JP2020131823A - ハイブリッド車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】第1電動機を用いたエンジンの停止及び始動に起因する駆動力伝達機構の歯打ち音を抑制し、エンジンの停止及び始動までに要する時間を短縮する。【解決手段】現在時刻tAから所定時間が経過する間の第2電動機の回転トルクの大きさである予測トルク指令値Tm2*−2を演算する予測トルク指令値演算手段を備え、制御装置が、予測トルク指令値の絶対値が所定値の絶対値より小さい期間である特定状態期間が所定の閾値時間Tmth未満のときは、特定状態期間が経過して予測トルク指令値の絶対値が所定値の絶対値以上になるまで第1電動機が駆動力を発生するのを禁止し、特定状態期間が閾値時間以上のときは、特定状態期間において第1電動機が駆動力を発生するのを許容するように構成される。【選択図】図6
Description
本発明は駆動源として内燃機関及び電動機を備えるハイブリッド車両に関する。
特許文献1のハイブリッド車両は駆動源としてエンジン、第1電動機及び第2電動機を備えている。さらにこのハイブリッド車両は、エンジン、第1電動機、及び/又は第2電動機が発生した駆動力を動力伝達軸を介して駆動輪に伝達する遊星歯車機構である駆動力伝達機構を有している。
このハイブリッド車両では、エンジンが回転している場合に所定の間欠運転禁止判定処理により間欠運転が許容されたときに、第1電動機が駆動力を駆動力伝達機構を介してエンジンに及ぼすことによりエンジンを停止させる。さらにエンジンが停止している場合に間欠運転禁止判定処理により間欠運転が許容されたときに、第1電動機が駆動力を駆動力伝達機構を介してエンジンに及ぼすことにより停止中のエンジンを始動させる。
さらに、このように第1電動機が発生する駆動力によってエンジンを停止又は始動させるときは、第2電動機が発生する回転トルクの大きさを、第1電動機の回転トルクの変化に合わせて変化させる。このように第2電動機を制御すると、第1電動機から駆動軸(駆動輪)に伝わった回転トルクが第2電動機から駆動軸に伝わった回転トルクによって打ち消される。このときの第2電動機の回転トルクの変化量の大きさを以下、「所定値」と称する。
ここでエンジンが回転している場合に間欠運転が許容されたときに、エンジンが回転トルクを発生させずに回転し且つ第2電動機が回転トルクを発生させながら回転し、且つ、間欠運転が許容されたときに第1電動機に直ちに駆動力を発生させて、この駆動力によりエンジンを直ちに停止させる場合を想定する。この場合に、第1電動機の回転トルクの変化に合わせて第2電動機の回転トルクを変化させると、第1電動機が始動する前の時刻における第2電動機の回転トルク(以下、キャンセル前回転トルクと称する)の絶対値が、上記所定値の絶対値より小さいとき、第2電動機の回転トルクが「正の値」から「負の値」へ又は「負の値」から「正の値」へ変化する。すると、例えば遊星歯車機構である駆動力伝達機構の互いに噛合するギヤ部材の間で歯打ち音が発生する。さらに、この問題はエンジンが停止している場合に間欠運転禁止判定処理により間欠運転が許容された場合も同様に生じる。
そのため特許文献1では、間欠運転が許容された場合にキャンセル前回転トルクの絶対値が上記所定値の絶対値より小さいときは、第1電動機によるエンジンの停止及び始動を禁止する。
しかしキャンセル前回転トルクの絶対値が上記所定値の絶対値より小さい期間(以下、特定状態期間と称する)が実際に長時間に渡って継続する場合は、エンジンを停止させるまでの時間及びエンジンを始動させるまでの時間が必要以上に長くなってしまう。そこで特許文献1では、特定状態期間が所定時間を超えた場合に、第1電動機を用いたエンジンの停止及び始動の禁止を解除する。
特許文献1では、特定状態期間が所定時間を超えたか否かによって、第1電動機を用いたエンジンの停止及び始動の禁止を解除するか否かを決定する。従って、上記所定時間はある程度の長さの時間に設定する必要がある。そのため特許文献1では、キャンセル前回転トルクの絶対値が上記所定値の絶対値より小さい状態が発生してから短時間の間に第1電動機を用いたエンジンの停止及び始動の禁止を解除できない。
本発明は上述した課題に対処するためになされたものである。即ち、本発明の目的の一つは、第1電動機を用いたエンジンの停止及び始動に起因して遊星歯車機構である駆動力伝達機構において歯打ち音が発生するのを抑制しつつ、エンジンの停止及び始動までに要する時間を極力短くできるハイブリッド車両を提供することにある。
本発明のハイブリッド車両(20)は、
駆動力を発生可能な内燃機関(22)と、
バッテリ(50)に蓄電された電力により回転して駆動力を発生する第1電動機(MG1)と、
前記バッテリに蓄電された電力により回転して駆動力を発生する第2電動機(MG2)と、
前記内燃機関、前記第1電動機、及び/又は前記第2電動機が発生した駆動力を動力伝達軸を介して駆動輪(63a、63b)に伝達する遊星歯車機構である駆動力伝達機構(30)と、
を備え、
前記第1電動機が、前記内燃機関が回転している場合に前記内燃機関の間欠運転が許容されたときに駆動力を前記駆動力伝達機構を介して前記内燃機関に及ぼすことにより前記内燃機関を停止させ且つ前記内燃機関が停止している場合に前記間欠運転が許容されたときに駆動力を前記駆動力伝達機構を介して前記内燃機関に及ぼすことにより前記内燃機関を始動させるように構成され、
前記第2電動機が前記駆動力伝達機構を介して前記動力伝達軸に及ぼしている回転トルク(Tm2*−1、Tm2*−2)の絶対値が所定値(Tq2st、Tq2re)の絶対値以上の場合は、前記内燃機関に及ぼす駆動力を前記第1電動機が発生するのを許容する制御装置(70)を備えるハイブリッド車両において、
現在時刻(tA)から所定時間が経過する間の前記第2電動機の回転トルクの大きさである予測トルク指令値(Tm2*−2)を演算する予測トルク指令値演算手段(70)を備え、
前記制御装置が、
前記予測トルク指令値の絶対値が前記所定値の絶対値より小さい期間である特定状態期間(T1、T2)が所定の閾値時間(Tmth)未満のときは、前記特定状態期間が経過して前記予測トルク指令値の絶対値が前記所定値の絶対値以上になるまで前記第1電動機が駆動力を発生するのを禁止し、
前記特定状態期間が前記閾値時間以上のときは、前記特定状態期間において前記第1電動機が駆動力を発生するのを許容するように構成される。
駆動力を発生可能な内燃機関(22)と、
バッテリ(50)に蓄電された電力により回転して駆動力を発生する第1電動機(MG1)と、
前記バッテリに蓄電された電力により回転して駆動力を発生する第2電動機(MG2)と、
前記内燃機関、前記第1電動機、及び/又は前記第2電動機が発生した駆動力を動力伝達軸を介して駆動輪(63a、63b)に伝達する遊星歯車機構である駆動力伝達機構(30)と、
を備え、
前記第1電動機が、前記内燃機関が回転している場合に前記内燃機関の間欠運転が許容されたときに駆動力を前記駆動力伝達機構を介して前記内燃機関に及ぼすことにより前記内燃機関を停止させ且つ前記内燃機関が停止している場合に前記間欠運転が許容されたときに駆動力を前記駆動力伝達機構を介して前記内燃機関に及ぼすことにより前記内燃機関を始動させるように構成され、
前記第2電動機が前記駆動力伝達機構を介して前記動力伝達軸に及ぼしている回転トルク(Tm2*−1、Tm2*−2)の絶対値が所定値(Tq2st、Tq2re)の絶対値以上の場合は、前記内燃機関に及ぼす駆動力を前記第1電動機が発生するのを許容する制御装置(70)を備えるハイブリッド車両において、
現在時刻(tA)から所定時間が経過する間の前記第2電動機の回転トルクの大きさである予測トルク指令値(Tm2*−2)を演算する予測トルク指令値演算手段(70)を備え、
