JP2019051104A - 男性用吸収性物品 - Google Patents

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Tetsuhiro Minoda
哲宏 蓑田
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Abstract

【課題】薄型で着用感が良好であり、位置ずれや漏れを生じにくい男性用吸収性物品を提供する。【解決手段】液透過性のトップシート10と、液不透過性のバックシート30と、トップシート10及びバックシート30の間に配置された吸収体20と、を有する男性用吸収性物品1であって、男性用吸収性物品1には、バックシート30と吸収体20の間又はトップシート10と吸収体20の間に、液拡散性シート40が設けられており、液拡散性シート40の片側表面は、起毛処理が施されていることにより起毛しており、液拡散性シート40の起毛した面において、高吸収性ポリマーが接着剤により固着担持されており、液拡散性シート40は、エアスルー不織布であり、バックシート30の衣類側表面に粘着層60が設けられており、吸収体20の厚みが1mm以上5mm以下である、男性用吸収性物品1を提供する。【選択図】図3

Description

本発明は、薄型で着用感が良好であり、位置ずれや漏れを生じにくい男性用吸収性物品に関する。
近年、高齢化の進行に伴い、尿失禁に悩む中高年者が増加している。一般に、女性中高年者の場合、出産に伴う骨盤底筋の障害に伴って、咳やくしゃみをしたときや、重いものを持ったときに尿失禁を起こす腹圧性尿失禁が一般的である。一方、男性の場合においても、加齢に伴う前立腺肥大症の発症により、尿失禁を起こす場合がある。このような尿失禁をきたした場合、たとえ少量の尿失禁であっても下着で吸収しきれないことも多く、ボトムスや下着へのシミになったり、においが生じたりすることから、その対策として、尿吸収パッドのような吸収性物品を装着することが勧められている。
これら吸収性物品を構成する吸収体について、フラッフパルプと高吸収性ポリマー(Super Absorbent Polymer、SAPとも称される)を併用することが一般的であったが、主に薄型化を目的として、基体となる不織布と高吸収性ポリマーからなる、いわゆる高吸収性シート(SAPシートとも称される)を吸収体として用いることもある(例えば特許文献1)。
また、男性の尿失禁においては、局部の立体構造及び遊動性が起因して、尿漏れが起こりやすいという特徴を有するため、男性用の吸収性物品に関する検討がなされており、例えば特許文献2には、液透過性のトップシートと、非肌当接面に粘着層を有し、略凧形形状を有する液不透過性のバックシートと、トップシートとバックシートとの間に設けられた吸収体とを含む本体と、本体長手方向の両側部に設けられ、非肌当接面に粘着層を有しないフラップとを備えることを特徴とする吸収性物品が開示されている。
特開2015−66358号公報 特開2014−195521号公報
ここで、吸収性物品については、一般に、その薄型化により、吸収性物品の着用時に、吸収性物品を着用していることを外部から認識しづらくし、かつ着用感を改善することが求められているものの、特許文献2の男性用吸収性物品も含めた従来公知の吸収性物品については、薄型のものは知られていなかった。また、高吸収性シートを用いることにより、薄型化は実現できたとしても、高吸収性シート内に高吸収性ポリマーが高密度に存在するため、高吸収性シート内での尿等の体液の分散が遅く、吸収性の向上に関して十分に満足できるものではなかった。さらに、男性用吸収性物品の場合には、身体の運動により、排尿部位が移動するため、より漏れを生じにくくする対策が必要であった。
したがって、本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、薄型で着用感が良好であり、位置ずれや漏れを生じにくい男性用吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、吸収体の他に、所定の液拡散性シートを設け、当該液拡散性シートに所定の方法により、高吸収性ポリマーを固着担持させ、さらに、バックシートの衣類側表面に粘着層を設けることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の態様は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体と、を有する男性用吸収性物品であって、前記男性用吸収性物品には、前記バックシートと前記吸収体の間又は前記トップシートと前記吸収体の間に、液拡散性シートが設けられており、前記液拡散性シートの片側表面は、起毛処理が施されていることにより起毛しており、前記液拡散性シートの起毛した面において、高吸収性ポリマーが接着剤により固着担持されており、前記液拡散性シートは、エアスルー不織布であり、前記バックシートの衣類側表面に粘着層が設けられており、前記吸収体の厚みが1mm以上5mm以下である、男性用吸収性物品。
