以下、図表を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態における気体吸着剤の概略図である。
図1に示すように、本実施の気体吸着デバイス1は、気体難透過性素材の軟包材からなる気体難透過性素材の軟包材からなる容器2と、気体吸着剤3と、前記容器に開口を作る開封部材4から構成されている。
開封部材4は、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に開口を作る突起部5を有する。
また開封部材4は気体難透過性素材の軟包材からなる容器2の内側に配置される。
突起部5は、開口を作る面に対して水平な方向に配置されており、開封部材4に荷重が加えられた際に、開封部材4周辺の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2が変形し、開封部材4が有する突起部5が気体難透過性素材の軟包材からなる容器2と接触し、突起部5が気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に開口を作る。
上記構成のように、開封部材4は気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に対して水平に配置され、なおかつ開封部材4は突起部5の位置を気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に開口を作るために移動するための稼動部を有しないため、気体吸着デバイス1の総厚さを薄くできる。
また突起部5を含む開封部材4は、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2の内側に配置されているため、気体吸着デバイスを真空断熱材の外被材の内側に挿入する場合に、真空断熱材の外被材を傷つけるリスクを低減できる。
このことは、気体吸着デバイスを搭載した真空断熱材の保管中および使用中に、真空断熱材の外被材を傷つけるリスクも低減できる事を意味する。
さらに、開封部材4および突起部5が、気体吸着デバイスの真空断熱材への挿入時や、真空断熱材へ挿入された後、気体吸着デバイスから外れる可能性をほぼ無くす事が可能になる。
気体吸着デバイスの内部は大気圧および真空断熱材の外被材の内側の圧力よりも低くなっているため、気体難透過性素材の軟包材からなる気体難透過性素材の軟包材からなる容器2は、気体吸着デバイス1の内外の圧力差により、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2の内側に向かって変形し、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2により開封部材4および突起部5が強く固定されるため、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2内部で、開封部材4および突起部5が移動する可能性を大幅に低減できる。
気体難透過性素材の軟包材からなる容器2の内外の圧力差により加わる荷重は気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に対して垂直なので、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に水平に固定された開封部材4および突起部5は、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に開口9を形成するだけの荷重を気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に加えない。
図1に示す開封部材4は円柱状であるが、板状や、円柱および板状の部材が湾曲した形状であっても同様の効果が得られる。
図1に示す突起部5は、先端が鋭利な形状になっているが、実際には気体難透過性素材の軟包材からなる気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に、開口が形成されるだけの荷重を加えられる範囲で、球形など、その他の形状でもよい。
図2は、上記図1に記載の気体吸着デバイス1搭載した真空断熱材の断面の概略図である。図2に記載の真空断熱材の断面の概略図は、開封部材4が有する突起部5により、気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に開口9が形成された後の状態を示している。
図2に示すように、真空断熱材6は、芯材7および気体吸着デバイス1を、気体難透過性素材からなる気体難透過性素材からなる外被材8で覆い、気体難透過性素材からなる外被材8の内側の圧力が、大気圧よりも低い圧力に減圧されたものであり、気体吸着デバイス1が有する開封部材4に集中的に力が加えられることにより、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2が変形し、開封部材4が有する突起部5が気体難透過性素材の軟包材からなる容器2と接触し、気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2の内部と、真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8内部の空間を連結する開口9を形成している。
