JP2020200939A - 潤滑構造 - Google Patents

潤滑構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2020200939A
JP2020200939A JP2019110605A JP2019110605A JP2020200939A JP 2020200939 A JP2020200939 A JP 2020200939A JP 2019110605 A JP2019110605 A JP 2019110605A JP 2019110605 A JP2019110605 A JP 2019110605A JP 2020200939 A JP2020200939 A JP 2020200939A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lubricating oil
gear
pinion gear
rotation axis
revolution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019110605A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7392218B2 (ja
Inventor
和彦 横山
Kazuhiko Yokoyama
和彦 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JATCO Ltd
Original Assignee
JATCO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JATCO Ltd filed Critical JATCO Ltd
Priority to JP2019110605A priority Critical patent/JP7392218B2/ja
Publication of JP2020200939A publication Critical patent/JP2020200939A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7392218B2 publication Critical patent/JP7392218B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】潤滑油の捕集効率を向上する。【解決手段】第2遊星減速ギア5の段付きピニオンギア53を支持するピニオン軸54に対して、段付きピニオンギア53の軸線X2方向側から潤滑油OLを供給する油孔541、542を有し、段付きピニオンギア53の回転軸X周りの公転に伴って、油溜りT内を通過するガイド部72を備える潤滑油導入部70を有し、潤滑油導入部70のガイド部72は、段付きピニオンギア53の回転軸X周りの公転方向に向かって開口する可動板74と、可動板74から公転方向に沿った流れで流入する潤滑油OLを貫通孔713に案内する固定板73と、を有する潤滑構造7とした。【選択図】図7

