JP2019051104A - 男性用吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
Description
男性用吸収性物品1は、図1に示すように、身体側表面に配置された液透過性のトップシート10と、トップシート10に対向し、衣類側表面に配置された液不透過性のバックシート30と、トップシート10及びバックシート30の間に配置された吸収体20と、を備え、これにより、吸収体20は、トップシート10とバックシート30との間に挟まれた構造となっている。本明細書の説明において、男性用吸収性物品1及び吸収体20の長手方向とは、男性用吸収性物品1が着用されたときに着用者の臍から股部に亘る方向であり、図中、符号Yで示す方向である。また、男性用吸収性物品1及び吸収体20の幅方向とは、長手方向に対して横又は直交する方向であり、図中、符号Xで示す方向である。また、男性用吸収性物品1及び吸収体20の身体側表面とは、着用時に着用者の肌に当接する表面を指し、衣類側表面とは、着用時に着用者の衣類に接触する表面を指す。
吸収体20は、基材としての吸収性繊維と、高吸収性ポリマーと、を含有することが好ましい。吸収性繊維は、一般に生理用ナプキンや紙おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュ、吸収紙、親水性不織布等を挙げることができる。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプを使用することが好ましい。斯かるフラッフパルプとしては、木材パルプ、合成繊維、ポリマー繊維、非木材パルプ等を綿状に解繊したものを挙げることができる。吸収体20の吸収性繊維は、吸収性能及び肌触りを損なわず、かつ、薄型にするために、100g/m2以上600g/m2以下の坪量とすることが好ましい。
本発明の男性用吸収性物品1において、図3に示すように、バックシート30と吸収体20の間又はトップシート10と吸収体20の間に、液拡散性シート40が設けられている。液拡散性シート40の片側表面は、起毛処理が施されていることにより起毛しており、液拡散性シート40の起毛した面において、高吸収性ポリマーが接着剤により固着担持されている。
液拡散性シート40の起毛した面において、接着剤により固着担持されている高吸収性ポリマーとしては、吸収体20と同様の素材を用いることができる。また、液拡散性シート40に固着担持される高吸収性ポリマーの坪量は、男性用吸収性物品1に要求される吸収性能を確保するために、200g/m2以上900g/m2以下とすることが好ましい。また、吸収性能、吸収後の肌触り及び着用者の動きやすさをより向上させる観点から、高吸収性ポリマーの坪量は、300g/m2以上600g/m2以下とすることがより好ましい。
本発明において、図3に示すように、液拡散性シート40及び液拡散性シート40に固着担持された高吸収性ポリマーは、親水性シート50により包まれていることが好ましい。これにより、高吸収性ポリマーの漏れを防止することができ、着用時の肌触りも向上させることができる。親水性シート50としては、ティシュ、吸収紙、スパンボンド不織布やエアレイド不織布等の親水性不織布を挙げることができる。これらの中でもコスト性に優れ、高吸収性ポリマーの漏れを効果的に抑制できる、ティシュを用いることが好ましい。また、ティシュは伸長性があるため、高吸収性ポリマーの膨潤を阻害しない観点からも好ましい。親水性シート50の坪量は、7g/m2以上45g/m2以下とすることが好ましく、8g/m2以上18g/m2以下とすることがより好ましい。なお、液拡散性シート40及び液拡散性シート40に固着担持された高吸収性ポリマーを親水性シート50で包む際には、液拡散性シート40と親水性シート50とを、ホットメルト接着剤や熱エンボス加工により固定することが好ましい。
トップシート10は、男性用吸収性物品1の内部に向けて体液を速やかに通過させるものであり、吸収体20を挟んで、バックシート30に対向して配置される。トップシート10は、肌と当接するシートとなることから、やわらかな感触で、肌に刺激を与えないような性質を有する、親水性不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム又はこれらを積層した複合シートから形成される。なお、トップシート10は、単層であっても、複数層積層していてもよく、ドライタッチ性を付与するために多数の透孔が形成されていてもよい。
