JP2020124965A - 乗物用シート - Google Patents

Abstract

【課題】 シート本体が前方側に大きくスライドしたときに、上記ロック機構の規制が解除されてしまうことを抑制可能な乗物用シートの一例を開示する。【解決手段】 シートバックがシート前方側に倒伏する作動に連動してシートクッションを着座可能位置から上方側に回転変位させるチップアップ機構と、スライド装置１０に設けられた第２ロック機構１４であって、チップアップ機構の作動によりシートクッションの仰角が予め決められた角度を超えたときにシート本体のスライドを規制する第２ロック機構１４とを少なくとも備える。これにより、例えば、ウォークイン可能状態時に、シートバックが着席可能状態になった場合であっても、第２ロック機構１４の規制が解除されてしまうことが抑制される。【選択図】 図７

Description

本開示は、乗物に搭載される乗物用シートに関する。

例えば、特許文献１に記載の乗物用シートは、シート本体をシート前方側に大きくスライド変位させる機能（例えば、ウォークイン機能又は）を備える。当該機能（以下、ロングスライド機能ともいう。）の作動時においては、シートクッションがシート前方側に大きく倒伏する作動に連動してシートクッションを着座可能位置から上方側に回転変位させるチップアップ機能が作動する。

特許文献１に記載の発明は、ロングスライド機能が作動してシート本体が最前方までスライドしたときに、シート本体のスライドを規制するロック機構を備える。当該ロック機構は、シーバックが倒伏状態から着席可能状態に復帰すると、当該規制が解除される。

特開２００５−２２５５１号公報

特許文献１に記載に記載の発明では、シート本体が最前方までスライドしたときに、大きな荷重が作用してシートバックが着席可能状態になると、ロック機構の規制が解除されてしまう。

本開示は、上記点に鑑み、シート本体が前方側に大きくスライドしたときに、上記ロック機構の規制が解除されてしまうことを抑制可能な乗物用シートの一例を開示する。

乗物に搭載される乗物用シートは、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも１つを備えることが望ましい。
すなわち、当該構成要件は、着席者の臀部を支持するためのシートクッション（３）であって、後端側を中心に上下方向に回転可能なシートクッション（３）と、着席者の背部を支持するためのシートバック（５）であって、下端側を中心にシート前後方向に回転可能なシートバック（５）と、シートクッション（３）及びシートバック（５）を有するシート本体（２）をスライド可能に支持するスライド装置（１０）と、スライド装置（１０）に設けられ、シートクッション（３）及びシートバック（５）が着席可能状態にあるときに、シート本体（２）のスライドを規制する第１ロック機構（１３）と、シートバック（５）がシート前方側に倒伏する作動に連動してシートクッション（３）を着座可能位置から上方側に回転変位させるチップアップ機構（７）と、スライド装置（１０）に設けられた第２ロック機構（１４）であって、チップアップ機構（７）の作動によりシートクッション（３）の仰角が予め決められた角度を超えたときにシート本体（２）のスライドを規制する第２ロック機構（１４）とである。

これにより、当該乗物用シートでは、シートバック（５）が着席可能状態になっても、第２ロック機構（１４）の規制が解除されてしまうことが抑制される。
当該乗物用シートは、以下の構成であってもよい。

スライド装置（１０）は、固定レール（１１）、及びシート本体（２）が固定され、かつ、当該固定レール（１１）に対してスライド可能な可動レール（１２）を有し、第２ロック機構（１４）は、可動レール（１２）及び固定レール（１１）と係合する係合位置と当該係合が解除された解除位置との間で変位するロック部材（１４Ａ）、ロック部材（１４Ａ）を係合位置に向けて変位させる弾性力を発揮するバネ（１４Ｂ）、並びにシートクッション（３）に設けられ、当該シートクッション（３）が着座可能位置にあるときにロック部材（１４Ａ）を解除位置に変位させ、当該シートクッション（３）の仰角が予め決められた角度を超えているときに、ロック部材（１４Ａ）が係合位置となることを許容するロック制御部材（１４Ｆ）を有することが望ましい。

これにより、当該乗物用シートでは、シートバック（５）が着席可能状態になっても、第２ロック機構（１４）の規制が解除されてしまうことが抑制される。
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されるものではない。

