JP2020128792A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ニードルベアリングNB、NBを効果的に潤滑する。【解決手段】動力伝達装置1は、ニードルベアリングNB、NBによりピニオン軸54が支持されたピニオンギア53を有する遊星減速ギア5と、遊星減速ギア5の下流に接続された差動装置6と、を有する。差動装置6のデフケース60には、デフケース60の内部からピニオン軸54に向かって潤滑油OLを流通させる油路604、605が形成されている。油路605は、ピニオン軸54に対して並行に設けられていると共に、油路605の開口は、ピニオン軸54の中心を通る軸線X1方向から、ニードルベアリングNBに対向している。油路604から油路605に供給された潤滑油OLは、ピニオン軸54の外周面540をつたって、ニードルベアリングNB、NBに供給される。【選択図】図2

Description

本発明は、動力伝達装置に関する。
特許文献1から特許文献3には、動力伝達装置が開示されている。
特開2013−221566号公報 特開2016− 89860号公報 特開2018−103676号公報
特許文献1の動力伝達装置は、回転伝達に関与する3つの回転軸が並列に並んでおり、縦方向(重力方向)にサイズアップしやすい(以下、3軸タイプと呼ぶこととする)。
特許文献2の動力伝達装置は、モータのロータが中空軸となっており、この中空軸の内部をドライブシャフトが貫通している。そのため、3軸タイプと比較して縦方向のサイズダウンが可能となるが、大きなカウンタギアを配置しているため、縦方向にサイズアップしてしまう(以下、2軸タイプと呼ぶこととする)。
特許文献3の動力伝達装置は、カウンタギアではなく、段付きピニオンを有する遊星減速ギアを用いており、2軸タイプと比較して縦方向のサイズダウンが可能となる(以下、1軸タイプと呼ぶこととする)。
ところで、3軸タイプにおいては、ピニオンギアの軸受けにボール軸受を用いている。ボール軸受をころ軸受とすることにより、レイアウトをコンパクトにすることが考えられるが、その際のころ軸受の潤滑に課題がある。
そこで、ころ軸受を効果的に潤滑する構造が求められている。
本発明は
ころ軸受によりピニオン軸に支持されたピニオンギアを有する遊星ギアと、
前記遊星ギアの下流に接続されたデファレンシャルギアと、を有し、
前記デファレンシャルギアのデファレンシャルケースには前記デファレンシャルギアの内部から前記ピニオン軸に向かって潤滑油を流通させる潤滑油孔が形成されており、
前記潤滑油孔に供給された潤滑油は前記ピニオン軸の外周面をつたって前記ころ軸受に供給される構成の動力伝達装置とした。
本発明によれば、ころ軸受を効果的に潤滑できる。
本実施形態にかかる動力伝達装置を説明する図である。 動力伝達装置の減速機構周りの拡大図である。 動力伝達装置の差動装置周りの拡大図である。 デフケースに設けた油路を説明する図である。 デフケースに設けた油路を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態にかかる動力伝達装置1を説明する図である。
図2は、動力伝達装置1の遊星減速ギア5周りの拡大図である。
図3は、動力伝達装置1の差動装置6周りの拡大図である。
動力伝達装置1は、モータ2と、モータ2の出力回転を減速して差動装置6に入力する遊星減速ギア5(減速機構)と、ドライブシャフト8(8A、8B)と、を有している。
動力伝達装置1では、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、遊星減速ギア5と、差動装置6と、ドライブシャフト8(8A、8B)と、が設けられている。
モータ2の出力回転は、遊星減速ギア5で減速されて差動装置6に入力された後、ドライブシャフト8(8A、8B)を介して、動力伝達装置1が搭載された車両の左右の駆動輪(図示せず)に伝達される。図1では、ドライブシャフト8Aが、動力伝達装置1を搭載した車両の左輪に回転伝達可能に接続されていると共に、ドライブシャフト8Bが、右輪に回転伝達可能に接続されている。
ここで、遊星減速ギア5は、モータ2の下流に接続されており、差動装置6は、遊星減速ギア5の下流に接続されており、ドライブシャフト8(8A、8B)は、差動装置6の下流に接続されている。
モータ2は、円筒状のモータシャフト20と、モータシャフト20に外挿された円筒状のロータコア21と、ロータコア21の外周を所定間隔で囲むステータコア25とを、有している。
モータシャフト20は、ドライブシャフト8Bに外挿された状態で、ドライブシャフト8Bに対して相対回転可能に設けられている。
モータシャフト20では、長手方向の一端20a側と他端20b側の外周に、ベアリングB1、B1が外挿されて固定されている。
モータシャフト20の一端20a側は、ベアリングB1を介して、中間ケース12の円筒状のモータ支持部121で回転可能に支持されている。
モータシャフト20の他端20b側は、ベアリングB1を介して、カバー11の円筒状のモータ支持部111で回転可能に支持されている。
モータ2は、ロータコア21の外周を所定間隔で囲むモータハウジング10を有している。本実施形態では、モータハウジング10の一端10aに、中間ケース12が接合されており、モータハウジング10の他端10bに、カバー11が接合されている。
モータハウジング10の一端10aと他端10bには、シールリングS、Sが設けられている。モータハウジング10の一端10aは、当該一端10aに設けたシールリングSにより、中間ケース12の環状の基部120に隙間なく接合されている。
モータハウジング10の他端10bは、当該他端10bに設けたシールリングSにより、カバー11の環状の接合部110に隙間なく接合されている。
中間ケース12では、基部120とモータ支持部121とが、回転軸X方向で位置をずらして設けられている。