上記開封部材4に集中的に加えられた荷重により、芯材7が変形し、真空断熱材6の表面の、前記荷重が加えられた位置に凹部10が形成される。
図2には、凹部10を記載しているが、芯材7が復元性の高い材料の場合には凹部10は存在せず、この有無が及ぼす本発明への影響は無い。
より好ましくは、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2が変形した際、突起部5が気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に強い荷重が加えるよう、開封部材4もしくは突起部5は、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に比べ高いヤング率である事が好ましい。
残留水分による真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の内部の真空度の低下を低減するため、真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の内部に、水分吸着材(図に記載無し)を気体吸着デバイス1とあわせて挿入しても良い。
図2に示す開口9は、気体分子に対して十分に大きければよく、例えばわずかな亀裂など、目視可能な明確な貫通孔でなくとも良い。
(実施例1)
次に、第1実施の形態における気体吸着デバイス1および気体吸着デバイス1を搭載した真空断熱材6の実施例1について説明する。
まず、使用した気体吸着デバイス1について説明する。
気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる気体難透過性素材の軟包材からなる容器2として、アルミニウムを蒸着したPET層と、アルミニウム層と、低密度ポリエチレン層からなる複層材料を用いた。アルミニウムを蒸着したPET層の厚さは12μm、アルミニウム層の厚さは6μm、低密度ポリエチレン層の厚さは50μmとした。上記複層フィルムの2枚を、低密度ポリエチレン層同士を対向させて配置し、周辺部を加熱して溶着することで袋状にし、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2を形成した。
気体難透過性素材の軟包材からなる容器2の寸法は、短辺の長さを45mm、長辺の長さを110mmとした。
この複層材料の気体透過速度(酸素)は、1cc/(日・m2・MPa)以下であった。
開口9が形成されていない状態では、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2の内部に封入された気体吸着剤3が、気体吸着デバイス1周辺のガスを吸着することはなく、気体吸着能力は封入時の能力を維持した。
本実施例では、上記樹脂とアルミニウム箔から成る複層フィルムを用いたが、ガスバリア性があり、荷重に対し変形し易ければその他の材質でも良い。
気体吸着剤3には、ZSM−5型のゼオライトを用いた。あらかじめ真空中で加熱することで吸着ガスを脱ガスし、気体が吸着できるようにしたものを用いた。
開封部材4は、材質がステンレスの、円柱形状のものを用いた。直径は1mmとした。
突起部5は、開封部材4の円柱の一端のRを1mmに加工して形成した。
突起部5を含む開封部材4は、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2の短辺側一辺と、長辺側二辺の3方を熱溶着して袋状にした後、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2の短辺側に、短辺と平行になるように配置した。
その後、上記予め脱ガスした気体吸着剤3を、アルゴン雰囲気にて気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に充填し、再度真空雰囲気にしたうえで、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2の、溶着していない短辺側一辺を熱溶着し、封止した。
気体難透過性素材の軟包材からなる容器2への気体吸着剤3の充填重量は、0.5gとした。この気体吸着剤3の10Paでの気体吸着能力は4cc/gであった。
気体難透過性素材の軟包材からなる容器2のヤング率は開封部材4に比べ低いため、開封部材4の一部に集中的に荷重を加えることで、開封部材4以上に気体難透過性素材の軟包材からなる容器2が大きく変形し、開封部材4の突起部5が、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に接触し、開口9が作られる。
このことにより、気体吸着デバイス1の内外の雰囲気が連通し、気体吸着デバイス1の周辺の気体を吸着できるようになる。
次に、上記気体吸着デバイス1を搭載した、真空断熱材6について説明する。
真空断熱材6の芯材7には、グラスウールを用いた。芯材7のサイズは幅250mm、長さ320mmであり、重量は202gとした。
外装材には、15μmのナイロン層と、25μmのナイロン層と、6μmのアルミニウム層と、50μmの低密度ポリエチレン層を重ねた複合フィルムを用いた。
