JP2020120937A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
Description
両面パッド、SAPシートが含まれる吸収性物品について、以下の先行技術がある。
特開文献2は、超薄型で、吸水後に型くずれを起こさず、しかも吸収能力を十分発揮しうる形態の吸収用積層体が開示されている。
また、特開文献2は、薄型であっても片面のみの吸収であるので、吸収性能が十分ではないこと、ホットメルトを使用していることで硬い吸収体となり、装着感を損ねてしまうことが問題であり、満足いくものではない。
本発明の実施形態に係る吸収性物品1としては、軽失禁パッドが例示されるが、本発明の吸収性物品1はこれに限定されるものではなく、軽失禁ライナー、生理用ナプキン、その他の吸収性物品であってもよい。
図1は、本発明の実施形態に係る吸収性物品1の平面図であり、図2は、図1のX1−X1断面図である。吸収性物品1は、図1に示すように、身体側表面に配置された液透過性のトップシート10と、トップシート10に対向し、衣類側表面に配置された液不透過性のバックシート20と、トップシート10及びバックシート20の間に配置された吸収層と、を備える。これにより、吸収層は、トップシート10とバックシート20との間に挟まれた構造となっている。
具体的には、吸収層は、トップシート10側から順に、第1吸収体30と、第2吸収体50と、を含む構造となっている。
トップシート10は、吸収体30に向けて体液を速やかに通過させる液透過性のものであり、吸収体30を挟んで、バックシート20に対向して配置される。トップシート10は、肌と当接するシートとなることから、柔らかな感触で、肌に刺激を与えないような性質を有する、親水性エアスルー不織布を代表とする親水性サーマルボンド不織布、親水性スパンボンド不織布等の親水性不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム又はこれらを積層した複合シートから形成され、これらの中でも、嵩高さを得やすく、柔軟性に優れた親水性サーマルボンド不織布又は親水性スパンボンド不織布を用いることが好ましい。
なお、トップシート10は、単層であっても、複数層積層していてもよく、ドライタッチ性を付与するために多数の透孔が形成されていてもよい。
本発明に用いるバックシート20としては、液不透過性を有し、かつ、遮水性を有するシート材が用いられるが、ムレ防止のために透湿性を有していてもよい。このような特性を有するバックシート20の材料としては、例えば、ポリエチレンシートやポリエチレンラミネート不織布等の厚みの薄いプラスチックシートを挙げることができる。なお、バックシート20の坪量は、加工性及び強度の点から、15g/m2以上60g/m2以下であることが好ましい。
本発明の吸収性物品1に用いる吸収層は、図2に示すようにトップシート10側に位置する第1吸収体30と、バックシート20側に位置する第2吸収体50と、を含む構造となっている。
そして、第1吸収体30は、衣類側(バックシート20側)表面が起毛した第1基体不織布31と、第1基体不織布31の起毛した部分の繊維間に固着担持された第1高吸収性ポリマー32と、を有する。
第2吸収体50は、身体側(トップシート10側)表面が起毛した第2基体不織布51と、第2基体不織布51の起毛した部分の繊維間に固着担持された第2高吸収性ポリマー52と、を有する。
なお、上層吸収体30及び下層吸収体50はいずれもフラッフパルプを含有しないため、吸収層が厚くならず、薄型の吸収性物品1を得ることができる。
図2に示すように、第1吸収体30は、衣類側表面が起毛した第1基体不織布31と、第1基体不織布31の起毛した部分の繊維間に固着担持された第1高吸収性ポリマー32と、を有し、第2吸収体50は、身体側表面が起毛した第2基体不織布51と、第2基体不織布51の起毛した部分の繊維間に固着担持された第2高吸収性ポリマー52と、を有する。このように、各基体不織布の起毛した部分の繊維間に各高吸収性ポリマーが分散して固着担持されることにより、各基体不織布の起毛した部分に尿が適度に拡散又は保持されることにより吸収性能が向上し、フラッフパルプを有さなくても十分な吸収性能を有する。また、第1吸収体30及び第2吸収体50の、長手方向の寸法は95mm以上550mm以下、幅方向の寸法は25mm以上180mm以下、であることが好ましい。
図2に示すように、第1基体不織布31の衣類側表面及び第2基体不織布51の身体側表面は起毛した状態である。そのため、不織布本来の嵩高さに加えて、第1吸収体30及び第2吸収体50に適度な厚みと柔らかさが付与されることにより、適度なクッション性が発生し、着用時のフィット感を向上することができる。
また、各基体不織布を上記のように起毛させることにより、各基体不織布の起毛した部分の繊維間に各高吸収性ポリマーを分散させて固着担持させることができる。第1基体不織布31の衣類側表面及び第2基体不織布51の身体側表面を起毛させる方法としては、回転ノコ刃、ニードルパンチが挙げられ、インラインでの生産性やコストの観点から回転ノコ刃により毛羽立たせる方法を用いることが好ましい。
