JP3820982B2 - 圧電振動デバイスの処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水晶フィルタや水晶振動子に代表される圧電振動デバイスの処理方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば水晶板の厚みすべり振動を利用した圧電振動デバイスの一種として、例えば特開平10−98351号公報に開示されているMCF(モノリシック クリスタル フィルタ)が知られている。この種のMCFは、水晶基板の一主面に入力電極及び出力電極が形成されると共に他主面にこれら入出力の各電極に対向する共通電極が形成された水晶振動片を備えている。
【0003】
このようなMCFにおいては、周波数特性を調整するために、通常、電極形成後の水晶基板の表面や裏面に、例えば電極形成材料と同等の材質からなる薄膜を選択的に蒸着する等のパーシャル調整が行われる。すなわち、入出力の各電極や共通電極の形成領域などに対して、所定膜厚の薄膜を形成することにより、これらの各電極形成領域において構成される2つの共振子の共振周波数F1 およびF2 が同一となり、かつ、その周波数がフィルタとしての中心周波数と一致するように調整する。また、入出力電極間に形成されたギャップに相当する領域に適宜厚さの薄膜を蒸着する。これらの調整動作により、デバイスのシンメトリモードの共振周波数Fsとアンティシンメトリモードの共振周波数Faとの差によって決まるフィルタの周波数帯域が調整される。
【0004】
このパーシャル調整に際しては、蒸着源と圧電振動デバイスとの間に、開閉自在なシャッタと所定の開口部を有するパーシャルマスクとを介在させた状態で、蒸着を行う。これにより、水晶振動片の所望位置に所望厚さで所望パターンの蒸着膜を形成する。
【0005】
また、上述した薄膜の蒸着に代えて、ドライエッチング法等により電極の膜厚を調整するパーシャル調整も行われている(例えば特開平6−252691号公報)。つまり、電極形成後のその電極表面にイオンビームを照射してエッチングすることにより、電極の膜厚を調整し、上述した蒸着によるパーシャル調整と同様に所望の周波数特性が得られるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、これまでのパーシャルマスクを使用したパーシャル調整にあっては、パーシャルマスクの開口部の精度が十分に得られていない場合や、パーシャルマスクの設置位置の精度が十分に得られていない場合には、良好なパーシャル調整を行うことができない。例えば、上述したイオンビーム照射エッチングによるパーシャル調整において、パーシャルマスクの開口部の大きさが最適な寸法よりも大きい場合には、図15(a)に示すように、水晶基板aの一主面側からエッチングを行う際、入力電極bと出力電極cとの間に形成されている調整電極dのみをエッチングしたいにも拘わらず、イオンビームが入出力の各電極b,cの端縁部にも照射されてしまう。この場合、図15(b)に示すように、この入出力の各電極b,cも部分的に除去されてしまう。尚、この図15におけるeはパーシャルマスク、fは共通電極である。
【0007】
特に、パッケージに実装した状態で調整を行う場合、逆メサ型水晶フィルタにあっては、図16(共通電極側からパーシャル調整を行う状態を示している)の如く、電極fからパーシャルマスクeまでの距離が長いため、イオンビームが必要箇所以外の領域に照射されてしまう可能性が高い。例えば、共振周波数Fsの調整時には、共通電極fの中央部の所定領域のみにイオンビームを照射する必要があるが、電極fからパーシャルマスクeまでの距離が長いために、この所定領域よりも広い領域にイオンビームが照射されてしまうことになる。この場合、パーシャルマスクeの開口部の形状を高い精度をもって形成したり、パーシャルマスクeの設置位置を高い精度で設定したとしても、所望の領域のみにイオンビームを照射することは不可能である。
【0008】
以上のような不具合は、イオンビーム照射エッチングによるパーシャル調整の場合に限らず、薄膜蒸着によるパーシャル調整の場合においても同様に生じる。つまり、必要箇所以外の領域に薄膜が蒸着されてしまうものである。
【0009】
また、このようにイオンビーム照射位置や薄膜蒸着位置が適切に得られない状況では、引出電極や水晶基板への悪影響も懸念される。つまり、イオンビーム照射エッチングにあっては、引出電極がエッチングされてしまってその断面積が小さくなり、電気抵抗が増大したり断線したりするおそれがある。また、水晶基板が部分的にエッチングされてしまう。一方、薄膜蒸着にあっては、金属材料の付着に伴って引出電極の電気容量が増大してしまう。また、水晶基板上における所望の領域以外の箇所に金属材料が蒸着されてしまう。
【0010】
また、水晶フィルタのパーシャル調整に限らず、水晶振動子のパーシャル調整についてもこれら不具合は同様に生じるものである。
【0011】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、圧電振動デバイスのパーシャル調整において、所望の箇所のみに対してパーシャル処理を行うことにある。
【0012】
上記の目的を達成するために本発明が講じた手段は、圧電基板上に形成された電極に対してエッチング処理を行うことにより圧電振動デバイスの周波数特性を調整する処理方法を前提とする。この圧電振動デバイスの処理方法に対し、上記電極上の中央部分以外の領域である外縁部分またはこの電極を囲む領域である隣接部分を保護層によって覆う保護層形成工程を行った後、上記電極に対するエッチング処理を行うようにしている。
