以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1〜図10を参照して、第1実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。
図1に示すように、部品実装装置100は、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの電子部品Eをプリント基板などの基板Bに実装するように構成されている。
ここで、部品実装装置100において、基板Bを搬送する搬送方向をX1方向とし、基板Bを搬送する搬送方向の逆方向をX2方向とする。また、部品実装装置100において、X1方向とX2方向とを合わせてX方向とする。また、部品実装装置100において、水平方向におけるX方向に直交する方向をY方向とする。Y方向のうち一方をY1方向とし、Y方向のうち他方をY2方向とする。また、部品実装装置100において、X方向およびY方向に直交する方向をZ方向(上下方向)とする。Z方向のうち一方をZ1方向(上方)とし、Z方向のうち他方をZ2方向(下方)とする。なお、Y方向は、特許請求の範囲の「移動方向」の一例である。
部品実装装置100は、基台1と、フィーダ装置ユニット2(フィーダ)と、トレイ供給装置3と、第1実装部4と、第2実装部5と、ヘッドユニット6と、支持部7(図10参照)と、レール部8(図10参照)と、部品認識カメラ9(図10参照)と、基板認識カメラ10と、制御装置11とを備えている。なお、トレイ供給装置3は、特許請求の範囲の「第1付属装置」の一例である。制御装置11は、特許請求の範囲の「制御部」の一例である。
(基台)
基台1は、部品実装装置100において各構成要素を配置する基礎となる台である。基台1上には、構成要素として、第1実装部4、第2実装部5、レール部8および基板認識カメラ10(図示せず)が設けられている。また、基台1内には、制御装置11が設けられている。
基台1のY1方向またはY2方向に隣接した位置には、台車配置部1aが設けられている。台車配置部1aは、トレイ供給装置3およびフィーダ装置ユニット2を配置可能に構成されている。台車配置部1aは、第1実装部4側の基台1のY方向の両側(Y1方向側およびY2方向側)、および、第2実装部5側の基台1のY方向の両側(Y1方向側およびY2方向側)に配置されている。
ここで、フィーダ装置ユニット2は、台車配置部1aに配置されるとともに基台1に接続されることにより、基台1に設置されている。フィーダ装置ユニット2は、第1実装部4側のY1方向側の台車配置部1a、第2実装部5側のY方向の両側の台車配置部1a、1aに設置されている。また、トレイ供給装置3は、台車配置部1aに配置されるとともに基台1に接続されることにより、基台1に設置されている。トレイ供給装置3は、第1実装部4側のY2方向側の台車配置部1aに設置されている。
(フィーダ装置ユニット)
フィーダ装置ユニット2は、図2に示すように、複数のテープフィーダ22を運搬可能に構成されている。具体的には、フィーダ装置ユニット2は、台車部21と、テープフィーダ22と、制御部23と、通信部24とを含んでいる。台車部21のZ1方向側の端部には、複数のテープフィーダ22が着脱可能に取り付けられている。テープフィーダ22は、特許請求の範囲の「第2付属装置」の一例である。
テープフィーダ22は、基板Bに実装される電子部品Eを供給する装置である。テープフィーダ22は、複数の電子部品Eを所定の間隔を隔てて保持したテープ22aを巻き回したリール22bを保持している。また、テープフィーダ22は、ヘッドユニット6による電子部品Eを取り出すための部品保持動作に応じて、保持されたリール22bを回転させてテープ22aを送り出すように構成されている。テープフィーダ22は、テープ22aを送り出すことにより、作業位置W側の先端部(吸着位置)から電子部品Eを供給するように構成されている。
制御部23は、CPU(Central Processing Unit)および記憶部などを有している。制御部23は、テープフィーダ22などの動作を制御する制御回路である。制御部23は、テープフィーダ22に電気的に接続されている。制御部23は、テープフィーダ22内に配置されている。
通信部24は、フィーダ装置ユニット2が基台1に設置されたことを検知する機能を有している。具体的には、通信部24は、フィーダ装置ユニット2が基台1に設置された際、制御部23と制御装置11とが電気的に接続されたことを検知する接続端子部を有している。
また、フィーダ装置ユニット2は、テープフィーダ22から電子部品Eを基板Bに供給可能な位置に配置されている。すなわち、フィーダ装置ユニット2は、台車配置部1aに配置された状態で、テープフィーダ22の吸着位置から電子部品Eを供給可能に構成されている。この際、フィーダ装置ユニット2は、平面視において(Z1方向側から視て)後述するベース部44に重なるオーバーラップ領域R(図3参照)を有していない。
(トレイ供給装置)
トレイ供給装置3は、図3に示すように、本体部31と、テーブル支持部32と、テーブル33と、制御部34と、通信部35とを含んでいる。
本体部31は、パレット収容部31aと、台車部31bとを有している。パレット収容部31aは、複数の電子部品Eを保持したパレットLを複数枚収容するように構成されている。台車部31bは、複数枚のパレットLを収容したパレット収容部31aを運搬可能に構成されている。台車部31bは、本体部31のZ2方向側(下方向側)の部分に設けられている。
テーブル支持部32は、テーブル33をZ2方向側から支持するように構成されている。テーブル支持部32は、本体部31に取り付けられている。また、図1に示すように、テーブル支持部32は、テーブル33をY方向に移動可能に構成されている。具体的には、テーブル支持部32は、モータ部32aと、ボールねじ部32bと、ガイドレール部32cとを有している。モータ部32aは、ボールねじ部32bに取り付けられている。
