JP2022098990A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウエットバック、漏れ等が防止され、着用感やフィット性が良好で、体液を繰返し吸収しても吸収性能が維持され、生産性に優れた吸収性シートを含む吸収性物品の提供。【解決手段】液透過性のトップシート10と、液不透過性のバックシート30と、これらの間に配置される吸収体20とを備え、吸収体20は、肌側から順に、体液を吸収体20中に拡散させるエアスルー不織布21と、高吸収性ポリマー12が固着担持された第1高吸収性ポリマー層22と、樹脂材料の発泡体を含むスポンジ層23と、高吸収性ポリマー12が固着担持された第2高吸収性ポリマー層24と、コットン不織布25と、を有する、吸収性物品50。【選択図】図2

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
吸収性物品は、一般に、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これらの間に配置された吸収体と、を備え、トップシートを透過した尿等の体液を、吸収体で吸収及び保持するように構成されている。吸収性物品には、成人用又は幼児用を問わず、軽失禁パッド、軽失禁ライナー、尿吸収パッド、生理用ナプキン、パンツタイプ紙おむつ、テープ止めタイプ紙おむつ等、用途に応じて様々な種類が存在する。
従来から汎用される吸収体としては、吸収性繊維の一種であるフラッフパルプと高吸収性ポリマー(Super Absorbent Polymer、以下「SAP」ともいう)とを併用したフラッフ吸収体が一般的である。フラッフ吸収体は、良好な吸収性能や肌触り、着用感を有する非常に良好なものである。しかしながら、最近では、吸収性物品を着けていることが目立たず、着用時に違和感がなく、つけている感がない薄型の吸収性物品が望まれている。このような要望に応えるために、2枚の親水性不織布の間に高吸収性ポリマーを固着担持させた吸収性シート(以下「SAPシート」ともいう)が種々提案されている。
特許文献1には、第1シートと、第1シートに対向配置される第2シートと、第1シート及び第2シートの間に配置されるSAPとを含み、第1シートは第2シートとの対向面が接着剤塗布面であり、第2シートは第1シートとの対向面が接着剤塗布面であり、SAPは第1シート及び/又は第2シートの接着剤塗布面に幅方向に間欠的にストライプ状に接着され、その幅方向両側は第1シート及び第2シートの接着剤塗布面同士の接着により封止されたSAPシートが、吸収体として開示されている。
特許文献2には、肌側吸収体と、肌側吸収体の非肌側面に積層される非肌側吸収体とを備え、肌側吸収体は、肌側面にSAPを担持した液透過性不織布であり、非肌側吸収体は、の肌側面の幅方向中央を長手方向に延びる帯領域を除いてSAPを担持したシリコーン系スポンジ層であり、更に肌側吸収体の肌側面(SAP担持面)に接着されたティシュペーパーと、非肌側吸収体(又はシリコーン系スポンジ層)の非肌側面(SAP非担持面)に接着されたティシュペーパーとを含む吸収体が開示されている(段落0055)。該吸収体は、フラッフパルプ等の吸収性繊維を含まないことから、SAPシートの1種である。
特開2006-158676号公報 特開2009-131349号公報
特許文献1に記載のような従来のSAPシートを備える吸収性物品は、その着用が目立たないという利点を有するものの、いくつかの改良すべき課題を有している。第1に、親水性不織布間のSAPは接着剤により固着されていることから、体液吸収によりSAPが一体的に膨潤して体液の拡散性を低下させるゲルブロッキングを起こしやすい。第2に、ゲルブロッキングの発生を防止するために、SAPシートにスリットを設けることが考えられるが、着用者の体重が掛かった状態では、膨潤したSAPがスリット部分を埋めてしまい、体液を繰り返し吸収するときに、吸収速度及び吸収能力が低下する。第3に、SAPシートは薄型であり、SAPシートにはSAPが比較的密に配置されていることから、SAPが体液を吸収する前はSAPによるざらつき感が生じ、また、SAPが体液を吸収して膨潤するとゴツゴツした感触(硬さ)が生じ、着用感やフィット性が低下する。第4に、樹脂材料由来の不織布とSAPとからなるSAPシートは、SAPが体液の吸収を開始する前に、排出された体液を一端貯留する機能を有していないことから、最初の体液を十分に吸収できず、漏れやウエットバックが起こりやすい。第5に、SAPシートを吸収体とする吸収性物品の生産工程では、SAPシートにある程度のこわさ(剛性)を付与しないと、SAPシートの進行方向がめくれてしまい、吸収性物品の生産性や歩留まりを低下させてしまう懸念がある。その一方で、SAPシートにこわさを付与すると、得られる吸収性物品の着用感が低下し易くなる。
特許文献2の吸収体では、スポンジ層が吸収体の非肌側のみに配設されていることから、スポンジ層による吸収体全体の体液拡散性の向上が得られず、ゲルブロッキングの発生や吸収速度、吸収量等の吸収性能の低下を十分に防止できず、また、SAPの体液を吸収する前のざらつき感や、SAPが体液を吸収した後に発現するゴツゴツ感を緩和できず、着用感、フィット性等が低下する。