また、他の解決手段として、圧電基板の一主面に入力電極及び出力電極が形成されていると共に、これら入力電極と出力電極との間の領域に調整電極が形成され、この調整電極に対してエッチング処理を行うことにより圧電振動デバイスの周波数特性を調整する処理方法を前提とする。この圧電振動デバイスの処理方法に対し、上記入力電極及び出力電極上のそれぞれの中央部分以外の領域である外縁部分またはこの電極を囲む領域である隣接部分を保護層によって覆う保護層形成工程を行った後、上記調整電極に対するエッチング処理を行うようにしている。
また、圧電基板の一主面に入力電極及び出力電極が形成されていると共に、これら入力電極と出力電極との間の領域に調整電極が形成され、上記入力電極及び出力電極に対してエッチング処理を行うことにより圧電振動デバイスの周波数特性を調整する処理方法を前提とする。この圧電振動デバイスの処理方法に対し、上記調整電極上の中央部分以外の領域である外縁部分を保護層によって覆う保護層形成工程を行った後、上記入力電極及び出力電極に対するエッチング処理を行うようにしている。
更に、圧電基板の一主面に入力電極及び出力電極が形成されていると共に、これら入力電極と出力電極との間の領域に調整電極が形成され、この調整電極に対してエッチング処理を行うことにより圧電振動デバイスの周波数特性を調整する処理方法を前提とする。この圧電振動デバイスの処理方法に対し、上記調整電極上の中央部分以外の領域である外縁部分を保護層によって覆う保護層形成工程を行った後、上記調整電極に対するエッチング処理を行うようにしている。
また、圧電基板上に電極が形成され、この電極には圧電基板上に形成された引出電極が接続されており、上記電極に対してエッチング処理を行うことにより圧電振動デバイスの周波数特性を調整する処理方法を前提とする。この圧電振動デバイスの処理方法に対し、上記引出電極を保護層によって覆う保護層形成工程を行った後、上記電極に対するエッチング処理を行うようにしている。
加えて、圧電基板上に形成された電極に対してエッチング処理を行うことにより圧電振動デバイスの周波数特性を調整する処理方法を前提とする。この圧電振動デバイスの処理方法に対し、上記電極が形成されていない圧電基板の露出面を保護層によって覆う保護層形成工程を行った後、上記電極に対するエッチング処理を行うようにしている。
また、圧電基板の一主面に入力電極及び出力電極が形成されていると共に、これら入力電極と出力電極との間の領域に調整電極が形成されている一方、圧電基板の他主面に上記入力電極、出力電極及び調整電極に対向する共通電極が形成されており、この共通電極における入力電極、出力電極及び調整電極に対向する領域に対してエッチング処理を行うことにより圧電振動デバイスの周波数特性を調整する処理方法を前提とする。この圧電振動デバイスの処理方法に対し、上記共通電極における入力電極、出力電極及び調整電極に対向する領域以外の共通電極表面を保護層によって覆う保護層形成工程を行った後、上記共通電極における入力電極、出力電極及び調整電極に対向する領域に対するエッチング処理を行うようにしている。
更に、圧電基板の一主面に入力電極及び出力電極が形成され、これら電極に対してエッチング処理を行うことにより圧電振動デバイスの周波数特性を調整する処理方法を前提とする。この圧電振動デバイスの処理方法に対し、上記各電極上におけるそれぞれの中央部分よりも圧電基板の外側寄りの領域以外の領域を保護層によって覆う保護層形成工程を行った後、上記電極に対するエッチング処理を行うようにしている。
また、圧電基板の一主面に入力電極及び出力電極が形成され、これら電極に対してエッチング処理を行うことにより圧電振動デバイスの周波数特性を調整する処理方法を前提とする。この圧電振動デバイスの処理方法に対し、上記各電極上におけるそれぞれの中央部分よりも圧電基板の内側寄りの領域以外の領域を保護層によって覆う保護層形成工程を行った後、上記電極に対するエッチング処理を行うようにしている。
また、上記圧電振動デバイスの処理方法におけるエッチング処理に代えて薄膜蒸着処理を行うものとしてもよい。
これら方法においてエッチング処理または薄膜蒸着処理の後、保護層を除去する保護層除去工程を行うようにすれば、エージング特性の悪化を防止することができ、高品質の圧電デバイスを提供することができる。
【0014】
これらの特定事項により、例えばパーシャルマスクを使用してエッチング処理または薄膜蒸着処理(以下パーシャルと呼ぶ)の工程を行う際、このパーシャルマスクの開口部の精度が十分に得られていない場合や、パーシャルマスクの設置位置の精度が十分に得られていない場合であっても、パーシャル処理を行う必要のない部分を保護層によって保護することができ、所望の箇所のみに対してパーシャル処理を行うことができる。
【0018】
引出電極上を保護層によって覆った場合、エッチング処理を行うものにあっては引出電極の電気抵抗が増大したり断線したりすることを防止できる。また、薄膜蒸着処理を行うものにあっては引出電極の電気容量が増大してしまうといったことが回避できる。一方、圧電基板の露出面を保護層によって覆った場合、エッチング処理を行うものにあっては圧電基板の露出面がエッチングされてしまうといった状況を回避することができる。また、薄膜蒸着処理を行うものにあっては圧電基板の露出面に薄膜が蒸着されてしまうといったことが回避できる。
【0019】