本実施例では、上記樹脂とアルミニウム箔から成る複層フィルムを用いたが、ガスバリア性があれば、その他の材質でも良い。
上記フィルム二枚を、低密度ポリエチレン層同士を対向させ、周縁部を熱溶着することで袋状に形成した。
気体吸着デバイス1は、開口9が作られていない状態で芯材7の内部に配置し、気体難透過性素材からなる外被材8中に芯材7とともに挿入した。
真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の内部を減圧し、熱伝導率を3.5mW/m・Kにした。
その後、上記気体吸着デバイス1を搭載した真空断熱材6について、真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の外側から、気体吸着デバイス1の開封部材4の一部に集中的に荷重を加えた。
荷重を加えるために使用した設備は、プレス機にφ10mmのウレタン製の治具を固定したものを使用した。
上記プレス機により、開封部材4に、気体難透過性素材からなる外被材8の外側から20kgfの力を加えた。
その結果、真空断熱材6の熱伝導率は、2.0mW/m・Kとなった。
上記荷重を加える前後で、熱伝導率が1.5mW/m・K下がったが、このことは、真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の内部の圧力が下がった事を意味し、さらには、気体難透過性素材からなる外被材8の外側から開封部材4に上記荷重を加えた事により、気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に開口9が作られ、気体吸着剤3が真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の内部の気体を吸収した事を意味する。
(第2実施の形態)
図3は、本発明の第2実施の形態において、気体吸着デバイス1に搭載した開封部材4の概略図である。
開封部材4は、突起部5が開封部材4の外表面より内側に配置されており、荷重が加えられた際に破断もしくは変形する易破断変形部11を有しており、突起部5の位置は、易破断変形部11で破断もしくは変形した際に、突起部5が開封部材4の外表面より外側に突出する位置であることを特徴とする。
突起部5および易破断変形部11は、開封部材4に切抜部12を配置する事で形成される。切抜部12は、開封部材4を厚さ方向に貫通させたものである。
切抜部12により、突起部5を鋭利な形状としており、気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2と接触したときに、突起部5は気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に集中的に荷重が加わるため、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に開口9が作られる。
易破断変形部11は、切抜部12により開封部材4を構成する部材が、開封部材4の他の位置に比べて少ないため、荷重により破断もしくは変形し易くなっている。
本実施の形態では切抜部12により突起部5および易破断変形部11を形成したが、その他、切り欠きや、破断や変形しやすい部材で形成しても良い。
上記図3に記載の開封部材4を、第1実施の形態同様に、気体難透過性素材の軟包材からなる気体難透過性素材の軟包材からなる容器2の内側に配置し、気体吸着デバイス1とした。
本実施の形態の構成により、開封部材4に荷重が加えられた際に、開封部材4の易破断変形部11が破断もしくは変形すると共に、開封部材4の周辺の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2が変形することとで、開封部材4が有する突起部5が気体難透過性素材の軟包材からなる容器2と接触し、突起部5が気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に開口9を作る。
上記構成により、第1実施の形態に記載のメリットがあるだけでなく、突起部5が開封部材4の外表面より内側に配置されているため、開口9を作る前に開封部材4が気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2を破損させるリスクをさらに低減する事ができる。
図3では、開封部材4の形状は、長方形の板状であるが、四方の角をR形状としたり、正方形や円形、楕円形としたりしてもよく、形状はこの限りではない。
(実施例2)
次に、第2実施の形態における気体吸着デバイス1および気体吸着デバイス1を搭載した真空断熱材6の実施例2について説明する。
まず、使用した気体吸着デバイス1について説明する。
開封部材4を除く気体吸着デバイス1の構成は、実施例1に記載の通りである。
開封部材4の材質は、ステンレス製の鋼板とした。
開封部材4の寸法は、幅を10mm、長さを35mm、厚さを1mmとした。
切抜部12は、幅0.5mmの幅で開封部材4を構成するステンレス製の鋼板を厚さ方向に貫通させて形成した。
突起部5の先端のRを0.5mmで形成した。
易破断変形部11は、切抜部12により、開封部材4を構成するステンレス製の鋼板を、切抜部12の両端の開封部材4の残肉部の幅を各1mmとする事で形成した。
