JP2020124856A - ハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

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郁仁 手嶋
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Abstract

【課題】未封止部が生じにくいハニカム構造体の製造方法を提供する。【解決手段】原料を混合して原料組成物を作製する混合工程、上記原料組成物を成形して未封止ハニカム成形体を作製する成形工程、上記未封止ハニカム成形体を再成形し、排ガス導入セル32及び排ガス排出セル33となるセルの長手方向に垂直な断面形状が端面30a,30bに近づくに従って拡大され、又は、縮小され、封じられた形状の封止ハニカム成形体を作製する再成形工程、上記封止ハニカム成形体の端面に、上記原料組成物を含むスラリーを塗布する塗布工程、並びに、上記封止ハニカム成形体を焼成する焼成工程を有することを特徴とするハニカム構造体30の製造方法。【選択図】図5

Description

本発明は、ハニカム構造体の製造方法に関する。
ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中には、スス等のパティキュレート(以下、PMともいう)が含まれており、近年、このPMが環境または人体に害を及ぼすことが問題となっている。また、排ガス中には、CO、HCまたはNOx等の有害なガス成分も含まれていることから、この有害なガス成分が環境または人体に及ぼす影響についても懸念されている。
そこで、内燃機関と連結されることにより排ガス中のPMを捕集したり、排ガスに含まれるCO、HCまたはNOx等の排ガス中の有害なガス成分を浄化したりする排ガス浄化装置として、チタン酸アルミニウム、コージェライト、炭化ケイ素等の多孔質セラミックからなるハニカム構造体が種々提案されている。
また、これらのハニカムフィルタでは、内燃機関の燃費を改善し、圧力損失の上昇に起因する運転時のトラブル等をなくすために、圧力損失の低いハニカム構造体からなるフィルタが種々提案されている。
特許文献1には、柱体の端面に複数の孔が開口したハニカム構造体の製造方法であって、 柱体の端面に互いに隔壁で区画された複数の貫通孔が開口しており、焼成することにより上記ハニカム構造体となるグリーンハニカム成形体の複数の上記貫通孔の一部に封口用治具の複数の封口用突起をそれぞれ挿入することにより、上記隔壁同士を溶着させて上記貫通孔を封口する封口工程を備え、上記封口工程では、上記封口用突起が、複数の上記貫通孔の一部に対応した位置に配置されており、且つ上記封口用突起が、上記封口用突起の先端部に位置し、円錐状をなす円錐状先端部と、上記封口用突起の基部に位置し、上記円錐状先端部よりも頂角が大きい角錐から相似に縮小した角錐を取り除いた角錐台状をなす角錐状基部とを有する上記封口用治具を用いて上記貫通孔を封口する、ハニカム構造体の製造方法が開示されている。
再公表特許2014−61495号
特許文献1に記載のハニカム構造体の製造方法では、ハニカム構造体の端部の変形角度が大きすぎると壁面が破損し、変形角度が小さすぎると未封止部が生じることがあった。該未封止部が生じると、スス漏れや端面の破損を引き起こす原因となり、改善の余地があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、未封止部が生じにくいハニカム構造体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のハニカム構造体の製造方法は、排ガスの流路となる複数のセルを区画形成する多孔質のセル隔壁と、排ガス入口側の端面が開口され且つ排ガス出口側の端面が封じられている排ガス導入セルと、排ガス出口側の端面が開口され且つ排ガス入口側の端面が封じられている排ガス排出セルとを備えたハニカム構造体の製造方法であって、原料を混合して原料組成物を作製する混合工程、上記原料組成物を成形して未封止ハニカム成形体を作製する成形工程、上記未封止ハニカム成形体を再成形し、排ガス導入セル及び排ガス排出セルとなるセルの長手方向に垂直な断面形状が端面に近づくに従って拡大され、又は、縮小され、封じられた形状の封止ハニカム成形体を作製する再成形工程、上記封止ハニカム成形体の端面に、上記原料組成物を含むスラリーを塗布する塗布工程、並びに、上記封止ハニカム成形体を焼成する焼成工程を有することを特徴とする。