本実施形態では、中間ケース12をモータハウジング10の一端10aに固定すると、モータ支持部121が、モータハウジング10の内側に挿入されるようになっている。
この状態においてモータ支持部121は、後記するコイルエンド253aの内径側で、ロータコア21の一端部21aに、回転軸X方向の隙間をあけて対向して配置される(図2参照)。
そして、図2に示すように、基部120とモータ支持部121とを接続する接続部123は、コイルエンド253aと後記する側板部551との接触を避けて、回転軸Xに沿う向きで設けられている。
なお、モータ支持部121のロータコア21側の端面121aには、ベアリングリテーナ125が固定されている。
ベアリングリテーナ125は、回転軸X方向から見てリング状を成している。ベアリングリテーナ125の内径側は、モータ支持部121で支持されたベアリングB1のアウタレースB1bの側面に回転軸X方向から当接している。ベアリングリテーナ125は、モータ支持部121からのベアリングB1の脱落を阻止している。
図1に示すように、カバー11では、接合部110とモータ支持部111とが、回転軸X方向で位置をずらして設けられている。
本実施形態では、カバー11の接合部110をモータハウジング10の他端10bに固定すると、モータ支持部111が、モータハウジング10の内側に挿入されるようになっている。
この状態においてモータ支持部111は、後記するコイルエンド253bの内径側で、ロータコア21の他端部21bに、回転軸X方向の隙間をあけて対向して配置される。
そして、接合部110と、カバー11の側壁部113とを接続する接続部115は、コイルエンド253bと後記する支持筒112との接触を避けて、回転軸Xに沿う向きで設けられている。
モータハウジング10の内側では、カバー11側のモータ支持部111と、中間ケース12側のモータ支持部121との間に、ロータコア21が配置されている。
ロータコア21は、複数の珪素鋼板を積層して形成したものであり、珪素鋼板の各々は、モータシャフト20との相対回転が規制された状態で、モータシャフト20に外挿されている。
モータシャフト20の回転軸X方向から見て、珪素鋼板はリング状を成しており、珪素鋼板の外周側では、図示しないN極とS極の磁石が、回転軸X周りの周方向に交互に設けられている。
回転軸X方向におけるロータコア21の一端部21aは、モータシャフト20の大径部203で位置決めされている。ロータコア21の他端部21bは、モータシャフト20に圧入されたストッパ23で位置決めされている。
ステータコア25は、複数の電磁鋼板を積層して形成したものであり、電磁鋼板の各々は、モータハウジング10の内周に固定されたリング状のヨーク部251と、ヨーク部251の内周からロータコア21側に突出するティース部252を、有している。
本実施形態では、巻線253を、複数のティース部252に跨がって分布巻きした構成のステータコア25を採用しており、ステータコア25は、回転軸X方向に突出するコイルエンド253a、253bの分だけ、ロータコア21よりも回転軸X方向の長さが長くなっている。
なお、ロータコア21側に突出する複数のティース部252の各々に、巻線を集中巻きした構成のステータコアを採用しても良い。
モータシャフト20では、大径部203よりも一端20a側の領域の外周に、ベアリングB1が圧入されている。
図2に示すように、ベアリングB1のインナレースB1aは、回転軸X方向の一方の側面が、モータシャフト20の外周に設けた段部204に当接している。インナレースB1aは、他方の側面に、モータシャフト20の外周に圧入されたリング状のストッパ205が当接している。
ストッパ205によりベアリングB1は、インナレースB1aを、段部204に当接させた位置で位置決めされている。
モータシャフト20の一端20aは、ストッパ205よりも差動装置6側(図中、左側)に位置している。回転軸X方向において一端20aは、遊星減速ギア5のサンギア51と、段付きピニオンギア53の大径歯車部531との噛み合い部分に、間隔をあけて対向している。
モータシャフト20の一端20a側では、モータシャフト20の径方向外側に、円筒壁122が位置している。円筒壁122は、モータ支持部121から差動装置6側(図中、左側)に突出している。
円筒壁122は、モータシャフト20の外周を所定間隔で囲んでおり、円筒壁122とモータシャフト20との間には、リップシールRSが設置されている。
リップシールRSは、モータハウジング10の内径側の空間Saと、ケース13の内径側の空間Sbとを、区画するために設けられている。
ケース13の内径側の空間Sbには、差動装置6の潤滑油OLが封入されている。リップシールRSは、モータハウジング10の内径側の空間Saへの潤滑油OLの流入を阻止するために設けられている。
円筒壁122の外径側では、前記した接続部123との間に、遊星減速ギア5側(図2における左側)に開口した凹部124が形成されている。
凹部124の接続部123側(外径側)には、ベアリングB3のアウタレースB3bを位置決めする段部123aが設けられている。凹部124内において、ベアリングB3のインナレースB3aは、モータ支持部121との接触を避けて設けられており、インナレースB3aは、後記する筒状部552の外周を支持している。
本実施形態では、モータハウジング10と、カバー11と、中間ケース12と、ケース13とで、動力伝達装置1の本体ケース9を構成している。
本体ケース9の内部空間は、中間ケース12を境にして、モータハウジング10側の空間Saが、モータ2を収容するモータ室となっている。そして、ケース13側の空間Sbが、遊星減速ギア5と差動装置6を収容するギア室となっている。
図2に示すように、モータシャフト20の一端20a側の領域202は、ロータコア21が外挿された領域201よりも大きい内径で形成されている。
