JP2019063098A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟性が良好で、尿漏れを十分に抑制できる、薄型の吸収性物品を提供する。【解決手段】液透過性のトップシート10と、液不透過性のバックシート30と、トップシート10及びバックシート30の間に配置された吸収体20と、を有する吸収性物品1であって、吸収体20は、高吸収性シート210と、高吸収性シート210の全体を包む親水性シート220と、を有し、高吸収性シート210は、片側表面が起毛した基体不織布211と、基体不織布211の起毛した部分の繊維間に固着担持された高吸収性ポリマー212と、を有し、基体不織布211は、坪量が20g/m2以上60g/m2以下の親水化処理が施されたエアスルー不織布である、吸収性物品1を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、軽失禁パッド、軽失禁ライナー、尿取りパッド等の吸収性物品に関する。
一般に吸収性物品は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体と、で構成されており、これにより、尿等の体液は、トップシートを通って吸収体に吸収される。この吸収性物品は、想定される使用状況における体液の排出量に応じて、様々な吸収量のものが存在する。これらのうち、比較的少量の尿を吸収するものとしては、軽失禁パッドと軽失禁ライナーが知られている。両者を比較した場合、軽失禁パッドは軽失禁ライナーと比べて厚みがあり、吸収性能が高く、一方で、軽失禁ライナーは、軽失禁パッドよりも薄く、吸収性能が低い、というそれぞれの特徴があり、使用者は、自己の症状に合った商品の選択をすることができる。
ところで、上記の軽失禁の代表的な症状として、腹圧性尿失禁が挙げられる。腹圧性尿失禁とは、お腹に力が入った時に不意に少量の尿が漏れてしまう症状であり、尿道を支えることで排尿をコントロールする骨盤底筋が、出産や加齢などに伴って衰えることにより発症する。女性の方が男性よりも尿道が短いため、女性の方が男性よりも腹圧性尿失禁に罹患しやすく、成人女性の3人に1人が腹圧性尿失禁を経験していると言われている。
現在、軽失禁パッドや軽失禁ライナーにおいては、生理用ナプキンやパンティライナーをベースとして、様々なサイズ、吸収量に応じた商品設計がなされているものの、腹圧性尿失禁等の軽失禁に悩まされる女性の多くは、尿漏れの症状を恥ずかしいこととして、これら尿漏れ専用商品を購入ないし使用することに抵抗を感じている。その結果、尿漏れに悩む多くの女性は、使用している生理用ナプキンをそのまま軽失禁対策に使用する場合も多い。しかしながら、一般的な生理用ナプキンの吸収体には、吸収性能を確保するための高吸収性ポリマー(Super Absorbent Polymer;SAPとも称される)が含まれていないか、若しくは、含まれているとしても微量であるため、体液の吸収後においても吸収体の厚みの変化が少なく、生理用ナプキンは、軽失禁パッド等と比べて着用感が悪化しにくいという利点を有するが、一方で、生理用ナプキンでは、軽失禁パッド等と比較して尿漏れを十分に防止できないという根本的な問題があった。さらに、生理用ナプキンから軽失禁パッドや軽失禁ライナーに切り替えた後に、商品の選択の困難性、価格等の問題から、再び生理用ナプキンを使用するケースも多く見られた。これらの背景から、生理用ナプキンのように薄型で、かつ、尿漏れも防止することのできる手段について、検討がなされてきた。
このような検討がなされた発明として、特許文献1には、高吸収性ポリマーが、高吸収性ポリマー及び吸収性繊維の合計重量に対して、40重量%以上含まれ、かつ、加圧薄型化されており、セカンドシートに、ポリエチレンテレフタレートを用いた吸収体が開示されており、当該吸収体によれば、広範に亘って液体を拡散させて、吸収体に入るときの面積を広げ、吸収能力の低下を防止することができるとされている。また、特許文献2には、繊維集合体と、高吸収性ポリマーとを有する吸収体であって、繊維集合体として、繊維で構成されたトウからなるものを用いるとともに、高吸収性ポリマーとして、吸水量が60g/g以上のものを用いた吸収体が開示されており、当該吸収体によれば、使用感や吸収性能を損なわずに、軽量化、薄型化を図ることができるとされている。
