオール基)、ホスフィン酸基などが挙げられる。原料として用いるND粒子の平均分散粒子径(D50)は、通常3〜200nmである。なお、これらの具体的な方法は、例えば特開2012−082103号公報に記載されている。
ポリグリセリン鎖を含む基を表面に有する表面修飾NDにおいて、特に限定されないが、ナノダイヤモンドに対するポリグリセリン鎖の質量比(後者/前者)は、10/90〜48/52が好ましく、より好ましくは25/75〜45/55である。上記質量比が10/90以上であると、ND粒子表面のポリグリセリン鎖による被覆量が充分となり、イオン液体中のND粒子の分散性をより向上させることができる。上記質量比が48/52以下であると、ダイヤモンド材料としての特性をより発揮することができる。上記質量比は、示差熱天秤分析装置(TG−DTA)を用いて表面修飾NDの熱処理時の質量変化を測定することにより、又は元素分析によるCHNO組成比により求めることができる。なお、ND粒子に活性水素を含む官能基を導入した後、ポリグリセリン鎖をグリシドールの開環重合により形成する場合、上記「ナノダイヤモンドに対するポリグリセリン鎖の質量比」における「ポリグリセリン鎖」の質量には上記官能基に対応する構造部の質量も含まれるものとする。
(イオン液体)
本発明のナノダイヤモンド分散組成物はイオン液体を含む。イオン液体としては、公知乃至慣用のイオン液体を用いることができる。上記イオン液体は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
上記イオン液体を構成するアニオン(構成アニオン)としては、カチオンとの組み合わせによりイオン液体となるものであれば特に限定されないが、例えば、ハロゲン系アニオン、塩化アルミネートアニオン、無機オキソ酸系アニオン、カルボン酸系アニオン、硫酸・硫酸エステル系アニオン、スルホン酸系アニオン、リン酸・リン酸エステル系アニオン、ホスホン酸系アニオン、シアノ系アニオン、フッ素系アニオン、フルオロハイドロジェネート系アニオン、アミド・イミド系アニオン、メチド系アニオンなどが挙げられる。なお、上記アニオンの種類は相互に重複し得る。上記アニオンは、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
上記ハロゲン系アニオンとしては、Cl-、Br-、I-が挙げられる。上記塩化アルミネートアニオンとしては、AlCl4 -、Al2Cl7 -などが挙げられる。上記無機オキソ酸系アニオンとしては、ClO4 -、NO3 -、HSO4 -、SO4 2-、H2PO4 -、HPO4 2-、PO4 3-などが挙げられる。上記カルボン酸系アニオンとしては、HCOO-、CH3COO-、CF3COO-、C25COO-、C25COO-、C37COO-、C37COO-、C919COO-、CH3CH(OH)COO-などが挙げられる。上記硫酸・硫酸エステル系アニオンとしては、HSO4 -、SO4 2-、CH3OSO3 -、C25OSO3 -、C613OSO3 -、C817OSO3 -、CH3(OC242OSO3 -などが挙げられる。上記スルホン酸系アニオンとしては、CH3SO3 -、CF3SO3 -、C49SO3 -、C64(CH3)SO3 -などが挙げられる。上記リン酸・リン酸エステル系アニオンとしては、H2PO4 -、HPO4 2-、PO4 3-、(CH32PO4 -、(C252PO4 -などが挙げられる。上記ホスホン酸系アニオンとしては、(CH3O)PHO2 -、(C25O)PHO2 -などが挙げられる。上記シアノ系アニオンとしては、(CN)2-、(CN)3-、(CN)4-などが挙げられる。上記フッ素系アニオンとしては、BF4 -、PF6 -、(C253PF3 -、AsF6 -、SbF6 -、NbF6 -、TaF6 -、PF3(C253 -など、フッ素原子含有アニオンが挙げられる。上記フルオロハイドロジェネート系アニオンとしては、HF2 -、F(HF)n -(nは1以上の整数を表す)などが挙げられる。上記アミド・イミド系アニオンとしては、(FSO22-、(CF3SO22-、(C25SO22-、(C37SO22-、(C49SO22-、(CF3SO2)(CF3CO)N-などが挙げられる。上記メチド系アニオンとしては、(FSO23-、(CF3SO23-、(C25SO23-、(C37SO23-などが挙げられる。なお、上記各アニオンは一種のみに属するものであってもよく、二種以上に属する場合もある。
上記アニオンとしては、中でも、形成するイオン液体の親水性が高いもの(親水性アニオン)が、特にポリグリセリン鎖を含む基を有する表面修飾ND粒子との相性がよく分散性により優れるため、好ましい。上記親水性アニオンとしては、ハロゲン系アニオン、無機オキソ酸系アニオン、カルボン酸系アニオン、硫酸・硫酸エステル系アニオン、スルホン酸系アニオン、リン酸・リン酸エステル系アニオン、ホスホン酸系アニオン、シアノ系アニオンが挙げられる。中でも、ハロゲン系アニオン、カルボン酸系アニオン、硫酸・硫酸エステル系アニオン、ホスホン酸系アニオン、シアノ系アニオンが好ましく、Cl-、(CN)2-、CH3OSO3 -、CH3COO-、(CH3O)PHO2 -が特に好ましい。
なお、上記アニオンが、形成するイオン液体の疎水性が高いもの(疎水性アニオン)であっても、後述のように界面活性剤を配合することで、ND粒子の分散性がより優れる傾向がある。上記疎水性アニオンとしては、フッ素系アニオンが挙げられる。中でも、PF6 -、(CF3SO22-が好ましい。
上記イオン液体を構成するカチオン(構成カチオン)としては、アニオンとの組み合わせによりイオン液体となるものであれば特に限定されないが、例えば、ピリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピロリン骨格を有するカチオン、ピロール骨格を有するカチオン、モルフォリニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオン、アルキルアンモニウムカチオン、アルキルスルホニウムカチオン、アルキルホスホニウムカチオンが挙げられる。また、上記アルキル基の一部がアルケニル基、アルコキシル基、あるいはエポキシ基に置換されたものも挙げられる。上記カチオンは、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
上記ピリジニウムカチオンとしては、例えば、1−ブチルピリジニウムカチオン、1−へキシルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−オクチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムカチオンなどが挙げられる。