この一端20a側の領域202の内側には、サンギア51の円筒状の連結部511が挿入されている。この状態において、モータシャフト20の一端20a側の領域202と、サンギア51の連結部511とが、相対回転不能にスプライン嵌合している。
そのため、モータ2の出力回転が、モータシャフト20を介して、遊星減速ギア5のサンギア51に入力されて、サンギア51がモータ2の回転駆動力で、回転軸X回りに回転する。
サンギア51は、内径側の側面51aから回転軸X方向に延びる連結部511を有している。連結部511は、サンギア51と一体に形成されおり、サンギア51の内径側と連結部511の内径側とに跨がって、貫通孔510が形成されている。
サンギア51は、貫通孔510を貫通したドライブシャフト8Bの外周で回転可能に支持されている。
サンギア51の差動装置6側の側面51bは、後記するデフケース60の筒状の支持部601に、回転軸X方向の隙間をあけて対向しており、側面51bと支持部601との間には、ニードルベアリングNBが介在している。
サンギア51は、前記したモータシャフト20の延長上で、段付きピニオンギア53の大径歯車部531に噛合している。
段付きピニオンギア53は、サンギア51に噛合する大径歯車部531と、大径歯車部531よりも小径の小径歯車部532とを有している。
段付きピニオンギア53は、大径歯車部531と小径歯車部532が、回転軸Xに平行な軸線X1方向で並んで、一体に設けられたギア部品である。
段付きピニオンギア53は、大径歯車部531と小径歯車部532の内径側を軸線X1方向に貫通した貫通孔530を有している。
段付きピニオンギア53は、貫通孔530を貫通したピニオン軸54の外周で、ニードルベアリングNBを介して回転可能に支持されている。
ピニオン軸54の外周では、大径歯車部531の内径側と、小径歯車部532の内径側に、ニードルベアリングNBがそれぞれ設けられている。ピニオン軸54の外周においてニードルベアリングNB、NBは、軸線X1方向に直列に並んでいる。
ピニオン軸54の中心には、油路541が設けられている。油路541は、ピニオン軸54の中心を通る軸線X1に沿って、ピニオン軸54を一端から他端まで貫通している。
ピニオン軸54の内部には、軸線X1に直交する向きで油路542が設けられている。油路542は、大径歯車部531を支持するニードルベアリングNBと、小径歯車部532を支持するニードルベアリングNBに対応する位置に、それぞれ1つずつ設けられている。
本実施形態では、油路542は、ニードルベアリングNBの軸線X1方向の長さの略中間となる位置に設けられている。
ピニオン軸54の長手方向の一端と他端は、デフケース60と一体に形成された側板部651と、この側板部651に間隔をあけて配置された側板部551で支持されている。
側板部651、551は、回転軸X方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。
側板部651、551の間では、複数の段付きピニオンギア53が回転軸X周りの周方向に所定間隔で複数(例えば、3つ)設けられている。
小径歯車部532の各々は、リングギア52の内周に噛合している。リングギア52は、ケース13の内周にスプライン嵌合しており、リングギア52は、ケース13との相対回転が規制されている。
側板部551の内径側には、モータ2側に延びる筒状部552が設けられている。筒状部552は、中間ケース12の凹部124に、回転軸X方向から挿入されている。凹部124内において、筒状部552は、モータ支持部121との接触を避けて設けられている。
筒状部552は、モータシャフト20と、遊星減速ギア5側の連結部511との噛み合い部分の径方向外側に位置している。筒状部552の外周には、凹部124にアウタレースB3bが固定されたベアリングB3が接触している。側板部551の筒状部552は、ベアリングB3を介して、中間ケース12で回転可能に支持されている。
遊星減速ギア5では、キャリア55を構成する側板部551と側板部651のうちの一方の側板部651は、差動装置6のデフケース60と一体に形成されている。
そのため、遊星減速ギア5のキャリア55(側板部551、651、ピニオン軸54)は、デフケース60と実質的に一体に形成されている。
遊星減速ギア5では、モータ2の出力回転が、サンギア51に入力される。
サンギア51に入力された出力回転は、サンギア51に噛合する大径歯車部531を介して、段付きピニオンギア53に入力されて、段付きピニオンギア53が軸線X1回りに回転する。
そうすると、大径歯車部531と一体に形成された小径歯車部532は、大径歯車部531と一体に軸線X1周りに回転する。
ここで、小径歯車部532は、ケース13の内周に固定されたリングギア52に噛合している。そのため、小径歯車部532が軸線X1回りに回転すると、段付きピニオンギア53は、軸線X1回りに自転しながら、回転軸X回りに回転する。
そうすると、ピニオン軸54の一端が、デフケース60と一体に形成された側板部651に支持されているので、段付きピニオンギア53の回転軸X周りの周方向の変位に連動して、デフケース60が回転軸X回りに回転する。
ここで、段付きピニオンギア53では、小径歯車部532の外径R2が大径歯車部531の外径R1よりも小さくなっている(図3参照)。
そして、遊星減速ギア5では、サンギア51が、モータの出力回転の入力部となっており、段付きピニオンギア53を支持するキャリア55が、入力された回転の出力部となっている。
そうすると、遊星減速ギア5のサンギア51に入力された回転は、段付きピニオンギア53により大きく減速されたのちに、キャリア55の側板部651が一体に形成されたデフケース60に出力される。
デフケース60は、シャフト61と、かさ歯車62A、62Bと、サイドギア63A、63Bとを、内部に収納する中空状に形成されている。