本発明者らは、詳しくは後述するが、ハニカム構造体の製造方法について詳細に検討し、再成形工程の後、原料組成物を含むスラリーを塗布する塗布工程を有するので、得られたハニカム構造体にスス漏れや端面の破損を引き起こす原因となる未封止部が生じることを防止することができた。
本発明のハニカム構造体の製造方法においては、原料組成物を含むスラリーは、原料組成物濃度が5〜80重量%であることが好ましく、原料組成物濃度が30〜60重量%であることがより好ましい。原料組成物を含むスラリーの固形分濃度を上記範囲とすることにより、未封止部が生じることをより確実に防止することができる。
原料組成物を含むスラリーの原料組成物濃度が5質量%未満であると、ハニカム構造体の端部が変形することがあり、原料組成物を含むスラリーの原料組成物濃度が80質量%を超えると、排ガス導入セル及び排ガス排出セルの開口側に詰りが生じることがある。
本発明のハニカム構造体の製造方法においては、原料組成物を含むスラリーは、粘度が50〜200000mPa・sであることが好ましく、粘度が10000〜100000mPa・sであることがより好ましい。原料組成物を含むスラリーの粘度を上記範囲とすることにより、未封止部が生じることをより確実に防止することができる。
原料組成物を含むスラリーの粘度が50mPa・s未満であると、ハニカム構造体の端部が変形することがあり、原料組成物を含むスラリーの粘度が200000mPa・sを超えると、排ガス導入セル及び排ガス排出セルの開口側に詰りが生じることがある。
なお、原料組成物を含むスラリーの粘度は、10000mPa・sまでの低粘度側は音叉型振動式粘度計(A&D社製 Vibro Viscometer SV−10)、10000mPa・sを超える高粘度側は回転式粘度計(malcom社製 スパイラル粘度計 PC−1TL)を用いて、温度25℃にて測定した粘度である。
本発明のハニカム構造体の製造方法においては、原料組成物は、少なくともアルミナ粉末、チタニア粉末及び分散媒を含むことが好ましい。
このような原料組成物を用いたハニカム構造体は、熱膨張率が低く、大型のフィルタであっても堆積したPMの燃焼に際してかかる熱によって破壊されにくい性質を好適に付与することができる。
図1(a)は、成形工程により作製された未封止ハニカム成形体を模式的に示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示した未封止ハニカム成形体のA−A線断面図である。 図2は、未封止ハニカム成形体の再成形工程の様子を模式的に示す説明図である。 図3は、未封止ハニカム成形体の再成形工程の様子を模式的に示す断面図である。 図4は、塗布工程の一例を模式的に示す説明図である。 図5(a)は、ハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図であり、図5(b)は、図5(a)におけるB−B線断面図であり、図5(c)は、一方の端面側から見た端面図である。
(発明の詳細な説明)
[ハニカム構造体の製造方法]
まず、本発明のハニカム構造体の製造方法について説明する。
本発明のハニカム構造体の製造方法は、排ガスの流路となる複数のセルを区画形成する多孔質のセル隔壁と、排ガス入口側の端面が開口され且つ排ガス出口側の端面が封じられている排ガス導入セルと、排ガス出口側の端面が開口され且つ排ガス入口側の端面が封じられている排ガス排出セルとを備えたハニカム構造体の製造方法であって、原料を混合して原料組成物を作製する混合工程、上記原料組成物を成形して未封止ハニカム成形体を作製する成形工程、上記未封止ハニカム成形体を再成形し、排ガス導入セル及び排ガス排出セルとなるセルの長手方向に垂直な断面形状が端面に近づくに従って拡大され、又は、縮小され、封じられた形状の封止ハニカム成形体を作製する再成形工程、上記封止ハニカム成形体の端面に、上記原料組成物を含むスラリーを塗布する塗布工程、並びに、上記封止ハニカム成形体を焼成する焼成工程を有することを特徴とする。
以下においては、チタン酸アルミニウムからなるハニカム構造体の製造方法を例にとって説明するが、本発明の製造対象は、チタン酸アルミニウムに限定されるものではない。
(混合工程)
混合工程は、少なくともアルミナ粉末、チタニア粉末及び分散媒を含む原料を混合して原料組成物を作製する工程である。
まず、アルミナ粉末及びチタニア粉末に、マグネシア粉末、シリカ粉末等の添加剤を添加し、混合することにより混合粉末を得る。