開封部材4の幅は35mmだが、2箇所の易破断変形部11の幅が1mmと狭くすることで、開封部材4に荷重が加わった際に、易破断変形部11が優先的に破断もしくは変形する。
上記開封部材4を、気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2の内部に配置した。
気体吸着デバイス1の製作方法は、実施例1に記載の通りである。
開封部材4の一部に集中的に荷重を加えることで、開封部材4が有する易破断変形部11が破断もしくは変形し、突起部5が気体難透過性素材の軟包材からなる容器2側に移動すると共に、開封部材4よりもヤング率の低い気体難透過性素材の軟包材からなる容器2が開封部材4よりも大きく変形し、開封部材4の突起部5が、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に接触し、開口9が作られる。
このことにより、気体吸着デバイス1の内外の雰囲気が連通し、気体吸着デバイス1の周辺の気体を吸着できるようになる。
次に、上記気体吸着デバイス1を、真空断熱材6に搭載した。
真空断熱材6の構成および製作方法は、実施例1に記載の通りである。
気体難透過性素材からなる外被材8の内部を減圧した真空断熱材6の熱伝導率を3.8mW/m・Kにした。
その後、上記気体吸着デバイス1を搭載した真空断熱材6について、真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の外側から、気体吸着デバイス1の開封部材4の一部に集中的に荷重を加えた。
荷重を加えるために使用した設備および加えた荷重に関する条件は、実施例1に記載の通りである。
その結果、真空断熱材6の熱伝導率は、2.5mW/m・Kとなった。
荷重を加える前後で、熱伝導率が1.3mW/m・K下がったが、このことは、真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の内部の圧力が下がった事を意味する。
このことから、気体難透過性素材からなる外被材8の外側から開封部材4に荷重を加えた事により、気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に開口9が作られ、気体吸着剤3が真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の内部の気体を吸収したと言える。
上記確認の後、真空断熱材6から気体吸着デバイス1を取り出し確認したところ、開封部材4は易破断変形部11で変形しており、突起部5が気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2を突き破り、開口9を形成している事を確認した。
本実施例において、切抜部12により突起部5を形成したが、開封部材4を貫通させるかわりに、切り欠きや、軟質材とするなどとしても同様の効果を実現できる。
(実施例3)
次に、第2実施の形態における気体吸着デバイス1および気体吸着デバイス1を搭載した真空断熱材6の実施例3について説明する。
まず、使用した気体吸着デバイス1について説明する。
開封部材4の材質を除く気体吸着デバイス1の構成は、実施例2に記載の通りである。
開封部材4の材質は、SK鋼板とした。
SK鋼板は、ステンレス鋼板よりも硬く脆いため、ステンレス鋼板よりも変形しづらく、破断しやすい性質を持つ。
この材質にする事により、易破断変形部11は、変形ではなく破断し易い状態になる。
破断により、音波などの振動が発生する。
そのため、開封部材4に荷重が加えられ、易破断変形部11が破断する際に、発生する音波により、易破断変形部の破断と、それに伴う気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2への開口9の形成を確認可能にする事ができる。
次に、上記気体吸着デバイス1を、真空断熱材6に搭載した。
真空断熱材6の構成および製作方法は、実施例1に記載の通りである。
気体難透過性素材からなる外被材8の内部を減圧した真空断熱材6の熱伝導率を3.6mW/m・Kにした。
その後、上記気体吸着デバイス1を搭載した真空断熱材6について、真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の外側から、気体吸着デバイス1の開封部材4の一部に集中的に荷重を加えた。
荷重を加えるために使用した設備および加えた荷重に関する条件は、実施例1に記載の通りである。
その結果、荷重を加えた際に、聴覚で明確に確認できる音が発生した。
また、真空断熱材6の熱伝導率は、2.3mW/m・Kとなった。
さらに真空断熱材6から気体吸着デバイス1を取り出し確認したところ、開封部材4は易破断変形部11で破断しており、突起部5が気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2を突き破り、開口9を形成している事を確認した。
このことから、開封部材4は易破断変形部11で破断し、その際に聴覚で明確に確認できる音を発生し、気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に開口9を形成し、気体吸着剤3が真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の内部の気体を吸収した事を確認した。
