JP2020121459A - インクジェット印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェットヘッドからのインク吐出によって発生する上昇気流に伴うインクミストの拡散を抑制するインクジェット印刷装置を提供する。【解決手段】印刷媒体Pを搬送する搬送部80と、搬送部80によって搬送される印刷媒体Pに対してインクを吐出するインクジェットヘッド31を有する印刷処理部30と、インクジェットヘッド31のインク吐出面とインクジェットヘッド31の下を搬送される印刷媒体Pとの間の空気圧を下げる空気圧低減機構とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、印刷媒体に対してインクを吐出して印刷を行うインクジェット印刷装置に関するものである。
従来、紙またはフィルムなどからなる印刷媒体を搬送しつつ、インクジェットヘッドから印刷媒体に対してインクを吐出して印刷を施すインクジェット印刷装置が提案されている。
インクジェット印刷装置においては、インクジェットヘッドの各ノズルからインクが吐出される際、印字に関連する主滴の他に微小なサテライト滴が伴う。このサテライト滴は、印刷媒体の搬送の際に発生する空気流の影響によりインクミストとなって飛散し、これにより装置内の意図しない部分に付着し、装置内の汚れの原因となる。
特開2011−79274号公報
ここで、インクジェット印刷装置を小型化するにはインクジェットヘッドの小型化が必須であり、それに伴いインクジェットヘッドにおけるノズルのレイアウトの制約が増える。高解像度のインクジェットヘッドの場合には、ノズルの主走査方向(印刷媒体の搬送方向に直交する方向)の密度が高くなる。また、複数のインクジェットヘッドを副走査方向(印刷媒体の搬送方向)に副走査方向に配列する場合、装置の小型化に伴ってインクジェットヘッド間の距離を小さくする必要があるため、副走査方向のノズルピッチも狭くなる。すなわち、インクジェット印刷装置の小型化に伴って全体としてのノズル密度が上がる傾向となる。
また、印刷速度の高速化に伴いインク吐出機構が高い駆動周波数で動作するため、ノズル密度が高くなることにより狭い空間に大量のインク滴が降り注ぐことになる。
一方で、インクジェットヘッドのノズルからインク滴が吐出する際の現象として、自己気流の発生がある。これは速い速度(高い運動エネルギー)で吐出されるインク滴が空気中にエネルギーを与えることで乱流が発生する現象である。主走査方向に並ぶノズルからのインク吐出によって発生した乱流があたかも気流の壁のように存在することになる。また、副走査方向へのノズルピッチが狭くなることで気流の壁が厚くなり、インク吐出面からインクジェットヘッド下の搬送面に向けて大きな風の流れが発生する。この気流によりインク吐出面近傍の空気圧は低くなり、インクジェットヘッド下の搬送面近傍の空気圧は高くなりため、インク吐出面と搬送面との間で圧力差が発生する。
この現象はノズル密度が低く、副走査方向へのノズルピッチが比較的広いインクジェットヘッドでも発生していたが、印刷速度の高速化、および装置の小型化に伴いこの現象が顕著に現れるようになっている。
そして、この広範囲に発生する圧力差によってノズル列からややずれた位置に上昇気流が発生することが分かった。この上昇気流によって運動エネルギーが低いサテライト滴が拡散され、これがインクミストとなり装置内や印刷媒体に付着し、装置内の汚れや画像不良を引き起こすおそれがある。
なお、特許文献1には、インクジェット印刷装置において、インク滴の吐出方向に沿って空気を吹き出すことによって、インクの主滴の着弾精度を上げることが提案されているが、上述したインク吐出に起因する上昇気流によるインクミストの拡散を抑制する方法については何も提案されていない。
