JP2020129758A - 圧電振動フィルタの周波数調整方法および周波数調整装置 - Google Patents

圧電振動フィルタの周波数調整方法および周波数調整装置 Download PDF

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Abstract

【課題】圧電振動フィルタの周波数調整における調整工程の繰り返し回数を大幅に低減し、周波数調整に掛かる時間の短縮、調整精度の向上、歩留まりの向上などを図る。【解決手段】同一の製品規格で製造される複数の圧電振動フィルタに対する周波数調整において、先に周波数特性の調整が行われた圧電振動フィルタの調整ログから、帯域調整における調整量の設定に使用可能な予測値(“Fa/Fs”または“Fs/Fa”)を算出する。少なくとも一つの圧電振動フィルタに対して周波数調整が行われた後、さらに周波数特性の調整を行う他の圧電振動フィルタに対しては、予測値に基づいて帯域調整における最適な調整量を算出することができる。【選択図】図7

Description

本発明は、圧電振動フィルタの周波数調整方法および周波数調整装置に関する。
MCF(Monolithic Crystal Filter:水晶フィルタ)などの圧電振動フィルタは、例えばハンディタイプの小型通信機器等の周波数選択手段として用いられている。図1は、圧電振動フィルタ100の一般的な構成を示す側面図である。
圧電振動フィルタ100では、圧電振動板101の一主面S1に共通電極102が形成され、他主面S2に入力電極103および出力電極104がギャップGを介して並んで形成されている。共通電極102は、入力電極103、出力電極104およびギャップGのすべての形成領域と対向するように形成されている。また、共通電極102、入力電極103および出力電極104の各電極膜は、例えば、クロムを下地金属とし、その上部に銀を蒸着した構成が用いられる。
図1に示す圧電振動フィルタ100の周波数特性は、図2(a)に示す対称モード(厚みすべりの対称波)と、図2(b)に示す斜対称モード(厚みねじれの非対称波)との相互作用によって決定される。尚、図2において、縦軸は変位強度を示し、横軸は圧電振動フィルタ100の表面のある一点からの距離を示す。
圧電振動フィルタ100における各電極膜のサイズ、膜厚および配置などは、圧電振動フィルタ100が所望の周波数特性(すなわち製品規格に合った周波数特性)を有するように設計されている。しかしながら、実際には、電極膜を成膜するのみで所望の周波数特性が得られることは少なく、電極膜の成膜後に、圧電振動フィルタ100の周波数特性を所望の値に合わせ込むための周波数調整が必要となる。このような周波数調整は、所定領域の電極膜に対してパーシャル蒸着などの手法により膜厚を増加(膜付加)させる方法(いわゆるパーシャル調整)、あるいは、所定領域の電極膜に対してイオンビーム照射などの手法により膜厚を減少(膜除去)させる方法(いわゆるイオンパーシャル調整)などで行われる。
圧電振動フィルタ100の周波数調整としては、
・バランス調整
・帯域調整(Fs調整、Fa調整)
・全面調整
の3種類の工程がこの順序で実施される(例えば、特許文献1)。尚、これらの各工程は、圧電振動フィルタ100のその時点の周波数特性に応じて選択的に実施され、調整の必要がない場合には一部の工程が省略されることもある。図3は、パーシャル調整による周波数調整の各工程を示す図であり、(a)はバランス調整、(b)はFs調整、(c)はFa調整、(d)は全面調整を示している。また、図4は、イオンパーシャル調整による周波数調整の各工程を示す図であり、(a)はバランス調整、(b)はFs調整、(c)はFa調整、(d)は全面調整を示している。尚、図3ではパーシャル調整によって膜厚を増加させられた部分を斜線ハッチングにて示し、図4ではイオンパーシャル調整によって膜厚を減少させられる部分を射影ハッチングにて示している。
バランス調整は、入力電極103と共通電極102とが対向してなる第1共振領域における共振周波数F1と、出力電極104と共通電極102とが対向してなる第2共振領域における共振周波数F2との合わせ込みを行う工程である。具体的には、バランス調整では、第1共振領域および第2共振領域の何れか一方の共通電極102の膜厚を相対的に増加させることで、共振周波数F1と共振周波数F2とを一致させる。例えば、F1>F2の場合、パーシャル調整では第2共振領域の共通電極102の膜厚を増加させ(図3(a)参照)、イオンパーシャル調整では第1共振領域の共通電極102の膜厚を減少させる(図4(a)参照)。逆に、F1<F2の場合、パーシャル調整では第1共振領域の共通電極102の膜厚を増加させ、イオンパーシャル調整では第2共振領域の共通電極102の膜厚を減少させる。
帯域調整は、圧電振動フィルタの通過帯域幅の調整を行うものであって、対称モードと斜対称モードとの帯域を広げたり狭めたりする工程である。尚、帯域調整には、主に対称モードの振動周波数Fsを変化させるFs調整と主に斜対称モードの振動周波数Faを変化させるFa調整とがあり、一方が通過帯域幅を広げる作用を有し、他方が通過帯域幅を狭める作用を有する。Fs調整では、ギャップGに対向する領域の共通電極102の膜厚が増加または減少させられる。一方、Fa調整では、第1共振領域および第2共振領域の共通電極102の膜厚が増加または減少させられる。