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載の男性用吸収性物品であって、前記粘着層が、男性用吸収性物品の幅方向両端部において、前記液拡散性シートと、前記バックシートを介して一部が重なるように、長手方向に略帯状に設けられ、さらに、男性用吸収性物品の幅方向略中央において、長手方向に略帯状に設けられており、各粘着層は互いに離間していることを特徴とするものである。
(3)本発明の第3の態様は、(1)又は(2)に記載の男性用吸収性物品であって、最前端部から最後端部にかけて、幅方向の寸法が漸減する略凧型形状を有し、前記最前端部と前記最後端部を結ぶ線の寸法に対する、幅方向の両最端部を結ぶ線の寸法が、50%以上90%以下であり、前記最前端部と前記最後端部を結ぶ線と幅方向の両最端部を結ぶ線の交点が、最前端部と前記交点の離間距離と前記交点と最後端部の離間距離との比が1:3から1:7となるように、位置することを特徴とするものである。
(4)本発明の第4の態様は、(1)から(3)のいずれかに記載の吸収性物品であって、前記液拡散性シートの起毛した面が衣類側を向くように配置されていることを特徴とするものである。
本発明の吸収性物品において、吸収体の厚みを1mm以上5mm以下となるように調整されているため、薄型化を実現することができる。また、本発明の吸収性物品では、液拡散性シートを設けており、液拡散性シートの片側表面は、起毛処理が施されていることにより起毛しており、液拡散性シートの起毛した面において、高吸収性ポリマーが接着剤により固着担持されているため、適度なやわらかさが付与されることにより着用感が向上し、更に尿が適度に拡散又は保持され、吸収性を向上させることができる。さらに、バックシートの衣類側表面に粘着層が設けられていることにより、位置ずれや漏れを生じにくくすることができる。よって、本発明によれば、薄型で着用感が良好であり、位置ずれや漏れを生じにくい男性用吸収性物品を得ることができる。
本発明の男性用吸収性物品の平面図である。 本発明の男性用吸収性物品の裏面図である。 本発明の男性用吸収性物品の図1におけるX−X断面図である。 本発明の男性用吸収性物品の裏面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明の実施形態の説明の全体を通して、同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
<男性用吸収性物品>
男性用吸収性物品1は、図1に示すように、身体側表面に配置された液透過性のトップシート10と、トップシート10に対向し、衣類側表面に配置された液不透過性のバックシート30と、トップシート10及びバックシート30の間に配置された吸収体20と、を備え、これにより、吸収体20は、トップシート10とバックシート30との間に挟まれた構造となっている。本明細書の説明において、男性用吸収性物品1及び吸収体20の長手方向とは、男性用吸収性物品1が着用されたときに着用者の臍から股部に亘る方向であり、図中、符号Yで示す方向である。また、男性用吸収性物品1及び吸収体20の幅方向とは、長手方向に対して横又は直交する方向であり、図中、符号Xで示す方向である。また、男性用吸収性物品1及び吸収体20の身体側表面とは、着用時に着用者の肌に当接する表面を指し、衣類側表面とは、着用時に着用者の衣類に接触する表面を指す。
男性用吸収性物品1の形状は、特に限定されず、生理ナプキンのように略長方形であってもよいが、図1に示すように男性用吸収性物品1が、最前端部Aから最後端部Bにかけて、幅方向の寸法が漸減する略凧型形状を有することが好ましい。男性用吸収性物品1が、上記のような略凧型形状を有することにより、男性の局部を効果的に包み込み、身体の運動に伴って、排尿部位が移動したとしても、尿を効果的に受け止めることができる。また、最前端部A、最後端部B及び幅方向の両最端部Cが角張っていると、身体に接触したときに、不快感をもたらすことから、使用者の皮膚と接触した際に、最前端部A、最後端部B及び幅方向の両最端部Cについては、図1に示すように、丸くトリミングすることが好ましい。