本発明の目的は、漏れ、ウエットバックの発生が防止され、着用感やフィット性が良好で、体液を繰返し吸収しても吸収性能が維持され、生産性が低下しない吸収性シートを含む吸収性物品を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、吸収性シートの厚さ方向両側の親水性不織布として肌側にエアスルー不織布、非肌側にバルブ含有不織布を用い、かつSAPを固着担持させた高吸収性ポリマー層中に樹脂材料の発泡体を含むスポンジ層を設け、該高吸収性ポリマー層を厚さ方向に2分割するとともに、吸収性シートの非肌面側にコットン不織布を用いることで、薄型を維持しつつ、所望の特性を有する吸収性シート及び吸収性物品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記の吸収性物品を提供する。
(1)液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これらの間に配置される吸収体と、を備える吸収性物品であって、
前記吸収体は、肌側から順に、
体液を前記積層型吸収性シート中に拡散させるエアスルー不織布と、
高吸収性ポリマーが固着担持された第1高吸収性ポリマー層と、
樹脂材料の発泡体を含むスポンジ層と、
前記高吸収性ポリマーが固着担持された第2高吸収性ポリマー層と、
体液を一時的に貯留するコットン不織布と、
を有する、吸収性物品。
(2)前記第1高吸収性ポリマー層及び/又は前記第2高吸収性ポリマー層は、高吸収性ポリマー担持領域と共に、所定の幅方向寸法で長手方向に延びるように設けられた高吸収性ポリマー非担持領域を有する、上記(1)の吸収性物品。
(3)前記スポンジ層の前記樹脂材料は、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリウレタンよりなる群から選ばれた少なくとも1種である、上記(1)又は(2)の吸収性物品。
(4)前記スポンジ層の無荷重状態での厚さが1.0mm以上3.0mm以下である、上記(1)乃至(3)のいずれかの吸収性物品。
(5)前記コットン不織布の目付が25gsm以上60gsm以下である、上記(1)乃至(4)のいずれかの吸収性物品。
(6)前記コットン不織布の平均曲げ剛性が0.03gf・cm/cm以上0.10gf・cm/cm以下である、上記(1)乃至(5)のいずれかの吸収性物品。
本発明によれば、漏れ、ウエットバックの発生が防止され、着用感やフィット性が良好で、体液を繰返し吸収しても吸収性能が維持され、生産性が低下しない吸収性シートを含む吸収性物品が提供される。
本発明の一実施形態に係る吸収性物品の構成を模式的に示す平面図である。 図1に示すX-X切断線による幅方向模式断面図である。 吸収体の構成を拡大して模式的に示す断面図である。 第1高吸収性ポリマー層又は第2高吸収性ポリマー層の構成を示す模式平面図である。(a)は一実施形態を示し、(b)は他実施形態を示す。
本明細書において、吸収性物品の着用とは、体液の吸収前後を問わず、吸収性物品を身体に装着した状態をいう。吸収性物品において、長さ方向とは吸収性物品を身体に装着したときに装着者の股間部を介して身体の前後に亘る、図中Yで示す方向であり、幅方向とは長さ方向に対して直交する、図中Xで示す方向であり、厚さ方向とは各構成部材を積層する、図中Zで示す方向である。肌側面とは、吸収性物品を着用したときに、着用者の肌に当接する表面及び肌を臨む表面であり、非肌側面とは、着用者の衣服に接触する表面又は衣服を臨む表面である。体液とは、尿や血液、軟便中の水分等の体内から体外に排出された液体をいう。
<吸収性物品>
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る吸収性物品50について説明する。図1及び図2は、吸収性物品50を示す。図3は、吸収体20を示す。図4は、第1高吸収性ポリマー層22又は第2高吸収性ポリマー層24を示す。これらの図面は吸収性物品50中の各構成部材の形状や寸法、大小関係等を規定するものではない。
本実施形態の吸収性物品50は、ベビー用及び成人用の種々の吸収性物品として使用でき、例えば、軽失禁パッド、軽失禁ライナー、尿吸収パッド、生理用ナプキン等のパッド製品、パンツタイプ紙おむつ、テープ止めタイプ紙おむつ等の紙おむつ製品等が挙げられる。アウターとしての各種紙おむつと、インナーとしてのパッド製品である吸収性物品50とを組み合わせてもよい。吸収性物品50の、長手方向の寸法L(図1)、及び幅方向の寸法W(図1)はいずれも特に限定されないが、例えば、100mm以上800mm以下の範囲、及び50mm以上500mm以下の範囲である。吸収性物品50の寸法を前記の範囲に調整すると、種々の形態の吸収性物品が容易に得られる。
図1及び図2に示す吸収性物品50は、肌側に位置する、液透過性のトップシート10と、トップシート10に対向配置され、非肌側に位置する液不透過性のバックシート30と、トップシート10とバックシート30との間に配置された吸収体20と、トップシート10と吸収体20との間に配置されたセカンドシート60と、トップシート10の肌側面に設けられた一対の立体ギャザー40と、を備える。さらに、吸収体20はフラッフパルプ等の吸収性繊維を含まない吸収性シートであり、図3に示すように、肌側から非肌側に向けて、エアスルー不織布21と、高吸収性ポリマーが固着担持された第1高吸収性ポリマー層22と、樹脂材料の発泡体を含むスポンジ層23と、高吸収性ポリマーが固着担持された第2高吸収性ポリマー層24と、コットン不織布25と、を積層した積層型吸収性シートと呼ぶことがある。