本発明は、上記事情に鑑み、インクジェットヘッドからのインク吐出によって発生する上昇気流に伴うインクミストの拡散を抑制することができるインクジェット印刷装置を提供することを目的とするものである。
本発明のインクジェット印刷装置は、印刷媒体を搬送する搬送部と、搬送部によって搬送される印刷媒体に対してインクを吐出するインクジェットヘッドを有する印刷処理部と、インクジェットヘッドのインク吐出面とインクジェットヘッドの下を搬送される印刷媒体との間の空気圧を下げる空気圧低減機構とを備える。
本発明のインクジェット印刷装置によれば、インクジェットヘッドのインク吐出面とインクジェットヘッドの下を搬送される印刷媒体との間の空気圧を下げる空気圧低減機構を設けるようにしたので、インクジェットヘッドからのインク吐出によって発生する上昇気流に伴うインクミストの拡散を抑制することができる。
本発明のインクジェット印刷装置の一実施形態の概略構成を示す図 ヘッドホルダの上面図 インクジェットヘッド近傍の拡大図 ヘッド列近傍を下方から見た図 インクジェットヘッドと、そのインクジェットヘッドの両側に設けられた仕切り板部材との関係を示す図 図1に示すインクジェット印刷装置の制御系の概略構成を示すブロック図 吸引動作を行わなかった場合におけるインク吐出面と印刷媒体との間の圧力分布のシミュレーション結果を示す図 図7に示す圧力分布の場合に発生する気流のシミュレーション結果を示す図 吸引動作を行った場合におけるインク吐出面と印刷媒体との間の圧力分布のシミュレーション結果を示す図 図9に示す圧力分布の場合に発生する気流のシミュレーション結果を示す図 吸引口と用紙押さえローラとの間の距離を0.2mmとした場合の圧力分布のシミュレーション結果を示す図 図11に示す圧力分布の場合に発生する気流のシミュレーション結果を示す図 ヘッド昇降機構および仕切り板昇降機構を設けた実施形態を示すブロック図
以下、図面を参照して本発明のインクジェット印刷装置の一実施形態について詳細に説明する。本実施形態のインクジェット印刷装置は、インクミストの拡散を抑制する機構に特徴を有するものであるが、まずは、インクジェット印刷装置全体の構成について説明する。図1は、本実施形態のインクジェット印刷装置1の概略構成図である。なお、図1に矢印で示す上下左右が、本実施形態のインクジェット印刷装置1の上下左右方向である。また、図1の紙面手前側が、本実施形態のインクジェット印刷装置1の前方向であり、紙面奥側が後方向である。
本実施形態のインクジェット印刷装置1は、図1に示すように、サイド給紙部10と、内部給紙部20と、印刷処理部30と、排紙部40と、反転部50と、制御部60と、表示部70と、搬送部80とを備えている。
印刷処理部30、内部給紙部20、搬送部80および制御部60は、金属または樹脂などから形成された筐体100内に収容されて設置されている。また、サイド給紙部10、排紙部40および反転部50は、筐体100内に一部が収容され、筐体100外に一部が突出する状態で設置されている。
サイド給紙部10は、印刷媒体Pが載置される給紙台11と、給紙台11から最上位置の印刷媒体Pのみを繰り出して給紙搬送路FR上へ搬送させる1次給紙部12と、1次給紙部12によって搬送された印刷媒体Pを循環搬送路CR上へ搬送する2次給紙部14とを備えている。
内部給紙部20は、印刷媒体Pが載置される給紙台21aと、給紙台21aから最上位置の印刷媒体Pのみを繰り出して給紙搬送路FR上へ搬送させる1次給紙部22aと、印刷媒体Pが載置される給紙台21bと、給紙台21bから最上位置の印刷媒体Pのみを繰り出して給紙搬送路FR上へ搬送させる1次給紙部22bと、印刷媒体Pが載置される給紙台21cと、給紙台21cから最上位置の印刷媒体Pのみを繰り出して給紙搬送路FR上へ搬送させる1次給紙部22cと、印刷媒体Pが載置される給紙台21dと、給紙台21dから最上位置の印刷媒体Pのみを繰り出して給紙搬送路FR上へ搬送させる1次給紙部22dとを備えている。