第１実施形態に係る乗物用シートの概念図である。 第１実施形態に係るスライド装置１０等を示す図である。 第１実施形態に係るスライド装置１０等を示す図である。 第１実施形態に係る第２ロック機構の模式図である。 第１実施形態に係る第２ロック機構の模式図である。 第１実施形態に係る第１ロック機構１３及び第２ロック機構を示す図である。 第１実施形態に係る第１ロック機構１３及び第２ロック機構を示す図である。

以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されるものではない。

少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「１つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも１つ設けられている。つまり、「１つの」等の断りがない場合には、当該部材は２以上設けられていてもよい。本開示に示された発明は、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素を備える。

本実施形態は、車両等の乗物に搭載されるシート（以下、乗物用シートという。）に本開示に係るシートが適用された例である。各図に付された方向を示す矢印等は、各図相互の関係を理解し易くするために記載されたものである。

したがって、本開示に示された発明は、各図に付された方向に限定されるものではない。各図に示された方向は、本実施形態に係る乗物用シートが車両に組み付けられた状態における方向である。

（第１実施形態）
１．乗物用シートの概要
乗物用シート１は、図１に示されるように、シート本体２及びスライド装置１０等を少なくとも備えて構成されている。シート本体２は、シートクッション３及びシートバック５等を少なくとも有する。

シートクッション３は着席者の臀部を支持するための部位である。当該シートクッション３は、シート前後方向後端側を中心に上下方向に回転可能である。具体的には、シートクッション３は、図１の実線で示される状態と図１の二点鎖線で示される状態との間で回転変位可能である。

シートバック５は着席者の背部を支持するための部位である。当該シートバック５は、下端側を中心にシート前後方向に回転可能である。具体的には、シートバック５は、図１の実線で示される状態と図１の二点鎖線で示される状態との間で回転変位可能である。

以下、図１の実線で示される状態のシート本体２を着席可能状態という。図１の二点鎖線で示される状態のシート本体２をウォークイン可能状態という。ウォークイン可能状態では、シートバック５は、着席可能状態時の位置に比べてシート前方側に倒伏した状態となり、かつ、シートクッション３は、着席可能状態時の位置に比べて上方側に回転変位した状態となる。

スライド装置１０は、シート本体２をシート前後方向にスライド可能に支持する機構である。当該シート本体２には、図２及び図３に示されるように、チップアップ機構７が設けられている。

チップアップ機構７は、シート本体２の状態が着席可能状態時からウォークイン可能状態に移行する際に作動する機構である。具体的には、当該チップアップ機構７は、シートバック５がシート前方側に倒伏する作動に連動して、ロアアーム３Ａを着席可能位置（図２参照）からウォークイン位置（図３参照）に回転変位させる。

ロアアーム３Ａは、シートクッション３の骨格の一部を構成する。つまり、チップアップ機構７は、ロアアーム３Ａを着席可能位置からウォークイン位置に回転変位させる機能を少なくとも発揮する。

ロアアーム３Ａは、シートサイドフレーム３Ｂに回転可能に連結されている。シートサイドフレーム３Ｂは、シート本体２の骨格を構成する。シートサイドフレーム３Ｂのシート後端側には、シートバック５が回転可能に連結されている。

本実施形態に係るチップアップ機構７は、渦巻きばね７Ａを有し、当該渦巻きばね７Ａの弾性力を利用してシートクッション３を着席可能位置からウォークイン位置に回転変位させる。

すなわち、渦巻きばね７Ａは、着席可能位置にあるシートクッション３をウォークイン位置に向けて変位させる弾性力を当該シートクッション３に作用させている。このため、チップアップ機構７は、当該弾性力に対抗してシートクッション３を着席可能位置に保持する保持機構（図示せず。）を有する。

シートバック５の上部（本実施形態では、肩口）には、シート本体２をウォークイン可能状態にするための操作部（図示せず。）が設けられている。当該操作部が利用者により操作されると、保持機構による保持状態が解除されるともに、シートバック５が倒伏する。このため、シート本体２がウォークイン可能状態となる。

２．スライド装置の詳細
＜スライド装置の概要＞
スライド装置１０は、図４〜図７に示されるように、固定レール１１、可動レール１２、第１ロック機構１３及び第２ロック機構１４等を少なくとも有して構成されている。

固定レール１１は車両に対して固定される部材である。可動レール１２は、シート本体２（本実施形態では、シートサイドフレーム３Ｂ）が固定され、かつ、固定レール１１に対してスライド可能な部材である。

