JP2020122250A - 耐油紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い耐油性と高い通気性を併せ持つ非フッ素樹脂系の耐油紙を少ない塗布量の耐油層で提供することを目的とする。【解決手段】紙基材と、前記紙基材の両面に耐油層とを有する耐油紙であって、前記紙基材は、パルプとして広葉樹晒クラフトパルプ及び針葉樹晒クラフトパルプを含有し、当該パルプの配合比(広葉樹晒クラフトパルプ/針葉樹晒クラフトパルプ:L/N比)が0/100〜70/30(質量比)の範囲であり、ショッパーリグラー法に基づく叩解度が45°SR以上であり、緊度が、0.45g/cm3以上0.75g/cm3以下であり、かつ、ステキヒトサイズ度が5秒以上であり、前記耐油層は、耐油剤として少なくともスチレン−アクリル共重合樹脂及びパラフィンワックスを含有し、スチレン−アクリル共重合樹脂及びパラフィンワックスの配合比が90:10〜10:90(質量比)である耐油紙である。【選択図】なし

Description

本発明は、耐油紙に関する。
耐油紙は、油分や水分を多く含むファーストフードや揚げ物、焼き物といった調理済の食品、チョコレート等の油脂を多く含む食品に対する包装用紙や包装容器、あるいは食品トレイ等の紙製敷物として広く利用されている。
一般的に、紙に耐油性を付与する耐油剤としては、フッ素樹脂系耐油剤が汎用されており、例えば、紙基材表面にフッ素樹脂系耐油剤を塗工して耐油層を設けた耐油紙や、紙基材にフッ素樹脂系耐油剤を内添させた耐油紙が知られている。しかし、フッ素樹脂系耐油剤を使用した耐油紙は、燃焼時に発生するパーフルオロ化合物等による環境負荷が問題視され、フッ素樹脂系耐油剤を含まない耐油紙が求められていた。
特許文献1には、坪量が20〜70g/m、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した王研式透気度が70秒以上である紙支持体の少なくとも片面に耐油層を設けた耐油紙であって、耐油層を構成する耐油剤が重量平均分子量5万〜200万、ガラス転移温度30℃未満のアクリル系樹脂であり、かつ折り目部分におけるJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.41:2000に準じて測定したキット法による耐油度が4級以上である耐油紙が開示されている。
また、特許文献2には、紙支持体の少なくとも片面に耐油剤層を形成した耐油紙であって、上記耐油剤層が疎水基を含有する澱粉とワックスを含有したものであり、かつ上記耐油紙のJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した王研式透気度が2000秒以下である耐油紙が開示されている。
特開2012−172277号公報 特開2013−237941号公報
しかしながら、これらの耐油紙は耐油性を発現する耐油剤としての樹脂成分を大量に塗布されている。このため、紙としての風合いが損なわれることから消費者の嗜好に合わなかったり、通気性が不十分となったりして、食品の風味や保存性が低下するといった難点があった。
したがって、本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、高い耐油性と高い通気性を併せ持つ非フッ素樹脂系の耐油紙を少ない塗布量の耐油層で提供することを目的とする。
本発明の発明者は、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、紙基材と、紙基材の両面に耐油層とを有する耐油紙であって、上記紙基材は、所定のクラフトパルプを所定の配合比で含有し、ショッパーリグラー法に基づく叩解度、緊度及びステキヒトサイズ度を所定の範囲とし、かつ、上記耐油層は、所定の樹脂及びワックスを所定の配合比で含有することで、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の態様は、紙基材と、上記紙基材の両面に耐油層とを有する耐油紙であって、
上記紙基材は、パルプとして広葉樹晒クラフトパルプ及び針葉樹晒クラフトパルプを含有し、当該パルプの配合比(広葉樹晒クラフトパルプ/針葉樹晒クラフトパルプ:L/N比)が0/100〜70/30(質量比)の範囲であり、ショッパーリグラー法に基づく叩解度が45°SR以上であり、緊度が、0.45g/cm以上0.75g/cm以下であり、かつ、ステキヒトサイズ度が5秒以上であり、
上記耐油層は、耐油剤として少なくともスチレン−アクリル共重合樹脂及びパラフィンワックスを含有し、スチレン−アクリル共重合樹脂及びパラフィンワックスの配合比が90:10〜10:90(質量比)である耐油紙である。
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載の耐油紙であって、上記耐油層の表面を測定面とした、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 No.41:2000に準じて測定したキット値が5以上であり、
JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 No.5−2:2000に準じて測定した王研式透気度が10000秒以下である。