Description

本発明は、遊星歯車機構の潤滑構造に関する。
特許文献1には、遊星歯車機構の潤滑構造として、回転時の遠心力により飛散した潤滑油を捕集するプレートを設置することが開示されている。
特開2002−286119号公報
特許文献1に記載された発明は、遠心力を利用するため、遊星歯車機構へ供給するための潤滑油の捕集効率を向上させることに課題がある。
そこで、遊星歯車機構へ供給するための潤滑油の捕集効率を向上させることが求められている。
本発明は、
遊星歯車機構のピニオンギアを支持する軸受に対して、前記ピニオンギアの軸方向側から潤滑油を供給する潤滑油路を有する潤滑構造であって、
前記ピニオンギアの公転に伴い油溜り内を通過する潤滑油導入部を有し、
前記潤滑油導入部は、前記ピニオンギアの公転方向に向かって開口する開口部と、前記開口部から前記公転方向に沿った流れで流入する潤滑油を前記潤滑油路の入口に案内するガイド部と、を有する構成の潤滑構造とした。
本発明によれば、遊星歯車機構へ供給するための潤滑油の捕集効率を向上させることができる。
実施形態にかかる動力伝達装置を説明する図である。 動力伝達装置の減速機構周りの拡大図である。 動力伝達装置の差動装置周りの拡大図である。 潤滑構造を説明する図である。 潤滑構造を説明する図である。 潤滑構造を説明する図である。 潤滑構造の作用を説明する図である。 変形例にかかる潤滑構造を説明する図である。
以下、本実施形態にかかる潤滑構造7を、電動車両EVにおける動力伝達装置1の構成要素の1つである減速機構3(第2遊星減速ギア5)に適用したものを例に挙げて説明する。
図1は、本実施形態にかかる動力伝達装置1を説明する図である。
図2は、動力伝達装置1の減速機構3周りの拡大図である。
図3は、動力伝達装置1の差動装置6周りの拡大図である。
なお、図面中、前後左右上下方向とは、電動車両EVに搭乗する運転者から見た方向を示しているものとして説明する。
動力伝達装置1は、モータ2と、モータ2の出力回転を減速して差動装置6に入力する減速機構3(第1遊星減速ギア4、第2遊星減速ギア5)と、ドライブシャフト8(8A、8B)と、を有している。
動力伝達装置1では、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、減速機構3(第1遊星減速ギア4、第2遊星減速ギア5)と、差動装置6と、ドライブシャフト8(8A、8B)と、が設けられている。
モータ2の出力回転は、減速機構3で減速されて差動装置6に入力された後、ドライブシャフト8(8A、8B)を介して、電動車両EVの左右の駆動輪(図示せず)に伝達される。図1では、ドライブシャフト8Aが、電動車両EVの左輪に回転伝達可能に接続されていると共に、ドライブシャフト8Bが、右輪に回転伝達可能に接続されている。
ここで、第1遊星減速ギア4は、モータ2の下流に接続されており、第2遊星減速ギア5は、第1遊星減速ギア4の下流に接続されている。差動装置6は、第2遊星減速ギア5の下流に接続されており、ドライブシャフト8(8A、8B)は、差動装置6の下流に接続されている。
モータ2は、円筒状のモータシャフト20と、モータシャフト20に外挿された円筒状のロータコア21と、ロータコア21の外周を所定間隔で囲むステータコア25とを、有している。
モータシャフト20は、ドライブシャフト8Bに外挿された状態で、ドライブシャフト8Bに対して相対回転可能に設けられている。
モータシャフト20では、長手方向の一端20a側と他端20b側の外周に、ベアリングB1、B1が外挿されて固定されている。
モータシャフト20の一端20a側は、ベアリングB1を介して、中間ケース12の円筒状のモータ支持部121で回転可能に支持されている。
モータシャフト20の他端20b側は、ベアリングB1を介して、カバー11の円筒状のモータ支持部111で回転可能に支持されている。
モータ2は、ロータコア21の外周を所定間隔で囲むモータハウジング10を有している。本実施形態では、モータハウジング10の一端10aに、中間ケース12が接合されており、モータハウジング10の他端10bに、カバー11が接合されている。
モータハウジング10の一端10aと他端10bには、シールリングS、Sが設けられている。モータハウジング10の一端10aは、当該一端10aに設けたシールリングSにより、中間ケース12の環状の基部120に隙間なく接合されている。
モータハウジング10の他端10bは、当該他端10bに設けたシールリングSにより、カバー11の環状の接合部110に隙間なく接合されている。
これにより、モータハウジング10の内側に、モータハウジング10とカバー11と中間ケース12とで囲まれた空間Sa(モータ室)が形成されている。
本実施形態では、モータハウジング10と、カバー11と、中間ケース12と、後記するケース13および中間カバー14とで、動力伝達装置1の本体ケース9を構成している。
本体ケース9の内部空間は、中間ケース12を境にして、モータハウジング10側の空間Saが、モータ2を収容するモータ室となっている。そして、ケース13側の空間Sb、Scが、減速機構3(第1遊星減速ギア4、第2遊星減速ギア5)を収容するギア室となっている。
そして、ギア室は、後記する中間カバー14により、第1遊星減速ギア4を収容する空間Sbと、第2遊星減速ギア5およびデフケース60を収容する空間Scとに、区画されている。
カバー11では、接合部110とモータ支持部111とが、回転軸X方向で位置をずらして設けられている。
本実施形態では、カバー11の接合部110をモータハウジング10の他端10bに固定すると、モータ支持部111が、モータハウジング10の内側に挿入されるようになっている。
この状態においてモータ支持部111は、後記するコイルエンド253bの内径側で、ロータコア21の他端部21bに、回転軸X方向の隙間をあけて対向して配置される。
そして、モータ支持部111と、カバー11の側壁部113とを接続する接続部115は、コイルエンド253bと後記する支持筒112との接触を避けて設けられている。
中間ケース12では、環状の基部120と、モータ支持部121とが、回転軸X方向で位置をずらして設けられている。
本実施形態では、中間ケース12をモータハウジング10の一端10aに固定すると、モータ支持部121が、モータハウジング10の内側に挿入されるようになっている。
この状態においてモータ支持部121は、後記するコイルエンド253aの内径側で、ロータコア21の一端部21aに、回転軸X方向の隙間をあけて対向して配置される(図2参照)。
そして、図2に示すように、基部120とモータ支持部121とを接続する接続部123は、コイルエンド253aと後記する側板部452との接触を避けて設けられている。
なお、モータ支持部121のロータコア21側の端面121aには、ベアリングリテーナ125が固定されている。
ベアリングリテーナ125は、回転軸X方向から見てリング状を成している。ベアリングリテーナ125の内径側は、モータ支持部121で支持されたベアリングB1のアウタレースB1bの側面に回転軸X方向から当接している。ベアリングリテーナ125は、モータ支持部121からのベアリングB1の脱落を阻止している。
図1に示すように、モータハウジング10の内側では、カバー11側のモータ支持部111と、中間ケース12側のモータ支持部121との間に、ロータコア21が配置されている。
ロータコア21は、複数の珪素鋼板を積層して形成したものであり、珪素鋼板の各々は、モータシャフト20との相対回転が規制された状態で、モータシャフト20に外挿されている。
モータシャフト20の回転軸X方向から見て、珪素鋼板はリング状を成しており、珪素鋼板の外周側では、図示しないN極とS極の磁石が、回転軸X周りの周方向に交互に設けられている。
回転軸X方向におけるロータコア21の一端部21aは、モータシャフト20の大径部203で位置決めされている。ロータコア21の他端部21bは、モータシャフト20に圧入されたストッパ23で位置決めされている。
ステータコア25は、複数の電磁鋼板を積層して形成したものであり、電磁鋼板の各々は、モータハウジング10の内周に固定されたリング状のヨーク部251と、ヨーク部251の内周からロータコア21側に突出するティース部252を、有している。
本実施形態では、巻線253を、複数のティース部252に跨がって分布巻きした構成のステータコア25を採用しており、ステータコア25は、回転軸X方向に突出するコイルエンド253a、253bの分だけ、ロータコア21よりも回転軸X方向の長さが長くなっている。
なお、ロータコア21側に突出する複数のティース部の各々に、巻線を集中巻きした構成のステータコアを採用しても良い。
モータシャフト20では、大径部203よりも一端20a側の領域の外周に、ベアリングB1が圧入されている。
図2に示すように、ベアリングB1のインナレースB1aは、回転軸X方向の一方の側面が、モータシャフト20の外周に設けた段部204に当接している。インナレースB1aは、他方の側面に、モータシャフト20の外周に圧入されたリング状のストッパ205が当接している。
ストッパ205によりベアリングB1は、インナレースB1aを、段部204に当接させた位置で位置決めされている。
モータシャフト20の一端20aは、ストッパ205よりも差動装置6側(図中、左側)に位置している。回転軸X方向において一端20aは、第1遊星減速ギア4のサンギア41の側面41aに、間隔をあけて対向している。
モータシャフト20の一端20a側では、モータシャフト20の径方向外側に、円筒壁122が位置している。
円筒壁122は、モータ支持部121から差動装置6側に突出しており、円筒壁122の先端122aは、第1遊星減速ギア4のサンギア41の側面41aに間隔をあけて対向している。
円筒壁122は、モータシャフト20の外周を所定間隔で囲んでおり、円筒壁122とモータシャフト20との間には、リップシールRSが設置されている。
リップシールRSは、モータハウジング10の内径側の空間Sa(図1参照)と、中間ケース12の内径側の空間Sb(図1参照)とを、区画するために設けられている。
中間ケース12の内径側の空間Sbは、後記する差動装置6を収容するケース13内の空間Scと連絡しており、差動装置6の潤滑油OLが封入されている。リップシールRSは、モータハウジング10の内径側の空間Saへの潤滑油OLの流入を阻止するために設けられている。
図2に示すように、モータシャフト20の一端20a側の領域202は、ロータコア21が外挿された領域201よりも大きい内径で形成されている。
この一端20a側の領域202の内側には、サンギア41の円筒状の連結部411が挿入されている。この状態において、モータシャフト20の一端20a側の領域202と、サンギア41の連結部411とが、相対回転不能にスプライン嵌合している。
そのため、モータ2の出力回転が、モータシャフト20を介して、第1遊星減速ギア4のサンギア41に入力されて、サンギア41がモータ2の回転駆動力で、回転軸X回りに回転する。
第1遊星減速ギア4は、サンギア41と、リングギア42と、ピニオンギア43と、キャリア45と、を有している。
