JP2020121436A - プリンタおよびプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、例えばプリンタを極低温(例えば−10℃)の環境下で使用する場合、プリンタの印字性能が常温の場合よりも低下することがある。例えば、プリンタの印字媒体として感熱紙を使用する場合には、極低温時に感熱紙の発色性能が劣化する(発色濃度が低下する)ことに加え、周囲の環境にサーマルヘッドの熱量の一部が奪われ易くなることから、印字のかすれ等の印字品質の低下が生じやすい。
本実施形態において「リーダ」とは、電磁界または電波によって,非接触電子タグの半導体メモリが記憶する情報を読み出すために近距離無線通信を行う読み出し装置を意味する。リーダと電子タグとの間で行われる近距離無線通信は、狭義のRFIDに限られず、NFC(Near Field Communication)であってもよく、無線通信規格を限定するものではない。
以下、本発明の実施形態に係るプリンタシステム4について説明する。
本実施形態のプリンタシステム4は、例えば、サーマルプリンタの消耗品であるラベルロール(被転写体の一例)とインクリボンを管理するためのシステムである。本実施形態では、ラベルロールとインクリボンの組合せは、印字媒体の一例である。なお、ラベルロールは、例えば1枚ずつのラベルとして切断される前の連続紙が巻回されてロール状の形態になったものであり、以下の説明では、その形態に関連して言及しないときには適宜、単に「ラベル」と表記する。
そこで、本実施形態のプリンタでは、同一の印字データに対してインクリボンが単位面積当たりに受ける熱量が雰囲気温度によらず実質的に一定となるように、サーマルヘッドによる印字速度を低下させる制御を行う。例えば、常温よりも低温度環境下では、印字に際して、サーマルヘッドが印加する1ドット相当の熱量が同じであっても、印字媒体が受ける熱量を、常温とほぼ同様にするべく、印字速度を予め設定されている値よりも低下させる。それによって、1ドットを印字するためにサーマルヘッドが印加する累積的な熱量が増加し、周囲の環境に多くの熱量が奪われたとしてもインクリボンが受ける1ドット分の熱量を常温の場合と実質的に同じとなるように制御することができる。すなわち、サーマルヘッドによる印字速度を制御することで、同一の印字データに対してインクリボンが単位面積当たりに受ける熱量を雰囲気温度によらず実質的に一定とすることができる。ここで「実質的に一定」とは、印字性能に明らかな差が生じない程度の所定範囲の誤差を含む。
ここで、インクリボンが単位面積当たりに受ける熱量を雰囲気温度によらず所定範囲内とするための印字速度の低下度合については、インクリボンおよびラベルの特性に依存するために、具体的なインクリボンとラベルの組合せに基づいて設定することが好ましい。
以下、本実施形態のプリンタシステム4の構成について、図1〜3を参照して説明する。図1は、本実施形態のプリンタシステム4の概略構成を示す図である。図2は、本実施形態のプリンタシステム4における消耗品の斜視図である。図3は、本実施形態のプリンタシステム4のシステム構成を示すブロック図である。
プリンタ5は、ユーザが使用するプリンタであり、ユーザの事業所等、ユーザがプリンタ5の使用する所望の場所に配置される。本実施形態の例では、プリンタ5は熱転写式プリンタである。
サーバ6は、プリンタ5の製造者によって管理されているネットワークサーバであり、プリンタ5のユーザに対して様々なサービスを提供するために設けられている。
ラベルロールタグ31に記憶されている管理番号には、例えば、ラベルロールタグ31が取り付けられたラベルロールを注文したユーザを識別するユーザID、および、当該ラベルロールの種類を識別する部品コード(品番、型式等)あるいはラベルのレイアウトなどの情報が含まれる。
インクリボンタグ21に記憶されている管理番号には、例えば、インクリボンタグ21が取り付けられたインクリボンを注文したユーザを識別するユーザID、および、当該インクリボンの種類を識別する部品コード(品番、型式等)などの情報が含まれる。
ラベルロール3およびインクリボン2の管理番号は、例えば、ラベルロール3およびインクリボン2を出荷するプリンタ5の製造者によって書き込まれる。
制御部51は、マイクロコンピュータおよびメモリ(RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory))を含み、プリンタ5の動作を制御する。マイクロコンピュータは、プリンタ5の起動時にROMに記憶されているファームウェアを読み出して実行する。
操作入力部53は、プリンタ5の筐体に設けられた操作ボタン、および、タッチパネル入力画面に設けられるタッチ入力ボタンの少なくともいずれかの入力手段である。
表示部54は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の表示パネルと、当該表示パネルに画像を表示する駆動回路とを含む。
モータ駆動部55は、制御部51からの搬送要求に応じて、当該搬送要求によって指定される搬送方向(順方向あるいは逆方向)および搬送量で連続紙を搬送させる。指定された搬送方向および搬送量は、例えばステッピングモータの回転方向および駆動周波数とステップ数に対応している。モータ駆動部55は、当該回転方向および駆動周波数とステップ数に基づいてステッピングモータを駆動する。