テーブル33は、パレット収容部31a内に収容されたパレットLを引き出し可能に構成されている。テーブル33は、テーブル支持部32のモータの駆動によるボールねじ部32bの回転に伴って、ガイドレール部32cに沿ってY方向に移動する。ここで、テーブル33は、Y2方向側への移動によりパレット収容部31a内のパレットLを引き出すように構成されている。テーブル33は、Y1方向側への移動により、パレットL上の電子部品Eを作業位置Wに配置された基板Bに供給する位置(供給位置)に配置するように構成されている。なお、供給位置とは、パレットL上のY1方向側からY2方向側までの全ての電子部品Eをヘッドユニット6により吸着可能な位置を示す。ここで、Y方向において、供給位置のY2方向側の端部に配置された電子部品Eの位置は、吸着位置と略同じ位置である。
制御部34は、CPUおよび記憶部などを有している。制御部34は、パレット収容部31aおよびテーブル支持部32などの動作を制御する制御回路である。制御部34は、パレット収容部31aおよびテーブル支持部32に電気的に接続されている。
通信部35は、トレイ供給装置3が基台1に設置されたことを検知する機能を有している。具体的には、通信部35は、トレイ供給装置3が基台1に設置された際、制御部34と制御装置11とが電気的に接続されたことを検知する接続端子部を有している。なお、通信部35は、特許請求の範囲の「検知部」の一例である。
また、図4に示すように、トレイ供給装置3は、上記供給位置までステージを移動させるように構成されている。すなわち、テーブル33は、作業位置Wに配置された基板Bの近傍位置まで移動する。この際、トレイ供給装置3は、基台1に設置されている。さらに、トレイ供給装置3は、平面視において(Z1方向側から視て)後述するベース部44に重なるオーバーラップ領域Rを有している。
(第1実装部)
図1に示すように、第1実装部4は、X2方向側の作業位置Wに搬送された基板Bに、フィーダ装置ユニット2およびトレイ供給装置3の各々の電子部品Eを実装するように構成されている。第1実装部4は、第2実装部5よりもX2方向側に配置されている。具体的には、第1実装部4は、ローダー41と、基板搬送部42と、移動部43と、ベース部44と、昇降部45(図3参照)とを備えている。
〈ローダー〉
ローダー41は、第1実装部4内に基板Bを搬入するように構成されている。具体的には、ローダー41は、一対のコンベア部41aと、一対のコンベア部41aを回転駆動させるためのモーター部(図示せず)とを有する。一対のコンベア部41aのY方向の幅は、基板BのY方向の幅に合わせて調整可能に構成されている。つまり、図示は省略するが、ローダー41は、一対のコンベア部41aの幅を変更する調整機構を有している。
〈基板搬送部〉
基板搬送部42は、基台1に設置され、基板Bを作業位置Wに搬送するように構成されている。つまり、基板搬送部42は、ローダー41から搬入された基板Bを搬送方向(X1方向)に搬送するように構成されている。
具体的には、基板搬送部42は、一対のコンベア部42aと、一対のコンベア部42aを回転駆動させるモータ部(図示せず)とを含んでいる。一対のコンベア部42aのY方向の幅は、基板BのY方向の幅に合わせて調整可能に構成されている。つまり、図示は省略するが、基板搬送部42は、一対のコンベア部42aの幅を変更する調整機構を有している。
〈移動部〉
移動部43は、Y方向に基板搬送部42を移動させるように構成されている。具体的には、移動部43は、モータ部43aと、ボールねじ部43bと、ガイドレール部43cとを有している。モータ部43aは、ボールねじ部43bに取り付けられている。基板搬送部42の一対のコンベア部42aは、移動部43のモータ部43aの駆動によるボールねじ部43bの回転に伴って、ガイドレール部43cに沿ってY方向に移動する。
このように、移動部43は、基板BをX1方向に搬送させる搬送位置M1からY1方向またはY2方向にずれた引込位置M2(図8参照)まで、基板搬送部42を移動させるように構成されている。なお、引込位置M2とは、基板搬送部42をフィーダ装置ユニット2のテープフィーダ22の先端部の近傍に移動させた(引き込んだ)位置を示す。
〈ベース部〉
図3に示すように、ベース部44は、基台1に設置され、作業位置Wに配置された基板Bを支持する複数のバックアップ部材Sを配置するように構成されている。ここで、バックアップ部材Sは、Z方向に延びる棒形状を有するバックアップピンである。
ここで、ベース部44は、昇降部45によりZ1方向に移動することにより、バックアップ部材Sを作業位置Wに配置された基板BにZ2方向側から当接させて、基板Bを支持するように構成されている。また、ベース部44は、昇降部45によりZ2方向に移動することにより、バックアップ部材Sを作業位置Wに配置された基板Bから離して、複数のバックアップ部材Sにより基板Bの支持を解除するように構成されている。
ベース部44は、昇降部45を介して基台1に設置されている。ここで、ベース部44は、基板搬送部42に形成された一対のコンベア部2aよりもZ2方向側(下方側)の空間内に一部を配置した状態で、昇降部45を介して基台1に設置されている。つまり、ベース部44は、基台1のZ1方向側の面と基板搬送部42の一対のコンベア部2aのZ1方向側の端部との間に配置されている。これにより、ベース部44のXY方向(水平方向)の大きさが、制限されている。
ベース部44は、オーバーラップ領域Rに対応する部分以外に設けられた第1バックアップ部44aと、オーバーラップ領域Rに対応する部分に設けられた第2バックアップ部44bとを含んでいる。
第1実施形態の第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bは、独立して昇降可能に分割されている。詳細には、ベース部44は、Y方向において、搬送位置M1に配置された基板搬送部42の一対のコンベア部42aを基準にして分割されている。つまり、Y方向において、第1バックアップ部44aと第2バックアップ部44bとは、搬送位置M1に配置された基板搬送部42の一対のコンベア部42aのY2方向側の端部を基準にして分割されている。ここで、バックアップ部材Sは、第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bの各々に着脱可能に配置されている。