このように2次給紙部14には、サイド給紙部10または内部給紙部20から印刷媒体Pが搬送されるとともに、さらに後述する反転部50からも印刷媒体Pが搬送される。
そのため搬送方向における2次給紙部14の手前には、内部給紙部20から給紙された印刷媒体Pの搬送経路と、反転部50から搬送された一方の面が印刷された印刷媒体Pの搬送経路とが合流する合流地点が存在する。この合流地点を基準に、給紙機構側の経路を給紙搬送路FRと呼び、それ以外の経路を循環搬送路CRと呼ぶ。
印刷処理部30は、複数のインクジェットヘッド31と、ヘッドホルダ32と、用紙押さえローラ33(本発明のローラに相当する)とを備えている。
インクジェットヘッド31は、搬送部80によって搬送される印刷媒体Pに対してインクを吐出して印刷処理を施すものである。ヘッドホルダ32は、各インクジェットヘッド31が設置されるものである。図2は、ヘッドホルダ32の上面図である。
ヘッドホルダ32は、箱型の支持部材から構成されており、ヘッドホルダ32の底面には、図2に示すように、各インクジェットヘッド31が嵌め込まれて設置される複数の設置孔32aが形成されている。設置孔32aは貫通孔であって、各インクジェットヘッド31のインク吐出面がヘッドホルダ32の底面外側に露出して配置されるように形成されている。なお、インク吐出面とは、インクを吐出するノズルのインク吐出口が配列された面である。
本実施形態では、6つのインクジェットヘッド31から1つのラインヘッドが構成されており、図2に示す4つの点線四角は、各ラインヘッドが有する6つのインクジェットヘッド31が配置される設置孔32aの範囲を示している。すなわち、本実施形態の印刷処理部30は、4つのラインヘッドを有する。
4つのラインヘッドは、図2に示すように、印刷媒体Pの搬送経路に沿って所定の間隔を空けて配列されている。4つのラインヘッドは、それぞれ異なる色(例えばブラック、シアン、マゼンタおよびイエロー)のインクを吐出するものである。
各ラインヘッドは、印刷媒体Pの搬送方向に直交する方向に3つのインクジェットヘッドが等間隔で配置されたヘッド列を2列有し、その2列のヘッド列が上記直交する方向に半ピッチ分程度ずれるように配置されて構成されている。
また、ヘッドホルダ32の各設置孔32aには、吸引機構90,91の吸引口90a,91aおよび仕切り板部材34も配置される。吸引機構90,91および仕切り板部材34については、後で詳述する。
図1に戻り、搬送部80は、プラテン81、ファン機構82および搬送ベルト83などを備えている。搬送部80は、サイド給紙部10から搬送された印刷媒体Pを搬送ベルト83に吸引吸着させた状態で、一定の速度を維持しながら搬送する。そして、搬送部80は、印刷媒体Pに対してインクジェットヘッド31により印刷処理が施された後、印刷済の印刷媒体Pを排紙部40まで搬送する。
プラテン81は、ヘッドホルダ32の底面に対向して設けられるプレート部材である。プラテン81には、複数のプラテン吸引孔81aが形成されている。プラテン吸引孔81aは貫通孔であって、印刷媒体Pの搬送方向および搬送方向に直交する方向に2次元状に形成されている。
プラテン81の下方には、ファン機構82が設けられている。ファン機構82は、ファンを回転させてプラテン81の下方の空間を負圧にすることによって、プラテン81のプラテン吸引孔81aに吸引力を発生させるものである。
搬送ベルト83は、プラテン81並びに駆動ローラおよび従動ローラなどに掛け渡され、プラテン81上を摺動する環状の無端ベルトである。搬送ベルト83は、可塑性を有し、印刷媒体Pとの間に適度な摩擦力を発生させるゴムまたは樹脂などの材料により形成される。搬送ベルト83には、複数のベルト吸引孔83a(図3参照)が形成されている。ベルト吸引孔83aは貫通孔であって、印刷媒体Pの搬送方向および搬送方向に直交する方向に2次元状に形成されている。