図4に示すデータ構成例では、印字速度データベース52Aには、特定の部品コードのラベルロールと特定の部品コードのインクリボンの組合せに対応して、ルックアップテーブル(LUT)が含まれる。各LUTは、動作制御情報の一例である。
図5に示すように、雰囲気温度が低いほど印字速度が低くなるように設定される。例えば、基準温度を常温(例えば25℃)としたとき、雰囲気温度が基準温度よりも低い場合には、印字速度は基準温度の場合よりも低く設定される。
図6では、同一の印字速度で印字を行った場合のインクリボンのタイプ別の印字濃度を示している。図6に示すように、いずれのタイプの場合であっても、雰囲気温度が低下していくにつれてインクリボンのインクが溶融し難くなり、それに伴って印字濃度が低下していくことがわかる。なお、図示しないが、インクリボンには、ワックスタイプとレジンタイプの中間の特性を有するセミレジンタイプがある。図6から、いずれのタイプであってもインクリボンは、常温(例えば25℃)よりも低い雰囲気温度の場合には、インクが溶融し難くなるために印字濃度が低下していくことがわかる。
図6に示すように、レジンタイプ(タイプT2)のインクリボンはワックスタイプ(タイプT1)のインクリボンよりも溶融し難い。つまり、同じ雰囲気温度下で同一の印字速度で印字した場合、レジンタイプのインクリボンを使用した場合の印字濃度は、ワックスタイプのインクリボンの場合の印字濃度よりも低くなってしまう。そこで、図7に示すように、レジンタイプ(タイプT2)のインクリボンを印字に使用する場合には、ワックスタイプ(タイプT1)のインクリボンの場合よりも印字速度を低下するように設定することで、いずれのタイプのインクリボンを使用した場合でも実質的に同一の印字濃度が得られるようになる。このように、インクリボンのタイプ別の溶融特性の違いを考慮して印字速度を設定することが好ましい。
また、インクリボンとラベルの材料に応じて、印字時の定着性および擦過性の観点からインクリボンに印加すべき好ましい熱量が変化する。例えば、ラベルとして使用される紙には、コート紙、塗工紙、特殊紙(樹脂系)等の種類があり、それぞれ特定の種類のインクリボンとの相性があることから、両者の組合せによって、印加すべき好ましい熱量が異なる場合がある。
そこで、図4に示したように、印字速度データベース52Aに含まれる各LUTは、インクリボンとラベルの各組合せに対して個別に設定することが好ましい。
また、すべての温度範囲で印字速度データベース52Aに含まれるLUTを参照して印字を行わなくてもよい。例えば極低温環境下等の所定温度(例えば25℃)以下の雰囲気温度の場合に限り、印字速度データベース52Aに含まれるLUTを参照して印字を行ってもよい。
制御部61は、マイクロコンピュータおよびメモリ(RAM,ROM)を含み、サーバ6の動作を制御する。マイクロコンピュータは、サーバ6の起動時にROMに記憶されているサービスプログラムを読み出して実行する。サービスプログラムを実行することで、プリンタ5のユーザに対して様々なサービスが提供されるように構成されている。
通信部63は、プリンタ5とネットワークNWを介した通信を行い、データの送受信を行う。本実施形態では、通信部63は、プリンタ5に対して印字速度データベースを送信する。印字速度データベースをプリンタ5に対して送信するタイミングは問わないが、例えば、印字速度データベースが更新されたタイミング、プリンタ5から要求が行われたタイミング等である。
次に、本実施形態のプリンタ5の動作について、図8のフローチャートを参照して説明する。図8のフローチャートは、プリンタ7の制御部51のマイクロコンピュータによって実行される。プリンタ5のストレージ52には、サーバ6から受信した印字速度データベースが記憶されているものとする。
図8に示すフローチャートは、印字速度を決定するときのプリンタ5の動作を示している。このフローチャートを実行するタイミングは、例えば、操作入力部53を通して印字指示を受けたタイミングである。
印字速度が特定された後、制御部51は、当該印字速度によって印字データに基づく印字が行われるように、モータ駆動部55およびヘッド駆動部56を制御する。
本発明の第2の実施形態について、図9および図10を参照して説明する。図9は、第2の実施形態のプリンタ5Cの概略構成を示す図である。図10は、第2の実施形態のプリンタ5Cに格納される印字速度データベースのデータ構成例を示す図である。
図9に示すように、本実施形態のプリンタ5Cは、例えば比較的小型のモバイルプリンタである。プリンタ5Cに装填されるラベルロール3Cは、1枚ずつのラベルとして切断される前の連続紙が巻回されてロール状の形態になったものである点で第1の実施形態のラベルロール3と同じであるが、感熱紙で構成されている。プリンタ5Cでは、ラベルに対して直接サーマルヘッドの熱を印加することによって印字を行う(ダイレクトサーマル型)。
特にプリンタ5Cがモバイルプリンタである場合、ユーザが室外に持ち出して動作させることが多く、例えば厳冬期等、使用環境が特に厳しい場合がある。
ここで、ラベルが単位面積当たりに受ける熱量が雰囲気温度によらず実質的に一定となるようにするための印字速度の低下度合については、ラベルの特性に依存するために、具体的なラベルに基づいて設定することが好ましい。
