JP3965681B2 - 圧電振動フィルタ、およびその周波数調整方法 - Google Patents

圧電振動フィルタ、およびその周波数調整方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水晶板等を用いた圧電振動フィルタに関するものであり、特に周波数等の電気的特性を微調整するにあたり、信頼性を向上させたモノリシック圧電振動フィルタの周波数調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水晶板等を用いたモノリシック圧電振動フィルタは、例えばハンディタイプの小型通信機器等の周波数選択手段として用いられている。従来のモノリシック圧電振動フィルタの一般的な構成を図とともに説明する。図13はモノリシック圧電振動フィルタの側面図で、図14は同平面図、図15はモノリシック圧電振動フィルタの電気的特性を調整する工程図である。
【0003】
圧電振動板90の裏面には入力電極91出力電極92がギャップ93を介して並列に形成されており、表面にはこれら入出力電極の領域に対応して若干大きな面積で共通電極94が形成されている。これら電極膜はクロムを下地金属とし、その上部に銀を蒸着した構成が用いられている。
【0004】
一般的に、モノリシック圧電振動フィルタの電気的特性を調整するための動作として、上記励振電極(入出力電極、共通電極)の上面に、重み付加部または重み軽減部が施され、「F1,F2のバランス調整手段」「ΔF調整手段」「F0調整手段」の順番で3工程が実施される。これらの調整は、前記圧電振動フィルタの特性に応じて選択的に実施され、調整の必要がない場合には調整手段の一部が省略される。なお、重み付加部は、上記励振電極の上面に、パーシャル蒸着などの手法により、付加質量(銀などの金属材料)を形成することで得られるものであり、付加質量が金属材料の場合、前記励振電極と区別して、パーシャル電極、2次電極、あるいは調整電極等と称される。また、重み軽減部は、上記励振電極の上面の一部を、イオンビーム等の手法により、除去する(凹部、溝、穴等を形成)ことで得られるものである。
【0005】
「F1,F2のバランス調整手段」は、前記入力電極91と前記共通電極94からなる第1の共振領域F1と、前記出力電極92と前記共通電極94からなる第2の共振領域F2とがあり、前記F1とF2の各領域における周波数の合わせ込みを行う工程である。つまり、入力電極と共通電極との間における周波数特性と、出力電極と共通電極との間における周波数特性とを一致させる(F1=F2)工程である。具体的には、図15(a)に示すように、共振領域F1、共振領域F2のいずれかのみが露出される窓を有するマスク治具M1を用い、適宜所定量の金属材料(例えば銀)をパーシャル蒸着したり(重み付加)、前記電極の一部をイオンビーム等により除去する(重み軽減)ことにより、前記F1とF2の各領域における周波数の合わせ込みを行う。
【0006】
「ΔF調整手段」は、フィルタの通過帯域幅の調整を行うものであって、fsモード(厚みすべりの対称波、あるいは(1,1,1)モード)とfaモード(厚みねじれの非対称波、あるいは(1,1,2)モード)の帯域を広げたり狭めたりする工程である。
【0007】
具体的には、図15(b)に示すように、パーシャル蒸着による場合、入出力電極間のギャップ領域93のみが露出される窓を有するマスク治具M2を用い、適宜所定量の金属材料(例えば銀)をパーシャル蒸着することにより、帯域を広げることができる。逆に、イオンビームによる場合、入出力電極間のギャップ領域93のみが露出される窓を有するマスク治具M2を用い、共通電極の一部を除去することにより帯域を狭めることができる。
【0008】
また、図15(c)に示すように、パーシャル蒸着による場合、前記第1の共振領域F1と、前記第2の共振領域F2のみが露出される窓を有するマスク治具M3を用い、適宜所定量の金属材料(例えば銀)をパーシャル蒸着することにより、帯域を狭めることができる。逆に、イオンビームによる場合、前記第1の共振領域F1と、前記第2の共振領域F2のみが露出される窓を有するマスク治具M3を用い、共通電極の一部を除去することにより帯域を広げることができる。
【0009】