サンギア41は、内径側の側面41aから回転軸X方向に延びる連結部411を有している。連結部411は、サンギア41と一体に形成されおり、サンギア41の内径側と連結部411の内径側とに跨がって、貫通孔410が形成されている。
サンギア41は、貫通孔410を貫通したドライブシャフト8Bの外周で回転可能に支持されている。
回転軸Xの径方向におけるサンギア41の外径側には、リングギア42が位置している。リングギア42は、中間ケース12の基部120の内周にスプライン嵌合している。
中間ケース12は、固定側部材であるので、リングギア42は、回転軸X回りの回転が規制された状態で設けられている。
回転軸Xの径方向において、サンギア41とリングギア42の間では、ピニオン軸44で回転可能に支持されたピニオンギア43が、サンギア41の外周と、リングギア42の内周に噛合している。
ピニオンギア43は、ニードルベアリングNBを介して、ピニオン軸44の外周で回転可能に支持されている。ピニオン軸44は、ピニオンギア43を回転軸Xに平行な軸線X1方向に貫通している。ピニオン軸44の長手方向の一端と他端は、キャリア45の一対の側板部451、452で支持されている。
側板部451、452は、回転軸X方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。
側板部451、452の間では、複数のピニオンギア43が回転軸X周りの周方向に所定間隔で複数(例えば、4つ)設けられている。
差動装置6側に位置する側板部451には、円筒状の連結部453が設けられている。
側板部451において連結部453は、回転軸Xに対して同心に配置されていると共に、回転軸Xに沿って、差動装置6に近づく方向(図中、左方向)に突出している。
中間ケース12から見て差動装置6側には、リング状の中間カバー14が位置している。
中間カバー14の外径側の基部143は、中間ケース12とケース13との間に挟み込まれた状態で設けられている。
側板部451の内径側に設けられた連結部453は、中間カバー14の中央の開口140を、モータ2側から差動装置6側(図中、左側)に貫通している。
連結部453の先端453aは、中間カバー14内に位置している。回転軸X方向において連結部453の先端453aの延長上には、第2遊星減速ギア5のサンギア51と段付きピニオンギア53(大径歯車部531)との噛み合い部分が位置している。
連結部453の内側には、サンギア51から延びる円筒状の連結部511が挿入されてスプライン嵌合しており、第1遊星減速ギア4側の連結部453と、第2遊星減速ギア5側の連結部511とが、相対回転不能に連結されている。
第1遊星減速ギア4では、サンギア41が、モータ2の出力回転の入力部となっており、ピニオンギア43を支持するキャリア45(連結部453)が、入力された回転の出力部となっている。
第2遊星減速ギア5では、サンギア51が、モータ2の出力回転の入力部となっている。
サンギア51は、内径側の側面51aから回転軸X方向に延びる連結部511を有している。連結部511は、サンギア51と一体に形成されおり、サンギア51の内径側と連結部511の内径側とに跨がって、貫通孔510が形成されている。
サンギア51は、貫通孔510を貫通したドライブシャフト8Bの外周で回転可能に支持されている。
サンギア51の差動装置6側(図中、左側)の側面51bは、後記するデフケース60の筒状の支持部601に、回転軸X方向の隙間をあけて対向しており、側面51bと支持部601との間には、ニードルベアリングNBが介在している。
サンギア51は、前記した第1遊星減速ギア4側の連結部453の延長上で、段付きピニオンギア53の大径歯車部531に噛合している。
段付きピニオンギア53は、サンギア51に噛合する大径歯車部531と、大径歯車部531よりも小径の小径歯車部532とを有している。
段付きピニオンギア53は、大径歯車部531と小径歯車部532が、回転軸Xに平行な軸線X2方向で並んで、一体に設けられたギア部品である。
段付きピニオンギア53は、大径歯車部531と小径歯車部532の内径側を軸線X2方向に貫通した貫通孔530を有している。
段付きピニオンギア53は、貫通孔530を貫通したピニオン軸54の外周で、ニードルベアリングNBを介して回転可能に支持されている。
ピニオン軸54の長手方向の一端と他端は、デフケース60と一体に形成された側板部651と、この側板部に間隔をあけて配置された側板部551で支持されている。
側板部651、551は、回転軸X方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。
側板部651、551の間では、複数の段付きピニオンギア53が回転軸X周りの周方向に所定間隔で複数(例えば、3つ)設けられている。
小径歯車部532の各々は、リングギア52の内周に噛合している。リングギア52は、ケース13の内周にスプライン嵌合しており、リングギア52は、ケース13との相対回転が規制されている。
側板部551の内径側には、第1遊星減速ギア4側に延びる筒状部552が設けられている。筒状部552は、中間カバー14の中央の開口140を、差動装置6側からモータ2側(図中、右側)に貫通している。回転軸X方向において筒状部552の先端552aは、第1遊星減速ギア4のキャリア45の側板部451に、間隔をあけて対向している。
筒状部552は、第1遊星減速ギア4側の連結部453と、第2遊星減速ギア5側の連結部511との噛み合い部分の径方向外側に位置している。筒状部552の外周には、中間カバー14の開口140の内周に固定されたベアリングB3が接触している。側板部551の筒状部552は、ベアリングB3を介して、中間カバー14で回転可能に支持されている。
第2遊星減速ギア5では、キャリア55を構成する側板部551と側板部651のうちの一方の側板部651は、差動装置6のデフケース60と一体に形成されている。
第2遊星減速ギア5では、第1遊星減速ギア4で減速されたモータ2の出力回転が、サンギア51に入力される。
サンギア51に入力された出力回転は、サンギア51に噛合する大径歯車部531を介して、段付きピニオンギア53に入力されて、段付きピニオンギア53が軸線X2回りに回転する。
そうすると、大径歯車部531と一体に形成された小径歯車部532は、大径歯車部531と一体に軸線X2周りに回転する。
ここで、小径歯車部532は、ケース13の内周に固定されたリングギア52に噛合している。そのため、小径歯車部532が軸線X2回りに回転すると、段付きピニオンギア53は、軸線X2回りに自転しながら、回転軸X周りに公転する。
そうすると、図3に示すように、ピニオン軸54の一端が、デフケース60と一体に形成された側板部651に支持されているので、段付きピニオンギア53の公転に連動して、デフケース60が回転軸X回りに回転する。
ここで、段付きピニオンギア53では、小径歯車部532の外径R2が大径歯車部531の外径R1よりも小さくなっている(図3参照)。
そして、第2遊星減速ギア5では、サンギア51が、モータの出力回転の入力部となっており、段付きピニオンギア53を支持するキャリア55が、入力された回転の出力部となっている。
そうすると、第2遊星減速ギア5のサンギア51に入力された回転は、段付きピニオンギア53により大きく減速されたのちに、キャリア55の側板部651が一体に形成されたデフケース60に出力される。
図3に示すように、デフケース60は、シャフト61と、かさ歯車62A、62Bと、サイドギア63A、63Bとを、内部に収納する中空状に形成されている。
デフケース60では、回転軸X方向(図中、左右方向)の両側部に、筒状の支持部601、602が設けられている。支持部601、602は、シャフト61から離れる方向に、回転軸Xに沿って延出している。
支持部601の外径側には、キャリア55の側板部651と側板部551とを接続する接続片56が設けられている。
接続片56のデフケース60側の一端は、側板部651とデフケース60の外周とに跨がって設けられており、他端は、回転軸X方向から側板部551に接続されている。
接続片56は、前記した段付きピニオンギア53との干渉を避けた位置に設けられている。前記したように、段付きピニオンギア53は、回転軸X周りの周方向に所定間隔で複数(例えば、3つ)設けられている。
接続片56は、回転軸X回りの周方向で隣り合う段付きピニオンギア53の間に設けられている。
支持部602の外周には、ベアリングB2のインナレースB2aが圧入されている。
ベアリングB2のアウタレースB2bは、ケース13のリング状の支持部131で保持されており、デフケース60の支持部602は、ベアリングB2を介して、ケース13で回転可能に支持されている。
支持部602には、ケース13の開口部130を貫通したドライブシャフト8Aが、回転軸X方向から挿入されており、ドライブシャフト8Aは、支持部602で回転可能に支持されている。
開口部130の内周には、リップシールRSが固定されており、リップシールRSの図示しないリップ部が、ドライブシャフト8Aの外周に弾発的に接触することで、ドライブシャフト8Aの外周と開口部130の内周との隙間が封止されている。
図1に示すように、支持部601には、カバー11の開口部114を貫通したドライブシャフト8Bが、回転軸X方向から挿入されている。
ドライブシャフト8Bは、モータ2のモータシャフト20と、第1遊星減速ギア4のサンギア41の内径側と、第2遊星減速ギア5のサンギア51の内径側を回転軸X方向に横切って設けられており、ドライブシャフト8Bの先端側が、支持部601で回転可能に支持されている。
カバー11の開口部114の内周には、リップシールRSが固定されており、リップシールRSの図示しないリップ部が、ドライブシャフト8Bの外周に弾発的に接触することで、ドライブシャフト8Bの外周と開口部114の内周との隙間が封止されている。
デフケース60の内部では、ドライブシャフト8A、8Bの先端部の外周に、サイドギア63A、63Bがスプライン嵌合しており、サイドギア63A、63Bとドライブシャフト8(8A、8B)とが、回転軸X周りに一体回転可能に連結されている。
図3に示すように、デフケース60には、回転軸Xに直交する方向に貫通した軸孔60a、60bが、回転軸Xを挟んで対称となる位置に設けられている。
軸孔60a、60bは、回転軸Xに直交する軸線Y上に位置しており、シャフト61の一端61a側および他端61b側が挿入されている。
シャフト61の一端61a側および他端61b側は、ピンPでデフケース60に固定されており、シャフト61は、軸線Y周りの自転が禁止されている。
シャフト61は、デフケース60内において、サイドギア63A、63Bの間に位置しており、軸線Yに沿って配置されている。
デフケース60内においてシャフト61には、かさ歯車62A、62Bが外挿して回転可能に支持されている。
かさ歯車62A、62Bは、シャフト61の長手方向(軸線Yの軸方向)で間隔を空けて2つ設けられており、かさ歯車62A、62Bは、互いの歯部を対向させた状態で配置されている。シャフト61においてかさ歯車62A、62Bは、当該かさ歯車62A、62Bの軸心を、シャフト61の軸心と一致させて設けられている。