上記ピペリジニウムカチオンとしては、例えば、1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−メチルピペリジニウムカチオン、1−ヘキシル−1−メチルピペリジニウムカチオンなどが挙げられる。
上記ピロリジニウムカチオンとしては、例えば、1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−へキシル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、ピロリジニウム−2−オンカチオンなどが挙げられる。
上記ピロリン骨格を有するカチオン、あるいはピロール骨格を有するカチオンとしては、例えば、2−メチル−1−ピロリンカチオン、1−エチル−2−フェニルインドールカチオン、1,2−ジメチルインドールカチオン、1−エチルカルバゾールカチオンなどが挙げられる。上記モルフォリニウムカチオンとしては、例えば、N−エチル−N−メチルモルフォリニウムカチオンなどが挙げられる。
上記イミダゾリウムカチオンとしては、例えば、1−メチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ペンチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−へプチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ノニル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ウンデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−トリデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ペンタデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ヘプタデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−オクタデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ウンデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−(2−メトキシエチル)−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ビス(ドデシル)イミダゾリウムカチオンなどが挙げられる。
上記テトラヒドロピリミジニウムカチオンとしては、例えば、1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオンなどが挙げられる。
上記ジヒドロピリミジニウムカチオンとしては、例えば、1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,3−ジメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオンなどが挙げられる。
上記ピラゾリウムカチオンとしては、例えば、1−メチルピラゾリウムカチオン、3−メチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオンなどが挙げられる。
上記ピラゾリニウムカチオンとしては、例えば、1−エチル−2−メチルピラゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオン、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオン、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオンなどが挙げられる。
上記テトラアルキルアンモニウムカチオン(アルキル基の少なくとも一部がアルケニル基、アルコキシル基、あるいはエポキシ基に置換されたものを含む)としては、例えば、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラペンチルアンモニウムカチオン、テトラヘキシルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、メチルトリオクチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、テトラデシルトリヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、トリメチルアミノエチルアクリレートカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
上記トリアルキルスルホニウムカチオン(アルキル基の少なくとも一部がアルケニル基、アルコキシル基、あるいはエポキシ基に置換されたものを含む)としては、例えば、トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン、トリヘキシルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオンなどが挙げられる。
上記テトラアルキルホスホニウムカチオン(アルキル基の少なくとも一部がアルケニル基、アルコキシル基、あるいはエポキシ基に置換されたものを含む)としては、例えば、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラヘキシルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン、トリメチルデシルホスホニウムカチオン、トリブチル−(2−メトキシエチル)ホスホニウムカチオンなどが挙げられる。
上記カチオンとしては、ナノダイヤモンド粒子の分散性により優れる観点から、中でも、イミダゾリウムカチオンが好ましく、より好ましくは、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンである。
上記イオン液体としては、具体的には、例えば、1−ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−へキシルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ヘキシル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−メチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−メキシルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−メチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−へキシル−1−メチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、2−メチル−1−ピロリンテトラフルオロボレート、1−エチル−2−フェニルインドールテトラフルオロボレート、1,2−ジメチルインドールテトラフルオロボレート、1−エチルカルバゾールテトラフルオロボレートなどが挙げられる。