そして、搬送部80により搬送され、印刷処理部30により印刷された印刷媒体Pは、循環搬送路CR上に配置された搬送ローラ等によって循環搬送路CR上を搬送される。循環搬送路CR上には、循環搬送路CR上を搬送された印刷媒体Pを排紙部40へ案内するか、または循環搬送路CR上を再循環させるかを切り替える切り替え機構49が備えられている。切り替え機構49は、具体的には、排紙部40側の搬送経路と反転部50側の搬送経路とを切り替える。
排紙部40は、インクジェット印刷装置1の筐体100から突出したトレイ形状をした排紙台45と、排紙台45に印刷媒体Pを排紙する一対の排紙ローラ48とを有する。そして、切り替え機構49により排紙部40側の搬送経路に案内された印刷媒体Pは、排紙ローラ48により排紙台45に排紙される。
反転部50は、印刷媒体Pを反転させる反転台51と、循環搬送路CRから反転台51へ印刷媒体Pを搬送するとともに、その反転台51に搬送された印刷媒体Pを循環搬送路CR上へ再び戻す反転ローラ52とを備えている。
切り替え機構49により反転部50に案内された印刷媒体Pは、反転ローラ52により循環搬送路CRから反転台51に搬送され、反転台51から循環搬送路CRへ再び戻されることによって、表裏が反転した状態で循環搬送路CR上を搬送される。そして、表裏が反転された印刷媒体Pは、循環搬送路CR上に設けられた搬送ローラ53等の複数のローラによって印刷処理部30へ向かって再び搬送される。
表示部70は、液晶ディスプレイを有するタッチパネルから構成されるものであり、種々の設定入力画面を表示し、印刷開始の指示入力などの種々の設定入力を受け付ける。
次に、本実施形態のインクジェット印刷装置1において、インクミストの拡散を抑制する機構について詳細に説明する。
本実施形態のインクジェット印刷装置1は、各インクジェットヘッド31からのインク吐出によって発生した自己気流に起因するインクミストの拡散を抑制するため、インクジェットヘッド31のインク吐出面とそのインクジェットヘッド31の下を搬送される印刷媒体Pとの間の空気圧を下げる空気圧低減機構を備える。
すなわち、本実施形態のインクジェット印刷装置1は、インクジェットヘッド31のインク吐出面とその下の印刷媒体Pとの間の空気圧の圧力差を小さくするため、インクジェットヘッド31のインク吐出面とその下の印刷媒体Pとの間の空気圧を下げる。これにより、インクジェットヘッド31から吐出されたインク滴からエネルギーを受ける空気の存在を少なくし、自己気流による圧力変動を発生し難くすることができ、結果として上昇気流を発生し難くすることができる。これにより、上述した上昇気流によるインクミストの拡散を抑制することができる。
具体的には、本実施形態のインクジェット印刷装置1は、上述した空気圧低減機構として、吸引機構90,91と、用紙押さえローラ33と、仕切り板部材34とを備える。以下、これらの構成について詳細に説明する。図3は、1つのインクジェットヘッド31近傍の拡大図である。また、図4は、上述した3つのインクジェットヘッド31からなるヘッド列近傍を下方から見た図である。
吸引機構90,91は、図3に示すように、各インクジェットヘッド31の左右方向(印刷媒体Pの搬送方向)の両側に設けられている。吸引機構90,91は、インクジェットヘッド31の左右方向の両側に吸引口90a,91aを有し、ファンなどの回転によって吸引口90a,91aから、インクジェットヘッド31のインク吐出面とその下を搬送される印刷媒体Pとの間の空気を吸引する。この吸引により、インクジェットヘッド31のインク吐出面と印刷媒体Pとの間の空気圧を下げることができ、これにより上昇気流を発生し難くし、上述した上昇気流によるインクミストの拡散を抑制することができる。
なお、本実施形態においては、吸引機構90,91の吸引口90a,91aを形成する部材が、インクジェットヘッド31に一体的に設けられている。