帯域調整において通過帯域幅を広げようとする場合、ギャップGに対向する領域の共通電極102の膜厚を他の部分よりも相対的に増加させる。通過帯域幅を広げる調整をパーシャル調整にて行う場合はFs調整が行われる。すなわち、パーシャル調整によるFs調整では、ギャップGに対向する領域の共通電極102の膜厚が増加(図3(b)参照)することにより通過帯域幅が広げられる。一方、通過帯域幅を広げる調整をイオンパーシャル調整にて行う場合はFa調整が行われる。すなわち、イオンパーシャル調整によるFa調整では、第1共振領域および第2共振領域の共通電極102の膜厚が減少(図4(b)参照)することにより通過帯域幅が広げられる。
帯域調整において通過帯域幅を狭めようとする場合、ギャップGに対向する領域の共通電極102の膜厚を他の部分よりも相対的に減少させる。通過帯域幅を狭める調整をパーシャル調整にて行う場合はFa調整が行われる。すなわち、パーシャル調整によるFa調整では、第1共振領域および第2共振領域の共通電極102の膜厚が増加(図3(c)参照)することにより通過帯域幅が狭められる。一方、通過帯域幅を狭める調整をイオンパーシャル調整にて行う場合はFs調整が行われる。すなわち、イオンパーシャル調整によるFs調整では、ギャップGに対向する領域の共通電極102の膜厚が減少(図4(c)参照)することにより通過帯域幅が狭められる。
全面調整は、圧電振動フィルタの中心周波数の合わせ込みを行う工程であって、共通電極102の膜厚を全体的に増加または減少させることにより、通過帯域幅を変化させることなく中心周波数の調整のみを行うものである。すなわち、パーシャル調整では共通電極102の膜厚を全体的に増加させ(図3(d)参照)、イオンパーシャル調整では共通電極102の膜厚を全体的に減少させる(図4(d)参照)。
尚、特許文献1には2ポールの圧電振動フィルタに対する周波数調整が開示されているが、特許文献2には3ポールの圧電振動フィルタに対する周波数調整が開示されている。
特許第3965681号公報 特許第3468160号公報
従来の周波数調整では、1つの圧電振動フィルタに対して所望の周波数特性が得られるまでの工程数が多くなり、周波数調整に掛かる時間が長くなるといった問題がある。これは特に、帯域調整でのFs調整およびFa調整が繰り返し必要となることに起因する。例えば、Fs調整を行う場合、この調整によって変化させるのは対称モードの振動周波数Fsだけでなく、斜対称モードの振動周波数Faも同時に変化する。同様に、Fa調整を行う場合、振動周波数Faだけでなく、振動周波数Fsも同時に変化する。
このため、従来は、Fs調整およびFa調整を行う場合の適切な調整量が分かりにくく、所望の周波数特性が得られるまでに微調整が繰り返し行われることが多かった。また、Fs調整およびFa調整を繰り返し行ううちに共振周波数F1と共振周波数F2との周波数が異なり、再度のバランス調整が必要となる場合もあった。さらに、上記調整を繰り返し行っても所望の周波数特性が得られず、調整ミスによる歩留まりの低下といった問題も生じていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、調整量の予測を行うことによって圧電振動フィルタの周波数調整における調整工程の繰り返し回数を大幅に低減し、周波数調整に掛かる時間の短縮、調整精度の向上、歩留まりの向上などを図ることを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様である周波数調整方法は、同一の製品規格で製造される複数の圧電振動フィルタに対し、圧電振動フィルタ毎の周波数特性を調整するための圧電振動フィルタの周波数調整方法であって、当該周波数調整方法は、1つの圧電振動フィルタに対して、圧電振動フィルタの通過帯域幅を広げる調整と圧電振動フィルタの通過帯域幅を狭める調整とによって通過帯域幅の調整を行う帯域調整が少なくとも含まれるものであり、少なくとも一つの圧電振動フィルタに対して前記帯域調整を含む周波数調整が行われた後、さらに他の圧電振動フィルタに対して周波数調整を行う場合に、周波数特性の調整が行われた少なくとも一つの圧電振動フィルタの調整ログから、前記帯域調整における調整量の設定に使用可能な予測値を算出し、前記予測値が算出された後に周波数特性の調整を行う他の圧電振動フィルタに対して、前記予測値に基づいて前記帯域調整における最適な調整量を算出し、算出した当該調整量にて前記帯域調整を行うことを特徴としている。
上記の構成によれば、同一の製品規格である(すなわち、各電極膜のサイズや配置や膜厚などの基本設計が同じである)圧電振動フィルタの製品群に対して周波数調整を実施する場合に、先に周波数調整が行われた圧電振動フィルタの調整ログから予測値を算出し、後から周波数調整が行われる圧電振動フィルタに対してはこの予測値に基づいて適切な調整量を設定することができる。その結果、予測値に基づいて調整量を設定される圧電振動フィルタでは、帯域調整における繰り返し回数を大幅に低減することができ、周波数調整に掛かる時間を短縮することができる。また、予測値に基づいて調整量を設定することで、調整精度も向上し、調整ミスも低減することで歩留まりを向上させることもできる。