デフケース60内において、回転軸Xの軸方向におけるかさ歯車62A、62Bの両側には、サイドギア63A、63Bが位置している。
サイドギア63A、63Bは、互いの歯部を対向させた状態で、回転軸Xの軸方向に間隔を空けて2つ設けられており、かさ歯車62A、62Bとサイドギア63A、63Bとは、互いの歯部を噛合させた状態で組み付けられている。
ケース13(空間Sc)の下部には潤滑油OLの油溜りTが形成されている。デフケース60の下部側は、油溜りTに浸っている(図3参照)。
本実施形態では、油溜りTは、シャフト61の一端61aまたは他端61bが最も下部側に位置した際に、シャフト61の一端61aまたは他端61bが少なくとも油溜りT内に位置する高さまで貯留されている。
前記したようにデフケース60は、減速機構3を介して入力されるモータ2の出力回転で、回転軸X回りに回転する。この際に中空状に形成されたデフケース60の内部に、ケース13内の潤滑油OLが取り込まれて、デフケース60内のかさ歯車62A、62Bとサイドギア63A、63Bとが潤滑される。
さらに、第2遊星減速ギア5のキャリア55が、デフケース60と一体に形成されている。そのため、デフケース60が回転軸X回りに回転すると、第2遊星減速ギア5のキャリア55で支持された段付きピニオンギア53が、回転軸X周りに公転して、油溜りTの潤滑油OLを掻き上げる。
これにより、第2遊星減速ギア5の構成要素(サンギア51、リングギア52、段付きピニオンギア53)が潤滑される。
図3に示すように、第2遊星減速ギア5の段付きピニオンギア53は、キャリア55の側板部651、551で支持されたピニオン軸54の外周に、ニードルベアリングNBを介して回転可能に支持されている。
ピニオン軸54の外周では、大径歯車部531の内径側と、小径歯車部532の内径側に、ニードルベアリングNBがそれぞれ設けられている。ピニオン軸54の外周においてニードルベアリングNB、NBは、軸線X2方向に直列に並んでいる。
ピニオン軸54の中心には、油孔541が設けられている。油孔541は、ピニオン軸54の中心を通る軸線X2に沿って、ピニオン軸54を一端から他端まで貫通している。
ピニオン軸54の内部には、軸線X2に直交する向きで油孔542が設けられている。油孔542は、大径歯車部531を支持するニードルベアリングNBと、小径歯車部532を支持するニードルベアリングNBに対応する位置に、それぞれ1つずつ設けられている。本実施形態では、油孔542は、ニードルベアリングNBの軸線X2方向の長さの略中央位置に設けられている。
本実施形態にかかる第2遊星減速ギア5の潤滑構造7では、当該第2遊星減速ギア5の構成要素の一つである段付きピニオンギア53へ潤滑油を供給するために、キャリア55の側板部651に、潤滑油導入部70が設けられている。
[潤滑油導入部]
図4は、潤滑構造7を説明する図である。図4の(a)は、潤滑油導入部70を説明する図であり、回転軸X方向におけるデフケース60側から見たキャリア55の斜視図である。図4の(b)は、図4の(a)のA−A矢視図である。なお、図4では段付きピニオンギア53の記載は省略してある。
図5は、潤滑構造7を説明する図であり、図4の(b)のB−B断面の模式図である。なお、図5では、段付きピニオンギア53周りを記載した状態を示してある。
図6は、潤滑構造7におけるガイド部72を説明する図である。図6の(a)は、図5のA領域の拡大図である。図6の(b)は、ガイド部72の斜視図である。図6の(c)は、図6の(a)のA−A断面の模式図である。
図4の(a)、(b)に示すように、潤滑油導入部70は、基部71と、当該基部71に固定されたガイド部72と、を有している。基部71は回転軸X方向から見てリング状を成している。基部71の外径R3は、側板部651の外径と略整合する。
基部71は、当該基部71の中心線を回転軸Xに一致させた状態で側板部651のデフケース60側の側面651aに取り付けられている(図3参照)。
基部71には、当該基部71の外周縁に設けられた弧状壁711と、基部71の内周縁を全周に亘って囲む円筒壁712と、が設けられている。
弧状壁711と円筒壁712とは、回転軸X方向で側板部651から離れる方向に延出している。弧状壁711は、回転軸X周りの周方向(公転方向)に等間隔で3カ所設けられている。
回転軸Xの径方向における弧状壁711と円筒壁712の間には、基部71を貫通する貫通孔713が形成されている(図4の(b)における仮想線参照)。弧状壁711と同様に、貫通孔713も公転方向に等間隔で3カ所設けられている。
また、公転方向における貫通孔713、713の間には、図示しないボルト孔が形成されている。ボルト孔も公転方向に等間隔で3カ所設けられている。基部71はボルト孔にボルトBを螺入することで、キャリア55の側板部651に固定されている。なお、基部71は側板部651と一体に形成されていても良い。
図5に示すように、貫通孔713の中心線は、側板部651に設けたピニオン軸54の支持孔651bの中心線(軸線X2)と一致している。貫通孔713は、支持孔651bの孔径と略整合する孔径を有している。
貫通孔713と支持孔651bは、ピニオン軸54の油孔541、542と空間Scとを連通している。貫通孔713は、油孔541、542に潤滑油OLを流入させる入口となっている。
貫通孔713の開口は、軸線X2方向におけるデフケース60側からガイド部72で塞がれている。ガイド部72は、軸線X2の径方向における弧状壁711と円筒壁712の間に配置されている。
この状態において、基部71の弧状壁711は、ガイド部72よりも公転方向上流側に延びている(図4の(b)参照)。
図6の(a)〜(c)に示すように、ガイド部72は、一対の板状部材73、74から構成されている。一対の板状部材73、74は弾性部材であり、後記する連結ピンP1と後記するスプリングSpで連結されている。
詳細は後記するが、一方の板状部材73は、基部71に固定されている(以下、固定板73と標記する)。他方の板状部材74は、基部71(固定板73)に対して回動可能に設けられている(以下、可動板74と標記する)。
図5に示すように、固定板73と可動板74は、公転方向に並んで設けられている。基部71が回転軸X回りに回転すると、固定板73と可動板74は、回転軸X周りに公転する。
本実施形態では、電動車両EVが前進する場合、モータ2の出力回転でデフケース60が回転軸Xの時計回り方向(図4の(b)における矢印方向)を正転とした場合について説明する。
この場合において、可動板74と固定板73は、公転中に潤滑油OLが可動板74側から固定板73側へ向かって流れる(図5における白矢印参照)ように配置されている。
以下の説明では、ガイド部72における可動板74側を公転方向上流側とし、固定板73側を公転方向下流側として説明する。
[固定板73]
図6の(a)、(c)に示すように、ガイド部72の固定板73は、基板730を有している。基板730は、当該基板730の厚み方向を軸線X2方向に沿わせた状態で配置されている。
図6の(a)、(b)に示すように、基板730には、公転方向における可動板74との対向部に、連結片731と当接片732とが設けられている。これら連結片731と当接片732は、軸線X2方向に並んで設けられている。当接片732は、軸線X2方向で連結片731よりも貫通孔713側(図6の(a)中、右側)に設けられている。基板730、連結片731及び当接片732は一体に形成されている。
図6の(c)に示すように、連結片731は、基板730の軸線X2に直交する方向における弧状壁711と円筒壁712との対向部にそれぞれ設けられている。
[可動板74]
図6の(a)、(c)に示すように、ガイド部72の可動板74は、基板740を有している。基板740は、当該基板740の厚み方向を軸線X2方向に沿わせた状態で配置されている。
図6の(a)、(b)に示すように、基板740には、公転方向における固定板73との対向部に、連結片741と当接片742が設けられている。これら連結片741と当接片742は、軸線X2方向に並んで設けられている。当接片742は、軸線X2方向で連結片741よりも貫通孔713側(図6の(a)中、右側)に設けられている。基板740、連結片741及び当接片742は、一体に形成されている。
図6の(c)に示すように、連結片741は、基板740の軸線X2に直交する方向における弧状壁711と円筒壁712との中間位置に設けられている。
図6の(b)、(c)に示すように、ガイド部72は、軸線X2に直交する方向における固定板73の連結片731、731の間に、可動板74の連結片741が収容された状態となっている。これら固定板73の連結片731、731と、可動板74の連結片741には、1本の連結ピンP1が挿入されている。これにより、固定板73と可動板74は分離不能になっている。
図6の(c)に示すように、連結ピンP1は、軸線X2に直交する方向で、弧状壁711と円筒壁712とに跨って設けられている。固定板73と可動板74は、連結ピンP1を介して基部71に連結されている。可動板74は、基部71に対して連結ピンP1の中心軸Y2回りに回動可能に固定されている。
さらに、固定板73の基板730には、支持ピンP2が挿入されている。
図6の(c)に示すように、支持ピンP2は、弧状壁711と円筒壁712とに跨って設けられており、連結ピンP1と平行に配置されている。固定板73は、連結ピンP1と支持ピンP2とによって、基部71に対して回転不能に固定されている。
図6の(c)に示すように、可動板74の連結片741の内部には、スプリングSpが収容されている。このスプリングSpは、連結ピンP1に外挿されていると共に、一端が固定板73の連結片731に連結され、他端が可動板74の連結片741に連結されている。
スプリングSpは、可動板74に対して回転軸Y2回りの周方向における貫通孔713側に向かう付勢力Fを作用させている(図6の(a)参照)。この状態において、固定板73と可動板74は、互いの当接片732、742同士が当接するようになっている。
本実施形態にかかるガイド部72では、スプリングSpの付勢力Fによって互いの当接片732、742同士が当接した状態を基本形状としている。基本形状においてガイド部72は、貫通孔713の開口を覆っている。
図6の(a)に示すように、固定板73の基板730と可動板74の基板740は、公転方向で互いに離れるにつれて厚みが薄くなっていく先細り形状を成している。
ガイド部72は、固定板73の基板730の先端730a側が、基部71と軸線X2方向に所定の間隔CL1を空けて配置されている。また、ガイド部72は、可動板74の基板740の先端740a側が、基部71と軸線X2方向に所定の間隔CL2を空けて配置されている。ガイド部72の基本形状において、間隔CL1、CL2は略同じ大きさとなるように設定されている。
固定板73の基板730は、軸線X2方向における貫通孔713との対向面730bを有している。対向面730bは、公転方向の下流側に向かうほど、軸線X2方向における貫通孔713に近づく向きに傾斜した傾斜面となっている(以下、対向面730bを、傾斜面730bと標記する)。