さらに、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルサルフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジメチルホスフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルホスホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドなどが挙げられる。
さらに、2−メチルピラゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドなどが挙げられる。
さらに、テトラペンチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、テトラペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラヘキシルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、テトラヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラヘプチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、テトラヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、ジアリルジメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムテトラフルオロボレート、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドなどが挙げられる。
さらに、テトラオクチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチルメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラオクチルホスホニウムトリフルオロメタンスルホネートなどが挙げられる。
さらに、1−ブチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、N−エチル−N−メチルモルフォリニウムチオシアネート、4−エチル−4−メチルモルフォリニウムメチルカーボネートなどが挙げられる。
上記イオン液体としては、中でも、ND粒子の分散性により優れる観点から、親水性イオン液体(特に、構成アニオンとして親水性アニオンを含む親水性イオン液体)が好ましい。特に、ND粒子の分散性に優れ且つ取り扱い性に優れる粘度を有する観点から、より好ましくは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルサルフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルホスホネートである。特に、ナノダイヤモンド粒子がより高濃度でナノ分散が可能な観点から、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルサルフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテートが好ましい。
上記イオン液体は、25℃における粘度が10〜500CPであることが好ましく、より好ましくは15〜350CPである。粘度が上記範囲内のイオン液体であると、ND粒子の分散性が優れ、且つ取り扱い性にも優れる。
本発明のナノダイヤモンド分散組成物中のND粒子の含有割合は、特に限定されないが、例えば0.1質量ppm〜40質量%であり、好ましくは1〜35質量%、より好ましくは5〜30質量%である。本発明のナノダイヤモンド分散組成物は、上記のような広い範囲内においてND粒子がイオン液体中にナノサイズで分散することが可能である。
上記ND粒子の含有割合は、350nmにおける吸光度より算出することができる。なお、表面修飾ND粒子の含有割合が低濃度(例えば2000質量ppm以下)である場合、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP発光分光分析法)によりND粒子を表面修飾している化合物を検出し、その検出量に基づき求めることもできる。
本発明のナノダイヤモンド分散組成物中のイオン液体の含有割合は、例えば50〜99.9999質量%、好ましくは60〜95質量%である。
本発明のナノダイヤモンド分散組成物は、上記ND粒子及びイオン液体のみからなるものであってもよく、その他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、界面活性剤、増粘剤、カップリング剤、分散剤、防錆剤、腐食防止剤、凝固点降下剤、消泡剤、耐摩耗添加剤、防腐剤、着色料などが挙げられる。上記その他の成分の含有割合は、本発明のナノダイヤモンド分散組成物総量に対して、例えば30質量%以下、好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。従って、上記ND粒子及びイオン液体の合計の含有割合は、本発明のナノダイヤモンド分散組成物の総量に対して、例えば70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、特に好ましくは99質量%以上である。
本発明のナノダイヤモンド分散組成物は、上記界面活性剤を含む場合、親水性アニオンを構成アニオンとするイオン液体のみならず、疎水性アニオンを構成アニオンとするイオン液体に対するND粒子の分散性がより向上する傾向がある。上記界面活性剤は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
上記界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤が好ましい。上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、及びこれらのアルキレンオキシド付加物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンステロール及びその誘導体、ポリオキシエチレンラノリン及びその誘導体、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、シュガーエステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油などが挙げられる。