また、この吸引機構90,91による吸引をより効率的に作用させるため、用紙押さえローラ33と、仕切り板部材34とが設けられている。
本実施形態の用紙押さえローラ33は、図3および図4に示すように、ヘッド列(各インクジェットヘッド31)の左右方向(印刷媒体Pの搬送方向)の両側に設けられるとともに、印刷媒体Pの搬送方向に直交する方向に延設されるローラである。本実施形態においては、用紙押さえローラ33は、吸引機構90,91の吸引口90a,91aを形成する部材の近傍に設けられている。
用紙押さえローラ33は、図3における反時計回りに回転し、搬送ベルト83によって搬送される印刷媒体Pを搬送方向に送り出すとともに、搬送される印刷媒体Pを搬送ベルト83に向かって押さえつけることによって、印刷媒体Pがインクジェットヘッド31のインク吐出面に接触するのを防止する機能を備える。
また、本実施形態の用紙押さえローラ33は、インクジェットヘッド31のインク吐出面とその下を搬送される印刷媒体Pとの間の空間を仕切り板部材34とともに囲み、インク吐出面の下に、閉じられた空間を形成する機能を有する。
仕切り板部材34は、矩形の板状の部材から形成されるものであり、図4に示すように、インクジェットヘッド31の印刷媒体Pの搬送方向に直交する方向の両側に立設される。図5は、1つのインクジェットヘッド31と、そのインクジェットヘッド31の両側に設けられた仕切り板部材34との関係を示す図である。図5に示すように、仕切り板部材34は、インクジェットヘッド31の前後方向の両側に立設されることによって、インクジェットヘッド31と印刷媒体Pとの間の空間をその他の空間と仕切る機能を有する。これにより、インクジェットヘッド31の左右方向の両側に設けられた用紙押さえローラ33と、インクジェットヘッド31の前後方向の両側に立設された仕切り板部材34によって、インクジェットヘッド31毎に、閉じられた空間が形成される。なお、本実施形態においては、用紙押さえローラ33と仕切り板部材34とによって、本発明の壁部が構成されている。
このように、インクジェットヘッド31のインク吐出面と印刷媒体Pとの間に、インクジェットヘッド31毎に閉じられた空間を形成することによって、上記空間内の空気を吸引機構90,91によって効率よく吸引することができ、これにより、上記空間内の空気圧を効率的に下げることができる。
また、本実施形態では、本来、用紙押さえ機能のみを果たす用紙押さえローラ33を用いて、上記空間を形成するようにしたので、上記空間を形成するための部材を別途設ける必要がなく、コストの削減および装置の小型化を図ることができる。
ただし、本発明は、必ずしも用紙押さえローラ33を用いなくてもよく、これとは別にたとえば仕切り板部材34と同様の部材を、インクジェットヘッド31の左右方向の両側に設けることによって、インクジェットヘッド31の下に閉じられた空間を形成するようにしてもよい。
図6は、本実施形態のインクジェット印刷装置1の制御系の概略構成を示すブロック図である。
制御部60は、CPU(Central Processing Unit)、半導体メモリおよびハードディスクなどを備えている。制御部60は、半導体メモリまたはハードディスクなどの記憶媒体に予め記憶されたプログラムを実行し、かつ電気回路を動作させることによって、インクジェット印刷装置1の各部を制御する。
特に、本実施形態の制御部60は、吸引機構90,91を制御し、これによりインクジェットヘッド31の下の空気の吸引動作を制御する。
ここで、上述したようにインクジェットヘッド31の下の空気圧を下げるために吸引機構90,91の吸引風量を増やしすぎると,その風速が主滴の飛翔に悪影響与えてしまい着弾位置ずれが発生してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態においては、上述した着弾位置ずれによる画像の乱れを防止するため,印字率が低い画像を印字する際には、吸引風量を下げることによって画像の乱れを抑制する。これは印字率が低い場合には吐出するインク密度も低いため、自己気流が弱く,上述した上昇気流が発生し難く、また吐出インク量自体も高印字率の画像と比較して少ないため、結果としてミスト飛散量が少なくなるからである。