本発明によれば、高い耐油性と高い通気性を併せ持つ非フッ素樹脂系の耐油紙を少ない塗布量の耐油層で提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。
本実施形態に係る耐油紙は、紙基材と、紙基材の両面に耐油層を有する。耐油層は耐油紙の最外層であり、その一方の面又は両面が食品と接する。
(紙基材)
本実施形態の耐油紙に用いられる紙基材としては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP(L材))、及び針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP(N材))、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)等の化学パルプを含有することが好ましい。
紙基材に含有される当該パルプの配合比は、広葉樹晒クラフトパルプ/針葉樹晒クラフトパルプ:L/N比の値が、0/100〜70/30(質量比)の範囲である。広葉樹晒クラフトパルプの比率が多すぎると、耐油性が低下する原因となる。当該パルプ(L/N比)の値の、より好ましい配合比は、20/80〜50/50である。
紙基材のショッパーリグラー法に基づく叩解度(JIS P 8122:2004)は、45°SR以上である。叩解度の値が小さいと、パルプのフィブリル化が減少して、耐油層を形成する成分が紙基材の内部に浸透し易くなってしまい、耐油紙の耐油度を高く保つには塗布量を多くしなければならないが、耐油紙の通気性が悪化する。紙基材のより好ましい叩解度は、50°SR以上70°SR以下である。
紙基材の緊度は、0.45g/cm以上0.75g/cm以下である。紙基材の緊度は、JIS P 8118:1998に準じて測定される。紙基材の緊度が小さすぎると、パルプの繊維間の空隙が広がり過ぎて耐油剤が膜として形成できにくくなり、耐油度が低下してしまう。紙基材の緊度が大きすぎると、耐油層が平滑化して耐油層どうしがブロッキングを起こしやすくなったり、耐油層が接した面に耐油剤の成分が転着したりするおそれが出てくるが、これに対し、耐油度の向上はさして見られない。紙基材の緊度のより好ましい範囲は、0.50g/cm以上0.70g/cm以下である。
紙基材の坪量は、20g/m以上150g/m以下であることが好ましい。坪量とは、JIS P 8124:2011の坪量の試験方法に基づいて測定した数値である。坪量が20g/mより少ないと、耐油紙の強度が不足する恐れがあり、一方、150g/mを超えると、コスト高につながる恐れがある。また、紙基材の厚さは、50μm以上130μm以下が好ましい。
紙基材のステキヒトサイズ度は、5秒以上である。ステキヒトサイズ度とは、ステキヒト法によるサイズ度(水の浸透抵抗度)を測定するものであり、JIS P 8122:2004に基づいて測定した数値である。5秒未満であると、耐油層に含有されるスチレン−アクリル共重合樹脂やパラフィンワックス等の成分の紙基材への浸透度が不十分となり、より多くの塗布量で塗布する必要が生じる。しかし、耐油層を高塗布量とすると耐油紙の通気性が悪化する恐れがある。ステキヒトサイズ度の上限は、特に限定されないが、耐油層の塗工性の観点から、120秒以下が好ましく、60秒以下がより好ましい。紙基材のステキヒトサイズ度は、例えば、抄造条件、内添サイズ剤の種類や含有量等によって制御することができる。
紙基材には、広葉樹晒クラフトパルプ/針葉樹晒クラフトパルプ以外の木材パルプや非木材パルプが、発明の効果が損なわれない範囲で含有されていてもよい。また、紙基材には、発明の所望の効果が損なわれない範囲で、慣用の添加剤、例えば、サイズ剤(アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系、高級脂肪酸系、石油樹脂系、ロジン系等)、紙力増強剤(デンプン、ポリアクリルアミド、ポリアミドアミンエピクロロヒドリン等)、歩留まり向上剤、濾水性向上剤、硫酸バンド、pH調製剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等を必要に応じて適宜選択して使用することができる。
紙基材の製造方法は、公知の方法を用いればよい。例えば、針葉樹パルプと広葉樹パルプを所定の質量比で水に分散し、これを叩解機で所定の叩解度に叩解したパルプスラリーを得る。次いで、得られたパルプスラリーに、所望により添加剤等を添加する。調製したスラリーを長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の公知の抄紙機を使用して抄紙し、紙基材を得ることができる。また、抄紙方式は、特に限定されず、酸性抄紙又は中性抄紙のいずれも選択できる。
(耐油層)
本実施形態に係る耐油紙を構成する耐油層は、耐油剤として少なくともスチレン−アクリル共重合樹脂及びパラフィンワックスを含有する。
耐油層に含有されるスチレン−アクリル共重合樹脂は、耐水性が優れ、また、耐油層に造膜性を与えて油の浸透性を低減する効果をもたらす。本実施形態に係るスチレン−アクリル共重合樹脂としては、特に限定はなく、公知の物を使用することができる。