また、上記周波数調整方法では、周波数特性の調整が行われた圧電振動フィルタの調整ログから算出される前記予測値は、複数の圧電振動フィルタに対する平均値として算出されるものであり、一つ圧電振動フィルタに対する周波数調整が終わるたびに、その調整結果を加えて更新される値である構成とすることができる。
上記の構成によれば、周波数調整が行われた圧電振動フィルタの数が増えるほど予測の精度を向上させることができる。
また、上記周波数調整方法では、前記圧電振動フィルタは、2ポールまたは4ポールの圧電振動フィルタであり、前記帯域調整は、対称モードの帯域を調整するFs調整と、斜対称モードの帯域を調整するFa調整とによって行われるものであり、前記予測値は、Fs調整を行ったときの対称モードの周波数変化量ΔFsに対する斜対称モードの周波数変化量ΔFaの割合(ΔFa/ΔFs)、およびFa調整を行ったときの斜対称モードの周波数変化量ΔFaに対する対称モードの周波数変化量ΔFsの割合(ΔFs/ΔFa)”として算出される構成とすることができる。
また、上記周波数調整方法では、前記圧電振動フィルタは、3ポールの圧電振動フィルタであり、前記帯域調整は、第1対称モードの帯域を調整するFs1調整と、第2対称モードの帯域を調整するFs2調整とによって行われるものであり、前記予測値は、Fs1調整を行ったときの第1対称モードの周波数変化量ΔFs1に対する第2対称モードの周波数変化量ΔFs2の割合(ΔFs2/ΔFs1)、およびFs2調整を行ったときの第2対称モードの周波数変化量ΔFs2に対する第1対称モードの周波数変化量ΔFs1の割合(ΔFs1/ΔFs2)”として算出される構成とすることができる。
また、上記の課題を解決するために、本発明の第2の態様である周波数調整装置は、圧電振動フィルタ毎の周波数特性を調整するための圧電振動フィルタの周波数調整装置であって、当該周波数調整装置は、1つの圧電振動フィルタに対して、圧電振動フィルタの通過帯域幅を広げる調整と圧電振動フィルタの通過帯域幅を狭める調整とによって通過帯域幅の調整を行う帯域調整を少なくとも行えるものであり、周波数特性の調整が行われた少なくとも一つの圧電振動フィルタの調整ログから、前記帯域調整における調整量の設定に使用可能な予測値を算出する演算部と、前記演算部により算出された前記予測値を表示する表示部とを有することを特徴としている。
上記の構成によれば、演算部によって算出された予測値が表示されるので、ユーザがこの予測値に基づく最適な調整量の設定入力を行うことができる。これにより、上述した周波数調整方法が実現できる。
また、上記周波数調整装置では、前記演算部は、一つの圧電振動フィルタに対して周波数特性の調整が行われるたびに、前記予測値を算出し、前記一つの圧電振動フィルタに対して算出した前記予測値を、それ以前に周波数特性の調整が行われていた圧電振動フィルタの調整ログから求められた前記予測値と比較して、その比較における比または差が所定値以上であるか否かを判断し、当該比または差が所定値以上である場合に警告を行う構成とすることができる。
上記の構成によれば、例えばマスクずれなどによってパレット単位で予測値の大きく異なる圧電振動フィルタ群が発生した場合、そのパレットを速やかに判定して警告を出すことができる。その結果、適切でない予測値に基づいて調整が行われることを防止できる。
また、上記周波数調整装置では、前記圧電振動フィルタは、2ポールまたは4ポールの圧電振動フィルタであり、前記帯域調整は、対称モードの帯域を調整するFs調整と、斜対称モードの帯域を調整するFa調整とによって行われるものであり、前記予測値を、Fs調整を行ったときの対称モードの周波数変化量ΔFsに対する斜対称モードの周波数変化量ΔFaの割合(ΔFa/ΔFs)、およびFa調整を行ったときの斜対称モードの周波数変化量ΔFaに対する対称モードの周波数変化量ΔFsの割合(ΔFs/ΔFa)”として算出する構成とすることができる。
また、上記周波数調整装置では、前記圧電振動フィルタは、3ポールの圧電振動フィルタであり、前記帯域調整は、第1対称モードの帯域を調整するFs1調整と、第2対称モードの帯域を調整するFs2調整とによって行われるものであり、前記予測値を、Fs1調整を行ったときの第1対称モードの周波数変化量ΔFs1に対する第2対称モードの周波数変化量ΔFs2の割合(ΔFs2/ΔFs1)、およびFs2調整を行ったときの第2対称モードの周波数変化量ΔFs2に対する第1対称モードの周波数変化量ΔFs1の割合(ΔFs1/ΔFs2)”として算出する構成とすることができる。
本発明における圧電振動フィルタの周波数調整方法および周波数調整装置は、同一の製品規格である圧電振動フィルタの製品群に対して周波数調整を実施する場合に、先に周波数調整が行われた圧電振動フィルタの調整ログから予測値を算出し、後から周波数調整が行われる圧電振動フィルタに対してはこの予測値に基づいて適切な調整量を設定することで、帯域調整における繰り返し回数を大幅に低減し、周波数調整に掛かる時間を短縮することができるといった効果を奏する。