本実施形態によれば、積層型吸収性シート(吸収体20)の最も肌側及び最も非肌側にそれぞれ位置する親水性不織布としてエアスルー不織布21及びコットン不織布25を用い、かつ、これらの親水性不織布間に存在する高吸収性ポリマー層(以下「SAP層」ともいう)を、樹脂材料の発泡体を含み、液透過性及び弾性を有するスポンジ層23により厚さ方向に2分割して相対的に肌側に位置する第1SAP層22と相対的に非肌側に位置する第2SAP層24とで構成している。
この構成によれば、薄型で外部から目立ちにくいという吸収性シートの利点を損なうことなく、次のような利点が得られる。第1に、一度に多量の体液が排出されても、エアスルー不織布21により、体液を吸収体20全体にほぼ均一に行き渡らせることができる。第2に、スポンジ層23がスリットの機能を果たし、第1SAP層22及び第2SAP層24での体液拡散性を顕著に向上させることから、ゲルブロッキングが発生し難くなり、繰返し体液を吸収しても、吸収速度や吸収量等の吸収性能が高水準に維持され、また、スポンジ層23が弾力性を有することから、積層型吸収性シートを柔らかい感触とし、SAPが体液を吸収する前のざらつき感やSAPが体液を吸収して膨潤したときのゴツゴツした感触を吸収して着用者の肌に伝わり難くし、着用感、フィット性が良好に維持される。第3に、コットン不織布25を最も非肌側に配置することで、コットン不織布25が体液を一時的に貯留する機能を発揮することが可能になり、SAPが体液を吸収し始める前の、体液漏れ、ウエットバック等の発生を防止できる。第5に、コットン不織布25を用いることで、吸収性シートに硬さ(こわさ)を付与することなく、吸収性シートに適度な剛性が付与されることから、生産工程における吸収性シートのめくれが生じにくく、着用感の良好な吸収性物品を生産性良く高歩留まりで大量生産できる。
なお、本実施形態の吸収性物品50は、トップシート10、吸収体20、及びバックシート30を基本構成単位とするものであり、必要に応じて、前述のような立体ギャザー40の配設、トップシート10と吸収体20との間への液透過性のトランスファシート(不図示)や液透過性のセカンドシート60の配設等の、公知の様々な改変を施すことができる。以下、吸収性物品50の構成部材について、トップシート10、吸収体20、バックシート30、及び立体ギャザー40の順で更に詳しく説明する。
<トップシート>
トップシート10は、吸収体20に向けて体液を速やかに通過させる液透過性のシート状基材である。トップシート10は、着用者の肌に当接してもよいように、柔らかな感触で、肌に刺激を与えない基材が好ましい。該基材としては、例えば、親水性シート、同種又は異種の親水性シートの積層体である複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム等が挙げられる。親水性シートとしては、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン等の合成樹脂からなる合成繊維、レーヨン等の再生繊維、綿等の天然繊維等を用いて作製された、エアスルー不織布、サーマルボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布等が挙げられる。これらの中でも各不織布が好ましい。
トップシート10には、液透過性を向上させる観点から、エンボス加工や穿孔加工を表面に施してもよい。トップシート10は、肌への刺激を低減させる観点から、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等の1種又は2種以上を含有してもよい。トップシート10の目付(坪量)は、強度、加工性及び液戻り量の観点から、例えば、15gsm(g/m)以上40gsm(g/m)以下の範囲である。トップシート10の形状は特に制限されず、漏れがないように体液を吸収体20に誘導するために必要とされる、吸収体20の一部又は全部を覆う形状であればよい。
<セカンドシート>
セカンドシート60は、トップシート10の非肌側、より詳しくはトップシート10と吸収体20との間に配置される。セカンドシート60を配置することで、クッション性が増し、フィット性と着用感が向上するとともに、吸収性物品50の体液拡散性が向上する。
セカンドシート60の基材は、体液の透過速度がトップシート10より速く、体液を吸収体20へ素早く拡散する嵩高な不織布である。該不織布としてはエアスルー不織布、スパンボンド不織布等が好ましい。セカンドシート60の厚さは例えば0.1mm以上4mm以下の範囲であり、その目付は例えば15g/m以上40g/m以下の範囲、又は22g/m以上37g/m以下の範囲である。厚さが0.1mm未満、又は、目付が20g/m未満もしくは60g/mより大きいと、吸収体20の肌側面全体に体液が十分に拡散しないとともに、着用感が低下する傾向がある。また、セカンドシート60の形状は、特に制限はないが、好ましい実施形態では、吸収体20の表面を完全に覆うことができる形状である。
<吸収体>
吸収体20は、その長さ方向の寸法(最大長さ)L20(図1)が、例えば、100mm以上800mm以下の範囲、150mm以上500mm以下の範囲、又は270mm以上500mm以下の範囲である。吸収体20の幅方向の寸法(最大幅)W20(図1)は、例えば、50mm以上500mm以下の範囲、60mm以上400mm以下の範囲、又は65mm以上105mm以下の範囲である。また、吸収体20の平面視形状が砂時計型である場合は、長さ方向寸法が180mm以上800mm以下の範囲、着用者の腹部及び背部にそれぞれ当接する腹側部及び背側部の幅方向寸法がともに60mm以上400mm以下の範囲であり、着用者の股間部に当接する股部の幅方向寸法が90mm以上250mm以下の範囲である。吸収体20の全面又は一部にエンボス加工を施してもよい。吸収体20の平面視形状としては、例えば、砂時計型、Iの字状、長方形、4角が丸まった角丸四角形、長円等が挙げられる。