「F0調整」は、MCFの中心周波数の合わせ込みを行う工程であって、各電極およびギャップのそれぞれに調整電極を付加、または前記電極を除去することにより中心周波数の調整を行うものである。具体的には、図15(d)に示すように、前記第1の共振領域F1と、前記第2の共振領域F2と、入出力電極間のギャップ領域93の全てが露出される窓を有するマスク治具M4を用い、適宜所定量の金属材料(例えば銀)をパーシャル蒸着したり、前記電極をイオンビーム等により除去することにより、中心周波数の調整を行うものである。
【0010】
なお、前記F0調整(中心周波数の調整)では、図13に示すように、fsモードとfaモードの帯域幅が変化しないように、つまりfsモード周波数域とfaモードの周波数域とが同様にシフトさせる必要がある。この場合、fsモードの振動変位領域とfaモードの振動変位領域が均一に調整電極で付加(あるいは電極が除去)されるように、F0調整用マスクは、前記入出力電極形成エリアより大きな全面マスクとしていた。さらに、調整電極を付加(あるいは電極を除去)する共通電極についても、F0調整用マスクのずれ込み等を考慮し、このF0調整用マスクより大きく形成する必要があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、近年の電子部品の軽薄短小化の要求から、圧電振動フィルタも小形化され、前記入出力電極、共通電極の形成エリアも制限されてくるので、前記入出力電極と共通電極の形成エリアもほぼ同面積とする構成のものが求められている。これらの構成では、前述のような全面のF0調整用マスクを用いると、fsモードのシフト量がfaモードシフト量より大きくなり、結果として帯域が広がりやすくなったり、(1,3,1)モードと称される第1スプリアスが発生しやすくなり、保証減衰量特性に悪影響を与えるといった問題点があった。従来ではこれらの問題のために帯域幅の調整を再度実施する必要があり、工程の増大と効率の低下を招いていた。
【0012】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、小形化された圧電振動フィルタであっても電気的調整が行いやすく、品質の安定した圧電振動フィルタを得るための圧電振動フィルタ、およびその周波数調整方法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、圧電振動板の一方の主面に入力電極、出力電極を所定のギャップを介して形成され、他方の主面に前記入力電極、出力電極にそれぞれ対応する共通電極が形成されてなり、
前記入力電極と当該入力電極に対応する共通電極からなる第1の共振領域用の透過窓と、前記出力電極と当該出力電極に対応する共通電極からなる第2の共振領域用の透過窓と、当該第1の共振領域と第2の共振領域間のギャップ領域用の透過窓を有するマスク治具を用い、前記第1の共振領域と前記第2の共振領域、および前記ギャップ領域の周波数を調整し、前記圧電振動フィルタの中心周波数を調整してなる圧電振動フィルタの周波数調整方法であって、
前記透過窓が、共通電極より小さく形成され、かつ前記第1の共振領域、前記第2の共振領域に対して、前記ギャップ領域を重心付近で幅狭く形成されたマスク治具を用い、第1の共振領域と第2の共振領域とギャップ領域を調整してなることを特徴とする。
【0014】
また、上記圧電振動フィルタの周波数調整方法により得られる圧電フィルタであって、
前記共通電極の上面に形成される周波数調整するための重み付加部または重み軽減部が施され、
前記重み付加部または重み軽減部は、前記共通電極より小さく形成され、かつ
前記重み付加部または重み軽減部が、前記第1の共振領域部と前記第2の共振領域部に対する面積が大きく、前記ギャップ領域部に対する面積が小さく形成されてなることを特徴とする。
【0015】
また、前記ギャップ領域部は、前記重み付加部または重み軽減部の重心近傍にのみ形成され、前記第1の共振領域部と前記第2の共振領域部に対する面積より小さく形成されてなることを特徴とする。
【0016】
また、前記第1の共振領域部と前記第2の共振領域部の外周近傍には、重み付加または重み軽減の施されない切り欠き部が形成されてなることを特徴とする。
【0017】
【発明の効果】