上記混合粉末において、シリカとマグネシアは、焼成助剤としての役割もあるが、焼成助剤としては、シリカとマグネシアの他に、Y、La、Na、K、Ca、Sr、Baの酸化物が用いられていてもよい。これらの混合粉末に以下の添加剤を必要により添加して原料組成物を得る。成形助剤としては、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコールが挙げられる。有機バインダとしては、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース等の親水性有機高分子が挙げられる。
分散媒としては、水のみからなる分散媒、又は、50体積%以上の水と有機溶剤とからなる分散媒が挙げられる。有機溶剤としては、ベンゼン、メタノール等のアルコールが挙げられる。造孔剤としては、球状アクリル粒子、グラファイト、デンプンが挙げられる。
また、原料組成物中には、その他の成分が更に含有されていてもよい。その他の成分としては、たとえば、可塑剤、分散剤、潤滑剤が挙げられる。可塑剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系化合物が挙げられる。分散剤としては、たとえば、ソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。潤滑剤としては、たとえば、グリセリンが挙げられる。
(成形工程)
成形工程は、混合工程により得られた原料組成物を成形して未封止ハニカム成形体を作製する工程である。
未封止ハニカム成形体は、たとえば、原料組成物を押出金型を用いて押出成形することにより作製することができる。すなわち、未封止ハニカム成形体は、ハニカム構造体の筒状の外周壁と隔壁となる部分を構成する壁部を一度に押出成形することにより作製する。また、押出成形では、ハニカム構造体の一部の形状に対応する成形体を成形してもよい。すなわち、ハニカム構造体の一部の形状に対応する成形体を成形し、それら成形体を組み合わせることによってハニカム構造体と同一形状を有するハニカム成形体を作製してもよい。
図1(a)は、成形工程により作製された未封止ハニカム成形体を模式的に示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示した未封止ハニカム成形体のA−A線断面図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、上記成形工程により、セル12、13の長手方向に垂直な断面形状が四角で、端面10a′、10b′におけるセル12、13の形状も全く同じ四角形状で、セル12、13を隔てるセル隔壁11を有し、全体が円柱形状の未封止ハニカム成形体10′が作製される。
(再成形工程)
再成形工程は、未封止ハニカム成形体を再成形し、排ガス導入セル及び排ガス排出セルとなるセルの長手方向に垂直な断面形状が端面に近づくに従って拡大され、又は、縮小され、封じられた形状の封止ハニカム成形体を作製する工程である。
具体的には、未封止ハニカム成形体10′に対し、テーパー冶具を用い、ハニカム構造体の端部領域に相当する部分を形成するための再成形を行い、排ガス導入セル及び排ガス排出セルとなるセル12、13の長手方向に垂直な断面形状が端面に近づくに従って拡大され、又は、縮小され、封じられた形状の封止ハニカム成形体とする。
図2は、未封止ハニカム成形体の再成形工程の様子を模式的に示す説明図であり、図3は、未封止ハニカム成形体の再成形工程の様子を模式的に示す断面図である。
図2及び図3に示すように、支持部23と支持部23上に固定された基台部21と基台部21上に形成された多数の四角錐形状の先端部22とを備えたテーパー冶具20を用い、先端部22の四角錐を構成する4つの平面22bの境界部である角部22cが未封止ハニカム成形体10′の端面10a′におけるセル隔壁11の四角を構成する一の辺11aの真ん中に当接するように配置し、未封止ハニカム成形体10′の中央部分に向かってテーパー冶具20を押し込む。
このとき、先端部22が押し込まれたセル12の端部領域に相当する部分は、セルの長手方向に垂直な断面形状が端面に近づくに従って拡大された形状となり、先端部22が押し込まれたセル12の上下左右に存在していたセル13の端部領域に相当する部分は、セル13の長手方向に垂直な断面形状が端面に近づくに従って縮小され、封じられた形状となる。
テーパー治具の先端部22の角度及び隣り合う先端部22同士の幅を調整することにより、端面におけるセル隔壁の厚さを調整することができる。
(塗布工程)
塗布工程は、封止ハニカム成形体の端面に、原料組成物を含むスラリーを塗布する工程である。
図4は、塗布工程の一例を模式的に示す説明図である。