可動板74の基板740は、軸線X2方向における貫通孔713との対向面740bを有している。対向面740bは、軸線X2に直交する方向における先端740a側の第1対向面740cと、固定板73側の第2対向面740dと、から構成されている。
第1対向面740cは、潤滑油OLを後記する油室R内に取り込む取込面となっている(以下、第1対向面740cを、取込面740cと標記する)。ガイド部72の基本形状において、取込面740cは、軸線X2に直交する平坦面となっている。
第2対向面740dは、公転方向下流(図中、上側)に向かうほど、軸線X2方向における貫通孔713から離れる向きに傾斜した傾斜面となっている(以下、第2対向面740bを、傾斜面740bと標記する)。
軸線X2方向においてガイド部72と、貫通孔713と、側板部651と、ピニオン軸54とで囲まれた空間は、段付きピニオンギア53に潤滑油OLを供給する油室Rを構成している。
図3に示すように、第2遊星減速ギア5と差動装置6を収容するケース13は、デフ収容部132と、第1収容部133と、第2収容部134と、を有している。
デフ収容部132は、デフケース60を収容可能な内径で形成されている。第1収容部133は、第2遊星減速ギア5のリングギア52を収容可能な内径で形成されている。第2収容部134は、大径歯車部531を収容可能な内径で形成されている。
ケース13は、第2収容部134に設けたフランジ部135を、中間カバー14の基部143の外周部に接合した状態で、中間カバー14に固定されている。
かかる構成の動力伝達装置1の作用を説明する。
動力伝達装置1では、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、減速機構3(第1遊星減速ギア4、第2遊星減速ギア5)と、差動装置6と、ドライブシャフト8(8A、8B)と、が設けられている。
モータ2の駆動により、ロータコア21が回転軸X回りに回転すると、ロータコア21と一体に回転するモータシャフト20を介して、第1遊星減速ギア4のサンギア41に回転が入力される。
第1遊星減速ギア4では、サンギア41が、モータ2の出力回転の入力部、ピニオンギア43を支持するキャリア45が、入力された回転の出力部となっている。
サンギア41がモータ2の出力回転で回転軸X回りに回転すると、サンギア41の外周とリングギア42の内周に噛合したピニオンギア43が、軸線X1回りに回転する。
ここで、リングギア42は、中間ケース12(固定側部材)の内周にスプライン嵌合しており、中間ケース12との相対回転が規制されている。
そのため、ピニオンギア43は、軸線X1回りに回転しながら、回転軸X回りに公転する。これにより、ピニオンギア43を支持するキャリア45(側板部451、452)が、モータ2の出力回転よりも低い回転速度で回転軸X回りに回転する。
前記したようにキャリア45の連結部453は、第2遊星減速ギア5側のサンギア51の連結部511に連結されており、キャリア45の回転(第1遊星減速ギア4の出力回転)は、第2遊星減速ギア5のサンギア51に入力される。
第2遊星減速ギア5では、サンギア51が、第2遊星減速ギア5の出力回転の入力部となっており、段付きピニオンギア53を支持するキャリア55が、入力された回転の出力部となっている。
サンギア51が入力された回転で回転軸X回りに回転すると、段付きピニオンギア53(大径歯車部531、小径歯車部532)が、サンギア51側から入力される回転で、軸線X2回りに回転する。
ここで、段付きピニオンギア53の小径歯車部532は、ケース13の内周に固定されたリングギア52に噛合している。そのため、段付きピニオンギア53は、軸線X2回りに自転しながら、回転軸X回りに回転する。
これにより、段付きピニオンギア53を支持するキャリア55(側板部551、651)が、第1遊星減速ギア4側から入力された回転よりも低い回転速度で回転軸X回りに回転する。
ここで、段付きピニオンギア53では、小径歯車部532の外径R1が大径歯車部531の外径R2よりも小さくなっている(図2参照)。
そのため、第2遊星減速ギア5のサンギア51に入力された回転は、段付きピニオンギア53により、第1遊星減速ギア4の場合よりも大きく減速されたのちに、キャリア55の側板部651が一体に形成されたデフケース60(差動装置6)に出力される。
そして、デフケース60が入力された回転で回転軸X回りに回転することにより、ドライブシャフト8(8A、8B)が回転軸X回りに回転して、前記した左右の駆動輪(図示せず)に伝達される。
デフケース60が回転軸X回りに回転すると、キャリア55がデフケース60と一体に形成された第2遊星減速ギア5は、デフケース60と一体に、回転軸X回りに回転する。
これにより、油溜りTの潤滑油OLが、第2遊星減速ギア5の構成要素(段付きピニオンギア53、キャリア55)により掻き上げられる。
この際に、キャリア55の回転軸X回りの回転に連動して、潤滑油導入部70のガイド部72は回転軸X周りに公転する。ガイド部72は油溜りTへの突入、脱出を繰り返す。
図7は、潤滑構造7の作用を説明する図である。図7の(a)は、ガイド部72が油溜りT内にある状態を示す図である。図7の(b)は、ガイド部72が油溜りT外にある状態を示す図である。
本実施形態では、電動車両EVが前進する場合、モータ2の出力回転でデフケース60が正転する。ガイド部72は正転方向に沿って公転する。
前記した通り、ケース13下部(空間Sc内)には、潤滑油OLが溜まった油溜りTが形成されている(図3参照)。
ガイド部72は、正転方向に沿って1周(公転)する間に、順番に以下の(A)〜(D)の状態となる。
(A)油溜りT外から油溜りT内への突入
(B)油溜りT内の移動
(C)油溜りT内から油溜りT外への脱出
(D)油溜りT外の移動
本実施形態では、ガイド部72では、可動板74が固定板73よりも公転方向上流側に位置している(図5参照)。
そうすると、上記(A)の状態では、可動板74の先端740aから油溜りTに突入する。この状態において、潤滑油は、可動板74の先端740aと基部71の間から油室Rに流入する(図7の(a)における白矢印参照)。
可動板74は、当該可動板74の先端740aと基部71の間に入り込んだ潤滑油OLの抵抗を受けて、中心軸Y2回りにおけるスプリングSpの付勢力F(図6の(a)参照)に抗する方向に回動する(図7の(a)における黒矢印参照)。これにより、油室Rは公転方向上流側に開口した状態となる。
ここで、前記した通り、ガイド部72の基本形状において可動板74の取込面740cは、軸線X2に直交する平坦面となっている(図6の(a)参照)。
図7の(a)に示すように、可動板74が中心軸Y2回りに回動すると、取込面740cは、公転方向上流側に向かうほど軸線X2方向における貫通孔713から離れる向きに傾斜する。軸線X2方向における可動板74の先端740a側と基部71との間隔は、CL2からCL3に広がる(CL3>CL2)。
本実施形態では、可動板74に取込面740cを設けることで、当該取込面740cを設けない場合よりも、油室Rの開口面積を大きくして潤滑油OLを取り込む量(流入量)を増やしている。
ここで、基部71の弧状壁711は、可動板74よりも公転方向上流側まで延びている(図4の(b)参照)。潤滑油OLは、弧状壁711と円筒壁712との間を通ることで、公転方向に沿って流れるように整流されたのち、開口から油室R内に取り込まれる。弧状壁711で回転軸Xの径方向に飛散する潤滑油OLを捕獲することもできる。
上記(B)の状態では、潤滑油OLが開口から油室R内に順次取り込まれるので、油室Rは公転方向上流側に開口した状態が維持される。この状態において、前記した可動板74の傾斜面740dと、固定板73の傾斜面730bとは、公転方向の下流に向かうほど軸線X2方向における貫通孔713に近づく向きに傾斜している。
具体的には、潤滑油OLは、油室Rの開口から取り込まれたのち、傾斜面740dと傾斜面730bによって、油室R内の貫通孔713側(ピニオン軸54側)にガイドされる。
また、油室R内の潤滑油OLの一部は、所定の間隔CL1を有する固定板73の先端730a側と基部71との間から、油室Rの外部に流出する(図7の(a)における白矢印参照)。これにより、段付きピニオンギア53の公転による撹拌抵抗の増加を抑制している。
本実施形態では、軸線X2方向における可動板74の先端740a側と基部71との間隔CL3は、前記した固定板73の先端730a側と基部71との所定の間隔CL1よりも十分大きくなるように設定されている(CL3>CL1)。
そのため、油室Rに取り込まれる潤滑油OLの量は、油室Rから外部に流出する潤滑油OLの量よりも多くなる。固定板73の傾斜面730bで堰き止められるからである。
これにより、撹拌抵抗の増加を抑制しつつも、油室R内部の圧は高められる。油室R内で圧の高まった潤滑油OLは、ピニオン軸54の油孔541、542に放出される(図7の(a)におけるハッチング矢印参照)。
よって、油室Rから段付きピニオンギア53側に効率的に潤滑油OLが供給されるようになっている。
ここで、段付きピニオンギア53の公転による撹拌抵抗は、油室R内で潤滑油OLを堰き止めている固定板73に集中する。段付きピニオンギア53の公転速度が高くなるほど撹拌抵抗は増加する。
前記したように固定板73は弾性部材であるので、撹拌抵抗が所定値より増加すると、固定板73は弾性変形する。具体的には、固定板73の先端730a側が基部71から離れる方向に変形する。固定板73の変形量は、撹拌抵抗が増加するほど大きくなる。
撹拌抵抗が増加すると、固定板73の先端730aと基部71との間隔がCL1よりも広がる。そうすると、油室Rから外部に逃がす潤滑油OLの量が増える。よって、段付きピニオンギア53の公転速度が高くなっても、撹拌抵抗の増加を抑制することができる。
図7の(b)に示すように、上記(C)、(D)の状態では、油室Rに潤滑油OLが取り込まれなくなるので、可動板74に作用する潤滑油OLの抵抗もなくなる。そうすると、スプリングSpの付勢力Fによって、可動板74は中心軸Y2回りに回動する(図7の(b)における黒矢印参照)。そうすると、ガイド部72は基本形状に戻り、貫通孔713の開口を覆う。
これにより、油室Rや油孔541、542内に残留している潤滑油OLは、貫通孔713側から外部へ漏出することが抑えられ、油孔542から段付きピニオンギア53側の外部へ漏出する(図7の(b)における白矢印参照)。
よって、油室Rに潤滑油OLが順次取り込まれない状態でも、油室Rや油孔541、542内に残留している潤滑油OLを利用して、段付きピニオンギア53側に潤滑油OLを供給することができる。
以上の通り、本実施形態にかかる第2遊星減速ギア5の潤滑構造7は、以下の構成を有している。
(1)第2遊星減速ギア5(遊星歯車機構)の段付きピニオンギア53を支持するピニオン軸54(軸受)に対して、段付きピニオンギア53の軸線X2方向側から潤滑油OLを供給する油孔541、542(潤滑油路)を有する。