本発明の男性用吸収性物品1の寸法は、幅方向の最大寸法が、130mm以上200mm以下であり、長手方向の最大寸法が、210mm以上290mm以下である。幅方向の最大寸法が上記の範囲内のものであることにより、男性用吸収性物品1の着用時の違和感を一定程度以下に抑えつつ、男性用吸収性物品1の着用時に、着用者の運動に伴って排尿部位が移動したとしても、男性用吸収性物品1が、全ての移動部位を覆うことができ、尿漏れが生じることを有効に防止することができる。また、男性用吸収性物品1の長手方向の最大寸法が、上記の範囲内のものであることにより、尿漏れを効果的に防止しつつ、座位における股間部の圧迫感を効果的に低減することができる。
また、最前端部Aと最後端部Bを結ぶ線の寸法に対する、幅方向の両最端部Cを結ぶ線の寸法が、50%以上90%以下であり、最前端部Aと最後端部Bを結ぶ線と幅方向の両最端部Cを結ぶ線の交点Dが、最前端部Aと交点Dの離間距離と交点Dと最後端部Bの離間距離との比が1:3から1:7となるように、位置することが好ましい。このように調整することにより、男性の局部を十分に包むことができ、着用感をより向上させ、漏れをより効果的に生じにくくすることができる。
[吸収体]
吸収体20は、基材としての吸収性繊維と、高吸収性ポリマーと、を含有することが好ましい。吸収性繊維は、一般に生理用ナプキンや紙おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュ、吸収紙、親水性不織布等を挙げることができる。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプを使用することが好ましい。斯かるフラッフパルプとしては、木材パルプ、合成繊維、ポリマー繊維、非木材パルプ等を綿状に解繊したものを挙げることができる。吸収体20の吸収性繊維は、吸収性能及び肌触りを損なわず、かつ、薄型にするために、100g/m以上600g/m以下の坪量とすることが好ましい。
高吸収性ポリマーとしては、体液を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン−アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等の材料から形成されたものを使用することができる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸ナトリウム系が好ましい。高吸収性ポリマーは、吸収性能及び肌触りを損なわないよう、90g/m以上500g/m以下の坪量とすることが好ましく、吸収体20の総量に対して30質量%以上50質量%以下の含有量とすることが好ましい。
吸収体20の厚みは、1mm以上5mm以下であり、2mm以上3mm以下であることがより好ましい。このように、吸収体20の厚みを調整することにより、薄型化を実現することができる。吸収体20の厚みが1mmより小さい場合には、均一な繊維マットの形成が難しく、厚みが5mmより大きい場合には、着用者が座ったり立ったりする動作時に違和感を生じやすくなる。図示していないが、吸収体20を製造工程で安定的に搬送するために吸収体20の下又は上下にキャリアシートを設けることができる。キャリアシートの基材としては親水性を有するものであればよく、ティシュ、吸収紙、エアレイド不織布等の親水性不織布を挙げることができる。
また、男性用吸収性物品1の幅方向の寸法に対する吸収体20の幅方向の寸法は、35%以上75%以下であることが好ましい。着用感を良好に維持しつつ、身体の運動に伴って、排尿部位が移動したとしても、尿を効果的に吸収することができる。
[液拡散性シート]
本発明の男性用吸収性物品1において、図3に示すように、バックシート30と吸収体20の間又はトップシート10と吸収体20の間に、液拡散性シート40が設けられている。液拡散性シート40の片側表面は、起毛処理が施されていることにより起毛しており、液拡散性シート40の起毛した面において、高吸収性ポリマーが接着剤により固着担持されている。