前記制御装置が、
前記予測トルク指令値の絶対値が前記所定値の絶対値より小さい期間である特定状態期間(T1、T2)が所定の閾値時間(Tmth)未満のときは、前記特定状態期間が経過して前記予測トルク指令値の絶対値が前記所定値の絶対値以上になるまで前記第1電動機が駆動力を発生するのを禁止し、
前記特定状態期間が前記閾値時間以上のときは、前記特定状態期間において前記第1電動機が駆動力を発生するのを許容するように構成される。
本発明によれば、予測トルク指令値演算手段が、現在時刻から所定時間が経過する間の第2電動機の回転トルクの大きさである予測トルク指令値を演算する。さらに制御装置が、予測トルク指令値の絶対値が所定値の絶対値より小さい期間である特定状態期間が所定の閾値時間未満のときは、特定状態期間が経過して予測トルク指令値の絶対値が所定値の絶対値以上になるまで第1電動機が駆動力を発生するのを禁止する。そのため、第1電動機を用いたエンジンの停止及び始動に起因して遊星歯車機構である駆動力伝達機構において歯打ち音が発生するのを抑制できる。
さらに制御装置が、特定状態期間が閾値時間以上のときは、特定状態期間において第1電動機が駆動力を発生するのを許容する。制御装置は、予測トルク指令値を利用することにより、実際に特定状態期間が経過する前に、特定状態期間が閾値時間以上か否かを判定できる。従って、特定状態期間が閾値時間以上であると判定した場合は、特定状態期間において第1電動機が直ちに駆動力を発生することを許容できる。そのため間欠運転によるエンジンの停止及び始動までに要する時間を極力短くできる。
前記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いた名称及び/又は符号を括弧書きで添えている。しかしながら、本発明の各構成要素は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
本発明の一実施形態の車両20は、図1に示すように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能な第1電動機MG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、減速ギヤ35に接続された第2電動機MG2と、車両20全体をコントロールする車両制御ECU70と、を備える。
エンジン22は、ガソリン又は軽油を燃料として利用する内燃機関である。エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24は、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を受信する。エンジンECU24は、受信した信号に基づいて、燃料噴射制御、点火制御、及び吸入空気量調節制御を実行する。エンジンECU24は、車両制御ECU70と通信可能であり、車両制御ECU70から受信した信号に基づいてエンジン22を制御する。さらにエンジンECU24は、必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを車両制御ECU70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、各ピニオンギヤ33を自転可能かつ公転可能に保持するキャリア34とを備える遊星歯車機構である。キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が連結されている。サンギヤ31には第1電動機MG1の回転軸が連結されている。リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35が連結されている。動力分配統合機構30は、第1電動機MG1が発電機として機能するとき、キャリア34から入力されるエンジン22の回転力をサンギヤ31側とリングギヤ32側とにそのギヤ比に応じて分配する。さらに動力分配統合機構30は、第1電動機MG1が駆動源として機能するとき、キャリア34から入力されるエンジン22の駆動力とサンギヤ31から入力される第1電動機MG1の駆動力とを統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60及びデファレンシャルギヤ62を介して車両の駆動輪63a、63b(例えば、4輪の中の左右の前輪)に出力される。
減速ギヤ35は、第2電動機MG2の回転軸48の回転数を減速してリングギヤ軸32aに伝達可能である。減速ギヤ35は、外歯歯車のサンギヤ36と、このサンギヤ36と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ37と、サンギヤ36に噛合すると共にリングギヤ37に噛合する複数のピニオンギヤ38と、各ピニオンギヤ38を自転可能かつ公転可能に保持するキャリア39とを備える遊星歯車機構である。サンギヤ36には第2電動機MG2の回転軸48が接続されている。リングギヤ37にはリングギヤ軸32aが接続されている。キャリア39はケース(図示略)に固定されており、その回転が禁止されている。
第1電動機MG1及び第2電動機MG2は、発電機及び電動機として機能する周知の同期発電電動機であり、インバータ41、42を介してバッテリ50に接続されている。インバータ41、42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41、42が共用する正極母線及び負極母線として構成されており、第1電動機MG1及び第2電動機MG2の一方で発電される電力は他方の電動機が消費可能である。従って、バッテリ50は、第1電動機MG1及び第2電動機MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、第1電動機MG1及び第2電動機MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。第1電動機MG1及び第2電動機MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、第1電動機MG1及び第2電動機MG2を駆動制御するために必要な信号(例えば第1電動機MG1及び第2電動機MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43、44からの信号、及び/又は図示しない電流センサにより検出される第1電動機MG1及び第2電動機MG2に印加される相電流)が入力される。モータECU40からインバータ41、42へはスイッチング制御信号が出力される。モータECU40は車両制御ECU70と通信可能である。モータECU40は、車両制御ECU70からの制御信号によって第1電動機MG1及び第2電動機MG2を駆動制御すると共に、必要に応じて第1電動機MG1及び第2電動機MG2の運転状態に関するデータを車両制御ECU70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号(例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧、及び/又はバッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流、バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなど)が入力される。さらにバッテリECU52は、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信により車両制御ECU70に出力する。なお、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算する。