本発明の請求項1によれば、第1の共振領域、および前記第2の共振領域に対して、前記ギャップ領域の調整量を少なくした状態で、前記圧電振動デバイスの中心周波数調整(F0調整)しているので、fsモードのシフト量がfaモードシフト量より小さくなり、前記入出力電極の形成領域より小さい領域でのF0調整が可能となる。つまり、前記入出力電極の形成領域より小さい領域でF0調整してもfsモードのシフト量とfaモードシフト量が同一程度になり、帯域幅が変化しにくくなる。また、前記ギャップ領域での調整量が少ないので、(1,3,1)モードと称される第1スプリアスも発生しにくくなり、保証減衰量特性に悪影響を与えることがない。従って、小形化された圧電振動フィルタであっても電気的調整が行いやすく、品質の安定した圧電振動フィルタの周波数調整方法が得られる。
【0018】
また、前記透過窓が、前記第1の共振領域、前記第2の共振領域に対して、前記ギャップ領域を重心付近で幅狭く形成されたマスク治具を用いて調整することにより、ギャップ領域の端部で調整が実現されないので、圧電振動板の主面に沿う捻れ方向の振動が励起されにくくなる。従って、2次モードのスプリアスが発生しにくくなるので、より品質の安定した圧電振動フィルタの周波数調整方法が得られる。
【0019】
請求項2〜4によれば、上述の作用効果に加え、重み付加部または重み軽減部は、前記第1の共振領域部と第2の共振領域部に対して、前記ギャップ領域部が少なく形成されているので、(1,3,1)モードと称される第1スプリアスも発生しにくくなり、保証減衰量特性に悪影響を与えることがない。従って、品質の安定した圧電振動フィルタが得られる。
【0020】
請求項3によれば、上述の作用効果に加えて、前記ギャップ領域部は、前記重み付加部または重み軽減部の重心近傍にのみ形成されているので、圧電振動板の主面に沿う捻れ方向の振動が励起されにくくなる。従って、2次モードのスプリアスが発生しにくくなるので、より品質の安定した圧電振動フィルタが得られる。
【0021】
請求項4によれば、上述の作用効果に加えて、前記第1の共振領域部と前記第2の共振領域部の外周近傍には、重み付加または重み軽減の施されない切り欠き部が形成されているので、(1,3,1)モード、あるいは(1,1,3)モードと称されるスプリアス振動が励起されにくくなるので、より品質の安定した圧電振動フィルタが得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施例につき、モノリシック水晶フィルタを例にとり、図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施例を示す水晶板の側面図、図2は同裏面の平面図、図3は本発明の第1の実施例を示すマスク治具と水晶板の斜視図である。
【0023】
水晶板(圧電振動板)10はATカット水晶板であり、矩形に加工されている。裏面には真空蒸着、スパッタリング等の公知のPVD(PHYSICAL VAPOR DEPOSITION)法により、入力電極11、出力電極12がギャップ13を介して並列に近接して設けられ、それぞれの電極から水晶板10の端面に引出電極が引き出されている。表面には前記入出力電極形成エリアに対応してほぼ同面積で共通電極14が設けられ、それぞれの電極から水晶板の端面に引出電極14aが引き出されている。なお、これら各電極に用いられる電極材料は、例えば下地金属がクロム、上部金属が銀の例を挙げることができるが、もちろん金、アルミニウム、ニッケル等他の公知の電極構成を用いてもよい。
【0024】
以上のように構成された上記水晶板10は、前記入力電極11と前記共通電極14からなる第1の共振領域(F1)と、前記出力電極12と前記共通電極14からなる第2の共振領域(F2)と、当該第1の共振領域と第2の共振領域間のギャップ領域13のうち1カ所以上を露出してなるマスク治具を用い、電気的特性を調整するための動作として、「F1,F2のバランス調整手段」「ΔF調整手段」「F0調整手段」の順番で3工程が実施されるが、前記水晶板の特性に応じて選択的に実施される。
【0025】