本発明に用いるバックシート30としては、液不透過性であり、かつ、遮水性を有するシート材が用いられるが、ムレ防止のために透湿性を有していてもよい。このような特性を有するバックシート30の材料としては、例えば、ポリエチレンシートやポリエチレンラミネート不織布等の厚みの薄いプラスチックシートを挙げることができる。また、バックシート30の坪量は、加工性及び強度の点から、15g/m2以上60g/m2以下であることが好ましい。
図2及び図4は、本発明の男性用吸収性物品1の裏面図であり、本発明の男性用吸収性物品1において、バックシート30の衣類側表面に粘着層60が設けられているため、男性用吸収性物品1を下着に確実に固定し、男性用吸収性物品1の位置ずれを防止することができる。また、粘着層60が、男性用吸収性物品1の幅方向両端部において、液拡散性シート40と、バックシート30を介して一部が重なるように、長手方向に略帯状に設けられ、さらに、男性用吸収性物品1の幅方向略中央において、長手方向に略帯状に設けられており、各粘着層60が互いに離間していることが好ましい。また、本発明の男性用吸収性物品1が略凧型形状である場合には、粘着層60は、図2及び図4に示すように、幅方向の両最端部C近傍において、液拡散性シート40と、バックシート30を介して一部が重なるように、長手方向に略帯状に設けられていること好ましい。このように、粘着層60を設けることにより、吸収の主体となる吸収体20の幅方向外側が、安定的に支えられるようになるため、フィット性が向上し、着用感を向上させることができる。なお、男性用吸収性物品1の幅方向略中央にも設けられる略帯状の粘着層60は、図2のように、最前端部A近傍から最後端部B近傍かけて設けられてもよいし、図4のように、最後端部Bから長手方向略中央にかけて設けられてもよい。
男性用吸収性物品1の身体側表面には、立体ギャザー70が設けられていてもよい。この立体ギャザー70は、男性の局部の遊動を抑える点で有用である。立体ギャザー70は、立体ギャザーシートと、立体ギャザーシートの自由端部に沿って配された伸縮性弾性部材と、を備えていることが好ましい。伸縮性弾性部材としては、天然ゴム、合成ゴム、及びポリウレタン等からなる、糸状、紐状、平型形状のものを適宜使用することができる。
液拡散性シート40の製造方法としては、特に制限はないが、以下の方法が一例として挙げられる。液拡散性シート40の片側表面を回転ノコ刃又はニードルパンチを用いて、起毛させる。その後、高吸収性ポリマーをホットメルト接着剤等により、液拡散性シート40の起毛した面に固着担持させる。その後、液拡散性シート40及び液拡散性シート40に固着担持された高吸収性ポリマーを親水性シート50で包んでもよい。その際には、液拡散性シート40と親水性シート50とを、ホットメルト接着剤で固定させる。
男性用吸収性物品1の製造方法としては、特に限定はなく、従来公知の方法を採用することができ、例えば、立体ギャザー70をあらかじめトップシート10に配置し、さらに、粘着層60をバックシート30の衣類側に設けたうえで、吸収体20をトップシート10及びバックシート30の間に配置し、さらに、バックシート30と吸収体20の間又はトップシート10と吸収体20の間に、液拡散性シート40を、液拡散性シート40の起毛した面が衣類側を向くように配置する。各層はホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定することで製造することができる。
下記の液拡散性シート及び吸収体を用いた男性用吸収性物品を作製し、モニター試験を行った。モニター試験の結果を表1に示した。
液拡散性シートとしてエアスルー不織布(幅75mm、坪量40g/m2)を用意し、液拡散性シートの片側表面をノコ刃で物理的に起毛させ、起毛した面にホットメルト接着剤を塗布し、高吸収性ポリマー(坪量350g/m2)を分散させた。次に、親水性シートとしてティッシュ(坪量16g/m2)を用意し、ホットメルト接着剤を塗布し、起毛した面から液拡散性シート及び液拡散性シートに固着担持された高吸収性ポリマーを包んだ。
次に、このようにして得た液拡散性シートを、当該液拡散性シートの起毛した面を衣類側に向くようにして、あらかじめ用意したフラッフパルプ及び高吸収性ポリマーを有する吸収体の身体側に配置した。なお、吸収体に含まれる高吸収性ポリマーは、坪量が160g/m2、吸収体に対する含有量を40質量%となるように調整した。次にこれらを幅方向14cm長手方向23cmの凧型のトムソン刃でカットした。