また、エッチング処理を行う際、保護層に対するエッチング処理も同時に行うようにしている。特に、保護層に対するエッチング処理により、このエッチング処理の終了時には、保護層が完全に除去されるようにすれば、エッチング処理終了後に保護層を除去するための工程を廃止できる。つまり、エッチング処理時には保護層による保護を実現しながらも、エッチング処理終了後には保護層が完全に除去されるため保護層の除去工程が不要になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下の各実施形態では、本発明をMCFのパーシャル調整に適用した場合について説明する。
【0025】
(第1実施形態)
−水晶振動片の構成説明−
先ず、第1実施形態について説明する。図1は本形態に係るMCFに備えられた水晶振動片を示す図である。図1(a)は、水晶振動片の平面視において水晶基板1の上面に形成された入力電極2及び出力電極3の配置状態を実線で示し、下面に形成された共通電極4の配置状態を破線で示す図である。図1(b)は、図1(a)におけるA−A線に沿った断面図である。
【0026】
この水晶振動片を構成する水晶基板1としては、ATカット水晶板が用いられており、矩形状に加工されている。この水晶基板1の一方の主面(上面)には、Z’軸方向(図中の左右方向)で所定のギャップを存した位置にそれぞれ矩形状の入力電極2及び出力電極3が近接して形成されている。入力電極2及び出力電極3には、その長辺側の中央部から水晶基板1の短辺側に向かって(図中左右方向の外側に向かって)延びた後、この水晶基板1の隅角部に向かって(図中上下方向の外側に向かって)延びる引出電極2a,3aがそれぞれ接続されている。また、他方の主面(下面)には、入力電極2及び出力電極3に対向する位置に矩形状の共通電極4が形成されている。この共通電極4には、その短辺側の中央位置から水晶基板1の短辺側に向かって(図中左右方向の外側に向かって)延びた後、この水晶基板1の長辺側(図中上下方向の外側に向かって)延びる引出電極4a,4bが接続されている。上記水晶基板1としては、5mm×2.5mmのATカット矩形水晶板であって、中心周波数を110MHzに設定したものを用いている。
【0027】
尚、上記各電極2,3,4及び引出電極2a,3a,4a,4bは、真空蒸着法によって薄膜形成されており、その材料としては銀が採用されている。また、入出力の各電極2,3は、本形態の特徴とする後述のパーシャル調整によって膜厚調整され、これによってMCFが所定の周波数特性を有するようになっている。
【0028】
また、このMCFの具体的な製造方法としては、水晶ウェハ上に多数個取りされた水晶基板1の個々に対して、電極が蒸着された後、パーシャル調整によって電極の膜厚調整がなされ、その後、各水晶振動片を小割り切断し、この水晶振動片をパッケージに組み込む。この際、図示しないが、例えば支持体に各々つながるリード端子を有するベースを用意しておき、水晶振動片をリード端子と接合した支持体で支持する。または、外部導出電極パッドを有するパッケージに水晶振動片を搭載することになる。その後、必要に応じてイオンビーム照射やパーシャル蒸着による最終調整が行われ、パッケージにキャップが取り付けられ、その内部が気密封止されて完成する。
【0029】
このような構成により、電極への信号入力を行った際、入力電極2及び共通電極4からなる第1電極対と、出力電極3及び共通電極4からなる第2電極対との間で音響結合が生じ、これによって周波数の異なる複数の通信信号の中から所定の周波数の通信信号のみを取り出すフィルタ機能が発揮されるようになっている。
【0030】
−パーシャル調整動作の説明−
次に、本形態の特徴とするパーシャル調整動作について説明する。このパーシャル調整動作は、入出力の各電極2,3のエッチング処理によってMCFの周波数特性を調整するための動作である。このパーシャル調整動作は、上記各電極2,3の外縁部分を保護層によって覆う保護層形成工程と、この保護層形成工程の後、各電極2,3に対してエッチング処理を行うパーシャル工程とを備えている。尚、本形態では、保護層形成工程は、各電極2,3,4の形成工程と同時に行われる。
【0031】
<保護層形成工程>
先ず、各電極2,3,4の形成工程と同時に行われる保護層形成工程を図2に沿って説明する。この保護層形成工程では、先ず、水晶基板1(図2(a)参照)の上下面の全面に対して電極材料としての銀(以下、Ag)を蒸着すると共に、上面側のAg層の上側にクロム(以下、Cr)層を蒸着する(図2(b))。
【0032】
そして、各電極2,3,4を形成する部分にレジスト膜Rを形成する(図2(c))。その後、リン酸系のCrエッチング液及びAgエッチング液によってそれぞれエッチングを行い、上記レジスト膜Rの存在しない部分のCr層及びAg層を除去する(図2(d))。その後、レジスト膜Rを除去する(図2(e))。これにより、水晶基板1上には、各電極2,3,4と、これら電極2,3,4のうち入出力の各電極2,3上の全面に形成されたCr層とが存在する状態となる。尚、図示しないが、この際、各電極2,3,4に繋がる引出電極2a,3a,4a,4bも同時に形成される。
【0033】
この工程の後、水晶基板1の下面の全体にレジスト膜Rを形成する。一方、水晶基板1の上面においては、水晶基板1の露出している部分の全面、引出電極2a,3a,4a,4bの上面及び入出力の各電極2,3上面の外縁部分にレジスト膜Rを形成する。つまり、この水晶基板1の上面においては、入出力の各電極2,3上面の中央部分のみにレジスト膜Rが形成されていない状態となる(図2(f))。
【0034】
この状態で、Crエッチング液によってエッチングを行い、上記レジスト膜Rの存在しない部分、つまり、入出力の各電極2,3上面の中央部分のみのCr層を除去する(図2(g))。その後、レジスト膜Rを除去する(図2(h))。これにより、水晶基板1上には、各電極2,3,4と、引出電極2a,3a,4a,4bと、電極2,3,4のうち入出力の各電極2,3上の外縁部分のみを保護しているCrで成る保護層5とが存在する状態となる。