そして、本発明の実施例における「F0調整手段」では、前記第1の共振領域F1、および前記第2の共振領域F2に対して、前記ギャップ領域13の調整量を少なくした状態で実現している。図3に示すように、前記第1の共振領域用の窓M411、前記第2の共振領域用の窓M412に対して、前記ギャップ領域用の窓M413が、重心付近で幅狭く露出された、略H形状のマスク窓を有するマスク治具M41を用い、適宜所定量の金属材料(例えば銀)をパーシャル蒸着することにより、中心周波数の調整を行い、図1、図2に示すような略H形状のパーシャル電極15(重み付加部)が形成される。つまり、前記パーシャル電極のうち、151は第1の共振領域部、152は第2の共振領域部、153はギャップ領域部をそれぞれ示しており、第1の共振領域部151と第2の共振領域部152に対する面積が大きく、ギャップ領域部153に対する面積が小さく形成されている。
【0026】
従って、前記入出力電極の形成領域より小さい領域でのパーシャル蒸着によるF0調整が可能となり、前記ギャップ領域13での蒸着量が少ない(前記パーシャル電極15は、前記第1の共振領域部151と前記第2の共振領域部152に対して、前記ギャップ領域部153が少なく形成されている)ので、第1スプリアスも発生しにくくなり、保証減衰量特性に悪影響を与えることがない。さらに、前記ギャップ領域13では重心付近でのみパーシャル蒸着されている(前記ギャップ領域部153は、前記パーシャル電極15の重心近傍にのみ形成されている)ことにより、2次モードのスプリアスが発生しにくくなるので、より品質の安定した圧電振動フィルタが得られる。
【0027】
次に、本発明の第2の実施例につき、モノリシック水晶フィルタを例にとり、図面を参照して説明する。図4は本発明の第2の実施例を示す水晶板の側面図、図5は同裏面の平面図、図6は本発明の第2の実施例を示すマスク治具の平面図である。
【0028】
水晶板(圧電振動板)20はATカット水晶板であり、矩形に加工されている。表面には真空蒸着、スパッタリング等の公知のPVD(PHYSICAL VAPOR DEPOSITION)法により、入力電極21、出力電極22がギャップ23を介して並列に近接して設けられ、それぞれの電極から水晶板20の端面に引出電極(図示せず)が引き出されている。裏面には前記入出力電極形成エリアに対応してほぼ同面積で共通電極24が設けられ、それぞれの電極から水晶板の端面に引出電極24aが引き出されている。なお、これら各電極に用いられる電極材料は、例えば下地金属がクロム、上部金属が銀の例を挙げることができるが、もちろん金、アルミニウム、ニッケル等他の公知の電極構成を用いてもよい。
【0029】
以上のように構成された上記水晶板20は、前記入力電極21と前記共通電極24からなる第1の共振領域と、前記出力電極22と前記共通電極24からなる第2の共振領域と、当該第1の共振領域と第2の共振領域間のギャップ領域23のうち1カ所以上を露出してなるマスク治具を用い、電気的特性を調整するための動作として、「F1,F2のバランス調整手段」「ΔF調整手段」「F0調整手段」の順番で3工程が実施されるが、前記水晶板の特性に応じて選択的に実施されてなる。
【0030】
そして、本発明の実施例における「F0調整手段」では、前記第1の共振領域F1、および前記第2の共振領域F2に対して、前記ギャップ領域23の調整量を少なくした状態で実現している。図6に示すように、前記第1の共振領域用の窓M421、前記第2の共振領域用の窓M422に対して、前記ギャップ領域用の窓M423が、重心付近で幅狭く露出された、略H形状のマスク窓を有するマスク治具M42を用い、前記共通電極24をイオンビームにてエッチングすることにより、中心周波数の調整を行い、図4、図5に示すような略H形状の凹部25(重み軽減部)が形成される。つまり、前記凹部のうち、251は第1の共振領域部、252は第2の共振領域部、253はギャップ領域部をそれぞれ示しており、第1の共振領域部251と第2の共振領域部252に対する面積が大きく、ギャップ領域部253に対する面積が小さく形成されている。
【0031】
従って、前記入出力電極の形成領域より小さい領域でのイオンビームによるエッチングによるF0調整が可能となり、前記ギャップ領域24でのエッチングが少ない(前記凹部25は、前記第1の共振領域部251と前記第2の共振領域部252に対して、前記ギャップ領域部253が少なく形成されている)ので、第1スプリアスも発生しにくくなり、保証減衰量特性に悪影響を与えることがない。さらに、前記ギャップ領域24では重心付近でのみイオンビームエッチングされている(前記ギャップ領域部253は、前記凹部25の重心近傍にのみ形成されている)ことにより、2次モードのスプリアスが発生しにくくなるので、より品質の安定した圧電振動フィルタが得られる。なお、イオンビームによるエッチング調整する場合、前記マスク窓を前記共通電極の形成エリアより、若干前大きく形成することもできる。