図4に示すように、塗布工程は、例えば、封止されたハニカム構造体30の端面に、スポンジ40等を用いて原料組成物を含むスラリーを塗布することで行うことができる。
塗布工程は、未封止部が生じることを好適に防止する観点から、両側の端面に対して行うことが好ましい。
塗布方法としては、特に限定されず、スポンジによる塗布、刷毛塗り、ロールコート等が挙げられる。
封止ハニカム成形体の端面に対して、原料組成物を含むスラリーを適量かつ均等に塗布できる観点から、スポンジ及び刷毛塗りが好ましい。
また、塗布工程において、単位面積当たりの塗布量は、50〜500g/mの範囲となるように塗布するのが好ましい。
原料組成物を含むスラリーは、原料組成物濃度が5〜80重量%であることが好ましく、原料組成物濃度が30〜60重量%であることがより好ましい。原料組成物を含むスラリーの固形分濃度を上記範囲とすることにより、未封止部が生じることをより確実に防止することができる。
原料組成物を含むスラリーの原料組成物濃度が5質量%未満であると、ハニカム構造体の端部が変形することがあり、原料組成物を含むスラリーの原料組成物濃度が80質量%を超えると、排ガス導入セル及び排ガス排出セルの開口側に詰りが生じることがある。
原料組成物を含むスラリーは、粘度が50〜200000mPa・sであることが好ましく、粘度が10000〜100000mPa・sであることがより好ましい。原料組成物を含むスラリーの粘度を上記範囲とすることにより、未封止部が生じることをより確実に防止することができる。
原料組成物を含むスラリーの粘度が50mPa・s未満であると、ハニカム構造体の端部が変形することがあり、原料組成物を含むスラリーの粘度が200000mPa・sを超えると、排ガス導入セル及び排ガス排出セルの開口側に詰りが生じることがある。
なお、原料組成物を含むスラリーの粘度は、10000mPa・sまでの低粘度側は音叉型振動式粘度計(A&D社製 Vibro Viscometer SV−10)、10000mPa・sを超える高粘度側は回転式粘度計(malcom社製 スパイラル粘度計 PC−1TL)を用いて、温度25℃にて測定した粘度である。
原料組成物を含むスラリーは、水のみからなる水性媒体、又は、50体積%以上の水と有機溶剤とからなる水性媒体を含んでもよい。有機溶剤としては、ベンゼン、メタノール等のアルコールが挙げられる。
原料組成物を含むスラリーにおける水性媒体の濃度としては、必要とする粘度に応じて適宜調整すれば良いが、例えば、20〜95質量%であることが好ましい。
この塗布工程が行われた封止ハニカム成形体30は、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等の乾燥機を用い、100〜150℃、大気雰囲気下で乾燥され、250〜400℃、酸素濃度5容積%〜大気雰囲気下で脱脂される。
(焼成工程)
焼成工程は、再成形工程により得られた封止ハニカム成形体を焼成する工程である。この焼成工程では、アルミナの表面からチタニアとの反応が進行して、チタン酸アルミニウムの相が形成される。焼成は、公知の単独炉、いわゆるバッチ炉や、連続炉を用いて行うことができる。焼成温度は、1400〜1600℃の範囲であることが望ましく、1450〜1550℃の範囲であることがより望ましい。焼成時間は特に限定されないが、上記の焼成温度において1〜20時間保持することが望ましく、1〜10時間保持することがより望ましい。また、焼成工程は大気雰囲気下で行うことが望ましい。大気雰囲気に窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスを混合することにより、酸素濃度を調整してもよい。
上記した混合工程、成形工程、再成形工程、塗布工程、及び、焼成工程を経ることにより、ハニカム構造体を製造することができる。
本発明のハニカム構造体を製造方法により得られたハニカム構造体は、上述した工程を有するため、未封止部が生じにくい。
未封止部が生じる率としては、好適には5%以下であり、より好適には3%以下である。
未封止部が生じる率は、例えば、ハニカム構造体を作製し、得られたハニカム構造体について一方の端面から光を照射し、他方の端面から光漏れが生じたハニカム構造体のセルをカウントし、(光漏れが生じたハニカム構造体のセルの数)/(作製したハニカム構造体のセル総数)×100により求めることができる。