段付きピニオンギア53の回転軸X周りの公転に伴って、油溜りT内を通過するガイド部72を備える潤滑油導入部70を有する。
潤滑油導入部70のガイド部72は、段付きピニオンギア53の回転軸X周りの公転方向に向かって開口する可動板74(開口部)と、可動板74から公転方向に沿った流れで流入する潤滑油OLを貫通孔713(潤滑油路の入口)に案内する固定板73(ガイド部)と、を有する。
このように構成すると、段付きピニオンギア53の公転時の回転力を利用して油溜りTから直接的に油孔541、542に潤滑油OLを導入できる。よって、特許文献1に開示された発明のように遠心力を利用するものと比較して、第2遊星減速ギア5へ供給される潤滑油OLの捕集効率を向上させることができる。
本実施形態にかかる第2遊星減速ギア5の潤滑構造7は、以下の構成を有している。
(2)ガイド部72は、公転方向の下流に向かうほど貫通孔713に近づくように傾斜する傾斜面740d及び傾斜面730b(壁部)を有する。
傾斜面740d(壁部のうち少なくとも一部)は、ガイド部72を構成する可動板74に設けられている。
このように構成すると、傾斜面740dは、潤滑油OLを貫通孔713に導くガイド部として機能する。固定板73側の貫通孔713との間隔CL1(開口部入口近辺のクリアランス)と比較して可動板74が開口した際の間隔CL3(開口部近辺のクリアランス)が広くなる。これにより、多くの潤滑油OLを流入させることができると共に、油室R内(油孔541の入口近辺に向かうほど)の圧を上昇させることができるので、潤滑油OLを効率的に段付きピニオンギア53に供給することができる。
本実施形態にかかる第2遊星減速ギア5の潤滑構造7は、以下の構成を有している。
(3)潤滑油導入部70のガイド部72は、可動板74の公転方向の下流に位置する傾斜面730b(堰止部)を有する。
傾斜面730bは、ガイド部72を構成する固定板73に設けられている。
このように構成すると、可動板74の公転方向下流側(固定板73側)で潤滑油OLが堰き止められる。これにより、油室R内の圧が上昇するので潤滑油OLを効率的に段付きピニオンギア53に供給することができる。
なお、本実施形態では、傾斜面730b(堰止部)は、先端730a側で基部71と間隔CL1を有している(離間している)状態を例示したが、基部71と密着していても良い。また、基部71が側板部651と一体に形成されている場合は、傾斜面730bの先端730a側は、キャリア55の側板部651と密着していても良い。
本実施形態にかかる第2遊星減速ギア5の潤滑構造7は、以下の構成を有している。
(4)潤滑油導入部70のガイド部72は、固定板73の先端730a側と基部71との間(開口部の公転方向の下流)に所定の間隔CL1(潤滑油OLを通過させる通過口)を空けて配置されている。
ガイド部72は、油溜りTを通過する際の撹拌抵抗の要因となる。そこで、上記のように構成して、公転方向の下流に潤滑油OLを逃がす通過口を設けることで、撹拌抵抗の増加を抑制することができる。
なお、本実施形態では、通過口は、固定板73の先端730aと基部71とが所定の間隔CL1を空けて配置することで形成される場合を例示したが、これに限定されない。例えば、ガイド部72に直接形成された孔であっても良い。
本実施形態にかかる第2遊星減速ギア5の潤滑構造7は、以下の構成を有している。
(5)ガイド部72の固定板73は弾性部材である。段付きピニオンギア53の公転速度が高まるほど、固定板73が弾性変形して、基部71との所定の間隔CL1(通過口の面積)が広がる。
このように構成すると、段付きピニオンギア53の公転速度が高まっても、撹拌抵抗が増加することを抑制できる。
本実施形態では、ガイド部材72(固定板73と可動板74)が弾性部材である場合を例示したが、これに限定されない。例えば、固定板73の先端730a側にヒンジを設けても良い。これにより、段付きピニオンギア53の公転速度が高まって撹拌抵抗が増加した場合、固定板73のヒンジ部分が開いて(変形して)、固定板73の先端730aと基部71との間隔CL1を広げることができる。
なお、段付きピニオンギア53の公転が停止している場合において、固定板73の先端730aと基部71との所定の間隔CL1が0(ゼロ)になるように構成することもできる。この場合、ガイド部72は段付きピニオンギア53の公転速度が所定以上のときに固定板73と基部71とが所定の間隔CL1を有することになる。
本実施形態にかかる第2遊星減速ギア5の潤滑構造7は、以下の構成を有している。
(6)モータ2の動力が減速機構3(遊星歯車機構)に伝達される。
電動車両EVは潤滑のためのポンプを搭載しない場合が多い。本実施形態にかかる潤滑構造7は、そのような場合に特に好適である。さらに、ポンプを搭載する場合あっても、ポンプの容量を小さくできる点で有用である。
本実施形態にかかる第2遊星減速ギア5の潤滑構造7は、以下の構成を有している。
(7)潤滑油導入部70は、弧状壁711(第1壁部)と円筒壁712(第2壁部)とを有する。
ガイド部72は、回転軸Xの径方向(公転方向と交差する方向)において弧状壁711及び円筒壁712に挟まれて配置されている。
このように構成すると、弧状壁711及び円筒壁712により回転軸Xの径方向へ飛散する潤滑油OLの一部を捕獲することができる。
[変形例]
変形例にかかる潤滑構造7Aについて説明する。
図8は、変形例にかかる潤滑構造7Aを説明する図であり、回転軸X方向におけるデフケース60側から潤滑油導入部70Aを見た図である。
前記した潤滑構造7では、円筒壁712が、基部71の内周縁を全周に亘って囲むように設けられた潤滑油導入部70を例示したが、これに限定されない。
例えば、図7に示すように、基部71の内周縁に沿って、弧状壁712Aが設けられた潤滑油導入部70Aを有する潤滑構造7Aとしても良い。弧状壁712Aは、公転方向に間隔を空けて3つ設けられている。弧状壁712A、712A、712Aは、回転軸Xの径方向で弧状壁711、711、711とそれぞれ重なる角度範囲内に配置されている。
よって、公転方向における弧状壁712A、712A、712Aの全長は、円筒壁712の全長よりも短くなる。これにより、本実施形態にかかる潤滑油導入部70(円筒壁712)とした場合よりも、潤滑油導入部70Aの重量が軽くなると共に、コストを削減することができる。
段付きピニオンギア53が公転すると、潤滑油OLは遠心力によって回転軸Xの径方向外側に飛散する。飛散した潤滑油OLは、弧状壁712Aよりも弧状壁711で多く捕獲されて、油室Rに向かうように整流されたのち油室Rに取り込まれる。従って、弧状壁712Aが短くなっても、本実施形態と比較して油室Rに取り込まれる潤滑油OL量が減少することはない。
変形例にかかる第2遊星減速ギア5の潤滑構造7Aは、以下の構成を有している。
(8)潤滑油導入部70Aは、弧状壁711(第1壁部)と弧状壁712A(第2壁部)とを有する。
弧状壁711は、弧状壁712Aよりも外周側に位置する。
弧状壁711の公転方向の長さは、弧状壁712Aの公転方向の長さよりも長い。
このように構成すると、弧状壁711は、回転軸Xの遠心力方向(外周側に向かう方向)の支配的な力に対応できる。一方、弧状壁712A、712A、712Aとすることで、円筒壁712とした場合よりもコスト・重量削減が可能である。
ここで、本明細書における用語「下流に接続」とは、上流に配置された部品から下流に配置された部品へと動力が伝達される接続関係にあることを意味する。
例えば、モータ2の下流に接続された第1遊星減速ギア4という場合は、モータ2から第1遊星減速ギア4へと動力が伝達されることを意味する。
また、本明細書における用語「直接接続」とは、他の減速機構、増速機構、変速機構などの減速比が変換される部材を介さずに部材同士が動力伝達可能に接続されていることを意味する。
さらに、本実施形態では、減速機構3が、段無しのピニオンギア43を備える第1遊星減速ギア4と、段付きピニオンギア53を備える第2遊星減速ギア5と、を有しており、第1遊星減速ギア4と第2遊星減速ギア5とが、モータ2の出力回転の伝達経路上で直列に配置されている場合を例示した。しかしながら、この態様にのみ限定されない。例えば、段付きピニオンギア53を備える第2遊星減速ギア5のみを備える減速機構としても良い。
また、公転方向は、電動車両EVの前進時を正転方向として設定することが好ましいが、これに限定されない。公転方向は、電動車両EVの後進時を正転方向として設定してもよい。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は、これら実施形態に示した態様のみに限定されるものではない。発明の技術的な思想の範囲内で、適宜変更可能である。
1 動力伝達装置
10 モータハウジング
11 カバー
110 接合部
111 モータ支持部
112 支持筒
113 側壁部
114 開口部
115 接続部
12 中間ケース
120 基部
121 モータ支持部
122 円筒壁
123 接続部
125 ベアリングリテーナ
13 ケース
130 開口部
131 支持部
132 デフ収容部
133 第1収容部
134 第2収容部
135 フランジ部
14 中間カバー
140 開口
143 基部
2 モータ
20 モータシャフト
203 大径部
204 段部
205 ストッパ
21 ロータコア
23 ストッパ
25 ステータコア
251 ヨーク部
252 ティース部
253 巻線
253a、253b コイルエンド
3 減速機構
4 第1遊星減速ギア(遊星ギア)
41 サンギア
410 貫通孔
411 連結部
42 リングギア
43 ピニオンギア
44 ピニオン軸
45 キャリア
451、452 側板部
453 連結部
5 第2遊星減速ギア(遊星ギア)
51 サンギア
510 貫通孔
511 連結部
52 リングギア
53 段付きピニオンギア
530 貫通孔
531 大径歯車部
532 小径歯車部
54 ピニオン軸
541、542 油孔
55 キャリア
551 側板部
552 筒状部
56 接続片
6 差動装置
60 デフケース
601 支持部
602 支持部
61 シャフト
62A、62B かさ歯車
63A、63B サイドギア
651 側板部
651a 側面
651b 支持孔
7、7A 潤滑構造
70、70A 潤滑油導入部
71 基部
711 弧状壁
712 円筒壁
712A 弧状壁
713 貫通孔
72 ガイド部
73 固定板
730 基板
730a 先端
730b 傾斜面
731 連結片
732 当接片
74 可動板
740 基板
740a 先端
740b 対向面
740c 取込面
740d 傾斜面
741 連結片
742 当接片
8(8A、8B) ドライブシャフト
9 本体ケース
B1、B2、B3 ベアリング
B1b、B2b アウタレース
B1a、B2a インナレース
NB ニードルベアリング
F 付勢力
OL 潤滑油
P ピン
P1 連結ピン
P2 支持ピン
R 油室
RS リップシール
S シールリング
Sa 空間(モータ室)
Sb 空間(ギア室)
Sc 空間(ギア室)
Sp スプリング
T 油溜り
X 回転軸
X1、X2、Y 軸線
Y2 中心軸