2ポールの圧電振動フィルタの一般的な構成を示す側面図である。 2ポールの圧電振動フィルタの振動モードを示すグラフであり、(a)は対称モード、(b)は斜対称モードを示している。 パーシャル調整による周波数調整の各工程を示す図であり、(a)はバランス調整、(b)はFs調整、(c)はFa調整、(d)は全面調整を示している。 イオンパーシャル調整による周波数調整の各工程を示す図であり、(a)はバランス調整、(b)はFs調整、(c)はFa調整、(d)は全面調整を示している。 本発明の一実施形態を示すものであり、周波数調整装置の概略構成を示すブロック図である。 イオンパーシャル調整により帯域調整を行った場合の振動周波数Fsおよび振動周波数Faの変化を概念的に示す図であり、(a)はFs調整を行った場合、(b)はFa調整を行った場合を示している。 周波数調整装置の表示の具体例を示す図である。 3ポールの圧電振動フィルタの一般的な構成を示す側面図である。 3ポールの圧電振動フィルタの振動モードを示すグラフであり、(a)は第1対称モード、(b)は斜対称モード、(c)は第2対称モードを示している。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本発明は、圧電振動フィルタの周波数調整に関するものであり、本実施の形態に係る圧電振動フィルタの基本構造は、図1に示したものと同じであってよい。また、圧電振動フィルタの周波数調整が、図3および図4にて説明したバランス調整、帯域調整(Fs調整、Fa調整)および全面調整の3工程によって行われることも従来と同じである。
本実施の形態に係る周波数調整方法は、帯域調整における調整量の予測を行うことで、工程の繰り返し回数を従来よりも大幅に低減し、周波数調整に掛かる時間の短縮、調整精度の向上、歩留まりの向上などが図れるものである。尚、このときの周波数調整は、上述したパーシャル調整およびイオンパーシャル調整の何れで行われるものであってもよい。
先ずは、本実施の形態に係る周波数調整装置10の概略構成について図5を参照して説明する。周波数調整装置10は、調整処理部11、制御部12、記憶部13、表示部14および入力部15を具備して構成されている。
調整処理部11は、パーシャル調整またはイオンパーシャル調整により、圧電振動フィルタに対して周波数調整を施す手段である。すなわち、調整処理部11では、圧電振動フィルタに対してマスク治具を用いてパーシャル蒸着またはイオンビーム照射を行い、圧電振動フィルタの共通電極における所定領域の膜厚を増加または減少させる。尚、調整処理部11における調整レートおよび調整時間は、制御部12によって制御される。
記憶部13は、調整処理部11にて周波数調整が施された圧電振動フィルタの調整ログなどを記憶する手段である。具体的には、個々の圧電振動フィルタに対して、バランス調整、帯域調整(Fs調整、Fa調整)および全面調整の各工程における調整レートおよび調整時間などの履歴が調整ログとして記録される。
表示部14は、調整処理部11にセットされている圧電振動フィルタの現在の周波数特性(測定値)、調整処理部11における現在の処理条件(設定されている調整レート)、および帯域調整(Fs調整、Fa調整)を行うときの適切な調整量の予測結果などを表示する。この予測は、既に周波数調整の行われた圧電振動フィルタの調整ログに基づいて制御部12にて行われるものであるが、詳細については後述する。
入力部15は、調整処理部11で行われる周波数調整の調整量をユーザが入力するための手段である。周波数調整装置10では、特に帯域調整を行うときの調整量入力の際に、ユーザは表示部に表示されている調整量の予測結果を参照することができる。
続いて、本実施の形態に係る周波数調整の特徴となる帯域調整時の調整量の予測について説明する。
上述したように、帯域調整は、圧電振動フィルタの通過帯域幅の調整を行うものであって、対称モードと斜対称モードとの帯域を広げたり狭めたりする工程である。
帯域調整が施される圧電振動フィルタは、最初に対称モードの振動周波数Fsと斜対称モードの振動周波数Faとの測定が行われる。振動周波数Fsおよび振動周波数Faは、調整処理部11にセットされた圧電振動フィルタの入力電極および出力電極にプローブコンタクトすることで測定することができる。通常、斜対称モードの振動周波数Faが対称モードの振動周波数Fsよりも大きくなり、(Fa−Fs)が圧電振動フィルタの通過帯域幅となる。測定された振動周波数Fsおよび振動周波数Faは、表示部14に表示される。また、測定された振動周波数Fsおよび振動周波数Faに基づいて、その時点の通過帯域幅(Fa−Fs)が制御部12にて算出され、算出した通過帯域幅(Fa−Fs)も表示部14に併せて表示される。
圧電振動フィルタの帯域調整を行うに当たっては、通過帯域幅の目標値(目標通過帯域幅)Frが存在する。すなわち、圧電振動フィルタの帯域調整では、通過帯域幅(Fa−Fs)を目標通過帯域幅Frに合わせ込む。具体的には、通過帯域幅(Fa−Fs)が目標通過帯域幅Frよりも広い場合は、通過帯域幅を狭める必要があり、パーシャル調整ではFa調整が行われ、イオンパーシャル調整ではFs調整が行われる。逆に、通過帯域幅(Fa−Fs)が目標通過帯域幅Frよりも狭い場合は、通過帯域幅を広げる必要があり、パーシャル調整ではFs調整が行われ、イオンパーシャル調整ではFa調整が行われる。尚、周波数調整装置10では、目標通過帯域幅Frを表示部14に併せて表示してもよい。