吸収体20は従来の吸収性シートとは異なる積層型吸収性シートを含み、積層型吸収性シートは、図3に示すように、肌側から非肌側に向けて、親水性不織布であるエアスルー不織布(以下「第1層」ともいう)21と、SAPが固着担持された第1SAP層(以下「第2層」ともいう)22と、樹脂材料の発泡体を含むスポンジ層(以下「第3層」ともいう)23と、SAPが固着担持された第2SAP層(以下「第4層」ともいう)24と、コットン不織布(以下「第5層」ともいう)25という各部材を積層した、フラッフパルプ等の吸収性繊維を含まない吸収性シートの1種である。したがって、本実施形態の積層型吸収性シートは、薄型で外部から認識されにくいという吸収性シートの利点を保持している。以下、各積層部材について説明する。
(エアスルー不織布)
本実施形態の積層型吸収性シートの第1層であるエアスルー不織布21は、液透過性及び液拡散性を有する不織布であり、その具体例としては、例えば、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂等の樹脂材料からなる合成樹脂繊維の1種又は2種以上を含むエアスルー不織布が挙げられる。エアスルー不織布は、例えば、体液を吸収体20の面方向全体に、特に第1SAP層22及びスポンジ層23を介して第2SAP層24に万遍なくほぼ均一に拡散させる。これにより、第1SAP層22及び第2SAP層24中のほぼ全ての高吸収性ポリマー12(図4)が体液吸収に寄与するので、複数回の体液吸収後でも体液吸収量及び体液吸収速度が高水準に維持される。
ここで使用されるエアスルー不織布21の目付は特に限定されないが、体液の透過性及び機械的強度等の観点から、例えば20gsm以上120gsm以下の範囲、又は30gsm以上100gsm以下の範囲である。また、エアスルー不織布21を構成する繊維の太さは、機械的強度等の観点から、例えば、1.6dtex以上14dtex以下の範囲、1.8dtex以上9.0dtex以下の範囲又は2.0dtex以上6.0dtex以下の範囲である。
(SAP層)
本実施形態の積層型吸収性シートの第2層である第1SAP層22、及びは本実施形態の積層型吸収性シートの第4層である第2SAP層24は、いずれも、高吸収性ポリマー12の固着担持層である。第1SAP層22及び第2SAP層24における高吸収性ポリマー12の目付は、体液吸収量や体液吸収速度等の吸収性能、吸収性物品50の着用感やフィット性、ゲルブロッキングの発生抑制等の観点から、例えば、20gsm以上150gsm以下の範囲、又は30gsm以上120gsm以下の範囲である。高吸収性ポリマー12は、例えば、ホットメルト接着剤により固着される。
(高吸収性ポリマー)
高吸収性ポリマー12としては、体液を吸収し、かつ、逆流を防止できそうめのるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸塩、ポリアスパラギン酸塩、(デンプン-アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸-ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン-無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等が挙げられる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸塩が好ましく、ポリアクリル酸アルカリ金属塩がより好ましく、ポリアクリル酸ナトリウムが更に好ましい。高吸収性ポリマー12は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
高吸収性ポリマー12は、例えば、粒子状、繊維状等の形態で用いられるが、取扱い易さ等の観点から好ましくは粒子状で用いられる。このとき、粉体としての流動性が悪い微粉末の高吸収性ポリマー12の使用を避け、中位粒子径を有する高吸収性ポリマー12を用いることにより、吸収に関する基本性能を高め、かつ、吸収体20が硬くなることにより発生するごつごつとした触感を低減することができる。高吸収性ポリマー12の中位粒子径は、例えば、50μm以上600μm以下の範囲又は100μm以上500μm以下の範囲である。
高吸収性ポリマー12をエアスルー不織布21及びスポンジ層23の各非肌側面に固着担持するには、例えば、ホットメルト接着剤が用いられる。ホットメルト接着剤としては、融点が100℃以上180℃以下のものを特に限定なく使用でき、例えば、スチレン-ブタジエン-スチレン系共重合体、スチレン-イソプレン-スチレン系共重合体等の合成ゴム系ホットメルト接着剤、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系ホットメルト接着剤等が挙げられる。ホットメルト接着剤の塗布方法としては、ノズルから溶融状態のホットメルト接着剤を非接触式で塗布するカーテンコート法やスパイラル法、接触式で塗布するスロット法等、公知の方法が利用できる。ホットメルト接着剤の目付は、高吸収性ポリマー12の吸収性及び装着時の肌触りを損なわない観点から、例えば10gsm以下の範囲である。