図5に示すように、第1バックアップ部44aは、搬送位置M1に配置された基板搬送部42の一対のコンベア部42aのY2方向側の端部よりもY1方向側に配置されるバックアップ部材Sに対応するように設けられている。具体的には、第1バックアップ部44aは、Z方向の厚みを小さくするように扁平させた薄板形状を有している。第1バックアップ部44aは、Z1方向側から視て、略矩形形状を有している。
第1バックアップ部44aは、複数のバックアップ部材Sを配置可能な大きさを有している。また、第1バックアップ部44aは、基板搬送部42に干渉しない大きさを有している。
すなわち、第1バックアップ部44aのX方向の長さは、基板搬送部42の一対のコンベア部42aのX方向の長さの半分よりも大きい。第1バックアップ部44aのX方向の長さは、基板搬送部42の一対のコンベア部42aのX方向の長さよりも小さい。第1バックアップ部44aのY方向の長さは、第2バックアップ部44bのY方向の長さよりも大きい。第1バックアップ部44aのY方向の長さは、第2バックアップ部44bのY1方向側の端部から基台1のY1方向側の端部までの長さよりも小さい。
第2バックアップ部44bは、搬送位置M1に配置された基板搬送部42の一対のコンベア部42aのY2方向側の端部よりもY2方向側に配置されるバックアップ部材Sに対応するように設けられている。具体的には、第2バックアップ部44bは、Z方向の厚みを小さくするように扁平させた薄板形状を有している。第2バックアップ部44bは、Z1方向側から視て、略矩形形状を有している。
第2バックアップ部44bは、複数のバックアップ部材Sを配置可能な大きさを有している。また、第2バックアップ部44bは、基板搬送部42に干渉しない大きさを有している。
すなわち、第2バックアップ部44bのX方向の長さは、基板搬送部42の一対のコンベア部42aのX方向の長さの半分よりも大きい。第2バックアップ部44bのX方向の長さは、基板搬送部42の一対のコンベア部42aのX方向の長さよりも小さい。第2バックアップ部44bのY方向の長さは、第1バックアップ部44aのY方向の長さの約1/3よりも大きい。第2バックアップ部44bのY方向の長さは、基板搬送部42の第1バックアップ部44aのY2方向側の端部から基台1のY2方向側の端部までの長さよりも小さい。
〈昇降部〉
昇降部45は、図4および図6に示すように、第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bの各々を独立して互いに昇降させるように構成されている。つまり、昇降部45は、第1バックアップ部44aの昇降位置Pに関わらず、第2バックアップ部44bの昇降位置Pを変更可能に構成されている。
昇降部45は、昇降位置Pとして上昇位置P1と下降位置P2とに第1バックアップ部44aを昇降させる。昇降部45は、昇降位置Pとして上昇位置P1と下降位置P2とに第2バックアップ部44bを昇降させる。ここで、上昇位置P1とは、作業位置Wに搬送された基板BのZ2方向側の面に、第1バックアップ部44aに配置されたバックアップ部材Sを当接可能な位置である。下降位置P2とは、第2バックアップ部44bに配置されたバックアップ部材Sとトレイ供給装置3のオーバーラップ領域Rの部分との干渉を回避可能な位置である。
具体的には、昇降部45は、第1バックアップ部44aを昇降させる第1駆動源145と、第1駆動源145とは別個に設けられ、第2バックアップ部44bを昇降させる第2駆動源146とを有している。すなわち、昇降部45は、第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bの各々に対応する駆動源を有している。ここで、第1駆動源145および第2駆動源146は、それぞれ、サーボモータおよびステッピングモータなどの電動機であることが好ましい。
図7に示すように、昇降部45は、第1駆動源145の回転をZ方向の移動に変換する第1変換機構147を有している。第1変換機構147は、ボールねじ部147aと、ベルト部147bと、ガイド部147cとを有している。ボールねじ部147aは、ベルト部147bを介して第1駆動源145に接続されている。ガイド部147cは、Z方向(上下方向)に第1バックアップ部44aをガイドするように構成されている。これらにより、第1バックアップ部44aは、第1駆動源145の回転とともに昇降(上下移動)するボールねじ部147aに合わせて昇降(上下移動)する。
ここで、第1駆動源145は、基台1に取り付けられている。ボールねじ部147aは、基台1のZ1方向側の端面および第1バックアップ部44aのZ2方向側の端面(図6参照)の各々に取り付けられている。ガイド部147cは、基台1のZ1方向側の端面および第1バックアップ部44aのZ2方向側の端面(図6参照)の各々に取り付けられている。ガイド部147cは、複数(3個)配置されている。
昇降部45は、第2駆動源146の回転をZ方向の移動に変換する第2変換機構148を有している。第2変換機構148は、ボールねじ部148aと、ベルト部148bと、ガイド部148cとを有している。ボールねじ部148aは、ベルト部148bを介して第2駆動源146に接続されている。ガイド部148cは、Z方向(上下方向)に第2バックアップ部44bをガイドするように構成されている。これらにより、第2バックアップ部44bは、第2駆動源146の回転とともに昇降(上下移動)するボールねじ部148aに合わせて昇降(上下移動)する。
ここで、第2駆動源146は、基台1に取り付けられている。ボールねじ部148aは、基台1のZ1方向側の端面および第2バックアップ部44bのZ2方向側の端面(図6参照)の各々に取り付けられている。ガイド部148cは、基台1のZ1方向側の端面および第2バックアップ部44bのZ2方向側の端面(図6参照)の各々に取り付けられている。ガイド部148cは、複数(2個)配置されている。
(第2実装部)
図1に示すように、第2実装部5は、X1方向側の作業位置Wに搬送された基板Bに、複数(2個)のフィーダ装置ユニット2の各々の電子部品Eを実装するように構成されている。第2実装部5は、第1実装部4よりもX1方向側に配置されている。