【0032】
次に、本発明の第3の実施例につき、モノリシック水晶フィルタを例にとり、図面を参照して説明する。図7は本発明の第3の実施例を示す水晶板の裏面側平面図である。基本構成については上記第1、第2の実施例と同様なので、同番号付すとともに変更点を中心にして説明する。
【0033】
図7(a)では、前記パーシャル電極15(重み付加部)のうち、前記第1の共振領域部151と前記第2の共振領域部152が対向する方向の離隔部分の中央に、重み付加が施されない切り欠き部1511、1521が形成されている。
【0034】
図7(b)では、前記パーシャル電極15(重み付加部)のうち、前記第1の共振領域部151と前記第2の共振領域部152が対向する方向に直交する方向であり前記各共振領域の両端部分に、重み付加が施されない切り欠き部1512、1513、1522、1523が形成されている。
【0035】
図7(c)では、前記電極の凹部25(重み軽減部)のうち、前記第1の共振領域部251と前記第2の共振領域部252が対向する方向の離隔部分の中央に、重み軽減が施されない切り欠き部2511、2521が形成されている。
【0036】
図7(d)では、前記電極の凹部25(重み軽減部)のうち、前記第1の共振領域部251と前記第2の共振領域部252が対向する方向に直交する方向であり前記各共振領域の両端部分に、重み軽減が施されない切り欠き部2512、2513、2522、2523が形成されている。
【0037】
そして、図7(a)(c)では、(1,1,3)モードが最も効率的に抑制される部分であり、図7(b)(d)では、(1,3,1)モードが最も効率的に抑制されやすい部分である。また、前記図7(a)と図7(b)、図7(c)と図7(d)についてはそれぞれ組み合わせて形成することが可能である。
【0038】
また、図7(e)、図7(f)に示すように、重み付加部、あるいは重み軽減部をそれぞれ独立させて形成してもよい。図7(e)は、図7(a)、図7(c)と同様の効果を有し、図7(f)は、図7(b)、図7(d)と同様の効果を有する。
【0039】
なお、上記第1〜第3の実施例以外に、前記第1の共振領域(F1)、および前記第2の共振領域(F2)に対して、前記ギャップ領域13の調整量を少なくするために、重心付近で幅狭く露出された窓を有するマスク治具として、図8に示すようなものであってもよい。
【0040】
次に、本発明の第4の実施例につき、モノリシック水晶フィルタを例にとり、図面を参照して説明する。図9は本発明の第3の実施例を示す水晶板の側面図、図10は同裏面の平面図である。基本構成については上記第1の実施例と同様なので、同番号付すとともに変更点を中心にして説明する。
【0041】
上記第1の実施例では、前記パーシャル電極15(重み付加部)のうち、第1の共振領域部151と第2の共振領域部152に対する面積が大きく、ギャップ領域部153に対する面積が小さく形成することで、ギャップ領域部153を少なく形成させている。これに対して、第3の実施例では、前記パーシャル電極16(重み付加部)のうち、前記第1の共振領域部161と前記第2の共振領域部162に対する厚みが大きく、前記ギャップ領域部163に対する厚みが小さく形成することで前記第1の実施形態と同様の効果を奏している。これらの構成を得るための方法としては、前記第1の共振領域と前記第2の共振領域とギャップ領域の全体を露出させる窓を有するマスク治具にて蒸着し、その後、前記第1の共振領域と前記第2の共振領域のみを露出させる窓を有するマスク治具に蒸着することで容易に実現できる。
【0042】
次に、本発明の第5の実施例につき、モノリシック水晶フィルタを例にとり、図面を参照して説明する。図11は本発明の第3の実施例を示す水晶板の側面図、図12は同裏面の平面図である。基本構成については上記第2の実施例と同様なので、同番号付すとともに変更点を中心にして説明する。