好ましい実施形態では、第1SAP層22及び/又は第2SAP層24は、図4(a)(b)に示すように、高吸収性ポリマー担持領域(以下「SAP担持領域」ともいう)31と共に、所定の幅方向寸法で長手方向に延びるように設けられた帯状の高吸収性ポリマー非担持領域(以下「スリット」ともいう)32を有している。SAP担持領域31における高吸収性ポリマー12の目付は、第1SAP層22、第2SAP層24の高吸収性ポリマー12の目付と同じ範囲である。スリット32は、高吸収性ポリマー12が固着担持されていない領域であり、スリット32が複数存在する場合は、所定の幅方向寸法を有して長手方向に帯状に延びるSAP担持領域31と、前述のスリット32とが、幅方向に交互に配列されている。
図4(a)に示す実施形態では、ほぼ同じ幅方向寸法を有するSAP担持領域31とスリット32とが幅方向中心から幅方向外側に向けて交互に配列され、これらよりも相対的に幅の狭いスリット32が幅方向両端に配列されている。図4(b)に示す実施形態では、まず、相対的に幅狭のSAP担持領域31が幅方向中央に設けられ、その幅方向両側に幅方向中心の幅狭のSAP担持領域31とほぼ同幅のスリット32が設けられ、その幅方向各外側に相対的に幅広のSAP担持領域31がそれぞれ設けられ、その幅方向各外側に、幅方向中央のSAP担持領域31と略同幅のスリット32が設けられている。これらの実施形態によれば、積層型吸収シート(吸収体20)の長手方向の体液拡散性が向上し、ゲルブロッキングの発生が防止され、体液を繰り返し吸収しても、吸収速度や吸収量等の吸収性能が使用初期の高水準に維持される。
スリット32の幅方向寸法は、スリット32の本数等に応じて適宜選択できるが、例えば、3mm以上20mm以下の範囲、又は5mm以上15mm以下の範囲である。スリット32の数(本数)はスリット32自体の幅方向寸法等に応じて適宜選択されるが、例えば、1本以上5本以下の範囲、又は1本以上3本以下の範囲である。第1SAP層22にスリット32を設けることで、長手方向の体液拡散性が向上し、ゲルブロッキングの発生が更に防止され、吸収性能がより高水準に維持される。より好ましい実施形態では、第1SAP層22の肌側面において、SAP担持領域31の合計面積がスリット32の合計面積よりも大きくなるように構成される。
(スポンジ層)
本実施形態の積層型吸収性シートの第4層であるスポンジ層23は、連続気泡を有しかつ液透過性を有する発泡体を含むものであり、例えば、該積層型吸収性シートに柔らかさを付与し、それ自体の液透過性により第1SAP層22及び第2SAP層23中の体液拡散性を向上させ、第1SAP層22及び第2SAP層23がスリット32を有し、スリット32に着用者の体重が掛かった状態でも、スリット32の形状を保持し、スリット32による体液拡散性ひいては繰返し体液吸収時の吸収性能等の向上を維持し、高吸収性ポリマー12が体液を吸収したときに発現するゴツゴツ感を緩和して着用感やフィット性の低下を抑制する。このような優れた効果が得られる理由としては、スポンジ層23自体の液透過性や柔軟性(弾力性)も寄与しているが、スポンジ層23が第1SAP層22と第2SAP層24との間に介在する点が大きいと考えられる。なお、スポンジ層23を積層型吸収性シートの1層目にすると、スポンジ層23自体が体液を吸収し、吸収性物品50表面へのウエットバック(液戻り)を引き起こす傾向がある。
スポンジ層23は、樹脂材料の発泡体を含み、好ましくは樹脂材料の発泡体からなる。ここで、樹脂材料としては、親水性連続気泡体であるスポンジの形成が容易である樹脂材料であれば特に限定されないが、積層型吸収性シート全体の厚さを薄くし、発泡体の弾性や柔軟性を高めて着用者の身体にフィット性のあるスポンジ層23を形成する等の観点から、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等から選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。これらの樹脂材料の発泡体であれば、スポンジ層23の厚さを無荷重状態で1.0mm以上3.0mm以下に容易に調整できる。スポンジ層23の厚さを前述の範囲にすると、吸収性物品50が薄くなり、その着用が目立たなくなるとともに、スポンジ層23の前述の効果が特に良好になる。なお、親水性発泡体は、発泡体の骨格そのものに親水性を有するものでもよく、発泡体にアルキレンオキシ基、親水性を付与し得る界面活性剤由来の置換基等の親水性基を発泡体に結合させて親水性としたものでもよい。
親水性発泡体の発泡倍率は、液透過性等の観点から、例えば、10倍以上60倍以下の範囲である。発泡倍率を前述の範囲とすることで、親水性発泡体(又はスポンジ層23)の機械的強度を維持しつつ、親水性発泡体の柔軟性を向上させ、積層型吸収性シートの着用者身体へのフィット性を向上させ、また、体液吸収後の高吸収性ポリマー12のゴツゴツ感の緩和効果が大きくなり、着用感を高水準に維持できる。
スポンジ層23が連続気泡体であることは、当該層を切断し、その切断面を顕微鏡で観察することにより確認できる。また、発泡体の骨格表面が親水性であることは、次の方法で確認できる。まず、発泡体のサンプル(幅10mm以上、長さ10mm以上)を撓みがないように静置し、このサンプルの表面にイオン交換水の水滴(0.05mL)を10滴たらし、このサンプルに吸収されるまでの時間を測定すし、この時間が5秒以内である場合、又は8滴以上の液滴が吸収された場合を親水性であると判断する。