具体的には、第2実装部5は、基板搬送部51と、移動部52と、ベース部53と、昇降部54(図10参照)と、アンローダー55とを備えている。なお、第2実装部5の基板搬送部51、移動部52および昇降部54は、それぞれ、第1実装部4の基板搬送部42、移動部43および昇降部45と同様の構成を有しているため説明を省略する。また、第2実装部5のベース部53およびアンローダー55も、それぞれ、第1実装部4のベース部44およびローダー41と略同様の構成を有しているため説明を簡略化する。
〈ベース部〉
第2実装部5のベース部53は、平面視において、基台1のY方向における中央線に対して、第1実装部4のベース部44を線対称に配置した構成を有している。なお、第2実装部5のベース部53の具体的な構成は、第1実装部4のベース部44と同様の構成を有しているため説明を省略する。これにより、部品実装装置100では、第2実装部5側のY1方向側の台車配置部1aにフィーダ装置ユニット2を配置する代わりに、トレイ供給装置3を配置することが可能である。
〈アンローダー〉
アンローダー55は、第2実装部5内から基板Bを搬出するように構成されている。なお、アンローダー55の具体的な構成は、ローダー41と同様の構成を有しているため説明を省略する。
(ヘッドユニット)
ヘッドユニット6は、部品実装用のヘッドユニット6であり、作業位置Wにおいて固定された基板Bに電子部品Eを実装するように構成されている。具体的には、ヘッドユニット6は、複数(4つ)の実装ヘッド61と、Z軸モータ62と、R軸モータ(図示せず)とを有している。
複数の実装ヘッド61は、各々、圧力発生装置(図示せず)に接続されている。複数の実装ヘッド61は、圧力発生装置により生じる負圧によって、先端に装着されたノズルに電子部品Eを保持(吸着)可能に構成されている。また、複数の実装ヘッド61は、各々、圧力発生装置による負圧を正圧に切り換えることによって、電子部品Eを基板Bに実装可能に構成されている。
図2に示すように、Z軸モータ62は、実装ヘッド61をZ方向(上下方向)に移動させる駆動源である。また、R軸モータ(図示せず)は、実装ヘッド61を回転軸回りに回転させる駆動源である。
(支持部およびレール部)
図1および図10に示すように、支持部7は、ヘッドユニット6をX方向に移動可能に支持するように構成されている。レール部8は、支持部7をY方向に移動可能に支持するように構成されている。このように、ヘッドユニット6は、支持部7およびレール部8により、基台1上を水平面内で(X方向およびY方向に)移動可能に構成されている。
(部品認識カメラ)
部品認識カメラ9は、基板Bへの電子部品Eの実装に先立って実装ヘッド61に保持(吸着)された電子部品Eを撮像する部品撮像用のカメラである。
(基板認識カメラ)
基板認識カメラ10は、ヘッドユニット6に取り付けられ、基板Bへの電子部品Eの実装に先立って、基板Bの上面に付されたFIマーク(Fiducial Mark:フィデューシャルマーク)を撮像するマーク撮像用のカメラである。FIマークは、基板Bの位置を確認するためのマークである。
また、基板認識カメラ10は、テープフィーダ22から吸着する電子部品Eの位置を確認するように構成されている。つまり、基板認識カメラ10は、電子部品Eを実装ヘッド61により吸着するに先立って、テープフィーダ22により吸着位置に送られた電子部品Eを撮像する部品撮像用のカメラである。さらに、基板認識カメラ10は、パレットLから吸着する電子部品Eの位置を確認するように構成されている。つまり、基板認識カメラ10は、電子部品Eを実装ヘッド61により吸着するに先立って、テーブル支持部32によりに送られたパレットL上の電子部品Eを撮像する部品撮像用のカメラである。
ここで、上記第1実施形態の部品実装装置100は、図8および図9に示すように、フィーダ装置ユニット2のみが基台1に設置される別態様の部品実装装置100をさらに含んでいる。
別態様の部品実装装置100は、基台1と、フィーダ装置ユニット2と、第1実装部4と、第2実装部5と、ヘッドユニット6と、支持部7(図10参照)と、レール部8(図10参照)と、部品認識カメラ9(図10参照)と、基板認識カメラ10と、制御装置11とを備えている。
(制御装置)
制御装置11は、図10に示すように、CPU11aおよび記憶部11bなどを含んでいる。制御装置11は、部品実装装置100の動作を制御する制御回路である。制御装置11は、フィーダ装置ユニット2、トレイ供給装置3、ローダー41、基板搬送部42、移動部43、昇降部45、アンローダー55、ヘッドユニット6、支持部7、レール部8、部品認識カメラ9および基板認識カメラ10に電気的に接続されている。
記憶部11bには、フィーダ装置ユニット2およびトレイ供給装置3から供給される電子部品Eを実装した状態の基板Bを生産する基板生産プログラムGが記憶されている。
制御装置11は、トレイ供給装置3のオーバーラップ領域R部分における上下方向の厚みを確保するため、基板生産プログラムGにしたがって第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bの各々の昇降位置Pを制御するように構成されている。
〈基板生産プログラム〉
図1、図3、図8および図9に示すように、第1実施形態の制御装置11は、基板生産プログラムGを実施することにより、トレイ供給装置3が基台1に設置されたか否かに基づいて、第2バックアップ部44bの昇降位置Pを変えるように昇降部45を制御するように構成されている。つまり、制御装置11は、通信部35(図10参照)による検知結果に基づいて、第2バックアップ部44bの位置を変えるように昇降部45を制御するように構成されている。なお、検知結果とは、トレイ供給装置3と基台1との接続が完了したことに基づいて、トレイ供給装置3の制御部34から通信部35を介して制御装置11に送られる信号である。
具体的には、図1および図3に示すように、制御装置11は、トレイ供給装置3が基台1に設置された場合、第2バックアップ部44bを下降位置P2に配置した状態を保持するように昇降部45を制御するように構成されている。すなわち、制御装置11は、トレイ供給装置3が基台1に設置された場合、第1バックアップ部44aの昇降位置Pに関わらず、第2バックアップ部44bを下降位置P2に配置するように昇降部45を制御するように構成されている。