次に、ホットメルト接着剤を塗布したバックシートの上に、上記の液拡散性シート及び吸収体を配置し、更にトップシートを積層した。その後、幅方向16cm長手方向26cmの凧型のトムソン刃でカットし、略凧型形状の男性用吸収性物品を作製した。こ
略凧型形状の男性用吸収性物品を作製した。また、トップシートとしては、親水性エアスルー不織布(坪量25g/m2)を用い、バックシートとしては、通気性ポリエチレンフィルム(坪量32g/m2)を用いた。また、バックシートの衣類側表面には、3つの粘着層を設け、図2に示したように粘着層は、男性用吸収性物品の幅方向の両最端部近傍において、液拡散性シートと、バックシートを介して一部が重なるように、長手方向に略帯状に設けられ、男性用吸収性物品の幅方向略中央において、長手方向に略帯状に設けられており、各粘着層は互いに離間するように設けた。
[比較例1]
男性用吸収性物品の幅方向両端部に位置する粘着層を、液拡散性シートと重ならないように実施例1より端部側に、長手方向に略帯状に設けた点以外は、実施例1と同様の男性用吸収性物品を得た。
[比較例2]
粘着層を3つに離間させずに、一つの粘着層として設けた点以外は、実施例1と同様の軽失禁パッドを得た。
20名の男性パネラーにより、歩いた状態でのフィット性と着用感について「不快感がない」又は「不快感がある」の選択で調査を行い、以下の基準により評価を行った。20名のパネラーで着用評価を実施して評価した。なお、◎及び○を合格とした。
◎:「不快感がない」が16人以上20人以下のとき
○:「不快感がない」が11人以上15人以下のとき
△:「不快感がない」が6人以上10人以下のとき
×:「不快感がない」がいないか、1人以上5人以下のとき
20名の男性パネラーにより、椅子に座る、椅子から立つの動作を5回繰り返したときに、フィット性と着用感について「不快感がない」又は「不快感がある」の選択で調査を行い、以下の基準により評価を行った。なお、◎及び○を合格とした。
◎:「不快感がない」が16人以上20人以下のとき
○:「不快感がない」が11人以上15人以下のとき
△:「不快感がない」が6人以上10人以下のとき
×:「不快感がない」がいないか、1人以上5人以下のとき
10 トップシート
20 吸収体
30 バックシート
40 液拡散性シート
50 親水性シート
60 粘着層
70 立体ギャザー
A 最前端部
B 最後端部
C 幅方向の両最端部
D 交点
Claims (4)
- 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体と、を有する男性用吸収性物品であって、
前記男性用吸収性物品には、前記バックシートと前記吸収体の間又は前記トップシートと前記吸収体の間に、液拡散性シートが設けられており、
前記液拡散性シートの片側表面は、起毛処理が施されていることにより起毛しており、前記液拡散性シートの起毛した面において、高吸収性ポリマーが接着剤により固着担持されており、
前記液拡散性シートは、エアスルー不織布であり、
前記バックシートの衣類側表面に粘着層が設けられており、
前記吸収体の厚みが1mm以上5mm以下である、男性用吸収性物品。 - 前記粘着層が、
男性用吸収性物品の幅方向両端部において、前記液拡散性シートと、前記バックシートを介して一部が重なるように、長手方向に略帯状に設けられ、
さらに、男性用吸収性物品の幅方向略中央において、長手方向に略帯状に設けられており、
各粘着層は互いに離間している、請求項1に記載の男性用吸収性物品。 - 最前端部から最後端部にかけて、幅方向の寸法が漸減する略凧型形状を有し、
前記最前端部と前記最後端部を結ぶ線の寸法に対する、幅方向の両最端部を結ぶ線の寸法が、50%以上90%以下であり、
前記最前端部と前記最後端部を結ぶ線と幅方向の両最端部を結ぶ線の交点が、
最前端部と前記交点の離間距離と前記交点と最後端部の離間距離との比が1:3から1:7となるように、位置する、請求項1又は2に記載の男性用吸収性物品。 - 前記液拡散性シートの起毛した面が衣類側を向くように配置されている、請求項1から3のいずれかに記載の男性用吸収性物品。
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