本発明のナノダイヤモンド分散組成物中の界面活性剤の含有割合は、1質量%以上(例えば1〜30質量%)が好ましく、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。
本発明のナノダイヤモンド分散組成物は、上記イオン液体中にND粒子がナノサイズで分散している。本発明のナノダイヤモンド分散組成物中におけるND粒子の平均分散粒子径(D50、メディアン径)は、2〜100nmが好ましく、より好ましくは4〜80nm、より好ましくは10〜60nm、さらに好ましくは15〜50nm、特に好ましくは20〜40nmである。上記平均分散粒子径は、動的光散乱法によって測定することができる。ND粒子の平均分散粒子径が上記範囲内であると、ナノダイヤモンド分散組成物におけるND粒子の分散性に優れる。
本発明のナノダイヤモンド分散組成物は、例えば、微細なND粒子が有する特性(例えば、機械的強度、高屈折率、熱伝導性、絶縁性、酸化防止性、結晶化促進作用、デンドライト抑制作用等)を樹脂など(例えば、熱若しくは光硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等)に付与する添加剤として好ましく使用することができる。そして、本発明のナノダイヤモンド分散組成物を樹脂に添加して得られる組成物は、例えば、機能性ハイブリッド材料、熱的機能(耐熱、蓄熱、熱電導、断熱等)材料、フォトニクス(有機EL素子、LED、液晶ディスプレイ、光ディスク等)材料、バイオ・生体適合性材料、コーティング材料、フィルム(タッチパネルや各種ディスプレイ等のハードコートフィルム、遮熱フィルム等)材料、シート材料、スクリーン(透過型透明スクリーン等)材料、フィラー(放熱用フィラー、機械特性向上用フィラー等)材料、耐熱性プラスチック基板(フレキシブルディスプレイ用基板等)材料、リチウムイオン電池等材料として好ましく使用することができる。また、本発明のナノダイヤモンド分散組成物は、その他、機械部品(例えば、自動車や航空機等)の摺動部などに適用する減摩剤又は潤滑剤として好ましく使用できる。本発明のナノダイヤモンド分散組成物は、特に、電池、潤滑剤代替、イオンエンジン(宇宙環境)などのイオン液体が用いられている分野の活用が期待できる。
(ナノダイヤモンド分散組成物の製造方法)
本発明のナノダイヤモンド分散組成物は、例えば、上記イオン液体中にND粒子、さらに必要に応じてその他の成分を混合して、分散させることで製造することができる。例えば、表面修飾ND粒子を用いたナノダイヤモンド分散組成物は、有機分散媒中において、表面処理を施す化合物をND粒子に反応させる工程(修飾化工程)を経て製造することができる。この場合、修飾化工程の後に有機分散媒からイオン液体への溶媒交換を行ってもよい。
上記修飾化工程において、ND粒子中にND粒子が凝着して二次粒子を形成したND粒子凝集体が含まれる場合には、表面処理を施す化合物とND粒子との反応を、ND粒子を解砕若しくは分散化しつつ行ってもよい。これにより、ND粒子凝集体を一次粒子にまで解砕することができ、ND一次粒子の表面を修飾することができ、ND粒子の分散性を向上することが可能となる。表面処理のための反応時間及び反応温度は、表面処理を施す化合物の種類に応じて適宜設定される。
ND粒子を解砕若しくは分散化する方法としては、例えば、高剪断ミキサー、ハイシアーミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミル、ジェットミルなどにより処理する方法が挙げられる。中でも、解砕メディア(例えば、ジルコニアビーズなど)の存在下で超音波処理を施すことが好ましい。
上記解砕メディア(例えば、ジルコニアビーズなど)の直径は、例えば15〜500μm、好ましくは15〜300μm、特に好ましくは15〜100μmである。
また、修飾化工程において表面処理のための反応に有利な有機分散媒を用いた場合、一旦上記表面修飾ND粒子の分散液を得た後で、エバポレーターなどで分散液中の有機分散媒を留去した後、新たにイオン液体を混合して撹拌する、すなわち溶媒の交換によっても製造することができる。
以上のようにして、ND粒子がイオン液体中に分散したナノダイヤモンド分散組成物が得られる。
なお、上記ND粒子は、例えば爆轟法によって製造することができる。上記爆轟法には、空冷式爆轟法、水冷式爆轟法が挙げられる。中でも、空冷式爆轟法が水冷式爆轟法よりも一次粒子が小さいND粒子を得ることができる点で好ましい。
爆轟は大気雰囲気下で行ってもよく、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、二酸化炭素雰囲気などの不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
ND粒子の製造方法の一例を以下に説明するが、本発明で使用するND粒子は以下の製造方法によって得られるものに限定されない。
(生成工程)
成形された爆薬に電気雷管が装着されたものを爆轟用の耐圧性容器の内部に設置し、容器内において大気組成の常圧の気体と使用爆薬とが共存する状態で、容器を密閉する。容器は例えば鉄製で、容器の容積は例えば0.5〜40m3である。爆薬としては、トリニトロトルエン(TNT)とシクロトリメチレントリニトロアミンすなわちヘキソーゲン(RDX)との混合物を使用することができる。TNTとRDXの質量比(TNT/RDX)は、例えば40/60〜60/40の範囲である。
生成工程では、次に、電気雷管を起爆させ、容器内で爆薬を爆轟させる。爆轟とは、化学反応に伴う爆発のうち反応の生じる火炎面が音速を超えた高速で移動するものをいう。爆轟の際、使用爆薬が部分的に不完全燃焼を起こして遊離した炭素を原料として、爆発で生じた衝撃波の圧力とエネルギーの作用によってND粒子が生成する。生成したND粒子は、隣接する一次粒子ないし結晶子の間がファンデルワールス力の作用に加えて結晶面間クーロン相互作用が寄与して非常に強固に集成し、凝着体を形成する。
生成工程では、次に、室温において24時間程度放置することにより放冷し、容器及びその内部を降温させる。この放冷の後、容器の内壁に付着しているND粒子粗生成物(上述のようにして生成したND粒子の凝着体及び煤を含む)をヘラで掻き取る作業を行い、ND粒子粗生成物を回収する。以上のような方法によって、ND粒子の粗生成物(ND粒子粗生成物)を得ることができる。また、以上のようなナノダイヤモンド生成工程を必要回数行うことによって、所望量のND粒子粗生成物を取得することが可能である。