プリンタ5Cのストレージには、図10に例示する印字速度データベースが格納される。印字速度データベースは、第1の実施形態と同様に、図示しないサーバから受信してもよいし、図示しない記録デバイスからプリンタ5C内に取り込まれてもよいし、製造段階で予めプリンタ5C内に格納されていてもよい。
印字速度データベースは、ラベルロールの部品コードと印字速度データ(LUT)が対応付けられている。印字速度データは、図5に例示したのと同様に、雰囲気温度が低いほど印字速度が低下するように設定されている。
本実施形態のプリンタ5Cは、印字を行うに当たって、ラベルロールの管理番号に含まれる部品コードをキーとして印字速度データ(LUT)を特定し、特定した印字速度データを参照して、現在の雰囲気温度に対応する印字速度を決定して印字を行う。そのため、ラベルの発色濃度が低下する低温環境下においても例えば常温と同様の印字性能を得ることが可能となる。
また、サーマルヘッドに別の温度センサを取り付け、当該温度センサの検出値に基づいて印字の際に熱履歴制御を行うようにしてもよい。
上述した実施形態では、サーマルヘッドによる印字速度を低下させることで、同一の印字データに対してインクリボンが単位面積当たりに受ける熱量を雰囲気温度によらず実質的に一定とする場合について説明したが、その限りではない。印字速度を低下させる制御に加えて、サーマルヘッドに印加する印字電流を増加させる制御等の他の制御を組み合わせるようにしてもよい。
21…インクリボンタグ
3,3C…ラベルロール
31,31C…ラベルロールタグ
4…プリンタシステム
5,5C…プリンタ
50…プリンタ本体
51…制御部
52…ストレージ
52A…印字速度データベース
53…操作入力部
54…表示部
55…モータ駆動部
56…ヘッド駆動部
57…リーダ
58…通信部
59…温度センサ
6…サーバ
61…制御部
62…ストレージ
63…通信部
NW…ネットワーク
Claims (6)
- 印字媒体に印字データを印字する印字ヘッドと、
外部の雰囲気温度を取得する温度取得部と、
前記温度取得部によって取得された雰囲気温度に基づいて、前記印字媒体に前記印字データを印字するときの前記印字媒体が単位面積当たりに受ける熱量が所定範囲内となるように前記印字ヘッドによる印字速度を制御する制御部と、
を備えたプリンタ。 - 雰囲気温度と前記印字ヘッドの印字速度の制御内容との対応関係を規定した動作制御情報を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記動作制御情報から前記温度取得部により取得された雰囲気温度に対応する前記印字ヘッドの印字速度の制御内容を特定する、
請求項1に記載されたプリンタ。 - 前記記憶部は、複数種類の印字媒体の各々に対応付けられた複数の前記動作制御情報を記憶し、
前記制御部は、前記複数の前記動作制御情報のうち印字対象の印字媒体の種類に対応した動作制御情報から、前記温度取得部により取得された雰囲気温度に対応する前記印字ヘッドの印字速度の制御内容を特定する、
請求項2に記載されたプリンタ。 - 前記印字媒体は、感熱紙であって、前記感熱紙の種類を識別する識別情報が記憶されたタグが取り付けられ、
前記プリンタは、前記タグから前記感熱紙の識別情報を読み出すリーダを備え、
前記制御部は、前記リーダにより読み出された前記感熱紙の識別情報に基づいて、前記感熱紙の種類に対応した前記動作制御情報から前記温度取得部により取得された雰囲気温度に対応する前記印字ヘッドの印字速度の制御内容を特定する、
請求項1から3のいずれか1項に記載されたプリンタ。 - 前記印字媒体は、インクリボンと前記インクリボンのインクが転写される被転写体との組合せであって、
前記インクリボンには、前記インクリボンの種類を識別する識別情報が記憶された第1タグが取り付けられ、前記被転写体には、前記被転写体の種類を識別する識別情報が記憶された第2タグが取り付けられ、
前記プリンタは、前記第1タグから前記インクリボンの識別情報と読み出し、前記第2タグから前記被転写体の識別情報を読み出すリーダを備え、
前記制御部は、前記リーダにより第1タグから読み出された前記インクリボンの識別情報と、前記第2タグから読み出された前記被転写体の識別情報とに基づいて、前記インクリボンの種類及び前記被転写体の種類に対応した前記動作制御情報から前記温度取得部により取得された雰囲気温度に対応する前記印字ヘッドの印字速度の制御内容を特定する、
請求項1から3のいずれか1項に記載されたプリンタ。 - 印字媒体に印字データを印字するプリンタにおいて、コンピュータを、
前記プリンタの外部の雰囲気温度を取得する温度取得手段、および、
前記温度取得手段により取得された前記雰囲気温度に基づいて、前記印字媒体に前記印字データを印字するときの前記印字媒体が単位面積当たりに受ける熱量が所定範囲内となるように、前記印字ヘッドによる印字速度を制御させる速度制御手段として機能させるためのプログラム。
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- 2019-01-29 JP JP2019013285A patent/JP2020121436A/ja active Pending
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