スチレン−アクリル共重合樹脂の構成モノマーとしては、少なくともスチレン系モノマーと、アクリル系モノマーを含む。スチレン系モノマーとしては、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−エチルスチレン、α−ブチルスチレン、4−メトキシスチレン、ビニルトルエン等を挙げることができる。アクリル系モノマーとしては、特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、3−エトキシプロピルアクリレート、3−エトキシブチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート等のアクリル酸アリールエステル類及びアクリル酸アラルキルエステル類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリンのような多価アルコールのモノアクリル酸エステル類等を挙げることができる。
また、共重合樹脂のモノマー組成を満たす限りにおいて、必要によりスチレン−アクリル共重合樹脂の構成モノマー成分と共重合可能なその他のモノマーを併用することができる。
スチレン−アクリル共重合樹脂の重量平均分子量は、10000以上3000000以下であることが好ましい。上記の範囲内であると、通気性と耐油性のバランスを両立させることができる。
また、スチレン−アクリル共重合樹脂のガラス転移点は、−50℃以上30℃以下であることが好ましい。上記の範囲内であると耐油性が優れる。
パラフィンワックスは、スチレン−アクリル共重合樹脂とともに本実施形態に係る耐油紙の耐油層に耐油性能を付与する。スチレン−アクリル共重合樹脂だけでは不足する撥油性能を、耐油層にパラフィンワックスを加えることで発揮させることができる。耐油紙に通気性を高めるためにパルプ間の空隙を多く残しても、空隙部分をパラフィンワックスで撥油させることにより、耐油紙に通気性と耐油性との性能を両立させることができる。
耐油層に含有されるパラフィンワックスは、原油の減圧蒸留留出油部分から、結晶性の良い炭化水素を分離・精製したものであり、主として直鎖状の炭化水素(ノルマルパラフィン)で構成されている。
本実施形態に係るパラフィンワックスとしては、融点が40℃以上70℃以下の物であれば特に限定はなく、例えば、カルボキシ変性パラフィンワックス、アクリロニトリル変性パラフィンワックス等の変性パラフィンワックスも使用することができる。
スチレン−アクリル共重合樹脂及びパラフィンワックスの配合比は、90:10〜10:90(質量比)である。スチレン−アクリル樹脂共重合体の配合比率が大きすぎれば、耐油紙の耐油性が低下する。また、パラフィンワックスの配合比率が大きすぎれば、耐油紙の表面が過剰に滑りやすくなり、製袋などの加工で作業を行いにくくなる。
本実施形態に係る耐油剤の塗布量は、紙基材の両面あたりで、固形分換算で0.5g/m以上3.5g/m以下であることが好ましく、より好ましい塗布量は、1.0g/m以上3.0g/m以下である。
耐油層には、スチレン−アクリル共重合樹脂及びパラフィンワックスの他に、デンプンを含有することが好ましい。デンプンは、耐油紙の紙力を向上させることができる。本実施形態に係るデンプンとしては、特に限定はなく、例えば、トウモロコシデンプン、ポテトデンプン、タピオカデンプン、酸化デンプン、リン酸デンプン、エーテル化デンプン、ジアルデヒド化デンプン、エステル化デンプン等の変性デンプン等を挙げることができる。
耐油層におけるデンプンの含有量は、固形分換算で、0.05g/m以上3.0g/m以下であることが好ましい。
耐油層には、発明の所望の効果を損なわれない範囲で、更に、分散剤、保水剤、消泡剤、着色剤等を必要に応じて適宜選択して使用することができる。また、フッ素樹脂を含有しないことが好ましい。
耐油層を形成させる方法としては、紙基材の抄紙後に塗布・含浸させる外添法が好ましい。例えば、下塗り層形成用塗工液を固形分濃度0.01質量%以上30質量%以下の水分散液とし、紙基材の表裏両面に、バーコーター、ダイコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、サイズプレスコーター等の塗工機を用いて耐油層を形成することができる。高速の抄紙スピードに対応可能であるとともに、耐油層を低塗布量で安定して形成できることから、サイズプレスコーターが好ましい。
また、塗工後には、マシンカレンダー、熱カレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を用いて、耐油紙にカレンダー加工をしてもよい。
本実施形態に係る耐油紙の紙厚は、20μm以上150μm以下が好ましい。上記の範囲内であると、食品包装用の基材として使用するのに、十分な強度と耐油性を有することになる。
(耐油度)
耐油紙の耐油度は、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 No.41:2000に準じて測定したキット値で5以上であることが好ましい。キット値が5以上であれば、耐油紙として十分に使用可能な耐油性を有する。
(透気度)
耐油紙の透気度は、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 No.5−2:2000に準じて測定した王研式透気度で10000秒以下であることが好ましい。王研式透気度が10000秒を超えると、耐油紙の通気性が悪く、食品の風味や保存性が低下する等の問題が生じる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらに何ら限定されるものではない。なお、%及び部は、特に断りのない限り、質量%及び質量部を表す。