上記のことから、易破断変形部11に脆性材料を用いることで、気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に開口9が作られた事を音波によって確認できる。
本実施例において、切抜部12により突起部5および易破断変形部11を形成したが、貫通させる代わりに、切り欠きや、軟質材とするなどとしても同様の効果を実現できる。(実施例4)
次に、第2実施の形態における気体吸着デバイス1および気体吸着デバイス1を搭載した真空断熱材6の実施例4について説明する。
まず、使用した気体吸着デバイス1について説明する。
開封部材4を除く気体吸着デバイス1の構成は、実施例1に記載の通りである。
使用した開封部材4の構成を図4に示す。
開封部材4の材質は、ステンレス製の鋼板とした。
寸法は、30mm角、厚さを1mmとした。
開封部材4は、切抜部12を十字に形成する事により、突起部5を4箇所有するものとした。
切抜部12は、開封部材4を厚さ方向に0.5mmの幅で貫通させて形成した。
突起部5の先端のRは0.5mmで形成した。
易破断変形部11は、切抜部12により、開封部材4を構成するステンレス製の鋼板を、切抜部12の両端の開封部材4の残肉部の幅を各1mmとする事で形成した。
開封部材4の幅方向の寸法は30mmだが、4箇所の易破断変形部11の幅を各1mmと狭くすることで、開封部材4に荷重が加わった際に、易破断変形部11が優先的に破断もしくは変形する。
上記開封部材4を、気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2の内部に配置した。
気体吸着デバイス1の製作方法は、実施例1に記載の通りである。
開封部材4の一部に集中的に荷重を加えることで、開封部材4が有する易破断変形部11が破断もしくは変形し、突起部5が気体難透過性素材の軟包材からなる容器2側に移動する事で、開封部材4の突起部5が、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に接触し、開口9が作られる。
このことにより、気体吸着デバイス1の内外の雰囲気が連通し、気体吸着デバイス1の周辺の気体を吸着できるようになる。
上記開封部材4のように、突起部5を複数設け、なおかつ易破断変形部11を開封部材4の端部に配置する事により、開封部材4に荷重を加える位置が、開封部材4から外れない範囲においてずれたとしても、易破断変形部11が破断もしくは変形し、突起部5が気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に接触し、開口9が形成される。
次に、上記気体吸着デバイス1を搭載した、真空断熱材6について説明する。
真空断熱材6の構成および製作方法は、実施例1に記載の通りである。
気体難透過性素材からなる外被材8の内部を減圧した真空断熱材6の熱伝導率は、3.3mW/m・Kにした。
その後、上記気体吸着デバイス1を搭載した真空断熱材6について、真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の外側から、気体吸着デバイス1の開封部材4の一部に集中的に荷重を加えた。
荷重を加えるために使用した設備は、プレス機にφ5mmのウレタン製の治具を固定して使用した。
上記プレス機により、開封部材4に、気体難透過性素材からなる外被材8の外側から20kgfの力を加えた。
その結果、真空断熱材6の熱伝導率は、2.5mW/m・Kとなった。
上記荷重により、熱伝導率が0.8mW/m・K下がったが、このことは、真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の内部の圧力が下がった事を意味し、さらには気体難透過性素材からなる外被材8の外側から開封部材4に上記荷重が加えられた事により、気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に開口9が作られ、気体吸着剤3が真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の内部の気体を吸収した事を意味する。
実施例1と比較して、本実施例は開封部材4に荷重を加えるために使用した治具の先端径を小さくしたが、本実施例の開封部材の構成のように、突起部5を複数設け、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2の表面に対して水平な面上で、様々な角度に配置する事で、安定して開封する事が可能になる。
また本実施例において、切抜部12により突起部5および易破断変形部11を形成したが、切り欠きや、軟質材とするなどとしても同様の効果を実現できる。
(実施例5)
次に、第2実施の形態における気体吸着デバイス1および気体吸着デバイス1を搭載した真空断熱材6の実施例5について説明する。
まず、使用した気体吸着デバイス1について説明する。
開封部材4を除く気体吸着デバイス1の構成は、実施例1に記載の通りである。
使用した開封部材4の概略図を図5に示す。
開封部材4の材質は、ステンレス製の鋼板とした。
開封部材4の寸法は、幅を10mm、長さを35mm、厚さを1mmとした。