上記のとおり、高吸収性ポリマーは、液拡散性シート40の起毛した面に固着担持されている。液拡散性シート40の起毛した面が身体側に向くように配置すると、一度に多量の尿が液拡散性シート40を介さずに液拡散性シート40の起毛した面に固着担持された高吸収性ポリマーに移行することになり、当該高吸収性ポリマーがゲルブロッキングを起こし、吸収速度が低下する場合がある。よって、本発明の男性用吸収性物品1においては、液拡散性シート40の起毛した面が衣類側に向くように配置することが好ましい。液拡散性シート40をこのように配置することにより、液拡散性シート40の起毛した繊維を介して尿が高吸収性ポリマーに導かれることにより、吸収速度の低下を抑制することができる。
また、上記のとおり、液拡散性シート40は、バックシート30と吸収体20の間又はトップシート10と吸収体20の間のいずれにも設けることができ、いずれの位置に設けたとしても、液拡散性シート40は、男性用吸収性物品1の吸収性を向上させ、漏れを抑制する効果に寄与する。図3(a)は、バックシート30と吸収体20の間に液拡散性シート40が設けられた態様を示しており、図3(b)は、トップシート10と吸収体20の間に液拡散性シート40が設けられた態様を示している。例えば、男性用吸収性物品1への排尿頻度が多く、又は、排尿量が多い場合には、図3(a)のように、バックシート30と吸収体20の間に液拡散性シート40が設けられたほうが、液拡散性シート40の起毛した面に固着担持された高密度に存在する高吸収性ポリマーのゲルブロッキングが生じにくく、男性用吸収性物品1の吸収性を補うという点でも好ましい。また、図3(b)のように、トップシート10と吸収体20の間に液拡散性シート40が設けられた場合には、液拡散性シート40が吸収体20に対する拡散層として機能する点で優れている。
また、液拡散性シート40に起毛処理を施すことにより、不織布本来の嵩高さに加えて、適度な厚みとやわらかさが付与されることにより、適度なクッション性が発生し、着用時のフィット感を向上することができる。液拡散性シート40の片側表面を起毛させる方法としては、回転ノコ刃、ニードルパンチが挙げられ、インラインでの生産性やコストの観点から回転ノコ刃により毛羽立たせる方法を用いることが好ましい。
本発明において、液拡散性シート40としては、嵩高さの得やすい、エアスルー不織布を用いる。エアスルー不織布としては単層もしくは多層のものどちらでもよく、ベルギー国特許第BE1018052号に開示されるような3層以上の不織布を用いることもできる。多層のエアスルー不織布は、各層の密度差を利用し液拡散性を維持しつつ強度を上げることもできる。また、層を増やすことで、吸収した体液の身体側への戻りを抑制することができる。
液拡散性シート40の厚さは、着用感及び吸収性能のバランスの観点から、0.3mm以上7.0mm以下であることが好ましく、2.0mm以上5.0mm以下であることが更に好ましい。また、起毛処理した面への尿の移行性及び生産性の観点から、液拡散性シート40の坪量は、20g/m以上200g/m以下であることが好ましく、30g/m以上160g/m以下であることがより好ましい。
さらに、液拡散性シート40を構成する繊維の太さは、1.6dtex以上14dtex以下であることが好ましく、1.8dtex以上9.0dtex以下であることがより好ましく、2.0dtex以上6.0dtex以下であることが更に好ましい。上記の範囲で液拡散性シート40を構成する繊維の太さを調整することにより、液拡散性シート40の起毛した部分の繊維間に高吸収性ポリマーを分散させて固着担持しやすくすることができる。
(液拡散性シートに固着担持される高吸収性ポリマー)
液拡散性シート40の起毛した面において、接着剤により固着担持されている高吸収性ポリマーとしては、吸収体20と同様の素材を用いることができる。また、液拡散性シート40に固着担持される高吸収性ポリマーの坪量は、男性用吸収性物品1に要求される吸収性能を確保するために、200g/m以上900g/m以下とすることが好ましい。また、吸収性能、吸収後の肌触り及び着用者の動きやすさをより向上させる観点から、高吸収性ポリマーの坪量は、300g/m以上600g/m以下とすることがより好ましい。
上記の範囲に調整することにより、十分な高吸収性ポリマーを含有し、尿漏れを十分に防止することができる。なお、高吸収性ポリマーの含有量が200g/m未満の場合には、吸収性能の低下により液戻りが生じやすくなるとともに、尿漏れを十分に防ぐことができず、900g/mを超える場合には、吸収後の男性用吸収性物品1が厚くなり、着用感が低下しやすくなる。
また、粉体としての流動性が悪い微粉末を避けることにより、吸収に関する基本性能を高め、かつ、ごつごつとした触感を低減する観点から、高吸収性ポリマーの中位粒子径は、50μm以上600μm以下であることが好ましく、100μm以上500μm以下であることがより好ましい。