具体的には、制御部60は、コンピュータなどから出力された印刷ジョブを受け付け、その印刷ジョブに含まれる印刷データに基づいて、印刷媒体単位当たりのインク吐出量(1枚の印刷媒体Pに対するインク吐出量)の情報を算出し、その算出した情報に基づいて、吸引機構90,91の吸引風量を制御する。本実施形態においては、印刷媒体単位当たりのインク吐出量の情報として、印字率を算出する。印字率とは、1枚の印刷媒体Pにおける全印刷可能範囲に対して、実際に印字される範囲の面積の比率である。そして、制御部60は、印字率が低いほど吸引風量を弱くする。
なお、本実施形態においては、上述したように印刷媒体単位当たりのインク吐出量の情報として印字率を算出するようにしたが、これに限らず、印刷媒体毎の印刷濃度やインクドロップ数などを印刷媒体単位当たりのインク吐出量の情報として用いるようにしてもよい。また、印字率および印刷濃度の両方を印刷媒体単位当たりのインク吐出量の情報として用いるようにしてもよい。
また、制御部60は、インクジェットヘッド31からのインク吐出を開始した時点から吸引機構90,91による吸引動作を開始し、インクジェットヘッド31からのインク吐出を終了した時点で吸引機構90,91による吸引動作を終了する。
次に、インクジェットヘッド31と印刷媒体Pとの間の空間の空気圧を下げることによるインクミストの拡散の抑制効果について説明する。
図7は、上記実施形態のインクジェット印刷装置1の構成において、吸引機構90,91による吸引動作を行うことなく、インクジェットヘッド31からインクを吐出させた場合におけるインク吐出面と印刷媒体Pとの間の圧力分布をシミュレーションした結果を示す図である。また、図8は、図7に示す圧力分布の場合に発生する気流をシミュレーションした結果を示す図である。
また、図7は、圧力分布を等高線で表している。また、図8においては気流を小さい矢印で表している。また、図7および図8の上側がインク吐出面側であり、下側が印刷媒体P側である。また、図7および図8における下向きの複数の矢印がインク吐出箇所を表しており、各インク吐出箇所から下側に向けて分布する小さい点がインクジェットヘッドから吐出されたインク(主滴およびサテライト滴)を表している。
図7に示すように、吸引機構90,91による吸引動作を行わなかった場合、インク吐出面近傍において空気圧の低い部分(たとえば−0.36Pa〜−0.16Pa)が広く分布し、印刷媒体Pの表面近傍において空気圧の高い部分(たとえば0.16Pa〜0.36Pa)が広く分布し、圧力差が大きくなっている。
なお、本明細書において圧力差が大きいとは、空気圧が高い範囲と空気圧が低い範囲とが広く分布し、空気圧がゼロに近い範囲が狭いことを意味し、圧力差が小さいとは、空気圧が高い範囲と空気圧が低い範囲とが狭く、空気圧がゼロに近い範囲が広く存在することを意味する。
吸引機構90,91による吸引動作を行わなかった場合、図7に示すように圧力差が大きいので、図8において太線矢印Aで示す方向に気流が発生し、図8において太線丸印で示す範囲において、上昇気流によりサテライト滴が巻き上げられている。これにより、インクミストが拡散しやすくなっている。
一方、図9は、上記実施形態のインクジェット印刷装置1の構成において、吸引機構90,91による吸引動作を行いながら、インクジェットヘッド31からインクを吐出させた場合におけるインク吐出面と印刷媒体Pとの間の圧力分布をシミュレーションした結果を示す図である。また、図10は、図9に示す圧力分布の場合に発生する気流をシミュレーションした結果を示す図である。なお、図9および図10の見方については、図7および図8と同様である。