第1高吸収性ポリマー32及び第2高吸収性ポリマー52としては、尿を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン−アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等の材料から形成されたものを使用することができる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸ナトリウム系が好ましい。また、第1高吸収性ポリマー32及び第2高吸収性ポリマー52の坪量は、各種の吸収性物品に要求される吸収性能を確保するために、200g/m2以上1200g/m2以下とすることが好ましい。また、吸収性能、吸収後の肌触り及び着用者の動きやすさをより向上させる観点から、第1高吸収性ポリマー32及び第2高吸収性ポリマー52の坪量は、300g/m2以上900g/m2以下とすることがより好ましい。
本発明の吸収性物品1は、キャリアシート60を有していてもよい。キャリアシート60は、第1吸収体30及び第2吸収体50を、一体的に全体を包むように覆っていてもよいし、第1吸収体30の身体側及び第2吸収体50の衣類側から一体的に挟持するように覆っていてもよい。
また、第1吸収体30及び第2吸収体50を個別に、それぞれの全体を包むように覆っていてもよいし、第1吸収体30及び第2吸収体50を、それぞれの上下から挟持するように覆っていてもよい。
キャリアシート60としては、ティシュ、吸収紙、スパンボンド不織布やエアレイド不織布等の親水性不織布を挙げることができ、液拡散性、保水性、コストの観点からティシュを用いることが好ましく、キャリアシート60の坪量は、強度と装着感の観点から、10g/m2以上40g/m2以下とすることが好ましく、15g/m2以上20g/m2以下とすることがより好ましい。なお、本実施形態では吸収層をキャリアシート60で包んだ例について説明したが、吸収層をキャリアシートで包まないで構成することもできる。
本発明の吸収性物品1では、図2に示すように、第1吸収体30の上面への体液の拡散を促進するため、トップシート10と第1吸収体30との間に、液拡散性シート70を設ける。斯かる液拡散性シート70としては、例えば、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布等の親水性不織布や、スパンボンド/メルトブロー、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドを積層した複合不織布を挙げることができる。液拡散性シート70の厚さは0.1mm以上2mm以下であることが好ましく、その坪量は15g/m2以上100g/m2以下であることが好ましい。液拡散性シート70の形状は、特に制限はないが、尿等の液体がくまなく第1吸収体30に拡散するよう、第1吸収体30の身体側表面を完全に覆うことができる形状であることが好ましい。
吸収性物品1の身体側表面には、立体ギャザー80が設けられていることが好ましい。この立体ギャザー80は、トップシート10とともに体液の閉じ込め空間を形成し、体液の漏れを防止できるようになっている。立体ギャザー80は、立体ギャザーシートと、立体ギャザーシートの自由端部に沿って配された伸縮性弾性部材と、を備えていることが好ましい。伸縮性弾性部材としては、天然ゴム、合成ゴム、及びポリウレタン等からなる、糸状、紐状、平型形状のものを適宜使用することができる。
吸収性物品1の製造方法としては、特に限定はなく、従来公知の方法を採用することができ、例えば、衣類側から、バックシート20、第2吸収体50、第1吸収体30、液拡散性シート70、トップシート10の順に積層し、トップシート10とバックシート20とを一部又は全周に亘ってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定することで製造することができる。そして、これを包装シートに個別包装した後、長手方向に3つ折りにして折り畳めばよい。
10 トップシート
20 バックシート
30 第1吸収体
31 第1基体不織布
32 第1高吸収性ポリマー
50 第2吸収体
51 第2基体不織布
52 第2高吸収性ポリマー
60 キャリアシート
70 液拡散性シート
80 立体ギャザー
Claims (4)
- 液透過性のトップシートと、液透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に吸収層を設けた吸収性物品であって、
前記吸収層は、前記トップシート側に位置し、前記バックシート側表面が起毛した第1基体不織布と、前記第1基体不織布の起毛した部分の繊維間に固着担持された第1高吸収性ポリマーを有する第1吸収体と、
前記バックシート側に位置し、前記トップシート側表面が起毛した第2基体不織布と、前記第2基体不織布の起毛した部分の繊維間に固着担持された第2高吸収性ポリマーを有する第2吸収体と、
を有することを特徴とする吸収性物品 - 前記第1及び第2基体不織布がエアスルー不織布であり、
前記第1及び第2基体不織布の坪量が、20g/m2以上200g/m2以下であり、
前記第1及び第2基体不織布の厚さは、0.3mm以上11.0mm以下であり、
前記第1及び第2基体不織布を構成する繊維の太さが、1.6dtex以上14dtex以下である、請求項1に記載の吸収性物品。 - 前記第1及び第2高吸収性ポリマーの坪量が200g/m2以上1200g/m2以下である、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。
- 前記第1及び第2高吸収性ポリマーが、ホットメルト接着剤により、前記第1及び第2基体不織布の起毛した部分の繊維間に固着担持されており、該ホットメルト接着剤の含有量が10g/m2以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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