このFs調整またはFa調整を行うとき、ユーザは、表示部14に表示されている通過帯域幅(Fa−Fs)と目標通過帯域幅Frとに基づいて調整量を決定し、その調整量を入力部15から入力する。制御部12は、入力された調整量に基づいて調整処理部11を制御し、圧電振動フィルタに対して帯域調整(Fs調整またはFa調整)を行う。例えば、実施する帯域調整がFs調整であれば、ユーザは振動周波数Fsの調整量を入力する。制御部12は、設定されている調整レートに基づいて、振動周波数Fsの変化量が入力された調整量と等しくなるような調整時間を算出し、算出した調整時間分の処理を調整処理部11に行わせる。
このときの帯域調整(この例ではFs調整)では、振動周波数Fsは、ユーザの入力した調整量分だけ変化する。但し、Fs調整は、振動周波数Fsを主に変化させるものであるが、実際には同時に振動周波数Faも変化させる。このため、通過帯域幅(Fa−Fs)と目標通過帯域幅Frとの差をそのまま調整量として入力するだけでは、通過帯域幅(Fa−Fs)を目標通過帯域幅Frに合わせ込むことができない。
図6(a)は、イオンパーシャル調整によるFs調整を行った場合の、振動周波数Fsおよび振動周波数Faの変化を概念的に示す図である。図6(a)に示す波形において、2つのピークはそれぞれ振動周波数FsおよびFaを示している。上述したように、Fs調整では主に振動周波数Fsが変化させられるものであり、図6(a)では、Fs調整による振動周波数Fsの変化量をΔFsとして図示している。また、Fs調整では振動周波数Fsだけでなく振動周波数Faも変化するが、図6(a)では、Fs調整による振動周波数Faの変化量をΔFaとして図示している。
図6(b)は、イオンパーシャル調整によるFa調整を行った場合の、振動周波数Fsおよび振動周波数Faの変化を概念的に示す図である。図6(b)に示す波形において、2つのピークはそれぞれ振動周波数FsおよびFaを示している。Fs調整の場合と同様に、Fa調整では振動周波数Faだけでなく振動周波数Fsも変化する。
Fs調整では、振動周波数Fsの変化量ΔFsがユーザの入力した調整量と一致するように変化する。但し、このとき、振動周波数Faも変化量ΔFa分だけ変化するため、通過帯域幅(Fa−Fs)の変化量はユーザの入力した調整量と一致せず、振動周波数Faの変化量ΔFa分だけ目減りする。したがって、Fs調整の際には、ユーザは、振動周波数Faの変化量ΔFaを見込んで調整量を設定する必要がある。同様に、Fa調整の際には、ユーザは、振動周波数Fsの変化量ΔFsを見込んで調整量を設定する必要がある。
しかしながら、Fs調整時における変化量ΔFsに対する変化量ΔFaの割合(ΔFa/ΔFs)や、Fa調整時における変化量ΔFaに対する変化量ΔFsの割合(ΔFs/ΔFa)は、帯域調整を受ける圧電振動フィルタの各電極膜のサイズや配置や膜厚、言い換えれば、圧電振動フィルタの製品規格によって大きく異なるものであり、圧電振動フィルタにおいて正確な調整量を設定することが困難であった。このため、従来はユーザの勘に頼った調整値の入力がなされ、通過帯域幅(Fa−Fs)が目標通過帯域幅Frに一致するまで、Fs調整およびFa調整(場合によってはさらにバランス調整)による微調整を繰り返す必要があった。
これに対し、本実施の形態にかかる周波数調整は、同一の製品規格である(すなわち、各電極膜のサイズや配置や膜厚などの基本設計が同じである)圧電振動フィルタの製品群に対して実施されるものである。そして、同一の製品規格である圧電振動フィルタでは、上述した割合(ΔFa/ΔFs)や割合(ΔFs/ΔFa)はすべての圧電振動フィルタにおいてほぼ同じであると考えられる。そのため、少なくとも1つ(好適には10個程度)の圧電振動フィルタに対して帯域調整を施した後は、その調整ログから割合(ΔFa/ΔFs)および割合(ΔFs/ΔFa)を予測することができる。本実施の形態に係る周波数調整装置10は、この割合(ΔFa/ΔFs)および割合(ΔFs/ΔFa)の予測値を表示部14に表示する機能を有する。ユーザは、表示部14に表示されたこの予測値を参照して適切な調整量を設定することができる。その結果、予測値に基づいて調整量を設定される圧電振動フィルタでは、帯域調整における繰り返し回数を大幅に低減することができ、周波数調整に掛かる時間を短縮することができる。また、予測値に基づいて調整量を設定することで、調整精度も向上し、調整ミスも低減することで歩留まりを向上させることもできる。
図7は、周波数調整装置10の表示部14における表示の具体例を示す図である。この例では、4つの表示領域A1〜A4にて表示が行われている。表示領域A1には、周波数調整が行われる圧電振動フィルタの目標中心周波数と目標通過帯域幅とが表示されている。ここでは、目標中心周波数が44.900000MHz、目標通過帯域幅が14.000kHzとされている。
表示領域A2には、調整処理部11に現在セットされている圧電振動フィルタに対する各測定値が表示されている。ここで、“F0”は現在の中心周波数であり、“dF0”は現在の中心周波数における目標中心周波数からのずれ率であり、“Fs”は現在の対称モードの振動周波数Fsであり、“Fa”は現在の対称モードの振動周波数Faであり、“Bw”は現在の通過帯域幅(Fa−Fs)であり、“Balance”は現在の共振周波数F1と共振周波数F2との周波数差である。