ここで、トレイ供給装置3のオーバーラップ領域Rの部分と下降位置P2の第2バックアップ部44bとの間には、拡張空間Xが形成されている。なお、拡張空間Xとは、テーブル33をZ方向に移動させる機構などの構成をトレイ供給装置3に設けて、トレイ供給装置3の機能を拡張させるために必要な空間(設計スペース)を示している。
また、制御装置11は、トレイ供給装置3が基台1に設置された場合、基板Bが作業位置Wに搬送されたことに基づいて、第1バックアップ部44aを上昇位置P1に配置するように昇降部45を制御するように構成されている。すなわち、制御装置11は、トレイ供給装置3が基台1に設置された場合、第2バックアップ部44bの昇降位置Pに関わらず、第1バックアップ部44aを上昇位置P1に配置するように昇降部45を制御するように構成されている。
ここで、作業位置Wに配置された基板Bは、第1バックアップ部44a上のバックアップ部材SによりZ2方向側から支持されている。
一方、制御装置11は、図8および図9に示すように、フィーダ装置ユニット2が基台1における第2バックアップ部44bに対応する箇所に設置された場合、基板Bが作業位置Wに搬送されたことに基づいて、第1バックアップおよび第2バックアップ部44bの両方を上昇位置P1に配置するように昇降部45を制御するように構成されている。なお、フィーダ装置ユニット2は、基台1における作業位置WのY方向の両側に設置されている。
さらに、制御装置11は、基板生産プログラムGを実施することにより、基台1における第2バックアップ部44bに対応する箇所に設置された場合、基板Bが作業位置Wに搬送された後、Y2方向側への移動部43による基板搬送部42の移動が完了したことに基づいて、第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bを上昇位置P1に配置するように昇降部45を制御するように構成されている。つまり、制御装置11は、基台1における第2バックアップ部44bに対応する箇所に設置された場合、基板Bが作業位置Wに搬送された後、移動部43により一対のコンベア部42aを引込位置M2に配置したことに基づいて、第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bを上昇位置P1に配置するように昇降部45を制御するように構成されている。
なお、図8および図9では、第1実装部4の基板搬送部42の一対のコンベア部42aが、第1実装部4側でありかつY2方向側であるフィーダ装置ユニット2の近傍の引込位置M2に配置される場合を一例として示しているが、第1実装部4側でありかつY1方向側であるフィーダ装置ユニット2の近傍の引込位置M2に配置されてもよい。また、第2実装部5の基板搬送部42の一対のコンベア部42aが、第2実装部5側でありかつY方向の両側のいずれかであるフィーダ装置ユニット2の近傍の引込位置M2に配置されてもよい。
(基板生産処理)
以下に、基板生産処理について図11〜図13を参照して説明する。基板生産処理は、フィーダ装置ユニット2およびトレイ供給装置3の少なくともいずれかにより、基板Bに電子部品Eを実装した基板Bを生産する処理である。
まず、ステップS1〜ステップS3は、基板生産処理において行われる主なステップである。
ステップS1において、制御装置11により、トレイ供給装置3が設置されたか否かが判断される。トレイ供給装置3が設置された場合にはステップS2に進み、トレイ供給装置3が設置されていない場合にはステップS3に進む。ステップS2において、制御装置11により、第1プッシュアップ処理が行われた後、基板生産処理が終了する。ステップS3において、制御装置11により、第2プッシュアップ処理が行われた後、基板生産処理が終了する。
次に、ステップS2の第1プッシュアップ処理について図12を参照して詳細に説明する。第1プッシュアップ処理は、トレイ供給装置3が基台1に設置された場合において、第1バックアップ部44aのみを上昇位置P1に配置させて作業位置Wの基板Bを支持する処理を示している。
ステップS21において、ローダー41により、基板Bが搬入される。ステップS22において、基板Bが固定されるとともに、昇降部45により第1バックアップ部44aが上昇する。この際、第2バックアップ部44bとトレイ供給装置3のオーバーラップ領域R部分との干渉を回避するために、第2バックアップ部44bが下降位置P2に配置されている。また、第1バックアップ部44aは、昇降部45により上昇位置P1に配置されている。
ステップS23において、実装ヘッド61により、電子部品Eが基板Bに実装される。ステップS24において、基板Bの固定が解除されるとともに、昇降部45により第1バックアップ部44aが下降する。ステップS25において、アンローダー55により基板Bが搬出された後、第1プッシュアップ処理が終了される。
次に、ステップS3の第2プッシュアップ処理について図13を参照して詳細に説明する。第2プッシュアップ処理は、トレイ供給装置3が基台1に設置されていない場合において、第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bの各々を上昇位置P1に配置させて作業位置Wの基板Bを支持する処理を示している。
ステップS31において、ローダー41により、基板Bが搬入される。ステップS32において、移動部43により、基板搬送部42が引込位置M2に移動される。つまり、一対のコンベアが引込位置M2に移動される。ステップS33において、基板Bが固定されるとともに、昇降部45により第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bが上昇する。つまり、第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bは、昇降部45により共に上昇位置P1に配置される。