デフケース60では、回転軸X方向(図中、左右方向)の両側部に、筒状の支持部601、602が設けられている。支持部601、602は、シャフト61から離れる方向に、回転軸Xに沿って延出している。
支持部601の外径側には、キャリア55の側板部651と側板部551とを接続する接続片56が設けられている。
接続片56のデフケース60側の一端は、側板部651とデフケース60の外周とに跨がって設けられており、他端は、回転軸X方向から側板部551に接続されている。
接続片56は、前記した段付きピニオンギア53との干渉を避けた位置に設けられている。前記したように、段付きピニオンギア53は、回転軸X周りの周方向に所定間隔で複数(例えば、3つ)設けられている。
接続片56は、回転軸X回りの周方向で隣接する段付きピニオンギア53の間に設けられている。
デフケース60の支持部602の外周には、ベアリングB2のインナレースB2aが圧入されている。
ベアリングB2のアウタレースB2bは、ケース13のリング状の支持部131で保持されており、デフケース60の支持部602は、ベアリングB2を介して、ケース13で回転可能に支持されている。
支持部602には、ケース13の開口部130を貫通したドライブシャフト8Aが、回転軸X方向から挿入されており、ドライブシャフト8Aは、支持部602で回転可能に支持されている。
開口部130の内周には、リップシールRSが固定されており、リップシールRSの図示しないリップ部が、ドライブシャフト8Aの外周に弾発的に接触することで、ドライブシャフト8Aの外周と開口部130の内周との隙間が封止されている。
図1に示すように、デフケース60の支持部601には、カバー11の開口部114を貫通したドライブシャフト8Bが、回転軸方向から挿入されている。
ドライブシャフト8Bは、モータ2のモータシャフト20と、遊星減速ギア5のサンギア51の内径側を回転軸X方向に横切って設けられており、ドライブシャフト8Bの先端側が、支持部601で回転可能に支持されている。
カバー11の開口部114の内周には、リップシールRSが固定されており、リップシールRSの図示しないリップ部が、ドライブシャフト8Bの外周に弾発的に接触することで、ドライブシャフト8Bの外周と開口部114の内周との隙間が封止されている。
図3に示すように、デフケース60の内部では、ドライブシャフト8A、8Bの先端部の外周に、サイドギア63A、63Bがスプライン嵌合しており、サイドギア63A、63Bとドライブシャフト8(8A、8B)とが、回転軸X周りに一体回転可能に連結されている。
デフケース60には、回転軸Xに直交する方向に貫通した軸孔60a、60bが、回転軸Xを挟んで対称となる位置に設けられている。
軸孔60a、60bは、回転軸Xに直交する軸線Y上に位置しており、シャフト61の一端61a側および他端61b側が挿入されている。
シャフト61の一端61a側および他端61b側は、ピンPでデフケース60に固定されており、シャフト61は、軸線Y周りの自転が禁止されている。
シャフト61は、デフケース60内において、サイドギア63A、63Bの間に位置しており、軸線Yに沿って配置されている。
デフケース60内においてシャフト61には、かさ歯車62A、62Bが外挿して回転可能に支持されている。
かさ歯車62A、62Bは、シャフト61の長手方向(軸線Yの軸方向)で間隔を空けて2つ設けられており、かさ歯車62A、62Bは、互いの歯部を対向させた状態で配置されている。
シャフト61においてかさ歯車62A、62Bは、当該かさ歯車62A、62Bの軸心を、シャフト61の軸心と一致させて設けられている。
図2に示すように、デフケース60内において、かさ歯車62A、62Bの外周は、球面ワッシャ64、64を介して、デフケース60の内周600で支持されている。
デフケース60内において、回転軸Xの軸方向におけるかさ歯車62A、62Bの両側には、サイドギア63A、63Bが位置している。
サイドギア63A、63Bは、互いの歯部を対向させた状態で、回転軸Xの軸方向に間隔を空けて2つ設けられており、かさ歯車62A、62Bとサイドギア63A、63Bとは、互いの歯部を噛合させた状態で組み付けられている。
デフケース60の下部側は、ケース13内の潤滑油に浸っている。
実施の形態では、シャフト61の一端61aまたは他端61bが最も下部側に位置した際に、シャフト61の一端61aまたは他端61bが少なくとも潤滑油内に位置する高さまで、ケース13内に潤滑油が貯留されている。
前記したようにデフケース60は、遊星減速ギア5を介して入力されるモータ2の出力回転で、回転軸X回りに回転する。ここで、中空状に形成されたデフケース60では、回転軸Xに平行な側面に開口部が設けられている。
そのため、デフケース60が回転軸X回りに回転すると、ケース13内の潤滑油が、開口部からデフケース60の内部に取り込まれて、デフケース60内のかさ歯車62A、62Bとサイドギア63A、63Bとが潤滑される。
図4および図5は、デフケース60に設けた油路604、605、606を説明する図である。
図5の(a)は、図4におけるA−A断面図である。図5の(b)は、図4におけるB−B断面図である。
なお、図5では、かさ歯車62Aとサイドギア63Bとが互いの歯部同士を噛合させた領域(噛合領域)と、デフケース60の内周600との間に形成される隙間CLを説明するために、かさ歯車62Aまはたサイドギア63Bの外周面の位置を仮想線Imで示している。
本実施形態では、段付きピニオンギア53を支持するニードルベアリングNB、NBの潤滑性を向上させるために、デフケース60に油路604、605、606が設けられている。
油路604、605、606は、回転軸X回りに回転するデフケース60内に取り込まれた潤滑油OLの一部を、段付きピニオンギア53を支持するニードルベアリングNB、NBまで供給するために設けられている。