切抜部12は、幅0.5mmの幅で開封部材4を構成するステンレス製の鋼板を厚さ方向に貫通させて、合計で3箇所形成した。
切抜部12の一つは、開封部材4の略中央部に設け、易破断変形部11と突起部5を形成した。
突起部5の先端のRを0.5mmとした。
切抜部12の残りの二つは、開封部材の端部に設け、易破断変形部11を形成した。
易破断変形部11は全て、切抜部12により、開封部材4を構成するステンレス製の鋼板を、切抜部12の両端の開封部材4の残肉部の幅を各1mmとする事で形成した。
本実施例の開封部材4の幅は35mmだが、2箇所の易破断変形部11の幅が1mmと狭くすることで、開封部材4に荷重が加わった際に、易破断変形部11が優先的に破断もしくは変形する。
上記のように、気体吸着デバイス1が有する開封部材4に対して、切抜部12および易破断変形部11を開封部材4の端部に設ける事で、開封部材4の一部に集中的に荷重を加え、気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に開口9を作る際に、開封部材4の端部に設けられた易破断変形部11が破断もしくは変形し、開封部材4の端部が開口9と逆の方向に移動する量を低減し、開封部材4が気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2および気体吸着デバイス1を搭載した真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8を破損するリスクを低減できる。
上記開封部材4を、気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2の内部に配置した。
気体吸着デバイス1の製作方法は、実施例1に記載の通りである。
次に、上記気体吸着デバイス1を、真空断熱材6に搭載した。
真空断熱材6の構成および製作方法は、実施例1に記載の通りである。
気体難透過性素材からなる外被材8の内部を減圧した真空断熱材6の熱伝導率を3.5mW/m・Kにした。
その後、上記気体吸着デバイス1を搭載した真空断熱材6について、真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の外側から、気体吸着デバイス1の開封部材4の一部に集中的に荷重を加えた。
荷重を加えるために使用した設備および加えた荷重に関する条件は、実施例1に記載の通りである。
その結果、真空断熱材6の熱伝導率は、2.4mW/m・Kとなった。
荷重を加える前後で、熱伝導率が1.1mW/m・K下がったが、このことは、真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の内部の圧力が下がった事を意味し、さらには、気体難透過性素材からなる外被材8の外側から開封部材4に荷重を加えた事により、気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に開口9が作られ、気体吸着剤3が真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の内部の気体を吸収した事を意味する。
上記確認の後、真空断熱材6の上記荷重を加えた側の気体難透過性素材からなる外被材8について、気体吸着デバイス1の開封部材4の端部の位置で、気体難透過性素材からなる外被材8に発生する段差を測定したところ、0.1mm以下であった。比較として実施例2に記載の方法で気体吸着デバイス1に開口9を作るための荷重を加えた後の真空断熱材6について同様に測定したところ、この段差は0.5mmであった。
段差が少ない事は、開封部材4が気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2もしくは真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8にストレスを加えて、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2もしくは気体難透過性素材からなる外被材8が破壊される事を防ぐばかりでなく、真空断熱材6が、擦れや圧縮など外から加えられるストレスによって気体難透過性素材からなる外被材8が破壊される事も防ぐ事を意味する。
この事から、開封部材4の端部に易破断変形部11を設ける事で、気体吸着デバイス1および真空断熱材6の破損を防ぐ事ができる。
本実施例において、切抜部12により突起部5および易破断変形部11を形成したが、切り欠きや、軟質材とするなどとしても同様の効果を実現できる。
(実施例6)
次に、第2実施の形態における気体吸着デバイス1および気体吸着デバイス1を搭載した真空断熱材6の実施例6について説明する。
まず、使用した気体吸着デバイス1について説明する。
開封部材4を除く気体吸着デバイス1の構成は、実施例1に記載の通りである。
使用した開封部材4の概略図を図6に示す。
開封部材4の材質は、ステンレス製の鋼板とした。
開封部材4の寸法は、幅を10mm、長さを35mm、厚さを1mmとした。
切抜部12は、幅0.5mmの幅で開封部材4を構成するステンレス製の鋼板を厚さ方向に貫通させて形成した。
突起部5の先端のRを0.5mmで形成した。