【0035】
このように各電極2,3上の外縁部分のみが保護層5によって保護された状態を図3に示す。この図3では、保護層5の形成部分に斜線を付している。
【0036】
<パーシャル工程>
以上の保護層形成工程の後、パーシャル工程が行われる。このパーシャル工程では、水晶基板1の上面に形成された入出力の各電極2,3に対するイオンビーム照射によるエッチングが行われる。具体的には、図4(a)に示すように、イオンビーム照射装置6と水晶基板1との間に、所定の開口部7aを有するパーシャルマスク7を介在させた状態でイオンビーム照射装置6から水晶基板1の上面の各電極2,3に向けてイオンビームを照射することにより、電極2,3の膜厚を調整する(図4(a)では出力電極3に対してイオンビームを照射している状態を示している)。これにより、電極2,3の膜厚を調整し、共振周波数Faの調整を行う。
【0037】
上述した保護層形成工程によって入出力の各電極2,3上の外縁部分のみを保護する保護層5が形成されているため、このパーシャル工程の際、パーシャルマスク7の開口部7aの精度が十分に得られていない場合や、パーシャルマスク7の設置位置の精度が十分に得られていない場合であっても、イオンビーム照射装置6からのイオンビームは、入出力の各電極2,3上の中央部分のみに良好に照射されることになる。つまり、必要以外の部分(エッチングを行うべき電極から外れた領域)へのイオンビームの照射の可能性は低くなる。図4(b)は、パーシャル工程終了後に、エージング特性の悪化を回避するために保護層5をエッチングなどの手法によって除去した状態を示している。
【0038】
本形態の手法は、特に、図5に示すように入力電極2と出力電極3との間に調整電極8を備えたものに対して有効である。つまり、従来では、調整電極8のみをエッチングしたいにも拘わらず(Fs調整時)、イオンビームが入出力の各電極2,3の端縁部にも照射され、この入出力の各電極2,3も部分的に除去されてしまう可能性があった(図15(b)参照)。例えば、本形態に係る保護層5を備えないものにおいて図5中に仮想線で示す位置にパーシャルマスク7の開口部7aが位置している状態では、イオンビーム照射装置6からのイオンビームが出力電極3に照射されてしまって良好なパーシャル調整を行うことができなくなる。
【0039】
本形態では、上記保護層5を各電極2,3の外縁部分に形成することにより(図5では保護層5の形成部分に斜線を付している)、パーシャルマスクの開口部7aの精度が十分に得られていない場合や、パーシャルマスク7の設置位置の精度が十分に得られていない場合であっても、イオンビームを所望の箇所のみに照射することができる。図5に示す状態にあっては、イオンビームの一部は出力電極3に向けて照射されるが、これを保護層5が受けることになり、出力電極3には直接照射されない。
【0040】
また、このように入力電極2と出力電極3との間に調整電極8を備えたものに対し、図6に示すように、調整電極8の上面の外縁部分に保護層5を形成してもよい。この場合、上記の効果に加えて、入力電極2や出力電極3に対してイオンビームを照射して周波数特性を調整(Fa調整)する際に、イオンビーム照射装置6からのイオンビームが調整電極8に照射されてしまうといった不具合を回避することができる。
【0041】
尚、この図6に示すものでは、引出電極2a,3aにも保護層5を形成している。これによれば、入力電極2や出力電極3に対してイオンビームを照射する際に、引出電極2a,3aにイオンビームが照射されてしまって、この引出電極2a,3aの電気抵抗が増大したり断線したりすることを防止できる。この構成は、上記図3や図5に示すものへの適用も可能である。
【0042】
また、これら図5及び図6に示すものにおいても上記パーシャル工程によって周波数特性を調整した後、保護層5をそのまま残しておくとエージング特性に悪影響を与える可能性がある。このため、パーシャル工程の後に、保護層5をエッチングなどの手法によって除去しておくことが好ましい。
【0043】
尚、上述の如くパーシャル調整された水晶振動片をパッケージに組み込んだ後に行われるイオンビーム照射による最終調整は、保護層5を残したまま行う場合もあり、また、保護層5を除去した状態で行う場合もある。
【0044】
(第1実施形態の変形例)
次に、上記第1実施形態の変形例について説明する。本例は、保護層5の形成領域が上述した第1実施形態のものと異なっている。具体的には、電極2,3に隣接する部分に保護層5を形成している。
【0045】
先ず、図7に示すものは、引出電極2a,3a上のみに保護層5を形成したものである。この構成によれば、上記イオンビーム照射によるパーシャル工程時、引出電極2a,3aにイオンビームが照射されることがなくなる。このため、上述した如く、引出電極2a,3aがエッチングされてしまって電気抵抗が増大したり断線したりすることが回避できる。
【0046】
また、図8に示すものは、入出力の各電極2,3及びその引出電極2a,3aの形成領域以外の水晶基板上面に保護層5を形成したものである。この構成によれば、上記イオンビーム照射によるパーシャル工程時、水晶基板1の上面にイオンビームが照射されることがなくなる。このため、水晶基板1が部分的にエッチングされてしまうといった不具合を回避することができる。この場合、保護層5を残したままにしておくと、この保護層5が電極2,3を短絡させてしまうため、パーシャル工程の後に、保護層5をエッチングやリフトオフなどの手法によって除去する必要がある。