すなわち、油路604、605、606は、段付きピニオンギア53の歯の形成されていない領域に潤滑油OLを供給するために設けられている。
図5に示すように、油路604の一端604aと、油路606の一端606aは、デフケース60の内周600に開口している。
本実施形態では、デフケース60の内周600において油路604、606の一端604a、606aは、かさ歯車62Aと、サイドギア63Bとが互いの歯部同士を噛合させた領域(噛合領域:図4参照)の外径側で開口している。
図5の(a)、(b)に示すように、油路604、606は、シャフト61を固定するためのピンPの挿入孔603との干渉を避けつつ直線状に設けられている。
図4に示すように、油路604、606の他端604b、606bは、デフケース60と一体に形成された側板部651まで及んでいる。
図4に示すように、側板部651では、ピニオン軸54の支持孔651aに隣接して油路605が設けられている。図5の(b)に示すように、軸線X1方向から見て、油路605は、支持孔651aよりも、デフケース60の回転軸X側(図5の(b)において下側)に設けられている。
図4に示すように、油路605は、側板部651におけるニードルベアリングNBとの対向部に開口する有底穴である。
油路605は、支持孔651aに沿う直線状に設けられており、油路605は、ピニオン軸54に外挿されたニードルベアリングNB(円柱状のコロ)に、軸線X1方向から対向する位置に開口している。
側板部651とピニオン軸54(小径歯車部532)との間には、ピニオン軸54に遊嵌した環状のワッシャW、Wが設けている。
ワッシャW、Wの内周と、ピニオン軸54の外周面540との間には、潤滑油OLが通過可能な隙間が存在している。
ピニオン軸54の外周面540には、油溝543が設けられている。油溝543は、ピニオン軸54に外挿されたワッシャW、Wの領域を、軸線X1方向に横切って設けられている。
ここで、動力伝達装置1では、遊星減速ギア5にモータ2の出力回転が入力されると、段付きピニオンギア53が軸線X1回りに回転しながら、回転軸X周りの周方向に公転する。
この際に、側板部651の支持孔651aで回転不能に支持されたピニオン軸54は、常に同じ側の面を回転軸X側に向けた状態で、回転軸X周りの周方向に変位(公転)する。
図5の(b)に示すように、本実施形態では、ピニオン軸54において油溝543は、少なくともピニオン軸54が回転軸X周りに公転する際に描く仮想円Im2(円)の内周位置(仮想円Im2よりも回転軸側の位置)に形成されている。
具体的には、ピニオン軸54の外周面540では、支持孔651aの中心と回転軸Xとを結ぶ直線Lと交差する位置に、油溝543が設けられている。そして、この油溝543は、側板部651における支持孔651aと油路605との間を切り欠いて形成した切欠部651bにより、油路605に連絡している。
そのため、図4に示すように、油路605は、ピニオン軸54に設けた油溝543を介して、ピニオン軸54の外周面540におけるニードルベアリングNBを支持する領域とワッシャWが外挿された領域との間の領域Rxに連絡している。
油路605の奥側(図4における左側)では、前記した油路604の他端604bが開口しており、油路604と油路605とが連絡している。
ピニオン軸54を支持する側板部651の支持孔651aは、ピニオン軸54とは反対側の開口が、キャップ57で封止されている。この状態において、支持孔651aの内部では、ピニオン軸54の一端54aとキャップ57との間に空間Sxが形成されている。
この空間Sxには、ピニオン軸54内を軸線X1に沿って延びる油路541が連絡している。さらに、空間Sxには、デフケース60内を直線状に延びる油路606の他端606bが開口している。前記したように、油路606の一端606aは、デフケース60の内周600に開口している。
図5の(a)、(b)に示すように、デフケース60内において油路604、606の一端604a、606aは、動力伝達装置1を搭載した車両の前進走行でのデフケース60の回転方向で、他端604b、606bよりも上流側に位置している。
本実施形態では、車両の前進走行時に、デフケース60の回転力により、ケース13内に貯留された潤滑油OLが、油路604、606の一端604a、606aから、油路604、606内に進入するように、油路604、606の向きが設定されている。
かかる構成の動力伝達装置1の作用を説明する。
動力伝達装置1では、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、遊星減速ギアと、差動装置6と、ドライブシャフト8(8A、8B)と、が設けられている。
モータ2の駆動により、ロータコア21が回転軸X回りに回転すると、ロータコア21と一体に回転するモータシャフト20を介して、遊星減速ギア5のサンギア51に回転が入力される。
遊星減速ギア5では、サンギア51が、遊星減速ギア5の出力回転の入力部となっており、段付きピニオンギア53を支持するキャリア55が、入力された回転の出力部となっている。
サンギア51が入力された回転で回転軸X回りに回転すると、段付きピニオンギア53(大径歯車部531、小径歯車部532)が、サンギア51側から入力される回転で、軸線X1回りに回転する。
ここで、段付きピニオンギア53の小径歯車部532は、ケース13の内周に固定されたリングギア52に噛合している。そのため、段付きピニオンギア53は、軸線X1回りに自転しながら、回転軸X回りに回転する。
ここで、段付きピニオンギア53では、小径歯車部532の外径R2が大径歯車部531の外径R1よりも小さくなっている(図3参照)。
これにより、段付きピニオンギア53を支持するキャリア55(側板部551、651)が、モータ2側から入力された回転よりも低い回転速度で回転軸X回りに回転する。