易破断変形部11は、切抜部12により、開封部材4を構成するステンレス製の鋼板を、各1mmの幅のみ存在させる事で形成した。
開封部材4の幅は35mmだが、2箇所の易破断変形部11のみ幅を1mmとすることで、開封部材4に荷重が加わった際に、易破断変形部11が優先的に破断もしくは変形するようにした。
板状の開封部材4を長辺側からみた断面形状は、湾曲した形状とした。
上記開封部材4を、気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2の内部に配置した。
気体吸着デバイス1の製作方法は、実施例1に記載の通りである。
次に、上記気体吸着デバイス1を、真空断熱材6に搭載した。
真空断熱材6の構成および製作方法は、実施例1に記載の通りである。
気体難透過性素材からなる外被材8の内部を減圧した真空断熱材6の熱伝導率を3.8mW/m・Kにした。
その後、上記気体吸着デバイス1を搭載した真空断熱材6について、真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の外側から、気体吸着デバイス1の開封部材4の一部に集中的に荷重を加えた。
荷重を加えるために使用した設備および加えた荷重に関する条件は、実施例1に記載の通りであるが、荷重を加える方向は、湾曲した開封部材4の、凸側から荷重を加えた。
その結果、真空断熱材6の熱伝導率は、2.6mW/m・Kとなった。
荷重を加える前後で、熱伝導率が1.2mW/m・K下がったが、このことは、真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の内部の圧力が下がった事を意味し、さらには、気体難透過性素材からなる外被材8の外側から開封部材4に荷重を加えた事により、気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に開口9が作られ、気体吸着剤3が真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の内部の気体を吸収したと言える。
上記確認の後、真空断熱材6の上記荷重を加えた側の気体難透過性素材からなる外被材8について、気体吸着デバイス1の開封部材4の端部の位置で、気体難透過性素材からなる外被材8に発生する段差を測定したところ、0.1mm以下であった。比較として実施例2に記載の方法で荷重を加えた後の真空断熱材6について同様に測定したところ、この段差は0.5mmであった。
段差が少ない事は、開封部材4が気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2もしくは真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8にストレスを加えて、気体難透過性素材の軟包材からなる容器2もしくは気体難透過性素材からなる外被材8が破壊される事を防ぐばかりでなく、真空断熱材6が、擦れや圧縮など外から加えられるストレスによって気体難透過性素材からなる外被材8が破壊される事も防ぐ。
この事から、開封部材4を湾曲した形状にする事で、気体吸着デバイス1および真空断熱材6の破損を防ぐ事ができる。
本実施例において、開封部材4の断面形状は長辺側から見て湾曲した形状としたが、長辺側でなく易破断変形部11の位置によっては短辺側であっても同様の効果を実現でき、また、湾曲した形状ではなく端部で折れ曲がった形状であっても同様の効果を実現できる。
また本実施例において、切抜部12により突起部5および易破断変形部11を形成したが、切り欠きや、軟質材とするなどとしても同様の効果を実現できる。
(第3実施の形態)
図7は、本発明の第3実施の形態における気体吸着剤の概略図である。
構成は第1実施の形態と同じだが、開封部材4を気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2の外側に接着剤で取り付けた。
外側に取り付ける事により、気体吸着デバイス1の製作時の作業性が向上できる。
開封部材4に荷重を加えた際、第1実施の形態同様に、気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に開口9を作る事が可能である。
開封部材4は、棒状のものとしているが、他の形状であってもよく、例えば第2実施の形態に示す形状であっても良い。
上記気体吸着デバイス1を、真空断熱材に挿入したのち、開封部材4に荷重を加え、開口9を作った。
真空断熱材の構成および挿入方法、上記荷重を加える方法は、第1実施の形態に記載の通りである。
(実施例7)
次に、第3実施の形態における気体吸着デバイス1および気体吸着デバイス1を搭載した真空断熱材6の実施例7について説明する。
まず、使用した気体吸着デバイス1について説明する。
開封部材4を除く気体吸着デバイス1の構成は、実施例1に記載の通りである。
開封部材4の材質および形状は実施例1に記載の通りとした。
ただし開封部材4の位置は、気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2の外側に、ウレタン系の接着剤で接着した。
次に、上記気体吸着デバイス1を、真空断熱材6に搭載した。
真空断熱材6の構成および製作方法は、実施例1に記載の通りである。