(酸処理工程)
酸処理工程では、原料であるND粒子粗生成物に例えば水溶媒中で強酸を作用させて金属酸化物を除去する。爆轟法で得られるND粒子粗生成物には金属酸化物が含まれやすく、この金属酸化物は、爆轟法に使用される容器などに由来するFe、Co、Niなどの酸化物である。例えば水溶媒中で強酸を作用させることにより、ND粒子粗生成物から金属酸化物を溶解・除去することができる(酸処理)。この酸処理に用いられる強酸としては、鉱酸が好ましく、例えば、塩酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、王水が挙げられる。上記強酸は、一種を用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。酸処理で使用される強酸の濃度は例えば1〜50質量%である。酸処理温度は例えば70〜150℃である。酸処理時間は例えば0.1〜24時間である。また、酸処理は、減圧下、常圧下、又は加圧下で行うことが可能である。このような酸処理の後、例えばデカンテーションにより、固形分(ナノダイヤモンド凝着体を含む)の水洗を行う。沈殿液のpHが例えば2〜3に至るまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行うのが好ましい。爆轟法で得られるND粒子粗生成物における金属酸化物の含有量が少ない場合には、以上のような酸処理を省略してもよい。
(酸化処理工程)
酸化処理工程は、酸化剤を用いてND粒子粗生成物からグラファイトを除去する工程である。爆轟法で得られるND粒子粗生成物にはグラファイト(黒鉛)が含まれるが、このグラファイトは、使用爆薬が部分的に不完全燃焼を起こして遊離した炭素のうちND粒子結晶を形成しなかった炭素に由来する。ND粒子粗生成物に、水溶媒中で酸化剤を作用させることにより、ND粒子粗生成物からグラファイトを除去することができる。また、酸化剤を作用させることにより、ND粒子表面にカルボキシル基やヒドロキシル基などの酸素含有基を導入することができる。
この酸化処理に用いられる酸化剤としては、例えば、クロム酸、無水クロム酸、二クロム酸、過マンガン酸、過塩素酸、硝酸、これらの混合物や、これらから選択される少なくとも1種の酸と他の酸(例えば硫酸など)との混酸、これらの塩が挙げられる。中でも、混酸(特に、硫酸と硝酸との混酸)を使用することが、環境に優しく、且つグラファイトを酸化・除去する作用に優れる点で好ましい。
上記混酸における硫酸と硝酸との混合割合(前者/後者;質量比)は、例えば60/40〜95/5であることが、常圧付近の圧力(例えば、0.5〜2atm)の下でも、例えば130℃以上(特に好ましくは150℃以上。なお、上限は、例えば200℃)の温度で、効率よくグラファイトを酸化して除去することができる点で好ましい。下限は、好ましくは65/35、より好ましくは70/30である。また、上限は、好ましくは90/10、より好ましくは85/15、さらに好ましくは80/20である。上記混合割合が60/40以上であると、高沸点を有する硫酸の含有量が高いため、常圧付近の圧力下では、反応温度が例えば120℃以上となり、グラファイトの除去効率が向上する傾向がある。上記混合割合が95/5以下であると、グラファイトの酸化に大きく貢献する硝酸の含有量が多くなるため、グラファイトの除去効率が向上する傾向がある。
酸化剤(特に、上記混酸)の使用量は、ND粒子粗生成物1質量部に対して例えば10〜50質量部、好ましくは15〜40質量部、より好ましくは20〜40質量部である。また、上記混酸中の硫酸の使用量は、ND粒子粗生成物1質量部に対して例えば5〜48質量部、好ましくは10〜35質量部、より好ましくは15〜30質量部である。また、上記混酸中の硝酸の使用量は、ND粒子粗生成物1質量部に対して例えば2〜20質量部、好ましくは4〜10質量部、より好ましくは5〜8質量部である。
また、酸化剤として上記混酸を使用する場合、混酸と共に触媒を使用してもよい。触媒を使用することにより、グラファイトの除去効率を一層向上させることができる。上記触媒としては、例えば、炭酸銅(II)などが挙げられる。触媒の使用量は、ND粒子粗生成物100質量部に対して例えば0.01〜10質量部程度である。
酸化処理温度は例えば100〜200℃である。酸化処理時間は例えば1〜24時間である。酸化処理は、減圧下、常圧下、又は加圧下で行うことが可能である。
(アルカリ過水処理工程)
上記酸処理工程を経た後であっても、ND粒子に除去しきれなかった金属酸化物が残存する場合は、一次粒子間が非常に強く相互作用して集成している凝着体(二次粒子)の形態をとる。このような場合には、ND粒子に対して水溶媒中でアルカリ及び過酸化水素を作用させてもよい。これにより、ND粒子に残存する金属酸化物を除去することができ、凝着体から一次粒子の分離を促進することができる。この処理に用いられるアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化カリウムなどが挙げられる。アルカリ過水処理において、アルカリの濃度は例えば0.1〜10質量%であり、過酸化水素の濃度は例えば1〜15質量%であり、処理温度は例えば40〜100℃であり、処理時間は例えば0.5〜5時間である。また、アルカリ過水処理は、減圧下、常圧下、又は加圧下で行うことが可能である。
上記酸化処理工程あるいは上記アルカリ過水処理工程の後、例えばデカンテーションにより上澄みを除去することが好ましい。また、デカンテーションの際には、固形分の水洗を行うことが好ましい。水洗当初の上澄み液は着色しているが、上澄み液が目視で透明になるまで、当該固形分の水洗を反復して行うことが好ましい。
(解砕処理工程)
ND粒子には、必要に応じて、解砕処理を施してもよい。解砕処理には、例えば、高剪断ミキサー、ハイシアーミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミルなどを使用することができる。なお、解砕処理は湿式(例えば、水等に懸濁した状態での解砕処理)で行ってもよいし、乾式で行ってもよい。乾式で行う場合は、解砕処理前に乾燥工程を設けることが好ましい。また、解砕処理工程は、酸化処理又は水素化処理を行う場合はこれらの後に行ってもよい。
(乾燥工程)
上記酸化処理工程を経たND粒子について、乾燥工程を設けることが好ましい。例えば、上記アルカリ過水処理工程を経て得られたND粒子含有溶液から噴霧乾燥装置やエバポレーターなどを使用して液分を蒸発させた後、これによって生じる残留固形分を乾燥用オーブン内での加熱乾燥によって乾燥させる。加熱乾燥温度は、例えば40〜150℃である。このような乾燥工程を経ることにより、ND粒子が得られる。