そのため、遊星減速ギア5のサンギア51に入力された回転は、段付きピニオンギア53により、大きく減速されたのちに、キャリア55の側板部651が一体に形成されたデフケース60(差動装置6)に出力される。
そして、デフケース60が入力された回転で回転軸X回りに回転することにより、ドライブシャフト8(8A、8B)が回転軸X回りに回転して、動力伝達装置1が搭載された車両の左右の駆動輪(図示せず)に伝達される。
ここで、デフケース60が回転軸X周りに回転すると、ケース13の下部に貯留された潤滑油OLが、回転するデフケース60により掻き上げられる。
この際に、掻き上げられた潤滑油OLの一部は、中空状のデフケース60の内部に取り込まれて、かさ歯車62A、62Bと、サイドギア63A、63Bとの噛み合い部分を潤滑する。
そして、かさ歯車62A、62Bと、サイドギア63A、63Bとの噛み合い部分を潤滑した潤滑油OLは、回転による遠心力で、かさ歯車62A、62Bの外周側に移動する。
ここで、かさ歯車62A、62Bと、サイドギア63A、63Bとの噛み合い部分では、この噛み合い部分の外径側に位置するデフケース60の内周600との間に隙間CL(図5参照)が形成されている。
そのため、回転による遠心力で、かさ歯車62A、62Bの外周側に移動した潤滑油OLの多くが、かさ歯車62A、62Bと、サイドギア63A、63Bとの噛み合い部分の外径側の隙間CLに集中する傾向がある。
図4に示すように、デフケース60では、かさ歯車62Aとサイドギア63Bとの噛み合い部分の内周600に、油路604、606の一端604a、606aが開口している。
そのため、かさ歯車62Aとサイドギア63Bとの噛み合い部分の隙間に向けて移動した潤滑油OLは、デフケース60の内周600に開口する油路604、606の一端604a、606aから、油路604、606内に進入する。
油路604内に進入した潤滑油OLは、デフケース60の回転による遠心力で、油路604内を他端604b側に移動して、他端604bが接続された油路605に流入する。
そして、油路605に流入した潤滑油OLは、油路604とは反対側の端部から、排出される。
ここで、油路605は、軸線X1方向から、段付きピニオンギア53を支持するニードルベアリングNBに対向している。
そのため、油路605から排出される潤滑油OLは、ワッシャW、Wの内周と、ピニオン軸54の外周面540との間の隙間を通って、ピニオン軸54の外周とニードルベアリングNBの内周との間に供給される。
そして、油路605から排出された潤滑油OLは、ピニオン軸54の外周を伝って、軸線X1方向に移動する。
これにより、ピニオン軸54に外挿されたニードルベアリングNB、NBのうち、段付きピニオンギア53の小径歯車部532の内径側のニードルベアリングNBが最初に潤滑される。続いて、大径歯車部531の内径側のニードルベアリングNBが潤滑される。
すなわち、段付きピニオンギア53を支持するニードルベアリングNBが、油路604と油路605を介して供給される潤滑油OLで潤滑される。
一方、油路606内に進入した潤滑油OLは、デフケース60の回転による遠心力で、油路606内を他端606b側に移動する。そうすると、油路606の他端606bは、ピニオン軸54の一端54aとキャップ57との間の空間Sxに接続しているので、油路606内を他端606b側に移動した潤滑油OLは、空間Sx内に排出される。
ここで、空間Sxには、ピニオン軸54内を軸線X1に沿って延びる油路541が連絡している。そのため、空間Sxに排出された潤滑油OLは、油路541内に流入する。
前記したように、油路541には、大径歯車部531を支持するニードルベアリングNBに対応する位置に開口する油路542と、小径歯車部532を支持するニードルベアリングNBに対応する位置に開口する油路542が連絡している。
よって、油路606から空間Sxに排出された潤滑油OLは、ピニオン軸54内の油路541を通って、軸線X1方向に移動した後、油路542を通って、ピニオン軸54の外周面540から排出される。
これにより、ピニオン軸54に外挿されたニードルベアリングNB、NBのうち、段付きピニオンギア53の小径歯車部532の内径側のニードルベアリングNBが最初に潤滑される。続いて、大径歯車部531の内径側のニードルベアリングNBが潤滑される。
すなわち、段付きピニオンギア53を支持するニードルベアリングNBが、油路606とを介して供給される潤滑油OLで潤滑される。
以上の通り、本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(1)動力伝達装置1は、
ニードルベアリングNB、NB(ころ軸受)によりピニオン軸54に支持された段付きピニオンギア53(ピニオンギア)を有する遊星減速ギア5(遊星ギア)と、
遊星減速ギア5の下流に接続された差動装置6(デファレンシャルギア)と、を有する。
差動装置6のデフケース60(デファレンシャルケース)には、デフケース60の内部からピニオン軸54に向かって潤滑油OLを流通させる油路604、605(潤滑油孔)が形成されている。
油路605は、ピニオン軸54に対して並行に設けられていると共に、油路605の開口は、ピニオン軸54の中心を通る軸線X1方向から、ニードルベアリングNBに対向している。
油路605に供給された潤滑油OLは、ピニオン軸54の外周面540をつたって、ニードルベアリングNB、NBに供給される。
このように構成すると、差動装置6のデフケース60(デファレンシャルギア)の回転により飛散する潤滑油OLが、油路604、605(潤滑油孔)を介して、ニードルベアリングNB、NBに供給されて、ニードルベアリングNB、NBが効果的に潤滑される。
ニードルベアリングNB、NBを効果的に潤滑する構造が提供される。