好ましい実施形態では、スポンジ層23の厚さは、無荷重状態で1.0mm以上3.0mm以下の範囲である。スポンジ層23の厚さが1.0mm未満であるか又は3.0mmを超えると、積層型吸収性シートに柔軟性を付与する効果や、体液吸収後の高吸収性ポリマー12のゴツゴツ感を緩和する効果が不十分になる傾向がある。
別の好ましい実施形態では、スポンジ層23の見かけ密度は、例えば、0.05g/cm以上0.4g/cm以下の範囲、又は0.1g/cm以上0.3g/cm以下の範囲である。見かけ密度が0.05g/cm未満では、スポンジ層23の機械的強度が低下し、第1SAP層22と第2SAP層24との境界が不明確になり、体液拡散性が低下する傾向がある。見かけ密度が0.4g/cmを超えると、スポンジ層23の液透過性が不足し、ゲルブロッキングの発生や繰返し吸収時の吸収性能の低下が起こる傾向がある。
(コットン不織布)
本実施形態の積層型吸収性シートの第5層であるコットン不織布25は、例えば、体液の排出初期に高吸収性ポリマー12が体液を吸収し始める前に、体液を一時的に貯留し、ウエットバックや漏れが発生するのを防止し、また、積層型吸収性シート又は吸収体20の柔らかさを維持しつつ吸収体20に剛性を付与し、吸収性物品50の生産性を向上させる。コットン不織布25としては、コットン繊維を含む不織布が好ましく、コットン繊維からなる不織布(コットン繊維100%の不織布)がより好ましい。また、コットン不織布25の形態としては、スパンレース不織布が好ましく、コットン繊維を水流により互いに交絡させて不織布化したスパンレース不織布がより好ましい。
スパンレース処理の際には、コットン繊維をネット等の支持体に乗せて高圧水流を噴射することが一般的に行われるが、その場合には、得られたコットン不織布25の表面に微細な凹凸が形成される。この凹凸により、第2SAP層24とコットン不織布25との界面における接着力が高まり、吸収性物品50の使用終了時まで、コットン不織布25がその機能を十分に果たし得る。
コットン不織布25の目付は、体液の一時的な貯留等の観点から、例えば、25gsm以上60gsm以下の範囲である。目付が25gsm未満では、体液を一時的に貯留する機能が不十分になる傾向があり、また、吸収性物品50の生産工程において積層型吸収性シート(又は吸収体20)が柔らかくなりすぎて、進行方向側がめくれ、生産性が低下する傾向がある。一方、目付が60gsmより大きい場合、シート自体が厚くなりすぎるため、積層型吸収性シート(又は吸収体20)の一部を構成するシートとして好ましくなく、また、積層型吸収性シート(又は吸収体20)に硬さを生じ、着用感が低下する傾向がある。
また、コットン不織布25の平均曲げ剛性を、0.03gf・cm/cm以上0.10gf・cm/cm以下の範囲とすることにより、積層型吸収性シート(又は吸収体20)の硬さが低減され、吸収性物品50の着用感やフィット性が向上する。なお、平均曲げ剛性については、数値が高いほど、硬い感触であることを示す。コットン不織布25の平均曲げ剛性は、例えば、パルプ繊維の含有量、パルプ繊維の繊維径、コットン不織布25の目付等を適宜変更することで調整できる。コットン不織布25の平均曲げ剛性は、たとえば、純曲げ試験機(商品名:KES-FB2-S、カトーテック(株)製)を用いて測定できる。
吸収体20において、SAP粒子の漏洩防止や吸収体20の形状の安定化の目的から、吸収体20の下に、キャリアシートを設けてもよい。キャリアシートの基材としては親水性を有するものであればよく、ティシュー、吸収紙、エアレイド不織布等の親水性不織布を挙げることができる。キャリアシートを複数備える場合は、複数のキャリアシートの基材は同一のものであっても異なるものであってもよい。
<吸収体の製造方法>
吸収体20は、例えば、別途作製された、エアスルー不織布21、スポンジ層23及びコットン不織布25を用意する工程と、エアスルー不織布21の非肌側面に、高吸収性ポリマー12及びホットメルト接着剤を用いて、第1SAP層22(必要に応じてスリット32有)を形成する工程と、スポンジ層23の非肌側面に、高吸収性ポリマー12及びホットメルト接着剤を用いて、第2SAP層24(必要に応じてスリット32有)を形成する工程と、第1SAP層22の非肌側面とスポンジ層23の肌側面とが接するように、かつ第2SAP層24の非肌側面とコットン不織布25の肌側面とが接するように、第1SAP層22担持エアスルー不織布21、第2SAP層担持スポンジ層23と、コットン不織布25とをこの順に積層する工程と、を含む製造方法により製造できる。
<バックシート>
バックシート30は、吸収体20が保持する体液が衣類を濡らさないような液不透過性を備えた基材を用いて形成されればよく、該基材としては、例えば、樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布との積層体である複合シート等が挙げられる。複合シートに用いられる不織布としては、製法を特に限定せず、例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布等の単層不織布、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布積層体、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布積層体等の複合不織布、これらの複合材料等が挙げられる。また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等が挙げられる。