【0047】
尚、このように水晶基板上面(水晶の露出面)に保護層5を形成した構成は、上述した第1実施形態のものや図7に示すものと組み合わせることも可能である。つまり、入出力の各電極2,3上の外縁部分や調整電極8の外縁部分に保護層5を形成すると共に、水晶基板1の上面で電極2,3や引出電極2a,3aが形成されていない部分にも保護層5を形成する構成である。また、引出電極2a,3a上に保護層5を形成すると共に、水晶基板1の上面で電極2,3や引出電極2a,3aが形成されていない部分にも保護層5を形成する構成である。
【0048】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本形態は、保護層5の構成が上記第1実施形態のものと異なっている。従って、ここでは第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0049】
図9(a)は本形態に係るMCFに備えられた水晶振動片の平面視において水晶基板1の上面に形成された入力電極2及び出力電極3の配置状態を実線で示し、下面に形成された共通電極4の配置状態を破線で示す図である。図9(b)は、図1(a)におけるA−A線に沿った断面図である。図9(c)は、パーシャル工程終了後における図9(b)に相当する図である。
【0050】
図9(a),(b)に示すように、本形態における保護層5は、水晶基板1の上面において各電極2,3を囲む位置に形成されている。また、この保護層5の厚さ寸法は、各電極2,3の厚さ寸法よりも小さく設定されている。具体的には、各電極2,3に対してイオンビーム照射によるエッチングが行われる際、このイオンビームが保護層5に照射され、この保護層5もエッチングされていく。そして、各電極2,3の膜厚が所定の膜厚までエッチングされた際に保護層5が完全に除去されるように、この保護層5の膜厚は設定されている。また、本形態の場合に使用されるパーシャルマスク7としては、保護層5にもイオンビームが照射されるように開口部7aの形状が形成されたものを使用する。
【0051】
尚、この保護層5の膜厚は、保護層5の構成材料や各電極2,3のエッチング量によって異なる。例えば、エッチングレートの高い材料(エッチングにより容易に除去される材料)によって保護層5を構成する場合には、エッチングレートの低い材料によって保護層5を構成する場合よりも膜厚を大きめに設定する。
【0052】
図10には、各種材料の膜厚に対するエッチングレートを示している。この図に示すように、エッチングレートは各材料によってそれぞれ異なっている。上記実施形態では、保護層5の材料としてCrを使用したが、電極材料であるAgよりもエッチングレートの低い材料を、この図10から選択して保護層5の材料として適用することも可能である。
【0053】
このような構成の保護層5によって各電極2,3の外縁部分を保護した状態でパーシャル工程を実行すると、そのパーシャル工程終了後には、図9(c)に示すように、保護層5が完全に除去される。このため、パーシャル工程時には保護層5によって水晶基板1を保護しながらも、パーシャル工程終了後には保護層5の除去工程を必要としないものとなる。
【0054】
本形態の構成は、特に、水晶振動片がパッケージに装着された状態で周波数特性の調整動作が行われる表面実装型のMCFに適用した場合に有効である。何故なら、表面実装型のMCFの場合、上記保護層5の除去を行う工程(エッチングなど)を行うことが困難であるためである。
【0055】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本形態は、保護層5の形成位置を変更することによって、MCFの通過帯域調整速度や中心周波数調整速度が変更できるようにしたものである。この保護層5の形成位置を変更する手法としては、入出力の各電極2,3上における保護層5の形成位置を変更する場合と、入出力の各電極2,3の間に調整電極8を設けた場合にこの調整電極8上における保護層5の形成位置を変更する場合とがある。以下、それぞれについて説明する。
【0056】
<各電極2,3上の位置変更>
先ず、入出力の各電極2,3上における保護層5の形成位置を変更する場合について説明する。図11(a)に示すものは、上述した第1実施形態のものと同様に、各電極2,3上の外縁部分のみを保護層5によって覆ったものである。つまり、イオンビームの照射領域が比較的広く形成されている。図11(b)に示すものは、各電極2,3上において外側(引出電極2a,3aに近い側)のみを残し、それ以外の部分を保護層5によって覆ったものである。つまり、イオンビームの照射領域が水晶振動片の外側寄りに設定されている。図11(c)に示すものは、各電極2,3上において内側(引出電極2a,3aから遠い側)のみを残し、それ以外の部分を保護層5によって覆ったものである。つまり、イオンビームの照射領域が水晶振動片の内側寄りに設定されている。
【0057】
このように保護層5の形成位置を変更した場合のMCFの通過帯域調整速度及び中心周波数調整速度について以下に説明する。
【0058】
図11(a)に示すものにあっては、通過帯域調整速度及び中心周波数調整速度は共に比較的速いものとなる。図11(b)に示すものにあっては、通過帯域調整速度は比較的速いものとなる一方、中心周波数調整速度は比較的遅いものとなる。図11(c)に示すものにあっては、通過帯域調整速度及び中心周波数調整速度は共に比較的遅いものとなる。
【0059】