気体難透過性素材からなる外被材8の内部を減圧した真空断熱材6の熱伝導率を4.0mW/m・Kにした。
その後、上記気体吸着デバイス1を搭載した真空断熱材6について、真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の外側から、気体吸着デバイス1の開封部材4の一部に集中的に荷重を加えた。
荷重を加えるために使用した設備および加えた荷重に関する条件は、実施例1に記載の通りである。
その結果、真空断熱材6の熱伝導率は、3.3mW/m・Kとなった。
荷重を加える前後で、熱伝導率が0.7mW/m・K下がったが、このことは、真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の内部の圧力が下がった事を意味し、さらには、気体難透過性素材からなる外被材8の外側から開封部材4に荷重を加えた事により、気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に開口9が作られ、気体吸着剤3が真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の内部の気体を吸収したと言える。
本実施例において、開封部材4は金属製の円柱状の構成としたが、形状はこの限りではなく、例えば実施例2から6に示す形状でもよく、材質も金属ではなく樹脂などであっても良い。
(第4実施の形態)
本発明の第1実施の形態に記載の、気体吸着デバイス1を使用し、真空断熱材6を形成する際、気体吸着デバイス1を芯材7と気体難透過性素材からなる外被材8の間に挿入した。
従来、気体吸着デバイス1を含む芯材7と共に真空断熱材6に挿入されるデバイスは、気体難透過性素材からなる外被材8の保護の観点から、芯材7の内部に配置される事が主流であった。
本発明の開封部材4を含む気体吸着デバイス1は薄く、なおかつ開封部材4がデバイス内部に配置されているため、気体難透過性素材からなる外被材8に接して配置しても、気体難透過性素材からなる外被材8を破損させる事はない。
この事は、気体吸着デバイス1を容易に真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8内部に挿入できる事を意味する。
さらには真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の外側から、気体吸着デバイス1を容易に視認する事が可能にせしめる。
これにより、真空断熱材6の製作および開封部材4による開口9の作成の両方を容易にする。
(実施例8)
次に、第4実施の形態における気体吸着デバイス1および気体吸着デバイス1を搭載した真空断熱材6の実施例8について説明する。
使用した気体吸着デバイス1は、実施例1に記載の通りである。
上記開封部材4を、気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2の内部に配置した。
気体吸着デバイス1の製作方法は、実施例1に記載の通りであるが、気体吸着デバイス1を芯材7と気体難透過性素材からなる外被材8の間に配置した。
気体難透過性素材からなる外被材8の内部を減圧した真空断熱材6の熱伝導率を3.5mW/m・Kにした。
開封部材4の部分と、それ以外の部分で、真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の表面に発生する段差を測定したところ、0.5mmであった。
比較として実施例2に記載の方法で荷重を加えた真空断熱材6について同様に測定したところ、この段差は0.3mmであった。
この事から、本発明のデバイスは真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の近傍に配置できるため、気体難透過性素材からなる外被材8の外側からの、気体吸着デバイス1の開封部材の視認性をより高める事ができる。
上記確認の後、本実施例に記載の上記気体吸着デバイス1を搭載した真空断熱材6について、真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の外側から、気体吸着デバイス1の開封部材4の一部に集中的に荷重を加えた。
荷重を加えるために使用した設備および加えた荷重に関する条件は、実施例1に記載の通りである。
その結果、真空断熱材6の熱伝導率は、2.7mW/m・Kとなった。
荷重を加える前後で、熱伝導率が0.8mW/m・K下がったが、このことは、真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の内部の圧力が下がった事を意味し、さらには、気体難透過性素材からなる外被材8の外側から開封部材4に荷重を加えた事により、気体吸着デバイス1の気体難透過性素材の軟包材からなる容器2に開口9が作られ、気体吸着剤3が真空断熱材6の気体難透過性素材からなる外被材8の内部の気体を吸収した事を意味する。
本実施例では気体吸着デバイス1を芯材7と気体難透過性素材からなる外被材8の間に入れたが、表面に起伏ができる範囲で、気体吸着デバイス1を芯材7の内側に配置しても同様の効果が得られる。
本実施例において、開封部材4は金属製の円柱状の構成としたが、形状はこの限りではなく、例えば実施例2から6に示す形状でもよく、材質も金属ではなく樹脂などであっても良い。