ステップS33において、実装ヘッド61により、電子部品Eが基板Bに実装される。ステップS34において、基板Bの固定が解除されるとともに、昇降部45により第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bが下降する。ステップS36において、移動部43により、基板搬送部42が搬送位置M1に移動される。つまり、一対のコンベアが搬送位置M1に移動される。ステップS37において、アンローダー55により基板Bが搬出された後、第2プッシュアップ処理が終了される。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bを、独立して昇降可能に分割する。これにより、第2バックアップ部44bと第1バックアップ部44aとを独立させて昇降させることにより、基台1にトレイ供給装置3が設置された場合にベース部44のうち第2バックアップ部44bを下降位置P2に配置することができるので、トレイ供給装置3のオーバーラップ領域Rに対応する部分と第2バックアップ部44bとの干渉を回避することができる。この結果、トレイ供給装置3のオーバーラップ領域Rに対応する部分の上下方向の厚みを確保することができるので、トレイ供給装置3の設計の自由度を向上させることができる。ここで、トレイ供給装置3の設計の自由度を向上させることにより、以下に示すようなトレイ供給装置3の構造の改善を行うことできる。すなわち、トレイ供給装置3では、たとえば、トレイ供給装置3をZ方向(上下方向)に移動させる移動機構の追加、トレイ供給装置3のオーバーラップ領域R部分に設けられていたリンク機構などの駆動力伝達機構の除去、および、トレイ供給装置3のオーバーラップ領域R部分の機械的強度を向上させる構造の追加などを行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、部品実装装置100に、第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bの各々を独立して互いに昇降させる昇降部45を設ける。これにより、第1バックアップ部44aとは独立して第2バックアップ部44bを昇降部45により昇降させることにより、トレイ供給装置3のオーバーラップ領域Rに対応する部分と第2バックアップ部44bとの干渉を適切に回避することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、部品実装装置100に、トレイ供給装置3が基台1に設置されたか否かに基づいて、第2バックアップ部44bの昇降位置Pを変えるように昇降部45を制御する制御装置11を設ける。これにより、オーバーラップ領域Rを有するトレイ供給装置3が基台1に設置されたか否かに応じて、第2バックアップ部44bの昇降位置Pを適切に変えることができる。この結果、トレイ供給装置3が基台1に設置された場合において、第2バックアップ部44bを下降位置P2に変えることができるので、トレイ供給装置3のオーバーラップ領域Rに対応する部分とベース部44との干渉を確実に回避することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御装置11を、トレイ供給装置3が基台1に設置された場合、第2バックアップ部44bを下降位置P2に配置した状態を保持するように昇降部45を制御するように構成する。これにより、トレイ供給装置3のオーバーラップ領域R部分と第2バックアップ部44bとの間にスペース(空間)を最大限確保することができる。この結果、第1バックアップ部44aのバックアップ部材Sにより作業位置Wに搬送された基板Bを支持した状態でフィーダ装置ユニット2とベース部44との干渉をより確実に回避することができる。また、トレイ供給装置3のオーバーラップ領域R部分における上下方向の厚みをより確保することができるので、トレイ供給装置3の設計の自由度をより向上させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、部品実装装置100に、トレイ供給装置3が基台1に設置されたことを検知する通信部35を設ける。制御装置11を、通信部35の検知結果に基づいて、第2バックアップ部44bの位置を変えるように昇降部45を制御するように構成する。これにより、トレイ供給装置3の設置を容易に検知することができるので、煩雑な作業を行うことなく第2バックアップ部44bの昇降位置を変えることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、昇降部45に、第1バックアップ部44aを昇降させる第1駆動源145と、第1駆動源145とは別個に設けられ、第2バックアップ部44bを昇降させる第2駆動源146とを設ける。これにより、第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bのそれぞれに接続された第1駆動源145および第2駆動源146の各々を独立して制御することにより、第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bを連動させて独立して昇降させる場合と異なり、第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bの各々を容易に昇降させることができる。この結果、第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bの各々の制御性を向上させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、部品実装装置100にトレイ供給装置3を設ける。これにより、トレイ供給装置3とベース部44との干渉を回避することができる。この結果、トレイ供給装置3のオーバーラップ領域R部分における上下方向の厚みを確保することができるので、トレイ供給装置3の設計の自由度を向上させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御装置11を、フィーダ装置ユニット2が基台1における第2バックアップ部44bに対応する箇所に設置された場合、基板Bが作業位置Wに搬送された後、引込位置M2への基板搬送部42の移動が完了したことに基づいて、第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bの両方を上昇位置P1に配置するように昇降部45を制御するように構成する。これにより、引込位置M2に基板搬送部42が移動した場合において、基板Bのサイズ(大きさ)に関わらず第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bの両方を上昇位置P1に配置することにより、作業位置Wに搬送された基板Bを確実に支持することが可能である。