国際公開2005/082305号 特開2006−006742号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載された吸収体では、薄型にするための所定の工夫はされているものの、高吸収性ポリマー以外に、吸収性繊維や繊維集合体を用いているため、十分に薄型化を実現できてはいなかった。
また、薄型化を目的として、吸収体として、フラッフパルプを含まずに不織布と高吸収性ポリマーを構成とする高吸収性シートを用いた吸収性物品が上市されている。ここで、高吸収性シートは、一般的に、二枚の不織布の間に高吸収性ポリマーを挟持する構造を有するが、フラッフパルプを含まないため、高吸収性ポリマーが高密度に存在し、柔軟性が劣るという問題があった。加えて、フラッフパルプを含まないため、高吸収性ポリマーが高密度に存在することにより、面方向への尿の拡散性が十分ではなく、面方向への尿の拡散を向上させるために、上記の二枚の不織布に加えて、さらに、トップシートと高吸収性シートとの間に、液拡散性シートを設ける場合が多いが、液拡散性シートを設けることにより、厚みが増し、柔軟性が低下するという問題があった。
さらに、生理用ナプキン等の高吸収性ポリマーを含まない又はほとんど含まない吸収性物品では液戻りが発生し、尿を吸収させるという観点においては、吸収性が十分ではなかった。したがって、本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであり、柔軟性が良好で、尿漏れを十分に抑制できる、薄型の吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、所定の構成及び構造を有する高吸収性シートを吸収体に用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の態様は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体と、を有する吸収性物品であって、前記吸収体は、高吸収性シートと、前記高吸収性シートの全体を包む親水性シートと、を有し、前記高吸収性シートは、片側表面が起毛した基体不織布と、前記基体不織布の起毛した部分の繊維間に固着担持された高吸収性ポリマーと、を有し、前記基体不織布は、坪量が20g/m以上60g/m以下の親水化処理が施されたエアスルー不織布である、吸収性物品である。
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載の吸収性物品であって、前記基体不織布が3層構造を有し、前記基体不織布の中層が中空のポリエチレンテレフタレート繊維を10質量%以上30質量%以下含有することを特徴とするものである。
(3)本発明の第3の態様は、(1)又は(2)に記載の吸収性物品であって、前記親水性シートは、坪量が10g/m以上40g/m以下のティシュであることを特徴とするものである。
本発明の吸収性物品を構成する吸収体は、高吸収性シートと、高吸収性シートの全体を包む親水性シートと、を有し、高吸収性シートは、片側表面が起毛した基体不織布と、基体不織布の起毛した部分の繊維間に固着担持された高吸収性ポリマーと、を有し、基体不織布として、エアスルー不織布を用いている。基体不織布の片側表面が起毛することにより、エアスルー不織布本来の嵩高さに加えて、適度なクッション性が発生し、柔軟性が向上する。また、基体不織布に親水化処理が施され、更に、基体不織布の起毛した部分の繊維間に高吸収性ポリマーが分散して固着担持されることにより、液拡散性シートを用いなくても、高吸収性ポリマー周辺の基体不織布に尿が適度に拡散され、尿漏れを十分に抑制することができる。また、本発明の吸収性物品を構成する吸収体は、フラッフパルプを含有しないため、薄型化を実現することができる。よって、本発明によれば、柔軟性が良好で、尿漏れを十分に抑制できる、薄型の吸収性物品を提供することができる。
本発明の吸収性物品の平面図である。 図1のX1−X1断面図である。 カット幅に合わせて流れ方向に、高吸収性ポリマー未挿入部と、高吸収性ポリマー挿入部とが設けられた態様を示す図面である。
<吸収性物品>
本発明の実施形態に係る吸収性物品1としては、軽失禁パッドが例示されるが、本発明の吸収性物品1はこれに限定されるものではなく、軽失禁ライナー、生理用ナプキン、その他の吸収性物品であってもよい。吸収性物品1は、図1に示すように、身体側表面に配置された液透過性のトップシート10と、トップシート10に対向し、衣類側表面に配置された液不透過性のバックシート30と、トップシート10及びバックシート30の間に配置された吸収体20と、を備え、これにより、吸収体20は、トップシート10とバックシート30との間に挟まれた構造となっている。本明細書の説明において、吸収性物品1の長手方向とは、吸収性物品1が着用されたときに着用者の前後に亘る方向であり、図中、符号Yで示す方向である。また、吸収性物品1の幅方向とは、長手方向に対して横又は直交する方向であり、図中、符号Xで示す方向である。さらに、本明細書において、吸収性物品1の身体側表面とは、着用時に着用者の肌に当接する表面を指し、衣類側表面とは、着用時に着用者の衣類に接触する表面を指す。