ここで、ピニオン軸54内に軸線X1方向に延びる油路541と、軸線X1の径方向に延びる油路542を設けて、ピニオン軸54を中空軸とすることで、ピニオン軸54内の油路541、542を介してニードルベアリングNB、NBに潤滑油を供給できる。
ニードルベアリングNB、NBを、油路604、605(潤滑油孔)を介して供給される潤滑油OLで潤滑する構成を採用すると、中空軸を採用せずに、ニードルベアリングNB、NBを効果的に潤滑できる。
(2)油路604と油路605は、デフケース60内に形成された直線状の油路である。
ニードルベアリングNB、NBに潤滑油OLを供給するための油路を、ピニオン軸54に潤滑油OLを直接的にぶつけることができる直線状の油路604、605を組み合わせて形成したので、デフケース60内に形成する油路形状(油孔形状)をシンプルにできる。
これにより、油路604、605を形成することによるデフケースの剛性と強度の低下を抑制できる。
本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(3)ピニオン軸54は、軸線X1方向に延びる油路541と、軸線X1の径方向に延びる油路542を内部に有する中空軸である。
差動装置6のデフケース60(デファレンシャルケース)には、デフケース60の内部からピニオン軸54(中空軸)に向かって潤滑油OLを流通させる油路606(潤滑油路)が形成されている。
油路606およびピニオン軸54内の油路541、542を介して、ニードルベアリングNB、NBに潤滑油OLが供給される。
このように構成すると、油路604、605(潤滑油孔)を介して供給される潤滑油OLと、油路606およびピニオン軸54内の油路541、542を介して供給される潤滑油OLを、ニードルベアリングNB、NBにそれぞれ供給できる。
ニードルベアリングNB、NBへの潤滑油OLの供給に、油路541、542が内部に形成されたピニオン軸54(中空軸)を利用しないことも可能であるが、中空軸と併用した2重経路とすることで、より効果的に潤滑油を供給することができる。
すなわち、中空軸と併用した2重経路で、潤滑油OLをニードルベアリングNB、NBに供給することが可能となるので、ニードルベアリングNB、NBを適切に潤滑できる。
本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(4)油路604、605、606(潤滑油路)は、差動装置6のデフケース60内のかさ歯車62Aとサイドギア63Bとの噛合領域と、段付きピニオンギア53における歯の形成されていない領域と、を接続する。
かさ歯車62Aとサイドギア63Bとの噛合領域が、デフケース60内に取り込まれた潤滑油が飛散しやすい領域であるので、噛合領域を、油路604、606における潤滑油の取込口(入り口)とする。また、段付きピニオンギア53の歯の形成された領域を避けて、軸線X1側(段付きピニオンギア53の脇)から潤滑油を沿わせることが合理的であるためここを出口とする。
本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(5)遊星減速ギア5の上流にモータ2が接続され、
差動装置6(デファレンシャルギア)の下流に、モータ2の内周を貫通して配置されるドライブシャフト8Bが接続されている。
このように構成すると、動力伝達装置1の縦方向(重力方向)にダウンサイジングが可能である。
(5)ピニオン軸54の外周面540(外周)に、ピニオン軸54の長手方向(軸線X1方向)に沿う油溝543が設けられている。
側板部651には、ピニオン軸54の支持孔651aと、油路605とを連絡させる切欠部651bが設けられている。
油溝543は、ピニオン軸54に外挿されたワッシャW、Wの領域を、軸線X1方向に横切って設けられている。
ピニオン軸54の外周面540におけるニードルベアリングNBを支持する領域とワッシャWが外挿された領域との間の領域Rxは、油溝543を介して、油路605に連絡している。
このように構成すると、ピニオン軸54の外周面540に設けた油溝543により、油路605に供給された潤滑油OLを、ピニオン軸54の外周面540とニードルベアリングNBの内周との間にガイドすることができる。
これにより、ニードルベアリングNBの潤滑量を効率的に上げることができる。
側板部651と段付きピニオンギア53との間に、ワッシャW、Wが設けられている場合には、ワッシャW、Wの内周と、ピニオン軸54の外周面540とのクリアランスを詰めることができる。これにより、ワッシャW、Wが設けられた部分からの潤滑油OLのリーク量を低減することができる。
(6)ピニオン軸54は、デフケース60と一体に形成された側板部651に、自転不能に支持されている。
ピニオン軸54は、デフケース60の回転軸X回りの回転に伴って、回転軸X周りに公転する。
油溝543は、少なくともピニオン軸54が回転軸X周りに公転する際に描く仮想円Im2(円)の内周位置に形成されている。
このように構成すると、油溝543が、ピニオン軸54が公転する際の遠心力で飛散する潤滑油OLを効率的にキャッチできる位置に配置される。
油溝543は、回転軸X側に開口を向けて設けられていると、遠心力で飛散した潤滑油OLを、油溝543で捉えて、ニードルベアリングNB側に誘導できるので、ニードルベアリングNBの効率的な潤滑が可能になる。
(7)ピニオン軸54が回転軸X周りに公転する際に描く仮想円Im2(円)の外周位置には、油溝543を形成しない。
ピニオン軸54の外周面540に設ける油溝543の数は、1つでも複数でも良い。
ここで、ピニオン軸54において、回転軸Xから見て仮想円Im2よりも外径側の外周面540に油溝543が形成されていると、油溝543内の潤滑油OLが、ピニオン軸54が公転する際の遠心力で飛散する。そうすると、ニードルベアリングNB側に誘導されずに飛散する潤滑油OLの量(リーク量)が、単純に増えるだけになる。そこで、回転軸Xから見て仮想円Im2よりも内径側の外周面540に局所的に油溝543を形成することで、油溝543内の潤滑油OLを、飛散させずに、ニードルベアリングNB側に誘導できる。