また、ND粒子には、必要に応じて、気相にて酸化処理(例えば酸素酸化)や還元処理(例えば水素化処理)を施してもよい。気相にて酸化処理を施すことにより、表面にC=O基を多く有するND粒子が得られる。また、気相にて還元処理を施すことにより、表面にC−H基を多く有するND粒子が得られる。
(酸素酸化工程)
上記酸化処理として、上記乾燥工程を経たND粒子(ND粒子の粉体)について、ガス雰囲気炉を使用して、酸素を含有するガス雰囲気下にて加熱する酸素酸化工程を行ってもよい。酸素酸化工程では、具体的には、ガス雰囲気炉内にND粒子の粉体が配され、当該炉に対して酸素含有ガスが供給ないし通流され、加熱温度として設定された温度条件まで当該炉内が昇温されて酸素酸化処理が実施される。この酸素酸化処理の温度条件は、例えば250〜500℃である。作製されるND分散組成物に含まれるND粒子についてネガティブのゼータ電位を実現するためには、この酸素酸化処理の温度条件は、比較的に高温であるのが好ましく、例えば400〜450℃である。また、酸素酸化工程で用いられる酸素含有ガスは、酸素に加えて不活性ガスを含有する混合ガスであってもよい。不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、二酸化炭素、ヘリウムが挙げられる。当該混合ガスの酸素濃度は、例えば1〜35体積%である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
実施例1
下記工程を経て、表面修飾ND粒子及びナノダイヤモンド分散組成物を製造した。
(表面修飾ND粒子の作製)
まず、爆轟法によるナノダイヤモンドの生成工程を行った。本工程では、まず、成形された爆薬に電気雷管が装着されたものを爆轟用の耐圧性容器の内部に設置して容器を密閉した。容器は鉄製で、容器の容積は15m3である。爆薬としては、TNTとRDXとの混合物0.50kgを使用した。この爆薬におけるTNTとRDXの質量比(TNT/RDX)は、50/50である。次に、電気雷管を起爆させ、容器内で爆薬を爆轟させた(爆轟法によるナノダイヤモンドの生成)。次に、室温での24時間の放置により、容器およびその内部を降温させた。この放冷の後、容器の内壁に付着しているナノダイヤモンド粗生成物(上記爆轟法で生成したND粒子の凝着体と煤を含む)をヘラで掻き取る作業を行い、ナノダイヤモンド粗生成物を回収した。
上述のような生成工程を複数回行うことによって取得されたナノダイヤモンド粗生成物に対し、次に、酸処理工程を行った。具体的には、当該ナノダイヤモンド粗生成物200gに6Lの10質量%塩酸を加えて得られたスラリーに対し、常圧条件での還流下で1時間の加熱処理を行った。この酸処理における加熱温度は85〜100℃である。次に、冷却後、デカンテーションにより、固形分(ナノダイヤモンド凝着体と煤を含む)の水洗を行った。沈殿液のpHが低pH側から2に至るまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行った。
次に、酸化処理工程を行った。具体的には、酸処理後のデカンテーションを経て得た沈殿液(ナノダイヤモンド凝着体を含む)に、6Lの98質量%硫酸と1Lの69質量%硝酸とを加えてスラリーとした後、このスラリーに対し、常圧条件での還流下で48時間の加熱処理を行った。この酸化処理における加熱温度は140〜160℃である。次に、冷却後、デカンテーションにより、固形分(ナノダイヤモンド凝着体を含む)の水洗を行った。水洗当初の上澄み液は着色しているところ、上澄み液が目視で透明になるまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行った。
次に、上述の水洗処理を経て得られたナノダイヤモンド含有液1000mLを、噴霧乾燥装置(商品名「スプレードライヤー B−290」、日本ビュッヒ株式会社製)を使用して噴霧乾燥に付した(乾燥工程)。これにより、50gのナノダイヤモンド粉体を得た。
次に、上述のようにして得られたナノダイヤモンド粉体4.5gをガス雰囲気炉(商品名「ガス雰囲気チューブ炉 KTF045N1」、光洋サーモシステム株式会社製)の炉心管内に静置し、炉心管に窒素ガスを流速1L/分で30分間通流させ続けた後、通流ガスを窒素から酸素と窒素との混合ガスへと切り替えて当該混合ガスを流速1L/分で炉心管に通流させ続けた。混合ガス中の酸素濃度は4体積%である。混合ガスへの切り替えの後、炉内を加熱設定温度たる400℃まで昇温させた。昇温速度については、加熱設定温度より20℃低い380℃までは10℃/分とし、その後の380℃から400℃までは1℃/分とした。そして、炉内の温度条件を400℃に維持しつつ、炉内のND粉体について酸素酸化処理を行った(酸素酸化工程)。処理時間は3時間とした。
酸素酸化処理後、下記FT−IR分析により、ND粒子におけるカルボキシル基等の含酸素官能基の評価を行った。この分析で得られたスペクトルより、C=O伸縮振動に帰属する1780cm-1付近の吸収がメインピークとして検出された。このことから、上記ナノダイヤモンド粉体には、表面官能基としてカルボキシル基を有するND粒子(ND−COOH)が主に含まれることが確認できた。
<FT−IR分析条件>
FT−IR装置(商品名「Spectrum400型FT−IR」、株式会社パーキンエルマージャパン製)を使用して、フーリエ変換赤外分光分析(FT−IR)を行った。本測定においては、試料を真空雰囲気下で150℃に加熱しつつ赤外吸収スペクトルを測定した。真空雰囲気下の加熱には、エス・ティ・ジャパン社製のModel−HC900型Heat ChamberとTC−100WA型Thermo Controllerとを併用した。
次に、酸素酸化工程を経たナノダイヤモンド粉体0.3gと純水29.7mLとを50mLのサンプル瓶内で混合し、スラリー約30mLを得た。次に、当該スラリーについて、1Nの水酸化ナトリウム水溶液の添加によりpHを調整した後、超音波照射器(商品名「超音波洗浄機 AS−3」、アズワン(AS ONE)社製)を使用して2時間の超音波照射を行った。この後、ビーズミリング装置(商品名「並列四筒式サンドグラインダー LSG−4U−2L型」、アイメックス株式会社製)を使用してビーズミリングを行った(解砕工程)。具体的には、100mLのミル容器であるベッセル(アイメックス株式会社製)に超音波照射後のスラリー30mLと直径30μmのジルコニアビーズとを封入し、装置を駆動させてビーズミリングを実行した。このビーズミリングにおいて、ジルコニアビーズの投入量は、ミル容器の容積に対して約33%であり、ミル容器の回転速度は2570rpmであり、ミリング時間は2時間である。
次に、解砕工程を経たスラリーについて、遠心分離装置を使用して遠心分離処理を行った(分級操作)。この遠心分離処理における遠心力は20000×gとし、遠心時間は10分間とした。