車両制御ECU70は、CPU72を有するマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポート及び通信ポートとを備える。車両制御ECU70には、いずれも図示を省略したイグニッションスイッチからのイグニッション信号、シフトレバーの操作位置を検出するシフトポジションセンサからのシフトポジションSP、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサからのアクセル開度Acc、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサからのブレーキペダルポジションBP、車速センサからの車速Vなどが入力ポートを介して入力される。車両制御ECU70は、前述したように、エンジンECU24、モータECU40、及びバッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24、モータECU40、及びバッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なう。
車両20(車両制御ECU70)はアクセル開度Accと車速Vとに基づいてリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクをROM74に記録されたマップ(ルックアップテーブル)を利用して計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22、第1電動機MG1、及び/又は第2電動機MG2を制御する。
次に、車両20の現在時刻における要求トルクTr*−1及び要求パワーP*を求める方法について説明する。なお、以下の説明において要求トルク、要求パワー、回転トルク(トルク指令値)、及び回転数に関して「現在時刻」という場合は、厳密には「現在時刻から微小時間が経過した時刻」を意味する。
車両制御ECU70のCPU72はまず、アクセル開度Acc、車速V、第1電動機MG1の回転数Nm1、第2電動機MG2の回転数Nm2、及びバッテリ50の残容量SOCを含むデータを受信する。ここで回転数Nm1及び回転数Nm2は、回転位置検出センサ43、44により検出される第1電動機MG1及び第2電動機MG2の回転子の回転位置に基づいて計算され且つモータECU40から通信により受信した値である。さらに、バッテリ50の残容量SOCは、電流センサにより検出されたバッテリ50の充放電電流に基づいて演算され且つバッテリECU52から通信により受信した値である。
データを受信した車両制御ECU70は、アクセル開度Acc及び車速Vに基づいて、現在時刻において要求される回転トルクとして駆動輪63a、63bに連結されたリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*−1を設定し、且つ、現在時刻において車両に要求される要求パワーP*−1を設定する。要求トルクTr*−1は、例えばアクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*−1との関係を予め定め且つROM74に記録された要求トルク設定用マップに、アクセル開度Acc及び車速Vを引数として適用することにより演算される。要求パワーP*は、要求トルクTr*−1にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じた値とバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることによって求めたり、第2電動機MG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ることによって求めたりすることができる。
さらに車両制御ECU70は、取得した要求パワーP*に基づいて、エンジン22の現在時刻の目標回転数Ne*及び目標トルクTe*を演算する。さらに車両制御ECU70は、目標回転数Ne*、リングギヤ軸32aの回転数Nr、及び動力分配統合機構30のギヤ比ρを用いて、第1電動機MG1の現在時刻の目標回転数Nm1*及び第1電動機MG1が現在時刻において出力すべき回転トルクであるトルク指令値Tm1*−1を演算する。さらに車両制御ECU70は、要求トルクTr*−1、トルク指令値Tm1*−1、及びギヤ比ρを用いて、第2電動機MG2が現在時刻において出力すべき回転トルクであるトルク指令値Tm2*−1を演算する。これら目標回転数Ne*、目標トルクTe*、目標回転数Nm1*、トルク指令値Tm1*−1、及びトルク指令値Tm2*−1の演算方法は、特開2006−257894公報に記載されているように周知であるため、本明細書ではその説明を省略する。
こうして現在時刻の目標回転数Ne*、目標トルクTe*、トルク指令値Tm1*−1、及びトルク指令値Tm2*−1を設定すると、車両制御ECU70は、目標回転数Ne*及び目標トルクTe*をエンジンECU24に送信し、且つ、トルク指令値Tm1*−1、Tm2*−1をモータECU40に送信する。目標回転数Ne*及び目標トルクTe*を受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*及び目標トルクTe*によって示される運転ポイントで運転されるように燃料噴射制御及び点火制御を実行する。また、トルク指令値Tm1*−1、Tm2*−1を受信したモータECU40は、トルク指令値Tm1*−1で第1電動機MG1が駆動され且つトルク指令値Tm2*−1で第2電動機MG2が駆動されるようインバータ41、42のスイッチング素子のスイッチング制御を実行する。
さらにハイブリッド車両20はGPS受信機81、ディスプレイ82、操作パネル83及び無線受信機84を有している。
図1に示すGPS受信機81は、GPS衛星から送信されたGPS信号を受信することにより、車両20が走行している位置に関する情報(以下、「位置情報」と呼ぶ)を所定時間が経過する毎に取得する。
GPS受信機81及びディスプレイ82は車両制御ECU70に接続されている。車両制御ECU70はGPS受信機81から受信した位置情報をRAM76に時系列的に記録する。
さらに車両20は周知のカーナビゲーションシステムを搭載している。車両制御ECU70、GPS受信機81、ディスプレイ82、及び後述する操作パネル83はカーナビゲーションシステムの構成要素である。
車両制御ECU70のROM74には「地図画像データ」が記録されている。車両制御ECU70は、ROM74から地図画像データを読み込み、この地図画像データが表す地図画像をディスプレイ82に表示させる。この地図画像データは日本の地図を表している。この地図画像データには、道路(高速道路及び一般道路を含む。道路の路面勾配に関する情報を含む)、建物、川、及び山等の位置(高度を含む)並びに形状が含まれている。そのためディスプレイ82には、道路、建物、川、及び山等が表示される。さらに車両制御ECU70は、GPS受信機81から受信した位置情報と関連付けながらディスプレイ82に地図画像を表示させる。即ち、ディスプレイ82には車両20の現在位置及びその周辺部の地図画像が表示される。そのため車両20がディスプレイ82に表示された道路上を移動すると、ディスプレイ82は地図画像をスクロールさせながら表示する。
車両制御ECU70には、カーナビゲーションシステムを操作するための操作パネル83が接続されている。