本発明の吸収性物品1の厚みは、1mm以上4mm以下であることが好ましく、1.5mm以上3mm以下であることがより好ましい。吸収性物品1の厚みを上記の範囲に調整することにより、薄型の吸収性物品1を得ることができる。また、吸収性物品1の、長手方向の寸法は220mm以上300mm以下、幅方向の寸法は80mm以上110mm以下、であることが好ましい。吸収性物品1の寸法を上記の範囲に調整することにより、生理用ナプキンのように、女性に適した吸収性物品1を得ることができる。
[トップシート]
トップシート10は、吸収体20に向けて体液を速やかに通過させるものであり、吸収体20を挟んで、バックシート30に対向して配置される。トップシート10は、肌と当接するシートとなることから、柔らかな感触で、肌に刺激を与えないような性質を有する、親水性不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム又はこれらを積層した複合シートから形成される。なお、トップシート10は、単層であっても、複数層積層していてもよく、ドライタッチ性を付与するために多数の透孔が形成されていてもよい。
また、上記のような性質を有する親水性不織布としては、ポリプロピレンやポリエチレン等の合成繊維や、レーヨン等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いて、サーマルボンド法、エアスルー法、スパンレース法、スパンボンド法等の公知の加工法によって得られたものを用いることができる。
トップシート10の坪量は、加工性及び強度の点から、15g/m以上40g/m以下であることが好ましい。トップシート10には、肌への刺激を低減させるために、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を塗布してもよい。
[バックシート]
本発明に用いるバックシート30としては、液不透過性を有し、かつ、遮水性を有するシート材が用いられるが、ムレ防止のために透湿性を有していてもよい。このような特性を有するバックシート30の材料としては、例えば、ポリエチレンシートやポリエチレンラミネート不織布等の厚みの薄いプラスチックシートを挙げることができる。なお、バックシート30の坪量は、加工性及び強度の点から、15g/m以上60g/m以下であることが好ましい。
なお、図示しないが、バックシート30の衣類側表面には、着用時に下着等に吸収性物品1を固着するための粘着剤層が設けられていてもよい。また、吸収性物品1が粘着剤層を有する場合、粘着剤層を保護するための剥離シートを有していてもよく、この剥離シートは、吸収性物品1の包装シートと部分的に接合されていてもよい。
[吸収体]
本発明の吸収性物品1に用いる吸収体20は、図2に示すように、高吸収性シート210と、高吸収性シート210の全体を包む親水性シート220と、を有する。なお、吸収体20は、フラッフパルプを含まないため、薄型の吸収性物品1を得ることができる。
[高吸収性シート]
本発明の吸収体20に用いる高吸収性シート210は、図2に示すように、片側表面が起毛した基体不織布211と、基体不織布211の起毛した部分の繊維間に固着担持された高吸収性ポリマー212と、を有する。基体不織布211の起毛した部分の繊維間に高吸収性ポリマー212が分散して固着担持されることにより、高吸収性ポリマー212周辺の基体不織布211に尿が適度に拡散又は保持されることにより吸収性能が向上し、フラッフパルプを有さなくても十分な吸収性能を確保することができる。
(基体不織布)
高吸収性シート210に用いる基体不織布211はエアスルー不織布であり、図2に示すように、基体不織布211の片側表面は起毛した状態である。そのため、エアスルー不織布本来の嵩高さに加えて、適度なクッション性が発生し、柔軟性が向上する。また、基体不織布211を上記のように起毛させることにより、基体不織布211の起毛した部分の繊維間に高吸収性ポリマー212を分散させて固着担持させることができる。したがって、基体不織布211の起毛した部分の繊維間に高吸収性ポリマー212が分散して固着担持されることにより、液拡散性シートを用いなくても、高吸収性ポリマー212周辺の基体不織布211に尿が適度に拡散され、尿漏れを十分に抑制することができる。