高吸収性ポリマーは、接着剤により、液拡散性シート40の起毛した面に固着担持されている。接着剤としては、汎用性に優れるホットメルト接着剤であることが好ましい。なお、高吸収性ポリマーの吸収性を阻害せず、かつ、着用時の肌触りを損なわないように、ホットメルト接着剤の含有量は10g/m以下であることが好ましい。ホットメルト接着剤としては、融点が100℃以上180℃以下の、スチレン−ブタジエン−スチレン系共重合体やスチレン−イソプレン−スチレン系共重合体など合成ゴム系、又は、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系のホットメルト接着剤を用いることができる。ホットメルト接着剤の塗布方法としては、ノズルから溶融状態のホットメルト接着剤を非接触式で塗布するカーテンコート法やスパイラル法、接触式で塗布するスロット法など公知の方法が利用できる。
(親水性シート)
本発明において、図3に示すように、液拡散性シート40及び液拡散性シート40に固着担持された高吸収性ポリマーは、親水性シート50により包まれていることが好ましい。これにより、高吸収性ポリマーの漏れを防止することができ、着用時の肌触りも向上させることができる。親水性シート50としては、ティシュ、吸収紙、スパンボンド不織布やエアレイド不織布等の親水性不織布を挙げることができる。これらの中でもコスト性に優れ、高吸収性ポリマーの漏れを効果的に抑制できる、ティシュを用いることが好ましい。また、ティシュは伸長性があるため、高吸収性ポリマーの膨潤を阻害しない観点からも好ましい。親水性シート50の坪量は、7g/m以上45g/m以下とすることが好ましく、8g/m以上18g/m以下とすることがより好ましい。なお、液拡散性シート40及び液拡散性シート40に固着担持された高吸収性ポリマーを親水性シート50で包む際には、液拡散性シート40と親水性シート50とを、ホットメルト接着剤や熱エンボス加工により固定することが好ましい。
[トップシート]
トップシート10は、男性用吸収性物品1の内部に向けて体液を速やかに通過させるものであり、吸収体20を挟んで、バックシート30に対向して配置される。トップシート10は、肌と当接するシートとなることから、やわらかな感触で、肌に刺激を与えないような性質を有する、親水性不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム又はこれらを積層した複合シートから形成される。なお、トップシート10は、単層であっても、複数層積層していてもよく、ドライタッチ性を付与するために多数の透孔が形成されていてもよい。
また、上記のような性質を有する親水性不織布としては、ポリプロピレンやポリエチレン等の合成繊維や、レーヨン等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いて、サーマルボンド法、エアスルー法、スパンレース法、スパンボンド法等の公知の加工法によって得られたものを用いることができる。
トップシート10の坪量は、加工性及び強度の点から、15g/m以上40g/m以下であることが好ましい。トップシート10には、肌への刺激を低減させるために、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を塗布してもよい。
[バックシート]
本発明に用いるバックシート30としては、液不透過性であり、かつ、遮水性を有するシート材が用いられるが、ムレ防止のために透湿性を有していてもよい。このような特性を有するバックシート30の材料としては、例えば、ポリエチレンシートやポリエチレンラミネート不織布等の厚みの薄いプラスチックシートを挙げることができる。また、バックシート30の坪量は、加工性及び強度の点から、15g/m以上60g/m以下であることが好ましい。
(粘着層)