さらに図1に示すように、車両20はインターネット網と無線通信により接続可能且つ車両制御ECU70に接続された無線受信機84を備えている。従って、車両制御ECU70は無線受信機84を介してインターネット上の様々な情報を取得可能である。この情報には、例えば、上記地図画像データ上の道路の渋滞情報及び地図画像データ上の各エリアの天候情報(例えば、天気、気温、湿度)が含まれる。
続いて、車両制御ECU70が行う「予測走行ルート(通過予測地点)」及び各通過予測地点における「予測トルク指令値Tm*−2」の設定方法(演算方法)について説明する。なお、この「予測トルク指令値Tm*−2」は、現在時刻より後の時刻において第2電動機MG2が発生すべきトルクである。換言すると、「予測トルク指令値Tm*−2」は「要求トルクTr*−1」が発生する現在時刻よりも後の時刻において第2電動機MG2が将来的に発生するトルクである。
車両制御ECU70は、無線受信機84を介してインターネット上の様々な情報を取得する。上述のようにこの情報には、上記地図画像データ上の道路の渋滞情報及び地図画像データ上の各エリアの天候情報が含まれる。
さらに車両制御ECU70は、車両20がこれから走行する予定の走行ルートである予測走行ルートを決定する。車両制御ECU70による予測走行ルートの決定方法は2つである。
車両20の乗員が操作パネル83(カーナビゲーションシステム)を用いて走行ルートを設定した場合は、車両制御ECU70はこの走行ルートを予測走行ルートであると決定する。
一方、乗員が操作パネル83を用いて走行ルートを設定しない場合は、車両制御ECU70は過去に車両20が走行した走行ルート、現在日時、及び天候情報等に基づいて予測走行ルートを決定する。換言すると、車両制御ECU70は車両20の行動予測を実行する。即ち、車両制御ECU70のROM74には、過去に操作パネル83により設定された走行ルート、過去に操作パネル83により走行ルートが設定されたときの日時及び天候、車両20が過去に実際に走行した走行ルート、車両20が過去に実際にある走行ルートを走行したときの日時及び天候、並びに車両20が過去に各走行ルートを走行したときの各走行ルート上の複数の通過予測地点での実際の車速を含む履歴情報が記録されている。そして車両制御ECU70は履歴情報に基づいて、車両20がこれから走行するであろうと予測される予測走行ルートを決定する。
例えば、運転者が平日の通勤のために車両20を利用し且つ通勤用の走行ルートが特定の1つのルートである場合を想定する。この場合、現在の日時が平日の通勤時間帯であれば、車両制御ECU70はこの走行ルートを予測走行ルートであると決定する。さらに運転者が休日の特定の時間帯に高い確率で自宅から所定の遊戯施設へ移動するために車両20で特定の走行ルートを走行する場合を想定する。この場合、現在の日時が休日の上記特定の時間帯であれば、車両制御ECU70はこの走行ルートを予測走行ルートであると決定する。
さらに車両制御ECU70は、決定した予測走行ルート上に複数の通過予測地点を設定する。例えば、車両制御ECU70は、車両20が5秒間で走行すると予想される区間の終点毎に通過予測地点を設定する。より詳細には、車両制御ECU70は、例えば、現在時刻から1分後までの間に車両20が5秒間毎に走行すると予測される複数の区間の各終点を通過予測地点としてそれぞれ設定する。以下、これら複数の通過予測地点をまとめて「設定通過予測地点」と称する。車両制御ECU70による設定通過予測地点の設定動作は、例えば1分より僅かに長い時間が経過する毎に繰り返し実行される。
なお、例えば乗員が操作パネル83を用いて走行ルートを設定した後に、操作パネル83を用いて走行ルートを設定し直した場合は、車両制御ECU70はその後に予測走行ルートを新しく設定された走行ルートに変更する。また、車両制御ECU70が車両20の行動予測を実行する場合に、車両制御ECU70が過去の処理において決定した予測走行ルートに誤りがあると判断した場合は、新たな予測走行ルートを決定する。
続いて車両制御ECU70は設定通過予測地点に含まれる各通過予測地点における第2電動機MG2の予測トルク指令値Tm*−2を予測(演算)する。例えば、車両制御ECU70は以下の方法により予測トルク指令値Tm*−2を予測(演算)する。
即ち、車両制御ECU70は、所定の通過予測地点情報に基づいて各通過予測地点の予測トルク指令値Tm*−2を演算する。本実施形態の通過予測地点情報には、例えば、各通過予測地点の位置(高度)に関する情報、路面勾配に関する情報、天候情報に基づく各通過予測地点の路面状況(ドライ、ウェットなど)、及び現在地点と各通過予測地点との間の交通情報(渋滞の有無等)等が含まれている。車両制御ECU70は、各通過予測地点の位置(高度)に関する情報、路面勾配に関する情報、路面状況に関する情報、及び現在地点と各通過予測地点との間の交通情報(渋滞の有無等)等を利用して、各通過予測地点における車両20の予測車速及び予測加速度を演算する。さらに車両制御ECU70は、予測車速及び予測加速度に基づいて、各通過予測地点において駆動輪63a、63bが発生すべき駆動力を演算し、さらにこの駆動力と予測車速との積である各通過予測地点における要求パワーを演算する。そして車両制御ECU70は、上述の要求トルクTr*−1から現在時刻の目標回転数Ne*、目標トルクTe*、トルク指令値Tm1*−1、及びトルク指令値Tm2*−1を求める場合と同様の方法により、要求パワーに基づいて各通過予測地点における予測トルク指令値Tm*−2を演算する。
なお、車両制御ECU70は、ROM74に記録されている過去に各通過予測地点を車両20が通過したときの車速の平均値を予測車速として用い、且つ、この予測車速を時間で微分した値を予測加速度として用いることが可能である。
続いて、車両20がエンジン22の間欠運転を実行するときのエンジン22の停止動作、エンジン22の始動動作(再始動動作)、及び歯打ち音の発生メカニズムについて図2及び図3を参照しながら説明する。
図2の(a)は、車両20がエンジン22及び第2電動機MG2を駆動源としながら走行し且つ動作中のエンジン22の回転を車両制御ECU70が間欠運転制御により停止させるときのエンジン22の回転数と時間との関係を表している。なお、図2の(a)に表された状態のエンジン22の回転トルクはゼロである。図2の(b)は、同じ場合の第1電動機MG1の回転トルクと時間との関係を表している。図2の(c)は、同じ場合の第2電動機MG2の回転トルク(トルク指令値Tm2*−1、予測トルク指令値Tm2*−2)と時間との関係を表している。
周知のようにエンジン22の回転を停止させるときは、図2の(b)に示すように、第1電動機MG1を負方向(即ち、エンジン22を減速させる方向)に回転させて第1電動機MG1に負の回転トルクを発生させる。即ち、例えばそれまで停止していた第1電動機MG1を時刻taにおいて回転させて、時刻tbと時刻tcとの間において第1電動機MG1に(負の)停止時最小トルクtq1min1を発生させる。すると、第1電動機MG1が発生する(負)の回転トルクが動力分配統合機構30、ダンパ28、及びクランクシャフト26を介してエンジン22に伝わるので、図2の(a)に示すようにエンジン22の回転数が徐々に減少する。さらに時刻tcにおいて第1電動機MG1の回転トルクの絶対値を徐々に減少させ、さらに第1電動機MG1を正方向(即ち、エンジン22を加速させる方向)に回転させる。そして時刻tdにおいて第1電動機MG1に(正の)停止時最大トルクtq1max1を発生させる。すると時刻tdにおいてエンジン22の回転数がゼロになる。その後に(正の)回転トルクが徐々に小さくなるように第1電動機MG1を制御し、時刻teにおいて第1電動機MG1の回転トルクをゼロにする。