表示領域A3には、調整処理部11において設定される調整レートが表示されている。ここで、“Fs”はFs調整を行う場合の調整レートであり、“Fa”はFa調整を行う場合の調整レートであり、“F1”はバランス調整において共振周波数F1を変更させる場合の調整レートであり、“F2”はバランス調整において共振周波数F2を変更させる場合の調整レートであり、“F0”は全面調整を行う場合の調整レートである。尚、それぞれの調整レートにおいて、実レートは現在設定されている調整レート、平均値はこれまでに周波数調整が行われた圧電振動フィルタに対する平均の調整レート、最大値はこれまでに周波数調整が行われた圧電振動フィルタに対する最大の調整レートを示している。尚、本実施の形態に係る周波数調整装置10では、これまでに行われた周波数調整の調整ログは記憶部13に記憶されているため、平均値および最大値はこの調整ログに基づいて求めることができる。
表示領域A4には、これまでに行われた周波数調整の調整ログに基づいて算出された予測値が表示されている。ここで、“Fa/Fs”はFs調整時における変化量ΔFsに対する変化量ΔFaの割合(ΔFa/ΔFs)の予測値であり、“Fs/Fa”はFa調整時における変化量ΔFaに対する変化量ΔFsの割合(ΔFs/ΔFa)の予測値である。尚、割合(ΔFa/ΔFs)の予測値や割合(ΔFs/ΔFa)の予測値は、実際には、調整レートに応じて幾分変化する。すなわち、表示領域A4には、実レート(現在設定されている調整レート)に対応する予測値(実レート)、平均の調整レートに対応する予測値(平均値)、および最大の調整レートに対応する予測値(最大値)がそれぞれ表示されている。また、平均値および最大値の計算に当たっては、調整異常や調整量の少ないフィルタ素子は除外されている。
周波数調整装置10において帯域調整を行う場合、図7の表示結果から、ユーザは以下のようにして調整量の設定入力を行うことができる。まず、現在の通過帯域幅(Fa−Fs)は“Bw”より11.132kHzであり、目標通過帯域幅が14.000kHzであることから、通過帯域幅を2.868kHz広げる必要がある。イオンパーシャル調整の場合は、通過帯域幅を広げる処理はFa調整となる。
ここで、Fa調整時における変化量ΔFaに対する変化量ΔFsの割合(ΔFs/ΔFa)は、表示領域A4の“Fs/Fa”より93%であることがわかる。すなわち、ユーザがFa調整のための調整量を入力すると、圧電振動フィルタの通過帯域幅は入力した調整量の7%(=100−93)しか広がらないことになる。したがって、ユーザは、Fa調整のための調整量として、通過帯域幅を広げようとする値(すなわち2.868kHz)に対して0.07で割った値(40.957kHz)を入力すればよい。無論、上記予測値に基づく調整量は、制御部12において算出し、これを表示部14に表示することも可能である。
上述した周波数調整方法において、周波数調整装置10の表示領域A4に表示される予測値は、少なくとも1つの圧電振動フィルタに対して周波数調整を行った後は算出可能であるが、予測値をどのようなタイミングで表示するかは特に限定されるものではない。
例えば、同一の製品規格である圧電振動フィルタの製品群に対して、最初のn個(例えば10個)の圧電振動フィルタは従来と同様に予測値を用いずに周波数調整を行い、その調整ログから予測値を算出してもよい。その後、(n+1)個目の圧電振動フィルタの周波数調整から上記予測値を用いた周波数調整を行うことができる。
あるいは、最初の1個の圧電振動フィルタのみ従来と同様に予測値を用いずに周波数調整を行って、2個目の圧電振動フィルタからは予測値を用いた周波数調整を行うこともできる。この場合、上記予測値は、先に周波数調整が行われたすべての圧電振動フィルタに対する平均値として算出されるものとし、一つ圧電振動フィルタに対する周波数調整が終わるたびに、その調整結果を加えて更新されることが好ましい。これにより、2個目の圧電振動フィルタから予測値を用いた周波数調整を行うことができ、さらに、周波数調整が行われた圧電振動フィルタの数が増えるほど予測の精度が向上する。
また、周波数調整装置10における制御部12は、一つの圧電振動フィルタに対して周波数特性の調整が行われるたびに、その調整ログから割合(ΔFa/ΔFs)および割合(ΔFs/ΔFa)を算出し、この算出した割合(ΔFa/ΔFs)および割合(ΔFs/ΔFa)を、それ以前に周波数特性の調整が行われていた圧電振動フィルタから求められた割合(ΔFa/ΔFs)および割合(ΔFs/ΔFa)の予測値と比較し、その比または差が所定値以上である場合には警告を行うようにしてもよい。この警告は、例えば、表示部14における警告表示であってもよく、あるいはアラーム音や音声メッセージによる警告であってもよい。
すなわち、同一の製品規格で製造される圧電振動フィルタであっても。例えばマスクずれなどによってパレット単位で他のフィルタとは割合(ΔFa/ΔFs)および割合(ΔFs/ΔFa)が大きく異なることが起こり得る。このような割合(ΔFa/ΔFs)および割合(ΔFs/ΔFa)が大きく異なるパレットを速やかに判定して警告を出すことで、適切でない予測値に基づいて調整が行われることを防止できる。