[第2実施形態]
次に、図10、図12および図14〜図17を参照して、第2実施形態の部品実装装置200について説明する。第2実施形態の部品実装装置200は、一対のコンベア部42aを引込位置M2に移動させた状態でテープフィーダ22から供給される電子部品Eを実装する上記第1実施形態の部品実装装置100とは異なり、搬送位置M1においてテープフィーダ22から供給される電子部品Eを実装するように構成されている。なお、第2実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
図10および図14に示すように、第2実施形態の部品実装装置200は、基台1と、台車配置部1aと、フィーダ装置ユニット2と、第1実装部4と、第2実装部5と、ヘッドユニット6と、支持部7(図10参照)と、レール部8(図10参照)と、部品認識カメラ9(図10参照)と、基板認識カメラ10と、制御装置211とを備えている。
(制御装置)
制御装置211は、基板搬送部42および昇降部45を、基板生産プログラムGにしたがって第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bの各々の昇降位置Pを制御するように構成されている。
〈基板生産プログラム〉
図14および図15に示すように、制御装置211は、基板生産プログラムGを実施することにより、フィーダ装置ユニット2が基台1における第2バックアップ部44bに対応する箇所に設置された場合、基板Bが作業位置Wに搬送されたことに基づいて、第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bの両方を上昇位置P1に配置するように昇降部45を制御するように構成されている。つまり、制御装置211は、フィーダ装置ユニット2が基台1における第2バックアップ部44bに対応する箇所に設置された場合、基板Bが作業位置Wに搬送されたことに基づいて、基板搬送部42を搬送位置M1に配置した状態で、第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bを上昇位置P1に配置するように昇降部45を制御するように構成されている。ここで、フィーダ装置ユニット2は、基台1における作業位置WのY方向の両側に設置されている。なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(基板生産処理)
以下に、基板生産処理について図12、図16および図17を参照して説明する。基板生産処理は、フィーダ装置ユニット2およびトレイ供給装置3の少なくともいずれかにより、基板Bに電子部品Eを実装した基板Bを生産する処理である。
まず、ステップS1、ステップS2およびステップS203は、基板生産処理において行われる主なステップである。
図16に示すように、ステップS1において、制御装置211により、トレイ供給装置3が設置されたか否かが判断される。トレイ供給装置3が設置された場合にはステップS2に進み、トレイ供給装置3が設置されていない場合にはステップS203に進む。ステップS2において、制御装置211により、第1プッシュアップ処理が行われた後、基板生産処理が終了する。ステップS203において、制御装置211により、第2プッシュアップ処理が行われた後、基板生産処理が終了する。
ステップS2の第1プッシュアップ処理は、図12に示す第1プッシュアップ処理と同様であるので説明を省略する。
次に、ステップS203の第2プッシュアップ処理について図17を参照して説明する。ステップS203の第2プッシュアップ処理は、基板搬送部42を引込位置M2に引き込むことなく、基板搬送部42を搬送位置M1に配置した状態で、実装ヘッド61によりフィーダ装置ユニット2から基板Bに電子部品Eを実装させる処理である。
図17の第2プッシュアップ処理におけるステップS231〜S235は、それぞれ、図12に示す第2プッシュアップ処理のステップS31、ステップS33〜ステップS35およびステップS37と同様であるので説明を省略する。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態の効果について説明する。
第2実施形態では、上記のように、ベース部44を、第1バックアップ部44aと、第2バックアップ部44bとに独立して昇降可能に分割する。これにより、トレイ供給装置3のオーバーラップ領域R部分における上下方向の厚みを確保することができるので、トレイ供給装置3の設計の自由度を向上させることができる。
また、第2実施形態では、上記のように、制御装置211を、フィーダ装置ユニット2が基台1における第2バックアップ部44bに対応する箇所に設置された場合、基板Bが作業位置Wに搬送されたことに基づいて、第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bを上昇位置P1に配置するように昇降部45を制御するように構成する。これにより、フィーダ装置ユニット2が基台1における第2バックアップ部44bに対応する箇所に設置された場合において、基板Bのサイズ(大きさ)に関わらず第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bの両方を上昇位置P1に配置することにより、搬送位置M1に配置された基板搬送部42上の基板Bを確実に支持することが可能である。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1実施形態では、トレイ供給装置3(第1付属装置)は、基台1のX2方向側(搬送方向とは逆側)の部分に設置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1付属装置は、基台の搬送方向側の部分に設置されてもよいし、基台の搬送方向側および搬送方向とは逆側の両方に設置されてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、バックアップ部材Sは、Z方向に延びる棒形状を有しているバックアップピンである例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、バックアップ部材は、基板をZ2方向側から支持可能な形状であればよく、棒形状以外の形状であってもよい。