吸引機構90,91による吸引動作を行った場合、図9に示すように、図7のシミュレーション結果と比較すると、インク吐出面近傍の空気圧の低い部分が狭くなり、印刷媒体Pの表面近傍の空気圧の高い部分が狭くなり、圧力差が小さくなっている。
そして、圧力差が小さくなっているので、図10において太線矢印Bで示す方向に気流が発生するものの、その渦のスケールは、図8のシミュレーション結果と比較すると小さくなっている。そして、図10において太線丸印で示す範囲のサテライト滴は安定している。すなわち、インクミストの拡散が抑制されている。
なお、図9および図10に示すシミュレーション結果は、図4に示す吸引口90a,91aと用紙押さえローラ33との距離dを0.1mmとした場合のシミュレーション結果である。この距離dが大きい場合、すなわち用紙押さえローラ33と吸引口90a,91aとの間隔が広い場合、吸引機構90,91の吸引動作による圧力低減効果が小さくなってしまう場合がある。
図11および図12に示すシミュレーション結果は、図4に示す吸引口90a,91aと用紙押さえローラ33との距離dを0.2mmとした場合のシミュレーション結果である。なお、図11および図12の見方については、図7および図8と同様である。
図11に示すように、上記距離dが0.2mmの場合には、上記距離dが0.1mmの場合と比較すると、圧力差が大きくなっているのが分かる。また、この圧力差に応じて、図12に示すシミュレーション結果においても、太線丸印で示す範囲のサテライト滴が巻き上げられている。
このようなシミュレーション結果から、吸引口90a,91aと用紙押さえローラ33との距離dは、0<d≦0.1mmであることが好ましい。このように距離dを設定することによって、インクジェットヘッド31と印刷媒体Pと用紙押さえローラ33とによって囲まれる空間の密閉性を向上させることができる。これにより、吸引機構90,91の吸引動作による圧力低減効果を十分に得ることができ、インクミストの拡散を十分に抑制することができる。なお、上記実施形態においては、吸引機構90,91の吸引口90a,91aを形成する部材が、本発明のインクジェットヘッドに一体的に設けられた部材に相当する。また、上記実施形態では、吸引口90a,91aをインクジェットヘッド31に一体的に形成するようにしたが、吸引口90a,91aを別の場所に設ける場合には、インクジェットヘッド31と用紙押さえローラ33との距離(最短距離)が0.1mm以下(0を含まず)であることが好ましい。また、吸引口90a,91aを形成する部材以外の部材をインクジェットヘッド31に一体的に設ける場合には、その部材と用紙押さえローラとの距離が0.1mm以下(0を含まず)であることが好ましい。
また、上記実施形態のインクジェット印刷装置1において、種々の厚さの印刷媒体Pに対して印刷処理を施す場合には、その印刷媒体Pとインクジェットヘッド31のインク吐出面との間の距離を一定に維持するため、印刷媒体Pの厚さに応じて、インクジェットヘッド31を鉛直方向に昇降させることが好ましい。
さらに、このようにインクジェットヘッド31を鉛直方向に昇降させる場合には、インクジェットヘッド31の鉛直方向への昇降に応じて、仕切り板部材34も鉛直方向に昇降させることが好ましい。これにより、仕切り板部材34が印刷媒体Pに接触するのを防止することができる。
具体的には、図13に示すように、インクジェットヘッド31を鉛直方向に昇降させるヘッド昇降機構35と仕切り板部材34を鉛直方向に昇降させる仕切り板昇降機構36とをさらに設け、制御部60が、印刷媒体Pの厚さに応じて、ヘッド昇降機構35および仕切り板昇降機構36を制御することが好ましい。印刷媒体Pの厚さについては、制御部60に入力される印刷ジョブに含めるようにしてもよいし、表示部70において、ユーザが設定入力するようにしてもよい。