図2及び図4は、本発明の男性用吸収性物品1の裏面図であり、本発明の男性用吸収性物品1において、バックシート30の衣類側表面に粘着層60が設けられているため、男性用吸収性物品1を下着に確実に固定し、男性用吸収性物品1の位置ずれを防止することができる。また、粘着層60が、男性用吸収性物品1の幅方向両端部において、液拡散性シート40と、バックシート30を介して一部が重なるように、長手方向に略帯状に設けられ、さらに、男性用吸収性物品1の幅方向略中央において、長手方向に略帯状に設けられており、各粘着層60が互いに離間していることが好ましい。また、本発明の男性用吸収性物品1が略凧型形状である場合には、粘着層60は、図2及び図4に示すように、幅方向の両最端部C近傍において、液拡散性シート40と、バックシート30を介して一部が重なるように、長手方向に略帯状に設けられていること好ましい。このように、粘着層60を設けることにより、吸収の主体となる吸収体20の幅方向外側が、安定的に支えられるようになるため、フィット性が向上し、着用感を向上させることができる。なお、男性用吸収性物品1の幅方向略中央にも設けられる略帯状の粘着層60は、図2のように、最前端部A近傍から最後端部B近傍かけて設けられてもよいし、図4のように、最後端部Bから長手方向略中央にかけて設けられてもよい。
また、図示しないが、粘着層60を保護するための剥離シートを有していてもよく、この剥離シートは、男性用吸収性物品1の包装シートと部分的に接合されていてもよい。
[立体ギャザー]
男性用吸収性物品1の身体側表面には、立体ギャザー70が設けられていてもよい。この立体ギャザー70は、男性の局部の遊動を抑える点で有用である。立体ギャザー70は、立体ギャザーシートと、立体ギャザーシートの自由端部に沿って配された伸縮性弾性部材と、を備えていることが好ましい。伸縮性弾性部材としては、天然ゴム、合成ゴム、及びポリウレタン等からなる、糸状、紐状、平型形状のものを適宜使用することができる。
<液拡散性シートの製造方法>
液拡散性シート40の製造方法としては、特に制限はないが、以下の方法が一例として挙げられる。液拡散性シート40の片側表面を回転ノコ刃又はニードルパンチを用いて、起毛させる。その後、高吸収性ポリマーをホットメルト接着剤等により、液拡散性シート40の起毛した面に固着担持させる。その後、液拡散性シート40及び液拡散性シート40に固着担持された高吸収性ポリマーを親水性シート50で包んでもよい。その際には、液拡散性シート40と親水性シート50とを、ホットメルト接着剤で固定させる。
<男性用吸収性物品の製造方法>
男性用吸収性物品1の製造方法としては、特に限定はなく、従来公知の方法を採用することができ、例えば、立体ギャザー70をあらかじめトップシート10に配置し、さらに、粘着層60をバックシート30の衣類側に設けたうえで、吸収体20をトップシート10及びバックシート30の間に配置し、さらに、バックシート30と吸収体20の間又はトップシート10と吸収体20の間に、液拡散性シート40を、液拡散性シート40の起毛した面が衣類側を向くように配置する。各層はホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定することで製造することができる。
以上、本発明を、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の発明の範囲には限定されないことは言うまでもなく、上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1、比較例1及び2>
下記の液拡散性シート及び吸収体を用いた男性用吸収性物品を作製し、モニター試験を行った。モニター試験の結果を表1に示した。
[実施例1]
液拡散性シートとしてエアスルー不織布(幅75mm、坪量40g/m)を用意し、液拡散性シートの片側表面をノコ刃で物理的に起毛させ、起毛した面にホットメルト接着剤を塗布し、高吸収性ポリマー(坪量350g/m)を分散させた。次に、親水性シートとしてティッシュ(坪量16g/m)を用意し、ホットメルト接着剤を塗布し、起毛した面から液拡散性シート及び液拡散性シートに固着担持された高吸収性ポリマーを包んだ。
次に、このようにして得た液拡散性シートを、当該液拡散性シートの起毛した面を衣類側に向くようにして、あらかじめ用意したフラッフパルプ及び高吸収性ポリマーを有する吸収体の身体側に配置した。なお、吸収体に含まれる高吸収性ポリマーは、坪量が160g/m、吸収体に対する含有量を40質量%となるように調整した。次にこれらを幅方向14cm長手方向23cmの凧型のトムソン刃でカットした。
次に、ホットメルト接着剤を塗布したバックシートの上に、上記の液拡散性シート及び吸収体を配置し、更にトップシートを積層した。その後、幅方向16cm長手方向26cmの凧型のトムソン刃でカットし、略凧型形状の男性用吸収性物品を作製した。こ