次に、当該遠心分離処理を経たND粒子含有溶液の上清25mLを回収し、ND粒子水分散液(ND−COOH)を得た。ND粒子水分散液中のND粒子濃度は11.8g/Lであった。また、pH試験紙(商品名「スリーバンドpH試験紙」、アズワン株式会社製)を使用して測定したところ、pHは9.33であった。粒径D50は3.97nm、粒径D90は7.20nm、ゼータ電位は−42mVであった。
上記で得られたND粒子水分散液を、エバポレーターを使用して乾燥させ、黒色の乾燥粉体を得た。得られた乾燥粉体(100mg)を、ガラス製反応器に入れた12mLのグリシドール中に添加し、超音波洗浄器(商品名「BRANSON2510」、マーシャルサイエンティフィック社製)にて、室温で2時間、超音波処理して溶解させた。これを窒素雰囲気下で撹拌しつつ、140℃で20時間反応させた。反応混合液を冷却後、120mLのメタノールを加え、超音波処理した後、50400×gで2時間遠心分離し、沈殿物を得た。この沈殿物に対して、120mLのメタノールを加え、同様に洗浄−遠心分離工程を5回繰り返し、最後に沈殿物に対して透析膜(Spectra/Prodialysis membrane, MWCO: 12-14 kDa)を用いて純水透析を行い、残留メタノールを水に置換して凍結乾燥し、ポリグリセリンで表面修飾されたND粒子(PG−ND粒子)の灰色粉体を得た。TG−DTA熱分析により、ND粒子と表面修飾基の比率を測定した結果、ND粒子:表面修飾基=1:0.7であった。
PG−ND粒子の灰色粉体とメタノールを混合し、ND粒子の質量を基準として、10質量%になるように濃度調整してPG−ND粒子メタノール分散液を得た。この分散液をメタノールで10倍希釈して、粒径を測定したところ、D50は35.5nmであった。
(ナノダイヤモンド分散組成物の作製)
上記で得られたPG−ND粒子メタノール分散液と、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミドを約0.5gの等量で混合し、超音波照射器で30分間処理した。次いで、窒素雰囲気下、50℃で17時間の前乾燥を行い、温度を25℃に下げ、5時間の真空乾燥を行った。さらに、温度を50℃に上げ、44時間の真空乾燥を行った。この乾燥によりメタノールは除去され、イオン液体とPG−ND粒子のみとなり、外観は真黒の10質量%のナノダイヤモンド分散組成物を得た。これを1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミドで10倍に希釈したところ透明な濃い褐色液となり、粒径を測定したところ、D50は26.8nmであった。
実施例2
ナノダイヤモンド分散組成物の作製において、使用するイオン液体を1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルサルフェート(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム硫酸メチル)としたこと以外は実施例1と同様にして、外観が真黒の10質量%のナノダイヤモンド分散組成物を得た。これを1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルサルフェートで10倍に希釈したところ、透明な濃い褐色液となった。
実施例3
ナノダイヤモンド分散組成物の作製において、使用するイオン液体を1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート(1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム酢酸塩)としたこと以外は実施例1と同様にして、外観が真黒の10質量%のナノダイヤモンド分散組成物を得た。これを1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテートで10倍に希釈したところ、透明な濃い褐色液となった。
実施例4
実施例1と同様にして得られたPG−ND粒子メタノール分散液約1.0gと、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド約0.5gとを混合し、超音波照射器で30分間処理した。その後、実施例1と同様にしてメタノールの除去操作を行い、外観は真黒の20質量%のナノダイヤモンド分散組成物を得た。これを1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミドで20倍に希釈したところ、透明な濃い褐色液となった。
実施例5
ナノダイヤモンド分散組成物の作製において、使用するイオン液体を1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルサルフェートとしたこと以外は実施例4と同様にして、外観が真黒の20質量%のナノダイヤモンド分散組成物を得た。これを1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルサルフェートで20倍に希釈したところ、透明な濃い褐色液となった。
実施例6
ナノダイヤモンド分散組成物の作製において、使用するイオン液体を1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテートとしたこと以外は実施例4と同様にして、外観が真黒の20質量%のナノダイヤモンド分散組成物を得た。これを1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテートで20倍に希釈したところ、透明な濃い褐色液となった。
実施例7
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート約1.0gと、界面活性剤(商品名「Triton X−100」)約0.12gとを混合し、超音波照射器で10分間処理した。次いで、ND水分散液(ND濃度6.5質量%、pH8.3)約0.0036gを混合し、超音波照射器で60分間処理したところ、透明な薄い褐色のナノダイヤモンド分散組成物(ND濃度0.02質量%)を得た。
実施例8
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート約1.0gと、界面活性剤(商品名「Triton X−100」)約0.12gとを混合し、超音波照射器で10分間処理した。次いで、ND水分散液(ND濃度5.9質量%、pH5.9)約0.0035gを混合したところ、透明な薄い褐色のナノダイヤモンド分散組成物(ND濃度0.02質量%)を得た。
実施例9