本発明のハニカム構造体の製造方法により得られるハニカム構造体は、排ガスの流路となる複数のセルを区画形成する多孔質のセル隔壁と、排ガス入口側の端面が開口され且つ排ガス出口側の端面が封じられている排ガス導入セルと、排ガス出口側の端面が開口され且つ排ガス入口側の端面が封じられている排ガス排出セルとを備えたハニカム構造体であって、上記排ガス導入セル及び上記排ガス排出セルは、上記排ガス導入セル及び上記排ガス排出セルの長手方向に垂直な断面形状が一定である内部領域と、上記排ガス導入セル及び上記排ガス排出セルの長手方向に垂直な断面形状が端面に近づくに従って拡大又は縮小されている端部領域とからなる。
本発明のハニカム構造体の製造方法により得られるハニカム構造体は、上述した本発明のハニカム構造体の製造方法により作製されるため、未封止部が生じにくく、スス漏れや端面の破損を起こしにくい。
図5(a)は、ハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図であり、図5(b)は、図5(a)におけるB−B線断面図であり、図5(c)は、一方の端面側から見た端面図である。
図5(a)及び図5(b)に示すハニカム構造体30は、排ガスの流路となる複数のセル32、33を区画形成する多孔質のセル隔壁31と、排ガス入口側の端面30aが開口され且つ排ガス出口側の端面30bが封じられている排ガス導入セル32と、排ガス出口側の端面30bが開口され且つ排ガス入口側の端面30aが封じられている排ガス排出セル33とを備え、排ガス導入セル32及び排ガス排出セル33は、排ガス導入セル32及び排ガス排出セル33の長手方向に垂直な断面形状が一定である内部領域30Bと、排ガス導入セル32及び排ガス排出セル33の長手方向に垂直な断面形状が端面に近づくに従って拡大され、又は、縮小され、封じられている端部領域30A、30Cとからなる。
また、図5(c)に示すように、端面30aにおける排ガス導入セル32の四角が内部領域30Bの排ガス導入セル32の四角を45°回転した形状を有する。
図5(a)及び図5(b)に示すように、ハニカム構造体30が単一のハニカム焼成体からなる場合、ハニカム焼成体はハニカム構造体でもある。
ハニカム構造体を構成する材料は、特に限定されず、例えば、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト、チタン酸アルミニウム等の酸化物セラミック、ケイ素含有炭化ケイ素等が挙げられるが、ハニカム構造体が外周に外周壁を有する一のハニカム焼成体により構成されている場合には、コージェライト又はチタン酸アルミニウムが好ましい。
ハニカム構造体は、チタン酸アルミニウムからなることがより好ましい。
ハニカム構造体がチタン酸アルミニウムからなると、チタン酸アルミニウムは、熱膨張率の低い材料であるので、再生時の熱膨張に起因する破損が発生しにくいハニカム構造体となる。
ハニカム構造体では、上記端部領域のセルの長手方向の長さは、1〜10mmであることが望ましい。
ハニカム構造体において、上記端部領域のセルの長手方向の長さが、1〜10mmであると、排ガス入口側において、排ガスがセル内部に導入される抵抗、及び、排ガス出口側において、排ガスがセル内部より排出される抵抗をより小さくできるため、圧力損失をさらに低減させることができる。
ハニカム構造体では、上記端面におけるセル隔壁の厚さは、0.1〜0.5mmであることが望ましい。
ハニカム構造体において、上記端面におけるセル隔壁の厚さが、0.1〜0.5mmであると、圧縮強度を低下させることなく、セル隔壁の厚さを充分に薄くすることができるので、圧力損失を充分に低減させることができる。
また、内部領域におけるセル隔壁の厚さは、0.12〜0.4mmであることが望ましい。
また、ハニカム構造体では、上記端部領域において、上記排ガス導入セル及び上記排ガス排出セルの長手方向に垂直な断面形状が端面に近づくに従って拡大又は縮小されており、排ガス入口側及び出口側の端面で開口率が高くなっているので、排ガスがハニカム構造体に流入する際及び排ガス構造体から流出する際の抵抗が小さくなり、圧力損失を充分に低減させることができる。
ハニカム構造体において、内部領域におけるセルの長手方向に垂直な断面形状は、四角形に限定されず、三角形、六角形、八角形であってもよいが、四角形であることが望ましく、正方形であることがより望ましい。
ハニカム構造体の形状としては、円柱状に限定されず、角柱状、楕円柱状、長円柱状、丸面取りされている角柱状(例えば、丸面取りされている三角柱状)等が挙げられる。
ハニカム構造体において、ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面のセルの密度は、31〜155個/cm(200〜1000個/inch)であることが望ましい。