このような通過帯域調整速度や中心周波数調整速度を調整可能とする保護層5の形成位置の設定は、調整動作の時間的な制約や要求される調整精度あるいは調整対象となる特性などに応じて適宜設定される。つまり、要求される調整時間が短時間である場合には、調整速度が速くなるように保護層5の形成位置を設定し、高い調整精度が要求される場合には、調整速度が遅くなるように保護層5の形成位置を設定する。
【0060】
<調整電極8上の位置変更>
次に、入出力の各電極2,3の間に調整電極8を設けた場合にこの調整電極8上における保護層5の形成位置を変更する場合について説明する。図12(a)に示すものは、上述した第1実施形態のものと同様に、調整電極8の外縁部分のみを保護層5によって覆ったものである。つまり、イオンビームの照射領域が比較的広く形成されている。図12(b)に示すものは、調整電極8上においてイオンビームの照射領域を調整電極8の長手方向中央側に設定したものである。つまり、図12(a)に示すものに比べてイオンビームの照射領域は小さくなっている。図12(c)に示すものは、調整電極8上においてイオンビームの照射領域を調整電極8の更に長手方向中央側に設定したものである。つまり、図12(b)に示すものに比べてイオンビームの照射領域は更に小さくなっている。
【0061】
このように保護層5の形成位置を変更した場合のMCFの通過帯域調整速度や中心周波数調整速度について以下に説明する。
【0062】
図12(a)に示すものにあっては、通過帯域調整速度及び中心周波数調整速度は共に比較的速いものとなる。図12(b)に示すものにあっては、通過帯域調整速度及び中心周波数調整速度は共に比較的遅いものとなる。図12(c)に示すものにあっては、通過帯域調整速度及び中心周波数調整速度は共に更に遅いものとなる。
【0063】
このような保護層5の形成位置の設定も、調整動作の時間的な制約や要求される調整精度などに応じて適宜設定される。
【0064】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本形態は、上述した各実施形態の構成を水晶振動片の裏面側、つまり共通電極4が形成されている側に適用したものである。
【0065】
図13は本形態に係る水晶振動片の水晶基板1の下面に形成された共通電極4の配置状態を示す図である。
【0066】
この図13に示すように、本形態の水晶振動片は、入出力の電極2,3に対応する領域(図中α及びβ)と、その間に形成された領域(表面側において調整電極8が形成される領域(図中γ))とを残し、それ以外の共通電極4の表面及び引出電極4a,4bの表面に保護層5を形成した構成となっている。
【0067】
このように保護層5を形成した場合、共振周波数Faの調整時には、上記領域α,βに対してイオンビームが照射されて、上記と同様のパーシャル工程が行われる。また、共振周波数Fsの調整時には、上記領域γに対してイオンビームが照射されて、上記と同様のパーシャル工程が行われる。この場合にも、パーシャルマスクの開口部7aの精度が十分に得られていない場合や、パーシャルマスク7の設置位置の精度が十分に得られていない場合であっても、イオンビームを所望の箇所のみに照射することができる。
【0068】
本形態では、水晶振動片の裏面側からパーシャル工程を行う場合において、上記図6に相当する保護層5の形状を採用した場合について説明した。これに限らず、上述した各実施形態及びその変形例と同様の形状の保護層5を形成することが可能である。例えば、図7に示すものと同様に共通電極4の引出電極4a,4b上にのみ保護層5を形成したもの、図8に示すものと同様に共通電極4の形成領域以外の水晶基板上面に保護層5を形成したもの、図9に示すものと同様に共通電極4を囲むように保護層5を形成し、パーシャル工程終了後に保護層5が完全に除去されるようにしたものとすることが可能である。更には、図11や図12に示すものと同様に、保護層5の形成位置を変更することによって、MCFの通過帯域調整速度や中心周波数調整速度を変更することも可能である。
【0069】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。上述した各実施形態及び変形例は、パーシャル工程時、イオンビーム照射のエッチングを行うものであった。本形態は、これに代えて、パーシャル工程時、電極上や水晶基板1上に金属材料の蒸着を行うものである。
【0070】
本形態の如く電極上や水晶基板1上に金属材料の蒸着を行う場合の保護層5の構成も上述した各実施形態及び変形例の場合と略同様である。
【0071】
以下、上記第1実施形態のものと略同様の保護層5を形成した場合のパーシャル工程について説明する。
【0072】
図14(a)は、保護層形成工程において水晶振動片に保護層5が形成された状態の断面図である。この図に示すように、本形態の場合、入出力の各電極2,3上の外縁部分だけでなく、引出電極上や水晶基板1上において電極が形成されていない領域にも保護層5が形成されている。また、この図14(a)に示す保護層5の場合、この保護層5を導電性材料で形成すると電極2,3を短絡させてしまうため、この保護層5は絶縁材料で形成する必要がある。または、電極2,3間に形成される保護層5を分離して電極2,3が短絡しない構成を採用すれば保護層5を導電性材料で形成することも可能である。
【0073】
本形態におけるパーシャル工程では、図14(b)に示すように、水晶基板1の上方に、所定の開口7aを有するパーシャルマスク7を位置させた状態で金属材料の蒸着が行われる(図14(b)では出力電極3に対する蒸着動作を示している)。これにより、水晶振動片の周波数特性が調整される。
【0074】
また、このパーシャル工程の後には、保護層5をエッチングなどの手法によって除去する(図14(c)参照)。