バックシート30の目付は、強度及び加工性の点から、例えば15gsm以上60gsm以下の範囲である。また、着用時の蒸れを防止するため、バックシート30には、通気性を持たせることが好ましい。バックシート30に通気性を備えさせるためには、例えば、基材の樹脂フィルムにフィラーを配合したり、バックシート30にエンボス加工を施したりすればよい。なお、フィラーとしては炭酸カルシウムを挙げることができ、その配合方法は、公知の方法を制限なく実施できる。
<立体ギャザー>
立体ギャザー40は、例えば、吸収性物品50の着用者が排泄した体液の横モレを防止するために、吸収性物品50の幅方向両端付近で吸収性物品50の長さ方向に沿ってトップシート10の肌側面に固定される。立体ギャザー40は、弾性伸縮部材40aと、撥水性及び/又は防水性のシート部材40bと、を含む。
弾性伸縮部材40aは、シート部材40bの自由端(他端)付近に長さ方向に沿って配設され、該自由端に起立性を付与し、シート部材40bの自由端及びその近傍領域を着用者の体型に合わせて変形可能にする。シート部材40bは、本実施形態では幅方向一端(固定端)がバックシート30の肌側面の幅方向両端付近に固定され、幅方向途中部がトップシート10の肌側面の幅方向両端付近に固定され、幅方向他端が起立性を有する自由端である。シート部材40bの固定端(幅方向一端)の固定位置は、本実施形態に限定されず、例えば、バックシート30の非肌側面、内部に吸収体20を収納したトップシート10とバックシート30との各縁辺の全部又は一部接合体の肌側面又は非肌側面の幅方向両端付近、トップシート10の肌側面の幅方向両端付近等が挙げられる。
シート部材40bは撥水性及び/又は防水性を有するシートであり、例えば不織布から構成される。第1シート部材用不織布としては、疎水性繊維にて形成された撥水性及び/又は防水性(液不透過性)の不織布を特に限定なく使用でき、例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布積層体である複合不織布(SMS不織布)等が挙げられる。シート部材40bの目付は、例えば、13gsm以上20gsm以下の範囲である。弾性伸縮部材40aとしては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリウレタン等からなる、糸状、紐状、帯状のものを適宜使用することができる。
<吸収性物品の製造方法>
吸収性物品50は、公知の製造方法により製造でき、例えば、吸収体20をトップシート10とバックシート30との間に配置する工程と、トップシート10とバックシート30とを一部又は全周に亘ってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定する工程と、バックシート30及びトップシート10の所定位置に立体ギャザー40を設置する工程と、を含む製造方法が挙げられる。そして、吸収性物品50が尿取りパッドや軽失禁パッドである場合は、これを包装体に個別包装した後、長手方向に3つ折りにして折りたためばよい。また、レッグギャザー、ウエストギャザー、サイドフラップ等を必要に応じて設けることができる。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態や実施例に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本実施形態を更に具体的に説明する。
(実施例1~4及び比較例1~7)
(吸収性物品の作製)
図2に示す構成を有する吸収性物品を作製した。
吸収体として、表1に示す構成の積層型SAPシート(スリット有)を使用した。液透過性のトップシートとして、エアスルー不織布(目付25gsm)を用いた。液不透過性のバックシートとして、通気性ポリエチレンシート(目付32gsm)を用いた。セカンドシートとしてエアスルー不織布(目付30gsm)を用いた。立体ギャザーとして、スパンボンド不織布/メルトブローン不織布/スパンボンド不織布をこの順で積層した複合不織布(目付15gsm)を用いた。トップシート、バックシート、吸収体を一体化する際に、ホットメルト接着剤を用いてトップシートと吸収体上面とを接合し、実施例1~4及び比較例1~7の、長手方向寸法270mm、幅方向寸法105mmの吸収性物品を作製した。
実施例1~4及び比較例1~7の吸収性物品について、次の評価を実施した。結果を表1に示す。
[評価]
(積層型吸収性シート5層目の捲れやすさ評価)
実施例1~4及び比較例1~7の吸収体(積層型吸収性シート)を水平の実験台の上にを置き、シートの端から30cmの所を手で押さえ、水平方向に100cm/秒のスピードで動かした。この操作を10回行い、捲れが生じなかったのが10回中2回以下であったものを「○」、10回中3回以上捲れが生じたものを「×」とした。
(積層型吸収性シート5層目のコットン不織布の平均曲げ剛性)
平均曲げ剛性の測定方法は、純曲げ試験機摩擦感テスターKES-FB2-S(カトーテック株式会社製)を使用し、100m×100mの試料をクランプ間隔10mmで装置に取り付け、曲率増加速度5mm/秒で測定した。