略凧型形状の男性用吸収性物品を作製した。また、トップシートとしては、親水性エアスルー不織布(坪量25g/m)を用い、バックシートとしては、通気性ポリエチレンフィルム(坪量32g/m)を用いた。また、バックシートの衣類側表面には、3つの粘着層を設け、図2に示したように粘着層は、男性用吸収性物品の幅方向の両最端部近傍において、液拡散性シートと、バックシートを介して一部が重なるように、長手方向に略帯状に設けられ、男性用吸収性物品の幅方向略中央において、長手方向に略帯状に設けられており、各粘着層は互いに離間するように設けた。

[比較例1]
男性用吸収性物品の幅方向両端部に位置する粘着層を、液拡散性シートと重ならないように実施例1より端部側に、長手方向に略帯状に設けた点以外は、実施例1と同様の男性用吸収性物品を得た。

[比較例2]
粘着層を3つに離間させずに、一つの粘着層として設けた点以外は、実施例1と同様の軽失禁パッドを得た。
(モニター試験:歩行時のフィット性及び着用感)
20名の男性パネラーにより、歩いた状態でのフィット性と着用感について「不快感がない」又は「不快感がある」の選択で調査を行い、以下の基準により評価を行った。20名のパネラーで着用評価を実施して評価した。なお、◎及び○を合格とした。
◎:「不快感がない」が16人以上20人以下のとき
○:「不快感がない」が11人以上15人以下のとき
△:「不快感がない」が6人以上10人以下のとき
×:「不快感がない」がいないか、1人以上5人以下のとき
(モニター試験:着席時のフィット性及び着用感)
20名の男性パネラーにより、椅子に座る、椅子から立つの動作を5回繰り返したときに、フィット性と着用感について「不快感がない」又は「不快感がある」の選択で調査を行い、以下の基準により評価を行った。なお、◎及び○を合格とした。
◎:「不快感がない」が16人以上20人以下のとき
○:「不快感がない」が11人以上15人以下のとき
△:「不快感がない」が6人以上10人以下のとき
×:「不快感がない」がいないか、1人以上5人以下のとき
Figure 2019051104
実施例1については、粘着層が吸収体の幅方向両端部をしっかりと支持し、身体を動かしても男性の局部の遊動が少なく、フィット性及び着用感が良好であった。比較例1については、吸収体の幅方向端部をヒンジ部として、男性用吸収性物品が曲がりやすくなり、特に座位において男性の局部が浮きあがり、追随性に劣り、結果としてフィット性及び着用感を損なうものであった。比較例2については、身体を動かした際に、男性用吸収性物品が下着の動きに全く追従できず、フィット性及び着用感が劣る結果であった。
1 男性用吸収性物品
10 トップシート
20 吸収体
30 バックシート
40 液拡散性シート
50 親水性シート
60 粘着層
70 立体ギャザー
A 最前端部
B 最後端部
C 幅方向の両最端部
D 交点

Claims (4)

  1. 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体と、を有する男性用吸収性物品であって、
    前記男性用吸収性物品には、前記バックシートと前記吸収体の間又は前記トップシートと前記吸収体の間に、液拡散性シートが設けられており、
    前記液拡散性シートの片側表面は、起毛処理が施されていることにより起毛しており、前記液拡散性シートの起毛した面において、高吸収性ポリマーが接着剤により固着担持されており、
    前記液拡散性シートは、エアスルー不織布であり、
    前記バックシートの衣類側表面に粘着層が設けられており、
    前記吸収体の厚みが1mm以上5mm以下である、男性用吸収性物品。
  2. 前記粘着層が、
    男性用吸収性物品の幅方向両端部において、前記液拡散性シートと、前記バックシートを介して一部が重なるように、長手方向に略帯状に設けられ、
    さらに、男性用吸収性物品の幅方向略中央において、長手方向に略帯状に設けられており、
    各粘着層は互いに離間している、請求項1に記載の男性用吸収性物品。
  3. 最前端部から最後端部にかけて、幅方向の寸法が漸減する略凧型形状を有し、
    前記最前端部と前記最後端部を結ぶ線の寸法に対する、幅方向の両最端部を結ぶ線の寸法が、50%以上90%以下であり、
    前記最前端部と前記最後端部を結ぶ線と幅方向の両最端部を結ぶ線の交点が、
    最前端部と前記交点の離間距離と前記交点と最後端部の離間距離との比が1:3から1:7となるように、位置する、請求項1又は2に記載の男性用吸収性物品。
  4. 前記液拡散性シートの起毛した面が衣類側を向くように配置されている、請求項1から3のいずれかに記載の男性用吸収性物品。
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