また、上記説明では、2ポールの圧電振動フィルタに対して周波数調整を行う場合を例示した。尚、2ポールの圧電振動フィルタは、1枚の圧電振動板に対して、一方の面に1つの共通電極を形成し、他方の面に2つの電極、すなわち入力電極および出力電極を形成した構成となる。但し、圧電振動フィルタには、2ポール以外に3ポールや4ポールの構成もあり、本発明の周波数調整方法は3ポールや4ポールの圧電振動フィルタに対しても適用可能である。
4ポールの圧電振動フィルタは、1枚の圧電振動板に対して2つの2ポールのフィルタ部を並べて形成したものである。したがって、それぞれのフィルタ部に対して上述した2ポールの圧電振動フィルタに対する周波数調整方法をそのまま適用することができる。
一方、3ポールの圧電振動フィルタ200は、図8に示すように、圧電振動板201の一主面S1に共通電極202が形成され、他主面S2に入力電極203、接地電極205および出力電極204がギャップGを介して並んで形成されている。そして、3ポールの圧電振動フィルタ200の周波数特性は、図9(a)に示す第1対称モード(振動周波数Fs1)と、図9(b)に示す斜対称モード(振動周波数Fa)と、図9(c)に示す第2対称モード(振動周波数Fs2)との相互作用によって決定される。
3ポールの圧電振動フィルタ200の周波数調整としては、
・バランス調整
・ΔF比調整
・ΔF調整(帯域調整に相当)
・全面調整
の4種類の工程が実施される(例えば、特許文献2)。尚、これらの各工程も、圧電振動フィルタのその時点の周波数特性に応じて選択的に実施され、調整の必要がない場合には一部の工程が省略されることもある。
3ポールの圧電振動フィルタ200の周波数調整では、ΔF調整が圧電振動フィルタ200の通過帯域幅を調整する帯域調整に相当する。また、圧電振動フィルタ200の通過帯域幅は、第2対称モードの振動周波数Fs2と第1対称モードの振動周波数Fs1との差(Fs2−Fs1)となる。
3ポールの圧電振動フィルタ200のΔF調整(帯域調整)は、1ポールの圧電振動フィルタ100に対して行われるFs調整およびFa調整に代えて、主に振動周波数Fs1を変化させる調整(以下、Fs1調整と称する)と、主に振動周波数Fs2を変化させる調整(以下、Fs2調整と称する)とが行われる。
通過帯域幅を広げる場合は、ギャップGに対向する領域の共通電極202の膜厚を他の部分よりも相対的に増加させる調整を行う。すなわち、パーシャル調整では、ギャップGに対向する領域の共通電極202の膜厚を増加させればよい。イオンパーシャル調整では、入力電極203、接地電極205および出力電極204に対向する領域の共通電極202の膜厚を減少させればよい。尚、このときのパーシャル調整はFs1調整であり、主に振動周波数Fs1が大きく変化するが、振動周波数Fs12も同時に変化する(振動周波数Fs1の変化量ΔFs1は、振動周波数Fs2の変化量ΔFs2よりも大きい)。また、このときのイオンパーシャル調整はFs2調整であり、主に振動周波数Fs2が大きく変化するが、振動周波数Fs1も同時に変化する(振動周波数Fs2の変化量ΔFs2は、振動周波数Fs1の変化量ΔFs1よりも大きい)。
逆に、通過帯域幅を狭める場合は、ギャップGに対向する領域の共通電極202の膜厚を他の部分よりも相対的に減少させる。すなわち、パーシャル調整では、入力電極203、接地電極205および出力電極204に対向する領域の共通電極202の膜厚を増加させればよい。イオンパーシャル調整では、ギャップGに対向する領域の共通電極202の膜厚を減少させればよい。尚、このときのパーシャル調整はFs2調整であり、このときのイオンパーシャル調整はFs1調整である。
3ポールの圧電振動フィルタ200の帯域調整において、Fs1調整を行う場合にはユーザは振動周波数Fs1の調整量を設定し、Fs2調整を行う場合にはユーザは振動周波数Fs2の調整量を設定する。そして、この設定においては、2ポールの圧電振動フィルタ100の場合と同様の予測調整を行うことができる。
すなわち、Fs1調整時における変化量ΔFs1に対する変化量ΔFs2の割合(ΔFs2/ΔFs1)、およびFs2調整時における変化量ΔFs2に対する変化量ΔFs1の割合(ΔFs1/ΔFs2)は、先に周波数調整が行われた圧電振動フィルタ200の調整ログからその予測値を求めることが可能となるため、この予測値に基づいて適切な調整量を設定することが可能となる。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
10 周波数調整装置
11 調整処理部
12 制御部(演算部)
13 記憶部
14 表示部
15 入力部
100,200 圧電振動フィルタ
101,201 圧電振動板
102,202 共通電極
103,203 入力電極
104,204 出力電極
205 接地電極

Claims (8)

  1. 同一の製品規格で製造される複数の圧電振動フィルタに対し、圧電振動フィルタ毎の周波数特性を調整するための圧電振動フィルタの周波数調整方法であって、
    当該周波数調整方法は、1つの圧電振動フィルタに対して、圧電振動フィルタの通過帯域幅を広げる調整と圧電振動フィルタの通過帯域幅を狭める調整とによって通過帯域幅の調整を行う帯域調整が少なくとも含まれるものであり、