【0075】
尚、本形態の如く電極上に金属材料の蒸着を行うものに保護層5を適用する場合についても、上述した各実施形態及び変形例の場合と同様の保護層5の形状を採用することが可能である。また、共通電極4が形成されている側に保護層5を適用する場合にも同様の形状を採用することが可能である。
【0076】
−その他の実施形態−
上述した各実施形態及び変形例では、水晶振動片に対してパーシャル調整動作を行った後に、この水晶振動片がMCFのパッケージに装着されるものであった。本発明は、これに限らず、パッケージに装着された水晶振動片に対して上記各実施形態や変形例で示したパーシャル調整動作を行うようにしてもよい。尚、この場合、水晶振動片の片面に対してのみパーシャル調整動作を行うことになる。言い換えると、上述した各実施形態及び変形例のものでは、水晶振動片の両面からパーシャル調整動作を行うことも可能である。このように、本発明では、水晶振動片に対してパーシャル調整動作を実行するタイミングは特に問うものではない。つまり、水晶ウェハの状態(水晶振動片が小割り切断される前の状態)でパーシャル調整動作を行ったり、上述した如く、水晶ウェハから小割り切断された水晶振動片に対して行ったり、水晶振動片をパッケージに装着した後に行うことが可能である。
【0077】
また、電極2,3,4や保護層5の構成材料としては上述したものに限らない。例えば電極2,3,4の構成材料としてアルミニウムや金を採用することも可能である。また、保護層5の構成材料としては、上記図10に基づいて選択可能である。
【0078】
更に、本発明はMCFに限らず水晶振動子への適用も可能である。また、水晶振動デバイスに限らず、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムなどを使用した圧電振動子デバイスにも適用可能である。
【0079】
また、上記実施形態では、エッチング処理法として、イオンビーム照射によるイオンエッチングについて説明した。本発明は、これに限らず、反応性イオンエッチング、ECR流イオンエッチング、レーザービームエッチング等を適用することも可能である。反応性イオンエッチングとは、CF4をプラズマ化して生じた中性ラジカルによる化学反応とイオンエッチングにおけるイオンのスパッタリング現象、及びイオンによる加工面の化学反応の促進作用によってエッチングするものである。ECR流イオンエッチングとは、電子サイクロトロン共鳴を利用し、発散磁界によりプラズマを引き出して、低エネルギ大電流イオンによるエッチングを行うものである。レーザービームエッチングとは、YAGレーザやArイオンレーザを用い、局部的に加熱してエッチングを行うものである。
【0080】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、圧電振動デバイスの処理方法に対し、エッチング処理や薄膜蒸着処理を行う領域の少なくとも外縁部分または隣接部分を保護層によって覆った状態で、上記処理を行うようにしている。このため、例えばパーシャルマスクを使用してパーシャル工程を行う場合、このパーシャルマスクの開口部の精度が十分に得られていない場合や、パーシャルマスクの設置位置の精度が十分に得られていない場合であっても、所望の箇所のみに対して処理を行うことができる。
【0081】
また、圧電基板上に形成された引出電極が電極に接続されたものに対し、保護層形成工程において、引出電極上を保護層によって覆うようにしたり、電極が形成されていない圧電基板の露出面を保護層によって覆うようにした場合には、これら引出電極や圧電基板の露出面に対するエッチング処理や薄膜蒸着処理の影響を回避することができる。つまり、引出電極の電気抵抗の増大や断線、引出電極の電気容量の増大、圧電基板の露出面のエッチングやこの露出面に不要な薄膜が蒸着されることを回避できる。
【0082】
また、エッチング処理において、保護層に対するエッチング処理も同時に行うようにした場合において、エッチング処理の終了時に、保護層が完全に除去されるようにすれば、エッチング処理終了後に保護層を除去するための工程が廃止できる。つまり、エッチング処理時には保護層による保護を実現しながらも、エッチング処理終了後には保護層が完全に除去されるため保護層の除去工程が不要になり、作業効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る水晶振動片を示す図である。
【図2】保護層形成工程を示す図である。
【図3】保護層成形工程終了時における水晶振動片の平面図である。
【図4】パーシャル工程を示す図である。
【図5】調整電極を備えた水晶振動片に対する保護層の形成位置を示す図である。
【図6】調整電極上に保護層が形成された水晶振動片を示す平面図である。
【図7】引出電極上にのみ保護層が形成された水晶振動片を示す平面図である。
【図8】各電極及び引出電極の形成領域以外の水晶基板上面に保護層が形成された水晶振動片を示す平面図である。
【図9】第2実施形態における図1相当図である。
【図10】各種材料の膜厚に対するエッチングレートを示す図である。
【図11】入出力の各電極上における保護層の形成位置を変更する場合の各水晶振動片を示す平面図である。
【図12】調整電極上における保護層の形成位置を変更する場合の各水晶振動片を示す平面図である。
【図13】第4実施形態に係る水晶振動片を示す図である。
【図14】第5実施形態におけるパーシャル工程を示す図である。
【図15】従来例におけるパーシャル工程を示す図である。
【図16】従来例における実装式の逆メサ型水晶フィルタに対するパーシャル工程を示す図である。