本発明のインクジェット印刷装置に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記)
本発明のインクジェット印刷装置において、空気圧低減機構は、インクジェットヘッドの周囲に吸引口を有し、その吸引口から、インクジェットヘッドのインク吐出面とインクジェットヘッドの下を搬送される印刷媒体との間の空気を吸引する吸引機構を有することができる。
また、本発明のインクジェット印刷装置においては、インクジェットヘッドのインク吐出面とインクジェットヘッドの下を搬送される印刷媒体との間の空間を囲む壁部を備えることができる。
また、本発明のインクジェット印刷装置においては、壁部は、インクジェットヘッドの印刷媒体の搬送方向の両側に設けられたローラと、インクジェットヘッドの印刷媒体の搬送方向に直交する方向の両側に設けられた仕切り板部材とを有することができる。
また、本発明のインクジェット印刷装置においては、印刷媒体の厚さに応じて仕切り板部材を昇降させる仕切り板昇降機構を備えることができる。
また、本発明のインクジェット印刷装置において、インクジェットヘッドまたはインクジェットヘッドに一体的に設けられた部材と、ローラとの距離dは、0<d≦0.1mmであることが好ましい。
1 インクジェット印刷装置
10 サイド給紙部
11 給紙台
12 1次給紙部
14 2次給紙部
20 内部給紙部
21a 給紙台
21b 給紙台
21c 給紙台
21d 給紙台
22a 1次給紙部
22b 1次給紙部
22c 1次給紙部
22d 1次給紙部
30 印刷処理部
31 インクジェットヘッド
32 ヘッドホルダ
32a 設置孔
33 ローラ
34 仕切り板部材
35 ヘッド昇降機構
36 仕切り板昇降機構
40 排紙部
45 排紙台
48 排紙ローラ
49 切り替え機構
50 反転部
51 反転台
52 反転ローラ
53 搬送ローラ
60 制御部
70 表示部
80 搬送部
81 プラテン
81a プラテン吸引孔
82 ファン機構
83 搬送ベルト
83a ベルト吸引孔
90,91 吸引機構
90a,91a 吸引口
100 筐体
CR 循環搬送路
FR 給紙搬送路
P 印刷媒体

Claims (6)

  1. 印刷媒体を搬送する搬送部と、
    前記搬送部によって搬送される前記印刷媒体に対してインクを吐出するインクジェットヘッドを有する印刷処理部と、
    前記インクジェットヘッドのインク吐出面と前記インクジェットヘッドの下を搬送される前記印刷媒体との間の空気圧を下げる空気圧低減機構とを備えたインクジェット印刷装置。
  2. 前記空気圧低減機構が、前記インクジェットヘッドの周囲に吸引口を有し、該吸引口から、前記インクジェットヘッドのインク吐出面と前記インクジェットヘッドの下を搬送される前記印刷媒体との間の空気を吸引する吸引機構を有する請求項1記載のインクジェット印刷装置。
  3. 前記インクジェットヘッドのインク吐出面と前記インクジェットヘッドの下を搬送される前記印刷媒体との間の空間を囲む壁部を備えた請求項1または2記載のインクジェット印刷装置。
  4. 前記壁部が、前記インクジェットヘッドの前記印刷媒体の搬送方向の両側に設けられたローラと、前記インクジェットヘッドの前記印刷媒体の搬送方向に直交する方向の両側に設けられた仕切り板部材とを有する請求項1から3いずれか1項記載のインクジェット印刷装置。
  5. 前記印刷媒体の厚さに応じて前記仕切り板部材を昇降させる仕切り板昇降機構を備えた請求項4記載のインクジェット印刷装置。
  6. 前記インクジェットヘッドまたは前記インクジェットヘッドに一体的に設けられた部材と、前記ローラとの距離dが、0<d≦0.1mmである請求項4または5記載のインクジェット印刷装置。
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