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート約1.0gと、界面活性剤(商品名「Triton X−100」)約0.12gとを混合し、超音波照射器で10分間処理した。次いで、ND水分散液(ND濃度5.7質量%、pH9.5)約0.0038gを混合したところ、透明な薄い褐色のナノダイヤモンド分散組成物(ND濃度0.02質量%)を得た。
実施例10
(表面修飾ND粒子の作製)
実施例1と同様にして得られたPG−ND粒子の灰色粉体と水を混合し、ND粒子の質量を基準として、10質量%になるように濃度調整し、この分散液を水で10倍希釈して、ND濃度1質量%のPG−ND粒子水分散液を得た。
(ナノダイヤモンド分散組成物の作製)
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート約1.0gと、界面活性剤(商品名「Triton X−100」)約0.12gとを混合し、超音波照射器で10分間処理した。次いで、上記で得られたPG−ND粒子水分散液約0.0037gを混合したところ、透明な薄い褐色のナノダイヤモンド分散組成物(ND濃度0.02質量%)を得た。
実施例11
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド約1.0gと、界面活性剤(商品名「Triton X−100」)約0.085gとを混合し、超音波照射器で10分間処理した。次いで、実施例1と同様にして得られたPG−ND粒子メタノール分散液約0.0026gを混合したところ、透明な薄い褐色のナノダイヤモンド分散組成物(ND濃度0.0023質量%)を得た。
実施例12
実施例10と同様にして得られたPG−ND粒子水分散液約0.1gと、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド約1.0gとを混合した。次いで、窒素雰囲気下、室温で24時間の前乾燥を行い、温度を40℃に上げ、24時間の真空乾燥を行った。この乾燥により水は除去され、イオン液体とPG−ND粒子のみとなり、透明な薄い褐色のナノダイヤモンド分散組成物(ND濃度0.1質量%)を得た。
実施例13
ナノダイヤモンド分散組成物の作製において、使用するイオン液体を1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテートとしたこと以外は実施例12と同様にして、透明な薄い褐色のナノダイヤモンド分散組成物(ND濃度0.1質量%)を得た。
実施例14
ナノダイヤモンド分散組成物の作製において、実施例10と同様にして得られたPG−ND粒子水分散液に代えて実施例1と同様にして得られたPG−ND粒子メタノール分散液を用いたこと以外は実施例12と同様にして、透明な薄い褐色のナノダイヤモンド分散組成物(ND濃度0.1質量%)を得た。
実施例15
ナノダイヤモンド分散組成物の作製において、実施例10と同様にして得られたPG−ND粒子水分散液に代えて実施例1と同様にして得られたPG−ND粒子メタノール分散液を用いたこと以外は実施例13と同様にして、透明な薄い褐色のナノダイヤモンド分散組成物(ND濃度0.1質量%)を得た。
実施例16
実施例10と同様にして得られたPG−ND粒子水分散液約0.1gと、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド約1.0gとを混合した。次いで、窒素雰囲気下、室温で24時間の前乾燥を行い、温度を50℃に上げ、48時間の真空乾燥を行った。この乾燥により水は除去され、イオン液体とPG−ND粒子のみとなり、透明な薄い褐色のナノダイヤモンド分散組成物(ND濃度0.1質量%)を得た。
実施例17
ナノダイヤモンド分散組成物の作製において、使用するイオン液体を1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルホスホネートとしたこと以外は実施例16と同様にして、透明な薄い褐色のナノダイヤモンド分散組成物(ND濃度0.1質量%)を得た。
実施例18
ナノダイヤモンド分散組成物の作製において、使用するイオン液体を1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルサルフェートとしたこと以外は実施例16と同様にして、透明な薄い褐色のナノダイヤモンド分散組成物(ND濃度0.1質量%)を得た。
実施例19
実施例1と同様にして得られたPG−ND粒子メタノール分散液約0.1gと、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド約1.0gとを混合した。次いで、窒素雰囲気下、室温で24時間の前乾燥を行い、温度を50℃に上げ、48時間の真空乾燥を行った。この乾燥によりメタノールは除去され、イオン液体とPG−ND粒子のみとなり、透明な薄い褐色のナノダイヤモンド分散組成物(ND濃度0.1質量%)を得た。
実施例20
ナノダイヤモンド分散組成物の作製において、使用するイオン液体を1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルホスホネートとしたこと以外は実施例19と同様にして、透明な薄い褐色のナノダイヤモンド分散組成物(ND濃度0.1質量%)を得た。
実施例21
ナノダイヤモンド分散組成物の作製において、使用するイオン液体を1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルサルフェートとしたこと以外は実施例19と同様にして、透明な薄い褐色のナノダイヤモンド分散組成物(ND濃度0.1質量%)を得た。

Claims (6)

  1. イオン液体と、
    前記イオン液体中に分散しているナノダイヤモンド粒子と、
    を含むナノダイヤモンド分散組成物。
  2. ナノダイヤモンド粒子の平均分散粒子径D50が4〜80nmである請求項1に記載のナノダイヤモンド分散組成物。
  3. 前記イオン液体は構成アニオンとして親水性アニオンを含む請求項1又は2に記載のナノダイヤモンド分散組成物。
  4. 前記イオン液体は構成アニオンとしてハロゲン系アニオン、カルボン酸系アニオン、硫酸・硫酸エステル系アニオン、ホスホン酸系アニオン、及びシアノ系アニオンからなる群より選択される1以上のアニオンを含む請求項1又は2に記載のナノダイヤモンド分散組成物。
  5. さらに界面活性剤を含み、前記イオン液体は構成アニオンとして疎水性アニオンを含む請求項1又は2に記載のナノダイヤモンド分散組成物。
  6. 前記ナノダイヤモンド粒子がポリグリセリン鎖を含む基を表面に有する表面修飾ナノダイヤモンドである請求項1〜5のいずれか1項に記載のナノダイヤモンド分散組成物。
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