[実施例1]
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)25質量%と針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)75質量%とからなるパルプをショッパーリグラー法による叩解度が55°SRとなるように叩解処理し、パルプスラリーの濃度が約2.7質量%となるように水に分散してパルプスラリーを得た。このパルプスラリー中のパルプ100質量部に対して、サイズ剤(荒川化学工業株式会社製、商品名:サイズパインE、固形分30質量%)を1.5質量部、デンプン(ジー・エス・エルジャパン株式会社製、商品名:ジェルトロン245)を0.6質量部、湿潤紙力剤(荒川化学工業株式会社製、商品名:アラフィックス251S、有効成分25質量%)を1.3質量部、硫酸アルミニウム(朝日化学工業株式会社製、液体硫酸バンド)を4.0質量部添加し、長網多筒式抄紙機を用いて厚さ60μm及び坪量40g/mの紙を抄紙し、紙基材とした。
耐油層の成分として、スチレン−アクリル共重合樹脂(ヘンケルジャパン株式会社製 商品名:ヨドゾールGD900)を15質量部、パラフィンワックス(近代化学工業株式会社製、商品名:ベルトールRP−907N1、固形分50%)を10質量部、デンプン(日本コーンスターチ株式会社製、商品名:コーンスターチSK−20)を2質量部、水75質量部を混合した塗工液を用意した。該塗工液を、上記で得られた紙基材の表裏両面に、両面併せてのウエット塗布量が20g/mとなるようにして、サイズプレスにより塗布した。その後、紙の厚みが60μmとなるようにカレンダー処理を行い、サンプルを得た。
[実施例2〜3、比較例1〜3]
実施例2〜3及び比較例1〜3は、表1に示すパルプの叩解度、緊度及びステキヒトサイズ度をもつ紙基材に変更するとともに、耐油層のスチレン−アクリル共重合樹脂とパラフィンワックスの含有量を変更した以外は、実施例1と同様に耐油紙を作製した。
得られた各耐油紙並びに該耐油紙に用いたパルプ及び紙基材について、以下に示す方法により評価を行った。結果を表1に示す。なお、表1の項目において、St−Acとは、スチレン−アクリル共重合樹脂であり、ワックスとは、パラフィンワックスを示す。
(叩解度)
耐油紙の紙基材に用いたパルプの叩解度は、JIS P 8122:2004に準じて測定した。
(緊度)
耐油紙に用いた紙基材の緊度は、JIS P 8118:1998に準じて測定した。
(ステキヒトサイズ度)
耐油紙に用いた紙基材のステキヒトサイズ度は、JIS P 8122:2004に準じて測定した。
(耐油度)
耐油紙の耐油度は、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 No.41:2000に準じて測定した。なお、耐油紙の耐油度の値は、耐油紙の両面の耐油層を測定した平均値である。
(透気度)
耐油紙の透気度は、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 No.5−2:2000に準じて王研式透気度を測定した。
表1の結果から、実施例1〜3で製造した耐油紙は、少量の非フッ素樹脂系耐油剤を紙基材に塗布した耐油層でありながら、高い耐油性と高い通気性を併せ持っていた。
以上、本発明について、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態の範囲には限定されないことは言うまでもなく、上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが特許請求の範囲の記載から明らかである。

Claims (2)

  1. 紙基材と、前記紙基材の両面に耐油層とを有する耐油紙であって、
    前記紙基材は、パルプとして広葉樹晒クラフトパルプ及び針葉樹晒クラフトパルプを含有し、当該パルプの配合比(広葉樹晒クラフトパルプ/針葉樹晒クラフトパルプ:L/N比)が0/100〜70/30(質量比)の範囲であり、ショッパーリグラー法に基づく叩解度が45°SR以上であり、緊度が、0.45g/cm以上0.75g/cm以下であり、かつ、ステキヒトサイズ度が5秒以上であり、
    前記耐油層は、耐油剤として少なくともスチレン−アクリル共重合樹脂及びパラフィンワックスを含有し、スチレン−アクリル共重合樹脂及びパラフィンワックスの配合比が90:10〜10:90(質量比)であることを特徴とする耐油紙。
  2. 前記耐油層の表面を測定面とした、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 No.41:2000に準じて測定したキット値が5以上であり、
    JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 No.5−2:2000に準じて測定した王研式透気度が10000秒以下であることを特徴とする請求項1に記載の耐油紙。
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