ハニカム構造体において、ハニカム焼成体の外周面に外周コート層が形成されている場合、外周コート層の厚さは、0.1〜2.0mmであることが望ましい。
ハニカム構造体は、外周に外周壁を有する一のハニカム焼成体により構成されていてもよいし、複数個のハニカム焼成体を備えていてもよく、複数個のハニカム焼成体が接着剤により結合されていてもよいが、外周に外周壁を有する一のハニカム焼成体により構成されていることが望ましい。
ハニカム構造体では、上記セル隔壁の気孔率は、35〜65%であることが望ましい。
ハニカム構造体において、上記セル隔壁の気孔率が、35〜65%であると、セル隔壁は、排ガス中のPMを良好に捕集することができ、かつ、セル隔壁に起因する圧力損失の上昇を抑制することができる。従って、圧力損失をさらに低減させることができる。
ハニカム構造体において、上記セル隔壁に含まれる気孔の平均気孔径は、5〜30μmであることが望ましい。
ハニカム構造体において、上記セル隔壁に含まれる気孔の平均気孔径が、5〜30μmであると、圧力損失の増加を抑制しながら、高い捕集効率でPMを捕集することができる。
ハニカム構造体において、気孔径および平均気孔径は、水銀圧入法にて接触角を130°、表面張力を485mN/mの条件で測定する。
以下、上記実施形態をさらに具体化した実施例について説明する。
(実施例1)
まず、下記組成の原料組成物を調製した。
D50が0.6μmのチタニア微粉末:11.1重量%、D50が13.0μmのチタニア粗粉末:11.1重量%、D50が15.9μmのアルミナ粉末:30.4重量%、D50が1.1μmのシリカ粉末:2.8重量%、D50が3.8μmのマグネシア粉末:1.4重量%、D50が31.9μmのアクリル樹脂(造孔材):18.5重量%、メチルセルロース(有機バインダ):7.1重量%、成形助剤(エステル型ノニオン):4.7重量%、及び、イオン交換水(分散媒):12.9重量%からなる組成のものを混合機で混合し、原料組成物を調製した。
調製した原料組成物を押出成形機に投入して押出成形を行うことにより、図1(a)及び(b)に示す形状を有し、セルが封止されていない未封止ハニカム成形体10′を作製した。この時のハニカム成形体10′の直径が180mm、長さが140mm、セル隔壁の厚さが0.29mm、セル密度が32.6個/cmであった。
未封止ハニカム成形体10′を作製した後、アルミ製のテーパー冶具20を用いて、両端面の再成形を行い、封止ハニカム成形体を作製した。テーパー冶具20としては、未封止ハニカム成形体10′の端面10a′を形成するための先端部22同士の距離(図3に示すV:谷幅)を0.13mmに設定し、先端部22の四角錐の平面22bと、基台部21の先端部22が形成されている先端部形成面21a(基台部設置面 22a)に垂直な面と、の角度αを13°に設定した(図2及び図3参照)。
その一方で、上記原料組成物にイオン交換水(水性媒体)を加え、原料組成物を含むスラリーA(原料組成物濃度:47.2重量%、粘度:30000mPa・s)を作製した。
封止ハニカム成形体の片側の端面に対して、ウレタンスポンジを用いて上記原料組成物を含むスラリーを塗布した後、封止ハニカム成形体のもう一方の端面に対して、ウレタンスポンジを用いて原料組成物を含むスラリーAを塗布した。
原料組成物を含むスラリーAは、片側の端面に対して5gずつ塗布した。
なお、原料組成物を含むスラリーAの粘度は、回転式粘度計(malcom社製 スパイラル粘度計 PC−1TL)を用いて、温度25℃にて測定した。
塗布工程後、封止ハニカム成形体を大気雰囲気下、110℃で3分間乾燥した。その後、1450℃で15時間保持して焼成することにより、ハニカム構造体を製造した。
同様の製造方法により、ハニカム構造体を合計10体作製した。
(実施例2)
実施例1で用いた原料組成物にイオン交換水(水性媒体)を加え、原料組成物を含むスラリーB(原料組成物濃度:11.5重量%、粘度:100mPa・s)を作製した。
塗布工程において、原料組成物を含むスラリーBを用い、刷毛にて、片側の端面に対して5gずつ塗布したこと以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
同様の製造方法により、ハニカム構造体を合計10体作製した。
なお、原料組成物を含むスラリーBの粘度は、音叉型振動式粘度計(A&D社製 Vibro Viscometer SV−10)を用いて、温度25℃にて測定した。
(実施例3)
実施例1で用いた原料組成物にイオン交換水(水性媒体)を加え、原料組成物を含むスラリーC(原料組成物濃度:30.0重量%、粘度:10000mPa・s)を作製した。