Claims (8)

  1. 遊星歯車機構のピニオンギアを支持する軸受に対して、前記ピニオンギアの軸方向側から潤滑油を供給する潤滑油路を有する潤滑構造であって、
    前記ピニオンギアの公転に伴い油溜り内を通過する潤滑油導入部を有し、
    前記潤滑油導入部は、前記ピニオンギアの公転方向に向かって開口する開口部と、前記開口部から前記公転方向に沿った流れで流入する潤滑油を前記潤滑油路の入口に案内するガイド部と、を有することを特徴とする潤滑構造。
  2. 請求項1において、
    前記潤滑油導入部は、前記公転方向の下流に向かうほど前記潤滑油路の入口に近づくように傾斜する壁部を有し、
    前記壁部により前記ガイド部の少なくとも一部が構成されていることを特徴とする潤滑構造。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記潤滑油導入部は、前記開口部の前記公転方向の下流に位置する堰止部を有し、
    前記堰止部により前記ガイド部の少なくとも一部が構成されていることを特徴とする潤滑構造。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    前記潤滑油導入部は、前記開口部の前記公転方向の下流に前記潤滑油を通過させる通過口を有することを特徴とする潤滑構造。
  5. 請求項4において、
    前記潤滑油導入部は、前記ピニオンギアの公転速度が高まるほど前記通過口の面積が広がるように構成されていることを特徴とする潤滑構造。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
    駆動用モータの動力が前記遊星歯車機構に伝達されることを特徴とする潤滑構造。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
    第1壁部と第2壁部とを有し、
    前記潤滑油導入部は、前記公転方向と交差する方向において前記第1壁部及び前記第2壁部に挟まれて配置していることを特徴とする潤滑構造。
  8. 請求項7において、
    前記第1壁部は前記第2壁部よりも外周側に位置し、
    前記第1壁部の公転方向の長さは前記第2壁部よりも大きいことを特徴とする潤滑構造。
JP2019110605A 2019-06-13 2019-06-13 潤滑構造 Active JP7392218B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019110605A JP7392218B2 (ja) 2019-06-13 2019-06-13 潤滑構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019110605A JP7392218B2 (ja) 2019-06-13 2019-06-13 潤滑構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020200939A true JP2020200939A (ja) 2020-12-17
JP7392218B2 JP7392218B2 (ja) 2023-12-06