ここで、本明細書における用語「下流に接続」とは、上流に配置された部品から下流に配置された部品へと動力が伝達される接続関係にあることを意味する。
例えば、モータ2の下流に接続された遊星減速ギア5という場合は、モータ2から遊星減速ギア5へと動力が伝達されることを意味する。
また、本明細書における用語「直接接続」とは、他の減速機構、増速機構、変速機構などの減速比が変換される部材を介さずに部材同士が動力伝達可能に接続されていることを意味する。
前記した実施形態では、段付きピニオンギア53を採用した遊星減速ギア5を例示したが、段付きでないピニオンギアを採用した遊星減速ギアを採用しても良い。
なお、モータ2の出力部(モータシャフト20)と遊星減速ギア5の入力部(サンギア51)との連結態様は、前記した実施形態のものに限定されない。
モータ2の出力部(モータシャフト20)と遊星減速ギア5の入力部(サンギア51)とを、別のギア部品などを介して回転伝達可能に連結した構成としても良い。
さらに、実施形態では、減速機構が、段付きピニオンギア53を備える遊星減速ギア5であり、モータ2の出力回転の伝達経路上に、ひとつの遊星減速ギア5が設けられている場合を例示した。
本発明は、この態様にのみに限定されない。モータ2の出力回転の伝達経路上に、複数の遊星減速ギアが直列に配置されている構成としても良い。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は、これら実施形態に示した態様のみに限定されるものではない。発明の技術的な思想の範囲内で、適宜変更可能である。
1 動力伝達装置
10 モータハウジング
11 カバー
110 接合部
111 モータ支持部
112 支持筒
113 側壁部
114 開口部
115 接続部
12 中間ケース
120 基部
121 モータ支持部
121a 端面
122 円筒壁
123 接続部
123a 段部
124 凹部
125 ベアリングリテーナ
13 ケース
130 開口部
131 支持部
2 モータ
20 モータシャフト
203 大径部
204 段部
205 ストッパ
21 ロータコア
23 ストッパ
25 ステータコア
251 ヨーク部
252 ティース部
253 巻線
253a、253b コイルエンド
5 遊星減速ギア
51 サンギア
510 貫通孔
511 連結部
52 リングギア
53 ピニオンギア
530 貫通孔
531 大径歯車部
532 小径歯車部
54 ピニオン軸
540 外周面
541、542 油路
543 油溝
55 キャリア
551 側板部
552 筒状部
56 接続片
57 キャップ
6 差動装置
60 デフケース
600 内周
601、602 支持部
603 挿入孔
604、605、606 油路
604a、606a 一端
604b、606b 他端
651 側板部
651a 支持孔
651b 切欠部
60a、60b 軸孔
61 シャフト
61a 一端
61b 他端
62A、62B かさ歯車
63A、63B サイドギア
64 球面ワッシャ
8(8A、8B) ドライブシャフト
9 本体ケース
B1、B2、B3 ベアリング
CL 隙間
NB ニードルベアリング
OL 潤滑油
P ピン
RS リップシール
S シールリング
Sa 空間(モータ室)
Sb 空間(ギア室)
Sx 空間
W ワッシャ
X 回転軸
X1、Y 軸線

Claims (7)

  1. ころ軸受によりピニオン軸に支持されたピニオンギアを有する遊星ギアと、
    前記遊星ギアの下流に接続されたデファレンシャルギアと、を有し、
    前記デファレンシャルギアのデファレンシャルケースには前記デファレンシャルギアの内部から前記ピニオン軸に向かって潤滑油を流通させる潤滑油孔が形成されており、
    前記潤滑油孔に供給された潤滑油は前記ピニオン軸の外周面をつたって前記ころ軸受に供給されることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1において、
    前記デファレンシャルギアのデファレンシャルケースには前記デファレンシャルギアの内部から前記ピニオン軸の中空軸に向かって潤滑油を流通させる潤滑油孔が形成されており、
    前記潤滑油孔及び前記中空軸を介して前記ころ軸受へ潤滑油が供給されることを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記潤滑油孔は、前記デファレンシャルギア内の歯の噛合領域と、前記ピニオンギアにおける歯の形成されていない領域と、を接続すること特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    前記遊星ギアの上流にモータが接続され、
    前記デファレンシャルギアの下流に、前記モータの内周を貫通して配置されるドライブシャフトが接続されていることを特徴とする動力伝達装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
    前記ピニオン軸の外周に油溝を有することを特徴とする動力伝達装置。
  6. 請求項5において、
    前記ピニオン軸は前記デファレンシャルケースに自転不能に支持されていると共に前記デファレンシャルケースの回転に伴い公転し、
    前記油溝は、少なくとも前記ピニオン軸が公転して描く円の内周位置に形成されていることを特徴とする動力伝達装置。
  7. 請求項6において、
    前記ピニオン軸が公転して描く円の外周位置に油溝を形成しないことを特徴とする動力伝達装置。
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