【0043】
上記第2の実施例では、前記電極の凹部25(重み軽減部)のうち、第1の共振領域部251と第2の共振領域部252に対する面積が大きく、ギャップ領域部253に対する面積が小さく形成することで、ギャップ領域部253を少なく形成させている。これに対して、第4の実施例では、前記電極の凹部26(重み軽減部)のうち、前記第1の共振領域部261と前記第2の共振領域部262に対する深さが大きく、前記ギャップ領域部263に対する深さが小さく形成することで前記第2の実施形態と同様の効果を奏している。これらの構成を得るための方法としては、前記第1の共振領域と前記第2の共振領域とギャップ領域の全体を露出させる窓を有するマスク治具にてイオンビームエッチングし、その後、前記第1の共振領域と前記第2の共振領域のみを露出させる窓を有するマスク治具にイオンビームエッチングすることで容易に実現できる。
【0044】
なお、上記実施例では、圧電振動板として水晶板を取り上げたが、圧電セラミックス、あるいはタンタル酸リチウム等の圧電単結晶材料を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例を示す側面図。
【図2】 図1の裏面側平面図。
【図3】 第1の実施例を示すマスク治具と水晶板の斜視図。
【図4】 第2の実施例を示す水晶板の側面図。
【図5】 図4の裏面側平面図。
【図6】 第2の実施例を示すマスク治具の平面図。
【図7】 第3の実施例を示す水晶板の裏面側平面図。
【図8】 マスク治具の変形例を示す水晶板の平面図。
【図9】 第4の実施例を示す水晶板の側面図。
【図10】 図9の裏面側平面図。
【図11】 第5の実施例を示す水晶板の側面図。
【図12】 図11の裏面側平面図。
【図13】 従来のモノリシック圧電振動フィルタの側面図。
【図14】 図13の裏面側平面図。
【図15】 モノリシック圧電振動フィルタの電気的特性を調整する工程図。
【符号の説明】
10,20,90 水晶板
11,21,91 入力電極
12,22,92 出力電極
14,24,94 共通電極
13,24,93 ギャップ

Claims (4)

  1. 圧電振動板の一方の主面に入力電極、出力電極を所定のギャップを介して形成され、他方の主面に前記入力電極、出力電極にそれぞれ対応する共通電極が形成されてなり、
    前記入力電極と当該入力電極に対応する共通電極からなる第1の共振領域用の透過窓と、前記出力電極と当該出力電極に対応する共通電極からなる第2の共振領域用の透過窓と、当該第1の共振領域と第2の共振領域間のギャップ領域用の透過窓を有するマスク治具を用い、前記第1の共振領域と前記第2の共振領域、および前記ギャップ領域の周波数を調整し、前記圧電振動フィルタの中心周波数を調整してなる圧電振動フィルタの周波数調整方法であって、
    前記透過窓が、共通電極より小さく形成され、かつ前記第1の共振領域、前記第2の共振領域に対して、前記ギャップ領域を重心付近で幅狭く形成されたマスク治具を用い、第1の共振領域と第2の共振領域とギャップ領域を調整してなることを特徴とする圧電振動フィルタの周波数調整方法。
  2. 前記特許請求項1記載の圧電振動フィルタの周波数調整方法により得られる圧電フィルタであって、
    前記共通電極の上面に形成される周波数調整するための重み付加部または重み軽減部が施され、
    前記重み付加部または重み軽減部は、前記共通電極より小さく形成され、かつ
    前記重み付加部または重み軽減部が、前記第1の共振領域部と前記第2の共振領域部に対する面積が大きく、前記ギャップ領域部に対する面積が小さく形成されてなることを特徴とする圧電振動フィルタ。
  3. 前記ギャップ領域部は、前記重み付加部または重み軽減部の重心近傍にのみ形成され、前記第1の共振領域部と前記第2の共振領域部に対する面積より小さく形成されてなることを特徴とする特許請求項2記載の圧電振動フィルタ。
  4. 前記第1の共振領域部と前記第2の共振領域部の外周近傍には、重み付加または重み軽減の施されない切り欠き部が形成されてなることを特徴とする特許請求項2、または特許請求項3記載の圧電振動フィルタ。
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