Family

ID=73742648

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019110605A Active JP7392218B2 (ja) 2019-06-13 2019-06-13 潤滑構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7392218B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08145151A (ja) * 1994-11-16 1996-06-04 Toyota Motor Corp 平行軸差動歯車装置
JP2004286041A (ja) * 2003-03-19 2004-10-14 Nissan Motor Co Ltd デフケース及びデファレンシャル装置
JP2009079627A (ja) * 2007-09-25 2009-04-16 Komatsu Ltd 減速機
JP2012017764A (ja) * 2010-07-06 2012-01-26 Jtekt Corp 遊星歯車機構の潤滑構造
WO2012014634A1 (ja) * 2010-07-30 2012-02-02 Ntn株式会社 電気自動車用減速差動装置
JP2013174327A (ja) * 2012-02-27 2013-09-05 Honda Motor Co Ltd 車両用駆動装置
JP2015218865A (ja) * 2014-05-20 2015-12-07 日産自動車株式会社 電動駆動装置
CN206682275U (zh) * 2017-04-27 2017-11-28 株式会社神崎高级工机制作所 Hmt单元

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08145151A (ja) * 1994-11-16 1996-06-04 Toyota Motor Corp 平行軸差動歯車装置
JP2004286041A (ja) * 2003-03-19 2004-10-14 Nissan Motor Co Ltd デフケース及びデファレンシャル装置
JP2009079627A (ja) * 2007-09-25 2009-04-16 Komatsu Ltd 減速機
JP2012017764A (ja) * 2010-07-06 2012-01-26 Jtekt Corp 遊星歯車機構の潤滑構造
WO2012014634A1 (ja) * 2010-07-30 2012-02-02 Ntn株式会社 電気自動車用減速差動装置
JP2013174327A (ja) * 2012-02-27 2013-09-05 Honda Motor Co Ltd 車両用駆動装置
JP2015218865A (ja) * 2014-05-20 2015-12-07 日産自動車株式会社 電動駆動装置
CN206682275U (zh) * 2017-04-27 2017-11-28 株式会社神崎高级工机制作所 Hmt单元

Also Published As

Publication number Publication date
JP7392218B2 (ja) 2023-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5934333B2 (ja) 車両用駆動装置
US20160290480A1 (en) Vehicle drive transfer apparatus
JP2012067862A (ja) 液圧発生装置及び駆動装置
JP2010142090A (ja) 回転電機の潤滑油供給装置
JP2012182861A (ja) 車両用駆動装置
JP5952045B2 (ja) 駆動装置、及びインホイールモータ駆動装置
JP2023155466A (ja) 動力伝達装置
JP2021107737A (ja) 動力伝達装置
JP2020200939A (ja) 潤滑構造
JP7109874B2 (ja) 動力伝達装置
JP2020128789A (ja) 動力伝達装置
JP7350450B2 (ja) 動力伝達装置
JP2013060976A (ja) 終減速装置の潤滑構造
JP2020128792A (ja) 動力伝達装置
JP5012686B2 (ja) オイル供給装置
JP5136401B2 (ja) 遊星歯車機構の潤滑構造
JP7392220B2 (ja) 動力伝達装置
JP7118578B2 (ja) 動力伝達装置
JP7451069B2 (ja) ユニット
JP7371310B2 (ja) 動力伝達装置
JP7383859B2 (ja) 動力伝達装置
JP7143052B2 (ja) 動力伝達装置
WO2021137280A1 (ja) 動力伝達装置
JP7375262B2 (ja) 動力伝達装置
JP2010203588A (ja) 遊星歯車機構の潤滑構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230707

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231024

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231024

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7392218

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150