基体不織布211の片側表面を起毛させる方法としては、回転ノコ刃、ニードルパンチが挙げられ、インラインでの生産性やコストの観点から回転ノコ刃により毛羽立たせる方法を用いることが好ましい。なお、吸収体20を吸収性物品1に配置する際には、基体不織布211の起毛した面を、衣類側と身体側のいずれを向くように配置してもよい。
基体不織布211の厚さは、着用感及び吸収性能のバランスの観点から、0.3mm以上3.0mm以下であることが好ましく、1.0mm以上2.0mm以下であることがより好ましい。また、基体不織布211の坪量は、安定的に製造する観点から、20g/m以上60g/m以下であることが好ましく、30g/m以上40g/m以下であることがより好ましい。基体不織布211の坪量が、20g/m未満の場合には、起毛処理時に基体不織布の断裂が起こりやすく、また、製造時にかかるテンションにより幅が狭くなりやすく、製造条件のコントロールが難しくなる。一方で、基体不織布211の坪量が、60g/mより大きい場合、起毛処理は安定的に行うことができ、装着時の柔軟性も向上するが、吸収性物品1の厚みを薄くすることが困難になる。
さらに、基体不織布211を構成する繊維の太さは、1.6dtex以上14dtex以下であることが好ましく、1.8dtex以上9.0dtex以下であることがより好ましく、2.0dtex以上6.0dtex以下であることが更に好ましい。このように上記の範囲で基体不織布211を構成する繊維の太さを調整することにより、基体不織布211の起毛した部分の繊維間に高吸収性ポリマー212を分散させて固着担持しやすくすることができる。
基体不織布211は、親水化処理が施されたエアスルー不織布である。親水化処理が施されることにより、尿の拡散性を向上させることができる。基体不織布211の親水化処理の方法としては、繊維表面を界面活性剤により処理することが好ましい。ここで、基体不織布211の親水性は、尿を繰り返し吸水した後においても、維持される必要があり、本発明に用いる基体不織布211は、キッチンタオルを10枚敷いた上に基体不織布211を置き、基体不織布211の10か所に生理食塩水を10μl滴下し、3分以内に同じ位置に生理食塩水を滴下したときに10か所全てにおいて2秒以内に吸水し、さらに同じ位置に生理食塩水を滴下し、同様に3分以内に同じ位置に生理食塩水を滴下したときに、9か所以上が2秒以内に吸水できることが好ましい。本発明に用いる基体不織布211が、上記基準を満たすことにより、吸水を繰り返した場合にも、親水性を維持することにより、面方向への尿の拡散性を維持することができる。
ここで、基体不織布211の起毛した面が身体側に向くように配置すると、一度に多量の尿が基体不織布211を介さずに基体不織布211の起毛した面に固着担持された高吸収性ポリマー212に移行することになり、当該高吸収性ポリマー212がゲルブロッキングを起こし、吸収速度が低下する場合がある。よって、本発明の吸収性物品1においては、基体不織布211の起毛した面が衣類側に向くように配置することが好ましい。基体不織布211をこのように配置することにより、基体不織布211の起毛した繊維を介して尿が高吸収性ポリマー212に導かれることにより、吸収速度の低下を抑制することができる。
さらに、基体不織布211は、以下の3層構造を有することが好ましい。3層構造のうち、上層と下層においては、芯にポリエチレンテレフタレート、鞘にポリエチレン、を使用した芯鞘繊維を用い、中層においては、当該芯鞘繊維と中空ポリエチレンテレフタレート繊維を使用し、中空のポリエチレンテレフタレート繊維を10質量%以上30質量%以下含有することが好ましい。中層において、中空のポリエチレンテレフタレート繊維を上記の範囲内で含有することにより、嵩高な基体不織布211を得ることができ、柔軟性を向上させることができるとともに、厚みと強度のバランスがよく、起毛処理しやすくなる。一方で、中層における中空のポリエチレンテレフタレート繊維の含有量が30質量%を超えると、繊維の強度が低下し、起毛処理時における基体不織布211の断裂を生じるおそれがある。また、中層に中空のポリエチレンテレフタレート繊維を含有させることで、基体不織布211に嵩高さを与えることができるが、強度の低下を起こしやすくなる。そのため基体不織布211を3層構造とし、上層と下層には中空のポリエチレンテレフタレートを配合しないことにより、基体不織布211の強度を維持しつつ、嵩高さを得ることができる。