停止時最小トルクtq1min1及び停止時最大トルクtq1max1は固定値である。さらに停止時最小トルクtq1min1とゼロとの差の絶対値を停止時トルク変化量Tq1stと定義する。停止時最小トルクtq1min1、停止時最大トルクtq1max1、及び停止時トルク変化量Tq1stはROM74に記録されている。
さらにエンジン22を停止させるために第1電動機MG1を回転させるときに車両20が所定の要求トルクを発生させるためには、図2の(c)に示すように時刻ta乃至時刻teの間の第2電動機MG2の回転トルクを第1電動機MG1と同じように変化させる必要がある。なお、このように第2電動機MG2を回転させる必要がある理由は、特開2006−257894公報等に開示されているように周知であるため、その詳細な説明は省略する。即ち、この場合、時刻taまではトルク指令値Tm2*−1又は予測トルク指令値Tm2*−2である正の回転トルクtq2−1を発生していた第2電動機MG2が、時刻taにおいて回転トルクを徐々に減少させる。そして時刻tbにおいて第2電動機MG2を負方向に回転させて第2電動機MG2に負の回転トルクを発生させる。そして時刻tbと時刻tcとの間において第2電動機MG2に(負の)停止時最小トルクtq2min1を発生させる。さらに時刻tcにおいて第2電動機MG2が発生する回転トルクの絶対値を徐々に減少させ、次いで第2電動機MG2を正方向に回転させる。そして時刻tdにおいて第2電動機MG2に(正の)停止時最大トルクtq2max1を発生させる。その後に(正の)回転トルクが徐々に小さくなるように第2電動機MG2を制御し、時刻teにおいて第2電動機MG2の回転トルクの値を回転トルクtq2−1に戻す。
上述のように、第1電動機MG1は動力分配統合機構30を介してリングギヤ軸32aに接続されているため、第1電動機MG1が発生する回転トルクはリングギヤ軸32aに伝達される。しかし第2電動機MG2も減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに接続されているため、第2電動機MG2が発生する回転トルクはリングギヤ軸32aに伝達される。そのため、時刻taと時刻teとの間において第1電動機MG1が図2の(b)に示す態様で回転トルクを発生する場合に第2電動機MG2が図2の(c)に示す態様で回転トルクを発生すると、第1電動機MG1からリングギヤ軸32aに伝わった回転トルクが第2電動機MG2からリングギヤ軸32aに伝わった回転トルクによって打ち消される。
回転トルクtq2−1と停止時最小トルクtq2min1との差の絶対値を停止時トルク変化量Tq2stと定義する。この停止時トルク変化量Tq2stは停止時トルク変化量Tq1stと同じ大きさであり且つROM74に記録されている。
図3の(a)は、車両20が第2電動機MG2のみを駆動源として利用しながら走行し且つ停止中のエンジン22を車両制御ECU70の制御により始動(再始動)させるときのエンジン22の回転数と時間との関係を表している。なお、このとき車両20の車速Vは所定の閾値速度SPthより大きく且つ運転者がアクセルペダルを踏み込んでいないものとする。図3の(b)は、同じ場合の第1電動機MG1の回転トルクと時間との関係を表している。図3の(c)は、同じ場合の第2電動機MG2の回転トルク(トルク指令値Tm2*−1又は予測トルク指令値Tm2*−2)と時間との関係を表している。
周知のように停止中のエンジン22を始動させるときは、図3の(b)に示すように、第1電動機MG1を正方向に回転させて正の回転トルクを発生させる。即ち、例えばそれまで停止していた第1電動機MG1を時刻taにおいて回転させて、時刻tbと時刻tcとの間において第1電動機MG1に(正の)始動時最大トルクtq1max2を発生させる。すると、第1電動機MG1が発生する(正)の回転トルクが動力分配統合機構30、ダンパ28、及びクランクシャフト26を介してエンジン22に伝わるので、図3の(a)に示すように時刻ta以降にエンジン22の回転数が徐々に上昇する。さらに時刻tcにおいて第1電動機MG1の回転トルクの絶対値を徐々に減少させ、次いで第1電動機MG1を負方向に回転させる。そして時刻tdにおいて第1電動機MG1に(負の)始動時最小トルクtq1min2を発生させる。その後に(負の)回転トルクの絶対値が徐々に小さくなるように第1電動機MG1を制御し、時刻teにおいて第1電動機MG1の回転トルクをゼロにする。
一方、この場合、図3の(c)に示すように、第2電動機MG2はトルク指令値Tm2*−1又は予測トルク指令値Tm2*−2である負の回転トルクtq2−2を発生させており、この回転トルクtq2−2が駆動輪63a、63bに制動力を及ぼしている。そして第2電動機MG2が時刻taにおいて回転トルクの絶対値を徐々に減少させ、やがて第2電動機MG2は第2電動機MG2を正方向に回転する。そして時刻tbと時刻tcとの間において第2電動機MG2に(正の)始動時最大トルクtq2max2を発生させる。さらに時刻tcにおいて第2電動機MG2が発生する回転トルクの絶対値を徐々に減少させ、次いで第2電動機MG2を負方向に回転させる。そして時刻tdにおいて第2電動機MG2に(負の)始動時最小トルクtq2min2を発生させる。その後に(負の)回転トルクの絶対値が徐々に小さくなるように第2電動機MG2を制御し、時刻teにおいて第2電動機MG2の回転トルクの値を回転トルクtq2−2に戻す。
このようにエンジン22を始動(再始動)させる場合も、時刻taと時刻teとの間において第1電動機MG1が図3の(b)に示す態様で回転トルクを発生する場合に第2電動機MG2が図3の(c)に示す態様で回転トルクを発生すると、第1電動機MG1からリングギヤ軸32aに伝わった回転トルクが第2電動機MG2からリングギヤ軸32aに伝わった回転トルクによって打ち消される。
始動時最小トルクtq1min2及び始動時最大トルクtq1max2は固定値である。さらにゼロと始動時最大トルクtq1max2との差の絶対値を始動時トルク変化量Tq1reと定義し、且つ、始動時最大トルクtq2max2と回転トルクtq2−2との差の絶対値を始動時トルク変化量Tq2reと定義する。この始動時トルク変化量Tq1re及び始動時トルク変化量Tq2reは互いに同一である。さらに、始動時最小トルクtq1min2、始動時最大トルクtq1max2、始動時トルク変化量Tq1re及び始動時トルク変化量Tq2reはROM74に記録されている。
ところで上述のように、サンギヤ36には第2電動機MG2の回転軸48が接続され、且つ、サンギヤ36とピニオンギヤ38とは噛合している。そのため、図2及び図3に示すように第2電動機MG2の回転トルクの値が正と負の間で変化すると、サンギヤ36とピニオンギヤ38との間で歯打ち音が発生する。即ち、図2に示す態様で動作中のエンジン22を停止させる場合及び図3に示す態様で停止中のエンジン22を始動させる場合は、時刻tcと時刻tdとの間においてサンギヤ36とピニオンギヤ38との間で歯打ち音が発生する。換言すると、第2電動機MG2の回転トルクの値が正と負の間で変化しない場合は、サンギヤ36とピニオンギヤ38との間で歯打ち音は発生しない。
続いて、歯打ち音の発生メカニズムを踏まえた上で実行される本実施形態のエンジン22の停止動作及びエンジン22の始動動作(再始動動作)について、図4及び図5を参照しながら説明する。
図4は第2電動機MG2が正のトルクを発生し且つエンジン22が回転トルクを発生させずに回転しているときの第2電動機MG2の回転トルク(トルク指令値Tm2*−1、予測トルク指令値Tm2*−2)と時間との関係を表している。例えば、現在時刻を時刻tAとすると、現在時刻tAから時刻t1までは第2電動機MG2のトルク指令値Tm2*−1及び予測トルク指令値Tm2*−2は正のtq−aである。そして時刻t1において予測トルク指令値Tm2*−2が増大し、時刻t2において予測トルク指令値Tm2*−2が停止時トルク変化量Tq2stと同じ大きさになる。その後に予測トルク指令値Tm2*−2がさらに増大し、時刻t3以降において予測トルク指令値Tm2*−2がtq−bになる。図示するように、tq−aは停止時トルク変化量Tq2stより小さく且つtq−bは停止時トルク変化量Tq2stより大きい。