    少なくとも一つの圧電振動フィルタに対して前記帯域調整を含む周波数調整が行われた後、さらに他の圧電振動フィルタに対して周波数調整を行う場合に、
    周波数特性の調整が行われた少なくとも一つの圧電振動フィルタの調整ログから、前記帯域調整における調整量の設定に使用可能な予測値を算出し、
    前記予測値が算出された後に周波数特性の調整を行う他の圧電振動フィルタに対して、前記予測値に基づいて前記帯域調整における最適な調整量を算出し、算出した当該調整量にて前記帯域調整を行うことを特徴とする圧電振動フィルタの周波数調整方法。
  2. 請求項1に記載の圧電振動フィルタの周波数調整方法であって、
    周波数特性の調整が行われた圧電振動フィルタの調整ログから算出される前記予測値は、複数の圧電振動フィルタに対する平均値として算出されるものであり、一つ圧電振動フィルタに対する周波数調整が終わるたびに、その調整結果を加えて更新される値であることを特徴とする圧電振動フィルタの周波数調整方法。
  3. 請求項1または2に記載の圧電振動フィルタの周波数調整方法であって、
    前記圧電振動フィルタは、2ポールまたは4ポールの圧電振動フィルタであり、
    前記帯域調整は、対称モードの帯域を調整するFs調整と、斜対称モードの帯域を調整するFa調整とによって行われるものであり、
    前記予測値は、Fs調整を行ったときの対称モードの周波数変化量ΔFsに対する斜対称モードの周波数変化量ΔFaの割合(ΔFa/ΔFs)、およびFa調整を行ったときの斜対称モードの周波数変化量ΔFaに対する対称モードの周波数変化量ΔFsの割合(ΔFs/ΔFa)”として算出されることを特徴とする圧電振動フィルタの周波数調整方法。
  4. 請求項1または2に記載の圧電振動フィルタの周波数調整方法であって、
    前記圧電振動フィルタは、3ポールの圧電振動フィルタであり、
    前記帯域調整は、第1対称モードの帯域を調整するFs1調整と、第2対称モードの帯域を調整するFs2調整とによって行われるものであり、
    前記予測値は、Fs1調整を行ったときの第1対称モードの周波数変化量ΔFs1に対する第2対称モードの周波数変化量ΔFs2の割合(ΔFs2/ΔFs1)、およびFs2調整を行ったときの第2対称モードの周波数変化量ΔFs2に対する第1対称モードの周波数変化量ΔFs1の割合(ΔFs1/ΔFs2)”として算出されることを特徴とする圧電振動フィルタの周波数調整方法。
  5. 圧電振動フィルタ毎の周波数特性を調整するための圧電振動フィルタの周波数調整装置であって、
    当該周波数調整装置は、1つの圧電振動フィルタに対して、圧電振動フィルタの通過帯域幅を広げる調整と圧電振動フィルタの通過帯域幅を狭める調整とによって通過帯域幅の調整を行う帯域調整を少なくとも行えるものであり、
    周波数特性の調整が行われた少なくとも一つの圧電振動フィルタの調整ログから、前記帯域調整における調整量の設定に使用可能な予測値を算出する演算部と、
    前記演算部により算出された前記予測値を表示する表示部とを有することを特徴とする圧電振動フィルタの周波数調整装置。
  6. 請求項5に記載の圧電振動フィルタの周波数調整装置であって、
    前記演算部は、
    一つの圧電振動フィルタに対して周波数特性の調整が行われるたびに、前記予測値を算出し、
    前記一つの圧電振動フィルタに対して算出した前記予測値を、それ以前に周波数特性の調整が行われていた圧電振動フィルタの調整ログから求められた前記予測値と比較して、その比較における比または差が所定値以上であるか否かを判断し、当該比または差が所定値以上である場合に警告を行うことを特徴とする圧電振動フィルタの周波数調整装置。
  7. 請求項5または6に記載の圧電振動フィルタの周波数調整装置であって、
    前記圧電振動フィルタは、2ポールまたは4ポールの圧電振動フィルタであり、
    前記帯域調整は、対称モードの帯域を調整するFs調整と、斜対称モードの帯域を調整するFa調整とによって行われるものであり、
    前記予測値を、Fs調整を行ったときの対称モードの周波数変化量ΔFsに対する斜対称モードの周波数変化量ΔFaの割合(ΔFa/ΔFs)、およびFa調整を行ったときの斜対称モードの周波数変化量ΔFaに対する対称モードの周波数変化量ΔFsの割合(ΔFs/ΔFa)”として算出することを特徴とする圧電振動フィルタの周波数調整装置。
  8. 請求項5または6に記載の圧電振動フィルタの周波数調整装置であって、
    前記圧電振動フィルタは、3ポールの圧電振動フィルタであり、
    前記帯域調整は、第1対称モードの帯域を調整するFs1調整と、第2対称モードの帯域を調整するFs2調整とによって行われるものであり、
    前記予測値を、Fs1調整を行ったときの第1対称モードの周波数変化量ΔFs1に対する第2対称モードの周波数変化量ΔFs2の割合(ΔFs2/ΔFs1)、およびFs2調整を行ったときの第2対称モードの周波数変化量ΔFs2に対する第1対称モードの周波数変化量ΔFs1の割合(ΔFs1/ΔFs2)”として算出することを特徴とする圧電振動フィルタの周波数調整装置。
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