また、第1および第2実施形態では、複数のテープフィーダ22が、台車部21のZ1方向側の端部に着脱可能に取り付けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、複数のテープフィーダは、基台に直接着脱可能に取り付けられてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、通信部35(検知部)は、トレイ供給装置3(第1付属装置)が基台1に設置された際、制御部34と制御装置11(制御部)とが電気的に接続されたことを検知する接続端子である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、検知部は、基台上に取り付けられ、第1付属装置が基台に設置されたことを検知するセンサ部であってもよい。センサ部は、反射型の光センサなどであることが好ましい。
また、上記第1および第2実施形態では、第1駆動源145および第2駆動源146は、各々、サーボモータおよびステッピングモータなどの電動機である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1駆動源および第2駆動源は、各々、エアシリンダなどであってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、部品実装装置100(200)は、トレイ供給装置3(第1付属装置)を備えている例を示したが、本発明はこれに限られない。部品供給装置は、第1付属装置としてオーバーラップ領域Rを有している装置であればどのような装置を備えていてもよい。第1付属装置は、たとえば、図18に示す第1変形例のように、平面視においてベース部44に重なるオーバーラップ領域Rを有するテープフィーダ322を含むフィーダ装置ユニット302であってもよい。また、第1付属装置は、たとえば、平面視においてベース部に重なるオーバーラップ領域を有するボールフィーダを含むフィーダ装置またはスティックフィーダを含むフィーダ装置であってもよい。また、第1付属装置は、基板に実装する電子部品の電極の検査を行う検査装置、または、電子部品に液材(フラックス)を塗布する塗布装置などであってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、昇降部45は、第1駆動源145と、第1駆動源145とは別個に設けられる第2駆動源146とを有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、昇降部45は、図19に示す第2変形例のように、第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bの各々を昇降させる単一の駆動源445と、単一の駆動源445から第2バックアップ部44bへ動力を伝達させるか、または、単一の駆動源445から第2バックアップ部44bへの動力の伝達を遮断するかを切換可能なクラッチ部446とを有していてもよい。これにより、クラッチ部446を設けることにより、第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bの各々を単一の駆動源445により独立して昇降させることができるので、部品実装装置400において必要となる駆動源の数の増加を抑制することができる。
また、上記第1実施形態では、制御装置11(制御部)は、基台1における第2バックアップ部44bに対応する箇所にフィーダ装置ユニット2(第2付属装置)が基台1に設置された場合、基板Bが作業位置Wに搬送された後、移動部43により基板搬送部42が引込位置M2へ配置されたことに基づいて、第1バックアップ部44aおよび第2バックアップ部44bの両方を上昇位置P1に配置するように昇降部45を制御するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、第2付属装置が基台における第2バックアップ部に対応する箇所に設置された場合、基板が作業位置に搬送された後、移動部により基板搬送部が引込位置へ配置されたことに基づいて、少なくとも第2バックアップ部のみを上昇位置に配置するように昇降部を制御するように構成すればよい。これにより、基板搬送部を引込位置に移動させて第2付属装置の近傍位置に基板を配置した状態においても、第2バックアップ部を上昇位置に配置することにより、基板を確実に支持することができる。また、引込位置に基板搬送部が移動した場合において、基板のサイズ(大きさ)に合わせて、第2バックアップ部のみを上昇位置に配置するか、または、第1バックアップ部および第2バックアップ部の両方を上昇位置に配置するかを変えることができる。この結果、移動部により第2付属装置側へ移動した基板搬送部上の基板をより適切に支持することができる。
また、第1および第2実施形態では、部品実装装置100(200)は、複数の実装ステージとして、それぞれ第1実装部4および第2実装部5を備えている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、部品実装装置は、1つまたは3つ以上の実装ステージを備えていてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、説明の便宜上、制御装置11(211:制御部)の制御処理を、処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の制御処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。