第１ロック機構１３は、シート本体２が着席可能状態にあるときに、当該シート本体２のスライドを規制する機構である。第２ロック機構１４は、チップアップ機構７の作動によりシートクッション３の仰角θ（図１参照）が予め決められた角度を超えたときにシート本体２のスライドを規制する機構である。

＜第１ロック機構＞
第１ロック機構１３は、図６に示されるように、少なくとも１つ（本実施形態では、複数）のロック部材１３Ａ、少なくとも１つ（本実施形態では、複数）のバネ１３Ｂ、解除レバー１３Ｃ及び被押圧部１３Ｄ等を有して構成されている。

複数のロック部材１３Ａは、可動レール１２及び固定レール１１と係合する係合位置と当該係合が解除された解除位置との間で変位可能である。複数のバネ１３Ｂは、当該ロック部材１３Ａを係合位置に向けて変位させる弾性力を発揮する。

解除レバー１３Ｃは、被押圧部１３Ｄを押圧する位置と当該被押圧部１３Ｄから離間した位置との間で変位可能な部材である。被押圧部１３Ｄは、複数のロック部材１３Ａが設けられた可動部材１３Ｅに設けられている。

そして、被押圧部１３Ｄが解除レバー１３Ｃにより押圧されると、複数のロック部材１３Ａが解除位置に変位する。被押圧部１３Ｄが解除レバー１３Ｃから離間すると、複数のバネ１３Ｂの弾性力により、複数のロック部材１３Ａが係合位置に復帰する。

なお、解除レバー１３Ｃは、リンク又は操作ケーブル等の操作部材（図示せず。）を介して利用者により操作される。つまり、操作部材に操作力が作用していない状態では、第１ロック機構１３は、シート本体２のスライドを規制するロック状態となる。

＜第２ロック機構＞
第２ロック機構１４は、図７に示されるように、少なくとも１つのロック部材１４Ａ、少なくとも１つ（本実施形態では、複数）のバネ１４Ｂ、解除レバー１４Ｃ、被押圧部１４Ｄ及びロック制御部材１４Ｆ等を有して構成されている。

ロック部材１４Ａは、可動レール１２及び固定レール１１と係合する係合位置（図５参照）と当該係合が解除された解除位置（図４参照）との間で変位可能である。複数のバネ１４Ｂは、当該ロック部材１４Ａを係合位置に向けて変位させる弾性力を発揮する。

解除レバー１４Ｃは、被押圧部１４Ｄを押圧する位置（図６参照）と当該被押圧部１４Ｄから離間した位置（図７参照）との間で変位可能な部材である。被押圧部１４Ｄは、ロック部材１４Ａが設けられた可動部材１４Ｅ（図４参照）に設けられている。

そして、被押圧部１４Ｄが解除レバー１４Ｃにより押圧されると、ロック部材１４Ａが解除位置に変位する（図４及び図６参照）。被押圧部１４Ｄが解除レバー１４Ｃから離間すると、複数のバネ１４Ｂの弾性力により、複数のロック部材１４Ａが係合位置に復帰する（図５及び図７参照）。

第２ロック機構１４は、解除レバー１４Ｃを被押圧部１４Ｄから離間した位置（図７参照）に変位させるバネ（図示せず。）を有している。そして、解除レバー１４Ｃは、ロック制御部材１４Ｆから力受けると、被押圧部１４Ｄと接触する（図６参照）。

ロック制御部材１４Ｆが解除レバー１４Ｃから離間すると、解除レバー１４Ｃは、上記バネの弾性力により、被押圧部１４Ｄから離間した位置に復帰する（図７参照）。ロック制御部材１４Ｆは、ロアアーム３Ａ、つまりシートクッション３に一体化されている。

したがって、ロック制御部材１４Ｆは、シートクッション３の変位に連動して、第１位置（図６参照）と第２位置（図７参照）との間で変位する。第１位置にあるロック制御部材１４Ｆは、解除レバー１４Ｃを被押圧部１４Ｄに接触させる。

第２位置にあるロック制御部材１４Ｆは、解除レバー１４Ｃを被押圧部１４Ｄから離間させる。なお、第１位置では、ロック制御部材１４Ｆと解除レバー１４Ｃとが接触する（図６参照）。第２位置では、ロック制御部材１４Ｆは解除レバー１４Ｃから離間する（図７参照）。