【符号の説明】
1 水晶基板(圧電基板)
2 入力電極
3 出力電極
4 共通電極
5 保護層
8 調整電極

Claims (13)

  1. 圧電基板上に形成された電極に対してエッチング処理を行うことにより圧電振動デバイスの周波数特性を調整する処理方法において、
    上記電極上の中央部分以外の領域である外縁部分またはこの電極を囲む領域である隣接部分を保護層によって覆う保護層形成工程を行った後、
    上記電極に対するエッチング処理を行うことを特徴とする圧電振動デバイスの処理方法。
  2. 圧電基板の一主面に入力電極及び出力電極が形成されていると共に、これら入力電極と出力電極との間の領域に調整電極が形成され、この調整電極に対してエッチング処理を行うことにより圧電振動デバイスの周波数特性を調整する処理方法において、
    上記入力電極及び出力電極上のそれぞれの中央部分以外の領域である外縁部分またはこの電極を囲む領域である隣接部分を保護層によって覆う保護層形成工程を行った後、
    上記調整電極に対するエッチング処理を行うことを特徴とする圧電振動デバイスの処理方法。
  3. 圧電基板の一主面に入力電極及び出力電極が形成されていると共に、これら入力電極と出力電極との間の領域に調整電極が形成され、上記入力電極及び出力電極に対してエッチング処理を行うことにより圧電振動デバイスの周波数特性を調整する処理方法において、
    上記調整電極上の中央部分以外の領域である外縁部分を保護層によって覆う保護層形成工程を行った後、
    上記入力電極及び出力電極に対するエッチング処理を行うことを特徴とする圧電振動デバイスの処理方法。
  4. 圧電基板の一主面に入力電極及び出力電極が形成されていると共に、これら入力電極と出力電極との間の領域に調整電極が形成され、この調整電極に対してエッチング処理を行うことにより圧電振動デバイスの周波数特性を調整する処理方法において、
    上記調整電極上の中央部分以外の領域である外縁部分を保護層によって覆う保護層形成工程を行った後、
    上記調整電極に対するエッチング処理を行うことを特徴とする圧電振動デバイスの処理方法。
  5. 圧電基板上に電極が形成され、この電極には圧電基板上に形成された引出電極が接続されており、上記電極に対してエッチング処理を行うことにより圧電振動デバイスの周波数特性を調整する処理方法において、
    上記引出電極を保護層によって覆う保護層形成工程を行った後、
    上記電極に対するエッチング処理を行うことを特徴とする圧電振動デバイスの処理方法。
  6. 圧電基板上に形成された電極に対してエッチング処理を行うことにより圧電振動デバイスの周波数特性を調整する処理方法において、
    上記電極が形成されていない圧電基板の露出面を保護層によって覆う保護層形成工程を行った後、
    上記電極に対するエッチング処理を行うことを特徴とする圧電振動デバイスの処理方法。
  7. 圧電基板の一主面に入力電極及び出力電極が形成されていると共に、これら入力電極と出力電極との間の領域に調整電極が形成されている一方、圧電基板の他主面に上記入力電極、出力電極及び調整電極に対向する共通電極が形成されており、この共通電極における入力電極、出力電極及び調整電極に対向する領域に対してエッチング処理を行うことにより圧電振動デバイスの周波数特性を調整する処理方法において、
    上記共通電極における入力電極、出力電極及び調整電極に対向する領域以外の共通電極表面を保護層によって覆う保護層形成工程を行った後、
    上記共通電極における入力電極、出力電極及び調整電極に対向する領域に対するエッチング処理を行うことを特徴とする圧電振動デバイスの処理方法。
  8. 圧電基板の一主面に入力電極及び出力電極が形成され、これら電極に対してエッチング処理を行うことにより圧電振動デバイスの周波数特性を調整する処理方法において、
    上記各電極上におけるそれぞれの中央部分よりも圧電基板の外側寄りの領域以外の領域を保護層によって覆う保護層形成工程を行った後、
    上記電極に対するエッチング処理を行うことを特徴とする圧電振動デバイスの処理方法。
  9. 圧電基板の一主面に入力電極及び出力電極が形成され、これら電極に対してエッチング処理を行うことにより圧電振動デバイスの周波数特性を調整する処理方法において、
    上記各電極上におけるそれぞれの中央部分よりも圧電基板の内側寄りの領域以外の領域を保護層によって覆う保護層形成工程を行った後、
    上記電極に対するエッチング処理を行うことを特徴とする圧電振動デバイスの処理方法。
  10. 上記請求項1〜9に記載の圧電振動デバイスの処理方法におけるエッチング処理に代えて薄膜蒸着処理を行うことを特徴とする圧電振動デバイスの処理方法。
  11. 請求項1〜9のうち何れか一つに記載の圧電振動デバイスの処理方法において、
    上記エッチング処理を行う際、保護層に対するエッチング処理も同時に行うことを特徴とする圧電振動デバイスの処理方法。
  12. 請求項11記載の圧電振動デバイスの処理方法において、
    保護層に対するエッチング処理により、このエッチング処理の終了時には、保護層が完全に除去されることを特徴とする圧電振動デバイスの処理方法。
  13. 請求項1〜10のうち何れか一つに記載の圧電振動デバイスの処理方法において、
    上記処理の後、保護層を除去する保護層除去工程が行われることを特徴とする圧電振動デバイスの処理方法。
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