例えばエンジン22が回転トルクを発生させずに回転している場合に、それまで停止していた第1電動機MG1が現在時刻tAと時刻t2との間(t2は含まない)において負の停止時最小トルクtq1min1を発生させると、第2電動機MG2の予測トルク指令値Tm2*−2の大きさが停止時トルク変化量Tq2stだけ減少する。即ち、それまでは正の値であった予測トルク指令値Tm2*−2が負の値へ変化する。従って、現在時刻tAと時刻t2との間の時間の長さ(時刻t2は含まない)を第1所定時間T1と定義すると、第1所定時間T1の間にエンジン22を間欠運転によって停止させるために第1電動機MG1が負の停止時最小トルクtq1min1を発生させると、サンギヤ36とピニオンギヤ38との間で歯打ち音が発生する。
一方、この場合に、それまで停止していた第1電動機MG1が時刻t2において負の停止時最小トルクtq1min1を発生させると、時刻t2において予測トルク指令値Tm2*−2はゼロになる。即ち、この場合は予測トルク指令値Tm2*−2の値が正と負の間で変化しないので、サンギヤ36とピニオンギヤ38との間で歯打ち音は発生しない。
さらに、この場合に、それまで停止していた第1電動機MG1が時刻t2より後の時刻において負の停止時最小トルクtq1min1を発生させると、予測トルク指令値Tm2*−2の大きさ(絶対値)は停止時トルク変化量Tq2stだけ減少する。しかし、この場合の減少後の予測トルク指令値Tm2*−2は正の値である。即ち、この場合は予測トルク指令値Tm2*−2の値が正と負の間で変化しないので、サンギヤ36とピニオンギヤ38との間で歯打ち音は発生しない。
ここで図4に示す態様でエンジン22及び第2電動機MG2が動作しているときにエンジン22が間欠運転を実行する場合を想定する。間欠運転が第1所定時間T1において実行された場合に車両制御ECU70がエンジン22を停止させるために第1電動機MG1を直ちに動作させると、上述のように歯打ち音が発生する。その一方で、車両20のエネルギー効率を考慮すると、間欠運転を実行する場合はエンジン22を直ちに停止させるのが理想的である。そこで本実施形態では、第1所定時間T1の長さに応じて、間欠運転を実行する場合にエンジン22を直ちに停止させるか否か(即ち、エンジン22の間欠運転を禁止するか否か)を決定する。
即ち、例えば第1所定時間T1の長さが所定の閾値時間Tmth(例えば、30秒間)未満の場合は、車両制御ECU70は第1所定時間T1が経過するまで第1電動機MG1を始動させない。換言すると、車両制御ECU70は間欠運転を禁止する。即ち、第1所定時間T1の長さ(即ち、エンジン22が回転する時間)が短い場合は、歯打ち音が発生しない条件が満たされるのを待ってから車両制御ECU70は第1電動機MG1を始動させる。即ち、図4の例では、時刻t2以降に車両制御ECU70は第1電動機MG1を始動させてエンジン22を停止させる。この場合は、エンジン22を停止することに起因して歯打ち音が発生せず、且つ、エンジン22を停止させるまでの時間が長くなるのを防止できる。なお、閾値時間TmthはROM74に記録されている。
一方、第1所定時間T1の長さが所定の閾値時間Tmth以上の場合は、車両制御ECU70は第1所定時間T1が経過する前に第1電動機MG1を始動させる。換言すると、車両制御ECU70は間欠運転を許容する。即ち、第1所定時間T1が長い場合は、歯打ち音が発生しない条件が満たされるのを待たずに車両制御ECU70は第1電動機MG1を始動させる。即ち、図4の例では、時刻t2が経過する前に車両制御ECU70は第1電動機MG1を始動させてエンジン22を停止させる。
このように車両制御ECU70は、予測トルク指令値Tm2*−2を利用することにより、実際に第1所定時間T1(特定状態期間)が経過する前に、第1所定時間T1が閾値時間Tmth以上か否かを判定できる。従って、第1所定時間T1が閾値時間Tmth以上であると判定した場合は、第1所定時間T1の終了時刻前に間欠運転が許容されたときに第1電動機MG1を直ちに始動させる。そのため、エンジン22を停止することに起因して歯打ち音が発生するものの、エンジン22を停止させるまでの時間を短くできる。
図5は第2電動機MG2が負の回転トルクを発生し且つエンジン22及び第1電動機MG1が動作を停止しているときの第2電動機MG2の回転トルク(トルク指令値Tm2*−1又は予測トルク指令値Tm2*−2)と時間との関係を表している。例えば、現在時刻tAから時刻t1までは第2電動機MG2のトルク指令値Tm2*−1及び予測トルク指令値Tm2*−2は負のtq−cである。そして時刻t1において予測トルク指令値Tm2*−2の絶対値が増大し、時刻t2において予測トルク指令値Tm2*−2が始動時トルク変化量Tq2reと同じ大きさの負の値になる。その後に予測トルク指令値Tm2*−2の絶対値がさらに増大し、時刻t3以降において予測トルク指令値Tm2*−2が負のtq−dになる。図示するように、tq−cの絶対値は始動時トルク変化量Tq2reより小さく且つtq−dの絶対値は始動時トルク変化量Tq2reより大きい。
例えばエンジン22及び第1電動機MG1が停止している場合に、エンジン22を始動させるために第1電動機MG1が時刻tAと時刻t2との間(t2は含まない)において正の始動時最大トルクtq1max2を発生させると、第2電動機MG2の予測トルク指令値Tm2*−2の大きさが始動時トルク変化量Tq2reだけ増大する。即ち、それまでは負の値であった予測トルク指令値Tm2*−2が正の値へ変化する。従って、時刻tAと時刻t2との間の時間帯(時刻t2は含まない)を第2所定時間T2と定義すると、第2所定時間T2の間にエンジン22を間欠運転によって始動(再始動)させるために第1電動機MG1が正の始動時最大トルクtq1max2を発生させると、サンギヤ36とピニオンギヤ38との間で歯打ち音が発生する。
一方、この場合に、それまで停止していた第1電動機MG1が時刻t2において正の始動時最大トルクtq1max2を発生させると、時刻t2において予測トルク指令値Tm2*−2の大きさはゼロになる。即ち、この場合は予測トルク指令値Tm2*−2の値が正と負の間で変化しないので、サンギヤ36とピニオンギヤ38との間で歯打ち音は発生しない。
さらに、この場合に、それまで停止していた第1電動機MG1が時刻t2より後の時刻において正の始動時最大トルクtq1max2を発生させると、予測トルク指令値Tm2*−2の大きさ(絶対値)は始動時トルク変化量Tq2reだけ増大する。しかし、この場合の増大後の予測トルク指令値Tm2*−2は負の値である。即ち、この場合は予測トルク指令値Tm2*−2の値が正と負の間で変化しないので、サンギヤ36とピニオンギヤ38との間で歯打ち音は発生しない。
ここで図5に示す態様で第2電動機MG2が動作しているときにエンジン22が間欠運転を実行する場合を想定する。間欠運転が第2所定時間T2において実行された場合に車両制御ECU70がエンジン22を始動させるために第1電動機MG1を直ちに動作させると、上述のように歯打ち音が発生する。そこで本実施形態では第2所定時間T2の長さに応じて、間欠運転を実行する場合にエンジン22を直ちに始動させるか否か(即ち、エンジン22の間欠運転を禁止するか否か)を決定する。