塗布工程において、原料組成物を含むスラリーCを用い、片側の端面に対して5gずつ塗布したこと以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
同様の製造方法により、ハニカム構造体を合計10体作製した。
なお、原料組成物を含むスラリーCの粘度は、回転式粘度計(malcom社製 スパイラル粘度計 PC−1TL)を用いて、温度25℃にて測定した。
(実施例4)
実施例1で用いた原料組成物にイオン交換水(水性媒体)を加え、原料組成物を含むスラリーD(原料組成物濃度:60.0重量%、粘度:80000mPa・s)を作製した。
塗布工程において、原料組成物を含むスラリーDを用い、片側の端面に対して5gずつ塗布したこと以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
同様の製造方法により、ハニカム構造体を合計10体作製した。
なお、原料組成物を含むスラリーDの粘度は、回転式粘度計(malcom社製 スパイラル粘度計 PC−1TL)を用いて、温度25℃にて測定した。
(比較例1)
塗布工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
同様の製造方法により、ハニカム構造体を合計10体作製した。
(未封止部が生じた率)
実施例1〜4及び比較例1により得られたハニカム構造体それぞれ10体について、一方の端面から光を照射し、他方の端面から光漏れが生じた各ハニカム構造体のセルをカウントし、(光漏れが生じたセルの数)/(作製したハニカム構造体のセル総数)×100により、ハニカム構造体の未封止部が生じた率を求め、表1に示した。
Figure 2020124856
表1に示すように、塗布工程において、原料組成物を含むスラリーを塗布することにより、未封止部が生じにくくなることが確認された。
10′ 未封止ハニカム成形体
10a′、10b′ 端面
11 セル隔壁
11a 一の辺
12、13 セル
20 テーパー冶具
21 基台部
21a 先端部形成面
22 先端部
22a 基台部設置面
22b 平面
22c 角部
23 支持部
30 ハニカム構造体
30a、30b 端面
30A、30C 端部領域
30B 内部領域
31 セル隔壁
32 排ガス導入セル
33 排ガス排出セル
40 スポンジ

Claims (6)

  1. 排ガスの流路となる複数のセルを区画形成する多孔質のセル隔壁と、排ガス入口側の端面が開口され且つ排ガス出口側の端面が封じられている排ガス導入セルと、排ガス出口側の端面が開口され且つ排ガス入口側の端面が封じられている排ガス排出セルとを備えたハニカム構造体の製造方法であって、
    原料を混合して原料組成物を作製する混合工程、
    前記原料組成物を成形して未封止ハニカム成形体を作製する成形工程、
    前記未封止ハニカム成形体を再成形し、排ガス導入セル及び排ガス排出セルとなるセルの長手方向に垂直な断面形状が端面に近づくに従って拡大され、又は、縮小され、封じられた形状の封止ハニカム成形体を作製する再成形工程、
    前記封止ハニカム成形体の端面に、前記原料組成物を含むスラリーを塗布する塗布工程、並びに、
    前記封止ハニカム成形体を焼成する焼成工程
    を有することを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  2. 前記原料組成物を含むスラリーは、原料組成物濃度が5〜80重量%である請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法。
  3. 前記原料組成物を含むスラリーは、原料組成物濃度が30〜60重量%である請求項1又は2に記載のハニカム構造体の製造方法。
  4. 前記原料組成物を含むスラリーは、粘度が50〜200000mPa・sである請求項1〜3のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  5. 前記原料組成物を含むスラリーは、粘度が10000〜100000mPa・sである請求項1〜4のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  6. 前記原料組成物は、少なくともアルミナ粉末、チタニア粉末及び分散媒を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
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