(一時吸収の確認)
トップシートを上に向けた状態で、生理食塩水200mlを吸収体の中心部に向かって注水し、注水中に吸収性物品から漏れが生じなかった場合を「○」、漏れが生じた場合を「×」と評価した。
(吸収速度3回法)
底面積16.8cmの円柱の中央に内径19mmの穴が開いており、重さを755.6gとした測定冶具を、吸収性物品の長手方向、かつ幅方向の中央部の上に置き、上部の穴から生理食塩水それぞれ20mlを投下し、生理食塩水が吸収性物品に接触した時点から治具中央円内の円周に液体が完全に吸い込まれるところを終点として時間を計測した(1回目)。そして3分経過後に同様の時間を計測し(2回目)、同様に3回目を計測した。
(液戻り量)
トップシートを上に向けた状態で、生理食塩水120mlを吸収体の中心部に向かって注水し、10分間放置した後、生理食塩水の吸収部位に、あらかじめ重量を測定したろ紙(ADVANTEC社製、No.2ろ紙、直径55mm)を置き、その上に35kgf/cmの錘を乗せ、30秒経過後、ろ紙の重量を測り、ろ紙の重量差を液戻り量とした。
(吸収性物品のかたさ)
試作した吸収性物品を20名のモニターに着用してもらい、吸収性物品自体のかたさについて、官能評価を行った。官能評価については、いずれの評価も、「よい」と「悪い」の二択で調査を行い、以下の基準により評価した。
○:「よい」が12人以上20人以下のとき
△:「よい」が5人以上11人以下のとき
×:「よい」がいないか、1人以上4人以下のとき
(吸収体のよれにくさ)
試作した吸収性物品を20名のモニターに着用してもらい、吸収体のよれにくさについて、官能評価を行った。官能評価については、いずれの評価も、「よい」と「悪い」の二択で調査を行い、以下の基準により評価した。
○:「よい」が12人以上20人以下のとき
△:「よい」が5人以上11人以下のとき
×:「よい」がいないか、1人以上4人以下のとき
(身体とのフィット性)
試作した吸収性物品を20名のモニターに着用してもらい、着用時のフィット性について、官能評価を行った。官能評価については、いずれの評価も、「よい」と「悪い」の二択で調査を行い、以下の基準により評価した。
○:「よい」が12人以上20人以下のとき
△:「よい」が5人以上11人以下のとき
×:「よい」がいないか、1人以上4人以下のとき
Figure 2022098990000002
表1の結果から、実施例1~4は一時的な貯留が問題なく行われ、複数回の吸収でも吸収速度が速いことがわかる。また、液戻りも低い値であった。官能評価においても、かたさ、よれにくさ、フィット性のどれも問題なかった。
一方、比較例1~7は、官能評価の結果が悪く、且つ、一時吸収や吸収速度が悪かった。
よって、本発明によれば、ゲルブロッキング生じにくいため吸収速度が速く、一時吸収にも優れ、且つ、吸収性物品自体に適度なかたさ、よれにくさを持たせ、フィット性にも優れる吸収性物品を得ることができる。
10 液透過性トップシート
12 高吸収性ポリマー(SAP)
20 吸収体
21 エアスルー不織布
22 第1高吸収性ポリマー層(第1SAP層)
23 スポンジ層
24 第2高吸収性ポリマー層(第2SAP層)
25 コットン不織布
30 液不透過性バックシート
31 高吸収性ポリマー担持領域(SAP担持領域)
32 高吸収性ポリマー非担持領域(スリット)
40 立体ギャザー
40a 弾性伸縮部材
40b シート部材
50 吸収性物品
60 セカンドシート

Claims (6)

  1. 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これらの間に配置される吸収体と、を備える吸収性物品であって、
    前記吸収体は、肌側から順に、
    体液を前記吸収体中に拡散させるエアスルー不織布と、
    高吸収性ポリマーが固着担持された第1高吸収性ポリマー層と、
    樹脂材料の発泡体を含むスポンジ層と、
    前記高吸収性ポリマーが固着担持された第2高吸収性ポリマー層と、
    体液を一時的に貯留するコットン不織布と、
    を有する、吸収性物品。
  2. 前記第1高吸収性ポリマー層及び/又は前記第2高吸収性ポリマー層は、高吸収性ポリマー担持領域と共に、所定の幅方向寸法で長手方向に延びるように設けられた高吸収性ポリマー非担持領域を有する、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記スポンジ層の前記樹脂材料は、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリウレタンよりなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記スポンジ層の無荷重状態での厚さが1.0mm以上3.0mm以下である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記コットン不織布の目付が25gsm以上60gsm以下である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記コットン不織布の平均曲げ剛性が0.03gf・cm/cm以上0.10gf・cm/cm以下である、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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