そして、シートクッション３の仰角θ（図１参照）が予め決められた角度を超えたとき、ロック制御部材１４Ｆは、解除レバー１４Ｃを被押圧部１４Ｄから離間させる位置（図７参照）とする。シートクッション３の仰角θが当該角度以下のとき、解除レバー１４Ｃを被押圧部１４Ｄに接触させる位置（図６参照）とする。

したがって、シートクッション３の仰角が上記角度を超えているときには、ロック部材１４Ａが係合位置となる（図７参照）。シートクッション３の仰角θが当該角度以下のときには、ロック部材１４Ａが解除位置となる（図６参照）。

３．本実施形態に係る乗物用シートの特徴
上述したように、第２ロック機構１４は、シートクッション３の仰角が予め決められた角度を超えたときには、シート本体２のスライドを規制する。

これにより、本実施形態に係る乗物用シート１では、ウォークイン可能状態時に、シートバック５が着席可能状態になった場合であっても、第２ロック機構１４の規制が解除されてしまうことが抑制される。

（その他の実施形態）
上述の実施形態に係るロック制御部材１４Ｆは、ロアアーム３Ａに一体化されてシートクッション３と連動して変位する構成であった。しかし、本明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、当該発明は、例えば、ロック制御部材１４Ｆがリンク機構や操作ケーブルを介してシートクッション３と連動して変位する構成であってもよい。

上述の実施形態では、ウォークイン機能を実施可能な乗物用シートであった。しかし、本明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、当該発明は、例えば、荷室を拡大する際にシート本体をシート前方側に大きくスライドさせることが可能な乗物用シートであってもよい。

上述の実施形態における第１ロック機構１３及び第２ロック機構１４の具体的な構成は、本明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。つまり、本明細書に開示された構成以外の構成の第１ロック機構１３及び第２ロック機構１４であってもよい。

上述の実施形態では、車両に本開示に係る乗物用シートを適用した。しかし、本明細書に開示された発明の適用はこれに限定されるものではなく、鉄道車両、船舶及び航空機等の乗物に用いられるシート、並びに劇場や家庭用等に用いられる据え置き型シートにも適用できる。

さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも２つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成でもよい。

１… 乗物用シート ２… シート本体 ３… シートクッション
３Ａ… ロアアーム ３Ｂ… シートサイドフレーム ５… シートバック
７… チップアップ機構 １０… スライド装置 １１… 固定レール
１２… 可動レール １３… 第１ロック機構 １３Ａ… ロック部材
１３Ｂ… バネ １３Ｃ… 解除レバー １３Ｄ… 被押圧部
１３Ｅ… 可動部材 １４… 第２ロック機構 １４Ａ… ロック部材
１４Ｂ… バネ １４Ｃ… 解除レバー １４Ｄ… 被押圧部
１４Ｅ… 可動部材 １４Ｆ… ロック制御部材

Claims (2)

1. 乗物に搭載される乗物用シートにおいて、
   着席者の臀部を支持するためのシートクッションであって、後端側を中心に上下方向に回転可能なシートクッションと、
   着席者の背部を支持するためのシートバックであって、下端側を中心にシート前後方向に回転可能なシートバックと、
   前記シートクッション及び前記シートバックを有するシート本体をスライド可能に支持するスライド装置と、
   前記スライド装置に設けられ、前記シートクッション及び前記シートバックが着席可能状態にあるときに、前記シート本体のスライドを規制する第１ロック機構と、
   前記シートバックがシート前方側に倒伏する作動に連動して前記シートクッションを着座可能位置から上方側に回転変位させるチップアップ機構と、
   前記スライド装置に設けられた第２ロック機構であって、前記チップアップ機構の作動により前記シートクッションの仰角が予め決められた角度を超えたときに前記シート本体のスライドを規制する第２ロック機構と
   を備える乗物用シート。
2. 前記スライド装置は、
   固定レール、及び
   前記シート本体が固定され、かつ、前記固定レールに対してスライド可能な可動レールを有し、
   前記第２ロック機構は、
   前記可動レール及び前記固定レールと係合する係合位置と当該係合が解除された解除位置との間で変位するロック部材、
   前記ロック部材を前記係合位置に向けて変位させる弾性力を発揮するバネ、並びに
   前記シートクッションに設けられ、当該シートクッションが前記着座可能位置にあるときに前記ロック部材を前記解除位置に変位させ、当該シートクッションの仰角が予め決められた角度を超えているときに、前記ロック部材が前記係合位置となることを許容するロック制御部材
   を有する請求項１に記載の乗物用シート。