(高吸収性ポリマー)
高吸収性ポリマー212としては、尿を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン−アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等の材料から形成されたものを使用することができる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸ナトリウム系が好ましい。また、高吸収性ポリマー212の坪量は、各種の吸収性物品1に要求される吸収性能を確保するために、200g/m以上1200g/m以下とすることが好ましい。また、吸収性能、吸収後の肌触り及び着用者の動きやすさをより向上させる観点から、高吸収性ポリマー212の坪量は、300g/m以上900g/m以下とすることがより好ましい。
また、粉体としての流動性が悪い微粉末を避けることにより、吸収に関する基本性能を高め、かつ、高吸収性シート210が硬くなることにより発生するごつごつとした触感を低減する観点から、高吸収性ポリマー212の中位粒子径は、50μm以上600μm以下であることが好ましく、100μm以上500μm以下であることがより好ましい。
高吸収性ポリマー212は、ホットメルト接着剤により、基体不織布211の起毛した部分の繊維間に固着担持されていることが好ましく、基体不織布211の坪量が比較的低い場合に、高吸収性ポリマー212の固着担持を補強するために、ホットメルト接着剤は特に有効に機能する。なお、高吸収性ポリマー212の吸収性を阻害せず、かつ、着用時の肌触りを損なわないように、ホットメルト接着剤の含有量は10g/m以下であることが好ましい。ホットメルト接着剤としては、融点が100℃以上180℃以下の、スチレン−ブタジエン−スチレン系共重合体やスチレン−イソプレン−スチレン系共重合体など合成ゴム系、又は、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系のホットメルト接着剤を用いることができる。ホットメルト接着剤の塗布方法としては、ノズルから溶融状態のホットメルト接着剤を非接触式で塗布するカーテンコート法やスパイラル法、接触式で塗布するスロット法など公知の方法が利用できる。
(親水性シート)
吸収体20は、図2に示すように、高吸収性シート210の全体を包む親水性シート220を有する。高吸収性シート210の全体を親水性シート220で包むことにより、高吸収性ポリマー212が吸収体20の外へ漏れることを防止することができ、着用時の肌触りも向上させることができる。親水性シート220としては、ティシュ、吸収紙、スパンボンド不織布やエアレイド不織布等の親水性不織布を挙げることができ、液拡散性、保水性、コストの観点からティシュを用いることが好ましく、親水性シート220の坪量は、強度と装着感の観点から、10g/m以上40g/m以下とすることが好ましく、15g/m以上20/m以下とすることがより好ましい。
ここで、上記のとおり、本発明の吸収性物品1に用いる吸収体20は、フラッフパルプを含まず、高吸収性ポリマー212の吸収速度はフラッフパルプに比べると遅いため、高吸収性ポリマー212が尿を吸収するまでに、尿を保持しておく必要がある。高吸収シート210の基体不織布211の高吸収性ポリマー212を担持していない面が拡散と上記の尿を保持する役割も担うが、親水性シート220も同様の役割を担うことができる。そのため親水性シート220の坪量は高いことが好ましいが、坪量が高くなると剛度もあがり、吸収性物品の柔軟性も低下する。そのため、親水性シート220の坪量は40g/m以下であることが好ましい。一方で親水性シート220の坪量が10g/m未満になると、強度が低下し、製造時に親水性シート220が破れ、高吸収性ポリマー212がこぼれる可能性がある。そのため、親水性シート220の坪量は10g/m以上であることが好ましい。
なお、高吸収性シート210の全体を親水性シート220で包む際には、高吸収性シート210と親水性シート220とを、ホットメルト接着剤や熱エンボス加工により固定することが好ましい。なお、ティシュとしては、ゼオライト、銀イオン及び銅イオンのいずれかを担持した消臭性機能を有するものが好ましい。
[立体ギャザー]