即ち、例えば第2所定時間T2の長さが所定の閾値時間Tmth(例えば、30秒間)未満の場合に、車両制御ECU70は第2所定時間T2が経過するまで第1電動機MG1を始動させない。換言すると、車両制御ECU70は間欠運転を禁止する。即ち、第2所定時間T2の長さ(即ち、エンジン22が停止している時間)が短い場合は、歯打ち音が発生しない条件が満たされるのを待ってから車両制御ECU70は第1電動機MG1を始動させる。即ち、図5の例では、時刻t2以降に車両制御ECU70は第1電動機MG1を始動させてエンジン22を始動させる。この場合は、エンジン22を始動することに起因して歯打ち音が発生せず、且つ、エンジン22を始動させるまでの時間を短くできる。
一方、第2所定時間T2の長さが所定の閾値時間Tmth以上の場合は、車両制御ECU70は第2所定時間T2が経過する前に第1電動機MG1を始動させる。換言すると、車両制御ECU70は間欠運転を許容する。即ち、第2所定時間T2が長い場合は、歯打ち音が発生しない条件が満たされるのを待たずに車両制御ECU70は第1電動機MG1を始動させる。即ち、図5の例では、時刻t2が経過する前に車両制御ECU70は第1電動機MG1を始動させてエンジン22を始動させる。
このように車両制御ECU70は、予測トルク指令値Tm2*−2を利用することにより、実際に第2所定時間T2(特定状態期間)が経過する前に、第2所定時間T2が閾値時間Tmth以上か否かを判定できる。従って、第2所定時間T2が閾値時間Tmth以上であると判定した場合は、第2所定時間T2の終了時刻前に間欠運転が許容されたときに第1電動機MG1を直ちに始動させる。そのため、エンジン22を停止することに起因して歯打ち音が発生するものの、エンジン22を始動させるまでの時間を短くできる。
続いて図6及び図7のフローチャートを用いながら、図4に示すように第2電動機MG2が正の回転トルクを発生し且つエンジン22が回転トルクを発生させずに回転しているときに車両制御ECU70が行う具体的な処理について説明する。
図示を省略したイグニッションキーの操作により、車両20のイグニッションスイッチの位置がオフ位置からオン位置に切り替わると、車両制御ECU70は所定時間(例えば、1分間より僅かに長い時間)が経過する毎に図6のフローチャートに示されたルーチンを繰り返し実行する。
車両制御ECU70はステップS601において、現在時刻tAの要求トルクTr*−1の大きさを演算する。
続いて、車両制御ECU70はステップS602に進んで、この要求トルクTr*−1に基づいて、現在時刻tAの第2電動機MG2のトルク指令値Tm2*−1の大きさを演算する。
続いて、車両制御ECU70はステップS603に進んで、無線受信機84を介してインターネット上の様々な情報を取得する。
続いて、車両制御ECU70はステップS604に進んで、車両20の予測走行ルートを決定する。
続いて、車両制御70はステップS605に進んで、車両20の現在位置と各通過予測地点との距離、車両20の現在時刻tAの車速V、及び車両20の現在位置と各通過予測地点との間の予測車速、に基づいて、車両20が各通過予測地点を通過するときのそれぞれの予測時刻tBを演算する。
続いて、車両制御ECU70はステップS606に進んで、各通過予測地点(各予測時刻tB)における第2電動機MG2の各予測トルク指令値Tm2*−2の大きさを演算する。
続いて、車両制御ECU70はステップS607に進んで、現在時刻tAのトルク指令値Tm2*−1<停止時トルク変化量Tq2stが成立するか否かを判定する。
ステップS607でYesと判定した場合、車両制御ECU70はステップS608に進んで、ステップS606で演算した複数の予測トルク指令値Tm2*−2の中に停止時トルク変化量Tq2st以上のものが含まれているか否かを判定する。
ステップS608でYesと判定した場合、車両制御ECU70はステップS609に進んで、ステップS608で「停止時トルク変化量Tq2st以上の大きさである」と判定された予測トルク指令値Tm2*−2の中で最も早い時刻に表れる(即ち、車両20の現在地点から最も近い通過予測地点で表れる)予測トルク指令値Tm2*−2及びそれが表れる予測時刻tB(以下、初期予測時刻tBと称する)を選択する。さらに車両制御ECU70は「初期予測時刻tB−現在時刻tA」の大きさが閾値時間Tmth(例えば、30秒)より小さいか否かを判定する。
ステップS609でYesと判定した場合(即ち、間欠運転を禁止する間欠運転禁止判定を行った場合)、車両制御ECU70はステップS610に進んで、エンジン停止禁止フラグを「1」に設定する。なお、エンジン停止禁止フラグの初期値は「0」である。
ステップS610の処理を終えた車両制御ECU70はステップS611に進んで、初期予測時刻tBが経過したか否かを判定する。ステップS611でYesと判定した場合、車両制御ECU70はステップS612に進む。一方、ステップS611でNoと判定した場合、車両制御ECU70はYesと判定するまでステップS611の処理を繰り返す。
ステップS611でYesと判定した場合、及び、ステップS607、608、609のいずれかでNoと判定した場合(即ち、間欠運転を許容する間欠運転許容判定を行った場合)、車両制御ECU70はステップS612に進んで、エンジン停止禁止フラグを「0」に設定する。
ステップS612の処理を終えた車両制御ECU70は、本ルーチンの処理を一旦終了する。
図示を省略したイグニッションキーの操作により、車両20のイグニッションスイッチの位置がオフ位置からオン位置に切り替わると、車両制御ECU70は所定時間が経過する毎に図7のフローチャートに示されたルーチンを繰り返し実行する。
車両制御ECU70はステップS701において、エンジン停止禁止フラグが「0」であるか否かを判定する。
ステップS701でYesと判定した場合、車両制御ECU70はステップS702に進んで、エンジン22を停止させるために第1電動機MG1を始動させて、第1電動機MG1に停止時最小トルクtq1min1を発生させる。
ステップS702の処理を終えた場合、及び、ステップS701でNoと判定した場合、車両制御ECU70は本ルーチンの処理を一旦終了する。
続いて図8及び図9のフローチャートを用いながら、図5に示すように第2電動機MG2が負の回転トルクを発生し且つエンジン22及び第1電動機MG1が動作を停止しているときに車両制御ECU70が行う具体的な処理について説明する。
図示を省略したイグニッションキーの操作により、車両20のイグニッションスイッチの位置がオフ位置からオン位置に切り替わると、車両制御ECU70は所定時間(例えば、1分間より僅かに長い時間)が経過する毎に図8のフローチャートに示されたルーチンを繰り返し実行する。
図8のフローチャートのステップS801乃至S806の処理は、ステップS601乃至S606の各処理とそれぞれ同一であるため、これらの処理についての説明は省略する。
ステップS806の処理を終えた車両制御ECU70はステップS807に進んで、現在時刻tAのトルク指令値Tm2*−1>始動時トルク変化量Tq2reが成立するか否かを判定する。即ち、トルク指令値Tm2*−1の絶対値が、始動時トルク変化量Tq2reの絶対値より小さいか否かを判定する。
ステップS807でYesと判定した場合、車両制御ECU70はステップS808に進んで、ステップS806で演算した複数の予測トルク指令値Tm2*−2の中に始動時トルク変化量Tq2re以下のものが含まれているか否かを判定する。即ち、複数の予測トルク指令値Tm2*−2の中に、その絶対値が始動時トルク変化量Tq2reの絶対値以上のものが含まれているか否かを判定する。