吸収性物品1の身体側表面には、立体ギャザー40が設けられていることが好ましい。この立体ギャザー40は、トップシート10とともに体液の閉じ込め空間を形成し、体液の漏れを防止できるようになっている。立体ギャザー40は、立体ギャザーシートと、立体ギャザーシートの自由端部に沿って配された伸縮性弾性部材と、を備えていることが好ましい。伸縮性弾性部材としては、天然ゴム、合成ゴム、及びポリウレタン等からなる、糸状、紐状、平型形状のものを適宜使用することができる。
<吸収体の製造方法>
吸収体20の製造方法としては、特に制限はないが、以下の方法が一例として挙げられる。基体不織布211の片側表面を回転ノコ刃又はニードルパンチを用いて、起毛させる。その後、基体不織布211の起毛した面と親水性シート220を貼り合わせながら、貼り合わせる面の間に高吸収性ポリマー212を定量散布する。高吸収性ポリマー212の散布方法としては、特に限定されず、スクリューフィーダー、ロータリーフィーダー、振動フィーダーなど粉体に使用できる公知のフィーダーを使用することができる。また、例えば、特許6180215号に開示された方法を使用すると高速で多量の高吸収性ポリマー212を安定的に供給することができる。また、このような装置を用いることにより、図3のように、カット幅Lに合わせて流れ方向に、高吸収性ポリマー未挿入部50と、高吸収性ポリマー挿入部60を設けることができる。そのため、製造ラインでバックシートとトップシートの間に吸収体20を組み込む前に、吸収性物品1に組み込む形状に、高吸収性ポリマー未挿入部50をカットしても、カット部分には、高吸収性ポリマー212が挿入されていないため、高価な高吸収性ポリマー212のロスが少なく、さらにカット刃を傷めることがない。従来、連続で高吸収性ポリマー212を挿入した場合には、あらかじめ吸収性物品に組み込むサイズに吸収体をカットしておき、更に、吸収体20の搬送のためのキャリアシートが必要であったが、高吸収性ポリマー212を上記のように間欠で挿入することにより、吸収性物品を製造する場合に必要だったキャリアシートを省くことができ、より薄型な吸収性物品1を得ることができる。
<吸収性物品の製造方法>
吸収性物品1の製造方法としては、特に限定はなく、従来公知の方法を採用することができ、例えば、必要に応じて、立体ギャザー40をあらかじめトップシート10に配置した上で、吸収体20を、基体不織布211の起毛した面が衣類側にくるように、トップシート10とバックシート30との間に挟持し、トップシート10とバックシート30とを一部又は全周に亘ってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定することで製造することができる。そして、これを包装体に個別包装した後、長手方向に3つ折りにして折り畳めばよい。
以上、本発明を、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態の範囲には限定されないことは言うまでもなく、上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 吸収性物品
10 トップシート
20 吸収体
210 高吸収性シート
211 基体不織布
212 高吸収性ポリマー
220 親水性シート
30 バックシート
40 立体ギャザー
50 高吸収性ポリマー未挿入部
60 高吸収性ポリマー挿入部

Claims (3)

  1. 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体と、を有する吸収性物品であって、
    前記吸収体は、高吸収性シートと、前記高吸収性シートの全体を包む親水性シートと、を有し、
    前記高吸収性シートは、片側表面が起毛した基体不織布と、前記基体不織布の起毛した部分の繊維間に固着担持された高吸収性ポリマーと、を有し、
    前記基体不織布は、坪量が20g/m以上60g/m以下の親水化処理が施されたエアスルー不織布である、吸収性物品。
  2. 前記基体不織布が3層構造を有し、前記基体不織布の中層が中空のポリエチレンテレフタレート繊維を10質量%以上30質量%以下含有する、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記親水性シートは、坪量が10g/m以上40g/m以下のティシュである、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
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