ステップS808でYesと判定した場合、車両制御ECU70はステップS809に進んで、ステップS808で「始動時トルク変化量Tq2re以下の大きさである」と判定された予測トルク指令値Tm2*−2の中で最も早い時刻に表れる(即ち、車両20の現在地点から最も近い通過予測地点で表れる)予測トルク指令値Tm2*−2及びそれが表れる初期予測時刻tBを選択する。さらに車両制御ECU70は「初期予測時刻tB−現在時刻tA」の大きさが閾値時間Tmthより小さいか否かを判定する。
ステップS809でYesと判定した場合(即ち、間欠運転を禁止する間欠運転禁止判定を行った場合)、車両制御ECU70はステップS810に進んで、エンジン始動禁止フラグを「1」に設定する。なお、エンジン始動禁止フラグの初期値は「0」である。
ステップS810の処理を終えた車両制御ECU70はステップS811に進んで、初期予測時刻tBが経過したか否かを判定する。ステップS811でYesと判定した場合、車両制御ECU70はステップS812に進む。一方、ステップS811でNoと判定した場合、車両制御ECU70はYesと判定するまでステップS811の処理を繰り返す。
ステップS811でYesと判定した場合、及び、ステップS807、808、809のいずれかでNoと判定した場合(即ち、間欠運転を許容する間欠運転許容判定を行った場合)、車両制御ECU70はステップS812に進んで、エンジン始動禁止フラグを「0」に設定する。
ステップS812の処理を終えた車両制御ECU70は、本ルーチンの処理を一旦終了する。
図示を省略したイグニッションキーの操作により、車両20のイグニッションスイッチの位置がオフ位置からオン位置に切り替わると、車両制御ECU70は所定時間が経過する毎に図9のフローチャートに示されたルーチンを繰り返し実行する。
車両制御ECU70はステップS901において、エンジン始動禁止フラグが「0」であるか否かを判定する。
ステップS901でYesと判定した場合、車両制御ECU70はステップS902に進んで、エンジン22を始動(再始動)させるために第1電動機MG1を始動させて、第1電動機MG1に始動時最大トルクtq1max2を発生させる。
ステップS902の処理を終えた場合、及び、ステップS901でNoと判定した場合、車両制御ECU70は本ルーチンの処理を一旦終了する。
以上、本発明を上記実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
遊星歯車機構である動力分配統合機構30が、エンジン22、第1電動機MG1、及び第2電動機MG2で発生した駆動力(回転トルク)をリングギヤ軸32aに伝達するのであれば、ハイブリッド車両20の構造は上記構造には限定されない。
通過予測地点情報は、各通過予測地点の位置(高度)に関する情報、路面勾配に関する情報、天候情報に基づく各通過予測地点の路面状況(ドライ、ウェットなど)、及び現在地点と各通過予測地点との間の交通情報(渋滞の有無等)の全てを含む必要はなく、これらの中の少なくとも1つを含んでいればよい。また、通過予測地点情報が、これらの各情報とは別の情報を含んでいてもよい。
20…ハイブリッド車両、22…エンジン、30…動力分配統合機構、70…車両制御ECU、MG1…第1電動機、MG2…第2電動機、tq1min1…停止時最小トルク、tq1max1…停止時最大トルク、Tq1st…停止時トルク変化量、Tq2st…停止時トルク変化量、tq2min1…停止時最小トルク、tq2max1…停止時最大トルク、tq1max2…始動時最大トルク、tq1min2…始動時最小トルク、Tq1re…始動時トルク変化量、Tq2re…始動時トルク変化量、T1…第1所定時間、T2…第2所定時間、トルク指令値Tm2*−1、予測トルク指令値Tm2*−2。
Claims (1)
- 駆動力を発生可能な内燃機関と、
バッテリに蓄電された電力により回転して駆動力を発生する第1電動機と、
前記バッテリに蓄電された電力により回転して駆動力を発生する第2電動機と、
前記内燃機関、前記第1電動機、及び/又は前記第2電動機が発生した駆動力を動力伝達軸を介して駆動輪に伝達する遊星歯車機構である駆動力伝達機構と、
を備え、
前記第1電動機が、前記内燃機関が回転している場合に前記内燃機関の間欠運転が許容されたときに駆動力を前記駆動力伝達機構を介して前記内燃機関に及ぼすことにより前記内燃機関を停止させ且つ前記内燃機関が停止している場合に前記間欠運転が許容されたときに駆動力を前記駆動力伝達機構を介して前記内燃機関に及ぼすことにより前記内燃機関を始動させるように構成され、
前記第2電動機が前記駆動力伝達機構を介して前記動力伝達軸に及ぼしている回転トルクの絶対値が所定値の絶対値以上の場合は、前記内燃機関に及ぼす駆動力を前記第1電動機が発生するのを許容する制御装置を備えるハイブリッド車両において、
現在時刻から所定時間が経過する間の前記第2電動機の回転トルクの大きさである予測トルク指令値を演算する予測トルク指令値演算手段を備え、
前記制御装置が、
前記予測トルク指令値の絶対値が前記所定値の絶対値より小さい期間である特定状態期間が所定の閾値時間未満のときは、前記特定状態期間が経過して前記予測トルク指令値の絶対値が前記所定値の絶対値以上になるまで前記第1電動機が駆動力を発生するのを禁止し、
前記特定状態期間が前記閾値時間以上のときは、前記特定状態期間において前記第1電動機が駆動力を発生するのを許容するように構成された、
ハイブリッド車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019025098A JP2020131823A (ja) | 2019-02-15 | 2019-02-15 | ハイブリッド車両 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019025098A JP2020131823A (ja) | 2019-02-15 | 2019-02-15 | ハイブリッド車両 |
Publications (1)
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JP2020131823A true JP2020131823A (ja) | 2020-08-31 |
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ID=72277539
Family Applications (1)
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JP2019025098A Pending JP2020131823A (ja) | 2019-02-15 | 2019-02-15 | ハイブリッド車両 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020131823A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024079872A1 (ja) * | 2022-10-14 | 2024-04-18 | 株式会社Subaru | 車両の制御装置、車両、車両制御システム、コンピュータプログラム及び記録媒体 |
-
2019
- 2019-02-15 JP JP2019025098A patent/JP2020131823A/ja active Pending
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WO2024079872A1 (ja) * | 2022-10-14 | 2024-04-18 | 株式会社Subaru | 車両の制御装置、車両、車両制御システム、コンピュータプログラム及び記録媒体 |
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